JP6900880B2 - 複合化粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合化粒子の製造方法に関する。
溶液中から粒子を析出させる従来の技術としては、容器内の溶液を加熱して溶媒を蒸発させて除去することにより粒子を得る方法(以下、「蒸発乾固法」という。)、溶液を熱風中に噴霧して溶媒を気相中で蒸発させて乾燥粉末として粒子を析出させる方法(以下、「スプレードライ法」という。)、及び溶質を良溶媒に溶解した溶液を良溶媒よりも高い温度に加熱された貧溶媒に滴下して良溶媒を蒸発させて粒子と貧溶媒とのスラリーを得る方法(以下、「良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法」という。)が挙げられる。
良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法の具体例としては、特許文献1が挙げられる。特許文献1では、良溶媒を良溶媒よりも高い温度に加熱した貧溶媒に滴下する方法において、良溶媒の沸点と貧溶媒の加熱温度差を約40℃とすることが開示されている。
特開平7−316087号公報
蒸発乾固法、スプレードライ法、及び良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法のいずれも、粒子を析出させる方法として用いることができる。これらの方法では、溶媒が蒸発する速度が比較的遅い。そのため、ゆっくりと結晶成長した粒子が析出するから、結晶成長の少ない粒子を得ることは難しい。加えて、複数の原料成分が溶解した溶液から粒子を析出させる場合、各原料成分は溶解度が低い順に別々の結晶として析出するため、複数の原料成分が複合化されている粒子を得ることは困難である。
このため、複数の原料成分が複合化した粒子を製造したい場合には、蒸発乾固法、スプレードライ法、及び良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法は、いずれも効率が悪い。
従って、本発明の目的は、複数の原料成分が複合化され、かつ結晶成長が少ない粒子を、効率よく製造する方法を提供することにある。
ここで「複合化」とは、製造された粒子において、複数の原料成分が高度に均一に分散し、各原料成分単一の結晶相の成長が少ない状態に混合されていることをいう。粒子における各原料成分単一の結晶相の成長が少ないことは、例えば、XRD分析による結晶ピークのシフトによって確認することができる。
本発明者は、以下の手段により上記目的を達成できることを見出した。
〈態様1〉複合化粒子の製造方法であって、
前記方法が、
良溶媒にLiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて前記良溶媒を蒸発させることにより、複合化粒子を析出させること、
を含み、かつ
(i)前記良溶媒溶液が、前記良溶媒にさらにHSを溶解して得られたものであること、及び(ii)前記貧溶媒にHSが溶解されていること、のうちの少なくとも一方を満たす、
複合化粒子の製造方法。
〈態様2〉前記LiXが、LiI及びLiBrである、態様1に記載の方法。
〈態様3〉前記(i)を少なくとも満たす、態様1又は2に記載の方法。
〈態様4〉前記(i)において、前記良溶媒へのHSの吹き込みによって、前記良溶媒にさらにHSを溶解して前記良溶媒溶液を得る、態様3に記載の方法。
〈態様5〉前記(ii)を少なくとも満たす、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
〈態様6〉前記(ii)において、前記貧溶媒へのHSの吹き込みによって、前記貧溶媒にHSを溶解させる、態様5に記載の方法。
〈態様7〉前記LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)の割合が、前記LiS1モルに対して、0.30モル以上0.60モル以下である、態様1〜6のいずれか一項に記載の方法。
〈態様8〉良溶媒にLiHS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて、前記良溶媒を蒸発させることにより、粒子を析出させること、
を含む、複合化粒子の製造方法。
〈態様9〉
前記LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)の割合が、前記LiHS1モルに対して、0.30モル以上0.60モル以下である、態様8に記載の方法。
〈態様10〉
前記LiXが、LiI及びLiBrである、態様8又は9に記載の方法。
〈態様11〉
前記良溶媒溶液と前記貧溶媒との接触を、前記良溶媒溶液の前記貧溶媒への滴下、噴霧、又は注入によって行う、態様1〜10のいずれか一項に記載の方法。
〈態様12〉
前記良溶媒溶液と前記貧溶媒との接触を、前記良溶媒溶液の前記貧溶媒への滴下によって行う、態様11に記載の方法。
本発明によれば、複数の原料成分、具体的には、LiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)が複合化され、かつ結晶成長が少ない粒子を、効率よく製造することができる。
図1Aは、本発明の方法の実施態様の一例を図示したものである。 図1Bは、本発明の方法の実施態様の別の一例を図示したものである。 図1Cは、良溶媒中にHSを溶解させて本発明の方法を実施する方法の一例を図示したものである。 図1Dは、貧溶媒中にHSを溶解させて本発明の方法を実施する方法の一例を図示したものである。 図2は、比較例1の方法により得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例1の方法により得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 図4は、参考例1の方法により得られた粒子の走査型電子顕微鏡写真である。 図5は、実施例1、参考例1及び比較例1の方法により得られた粒子のX線解析測定結果を示した図である。 図6は、実施例1及び参考例1の方法により得られた粒子のX線解析測定結果を示した図である。 図7は、実施例1及び参考例1の方法により得られた粒子のXG/DTA測定結果を示した図である。
以下、本発明の実施の態様について詳述する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるのではなく、本発明の要旨の範囲内で種々変形して実施できる。
本発明の第1の形態は、
複合化粒子の製造方法であって、
前記方法が、
良溶媒にLiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて前記良溶媒を蒸発させることにより、複合化粒子を析出させること、
を含み、かつ
(i)前記良溶媒溶液が、前記良溶媒にさらにHSを溶解して得られたものであること、及び(ii)前記貧溶媒にHSが溶解されていること、のうちの少なくとも一方を満たす、
複合化粒子の製造方法
に関する。
本発明の第2の形態は、
良溶媒にLiHS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて、前記良溶媒を蒸発させることにより、粒子を析出させること、
を含む、複合化粒子の製造方法
に関する。
原理によって限定されるものではないが、本件発明における作用原理は、以下のとおりであると考える。
従来、蒸発乾固法、スプレードライ法、又は良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法では、以下の理由から複合化された粒子を効率よく回収できない。
蒸発乾固法の場合、溶媒の蒸発速度が遅いため、ゆっくりと結晶成長した大きい粒子が析出する。このため、蒸発乾固法では、複数の原料成分が複合化された粒子を回収することが困難である。
スプレードライ法の場合、蒸発乾固法よりも早く良溶媒を蒸発させることができるが、良溶媒が蒸発する速度は十分でない。そのため、複数の原料成分が溶解度ごとに別々に析出する傾向にある。また、粒子の乾燥に時間がかかるため、気相中の粒子が乾燥途中で他の粒子と互いに衝突して凝集する傾向にある。さらに、析出した粒子が乾燥不十分の場合等には、容器底面で凝集してしまう。このため、スプレードライ法では、複数の原料成分が複合化された粒子を回収することが困難である。
良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法の場合、良溶媒溶液が良溶媒の沸点との温度差の小さい貧溶媒と接触すると、良溶媒溶液は一旦貧溶媒と混合され、混合溶液となる。その後、貧溶媒の熱によって徐々に良溶媒が蒸発し、この混合溶液から抜けていく。この場合、良溶媒が抜けていく速度が遅いため、原料成分は結晶成長した大きい粒子として析出する。また、原料成分はそれぞれ溶解度の低い順にゆっくり析出するため、お互い別々の粒子として析出し、複合体として析出させにくい。このため、良溶媒と貧溶媒を用いる一般的な方法では、複数の原料成分が複合化された粒子を回収することが困難である。
これに対して、粒子が析出する際の溶媒の蒸発速度が十分に速い場合には、複数の原料成分は溶解度毎に分かれることなく、複合化され、かつ結晶成長せずに、複合化粒子として析出する。
本発明では、原料成分(例えば、LiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である))を溶解した良溶媒溶液を、良溶媒の沸点よりも165℃以上という大きな温度差のある貧溶媒に接触させることで、良溶媒溶液と貧溶媒との界面において、良溶媒を瞬時に蒸発させることができる。このため、原料成分は溶解度毎に分かれることなく複合化された粒子として、かつ結晶成長せずに析出する。
さらに、本発明は、良溶媒に原料成分を溶解して得られた良溶媒溶液を、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて良溶媒を蒸発させて粒子を析出させる方法において、原料成分としてLiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を用い、(i)良溶媒溶液が、これらの原料成分の他にさらにHSを溶解して得られたものであること、及び(ii)貧溶媒にHSが溶解されていること、のうちの少なくとも一方を満たすものである。このような条件下では、良溶媒及び貧溶媒のうちの少なくとも一方にHSが溶解されていることとなる。LiSは、HSが存在すると、下記の反応によってS2−イオンがSHイオンに転化して、LiHSが生成する。
Figure 0006900880
LiHSは、HSを放出してLiSに変化しやすい。そして、粒子が析出する際に、HSを放出する際の結晶格子の振動により良溶媒が引き剥がされる。そのため、析出した粒子中に良溶媒が取り込まれにくい。また、LiHSとの親和性が相対的に低い良溶媒(例えば、メタノールなど)を用いると、当該良溶媒が脱離しやい。そのため、粒子が析出する際に、析出した粒子中に当該良溶媒を取り込みにくい。さらに、LiHSとの反応性が相対的に低い良溶媒を用いると、当該良溶媒と、Li、S等とによる新規の安定な結晶を形成しにくい。
従って、良溶媒及び貧溶媒のうちの少なくとも一方にHSを溶解させて、良溶媒溶液中のLiSをLiHSに変換することにより、製造された粒子中への良溶媒の残存量を少なくすることができると考えられる。
粒子中への良溶媒の残存量を少なくすることにより、粒子中に取り込まれた良溶媒を除去するための、相転位温度以上の加熱が不要となり、粒子形状、複合状態等が不必要に変化することを抑制できる。また、製造された粒子を例えばリチウム電池の固体電解質の原料粒子として使用した場合には、粒子中への良溶媒の残存量を少なくすることにより、良溶媒の混入によるリチウムイオン伝導度の低下を抑制できる。
上記の効果は、原料成分のうちのLiSがHSによってLiHSに変換されることによって発現すると考えられる。従って、本発明においては、原料成分としてのLiSに代えてLiHSを使用しても同様の効果を奏する。この実施形態は、以下のとおりである。
良溶媒にLiHS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて、前記良溶媒溶液を蒸発させることにより、複合化粒子を析出させること、を含む、複合化粒子の製造方法。
(良溶媒)
本発明において、良溶媒とは、本発明における原料成分のうち全部又は一部を溶解することができ、かつ本発明における貧溶媒よりも原料成分の溶解度が高い溶媒である。本発明における良溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、水、トルエン等が挙げられる。また、LiHSとの親和性及び反応性の観点から、極性基(OH基)を有する溶媒(例えば、メタノール等)が好ましい。例えば、良溶媒としてメタノールを用いる場合、LiHSはメタノールを構成する極性基(OH基)との親和性が低いため、メタノールが脱離しやすい。そのため、粒子が析出する際に、析出した粒子中にメタノールを取り込みにくい。さらに、メタノールとLiHSとの反応性は低く、メタノールと、Li、S等とによる新規の安定な結晶を形成しにくい。
(原料成分)
本発明において、原料成分とは、本発明によって製造される粒子(「複合化粒子」とも称する)の原料となる成分であり、LiS又はLiHS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を含む。LiX(ハロゲン化リチウム)において、Xは、F、Cl、Br、又はIの少なくとも一種である。また、原料成分として、LiS又はLiHS、及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも二種である)を用いることができる。例えば、原料成分として、LiS、LiI、及びLiBrを用いることができる。同様に、原料成分として、LiHS、LiI、及びLiBrを用いることもできる。
原料成分中の各成分の割合は、LiS又はLiHS1モルに対して、LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)が、0.30モル以上0.60モル以下であってよい。LiS又はLiHS1モルに対するLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)の割合は、0.30モル以上、0.32モル以上、0.35モル以上、0.60モル以下、0.57モル以下、0.55モル以下であってよい。なお、LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)として、複数種類のものを同時に用いる場合、LiS又はLiHS1モルに対して、複数種類のLiXの合計割合が上記範囲内であってよい。したがって、例えばLiXとして、LiI及びLiBrを同時に用いられる場合、LiS又はLiHS1モルに対して、LiI及びLiBrの合計割合が上記範囲内であってよい。
原料成分を良溶媒に溶解させる方法は、特に限定されない。例えば、LiHS又はLiSと、LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)とを、それぞれ所定の割合で、粒子(固体)状で良溶媒に溶解させてよい。具体的な例を用いて説明すると、例えばLiXとしてLiI及びLiBrを同時に使用する場合では、以下の方法が挙げられるが、これらに限定されない。LiHSと、LiIと、LiBrとを、それぞれ所定の割合で良溶媒に溶解させてよく、又は、LiS、LiI、及びLiBrを、それぞれ所定の割合で良溶媒に溶解させてよい。また、良溶媒溶液が、良溶媒にさらにHSを溶解して得られたものである場合では、LiS、LiI、及びLiBrを、それぞれ所定の割合で良溶媒に溶解させる前に、又は溶解させた後に、HSガスを、例えば吹き込みにより溶解し、LiSのS2−をSHに変化させてLiHSに変換することにより、LiHS、LiI、及びLiBrが溶解した良溶媒溶液としてもよい。HSの溶解について、詳しくは後述する。
(良溶媒溶液)
本発明における良溶媒溶液は、良溶媒に原料成分を溶解させた溶液である。良溶媒溶液における複数の原料成分の濃度は特に限定されないが、合計で5g/l以上、10g/l以上、20g/l以上、又は50g/l以上が好ましい。これは、良溶媒溶液中に溶解している原料成分の濃度が高いほど、原料成分がより複合化された状態で回収でき、すなわち、より複合化の程度の高い粒子を得ることができる。これは、溶解している原料成分の濃度が高いほど、溶液の粘度がより高くなり、溶液中におけるイオンの動きが阻害されるから、良溶媒を蒸発させた場合に、原料成分が溶液中での配置のまま結晶として析出しやすくなるためである。
(貧溶媒)
本発明における貧溶媒は、良溶媒よりも原料成分の溶解度が低い溶媒である。本発明における貧溶媒は、得られる粒子の溶解度も低くてよい。本発明における貧溶媒は、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度に加熱されている。良溶媒の沸点と貧溶媒が加熱される温度との差は、165℃以上であればよいが、170℃以上、175℃以上、180℃以上、又は190℃以上であってよい。貧溶媒の温度を、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度に設定するための加熱の方法は特に限定されない。この加熱方法としては、目的とする温度にまで貧溶媒を加熱することができる方法であれば、いかなる方法も使用することができる。貧溶媒の温度が良溶媒の沸点よりも高ければ高いほど良溶媒の蒸発速度が速くなる。このことから、貧溶媒の加熱温度は特に上限はないが、貧溶媒の沸点以下が好ましい。
本発明における貧溶媒としては、特に限定されないが、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度に加熱される。そのため、常圧においてその温度に加熱することができる程度に沸点が高い貧溶媒が用いられる。貧溶媒としては、比較的に沸点の高い溶媒である、例えばドデカン(沸点約216℃)、トリデカン(沸点約235℃)等が挙げられる。貧溶媒は本発明に使用される良溶媒の沸点との関係を考慮して選択されることが好ましい。具体的には、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い沸点を有する貧溶媒が選択されることが好ましい。例えば、良溶媒としてメタノール(沸点約65℃)を用いる場合には、貧溶媒としてトリデカン(沸点約235℃)を選択することができる。
(HSの溶解)
本発明の複合化粒子の製造方法は、原料成分としてLiSを含む際に、良溶媒溶液が、良溶媒にさらにHSを溶解して得られたものであること、及び貧溶媒にHSが溶解されていること、のうちの少なくとも一方を満たす。すなわち、本発明の複合化粒子の製造方法は、上述した(i)及び(ii)のうちの少なくとも一方を満していればよく、(i)を少なくとも満たしてもよく、(ii)を少なくとも満たしてもよく、(i)及び(ii)を同時に満たしてもよい。良溶媒及び貧溶媒のうちの少なくとも一方における、溶解後のHSの濃度は、任意であってよい。これらの溶媒中のHS濃度は、例えば、飽和濃度であってよい。
良溶媒及び/又は貧溶媒にHSを溶解させるために、例えば、これらの溶媒中へのHSの吹き込み、例えばバブリングの形式で導入する方法を採用してよい。このとき、HSのみを吹き込んでもよく、HSと不活性気体との混合ガスを吹き込んでもよい。不活性気体は、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン等であってよい。バブリングの際に、HSの供給量と排出量とをモニターし、両者が略同一量で安定したときに、これらの溶媒中のHS濃度が飽和濃度に達したと評価してよい。
上述のとおり、本発明が所期する効果は、HSの存在によって、原料成分のうちのLiSがLiHSに変換されることによって奏されると考えられる。従ってHSは、良溶媒及び貧溶媒のどちらに溶解しても、同様の効果が得られる。しかしながら、貧溶媒に対するHSの溶解度が低い場合、例えば貧溶媒がトリデカンである場合には、LiSとHSとの反応を十分に進行させる観点から、少なくとも良溶媒中にHSが溶解されることが好ましい。
(接触の方法)
本発明において、良溶媒溶液は、良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度に加熱された貧溶媒と接触する。良溶媒溶液と貧溶媒との接触方法は、特に限定されない。具体的には、例えば、貧溶媒の液面上方から良溶媒溶液を滴下する方法、貧溶媒の液面上方から良溶媒溶液を噴霧する方法、貧溶媒中に浸した状態のノズル先端から良溶媒溶液の液滴として注入する方法等であってよい。良溶媒溶液と貧溶媒との接触の際に使用されるノズルは、例えば、チューブノズル、多孔体ノズル、噴霧ノズル等であってよい。噴霧ノズルとしてより具体的には、圧力ノズル、インジェクタ、一流体噴霧ノズル、二流体噴霧ノズル等が挙げられる。
良溶媒溶液と貧溶媒との接触のときの良溶媒溶液の液滴径は、特に限定されないが、瞬時に蒸発しやすいという観点から、1mm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、100μm以下がより好ましい。効率的に複合化された粒子を得るという観点から、液滴径は、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がより好ましい。
本発明において、貧溶媒は、良溶媒溶液よりも有意に高い温度に加熱されている。そのため、良溶媒溶液が貧溶媒に接触した瞬間に、良溶媒溶液中の良溶媒が蒸発し、貧溶媒の液面付近において原料成分が高度に複合化された粒子が析出する。
本発明の方法は、例えば図1A及び図1Bに図示される装置により実施することができる。図1Aは、良溶媒溶液を貧溶媒の液面上方から噴霧する例であり、図1Bは、良溶媒溶液を貧溶媒の液中に注入する例である。
図1Aに示した方法では、先ず、貧溶媒(60)を反応容器(10)に入れて、加熱装置(20)によって良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度に加熱する。その後、良溶媒溶液(30)を、例えば一流体噴霧ノズル(40)により微小液滴状の良溶媒溶液(50)として、高温の貧溶媒(60)の液中に注入して接触させる。注入された液滴状の良溶媒溶液(50)が高温の貧溶媒(60)と接触した瞬間に、液滴状の良溶媒溶液(50)中の良溶媒は蒸発し、原料成分が複合化された粒子が貧溶媒(60)中に析出する。蒸発した良溶媒は、予め容器内に流通している流通ガス(70)とともに、反応容器(10)の外に排気される。
図1Bに示した方法は、良溶媒溶液(30)を、例えば噴霧ノズル(41)により霧状の良溶媒溶液(51)として、加熱された貧溶媒(60)の液面に噴霧して接触させる他は、図1Aに示した方法と略同様に実施されてよい。噴霧された霧状の良溶媒溶液(51)が加熱された貧溶媒(60)の液面に接触した瞬間に、霧状の良溶媒溶液(51)中の良溶媒は蒸発し、原料成分が複合化された粒子が貧溶媒(60)中に析出する。蒸発した良溶媒は、あらかじめ容器内に流通している流通ガス(70)と共に、容器の外に排気される。
図1Cに、本発明の方法の一例を図示した。図1Cに示した方法は、良溶媒中にHSを溶解させる場合の例である。
図1Cの方法によると、例えば、適当な容器(80)中で、原料成分、例えばLiS、LiI、及びLiBrを良溶媒に溶解して良溶媒溶液とした後、得られた良溶媒溶液にHSを吹き込むことによって、良溶媒中にHSを溶解させる。ここで溶解されたHSの存在により、良溶媒溶液中のLiSはLiHSに変換される。LiS、LiI、及びLiBrを溶解する前の良溶媒に、HSを溶解させてもよい。
Sの吹き込みは、例えば、良溶媒又は良溶媒溶液中に挿入した管を介して行ってよい。HSは、適当な不活性ガス、例えばAr等との混合ガスとして吹き込んでよい。この場合、吹き込みの初期には容器(80)からは実質的にArのみが排気されるが、液中のHS濃度が飽和に近づくと、ArとともにHSが排気されてくる。この排気の組成を追跡することよって、液中のHS濃度を推定してよい。
次いで、HS濃度が十分に高くなった良溶媒溶液を反応原料用容器(85)に移し、例えばポンプを用いて、反応容器(10)中の貧溶媒(60)中に良溶媒溶液の液滴(50)として注入してよい。このとき、反応容器(10)内には流通ガス(70)を流通させてよい。
図1Dに、貧溶媒中にHSを溶解させて本発明の方法を実施する方法の一例を図示した。
図1Dの方法によると、図1Aに示した方法において、反応容器(10)内に流通ガス(70)を流通させる代わりに、貧溶媒(60)中にHSを吹き込むことによって、貧溶媒(60)中にHSを溶解させることができる。HSの吹き込みは、例えば、貧溶媒中に挿入した管を介して行ってよい。HSは、適当な不活性ガス、例えばAr等との混合ガスとして吹き込んでよい。この場合、排気の組成を追跡することよって、貧溶媒中のHS濃度の推定ができることは、図1Cの場合と同様である。図1Dの方法による場合、良溶媒溶液と貧溶媒との接触は、貧溶媒中のHS濃度が十分に高くなった後に開始することが好ましい。
本発明の方法においては、例えば、図1Cに図示した態様と、図2Dに図示した態様とを重畳的に行い、良溶媒及び貧溶媒の双方にHSを溶解させて実施してもよい。
図1C及び図1Dには、良溶媒溶液と貧溶媒との接触を、微小液滴状の良溶媒溶液(50)として貧溶媒(60)の液中に注入して接触させる方法について示した。しかし、図1C及び図1Dの方法において、その他の接触方法を採用してもよい。
上記の図1A〜Dは、本発明の実施態様をこれらの態様に限定する趣旨ではない。
(実施例1)
良溶媒としてのメタノール300mLに、原料成分としてLiSを8.33g、LiIを4.04g、及びLiBrを2.63g溶解させた。各原料成分に微量に含まれている不溶性成分(LiCO等)を、0.2μmメッシュを用いて吸引ろ過により取り除き、LiS、LiI、及びLiBr(モル比6:1:1)が、メタノール溶液中の原料成分濃度が合計で50g/Lになるように溶解されたメタノール溶液を作製した。このメタノール溶液を500mL丸底フラスコに入れた。フラスコ内のメタノール溶液中に、バブリング管を用いて、HSとArとの混合ガス(モル比1:1)を400mL/分の流量にて1.5hr吹き込んだ(図1A参照)。以上の操作により、LiSのS2−をSHに転化させて、LiHS、LiI、及びLiBr(モル比12:1:1)が溶解した良溶媒溶液を作製した。
貧溶媒としてのトリデカン(沸点約235℃)350mLを500mL丸底フラスコに入れ、230℃に加熱したオイルバスに入れた。貧溶媒の温度が安定した後、良溶媒溶液を、貧溶媒中に浸したチューブノズル(1/16インチPFAチューブ、内径500μm)を通して、約8mL/分で20分間にわたって、貧溶媒中に注入した。その後、注入を止め、230℃で1時間保持した。貧溶媒中に析出した析出物をグローブボックス内でろ別して回収し、実施例1の粒子を得た。実施例1における良溶媒の沸点と貧溶媒の温度との差は、約165℃であった。
(参考例1)
良溶媒としてのメタノール300mLに、原料成分としてLiSを8.33g、LiIを4.04g、及びLiBrを2.63g溶解させた。各原料成分に微量に含まれている不溶性成分(LiCO等)を、0.2μmメッシュを用いて吸引ろ過により取り除き、LiS、LiI、及びLiBr(モル比6:1:1)を、メタノール中の原料成分濃度が合計で50g/Lになるように溶解されたメタノール溶液を作製した。参考例1では、該メタノール溶液を良溶媒溶液とした。
参考例1の良溶媒溶液を、圧力ノズルを用いて約50ml/分で5分間にわたって、貧溶媒に噴霧したこと以外は実施例1と同様にして、参考例1の粒子を得た。
(比較例1)
原料成分としてのLiS、LiI、及びLiBrの良溶媒溶液中の濃度の合計を50g/Lとしたこと、
貧溶媒としてのトリデカンの温度を80℃としたこと、
常圧撹拌下の貧溶媒に良溶媒溶液を、液滴径約2mm、5mL/分の速度で10分間滴下しながら良溶媒を連続的に留去したこと、かつ
良溶媒の溶液滴下終了後、さらに丸底フラスコの温度を80℃に保持しながら約30分間蒸発留去を続けたこと
を除いて実施例1と同様にして、比較例1の粒子を得た。
なお、比較例1における良溶媒の沸点と、貧溶媒の加熱温度との差は、約15℃であった。
(比較例2)
原料成分であるLiS、LiI、及びLiBrを、良溶媒溶液中の濃度の合計が20g/Lになるように、良溶媒としての1−ペンタノール(沸点約138℃)中に投入した。得られた混合液を撹拌しながら、液中に硫化水素を流通し、LiSをLiHSに転化させ、原料成分をすべて溶解して、良溶媒溶液を作製した。貧溶媒としてのトリデカン400mLを1,000mL丸底フラスコに入れ、230℃に加熱したオイルバスに入れた。貧溶媒の温度が安定した後、良溶媒溶液を貧溶媒中に浸したチューブノズルを通して、約50mL/分で11分間にわたって貧溶媒中に注入した。蒸発してくる蒸気を冷却管(水道水温度)で冷やして液化し、回収した。なお、比較例3における良溶媒の沸点と、貧溶媒の加熱温度との差は、約92℃であった。
滴下終了後も、蒸気が発生し続けたので、そのまま丸底フラスコの温度を保持した。約30分経過後、冷却管から回収される液体は、ほとんど出なくなった。その後さらに30分間、丸底フラスコの温度を保持した後、加温を止めた。丸底フラスコをグローブボックスに入れ、アルゴン雰囲気化で内容物をろ過して、固形分とろ液とに分離した。ろ液をグローブボックスの外に出し、臭いをかいだところ、良溶媒としての1−ペンタノールの臭いが確認された。
滴下終了後も蒸気が発生し続けたこと、及びろ液から良溶媒としての1−ペンタノールの臭いが確認されたことから、貧溶媒に滴下された良溶媒溶液中の良溶媒は、貧溶媒の液面において瞬時に蒸発せずに貧溶媒と混ざり、混合溶液となったと考えられる。
このことから、貧溶媒を良溶媒の沸点よりも約92℃(約230℃−約138℃)高い温度に加熱した程度では、良溶媒溶液を貧溶媒と接触させても、良溶媒を貧溶媒の液面において瞬時に蒸発させることはできないと考えられる。
(評価1)
図2は比較例1の、図3は実施例1の、図4は参考例1の、それぞれの析出方法によって得られた析出物の走査型電子顕微鏡による観察結果である。
比較例1の析出物の走査型電子顕微鏡写真である図2では、粒径が50μm以上の大きな粒子が観察された。なお、図2における高輝度の部分は、ヨウ素及び/又は臭素が局在している部分である。
図2では大きい粒径の粒子が析出していることから、比較例1の条件では粒子を得ることができないといえる。また、ヨウ素及び/又は臭素が局在している部分がみられることから、析出した粒子は複合化されていないといえる。これらのことは、良溶媒がゆっくりと蒸発したために、貧溶媒と良溶媒との混合溶媒中において良溶媒の濃度がゆっくりと低下したことにより、結晶成長がゆっくりと起こるとともに、溶解度の差によって原料成分がそれぞれ異なる結晶として析出したことを示唆している。
実施例1の走査型電子顕微鏡写真である図3では、0.1〜2μmの粒子が確認された。
図3から、本発明の方法により析出を行った場合には、2μm以下の粒子として析出物が回収されていることが分かる。これは、良溶媒溶液を貧溶媒中に注入することによって、良溶媒溶液中の良溶媒が貧溶媒と接触すると瞬時に蒸発し、良溶媒溶液に溶解していた原料成分が瞬時に析出したことを示唆している。
参考例1の走査型電子顕微鏡写真である図4では、0.1〜2μmの粒子が確認された。
図4から、参考例1の方法により析出を行った場合には、2μm以下の粒子として析出物が回収されていることがわかる。これは、噴霧によって良溶媒溶液中の良溶媒が貧溶媒の液面において瞬時に蒸発し、良溶媒溶液に溶解していた原料成分が瞬時に析出したことを示唆している。
(評価2)
図5は、実施例1、参考例1及び比較例1それぞれの方法により得られた結晶について、X線回折を行った結果を比較したものである。
図5に示したとおり、比較例1では、2θ=25.94に1つ目のピークがあり、2θ=26.96に2つ目のピークがあり、2θ=28.00に3つ目のピークがある。実施例1では、2θ=26.14に1つ目のピークがあり、2θ=26.80に2つ目のピークがあり、2θ=27.67に3つ目のピークがある。参考例1では、2θ=26.12に1つ目のピークがあり、2θ=26.76に2つ目のピークがあり、2θ=27.70に3つ目のピークがある。
比較例1に対して、実施例1及び参考例1では、1つ目のピークは右側にシフトしており、2つ目及び3つ目のピークはそれぞれ左側にシフトしている。
ここで、2θ=26付近のピークはLiI((111)面)に、2θ=27付近のピークはLiS((111)面)に、2θ=28付近のピークはLiBr((111)面)に、それぞれ帰属される。
これらのピークがシフトするほど、これらのピークが示す結晶に他の塩のアニオンが固溶している程度が大きいといえる。例えば、LiIのピークが高角側にシフトすることは、LiIの結晶格子が縮小していることを示しており、この結晶格子の縮小は、結晶中のヨウ化物イオンの位置に、ヨウ化物イオンより径の小さい臭化物イオン又は硫化物イオンが置換して入り込んだことに起因する。
これらの結果から、実施例1及び参考例1の析出物は、比較例1の析出物よりも、より複合化された結晶であると考えられる。
(評価3)
図6は、実施例1及び参考例1それぞれの方法により得られた析出物のX線回折測定結果を示した図である。図6から、実施例1の方法により得られた粒子においては、参考例1で観察されたLiS−メタノール結晶に帰属される2θ=11.64、23.36、及び35.38のピークが観察されなかった。この結果から、実施例1の方法によると、LiSとメタノールとの反応による結晶の析出が抑制されていることが分かる。
(評価4)
図7は、実施例1及び参考例1それぞれの方法により得られた粒子のTG/DTA測定結果を示した図である。図7では、400℃付近での重量変化量が、粒子中に含まれるメタノールの質量を示している。実施例1で得られた粒子では、この温度領域の重量変化が約0.5%であり、粒子に含有されるメタノールが少ないことが分かる。すなわち、実施例1の製造方法によると、複数の原料成分が複合化され、かつ結晶成長が少ない粒子が得られるだけでなく、さらに粒子中のメタノールの残存量の少ない粒子を得ることができることが分かる。
10 反応容器
20 加熱装置
30 良溶媒溶液
40 一流体噴霧ノズル
41 噴霧ノズル
50 液状の良溶媒溶液
51 霧状の良溶媒溶液
60 貧溶媒
70 流通ガス
80 容器
85 反応原料用容器

Claims (11)

  1. 複合化粒子の製造方法であって、
    前記方法が、
    良溶媒にLiS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
    得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて前記良溶媒を蒸発させることにより、複合化粒子を析出させること、
    を含み、かつ
    記良溶媒溶液が、前記良溶媒にさらにHSを溶解して得られたものであることを特徴とする、
    複合化粒子の製造方法。
  2. 前記LiXが、LiI及びLiBrである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記良溶媒へのH Sの溶解が、前記良溶媒へのHSの吹き込みによって行われる、請求項に記載の方法。
  4. 前記貧溶媒にH Sが溶解されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  5. 記貧溶媒へのHSの吹き込みによって、前記貧溶媒にHSを溶解させる、請求項に記載の方法。
  6. 前記LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)の割合が、前記LiS1モルに対して、0.30モル以上0.60モル以下である、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 良溶媒にLiHS及びLiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)を溶解して、良溶媒溶液を得ること、及び
    得られた前記良溶媒溶液を、前記良溶媒の沸点よりも165℃以上高い温度の貧溶媒と接触させて、前記良溶媒を蒸発させることにより、粒子を析出させること、
    を含む、複合化粒子の製造方法。
  8. 前記LiX(Xは、F、Cl、Br、及びIの少なくとも一種である)の割合が、前記LiHS1モルに対して、0.30モル以上0.60モル以下である、請求項に記載の方法。
  9. 前記LiXが、LiI及びLiBrである、請求項又はに記載の方法。
  10. 前記良溶媒溶液と前記貧溶媒との接触を、前記良溶媒溶液の前記貧溶媒への滴下、噴霧、又は注入によって行う、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記良溶媒溶液と前記貧溶媒との接触を、前記良溶媒溶液の前記貧溶媒への滴下によって行う、請求項10に記載の方法。
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