JP2014186820A - 硫化物固体電解質材料の製造方法 - Google Patents

硫化物固体電解質材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、生産性が高い硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、LiIおよびLiOHを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る乾燥工程と、上記前駆体混合物における上記LiOHを硫化しLiHSとする硫化処理、上記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする脱硫化水素処理、および硫化物固体電解質材料を合成する合成処理を有する電解質合成工程と、を備え、上記前駆体水溶液において、上記LiIに対する上記LiOHのモル比(MLiOH/MLiI)が、1以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、生産性が高い硫化物固体電解質材料の製造方法に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。さらに、このような固体電解質層に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。
硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用であり、従来から種々の研究がなされている。例えば、特許文献1には、LiS−P−LiI系の硫化物固体電解質材料が開示されている。
一方、特許文献2には、ヨウ素および有機還元を用いて、水溶液中でヨウ化アルカリ金属塩(NaI、KI)を合成する方法が開示されている。
特開2013−16423号公報 特開平7−242414号公報
硫化物固体電解質材料を合成する際に、原料の一つとしてLiIを添加することで、Liイオン伝導性の向上が図れる場合がある。一方、例えば特許文献2と同様の方法を用いて水溶液中でLiIを合成する場合、LiIの乾燥が必要になるが、LiIは水和物を形成しやすく、LiI水和物を無水化するためには、通常250℃以上の高温で乾燥することが必要であり、生産性が低いという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、生産性が高い硫化物固体電解質材料の製造方法を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、LiIおよびLiOHを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る乾燥工程と、上記前駆体混合物における上記LiOHを硫化しLiHSとする硫化処理、上記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする脱硫化水素処理、および硫化物固体電解質材料を合成する合成処理を有する電解質合成工程と、を備え、上記前駆体水溶液において、上記LiIに対する上記LiOHのモル比(MLiOH/MLiI)が、1以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法を提供する。
本発明によれば、LiIおよびLiOHが共存した状態で乾燥を行うことで、LiI水和物の生成を抑制できる。その結果、乾燥温度を低くでき、硫化物固体電解質材料を生産性良く得ることができる。
上記発明においては、上記モル比(MLiOH/MLiI)が、4以上であることが好ましい。
上記発明においては、上記前駆体水溶液におけるLiOHおよびLiIの合計濃度が、0.2重量%より大きく、10重量%より小さいことが好ましい。
上記発明においては、Li含有水溶液に対して、Iおよび還元剤を用いた還元法を行い、上記前駆体水溶液を準備する準備工程を有することが好ましい。
上記発明においては、上記準備工程が、Li塩を含有する第一水溶液に対して上記還元法を行い、上記Li塩および上記LiIを含有する第二水溶液を作製する還元処理と、上記第二水溶液における上記Li塩を水酸化し上記LiOHとする水酸化処理と、を有する工程であることが好ましい。
上記発明においては、上記準備工程が、金属(Me)の水酸化物を含有する第三水溶液に対して上記還元法を行い、上記Meの水酸化物、および、上記Meのヨウ化物を含有する第四水溶液を作製する還元処理と、上記第四水溶液における上記MeをLiに置換する置換処理と、を有する工程であることが好ましい。
上記発明においては、上記準備工程が、上記LiOHを含有する第五水溶液の一部を分取し、分取した上記第五水溶液に対して上記還元法を行い、上記LiIを含有する第六水溶液を作製する還元処理と、上記第六水溶液、および、上記第五水溶液の残部を混合する混合処理と、を有する工程であることが好ましい。
上記発明においては、上記合成処理が、非晶質化処理であり、上記硫化物固体電解質材料が、硫化物ガラスであることが好ましい。
上記発明においては、上記合成処理が、非晶質化処理および熱処理であり、上記硫化物固体電解質材料が、ガラスセラミックスであることが好ましい。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、LiIおよびLiOHが共存した状態で乾燥を行うことで乾燥温度を低くでき、生産性が高いという効果を奏する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。 LiI−LiOH系の状態図である。 本発明における準備工程の一例を示すフローチャートである。 本発明における準備工程の他の例を示すフローチャートである。 本発明における準備工程の他の例を示すフローチャートである。 参考例1で得られたサンプルのTG−DTAの結果である。 実験例1−1で得られた前駆体混合物のSEM−EDX測定の結果である。 実験例1−1で得られた前駆体混合物のTG−DTAの結果である。 実験例2−1で得られた前駆体混合物のSEM−EDX測定の結果である。 実験例2−2で得られた前駆体混合物のSEM観察の結果である。
以下、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について詳細に説明する。
本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法は、LiIおよびLiOHを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る乾燥工程と、上記前駆体混合物における上記LiOHを硫化しLiHSとする硫化処理、上記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする脱硫化水素処理、および硫化物固体電解質材料を合成する合成処理を有する電解質合成工程と、を備え、上記前駆体水溶液において、上記LiIに対する上記LiOHのモル比(MLiOH/MLiI)が、1以上であることを特徴とするものである。
図1は、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法の一例を示すフローチャートである。図1においては、まず、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る。次に、前駆体混合物におけるLiOHを硫化し、LiHSとする。次に、LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする。次に、得られた混合物を非極性溶媒に分散させ、所定の組成物(例えばP)を添加し、非晶質化する。その後、非極性溶媒を乾燥により除去することで、硫化物ガラスである硫化物固体電解質材料が得られる。また、硫化物ガラスを作製した後に熱処理を行うことで、ガラスセラミックスである硫化物固体電解質材料が得られる。
本発明によれば、LiIおよびLiOHが共存した状態で乾燥を行うことで、LiI水和物の生成を抑制できる。その結果、乾燥温度を低くでき、硫化物固体電解質材料を生産性良く得ることができる。上述したように、LiI水和物を無水化するためには、通常250℃以上の高温で乾燥することが必要であり、生産性が低いという問題がある。これに対して、本発明においては、LiI水溶液中に等モル以上のLiOHを添加することにより、LiI水和物の生成を抑制したまま、乾燥物が得られることを見出した。これは、LiIおよびLiOHの相互作用によるものであると推察される。その結果、LiI無水物の割合が多い前駆体混合物を、低い乾燥温度で得ることができる。
また、LiIは、水に対する溶解度が151gLiI/100gHOと極めて高い。さらに、LiI水溶液の蒸発過程で、三水和物から一水和物に相転移するとともに、250℃以上の高温で始めて無水化するという特異な脱水挙動を示す。また、LiIは80℃程度の乾燥で再溶解する場合もある。そのため、凍結乾燥法やスプレードライ等の一般的な乾燥方法では、固体粉末を得ることが困難であった。これに対して、本発明においては、LiIおよびLiOHが共存した状態で乾燥を行うことで、一般的な乾燥方法で固体粉末を得やすいという利点がある。
以下、本発明の硫化物固体電解質材料の製造方法について、工程ごとに説明する。
1.乾燥工程
本発明における乾燥工程は、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る工程である。
前駆体水溶液は、LiOHおよびLiIを含有する。なお、本発明における「水溶液」とは、溶媒として少なくとも水を含有する溶液をいい、水のみを溶媒としていても良く、水以外の溶媒をさらに含有していても良い。特に、上記水溶液は、全溶媒における水の割合が50重量%以上であることが好ましい。これらの点は、前駆体水溶液に限らず、後述する他の水溶液においても同様である。
また、前駆体水溶液において、LiIに対するLiOHのモル比(MLiOH/MLiI)は、通常、1以上である。ここで、図2は、LiI−LiOH系の状態図であり、Ftsalt-FACT salt Phase Diagramsから引用したものである。図2によると、LiOH/(LiI+LiOH)=0.5の場合、すなわち、LiI:LiOH=1:1の場合に安定相を形成することが示唆される。同様に、LiOH/(LiI+LiOH)=0.8の場合、すなわち、LiI:LiOH=1:4の場合にも安定相を形成することが示唆される。特に、LiI:LiOH=1:4の安定相は、340℃まで固体を維持できると推測される。
本発明において、MLiOH/MLiIが、通常、1以上であると規定した理由は、LiI:LiOH=1:1の安定相が形成されるためである。中でも、MLiOH/MLiIは、4以上であることが好ましい。LiI:LiOH=1:4の安定相が形成されるためである。また、MLiOH/MLiIは、目的とする硫化物固体電解質材料に含まれるLiIの割合によって、適宜選択することができ、例えば5以上であることが好ましい。一方、MLiOH/MLiIは、例えば13以下であることが好ましい。
また、前駆体水溶液におけるLiOHおよびLiIの合計濃度は、特に限定されるものではないが、例えば0.2重量%より大きいことが好ましく、1重量%以上であることがより好ましい。一方、上記合計濃度は、例えば10重量%より小さいことが好ましい。
前駆体水溶液を乾燥する方法は特に限定されるものではないが、例えば、加熱乾燥、減圧乾燥(真空乾燥)、凍結乾燥、スプレー乾燥およびこれらの任意の組み合わせ等を挙げることができる。なお、凍結乾燥は、通常、対象物を凍結させ、真空ポンプにて減圧し、溶媒を昇華させて乾燥する方法である。また、前駆体水溶液を液体窒素等の冷媒で瞬時に固化し、その後、凍結乾燥を行っても良い。加熱乾燥の場合、加熱温度は、特に限定されるものではないが、例えば240℃以下であり、160℃以下であることが好ましい。一方、加熱温度は、例えば90℃以上であり、120℃以上であることが好ましい。乾燥温度が低すぎると、水分を十分に除去できない可能性があり、乾燥温度が高すぎると、不要な副反応が生じる可能性がある。
また、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液を得る方法は、特に限定されるものではない。例えば、LiOHおよびLiIを溶媒に溶解させることで前駆体水溶液を得ることができる。一方、本発明においては、単一のLi源から、前駆体水溶液を得ることが好ましい。工程の集約化を図ることができ、硫化物固体電解質材料を生産性良く得ることができるからである。特に、本発明においては、Li含有水溶液に対してX(Xは、F、Cl、BrまたはIである)および還元剤を用いた還元法を行い、上記前駆体水溶液を準備する準備工程により、前駆体水溶液を得ることが好ましい。還元剤は、LiIを得ることができる還元剤であれば特に限定されるものではないが、有機還元剤であることが好ましい。有機還元剤としては、例えば、カルボン酸等の有機酸、および上記有機酸のアルカリ金属塩等を挙げることができる。上記カルボン酸としては、例えば、ギ酸、シュウ酸、マロン酸、ピルビン酸、乳酸、アスコルビン酸等を挙げることができ、中でもギ酸が好ましい。構造が単純であり、不要な成分が硫化物固体電解質材料に残留することがないからである。
また、Li含有水溶液のpHは、特に限定されるものではないが、例えば4〜11の範囲内であることが好ましく、5〜10の範囲内であることがより好ましい。還元反応が生じやすいからである。また、Iに対する還元剤の量は特に限定されるものではないが、1molのIに対して、還元剤は、例えば1.0mol〜1.1molの範囲内にあることが好ましく、1.02mol〜1.08molの範囲内にあることがより好ましい。なお、本発明においては、準備工程の後に、上述した乾燥工程を行うことが好ましい。また、還元工程において加熱を行って良い。加熱温度は、例えば25℃〜95℃の範囲内であり、75℃〜95℃の範囲内であることが好ましい。
さらに、上記準備工程は、単一のLi源から、前駆体水溶液が得られる工程であることが好ましい。Li源の種類は、特に限定されるものではないが、例えばLi塩、Li水酸化物等を挙げることができる。また、Li塩は、無機Li塩であっても良く、有機Li塩であっても良い。無機Li塩としては、例えば、炭酸リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウム等を挙げることができ、中でも炭酸リチウムが好ましい。安価であり、不要な成分が硫化物固体電解質材料に残留することがないからである。有機Li塩としては、例えば、有機酸のLi塩を挙げることができ、中でも、カルボン酸のLi塩等を挙げることができる。カルボン酸のLi塩としては、例えば、ギ酸リチウム等をあげることができる。また、Li水酸化物としては、例えば、水酸化リチウムを挙げることができる。また、本発明における準備工程の好ましい典型例について、3つの実施態様に分けて例示する。
(1)第一実施態様
第一実施態様は、準備工程が、Li塩を含有する第一水溶液に対して上記還元法を行い、上記Li塩および上記LiIを含有する第二水溶液を作製する還元処理と、上記第二水溶液における上記Li塩を水酸化し上記LiOHとする水酸化処理と、を有する工程であることを特徴とする。
具体的には、図3に例示するように、Li塩(LiCO)を含む第一水溶液を作製する。第一実施態様では、第一水溶液がLi含有水溶液に該当する。次に、第一水溶液に対して、IおよびHCOOHを用いた還元法を行う。これにより、LiCOおよびLiIを含有する第二水溶液が得られる。この第二水溶液に、Ca(OH)等の金属水酸化物を添加することにより、LiCOを水酸化しLiOHとすることができる。これにより、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液が得られる。上記金属水酸化物は、通常、炭酸イオンと反応するものであり、炭酸塩の沈殿物を得られるものであることが好ましい。金属水酸化物としては、例えばアルカリ土類金属の水酸化物を挙げることができる。
また、例えば、後述する第三実施態様に記載するように、LiOHに対して、COが生じる還元剤を用いて還元法を行うと、LiおよびCOが反応し、LiCOが僅かに前駆体水溶液に残留する場合がある。これに対して、第一実施態様においては、第二水溶液中に存在するLiCOを、金属水酸化物(例えばCa(OH))により、炭酸塩(CaCO)として沈殿除去することができることから、LiイオンがLiCOとして消費されることを抑制できるという利点がある。また、LiCOは、LiOHに比べて、安定かつ低コストな材料であるとという利点がある。なお、これらの利点は、第二実施態様でも得られる。
また、図3では、LiCOにCa(OH)を反応させることにより、LiOHを溶解させたまま、CaCOを沈殿させる。そのため、LiOHの濃度は、飽和溶解度(0.522mol/100cc)以下であることが好ましい。
(2)第二実施態様
第二実施態様は、準備工程が、金属(Me)の水酸化物を含有する第三水溶液に対して上記還元法を行い、上記Meの水酸化物、および、上記Meのヨウ化物を含有する第四水溶液を作製する還元処理と、上記第四水溶液における上記MeをLiに置換する置換処理と、を有する工程であることを特徴とする。
具体的には、図4に例示するように、Ca(OH)等の金属水酸化物を含む第三水溶液を作製する。第二実施態様では、第三水溶液がLi含有水溶液に該当する。上記Meは、通常、炭酸イオンと反応するものであり、炭酸塩の沈殿物を得られるものであることが好ましい。上記Meとしては、例えばアルカリ土類金属を挙げることができる。次に、第三水溶液に対して、IおよびHCOOHを用いた還元法を行う。これにより、Ca(OH)およびCaIを含有する第四水溶液が得られる。この第四水溶液に、LiCO等のLi塩を添加することにより、CaをLiに置換しLiOHとすることができる。これにより、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液が得られる。なお、第二実施態様は、第一実施態様における、還元法の対象(LiCO)と、還元法を行った後の処理(Ca(OH)の添加)とを入れ替えた関係にある。特に、第二実施態様では、I還元時に発生するCOによりCaCOが生成されるが、これを除去できるため、最終的に必要なLiイオンを消費することなく合成ができる。
(3)第三実施態様
第三実施態様は、準備工程が、上記LiOHを含有する第五水溶液の一部を分取し、分取した上記第五水溶液に対して上記還元法を行い、上記LiIを含有する第六水溶液を作製する還元処理と、上記第六水溶液、および、上記第五水溶液の残部を混合する混合処理と、を有する工程であることを特徴とする。
具体的には、図5に例示するように、LiOHを含有する第五水溶液を作製する。第三実施態様では、第五水溶液がLi含有水溶液に該当する。なお、図5では、LiCOを出発原料として用いているが、LiOHを出発原料として用いても良い。次に、第五水溶液の一部を分取し、分取した第五水溶液に対して、IおよびHCOOHを用いた還元法を行う。これにより、LiIを含有する第六水溶液が得られる。この第六水溶液と、第五水溶液の残部とを混合することにより、LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液が得られる。第三実施態様においては、簡便な方法で前駆体水溶液を得ることができるという利点がある。
2.電解質合成工程
本発明における電解質合成工程は、上記前駆体混合物における上記LiOHを硫化しLiHSとする硫化処理、上記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする脱硫化水素処理、および硫化物固体電解質材料を合成する合成処理を有する工程である。
本発明における電解質合成工程は、硫化処理、脱硫化水素処理および合成処理を有していれば、特に限定されるものではない。通常、硫化処理の後に、脱硫化水素処理が行われる。一方、脱硫化水素処理および合成処理の順番およびタイミングは任意に設定できる。すなわち、電解質合成工程では、少なくとも、LiOHを硫化しLiHSとすること、LiHSから硫化水素を脱離させLiSとすること、および、硫化物固体電解質材料を合成することが行われれば良い。中でも、本発明においては、硫化水素を脱離させた後に、所定の組成物を添加して硫化物固体電解質材料を合成することが好ましい。
(1)硫化処理
本発明における硫化処理は、上記前駆体混合物における上記LiOHを硫化しLiHS(水硫化リチウム、LiSHとも称される)とする処理である。
LiOHの硫化方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前駆体混合物に硫化ガスを反応させる方法を挙げることができる。硫化ガスとしては、例えば、HS、CS、単体硫黄蒸気等を挙げることができ、中でも、HSまたはCSが好ましい。単体硫黄蒸気は、条件によっては、凝集する可能性や高分子硫黄を生成する可能性があるからである。なお、硫化ガスは、アルゴンガス等の不活性ガスにより希釈されていても良い。硫化ガスを反応させる際の温度は、例えば0℃〜200℃の範囲内であることが好ましく、100℃〜150℃の範囲内であることがより好ましい。また、硫化ガスを反応させる時間は、例えば10分〜180分の範囲内であることが好ましい。
また、LiOHの硫化は、前駆体混合物を溶媒に溶解もしくは分散させた状態、または、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましく、中でも前者が好ましい。なお、本発明における溶媒とは、溶質が溶解した厳密な意味での溶媒のみならず、分散媒の意味も包含するものである。特に、本発明においては、極性溶媒中で、LiOHの硫化を行うことが好ましい。LiOHの硫化を効率良く行うことができるからである。LiOHおよびLiIを含有する前駆体水溶液を乾燥し水分を除去することにより前駆体混合物を作製した場合、LiOHおよびLiIが強く相互作用し、LiOHの硫化が生じにくい現象が生じる場合がある。LiOHおよびLiIが強く相互作用した場合であっても、極性溶媒を用いることで、LiOHおよびLiIの相互作用を緩和することができ、LiOHの硫化を効率良く行うことができる。
上記極性溶媒は、LiOHおよびLiIの相互作用を緩和できるものであれば、特に限定されるものではないが、LiOHの少なくとも一部を溶解するものであることが好ましい。なお、溶質の溶解度は、通常、溶媒の加熱とともに増加するため、溶質が溶解する程度に加熱して、LiOHの硫化を行うことが好ましい。また、上記極性溶媒としては、具体的には、プロトン性の極性溶媒を挙げることができる。プロトン性の極性溶媒の一例としては、炭素数が1〜8のアルコールを挙げることができる。上記アルコールとしては、具体的にはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール、2−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等を挙げることができる。プロトン性の極性溶媒の他の例としては、フェノール、クレゾール等のフェノール類等を挙げることができる。
一方、不活性ガス雰囲気としては、例えば、アルゴンガス雰囲気および窒素ガス雰囲気等を挙げることができる。
(2)脱硫化水素処理
本発明における脱硫化水素処理は、上記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする処理である。具体的には、2LiHS→LiS+HSの反応が生じる。
脱硫化水素処理は、特に限定されるものではないが、例えば、加熱乾燥処理を挙げることができる。加熱乾燥処理の温度は、例えば150℃〜220℃の範囲内であることが好ましく、170℃〜190℃の範囲内であることがより好ましい。加熱乾燥処理の時間は、例えば15分間〜6時間の範囲内であることが好ましく、30分間〜2時間の範囲内であることがより好ましい。また、加熱乾燥処理は、硫化処理した前駆体混合物を溶媒に溶解もしくは分散させた状態、または、不活性ガス雰囲気で行うことが好ましい。前者の場合、特に、溶媒として非プロトン性溶媒を用いることが好ましく、無極性の非プロトン性溶媒がより好ましい。LiSの劣化を抑制することができるからである。なお、非プロトン性溶媒としては、後述する合成処理の欄に記載する非プロトン性溶媒と同様の材料を用いることができる。中でも、脱硫化水素処理に用いられる溶媒は、常温(25℃)で液体のアルカンであることが好ましい。一方、不活性ガス雰囲気としては、例えば、アルゴンガス雰囲気および窒素ガス雰囲気等を挙げることができる。
また、本発明においては、硫化処理および脱硫化水素処理を、一つの反応として行っても良い。具体的には、LiOHおよびLiIを含有する前駆体混合物におけるLiOHを硫化する際の温度を比較的高く設定することで、硫化および脱硫化水素を連続的に行うことができる。また、硫化処理および脱硫化水素処理を、溶媒に溶解もしくは分散させた状態で連続的に行っても良い。
(3)合成処理
本発明における合成処理は、硫化物固体電解質材料を合成する処理である。
本発明における合成処理は、所望の硫化物固体電解質材料を得ることができる処理であれば特に限定されるものではないが、中でも、A元素(Aは、P、Si、Ge、AlまたはBである)およびS元素を含有する組成物を添加して硫化物固体電解質材料を合成することがことが好ましい。上記組成物は、A元素として、A含有化合物を含有していても良く、A単体を含有していても良い。A含有化合物としては、Aの硫化物を挙げることができ、具体的には、P、P、SiS、GeS、Al、B等を挙げることができる。また、上記組成物は、A元素を二種類以上含有していても良い。また、上記組成物は、S元素として、S含有化合物を含有していても良く、S単体を含有していても良い。S含有化合物としては、例えば、上述した硫化物を挙げることができる。
硫化物固体電解質材料の組成は、特に限定されるものではない。例えば、LiS、PおよびLiIを含有する原料を用いて硫化物固体電解質材料を合成する場合、LiSおよびPの合計に対するLiSの割合は、70mol%〜80mol%の範囲内であることが好ましく、72mol%〜78mol%の範囲内であることがより好ましく、74mol%〜76mol%の範囲内であることがさらに好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料を得ることができるからである。特に、上記LiSの割合が75mol%である場合(LiS:P=75:25である場合)、オルト組成(LiPS)を有するイオン伝導体と、LiIとを備える硫化物固体電解質材料を得ることができる。なお、Pの代わりにAlまたはBを用いる場合も、LiSの割合が、上記範囲内にあることが好ましい。
一方、LiS、SiSおよびLiIを含有する原料を用いて硫化物固体電解質材料を合成する場合、LiSおよびSiSの合計に対するLiSの割合は、62.5mol%〜70.9mol%の範囲内であることが好ましく、63mol%〜70mol%の範囲内であることがより好ましく、64mol%〜68mol%の範囲内であることがさらに好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料を得ることができるからである。特に、上記LiSの割合が66.7mol%である場合(LiS:SiS=66.7:33.3である場合)、オルト組成(LiSiS)を有するイオン伝導体と、LiIとを備える硫化物固体電解質材料を得ることができる。なお、SiSの代わりにGeSを用いる場合も、LiSの割合が、上記範囲内にあることが好ましい。
LiIの割合は、例えば1mol%〜60mol%の範囲内であることが好ましく、5mol%〜50mol%の範囲内であることがより好ましく、10mol%〜40mol%の範囲内であることがさらに好ましく、10mol%〜30mol%の範囲内であることが特に好ましい。なお、LiIの割合は、LiI以外の成分(イオン伝導体)およびLiIの合計に対するLiIの割合をいう。例えば、xLiI・(100−x)(LiPS)におけるxをいう。
硫化物固体電解質材料を合成する合成処理は、所望の硫化物固体電解質材料を得ることができる処理であれば特に限定されるものではない。合成処理の一例としては、非晶質化処理を挙げることができる。非晶質化処理により、通常、硫化物ガラスである硫化物固体電解質材料が得られる。非晶質化処理としては、例えば、メカニカルミリングおよび溶融急冷法を挙げることができ、中でもメカニカルミリングが好ましい。常温での処理が可能であり、製造工程の簡略化を図ることができるからである。また、溶融急冷法は、反応雰囲気や反応容器に制限があるものの、メカニカルミリングは、目的とする組成の硫化物ガラスを簡便に合成できるという利点がある。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良いが、後者が好ましい。より非晶質性の高い硫化物ガラスを得ることができるからである。
メカニカルミリングは、原料を、機械的エネルギーを付与しながら混合する方法であれば特に限定されるものではないが、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができ、中でもボールミルが好ましく、特に遊星型ボールミルが好ましい。所望の硫化物ガラスを効率良く得ることができるからである。
また、メカニカルミリングの各種条件は、所望の硫化物ガラスを得ることができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、容器に原料および粉砕用ボールを加え、所定の回転数および時間で処理を行う。一般的に、回転数が大きいほど、硫化物ガラスの生成速度は速くなり、処理時間が長いほど、原料から硫化物ガラスへの転化率は高くなる。遊星型ボールミルを行う際の台盤回転数としては、例えば200rpm〜500rpmの範囲内、中でも250rpm〜400rpmの範囲内であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば1時間〜100時間の範囲内、中でも1時間〜50時間の範囲内であることが好ましい。また、ボールミルに用いられる容器および粉砕用ボールの材料としては、例えばZrOおよびAl等を挙げることができる。また、粉砕用ボールの径は、例えば1mm〜20mmの範囲内である。
湿式メカニカルミリングに用いられる溶媒としては、原料との反応で硫化水素を発生しない性質を有するものであることが好ましい。硫化水素は、溶媒の分子から解離したプロトンが、原料や硫化物ガラスと反応することによって発生する。そのため、上記溶媒は、硫化水素が発生しない程度の非プロトン性を有していることが好ましい。また、非プロトン性溶媒は、通常、極性の非プロトン性溶媒と、無極性の非プロトン性溶媒とに大別することができる。
極性の非プロトン性溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えばアセトン等のケトン類;アセトニトリル等のニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等のアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)等のスルホキシド類等を挙げることができる。
無極性の非プロトン性溶媒の一例としては、常温(25℃)で液体のアルカンを挙げることができる。上記アルカンは、鎖状アルカンであっても良く、環状アルカンであっても良い。上記鎖状アルカンの炭素数は、例えば5以上であることが好ましい。一方、上記鎖状アルカンの炭素数の上限は、常温で液体であれば特に限定されるものではない。上記鎖状アルカンの具体例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン、パラフィン等を挙げることができる。なお、上記鎖状アルカンは、分岐を有するものであっても良い。一方、上記環状アルカンの具体例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロパラフィン等を挙げることができる。
また、無極性の非プロトン性溶媒の別の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、ジメチルエーテル等の鎖状エーテル類;テトロヒドロフラン等の環状エーテル類;クロロホルム、塩化メチル、塩化メチレン等のハロゲン化アルキル類;酢酸エチル等のエステル類;フッ化ベンゼン、フッ化ヘプタン、2,3−ジハイドロパーフルオロペンタン、1,1,2,2,3,3,4−ヘプタフルオロシクロペンタン等のフッ素系化合物を挙げることができる。なお、上記溶媒の添加量は、特に限定されるものではなく、所望の硫化物固体電解質材料を得ることができる程度の量であれば良い。
上記合成処理の他の例としては、非晶質化処理および熱処理を挙げることができる。非晶質化処理の後に熱処理を行うことにより、ガラスセラミックスである硫化物固体電解質材料を得ることができる。
熱処理温度は、通常、硫化物ガラスの結晶化温度以上の温度である。なお、硫化物ガラスの結晶化温度は、示差熱分析(DTA)により決定することができる。熱処理温度は、結晶化温度以上の温度であれば特に限定されるものではないが、例えば160℃以上であることが好ましい。一方、熱処理温度の上限は、所望のガラスセラミックスを合成できる温度であれば特に限定されるものではなく、硫化物ガラスの組成によって若干異なるものである。熱処理温度の上限は、例えば200℃近傍で上記ガラスセラミックスを合成できる温度である。
熱処理時間は、所望のガラスセラミックスが得られる時間であれば特に限定されるものではないが、例えば1分間〜24時間の範囲内であることが好ましい。また、熱処理は、不活性ガス雰囲気(例えばArガス雰囲気)で行うことが好ましい。ガラスセラミックスの劣化(例えば酸化)を防止できるからである。熱処理の方法は特に限定されるものではないが、例えば、焼成炉を用いる方法を挙げることができる。
上記合成処理のさらに他の例としては、固相反応処理を挙げることができる。固相反応処理により、結晶質材料である硫化物固体電解質材料を得ることができる。
3.硫化物固体電解質材料
本発明により得られる硫化物固体電解質材料は、少なくともLiIを有し、通常は、LiI以外のイオン伝導体(例えば、LiPS)を有する。また、LiIの少なくとも一部は、通常、LiI成分としてイオン伝導体の構造中に取り込まれた状態で存在することが好ましい。
上記イオン伝導体は、例えば、Li、A(Aは、P、Si、Ge、AlおよびBの少なくとも一種である)、およびSを有することが好ましく、中でも、オルト組成またはその近傍組成を有することがより好ましい。化学的安定性の高い硫化物固体電解質材料とすることができるからである。具体的には、上記イオン伝導体が、オルト組成のアニオン構造(PS 3−構造、SiS 4−構造、GeS 4−構造、AlS 3−構造、BS 3−構造)を主体として含有することが好ましい。オルト組成のアニオン構造の割合は、イオン伝導体における全アニオン構造に対して、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。なお、オルト組成のアニオン構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
上記硫化物固体電解質材料は、LiSを実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない硫化物固体電解質材料とすることができるからである。LiSは水と反応することで、硫化水素が発生する。例えば、原料に含まれるLiSの割合が大きいと、LiSが残存しやすい。「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
上記硫化物固体電解質材料は、架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素発生量の少ない硫化物固体電解質材料とすることができるからである。「架橋硫黄」とは、LiSと上記Aの硫化物とが反応してなる化合物における架橋硫黄をいう。例えば、LiSおよびPが反応してなるSP−S−PS構造の架橋硫黄が該当する。このような架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。例えば、LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、SP−S−PS構造のピークが、通常402cm−1に表れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3−構造のピークは、通常417cm−1に表れる。本発明においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。また、LiS−P系以外の硫化物固体電解質材料についても、架橋硫黄を含有するユニットを特定し、そのユニットのピークを測定することにより、架橋硫黄を実質的に含有していないことを判断することができる。
上記硫化物固体電解質材料は、硫化物ガラスであっても良く、ガラスセラミックス(結晶化硫化物ガラス)であっても良く、結晶性材料であっても良い。硫化物ガラスとは、原料を非晶質化して合成した材料をいい、X線回折測定等において結晶としての周期性が観測されない厳密な「ガラス」のみならず、上述したメカニカルミリング等により非晶質化して合成した材料全般を意味する。そのため、X線回折測定等において、例えば原料(LiI等)に由来するピークが観察される場合であっても、非晶質化して合成した材料であれば、硫化物ガラスに該当する。また、ガラスセラミックスとは、硫化物ガラスを結晶化した材料をいう。ガラスセラミックスであるか否かは、例えばX線回折法により確認することができる。結晶性材料は、例えば、固相反応処理により得ることができる。
また、上記硫化物固体電解質材料の形状としては、例えば粒子状を挙げることができる。粒子状の硫化物固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、上記硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いことが好ましく、常温におけるLiイオン伝導度は、例えば1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。また、上記硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導を利用する任意の用途に用いることができ、中でも電池に用いることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[参考例1]
参考例1では、LiI水和物の相転移の様子を観察した。LiIを水に溶解させた水溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて、90℃で12時間真空乾燥した。得られたサンプルに対して、示唆熱・熱重量同時測定(TG−DTA)を行った。その結果を図6に示す。図6に示すように、LiI水和物は、75℃付近で三水和物から一水和物に相転移し、160℃付近で一水和物から無水物に相転移している。また、250℃以上で重量変化(水和水蒸発による減量)がないことが確認された。
[実験例1−1]
まず、LiIおよびLiOHを、LiI:LiOH=1:6のモル比で含有する前駆体水溶液を用意した。なお、LiIおよびLiOHの合計濃度は、1重量%とした。この前駆体水溶液を、二流体ノズルを用いて微細な液滴とし、その微細な液滴を液体窒素に滴下した。液体窒素に滴下することにより、急激に冷却され、水溶液中の溶質は結晶化せずに固化が生じる。そのため、LiIおよびLiOHは分子レベルで均一に分散した状態を維持した固体が得られる。その後、得られた固体に対して、凍結乾燥を行い、LiIおよびLiOHを含有する前駆体混合物を得た。
得られた前駆体混合物に対して、SEM−EDX測定を行った。その結果を図7に示す。図7(a)は、得られた二次電子像であり、黒色部BはLiOHがリッチな領域を示し、白色部WはLiIおよびLiOHが均一に混合した領域を示す。また、図7(b)はLiOHの分布(酸素分布)であり、図7(c)はLiIの分布(ヨウ素分布)である。このように、LiIおよびLiOHが分子レベルで分散した前駆体混合物が得られた。
また、前駆体混合物に対して、TG−DTAを行った。その結果を図8(a)に示す。図8(a)では、図6のようなLiIに固有の挙動は見られず、乾燥特性が明らかに変化したことが確認された。また、図8(a)では、100℃付近にブロードな吸熱が見られ、300℃付近にシャープな吸熱が見られた。さらに、100℃付近まで、水和水蒸発による重量変化が見られるが、それ以降は、重量変化が見られず、安定した化合物であることが確認された。
また、図8(b)は、参照としてLiOH・HOのTG−DTAを行った結果であり、図8(a)および図8(b)は、100℃付近の挙動が類似していた。そのため、図8(a)において、100℃付近での吸熱および重量変化は、LiOH・HOから水和水が蒸発したものであると推察される。ここで、上述したように、LiIおよびLiOHは、LiI:LiOH=1:4で安定相を形成すると考えられる。そのため、前駆体混合物は、組成的にはLiI:LiOH=1:6であるが、LiI:LiOH=1:4の安定相と、2倍のLiOH相とを有することが想定され、100℃付近までの重量変化は、LiOH相における水和水蒸発によるものであると考えられる。一方、300℃付近での吸熱は、LiI:LiOH=1:4の安定相の溶融によるものであると考えられる。
[実験例1−2、1−3]
LiIおよびLiOHの合計濃度を、それぞれ0.2重量%、10重量%としたこと以外は、実験例1−1と同様にして、前駆体混合物を得た。実験例1−2で得られた前駆体混合物は、若干スラリー状であり、実験例1−3で得られた前駆体混合物では、LiOHおよびLiIが少し偏析していた。LiIおよびLiOHが分子レベルで分散した固体粉末を得るという観点では、LiIおよびLiOHの合計濃度が、0.2重量%より大きく、10重量%より小さいことが好ましいことが示唆された。
[実験例2−1]
まず、LiIおよびLiOHを、LiI:LiOH=1:6のモル比で含有する前駆体水溶液を用意した。なお、LiIおよびLiOHの合計濃度は、1重量%とした。この前駆体水溶液を、N循環式のスプレードライヤー(プリス社製TR160)で乾燥させた。なお、噴霧ノズルには、ディスクタイプ噴霧ノズルを用い、溶液供給速度を2.05kg/hとし、入口温度を150℃とした。なお、噴霧装置本体の入口で高温の熱を加え、水分を含む霧状になったスラリーより水分を除去し乾燥するので、出口温度は100℃以下(90℃〜93℃)となる。これにより、LiIおよびLiOHを含有する前駆体混合物を得た。
得られた前駆体混合物に対して、SEM−EDX測定を行った。その結果を図9に示す。図9(a)は、得られた二次電子像であり、図9(b)はLiOHの分布(酸素分布)である。このように、LiIおよびLiOHが分子レベルで分散した前駆体混合物が得られた。また、得られた前駆体混合物の一次粒径は、50μm程度であった。なお、LiIを含有する水溶液に対して、同様の条件で乾燥したが、固体粉末は得られなかった。
[実験例2−2]
まず、LiIおよびLiOHを、LiI:LiOH=1:6のモル比で含有する前駆体水溶液を用意した。なお、LiIおよびLiOHの合計濃度は、1重量%とした。この前駆体水溶液を、ナノ粒子化可能なスプレードライヤー(BUCHI社製B−90)で乾燥させた。開口径4μmのメッシュを超音波で振動させ、4μm程度の液滴を生成し、120℃で乾燥を行い、乾燥後、高電圧を印加した電極により粒子を捕集した。これにより、LiIおよびLiOHを含有する前駆体混合物を得た。
得られた前駆体混合物に対して、SEM観察を行った。その結果を図10に示す。図10に示すように、凝集は見られるものの、一次粒径は2μm程度の微粒子であることが確認された。
[実施例]
実験例1−1と同様の方法により、LiOHおよびLiIを含有する前駆体混合物を得た。次に、前駆体混合物をt−ブチルアルコール中に加えた。なお、前駆体混合物に含まれるLiOHの少なくとも一部は、t−ブチルアルコールに溶解した。次に、得られた溶液を撹拌しながら、80℃でHSガスを流通させた(LiOHに対して、2倍当量程度)。
次に、得られた溶液を、トリデカン中に投入した。次に、HSガスおよびArガスを流通させた状態で、100℃で12時間程度乾燥を行い、t−ブチルアルコールおよび水を除去した。その後、190℃まで昇温し、1時間保持した。その後、HSの流通を止め、Arガスのみを流通させ、LiHSから硫化水素を脱離させ、LiSとした。これにより、スラリーを得た。
得られたスラリーを、Arガス雰囲気中で遊星型ボールミルの容器に入れ、さらにPを添加した。なお、Pの添加量は、LiS:P=75:25のモル比となるように調整した。さらにZrOボールを投入し、容器を完全に密閉した。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、1時間処理および15分休止のメカニカルミリングを40回行った。これにより、硫化物ガラスを得た。交流インピーダンス法により、硫化物ガラスは、所定のLiイオン伝導性を有することが確認できた。
[参考例2]
参考例2では、Ca(OH)を出発原料とし、LiCOを用いることで、LiIの合成を行った。具体的には、下記反応式1、2で表される合成を行った。
Ca(OH)+I+HCOOH → CaI+2HO+CO (反応式1)
CaI+LiCO → 2LiI+CaCO↓ (反応式2)
まず、脱気した超純水100gに対して、Ca(OH)を2.43g投入し、Iを8.33g(Ca(OH)に対して1当量)投入した。次に、撹拌を行いながらHCOOHを1.59g(Iに対して1.05当量)投入し、Ar気流下で、80℃で1時間保持した。
その後、LiCOを2.42g(CaIに対して0.998当量)投入し、1時間保持した。得られた溶液は、黄色味を帯びており、pHは約3で酸性を示した。冷却後、ろ過により析出固形分(固形分A)を回収した。また、ろ液を50℃で加熱減圧乾燥し、ろ液の固形分(固形分B)を回収した。なお、冷却後のろ液のpHは約5で酸性を示した。また、ろ液の乾燥速度は遅く、乾燥後半には、グリス状の半固形分がフラスコ内面に付着した。
得られた固形分A、Bに対して、X線回折(XRD)測定を行った。その結果、固形分AではCaCOのピークが観察され、固形分BではLiIのピークが観察され、それぞれ単相に近い状態で分離できた。また、固形分Bに対して、誘導結合プラズマ(ICP)測定を行った。Li濃度より、固形分Bは、LiIとして97.5%程度の純度を有することが確認された。一方、固形分Bは、Caを0.07%程度(Ca(OH)なら0.13重量%、CaIなら0.5重量%に相当する)を含むものであった。これは、反応式2において、投入したLiCOの量が、CaIに対して0.2%少ないことを考慮すると、Caの残存量は妥当であると考えられる。
[実験例3−1]
図3に示すフローチャートに沿って、LiOHおよびLiIを含有する前駆体混合物を作製した。まず、脱気した超純水100gに対して、LiCOを2.42g投入し、Iを1.19g(LiCOに対して1/7当量)投入した。次に、撹拌を行いながらHCOOHを0.23g(Iに対して1.05当量)投入し、Ar気流下で、80℃で1時間保持した。
その後、Ca(OH)を2.07g(未反応のLiCOに対して1当量)投入し、80℃で1時間保持した。冷却後、ろ過により析出固形分(固形分A)を回収した。また、ろ液を50℃で加熱減圧乾燥し、ろ液の固形分(固形分B)を回収した。得られた固形分A、Bに対して、X線回折(XRD)測定を行った。その結果、固形分AではCaCOのピークが観察され、固形分BではLiOHおよびLiIのピークが観察された。なお、固形分BにおけるLiIおよびLiOHのモル比は、LiI:LiOH=1:6に相当する。
[実験例3−2]
図4に示すフローチャートに沿って、LiOHおよびLiIを含有する前駆体混合物を作製した。まず、脱気した超純水100gに対して、Ca(OH)を2.43g投入し、Iを1.19g(Ca(OH)に対して1/7当量)投入した。次に、撹拌を行いながらHCOOHを0.23g(Iに対して1.05当量)投入し、Ar気流下で、80℃で1時間保持した。
その後、LiCOを2.42g(Ca(OH)およびCaIに対して1当量)投入し、80℃で1時間保持した。冷却後、ろ過により析出固形分(固形分A)を回収した。また、ろ液を50℃で加熱減圧乾燥し、ろ液の固形分(固形分B)を回収した。得られた固形分A、Bに対して、X線回折(XRD)測定を行った。その結果、固形分AではCaCOのピークが観察され、固形分BではLiOHおよびLiIのピークが観察された。なお、固形分BにおけるLiIおよびLiOHのモル比は、LiI:LiOH=1:6に相当する。
[実験例3−3]
前駆体混合物を、トリデカン中で硫化した。まず、LiIおよびLiOHを、LiI:LiOH=1:6のモル比で含有する前駆体水溶液を用意した。なお、LiIおよびLiOHの合計濃度は、8重量%とした。次に、前駆体水溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて、90℃で12時間真空乾燥し、前駆体混合物を得た。次に、前駆体混合物をトリデカン中に加えた。なお、前駆体混合物に含まれるLiOHは、トリデカンに溶解せず分散した。次に、得られた溶液を撹拌しながら、150℃でHSガスを7時間流通させた。次に、得られた溶液に対して、Arガスを流通させた状態で、190℃で8時間程度乾燥を行い、LiHSから硫化水素を脱離させた。その後、ろ過により回収した固形分に対してICP分析を行い、Li/S比を求めたところ、6LiOHの31.1%、すなわち2mol程度のLiOHが硫化されていることが確認された。このように、トリデカンを用いた場合であっても、LiOHの硫化は生じるが、この条件では、実験例3−1、3−2に比べると、LiOHの硫化効率が低いことが示唆された。
[実験例3−4]
前駆体混合物を、気相中で硫化した。まず、LiIおよびLiOHを、LiI:LiOH=1:6のモル比で含有する前駆体水溶液を用意した。なお、LiIおよびLiOHの合計濃度は、8重量%とした。次に、前駆体水溶液を、ロータリーエバポレーターを用いて、90℃で12時間真空乾燥し、前駆体混合物を得た。次に、前駆体混合物を、HSを流通させた状態で300℃または380℃で1時間保持した。得られた粉末は、極端な粒成長はしておらず、一次粒子径が2μm程度の粒子であった。また、ICP分析の結果、LiOHの硫化は生じるが、この条件では、実験例3−1、3−2に比べると、LiOHの硫化効率が低いことが示唆された。

Claims (9)

  1. LiIおよびLiOHを含有する前駆体水溶液を乾燥し、水分を除去することにより、前駆体混合物を得る乾燥工程と、
    前記前駆体混合物における前記LiOHを硫化しLiHSとする硫化処理、前記LiHSから硫化水素を脱離させLiSとする脱硫化水素処理、および硫化物固体電解質材料を合成する合成処理を有する電解質合成工程と、
    を備え、
    前記前駆体水溶液において、前記LiIに対する前記LiOHのモル比(MLiOH/MLiI)が、1以上であることを特徴とする硫化物固体電解質材料の製造方法。
  2. 前記モル比(MLiOH/MLiI)が、4以上であることを特徴とする請求項1に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  3. 前記前駆体水溶液におけるLiOHおよびLiIの合計濃度が、0.2重量%より大きく、10重量%より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  4. Li含有水溶液に対して、Iおよび還元剤を用いた還元法を行い、前記前駆体水溶液を準備する準備工程を有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  5. 前記準備工程が、
    Li塩を含有する第一水溶液に対して前記還元法を行い、前記Li塩および前記LiIを含有する第二水溶液を作製する還元処理と、
    前記第二水溶液における前記Li塩を水酸化し前記LiOHとする水酸化処理と、
    を有する工程であることを特徴とする請求項4に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  6. 前記準備工程が、
    金属(Me)の水酸化物を含有する第三水溶液に対して前記還元法を行い、前記Meの水酸化物、および、前記Meのヨウ化物を含有する第四水溶液を作製する還元処理と、
    前記第四水溶液における前記MeをLiに置換する置換処理と、
    を有する工程であることを特徴とする請求項4に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  7. 前記準備工程が、
    前記LiOHを含有する第五水溶液の一部を分取し、分取した前記第五水溶液に対して前記還元法を行い、前記LiIを含有する第六水溶液を作製する還元処理と、
    前記第六水溶液、および、前記第五水溶液の残部を混合する混合処理と、
    を有する工程であることを特徴とする請求項4に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  8. 前記合成処理が、非晶質化処理であり、
    前記硫化物固体電解質材料が、硫化物ガラスであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
  9. 前記合成処理が、非晶質化処理および熱処理であり、
    前記硫化物固体電解質材料が、ガラスセラミックスであることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかの請求項に記載の硫化物固体電解質材料の製造方法。
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