JP2000071051A - 鋼の連続鋳造用パウダー - Google Patents
鋼の連続鋳造用パウダーInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 難巻き込みで、かつ潤滑性に優れており、パ
ウダー性欠陥の無い高品位の製品を得ることができる、
鋼の連続鋳造用パウダーを提供すること。 【解決手段】 CaO、SiO2およびAl2O3を合計
で50〜93重量%含み、さらにフラックス成分を含
み、かつCaO/SiO2が重量比で7以上であり、A
l2O3/CaOが重量比で0.5〜1.4である。
ウダー性欠陥の無い高品位の製品を得ることができる、
鋼の連続鋳造用パウダーを提供すること。 【解決手段】 CaO、SiO2およびAl2O3を合計
で50〜93重量%含み、さらにフラックス成分を含
み、かつCaO/SiO2が重量比で7以上であり、A
l2O3/CaOが重量比で0.5〜1.4である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼の連続鋳造にお
いて鋳型内に添加して使用される鋼の連続鋳造用パウダ
ーに関する。
いて鋳型内に添加して使用される鋼の連続鋳造用パウダ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】溶鋼の連続鋳造に使用される従来の鋳造
用パウダーには、以下のような特性が要求される。
用パウダーには、以下のような特性が要求される。
【0003】(1)溶鋼面をパウダーが溶融して形成さ
れたスラグとその上の未溶融層とで被覆することによ
り、空気による溶鋼酸化を防止し、保温効果を持つ。 (2)溶融スラグは鋳型と鋳片との間に入って潤滑剤に
なるため、常に適当量供給される必要がある。このた
め、消費速度に合いかつ適正スラグプール厚となる溶融
速度を有する。 (3)溶融したスラグ層が鋼中より浮上した非金属介在
物を吸収し、その物性(粘性、溶融温度)の変化が小さ
いこと。 (4)溶融スラグは鋳型と凝固シェル間に流れ込み均一
なスラグフィルムを形成し、その間で潤滑作用があるこ
と。 (5)溶融スラグが適度の粘度、表面張力を持ち、溶鋼
へ巻き込まれないこと。
れたスラグとその上の未溶融層とで被覆することによ
り、空気による溶鋼酸化を防止し、保温効果を持つ。 (2)溶融スラグは鋳型と鋳片との間に入って潤滑剤に
なるため、常に適当量供給される必要がある。このた
め、消費速度に合いかつ適正スラグプール厚となる溶融
速度を有する。 (3)溶融したスラグ層が鋼中より浮上した非金属介在
物を吸収し、その物性(粘性、溶融温度)の変化が小さ
いこと。 (4)溶融スラグは鋳型と凝固シェル間に流れ込み均一
なスラグフィルムを形成し、その間で潤滑作用があるこ
と。 (5)溶融スラグが適度の粘度、表面張力を持ち、溶鋼
へ巻き込まれないこと。
【0004】これらの中で、特に鋼へのパウダーの巻き
込みは、鋳造速度が1.5m/minよりも大きくなる
ような高速鋳造や、中、低速鋳造でもブリキ材、自動車
用鋼板等の品質要求が厳格な鋼に対し問題となることが
多い。
込みは、鋳造速度が1.5m/minよりも大きくなる
ような高速鋳造や、中、低速鋳造でもブリキ材、自動車
用鋼板等の品質要求が厳格な鋼に対し問題となることが
多い。
【0005】このため、高粘性、高表面張力の難巻き込
みタイプのパウダーが開発されてきた(特公平4−40
103号公報等)。
みタイプのパウダーが開発されてきた(特公平4−40
103号公報等)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年さらなる
高速鋳造化やさらなる品質の向上が要求されており、巻
き込みを防止するためにパウダーの組成を変更して高粘
性とすると、鋳型と凝固シェル間の十分な潤滑性が維持
できなくなってしまう。
高速鋳造化やさらなる品質の向上が要求されており、巻
き込みを防止するためにパウダーの組成を変更して高粘
性とすると、鋳型と凝固シェル間の十分な潤滑性が維持
できなくなってしまう。
【0007】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であって、難巻き込みで、かつ潤滑性に優れており、パ
ウダー性欠陥の無い高品位の製品を得ることができる、
鋼の連続鋳造用パウダーを提供することを目的とする。
であって、難巻き込みで、かつ潤滑性に優れており、パ
ウダー性欠陥の無い高品位の製品を得ることができる、
鋼の連続鋳造用パウダーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、各種実験
および検討を重ね、実鋳造でのパウダーの流れ込み条件
を推測した。その結果、高速鋳造においても鋳片への巻
き込みが極めて少なく、かつ潤滑性が優れるパウダー組
成が存在することを知見した。
および検討を重ね、実鋳造でのパウダーの流れ込み条件
を推測した。その結果、高速鋳造においても鋳片への巻
き込みが極めて少なく、かつ潤滑性が優れるパウダー組
成が存在することを知見した。
【0009】すなわち、粘度は0.5〜10poiseと通
常のものと同程度であるが、溶鋼との間の界面張力を大
きく保つようにパウダー組成を制御することができ、こ
のような組成のパウダーを用いることにより、鋼に対す
るパウダーの巻き込みを減少させることができる。
常のものと同程度であるが、溶鋼との間の界面張力を大
きく保つようにパウダー組成を制御することができ、こ
のような組成のパウダーを用いることにより、鋼に対す
るパウダーの巻き込みを減少させることができる。
【0010】本発明は、このような知見に基づいてなさ
れたものであり、CaO、SiO2およびAl2O3を合
計で50〜93重量%含み、さらにフラックス成分を含
み、かつCaO/SiO2が重量比で7以上であり、A
l2O3/CaOが重量比で0.5〜1.4であることを
特徴とする鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものであ
る。
れたものであり、CaO、SiO2およびAl2O3を合
計で50〜93重量%含み、さらにフラックス成分を含
み、かつCaO/SiO2が重量比で7以上であり、A
l2O3/CaOが重量比で0.5〜1.4であることを
特徴とする鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものであ
る。
【0011】また、上記パウダーにおいて、前記フラッ
クス成分は、Na2O、MgO、Fe2O3、Li2O、B
aO、SrO、Fの1種以上からなることを特徴とする
鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものである。
クス成分は、Na2O、MgO、Fe2O3、Li2O、B
aO、SrO、Fの1種以上からなることを特徴とする
鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものである。
【0012】さらに、上記いずれかのパウダーにおい
て、さらに、溶融速度調整剤として炭素質を含有するこ
とを特徴とする鋼の連続鋳造用パウダーを提供するもの
である。
て、さらに、溶融速度調整剤として炭素質を含有するこ
とを特徴とする鋼の連続鋳造用パウダーを提供するもの
である。
【0013】さらにまた、上記いずれかのパウダーにお
いて、1300℃における粘度が0.5〜10poise、
結晶化温度が900〜1250℃であることを特徴とす
る鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものである。
いて、1300℃における粘度が0.5〜10poise、
結晶化温度が900〜1250℃であることを特徴とす
る鋼の連続鋳造用パウダーを提供するものである。
【0014】さらにまた、上記いずれかのパウダーにお
いて、1550℃における溶鋼との間の界面張力値が1
100dyn/cm以上であることを特徴とする鋼の連
続鋳造用パウダーを提供するものである。
いて、1550℃における溶鋼との間の界面張力値が1
100dyn/cm以上であることを特徴とする鋼の連
続鋳造用パウダーを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。前述のように、パウダーを用いた鋼の連続鋳造
法では、パウダーの巻き込みが大きな問題となる。その
ため、巻き込みを防止し、しかも潤滑性を確保するため
の種々検討を行った。
明する。前述のように、パウダーを用いた鋼の連続鋳造
法では、パウダーの巻き込みが大きな問題となる。その
ため、巻き込みを防止し、しかも潤滑性を確保するため
の種々検討を行った。
【0016】まず、一般的に用いられる連続鋳造用パウ
ダーについて説明する。一般的な連続鋳造用パウダー
は、SiO2、CaO、Al2O3、Fe2O3、MgO、
MnO、BaO、B2O3等の酸化物を母材とし、その他
に物性調製剤としてNa2O、K2O,LiO等の金属酸
化物、NaF、KF、LiF、CaF2、MgF2、Al
F3、Na3AlF6等のフッ化物およびそれら金属の炭
酸化物、硝酸化物が添加されている。
ダーについて説明する。一般的な連続鋳造用パウダー
は、SiO2、CaO、Al2O3、Fe2O3、MgO、
MnO、BaO、B2O3等の酸化物を母材とし、その他
に物性調製剤としてNa2O、K2O,LiO等の金属酸
化物、NaF、KF、LiF、CaF2、MgF2、Al
F3、Na3AlF6等のフッ化物およびそれら金属の炭
酸化物、硝酸化物が添加されている。
【0017】熱処理基材としては、電気炉やキュポラで
溶解されたプリメルト基材、また既存の熱処理原料とし
て、高炉滓やガラス粉末、ポルトランドセメント、天然
のものとして玄武岩、ワラストナイト、シラス等があ
る。
溶解されたプリメルト基材、また既存の熱処理原料とし
て、高炉滓やガラス粉末、ポルトランドセメント、天然
のものとして玄武岩、ワラストナイト、シラス等があ
る。
【0018】副原料としては、フッ化ナトリウム、水晶
石、炭酸ソーダ、炭酸リチウム、蛍石のフラックス、お
よびSiO2源としてガラス粉、珪藻土等、CaO源と
して、炭酸カルシウム、蛍石等が添加される。
石、炭酸ソーダ、炭酸リチウム、蛍石のフラックス、お
よびSiO2源としてガラス粉、珪藻土等、CaO源と
して、炭酸カルシウム、蛍石等が添加される。
【0019】溶融速度調整剤としては、カーボンブラッ
ク、天然および人造黒鉛、コークス粉、石炭粉等の炭素
質、あるいは、窒化ホウ素等の窒化物を0.5〜15重
量%配合した粉状のもの、あるいはこれにバインダーを
添加し、顆粒状にしたものが一般的である。従来は炭素
質粉として、平均粒径30mmのカーボンブラック、4
0μmのコークス粉、100μmの木粉が使用されてい
る。
ク、天然および人造黒鉛、コークス粉、石炭粉等の炭素
質、あるいは、窒化ホウ素等の窒化物を0.5〜15重
量%配合した粉状のもの、あるいはこれにバインダーを
添加し、顆粒状にしたものが一般的である。従来は炭素
質粉として、平均粒径30mmのカーボンブラック、4
0μmのコークス粉、100μmの木粉が使用されてい
る。
【0020】このような一般的なパウダーに対し、本発
明では、以下の観点から検討を行った。近年、高速鋳造
が指向されており、その条件下では溶鋼のスループット
量の増大によりパウダーはより巻き込みやすい環境にな
る。また、高速下では潤滑性が悪くなることが知られて
いる。
明では、以下の観点から検討を行った。近年、高速鋳造
が指向されており、その条件下では溶鋼のスループット
量の増大によりパウダーはより巻き込みやすい環境にな
る。また、高速下では潤滑性が悪くなることが知られて
いる。
【0021】パウダーの巻き込みを制御するためには、
パウダーの粘性を大きくする必要があり、その一方で凝
固シェルと鋳型間の潤滑作用を良好にするためには、パ
ウダーの粘性を低くする必要がある。このような相反す
る課題の解決が望まれている。
パウダーの粘性を大きくする必要があり、その一方で凝
固シェルと鋳型間の潤滑作用を良好にするためには、パ
ウダーの粘性を低くする必要がある。このような相反す
る課題の解決が望まれている。
【0022】そこで、図1に示す試験装置を使用して検
討した結果、パウダーの巻き込みに関しては、粘度は大
きい影響力を持つことがわかったが、それに加え、溶鋼
−パウダー間の界面張力も巻き込みに対して多大な影響
があることがわかった。一方、表面張力に関しては、そ
の影響を確認することはできなかった。
討した結果、パウダーの巻き込みに関しては、粘度は大
きい影響力を持つことがわかったが、それに加え、溶鋼
−パウダー間の界面張力も巻き込みに対して多大な影響
があることがわかった。一方、表面張力に関しては、そ
の影響を確認することはできなかった。
【0023】そこで、検討を重ね、パウダー粘度を従来
並みに維持することで潤滑性を確保しつつ、溶鋼−パウ
ダー間の界面張力を大きくすることでパウダーの巻き込
みを抑制することができることを見出した。
並みに維持することで潤滑性を確保しつつ、溶鋼−パウ
ダー間の界面張力を大きくすることでパウダーの巻き込
みを抑制することができることを見出した。
【0024】界面張力の測定は、静滴法により行った。
その結果、界面張力は、CaO/SiO2が高く、Al2
O3含有量が高いほど、大きくなる傾向を持つことがわ
かった。
その結果、界面張力は、CaO/SiO2が高く、Al2
O3含有量が高いほど、大きくなる傾向を持つことがわ
かった。
【0025】また、パウダーの溶鋼への巻き込みを評価
するために、図1に示すように、石英製のJ字管4を鋼
中に浸漬し、湯面近傍の溶鋼5を吸引した後、J字管4
中に吸い込まれた鋼に含有されるパウダーの量を定量化
することで巻き込みを評価した。なお、図1において、
1は真空トラップ、2は真空ポンプ、3は溶融パウダ
ー、6はるつぼ、7は鋼種はコイルである。図2に、1
550℃における巻き込み指数と界面張力との関係を示
す。この図に示すように、粘性が同程度でも界面張力値
が大きくなるとパウダーの巻き込みが減少する。このこ
とから、パウダーの組成を調整することによりパウダー
粘度を従来並みに維持しつつ、パウダーの巻き込みを減
少させることが可能であることが見出された。
するために、図1に示すように、石英製のJ字管4を鋼
中に浸漬し、湯面近傍の溶鋼5を吸引した後、J字管4
中に吸い込まれた鋼に含有されるパウダーの量を定量化
することで巻き込みを評価した。なお、図1において、
1は真空トラップ、2は真空ポンプ、3は溶融パウダ
ー、6はるつぼ、7は鋼種はコイルである。図2に、1
550℃における巻き込み指数と界面張力との関係を示
す。この図に示すように、粘性が同程度でも界面張力値
が大きくなるとパウダーの巻き込みが減少する。このこ
とから、パウダーの組成を調整することによりパウダー
粘度を従来並みに維持しつつ、パウダーの巻き込みを減
少させることが可能であることが見出された。
【0026】以上のことから、本発明では、CaO、S
iO2およびAl2O3を合計で50〜93重量%含み、
さらにフラックス成分を含み、かつCaO/SiO2が
重量比で7以上であり、Al2O3/CaOが重量比で
0.5〜1.4であることを要件とする。
iO2およびAl2O3を合計で50〜93重量%含み、
さらにフラックス成分を含み、かつCaO/SiO2が
重量比で7以上であり、Al2O3/CaOが重量比で
0.5〜1.4であることを要件とする。
【0027】パウダー中のCaOとSiO2とAl2O3
の合計が93重量%を超えると、粘度を低減させるフラ
ックス分の添加量が不十分になり、結果的に粘度が大き
い値をとることで、鋳型内の潤滑が不十分になる。ま
た、この合計が50重量%未満では粘度等の物性を調整
することが困難となる。したがって、これらの合計量を
50〜93重量%と規定した。
の合計が93重量%を超えると、粘度を低減させるフラ
ックス分の添加量が不十分になり、結果的に粘度が大き
い値をとることで、鋳型内の潤滑が不十分になる。ま
た、この合計が50重量%未満では粘度等の物性を調整
することが困難となる。したがって、これらの合計量を
50〜93重量%と規定した。
【0028】また、CaO/SiO2が重量比で7未満
では、巻き込みを抑制するための界面張力値が小さいた
め、巻き込みを抑制する効果が不十分である。特にアル
ミキルド鋼を製造する場合には、CaO/SiO2が重
量比で7未満となると、パウダー中のSiO2の活量が
大きいため、溶鋼中のAlとパウダー中のSiO2との
間で酸化反応が生じやすく、界面張力が大幅に減少する
傾向にある。したがって、CaO/SiO2を重量比で
7以上と規定した。
では、巻き込みを抑制するための界面張力値が小さいた
め、巻き込みを抑制する効果が不十分である。特にアル
ミキルド鋼を製造する場合には、CaO/SiO2が重
量比で7未満となると、パウダー中のSiO2の活量が
大きいため、溶鋼中のAlとパウダー中のSiO2との
間で酸化反応が生じやすく、界面張力が大幅に減少する
傾向にある。したがって、CaO/SiO2を重量比で
7以上と規定した。
【0029】さらに、Al2O3/CaOが重量比で0.
5未満、または1.4を超える場合、パウダーの溶融す
る温度が高くなり、ベアの発生成長が起こり、鋳造に悪
影響を与える。したがって、Al2O3/CaOを重量比
で0.5〜1.4と規定した。
5未満、または1.4を超える場合、パウダーの溶融す
る温度が高くなり、ベアの発生成長が起こり、鋳造に悪
影響を与える。したがって、Al2O3/CaOを重量比
で0.5〜1.4と規定した。
【0030】以上のような組成の鋼の連続鋳造用パウダ
ーを使用することで、高速鋳造においても潤滑性を十分
確保することができ、かつ、コイルの表面疵を大幅に減
少することが可能となる。
ーを使用することで、高速鋳造においても潤滑性を十分
確保することができ、かつ、コイルの表面疵を大幅に減
少することが可能となる。
【0031】フラックス成分は、パウダーの結晶化温度
や軟化温度を制御するために添加される。フラックス成
分としては、Na2O、MgO、Fe2O3、Li2O、B
aO、SrO、およびFの1種以上からなるものが好ま
しい。また、溶融速度調整剤として炭素質を含有させる
ことが好ましい。
や軟化温度を制御するために添加される。フラックス成
分としては、Na2O、MgO、Fe2O3、Li2O、B
aO、SrO、およびFの1種以上からなるものが好ま
しい。また、溶融速度調整剤として炭素質を含有させる
ことが好ましい。
【0032】また、1300℃における粘度は0.5〜
10poiseであることが望ましい。粘度が10poiseを超
えると、鋳型とパウダーとの間の潤滑が不足する。一
方、0.5poise未満では、界面張力を制御してもパウ
ダーの巻き込みを抑制し難い。
10poiseであることが望ましい。粘度が10poiseを超
えると、鋳型とパウダーとの間の潤滑が不足する。一
方、0.5poise未満では、界面張力を制御してもパウ
ダーの巻き込みを抑制し難い。
【0033】結晶化温度は900〜1250℃であるこ
とが望ましい。結晶化温度が1250℃を超えるとベア
が発生および成長し、パウダー潤滑に悪影響を与える。
一方、900℃未満では、溶融する速度が大きすぎ、十
分な保温性を維持することができなくなる。
とが望ましい。結晶化温度が1250℃を超えるとベア
が発生および成長し、パウダー潤滑に悪影響を与える。
一方、900℃未満では、溶融する速度が大きすぎ、十
分な保温性を維持することができなくなる。
【0034】さらに、上述した図2から、1550℃に
おけるパウダーと溶鋼との間の界面張力値が1100d
yn/cm以上になると、急激にパウダーの巻き込みが
減少することが見出されることから、1550℃におけ
るパウダーと溶鋼との間の界面張力は1100dyn/
cm以上が好ましい。
おけるパウダーと溶鋼との間の界面張力値が1100d
yn/cm以上になると、急激にパウダーの巻き込みが
減少することが見出されることから、1550℃におけ
るパウダーと溶鋼との間の界面張力は1100dyn/
cm以上が好ましい。
【0035】
【実施例】(第1の実施例)表1に示すパウダーを使用
して、実機試験を行い、パウダーの潤滑性とコイルの疵
を評価した。表1の比較例1のパウダーを使用して鋳造
したコイルにおけるパウダー性欠陥の単位当たりの個数
の評価を行い、それを巻き込み指数100とした。実施
例1〜4におけるパウダーは、溶鋼との間の界面張力が
比較例のパウダーよりも高く、1300℃での粘度は比
較例1のパウダーとほぼ同程度であるにもかかわらず、
巻き込み指数は10〜20と著しく減少しており、コイ
ルの疵も少ないことが確認された。また、実施例1〜4
のパウダーは、いずれもその消費量が0.3kg/m2
と潤滑には問題ないレベルであった。
して、実機試験を行い、パウダーの潤滑性とコイルの疵
を評価した。表1の比較例1のパウダーを使用して鋳造
したコイルにおけるパウダー性欠陥の単位当たりの個数
の評価を行い、それを巻き込み指数100とした。実施
例1〜4におけるパウダーは、溶鋼との間の界面張力が
比較例のパウダーよりも高く、1300℃での粘度は比
較例1のパウダーとほぼ同程度であるにもかかわらず、
巻き込み指数は10〜20と著しく減少しており、コイ
ルの疵も少ないことが確認された。また、実施例1〜4
のパウダーは、いずれもその消費量が0.3kg/m2
と潤滑には問題ないレベルであった。
【0036】
【表1】
【0037】(第2の実施例)種々のパウダーを使用し
て、鋳造速度:3m/minの高速鋳造試験を行った。
その結果を表2に示す。表2の比較例2の巻き込み結果
でわかるように、鋳造速度が増加することで巻き込み欠
陥も倍増するが、実施例5〜8の巻き込み指数は、比較
例2に比べて著しく小さく、高速鋳造であっても巻き込
みを大幅に抑制できることが確認された。
て、鋳造速度:3m/minの高速鋳造試験を行った。
その結果を表2に示す。表2の比較例2の巻き込み結果
でわかるように、鋳造速度が増加することで巻き込み欠
陥も倍増するが、実施例5〜8の巻き込み指数は、比較
例2に比べて著しく小さく、高速鋳造であっても巻き込
みを大幅に抑制できることが確認された。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来と同様の粘性を維持しつつ、鋼との間の界面張力を
増加させることにより、難巻き込みで、かつ潤滑性に優
れており、パウダー性欠陥の無い高品位の製品を得るこ
とができる、鋼の連続鋳造用パウダーを提供することが
できる。
従来と同様の粘性を維持しつつ、鋼との間の界面張力を
増加させることにより、難巻き込みで、かつ潤滑性に優
れており、パウダー性欠陥の無い高品位の製品を得るこ
とができる、鋼の連続鋳造用パウダーを提供することが
できる。
【図1】パウダーの巻き込みを試験するための装置を示
す概略構成図。
す概略構成図。
【図2】1550℃におけるパウダーと溶鋼との間の界
面張力と、パウダーの巻き込み指数との関係を示す図。
面張力と、パウダーの巻き込み指数との関係を示す図。
1……真空トラップ 2……真空ポンプ 3……溶融パウダー 4……J字管 5……溶鋼 6……るつぼ 7……高周波コイル
Claims (5)
- 【請求項1】 CaO、SiO2およびAl2O3を合計
で50〜93重量%含み、さらにフラックス成分を含
み、かつCaO/SiO2が重量比で7以上であり、A
l2O3/CaOが重量比で0.5〜1.4であることを
特徴とする鋼の連続鋳造用パウダー。 - 【請求項2】 前記フラックス成分は、Na2O、Mg
O、Fe2O3、Li2O、BaO、SrO、Fの1種以
上からなることを特徴とする請求項1に記載の鋼の連続
鋳造用パウダー。 - 【請求項3】 さらに、溶融速度調整剤として炭素質を
含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記
載の鋼の連続鋳造用パウダー。 - 【請求項4】 1300℃における粘度が0.5〜10
poise、結晶化温度が900〜1250℃であることを
特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記
載の鋼の連続鋳造用パウダー。 - 【請求項5】 1550℃における溶鋼との間の界面張
力値が1100dyn/cm以上であることを特徴とす
る請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鋼の
連続鋳造用パウダー。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10260866A JP2000071051A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 鋼の連続鋳造用パウダー |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10260866A JP2000071051A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 鋼の連続鋳造用パウダー |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000071051A true JP2000071051A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=17353852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10260866A Pending JP2000071051A (ja) | 1998-08-31 | 1998-08-31 | 鋼の連続鋳造用パウダー |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000071051A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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