JP6900057B2 - 通気壁用水切りを用いた通気壁構造、及びその施工法 - Google Patents

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Description

本発明は、簡易な形状構成を備え、建築物の土台等に配設されると共に、定規部上に立設させた通気壁の内部を流下する雨水を前方へ排出でき、通気壁の内部に外気を上昇させることができる通気壁用水切りを用いた通気壁構造、及びその施工法に関する。
従来、各種の水切りは、金属板を切断加工や折り曲げ加工にて製造された長尺部材であって、該部材は、保護しようとする土台等の構造材に固定する縦面部と、該縦面部を伝う雨水を前方へ排水する傾斜面部と、を備える略L字状の部位を備える部材であり、建築物の外壁の表面を縦面部を伝って流下した雨水が、傾斜面部を伝うことで建築物内部に侵入するのを防ぐ役割を果たし、例えば土台水切りは、建築物の土台に沿うように固定される部材である。
この水切りとしては、特許文献1〜3等の多くの提案がなされている。
特許文献1に記載の土台水切りA1は、雨水を排水する水切り板部b1の裏面側に防鼠板部f1を備える構成であり、前記防鼠板部f1には、鼠などが侵入できない大きさで、十分な通気性を備える通気孔g1が形成されている。
特許文献2に記載の土台水切20は、断面W字状の部材であって、前面側の側壁部24に固定した壁部材12と面材13との間の壁内通気路41へ外気を送り込む外気取入口21が前方立壁部22に備えられている。
特許文献3に記載の通気壁用土台水切り材1は、建物の外側に向かって折曲される傾斜片1fや水切り片1gの他に、壁取付片1aと、縦胴縁取付片1cと、両者を繋ぐ繋ぎ片1bと、前記縦胴縁取付片1cから前方へ突出して外壁材4の下端部4aを載置し得るスタータ片1dと、を備える構成が記載されている。
特開2012−122193号公報 特開2015−105525号公報 特開2016−79625号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の土台水切りA1は、前述のように建築物内部への雨水の侵入を防げるものの、通気壁に適用するには、当該部材のみで対応できるものではなく、他部材を併用する他はなかった。
また、前記特許文献2に記載の土台水切20は、それ自体が断面W字状と複雑な形状であるにも関わらず、壁部材12を安定に固定することもできないものであった。
さらに、前記特許文献3に記載の通気壁用土台水切り材1は、繋ぎ片1bの上方に配設される縦胴縁3の存在によって、縦方向に延在する通気層が形成されるものであるため、これらの構成1a〜1dの全てが必須(特に繋ぎ片1bとスタータ片1d)となるため、極めて形状構成が複雑であった。
そこで、本発明は、簡易な形状構成を備え、建築物の土台等に配設されると共に、定規部上に立設させた通気壁の内部を流下する雨水を前方へ排出でき、通気壁の内部に外気を上昇させることができる通気壁用水切りを用いた通気壁構造及びその施工法を提案することを目的とする。
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、建築物に固定される背面部と、該背面部の高さの中程において前方へ延在させた通気性を備えて通気壁を立設可能な定規部と、前記背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた水切り面部と、該水切り面部の前端から下方へ屈曲させた前面部と、該前面部の下方から後方へ延在させた下面部と、からなる通気壁用水切りを用いた通気壁構造であって、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを、裏打ち材を介在させて積層した複合体を用い、建築物に背面部が沿うように固定された通気壁用水切りの定規部上に、前記複合体が固定され、固定された前記複合体にモルタルを塗着して形成した通気壁が立設されてなることを特徴とする通気壁構造に関するものである
また、本発明は、前記通気壁用水切りを用いた通気壁構造の施工法であって、予め、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを裏打ち材を介在させて積層した複合体を作成しておき、建築物に背面部が沿うように通気壁用水切りを固定する第1の工程と、固定した通気壁用水切りの定規部上に、予め作成しておいた前記複合体を直塗り用網材が前側になるように取付、固定する第2の工程と、配設した前記複合体における前記直塗り網材に対して所定厚みのモルタルを塗着する第3の工程と、を行うことを特徴とする通気壁構造の施工法をも提案するものである。
さらに、本発明は、前記施工法において、前記直塗り網材へのモルタルの塗着作業を、前記定規部の前端にコテが当接するように塗り付けることを特徴とする通気壁構造の施工法をも提案する。
本発明の通気壁用水切りを用いた通気壁構造は、建築物に背面部が沿うように固定された通気壁用水切りの定規部上に、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを、裏打ち材を介在させて積層した複合体を用い、前記複合体にモルタルを塗着して形成した通気壁を立設してなるので、通気壁の内部にて、下方から上方への通気、上方から下方への水分排出を容易に果たすものである。
さらに、本発明は、前記四層複合体を用いたモルタル壁体の施工法であって、前記複合体を下地に前記第2の裏打ち材が対向するように固定される第1の工程と、該第1の工程にて固定された前記複合体の最表面側に位置する直塗り用網材にモルタルを塗着させる第2の工程と、からなることを特徴とするモルタル壁体の施工法をも提案するものである。
また、本発明の通気壁用水切りを用いた通気壁の施工法は、通気壁用水切りを固定する第1の工程も、通気壁用水切りの定規部上に、複合体を直塗り用網材が前側になるように取付、固定する第2の工程も、配設した直塗り網材に対して所定厚みのモルタルを塗着する第3の工程も、それぞれ容易に行うことができるため、実用的価値が極めて高いものである。
さらに、前記直塗り網材へのモルタルの塗着作業を、定規部の前端にコテが当接するように塗り付ける場合、モルタルの厚み調整を極めて容易に行うことができる。
本発明通気壁構造に用いる通気用水切りの一態様(第1態様)を示す側面図である。 (a)本発明通気壁構造に用いる通気壁用水切りの他の一態様(第2態様)を示す斜視図、(b)該水切り及びモルタル塗着用複合体を用いた通気壁構造(第1実施例)を示す側断面図である。 (a)第1態様の通気壁用水切りを用い、多孔質コンクリートブロックにて形成された通気壁を採用した本発明の通気壁構造(第2実施例)を示す側断面図、(b)第1態様の通気壁用水切り及びモルタル塗着用複合体を用いた本発明の通気壁構造(第3実施例)を示す側断面図、(c)比較例の通気壁構造を示す側断面図である。
本発明の通気壁構造に用いる通気壁用水切りは、建築物に固定される背面部と、該背面部の高さの中程において前方へ延在させた通気性を備える定規部と、前記背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた水切り面部と、該水切り面部の前端から下方へ屈曲させた前面部と、該前面部の下端から後方へ延在させた下面部と、からなる。
そして、前記定規部上に通気壁を立設でき、該通気壁においては、下方から上方へ通気できると共に上方から下方へ水分を排出でき、傾斜状の水切り面部にて排出できる。
前述のように水切りは、そもそも略L字状の部位を備える部材であるから、当該部分を本体とすると、本発明の通気壁用水切りは、背面部と水切り面部とで本体が形成され、該本体に定規部と前面部と下面部とを加えた構成となっている。
この通気壁用水切りを構成する各部位は、何れも面板状であり、各種の金属板材を適宜に組み合わせて形成されるものでもよいし、アルミ等の押出成形品でもよいし、硬質樹脂の成形材にて形成されるものでもよく、それらを組み合わせて形成されるものでもよい。
前記背面部は、雨水等の水分の浸透を、保護しようとする建築物に沿わせて固定することで保護する部位(縦状面板部)であり、例えば土台水切りとして用いる場合には、土台に直接的或いは間接的に沿わせる部位となる縦面部である。
前記水切り面板は、雨水等の水分を前方へ流下させる部位であり、前記背面部から前側斜め下方へ突出させた部位(前方傾斜面板部)である。
この水切り面部は、雨水等を前方へ流下させるために、前記背面部から斜め下方へ傾斜させるものであり、特に限定するものではないが、経験的にこの水切り面部の傾斜角度Y(度)は、105<Y<120であることが望ましい。
前記定規部は、背面部の高さの中程において前方へ延在させた部位であり、通気性を備えている。
そのため、例えば面板に複数の通気孔を形成して通気性を確保してもよいし、通気性を備える各種のメッシュ材等にてこの定規部を形成してもよい。
この通気性については、通気壁の内部を流下してきた雨水や露結水等を落下させる通水性を備えるものでもよい。
なお、前述のようにこの定規部は、前方へ延在させた部位を示すが、前記背面部から直角より僅かに下方へ傾斜させることが好ましく、特に限定するものではないが、経験的にこの定規部の傾斜角度X(度)は、90<X<105であることが望ましい。
また、この定規部は、通気壁を立設させる部位でもあるため、通気壁の荷重にて変形や脱落を生じない程度の強度が望ましい。但し、通気壁自体の荷重は、基本的には建築物の構造材等に直接的に固定すればよいので、この定規部に負担させるものではなく、仮止めの際等に一時的に負担する程度の強度でもよい。
なお、この定規部は、取り外し可能であってもよい。即ちこの定規部は、前述のように通気壁を立設させる部位であるため、例えば図示実施例に示すようなモルタル塗着用複合体を取り付け、固定した後には、取り外す(取り除く)ようにしてもよい。このモルタル塗着用複合体は、それ自体が極めて軽量であって、適正位置に取り付けた後、湿式施工にてモルタルを塗着させることができる材料である。
この通気壁用水切りに適用される通気壁は、下方から上方へ通気できると共に上方から下方へ水分を排出できるものであれば、特にその構成を限定するものではなく、例えば乾式のボード状壁材でもよいし、湿式のモルタル塗着用材料でもよい。この通気壁は、前記定規部に立設するので、前記定規部への負担を軽減するためにも、より軽量である構成が望ましい。
なお、前述のように共に背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた部位であるが、前記定規部の傾斜角度X(90〜105)に比べて、前記水切り面部の傾斜角度Y(105〜120)をより下方へ深く傾斜するように形成している。これは、水切り面部にて、確実に雨水を排水、流下させ、定規部にて、通気壁(モルタル塗着用複合体)を立設させるためである。言い替えれば、水切り面部の傾斜角度が十分でない場合には、雨水等が速やかに排水、流下できない事態を生じてしまうし、定規部の傾斜角度を極端に傾斜させてしまうと、通気壁(モルタル塗着用複合体)を立設させることができない場合があるからである。
前記定規部に立設させるモルタル塗着用材料として、最も好ましい材料は、後述する図示実施例にも示す複合体(モルタル塗着用複合体)である。
この複合体について、簡単に説明すると、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを、裏打ち材を介在させて積層した構成である。
より望ましくは、第1層としてモルタルに用いる骨材が通過可能な孔径を有するプラスチック網を縦波状に成形した直塗り用網材と、第2層として裏打ち材(防水紙)と、第3層として通気が可能な孔径を有するプラスチック網を横波状に成形した通気用網材と、第4層として裏打ち材(透湿防水シート)と、を積層して一体化した構成である。
前記第1層の直塗り用網材は、プラスチック網を連続する縦波状に立体加工したコルゲートシートであって、モルタルに用いる骨材が通過可能な孔径(メッシュ間隔)を有し、具体的には、ポリプロピレン、飽和ポリエステル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン等が用いられる。そのため、孔径(メッシュ間隔)5〜8mm程度が望ましい。
また、連続する波状の加工については、高さ5〜15mm程度、幅15〜20mm程度が望ましい。
前記第3層の通気用網材は、通気が可能な孔径(メッシュ間隔)を有するプラスチック網を横波状に立体加工したコルゲートシートであって、通気が可能な孔径(メッシュ間隔)を有し、具体的には、ポリプロピレン、飽和ポリエステル、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリスチレン等が用いられる。そのため、孔径(メッシュ間隔)2〜5mm程度が望ましい。
また、連続する波状の加工については、高さ10〜30mm程度、幅20〜40mm程度が望ましい。
なお、前記第1層の直塗り用網材と、前記第3層の通気用網材とは、波方向が直交するように組み合わせて一体化する。
このような構成を備える複合体は、極めて軽量の材料であって、例えばメタルラスを用いた際の高重量と防錆(腐食)の問題を生ずることなく、ひび割れに対する耐性に優れ、安定な品質を有する極めて軽量な通気壁を施工できる。錆(さび)の発生に起因する劣化促進が決してないため、初期耐力が保持でき、壁倍率が取得でき、またコスト、施工面にても容易に実用化が図れる。
本発明の通気壁構造は、前記通気壁用水切り及び前記複合体を用いるものであって、建築物に背面部が沿うように固定された通気壁用水切りの定規部上に、前記複合体が固定され、固定された前記複合体にモルタルを塗着して形成した通気壁が立設されてなる。
そのため、通気壁の内部にて、下方から上方への通気、上方から下方への水分排出を容易に果たすことができる。
また、本発明の通気壁構造の施工法は、建築物に背面部が沿うように通気壁用水切りを固定する第1の工程と、固定した通気壁用水切りの定規部上に、予め作成しておいた前記複合体を直塗り用網材が前側になるように取付、固定する第2の工程と、配設した前記複合体における直塗り網材に対して所定厚みのモルタルを塗着する第3の工程と、を行う。
この施工法では、通気壁用水切りを固定する第1の工程も、通気壁用水切りの定規部上に、前記複合体を直塗り用網材が前側になるように取付、固定する第2の工程も、配設した直塗り網材に対して所定厚みのモルタルを塗着する第3の工程も、それぞれ容易に行うことができ、実用的価値が極めて高い。
なお、以下に説明する図示実施例は、本発明の通気壁用水切り、及びそれを用いた通気壁構造の実施例の一つであって、寸法等についても一部記入しているが、本発明は、これらに限定されるものではない。
図1は第1態様の通気壁用水切りを示すものであって、符号1は当該通気壁用水切りを、2は背面部を、3は定規部を、4は水切り面部を、5は前面部を、6は下面部を示す。
なお、図中に斜体で示す数値は、部位の寸法(暫定的にミリメートルとする)を示すものであって、奥行き幅(前後寸法)が50mm程度であり、高さ幅(上下寸法)が72mm程度であり、上端から20mmより定規部3が前側斜め下方へ突出しているが、40mmの長さを有する背面部2の高さの半分、即ち20mmの位置から、定規部3が前側斜め下方へ突出していることが示されている。また、傾斜角度Xは、定規部3の背面部2からの傾斜(拡開)角度を示し、前述のように90〜105度程度が好ましく、傾斜角度Yは、水切り面部4の背面部2からの傾斜(拡開)角度を示し、前述のように105〜120度程度が好ましい。
この第1態様の通気壁用水切り1は、三つの金属成形板1A,1B,1Cを組み合わせたものであり、縦Z字状の第1の金属成形板1Aは、背面部2及び水切り面部4及び前面部5を形成したものであって、背面部2と水切り面部4とは角度Yになるように形成され、背面部2の上端には折返し状の上方保持部が形成され、前面部5の下端にも折返し状の下方保持部が形成されている。
略L字状の第2の金属成形板1Bは、背面部2に沿わせる縦面部分と定規部3を形成したものであって、縦面部分の上端が前記上方保持部に保持され、該背面部2からの定規部3の角度Xとなるように前記第1の金属成形板1Aに取り付けられている。
なお、第2の金属成形板1Bに形成される前記定規部3は、その前端を裏面側へ折り返すことで、滑らかで直線的なラインを形成している。
略横片状の第3の金属成形板1Cは、下面部6を形成したものであって、下方へ折り曲げた先端が前記下方保持部に保持されるように前記第1の金属成形板1Aに取り付けられている。
前記第1の金属成形板1Aは、通常の金属板材を用いることができるが、前記定規部3には通気性を備えていることが必要であるから、前記第2の金属成形板1Bは、板状の金属メッシュ材等にて成形したものか、複数の通気孔を形成した板材が用いられる。また、前記第3の金属成形板1Cも、下方からの通気を通すために通気性を備えていることが望ましいので、前記第2の金属成形板1Bと同様に形成してもよい。
このように三つの金属成形板1A,1B,1Cを組み合わせて一体化させた第1態様の通気壁用水切り1は、定規部3を備えているので、該定規部3上に図示しない通気壁を立設できるものである。
なお、この効果については、第2態様の通気壁用水切り1'を用いた通気壁構造(第1実施例)の説明にて詳細に説明する。
前記第1の金属成形板1Aである本体は、長さ方向に長尺材であるが、該本体1Aに組み合わせる前記第2の金属成形板1Bは、短幅に形成して複数箇所に取り付けるようにしてもよい。その場合、取り付けた第2金属成形板1Bの定規部3に(モルタル塗着用)複合体7を配設し、土台(12)等に固定した後に、当該第2の金属成形板1Bを取り除くようにしてもよい。要するに定規部3は、第2の金属成形板1Bを適正位置に取り付けるための部材であって、その後は、取り除くようにしてもよいし、残す(取り除かない)ようにしてもよい。残す場合には、当該第2の金属成形板1Bは、長尺材でもよい。
図2(a)は、第2態様の通気壁用水切りを示すものであって、符号1'は当該通気壁用水切りを、2'は背面部を、3'は定規部を、4'は水切り面部を、5'は前面部を、6'は下面部を示す。
なお、この第2態様の通気壁用水切り1'は、アルミ等の押出成形品か、或いは硬質樹脂の成形材であって、その定規部3'やその下面部6'に対し、後加工にて通気孔(30,60)を形成したものである。
この図2(a)には、前記図1のように図中に斜体で示す数値を掲載していないが、おおよその奥行き幅や高さ幅、定規部3'の突出高さや傾斜角度等は、前記図1とほぼ同様である。
この第2態様の通気壁用水切り1'は、その定規部3'の基端付近に複数の横長の通気孔30,30が形成されているので、定規部3'が通気性を備え、その下面部6'には円孔状の通気部60が複数形成されているので、下面部6'が通気を備え、前記第1態様の通気壁用水切り1とほぼ同様の構成である。
図2(b)は、第2態様の通気壁用水切り1'を用いた通気壁構造(第1実施例)を示すものであって、背面部2'が土台12の前側に固定されると共に、下面部6'が基礎11上に配置されるように通気壁用水切り1'を配置、固定する。
当該通気壁用水切り1を固定するための固着具等については、詳細に示していないが、緩衝材13を貫通して土台12に打ち込む固着具等を用いて固定すればよい。
固定した通気壁用水切り1'の定規部3'上には、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材72と直塗り用網材74とを、裏打ち材71,73を介在させて積層した構成のモルタル塗着用の複合体7を固定している。
なお、この図2(b)中に斜体で示す数値は、部位の寸法(ミリメートル)を示すものであって、前記複合体7以外の構造を簡単に説明すると、基礎11の奥行き厚みが150mm、土台12の奥行き厚みが120mm、基礎11と土台12との間の通気間隙14の厚み15mm、通気壁用水切り1'と土台12との間に介在される緩衝材13の厚み9mmで固定されている。
前記複合体7について簡単に説明すると、直塗り用網材(コルゲートシート)74は、ポリプロピレン製網;(株)アクト製「コルゲート1」を、高さが10±1mm、幅が10mmとなるように連続する波状に加工したものである。
また、当該実施例における通気用網材(コルゲートシート)72は、ポリプロピレン製網;(株)アクト製「コルゲート2」を、高さが20±2mm、幅が20mmとなるように連続する波状に加工したものである。
そして、前記直塗り用網材74の波は縦波状に、前記通気用網材72の波は横波状に組み合わされている。
また、当該実施例における前記裏打ち材71(透湿防水シート)は、(株)KST製「Skyone2」であり、当該実施例における前記裏打ち材73(防水紙)は、シーピー加工(株)製の防水紙である。
このような複合体7を作成するには、熱融着による接合又は接着剤による接合を用いて一体化する。
当該図2(b)のように施工された通気壁構造では、定規部3'上に立設させた複合体7にモルタル8を塗着してモルタル通気壁を施工することができる。
前記複合体7は、直塗り用網材74が前面側に配置されるように固定するので、この直塗り用網材74に対してモルタル8を塗着する。
このモルタル通気壁では、通気用網材72が位置する層が下方から上方への通気を行うことができ、直塗り用網材74にモルタル8を塗着するので、モルタル中の水分や露結水などは、上方から下方へ排出(流下)させることができる。
なお、当該図中に示すハッチング矢印が、前述の通気用網材72を、下方から上方へ通気している状態を模式的に示すものである。
また、前記定規部3'の存在により、水平方向にも厚み方向にも均一にモルタルを塗着することができる。特に前記第1実施例における定規部3のように、その前端を裏面側へ折り返すことで、滑らかで直線的なラインを形成している場合には、モルタルを塗着する際の塗りコテを定規部3の前端に当接させつつ塗着することができるので、より精度の高い美麗な施工を行うことができる。
図2(b)は、第2態様の通気壁用水切り1'を用いた通気壁構造(第1実施例)を示すものであって、その定規部3'上には、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材72と直塗り用網材74とを、裏打ち材71,73を介在させて積層した構成の複合体7を固定している。
なお、この図2(b)中に斜体で示す数値は、部位の寸法(ミリメートル)を示すものであって、前記複合体7以外の構造を簡単に説明すると、基礎11の奥行き厚みが150mm、土台12の奥行き厚みが120mm、基礎11と土台12との間の通気間隙14の厚み15mm、通気壁用水切り1'と土台12との間に介在される緩衝材13の厚み9mmで固定されている。
この通気壁構造の施工法は、以下の手順にて行われる。
なお、施工に先立って、予め、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材72と直塗り用網材74とを裏打ち材71,73を介在させて積層した複合体7を作成しておく。
まず、第1の工程として、建築物の土台12に背面部2'が沿うように通気壁用水切り1'を固定する。
この通気壁用水切り1'の固定は、前面側から背面部2'に対して図示しない固着具を緩衝材13から土台12に達するように打ち込んで固定する。
次に、第2の工程として、固定した通気壁用水切り1'の定規部3'上に、前記複合体7を直塗り用網材74が前側になるように取付、固定する。
この複合体7の取付は、定規部3'の奥端に下端が位置するように配設し、前面側から図示しない固定具を打ち込んで固定する。
その後、第3の工程として、取り付けた複合体7における直塗り網材74に対して所定厚みのモルタル8を塗着する。
このモルタル8の塗着は、前面側から直塗り網材74が塗り付けるモルタル8にて見えなくなるように行うが、定規部3'の存在により、水平方向にも厚み方向にも均一にモルタル8を塗着することができる。その際、モルタル8を塗着する際の塗りコテを定規部3'の前端に当接させつつ塗着すると、より容易に施工を行うことができる。
図3(a),(b)は、異なる通気壁を採用した前記第1態様の通気壁用水切り1を用いた通気壁構造(第2、第3実施例)であり、図3(c)は、前述の特許文献3に記載された通気壁用土台水切り材1を用いた比較例である。
図3(a)の通気壁9は、工場等にて成形されたコンクリートブロックであって、多孔質となるようにセメントに対する骨材量の割合を敢えて過多にした組成にて形成されている。そのため、図の右側面では高密度で、図の左側面では低密度で通気性を備えるものである。
図3(b)の通気壁は、前記図2(b)に採用したモルタル塗着用の複合体7とモルタル8とからなる通気壁と全く同様であって、塗着するモルタル8を点線のクロスハッチングで示している。
図3(c)に示す比較例は、前述のように繋ぎ片1bとスタータ片1dとが重要な構成であって、それ以外にも壁取付片1aも縦胴縁取付片1cも不可欠な構成であるため、その形状構成が極めて複雑であった。しかも、乾式の壁部材4の下端4aを支持するスタータ片1dには、多大な荷重が作用するので、スタータ片1dと繋ぎ片1bとの間に縦片を介在させて強度を向上させていると推測され、益々形状を複雑としている。
それに対し、前記本発明の通気壁状水切り1は、定規部3は、背面部2の高さの中程において前方へ延在させた簡易な構成であって、通気性を備えて通気壁を立設可能であればよいので、前記比較例に比べて形状構成が極めて簡易である。また、この定規部3には、前記図3(a)や前記図3(b)に示すように通気性を備える通気壁を支持するが、通気壁自体の荷重は、基本的には建築物の構造材等に固定する(負担させる)ため、仮止めの際等に一時的に負担する程度の強度でもよい。
1,1' 通気壁用水切り
1A 第1の金属成形板
1B 第2の金属成形板
1C 第3の金属成形板
11 基礎
12 土台
13 緩衝材
14 通気間隙
2,2' 背面部
3,3' 定規部
30 通気孔
4,4' 水切り面部
5,5' 前面部
6,6' 下面部
60 通気孔
7 (モルタル塗着用)複合体
71 裏打材(透湿防水シート)
72 通気用網材(コルゲートシート)
73 裏打材(防水紙)
74 直塗り用網材(コルゲートシート)
8 モルタル
9 通気壁

Claims (3)

  1. 建築物に固定される背面部と、該背面部の高さの中程において前方へ延在させた通気性を備えて通気壁を立設可能な定規部と、前記背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた水切り面部と、該水切り面部の前端から下方へ屈曲させた前面部と、該前面部の下方から後方へ延在させた下面部と、からなる通気壁用水切りを用いた通気壁構造であって、
    プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを、裏打ち材を介在させて積層した複合体を用い、
    建築物に背面部が沿うように固定された通気壁用水切りの定規部上に、前記複合体が固定され、固定された前記複合体にモルタルを塗着して形成した通気壁が立設されてなることを特徴とする通気壁構造。
  2. 建築物に固定される背面部と、該背面部の高さの中程において前方へ延在させた通気性を備えて通気壁を立設可能な定規部と、前記背面部の下端から前側斜め下方へ突出させた水切り面部と、該水切り面部の前端から下方へ屈曲させた前面部と、該前面部の下方から後方へ延在させた下面部と、からなる通気壁用水切りを用いた通気壁構造の施工法であって、
    予め、プラスチック網をそれぞれ波状に成形した通気用網材と直塗り用網材とを裏打ち材を介在させて積層した複合体を作成しておき、
    建築物に背面部が沿うように通気壁用水切りを固定する第1の工程と、
    固定した通気壁用水切りの定規部上に、前記複合体を直塗り用網材が前側になるように取付、固定する第2の工程と、
    配設した前記複合体における前記直塗り網材に対して所定厚みのモルタルを塗着する第3の工程と、
    を行うことを特徴とする通気壁構造の施工法。
  3. 前記直塗り網材へのモルタルの塗着作業を、前記定規部の前端にモルタルを塗着するコテが当接するように塗り付けることを特徴とする請求項2に記載の通気壁構造の施工法。
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