JP6901696B1 - モールドパウダー - Google Patents

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Abstract

【課題】Fを含有しなくても緩冷却効果を有する結晶が晶出しつつ、操業安定性と鋼品質を損ないやすいカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制され、高品質な鋼の安定した連続鋳造を可能にするモールドパウダーを提供する。【解決手段】モールドパウダーは、Fの含有量0.5質量%以下(0質量%を含む)であり、主成分としてCaOとSiO2を含み、CaOのSiO2に対する質量比(CaO/SiO2)は0.6〜1.4であり、B2O3の含有量は0.3〜2.8質量%、Na2Oの含有量は5.0〜20.0質量%、Li2O及びK2Oの含有量は合計で0〜4.0質量%、MgOの含有量は0〜3.5質量%、Al2O3の含有量は1.0〜8.0質量%、MnOの含有量は1.0質量%以下(0質量%を含む)である。【選択図】なし

Description

本開示は、鋼の連続鋳造に好適なモールドパウダーに関する。
鋼の連続鋳造プロセスでは、モールド内の溶鋼の表面にモールドパウダーが投入される。モールドパウダーは溶鋼からの熱を受けて溶融して(以下、溶融状態のモールドパウダーを「パウダースラグ」という)溶鋼の表面を覆い、パウダースラグはモールドと凝固シェルの間隙に流れ込んでスラグフィルムとなり、モールド下端から排出されて消費される。このプロセスにおけるモールドパウダーの主な役割は、(1)溶鋼の保温、(2)大気の遮断による溶鋼の酸化防止、(3)溶鋼から浮上する非金属介在物の捕捉による溶鋼の清浄化、(4)凝固シェルとモールドの間の潤滑、(5)凝固シェルからモールドへの抜熱の調整等である。
割れ感受性が高い鋼種では抜熱の低減、即ち、緩冷却効果が特に重視され、その効果が大きいカスピダイン(3CaO・2SiO・CaF)がスラグフィルム中に晶出するモールドパウダーが広く使用されている。しかし、カスピダインはFを含有しており、冷却水と反応するとHFが生成され、設備の腐食や環境への悪影響が懸念される。そこで、特許文献1〜2は、Fを含有しなくても緩冷却効果を有するNaO・2CaO・3SiOがスラグフィルム中に晶出するモールドパウダーを開示する。
特開2012−218042号公報 特開2007−167867号公報
しかし、特許文献1〜2に開示されるモールドパウダーでは、高融点のカルシウムシリケート系結晶(例えば、CaO・SiOや2CaO・SiO等、基本組成がCaOとSiOからなる化合物)がスラグフィルム中に晶出しやすい。特に、主たる結晶(NaO・2CaO・3SiO)の晶出部でNaが消費され、その残部でカルシウムシリケート系結晶が晶出しやすいことから、結晶相が不均一になりやすい。その結果、スラグフィルムは潤滑性や緩冷却効果の均一性が悪化し、操業安定性や鋼品質が損なわれやすいという問題がある。
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、本開示のいくつかの態様は、Fを含有しなくても緩冷却効果を有する結晶が晶出しつつ、操業安定性と鋼品質を損ないやすいカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制され、高品質な鋼の安定した連続鋳造を可能にするモールドパウダーを提供することを目的とする。
(1)本開示の一の態様は、Fの含有量は0.5質量%以下(0質量%を含む)であり、
主成分としてCaOとSiOを含み、CaOのSiOに対する質量比(CaO/SiO)は0.6〜1.4であり、Bの含有量は0.3〜2.8質量%、NaOの含有量は5.0〜20.0質量%、LiO及びKOの含有量は合計で0〜4.0質量%、MgOの含有量は0〜3.5質量%、Alの含有量は1.0〜8.0質量%、MnOの含有量は1.0質量%以下(0質量%を含む)であることを特徴とするモールドパウダーに関する。
Fの含有量を0.5%以下に低減し、NaOの含有量を適正化することにより、NaO、CaO及びSiOで構成される結晶がスラグフィルム中に安定的に晶出しつつ、高融点のカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制される。さらに、Bの含有量を適正化することにより、カルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制される。その理由は必ずしも明らかではないが、Bがスラグフィルム中でネットワークを形成してガラス化を促進することが考えられる。NaO、CaO及びSiOで構成される結晶は緩冷却効果を有することから、潤滑性を損なうことなく均一な緩冷却効果をスラグフィルムに与えることができ、高品質な鋼の安定した連続鋳造が可能である。
(2)本開示の一の態様では、1300℃における粘度が0.1〜1.0Pa・sであり、結晶化温度が950℃〜1230℃であることが好ましい。これにより、パウダースラグの巻き込み欠陥が抑制され、パウダースラグの流入量が適度に維持される。また、緩冷却効果が促進され、鋳片表面割れや熱電対温度の変動が抑制される。さらに、凝固シェルの破断によるブレークアウトが抑制される。結果として連続鋳造が安定し、鋼の品質を向上させることができる。
(3)本開示の一の態様では、スラグフィルム中に晶出する結晶は、aNaO・bCaO・cSiO(a,b,cは1〜8の任意の整数)で構成される結晶の1種又は2種以上であることが好ましく、カルシウムシリケート系結晶を含まないことがより好ましい。NaO、CaO及びSiOで構成される結晶がスラグフィルム中に安定的に晶出しつつ、高融点のカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制されることから、潤滑性を損なうことなく均一な緩冷却効果をスラグフィルムに与えることができる。
以下、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成のすべてが本開示の解決手段として必須であるとは限らない。
本実施形態のモールドパウダーは、Fの含有量は0.5質量%以下(0質量%を含む)であり、主成分としてCaOとSiOを含み、CaOのSiOに対する質量比(CaO/SiO)は0.6〜1.4であり、Bの含有量は0.3〜2.8質量%、NaOの含有量は5.0〜20.0質量%、LiO及びKOの含有量は合計で0〜4.0質量%、MgOの含有量は0〜3.5質量%、Alの含有量は1.0〜8.0質量%、MnOの含有量は1.0質量%以下(0質量%を含む)である。
<F>
Fの含有量は不可避不純物に起因するものを含めて0.5質量%以下であり、より好ましくは0.3質量%以下である(0質量%を含む)。これにより、スラグフィルム中にNaO、CaO及びSiOで構成される結晶の晶出が促進されるとともに、カスピダインの晶出が抑制されるため、Fによる設備の腐食や環境への悪影響が抑制される。
<CaO、SiO
モールドパウダーは主成分としてCaOとSiOを含む。CaOのSiOに対する質量比(CaO/SiO)は好ましくは0.6〜1.4であり、より好ましくは0.7〜1.3である。質量比(CaO/SiO)が0.6以上でスラグフィルム中にNaO、CaO及びSiOで構成される結晶の晶出が促進され、高い緩冷却効果が得られる。一方、質量比(CaO/SiO)が1.4以下でダイカルシウムシリケートやゲーレナイト等といった高融点のカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制される。
主成分の原料としては、一般にモールドパウダーに用いられるものであれば特に制限はなく、CaO−SiO基材原料やシリカ原料を用いることができる。CaO−SiO基材原料としては、例えば、フライアッシュ、ポルトランドセメント、合成珪酸カルシウム、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、高炉スラグ、リンスラグ、ダイカルシウムシリケート、石灰石、生石灰等のセメント類等を用いることができる。シリカ原料としては、例えば、珪砂、珪藻土、ガラス粉、長石、珪石、パーライト、シリカフューム、シリカフラワー、フライアッシュ等を用いることができる。これらの原料を配合して質量比(CaO/SiO)を調整する。
<B
の含有量は0.3〜2.8質量%であり、より好ましくは0.5〜2.7質量%であり、さらに好ましくは1.6〜2.6質量%である。Bの含有量が0.3質量以上でスラグフィルム中の高融点のカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制され、潤滑性や緩冷却効果の均一性が適度に維持される。カルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制される理由は必ずしも明らかではないが、Bがスラグフィルム中でネットワークを形成してガラス化を促進することが考えられる。一方、Bの含有量が2.8質量%以下で溶鋼への拡散による鋼特性の変化が抑制される。また、パウダースラグの表面張力が適度に高く維持され、パウダースラグの巻き込み欠陥が抑制される。Bの含有量が過剰な場合はスラグフィルムのガラス化が促進され、十分な緩冷却効果が得られない。B原料としては、硼砂、コレマナイト、灰硼石、プリメルト処理した合成スラグ等を用いることができる。
<NaO>
NaOの含有量は、好ましくは5.0〜20.0質量%であり、より好ましくは6.0〜18.0質量%であり、さらに好ましくは8.0〜15.0質量%である。NaOの含有量が5.0質量%以上でNaO、CaO及びSiOで構成される結晶の晶出が促進され、高い緩冷却効果が得られる。一方、NaOの含有量が20.0質量%以下でパウダースラグの粘度が適度に維持され、パウダースラグの巻き込み欠陥や浸漬ノズルの溶損が抑制される。さらに、結晶化温度が適度に維持されるため、スラグフィルム中にaNaO・bCaO・cSiO(a,b,cは1〜8の任意の整数)で構成される結晶から1種又は2種以上の晶出が促進され、高い緩冷却効果が得られる。
<LiO、KO>
高速鋳造等によりパウダースラグに高い流入性が要求される場合、NaO以外のアルカリ金属酸化物のLiOやKOを添加してもよいが、その含有量は合計で0〜4.0質量%であり、好ましくは0〜3.0質量%である。合計の含有量が4.0質量%以下でパウダースラグの粘度や表面張力が適度に維持され、パウダースラグの巻き込み欠陥が抑制される。
<MgO>
MgOの含有量は好ましくは0〜3.5質量%であり、より好ましくは0〜3.0質量%である。MgOの含有量が3.5質量%以下でMgO含有結晶の晶出が抑制される。さらに、鋼中のAlとの反応によるスピネルの形成が抑制され、鋼中介在物の吸収能が適度に維持される。
<Al
Alの含有量は好ましくは1.0〜8.0質量%であり、より好ましくは3.6〜8.0質量%であり、さらに好ましくは4.1〜7.9質量%であり、特に好ましくは5.0〜7.0質量%である。Alの含有量が3.6質量%以上で溶鋼からモールドへの熱流束の変動が極めて小さくなり、鋳片の均一冷却性が向上する。Alの含有量が8.0質量%以下で高融点のゲーレナイトの晶出が抑制され、NaO、CaO及びSiOで構成される結晶の晶出が促進されるため、溶融性や緩冷却効果の均一性が適度に維持される。
<MnO>
MnOは不可避不純物として含まれやすいが、含有量は好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である(0質量%を含む)。MnOの含有量が1.0質量%以下で溶鋼との還元反応が抑制され、溶鋼へのドロップが抑制される。さらに、還元反応に伴う溶鋼への酸素供給が抑制され、溶鋼の表面張力が適度に維持される。
<炭素>
モールドパウダーの滓化速度を調整するために炭素を添加してもよい。炭素の含有量は好ましくは10質量%以下(0質量%を含む)である。これにより、溶鋼へのカーボンピックアップが抑制される。炭素原料としては、グラファイト、カーボンブラックコークス粉、黒鉛等を用いることができる。
<その他の成分>
その他の成分として、軟化点、粘度及び結晶化温度を調整するためにフラックスを添加してもよい。フラックスとしては、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩を用いることができる。また、不可避不純物として微量のFe、TiO、Cr、P、S等を含んでもよい。
<粘度>
1300℃におけるモールドパウダー(パウダースラグ)の粘度は好ましくは0.1〜1.0Pa・sであり、より好ましくは0.1〜0.8Pa・sである。粘度が0.1Pa・s以上でパウダースラグの巻き込み欠陥が抑制され、1.0Pa・s以下でパウダースラグの流入量が適度に維持される。
<結晶化温度>
モールドパウダーの結晶化温度は好ましくは950〜1230℃であり、より好ましくは970〜1200℃である。結晶化温度が950℃以上で結晶化が促進され、緩冷却効果が促進されるため、鋳片表面割れや、熱電対温度(モールドに埋め込まれた熱電対が示す温度)の変動が抑制される。結晶化温度が1230℃以下で結晶層の厚さが適度に維持されるため、パウダースラグの流入量が適度に維持され、凝固シェルの破断によるブレークアウトが抑制される。
<結晶>
スラグフィルム中に晶出する結晶は、aNaO・bCaO・cSiO(a,b,cは1〜8の任意の整数)で構成される結晶の1種又は2種以上であり、好ましくは3種以下であり、より好ましくは1種であり、カルシウムシリケート系結晶を含まない。NaO、CaO及びSiOで構成される結晶がスラグフィルム中に安定的に晶出しつつ、高融点のカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制されることから、潤滑性を損なうことなく均一な緩冷却効果をスラグフィルムに与えることができる。
<モールドパウダーの形態>
モールドパウダーの原料は、既述のものを含め、一般にモールドパウダーに用いられ、かつ、上記の組成や特性を満足するものであれば特に制限はなない。モールドパウダーの形態は、一般にモールドパウダーに用いられる形態であれば特に制限はなく、例えば、粉末、押し出し成形顆粒、中空スプレー顆粒、撹拌造粒等を用いることができる。
以下、本開示の実施例について詳細に説明する。
[実験方法]
モールド内の溶鋼の表面にモールドパウダーを投入し、連続鋳造を行った。いずれの試験もスラブモールドを用いた連続鋳造設備で行った。実験に用いた鋼種とモールドパウダーの組成を表1に示す。鋼種の「LC」は鋼中カーボン濃度が0.01〜0.07質量%の低炭鋼を示し、「ULC」は鋼中カーボン濃度が0.01質量%未満の極低炭素鋼を示す。組成の単位は質量%であるが、質量比(CaO/SiO)はCaOのSiOに対する質量比であり、他の質量%表示と区別するためにカッコ書きとした。グレーにハッチングされた欄は、その数値が本開示の範囲を満たさないことを意味する。
Figure 0006901696
実施例1〜10は本開示の実施例である。比較例1はFの含有量が多い。比較例2は質量比(CaO/SiO)が小さく、比較例3は質量比(CaO/SiO)が大きく、MgOの含有量が多い。比較例4はBの含有量が少なく0質量%であり、比較例5はBの含有量が多く、比較例6はB及びAlの含有量が多い。比較例7はNaOの含有量が少なく、比較例8はNaOの含有量が多い。比較例9はMnOの含有量が多い。
実施例及び比較例のモールドパウダーについて、以下の評価を行った。
<粘度>
モールドパウダーの粘度は球引き上げ法により測定した。即ち、1300℃のパウダースラグ中に直径10mmの白金球を吊り下げ、0.85cm/sの速度で引き上げた時の荷重から粘度を求めた。
<結晶化温度>
モールドパウダーの結晶化温度は示差熱法により測定した。即ち、約150gのモールドパウダーを加熱して溶融した後、4℃/minで降温しながらパウダースラグの温度を測定し、発熱開始時の温度を結晶化温度とした。
<結晶>
スラグフィルム中に晶出した結晶はX線回折法により測定した。検出された結晶のうち、NaO、CaO又はSiOで構成されるものと、それらの略称を表2に示す。
Figure 0006901696
<スリバー欠陥>
鋳片圧延後の冷延コイルについて、線状の傷であるスリバー欠陥の発生率を求めた。スリバー欠陥の発生率が低いほどパウダースラグや介在物の巻き込みが少ないことを意味し、1%未満を優(◎)、1%以上3%未満を良(○)、3%以上6%未満を可(△)、6%以上を不可(×)と評価した。
<鋳片割れ>
鋳片を熱延し、発生した割れによる格落ち率が1%未満を優(◎)、1%以上3%未満を良(○)、3%以上4%以下を可(△)、4%超を不可(×)と評価した。
<操業安定性>
熱電対温度をモニターし、ほぼ一定で操業が安定していた場合を優(◎)、少し変動したが操業に支障がなかった場合を良(○)、パウダースラグの潤滑不足により大きく変動し、操業に支障を来した場合を不可(×)と評価した。
[評価結果]
実施例及び比較例の評価結果を表3に示す。
Figure 0006901696
実施例1〜10はいずれも安定な連続鋳造を達成し、鋼品質も、F含有モールドパウダーを使用した場合の従来品相当を確保することができた。操業安定性の点でAlの含有量が3.6質量%以上の実施例2〜3、5〜6、8〜10は優れ、Alの含有量が4.1〜7.9質量%の実施例2〜3、5〜6、9〜10はより優れ、Alの含有量が5.0〜7.0質量%の実施例9〜10は特に優れていた。これは、Alが適度に存在することより、主たる結晶(NaO・2CaO・3SiO)の晶出部の残部でカルシウムシリケート系結晶の晶出が抑制され、結晶相が均一になり、溶鋼からモールドへの熱流束の変動が極めて小さくなり、鋳片の均一冷却性が向上したためと考えられる。
比較例1は熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。また、Fの含有量が多く、カスピダインが晶出した。比較例2は鋳片割れが発生し、また、熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。これは、質量比(CaO/SiO)が小さく、結晶化温度が低下し、結晶が晶出しにくくなり、十分な緩冷却効果が得られなかったためと考えられる。比較例3は熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。これは、質量比(CaO/SiO)が大きく、高融点のCSが晶出し、結晶相が不均一になり、スラグフィルムの潤滑性や緩冷却効果の均一性が悪化したためと考えられる。比較例4は熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。これは、高融点のCSが晶出し、スラグフィルムの潤滑性や緩冷却効果の均一性が悪化したためと考えられる。比較例5は操業安定性は良好であったが、スリバー欠陥が悪化した。これは、Bの含有量が多かったためと考えられる。比較例6は熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。また、結晶が検出されなかった。これは、過剰なBがガラス化を促進し、十分な緩冷却効果が得られなかったためと考えられる。比較例7は熱電対温度が変動し、操業安定性が不可であった。これは、NaOの含有量が少ないため、高融点のCSが晶出し、スラグフィルムの潤滑性や緩冷却効果の均一性が悪化したためと考えられる。比較例8はスリバー欠陥が不可であった。これは、NaOの含有量が多く、パウダースラグの粘度が低下し、パウダースラグの巻き込み欠陥が発生したためと考えられる。比較例9はスリバー欠陥が不可であった。MnOの含有量が多く、溶鋼との還元反応や溶鋼へのドロップの発生が考えられる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本開示の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例はすべて本開示の範囲に含まれる。例えば、明細書において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語とともに記載された用語は、明細書のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えられることができる。

Claims (3)

  1. Fの含有量は0.5質量%以下(0質量%を含む)であり、
    主成分としてCaOとSiOを含み、CaOのSiOに対する質量比(CaO/SiO)は0.6〜1.4であり、
    の含有量は0.3〜2.8質量%、NaOの含有量は5.0〜20.0質量%、LiO及びKOの含有量は合計で0〜4.0質量%、MgOの含有量は0〜3.5質量%、Alの含有量は4.1〜7.9質量%、MnOの含有量は1.0質量%以下(0質量%を含む)であることを特徴とするモールドパウダー。
  2. 請求項1に記載のモールドパウダーであって、
    1300℃における粘度が0.1〜1.0Pa・sであり、結晶化温度が950℃〜1230℃であることを特徴とするモールドパウダー。
  3. 請求項1又は2に記載のモールドパウダーであって、
    スラグフィルム中に晶出する結晶は、aNaO・bCaO・cSiO(a,b,cは1〜8の任意の整数)で構成される結晶の1種又は2種以上であることを特徴とするモールドパウダー。
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