JP2009030226A - 外壁の通気施工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 施工が簡単で、外壁表面層のクラックやひび割れ等の耐久性にも優れ、簡単な施工で高い通気性能と結露防止機能を確保できる外壁の通気施工方法を安価に提供することを課題とする。
【解決手段】 通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する工程と、該構造躯体内部に断熱材を設けその上に板材を張り付け下地構造体を形成する工程と、該下地構造体の室外側となる表面に通気シートを貼着する工程と、該通気シートの上に防水シートを貼着する工程と、該防水シートの上にラス網を設ける工程と、該ラス網の上に所定厚みのモルタル層を設ける工程とからなり、前記各工程をこの順で施工するようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する工程と、該構造躯体内部に断熱材を設けその上に板材を張り付け下地構造体を形成する工程と、該下地構造体の室外側となる表面に通気シートを貼着する工程と、該通気シートの上に防水シートを貼着する工程と、該防水シートの上にラス網を設ける工程と、該ラス網の上に所定厚みのモルタル層を設ける工程とからなり、前記各工程をこの順で施工するようにした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、外壁内部の結露発生防止に有効な通気構法を施した外壁を施工する方法に関するものである。
従来、木造住宅の外壁において、木造軸組工法住宅の場合においては、柱、間柱等の縦構造材及び胴差、軒桁、胴縁、土台等の横架材など、軸組材の室外側の表面上にラス板等の下地板を張り付け、その上を湿気は通すが水分は通さない透湿防水シートで覆い、その上にラス網を介してモルタル仕上げを行う施工方法が一般的であった。また、近年耐震性能を向上させる必要性から、前記軸組材の室外側の表面上にOSB、構造用合板等の構造用面材を張り付け、その上に透湿防水シート及びラス網を介してモルタル仕上げを行って施工することも広く行われている。また、住宅の防火性能を考慮して、前記木質の構造用面材ではなく、無機系の非構造用面材が用いられることも多々あった。
また、前記軸組材の室外側の表面上にOSB、合板パネル等の構造用面材を張り付け、その上に透湿防水シートを介してモルタル下地合板を張り付け、その上からモルタル仕上げを行うことも行われてきた。
また、柱、間柱等の縦構造材及び胴差、軒桁、胴縁、土台等の横架材などの軸組材の上を透湿防水シートで覆い、この上に直接構造用パネルとしての性能を有するモルタル下地合板を張り付け、その上からモルタル仕上げを行うことも行われてきた。
また、他の例として、通気構法を施した枠組壁工法(ツーバイフォー工法)住宅の場合は、枠組壁の縦枠の室外側の表面上に下地材として、OSB、構造用合板等の構造用面材を張り付け、その上を透湿防水シートで覆い、その上にラス網を介してモルタル仕上げを行ったり、前記構造用合板等の上を透湿防水シートで覆い、その上に直接サイディング等の外壁パネルを張り付け施工する工法も行われてきた。また、前記OSB、構造用合板等の構造用面材の上に透湿防水シートを介して構造用パネルとしての性能を有するモルタル下地合板を張り付け、その上からモルタル仕上げを行うことも行われてきた。
また、前記枠組壁の縦枠の室外側の表面上に透湿防水シートを介して構造用パネルとしての性能を有するモルタル下地合板を張り付け、その上からモルタル仕上げを行うことも行われてきた。
しかし、近年、住宅における高気密高断熱化が進む中で、湿気の多い土地に建築された建物では、外壁の壁体内部において、木造軸組工法住宅における柱、間柱等の縦構造材と、横方向の胴差、軒桁、胴縁、土台等の横架材によって、また、枠組壁工法においては、縦枠、上枠、下枠等によって、外部からの空気の流れが阻害され、壁体内部での結露が発生し、このことによって壁体内部で腐朽が生じ、壁体の耐久性能が低下するといった問題点があった。
このため、木造軸組工法又は枠組壁工法における下地板材としての構造用面材又は非構造用面材等の室外側となる表面に、通気用受材としての縦胴縁を設け、縦胴縁の室外側となる表面に透湿防水シートを張り付け、その上にラス網を介してモルタル仕上げを行い、前記下地板材の表面と透湿防水シートとの間に通気層を確保し結露発生を防止するといった通気構法が行われてきた。
また、木造軸組工法又は枠組壁工法における柱、間柱、胴差、軒桁、胴縁、土台等又は縦枠、上枠、下枠等の構造材の上に下地板材としての構造用面材又は非構造用面材を張り付け、その室外側となる表面に透湿防水シートを介して前記通気用受材を設け、その上にモルタル下地合板を張り付け、その上にモルタル仕上げを行って施工し、透湿防水シートとモルタル下地合板との間に通気層を確保し結露発生を防止するといった通気構法も行われてきた。
しかしながら、上記ラス網を用いた通気構法やモルタル下地材を用いた通気構法の場合、下記の問題点があった。すなわち、ラス網工法の場合、モルタル仕上げの際、モルタルを塗布するコテの圧力によって、上記胴縁や通気受材によって形成されている通気のための空間部へモルタルが押され、通気空間が埋まってしまい、せっかくの通気が損なわれる。すなわち、ややもすればモルタルが、せっかく形成されている通気層内にまで流動して入り込み、通気路が潰れてしまうことが多々あった。
また、モルタル下地合板を用いた通気構法の場合は、モルタル下地合板が薄いとモルタル塗布時のコテの圧力でモルタル下地合板が湾曲し、通気層内にまで入り込み、せっかくの通気層を潰してしまうことが多々あった。このことのみならず、モルタル仕上げで表面を平滑に仕上げるためには、通気路部分に入り込んだモルタル分だけ余計に多量のモルタルが必要になり、施工費用がかさむことになった。
そのため、胴縁や通気受材の間隔を狭めて施工する方法も考えられたが、胴縁や通気受材の本数が増え、作業手間の増大と材料費もかさみ、また、下地構造材に釘で固定する必要があるので、施工する職人は大工職に限られるなどコストのかかる方法であった。
また、前記通気受材によって通気層を確保するといった通気構法においては、特にモルタル仕上げによる外壁の場合、前記通気層による空間スペースがモルタル層の下に存在するため、外部からの振動や加力による負荷によってモルタル層にクラックが生じやすくなるといった問題点が生じていた。
また、前記通気受材によって通気層を確保するといった通気構法においては、特にモルタル仕上げによる外壁構造の場合、ラス網の上に塗布されたモルタル層の重量によってラス網が室内側に凹む方向に撓み、このことによって、せっかくの前記通気層による空間スペースが閉塞され、通気性能及び結露防止機能が低下するといった問題点もあった。
上記問題点を解決するべく、前記柱、間柱、胴差、軒桁、胴縁、土台等又は縦枠、上枠、下枠等の構造材の室外側となる表面に下地構造用合板等の構造パネルを張り付け、その上に縦胴縁を設け、該縦胴縁間に山形形状の蛇腹状通気下地材を、縦胴縁表面と山形通気下地材の外側の表面とが面一になるようにして介在させ、該通気下地材の外側の表面に防水紙、ラス網を介してモルタル層を形成し、壁体内に空気の通路を設け、結露の発生を防止しようとした記載がある。(例えば、特許文献1参照)。
ところで、上記、特開平11−324188号公報に記載の従来技術にあっては、結露防止のために、下地構造用合板等の構造パネルの表面に通気受材としての縦胴縁をあらかじめ設けておいて、該縦胴縁間の幅寸法に合わせて蛇腹状の通気材を幅方向に引っ張って両サイドの平坦部を縦胴縁表面に被せタッカー等で固着する必要がり、1軒の住宅において、数多くの通気材を用意し丁寧に縦胴縁間に隙間無く納めていかなければならず、以外と施工手間がかかるものであった。
また、上記したように蛇腹状の通気材を幅方向に引っ張りすぎると、山形の高さ寸法(通気材の厚み寸法に相当)が小さくなり(通気材の厚みが薄くなり)、モルタル層の下部において通気材との間で隙間空間が生じ易くなり、ひどい場合は外部からの負荷に対するモルタル層の耐久性能が低下し、モルタル層にヒビ割れが生じ易くなるといった問題点があった。
また、住宅の外壁構造において、上下方向の高さ寸法は通常の2階建て住宅においても、約6m程度あり、下屋、小庇等が1階と2階の間にある場合においても約3m程度の高さがある。そこで、長さ約3m程度の長尺の通気材を用意するとなると、極めて高価なものとなる。従って、通気材を製造したり倉庫で保管したり施工現場まで搬入したりすることを考慮すると、比較的用意し易い(入手し易い)長さとして、通気材の通気路方向の長さは約1m程度である。この長さ約1m程度の通気材を用いて施工しようとすれば、通気材を上下高さ方向で1〜5箇所程度はジョイントしていかなければならず、断面視山形形状の蛇腹状の通気材をジョイント箇所で重なり合うことがないようにジョイントすることは、現場施工において至難の技であった。通気材のジョイント箇所で互いに重なり合ってしまうと、その箇所で通気路が押し潰され、特に蛇腹のピッチが著しく合わない場合が多いので、通気路が遮断され、結露防止機能が著しく低下する恐れが生じるといった問題点があった。また、通気材の重なり箇所で、通気材に膨れが生じ、それが原因でモルタル層においても膨れが生じ易くなるといった問題点もあった。
また、逆に、前記ジョイント部において、あえて隙間を作っても蛇腹のピッチが不揃いなため、その箇所において、上部の層であるモルタル層下部に必然的に隙間空間が発生し、その箇所でモルタル層の耐久性が低下し、外部から負荷がかかると、モルタル層にクラックが発生し易くなる。また、逆に、前記ジョイント部において通気材が重なってしまうと、山と谷がぶつかって通気路が閉塞したり、また、通気材が金属製や硬質プラスティック製の場合、上記の重ね合わせ箇所で、さらに大きな膨れが発生しモルタル仕上げにも大きな悪影響が出て施工精度的にも劣るといった問題点もあった。
それらを防止するために、前記蛇腹状通気材の山部と山部、それと谷部と谷部を位置ズレしないように、しかも、通気材どうしの間に隙間や重なり部が生じないように、手間と時間を掛けて丁寧に施工する必要があり、このような施工は施工費用の増大を招くのみならず縦胴縁の厚み内に納まるような小さな山形を有する蛇腹状の通気材を精度よく施工することは、不可能に近いことであった。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、施工作業性が高く、外壁表面層のクラックやひび割れ等の耐久性にも優れ、モルタル仕上げ時にモルタルが通気層を潰す恐れもなく、簡単な施工で高い通気性能と結露防止機能を確保できる外壁の通気施工方法を安価に提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の外壁の通気施工方法は、通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する第一工程と、該構造躯体内部に断熱材を設けその上に板材を張り付け下地構造体を形成する第二工程と、該下地構造体の室外側となる表面に通気シートを貼着しその上に防水シートを貼着する第三工程と、該防水シートの上にラス網を設ける第四工程と、該ラス網の上に所定厚みのモルタル層を設ける第五工程とからなり、前記各工程をこの順で施工することを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、木造住宅において、ラス網を用いたモルタル仕上げによる外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体の表面に通気シートを貼着する時、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シートを裁断し縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。ただ、通気シートの重なりが生じないようにだけ注意すればよく、通気シートの貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が向上し施工費用も安価に済む。さらに、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がないので仕上げモルタル層がコテ塗り時のコテの圧力によってラス網とともに撓み、通気路の内部にまで入り込み、せっかくの通気路を潰すという恐れがなく、高い通気性能と結露防止機能を確保することができる。
請求項2記載の発明は、通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する第一工程と、該構造躯体内部に断熱材を設けその上に板材を張り付け下地構造体を形成する第二工程と、該下地構造体の室外側となる表面に、通気シートを貼着しその上に防水シートを貼着するか、又は、防水シートを貼着しその上に通気シートを貼着する第三工程と、該防水シート又は通気シートの上にモルタル下地材を設ける第四工程と、該モルタル下地材の上に所定厚みのモルタル層を設ける第五工程とからなり、前記各工程をこの順で施工することを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、木造住宅において、ラス網を用いず、モルタル下地材を用いたモルタル仕上げによる外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体の表面に通気シートを貼着する時に通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シートを裁断し縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。ただ、通気シートの重なりが生じないようにだけ注意すればよく、通気シートの貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が向上し施工費用も安価に済む。さらに、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がないのでモルタル下地材が薄い場合、仕上げモルタル層の重みとコテ塗り時のコテの圧力によって、モルタル下地材が撓み、通気層が潰されるといった恐れがなく、高い通気性能と結露防止機能を確保することができる。
請求項3に記載の発明は請求項1または請求項2のいずれかに記載の外壁の通気施工方法において、前記通気シートと隣接する通気シートの間に通気シートが重ならないように若干の隙間を設け、前記通気シートの上又は下から前記通気シートの隙間を覆うようにして、前記防水シートを貼着することを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、前記通気シート間に若干の隙間を設けるようにしたので、通気シートを貼着する際、通気シートの重なりにだけ注意して貼着すればよく、通気シート間の隙間は気にかけずに行うことが可能で、施工作業が大変向上する。また、通気シートが重なることによる膨れが原因で仕上げモルタル層に膨れが発生する恐れがなくなる。しかも、前記隙間が若干であるので、仕上げモルタル層の下部における隙間空間が小さくて済む。従って、外部からの負荷によって仕上げモルタル層にクラックやひび割れが発生する恐れがなく、極めて簡単な施工で、表面仕上げモルタル層の耐久性能に優れ、しかも、高い通気性能と結露防止機能を有する通気外壁構造が安価に可能となる。
また、前記隙間が通気層の役目も果たす。この場合、通気シートの縦方向(長さ方向)、及び、横方向(幅方向)にも前記隙間が形成されており、空気が縦方向のみならず横方向にも移動できるので通気性能にとって好適である。
請求項4に記載の発明は請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外壁の通気施工方法において、前記通気シートが、交互に突条部と凹条部が連続して形成され断面視連続凹凸型形状を有する半硬質又は硬質の波型シートからなることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、前記通気シートが半硬質又は硬質の波型シートからなるので、下地構造体と仕上げモルタル層との間にモルタル層の耐久性に支障をきたすような隙間空間がほんど生じることがなく、従って、外部から負荷がかかってもモルタル仕上げ層にクラックやひび割れが発生する恐れがない。すなわち、前記通気シートが交互に突条部と凹条部が連続して形成され断面視連続凹凸型形状を有する半硬質又は硬質の通気シートであるので、ラス網やモルタル下地合板に塗布されたモルタル層が通気層を潰す恐れもない。従って、通気路が確実に確保でき、簡単な施工にもかかわらず、高い通気性能と結露防止機能を確保できる通気外壁構造が安価に可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外壁の通気施工方法において、通気シートの前記波形シートの片面に補強シートが設けられていることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、前記波形通気シートの片面に設けられた補強シートの働きで、上からの負荷が加わっても、波形通気シートが押し潰される恐れがなく、波形形状が維持できる。従って、通気路が確実に確保できる。さらに、波形通気シートが押し潰されることがないので、モルタル層との間に隙間ができるということもなくなり、モルタル層にヒビ割れやクラックが発生するといった問題も減少する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の外壁の通気施工方法において、通気シートの前記波形シートが多層構造であることを特徴としている。
このような構成を有する本発明によれば、波形シートが多層構造であるので通気性能及び波形シートの強度耐久性にとって、よりいっそう好適である。すなわち波形シートが多層構造であるので、層によって波型の方向を変えることができ、トータル的に通気の方向を上下左右いずれの方向も同時に可能にできるとともに、断面形状も堅固になり、変形しにくくなる。
請求項1に記載の発明によれば、木造住宅において、ラス網を用いたモルタル仕上げによる外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体の表面に通気シートを貼着する時、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シートを裁断し縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。ただ、通気シートの重なりが生じないように注意すればよく、通気シートの貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が向上し施工費用も安価に済む。さらに、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がないので仕上げモルタル層がコテ塗り時のコテの圧力によってラス網とともに撓み、通気路の内部にまで入り込み、せっかくの通気路を潰すという恐れがなく、高い通気性能と結露防止機能を確保することができる。
請求項2に記載の発明によれば、木造住宅において、ラス網を用いず、モルタル下地材を用いたモルタル仕上げによる外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体の表面に通気シートを貼着する時に通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シートを裁断し縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。ただ、通気シートの重なりが生じないようにだけ注意すればよく、通気シートの貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が向上し施工費用も安価に済む。さらに、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がないのでモルタル下地材が薄い場合、仕上げモルタル層の重みとコテ塗り時のコテの圧力によって、モルタル下地材が撓み、通気層が潰されるといった恐れがなく、高い通気性能と結露防止機能を確保することができる。
請求項3に記載の発明によれば、前記通気シート間に若干の隙間を設けるようにしたので、通気シートを貼着する際、通気シートの重なりにだけ注意して貼着すればよく、通気シート間の隙間は気にかけずに行うことが可能で、施工作業が大変向上する。また、通気シートが重なることによる膨れが原因で仕上げモルタル層に膨れが発生する恐れがなくなる。しかも、前記隙間が若干であるので、仕上げモルタル層の下部における隙間空間が小さくて済み、しかも、前記隙間が通気層の役目も果たす。従って、外部からの負荷によって仕上げモルタル層にクラックやひび割れが発生する恐れがなく、極めて簡単な施工で、表面仕上げモルタル層の耐久性能に優れ、しかも、高い通気性能と結露防止機能を有する通気外壁構造が安価に可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、前記通気シートが半硬質又は硬質の波型シートからなるので、下地構造体と仕上げモルタル層との間にモルタル層の耐久性に支障をきたすような隙間空間がほんど生じることがなく、従って、外部から負荷がかかってもモルタル仕上げ層にクラックやひび割れが発生する恐れがない。すなわち、前記通気シートが交互に突条部と凹条部が連続して形成され断面視連続凹凸型形状を有する半硬質又は硬質の通気シートであるので、ラス網やモルタル下地合板に塗布されたモルタル層が通気層を潰す恐れがない。従って、通気路が確実に確保でき、簡単な施工にもかかわらず、高い通気性能と結露防止機能を確保できる通気外壁構造が安価に可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、前記波形通気シートの片面に設けられた補強シートの働きで、上からの負荷が加わっても、押し潰される恐れがなく、波形形状が維持できる。従って、通気路が確実に確保でき、モルタル層との間に隙間ができるということもなくなり、モルタル層にヒビ割れやクラックが発生するといった問題も減少する。
請求項6に記載の発明によれば、波形シートが多層構造であるので通気性能及び波形シートの強度耐久性にとって、よりいっそう好適である。すなわち波形シートが多層構造であるので、層によって波型の方向を変えることができ、トータル的に通気の方向を上下左右いずれの方向も同時に可能にできるとともに、断面形状も堅固になり、変形しにくくなる。
本発明の詳細を図面に従って説明する。図1は本発明の外壁の通気施工方法を施した第一実施形態における外壁構造の一部切欠正面図、図2は図1におけるA−A線水平断面図、図3は図1のB−B線垂直断面図である。図4は本発明の外壁の通気施工方法を施した第二実施形態における外壁構造の一部切欠正面図、図5は図4のA−A線水平断面図、図6は図4のB−B線垂直断面図である。図7は本発明の外壁の通気施工方法を施した外壁構造の要部拡大水平断面図である。図8は本発明の通気シートの一例を示す断面図である。(イ)は単層構造の通気シートを示し、(ロ)は多層構造で且つ一層目と二層目が平行している構造を示し、(ハ)は多層構造で且つ一層目と二層目が直交している構造を示している。この図8の(ハ)における断面図は、多層構造の上の層の突条部Tの箇所で切断した場合の断面図である。
図中に示す符号は、1は木質の外壁構造における下地構造体を示す。2は板材、3は通気シート、4は防水シート、5はラス網、6はモルタル下地材、7はモルタル層、8は縦構造材、9は横構造材、10は基礎、11は断熱材、12は内装材を示す。また、Gは外壁材、Tは通気シートの突条部、Uは通気シートの凹条部、Sは通気シート間の隙間、Hは補強シート、Cは波形シートを示す。
図1〜図3において、本発明の第一実施形態を示す。本発明の外壁の通気施工方法の第一実施形態について、木造軸組工法の場合の例で説明する。本発明の第一実施形態における通気施工方法は、第一工程として、縦方向の構造材8として、柱を0.5間(約900mm)の間隔で設け、該柱間の略中央に間柱を設置する。また、横方向の構造材9として、胴差、胴縁、土台等の横架材を設置し、木造の構造躯体を形成する。そして、第二工程として前記構造躯体の内部に断熱材11を設け、その上に板材2を張り付け下地構造体1を形成する。次に第三工程として前記下地構造体1の室外側となる表面に本発明の通気シート3を貼着しその上に防水シート4を貼着する。続いて、第四工程として前記防水シート4の上からラス網5を設ける。次に第五工程として前記ラス網5の上に所定の厚みの仕上げモルタル層7を設ける。本発明の外壁の通気施工方法の第一実施形態は、このように前記第一工程から第五工程までをこの順序で施工する。
本発明の第一実施形態において、上記の施工方法は、木造軸組工法の例で説明したが、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合も基本的に同じである。但し、第一工程において、前記下地構造体1を構成する縦構造材8として、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合は、縦枠(スタッド)の側面どうしを2〜3本合わせ、見付面を太くし、0.5間(約900mm)間隔で設置し、その間に縦枠(スタッド)を設置する。また、横方向の構造材9として、上枠、下枠、端根太、土台等の横架材を設置し木造の構造躯体を形成する。第2工程以下は同様である。前記構造躯体の内部に断熱材11を設け、その上に板材2を張り付け下地構造体1を形成する。
前記第一実施形態において、柱、間柱、胴差、胴縁、土台、縦枠、上下枠、端根太等は木造軸組工法又はツーバイフォー工法で従来から用いられている材料でよい。また、断熱材11、板材2等も従来のものでよく、板材2として、木質の構造用合板、OSBパネル、がよく用いられるが、木質以外の無機材料パネルからなる不燃材や準不燃材等であってもよい。
このように、本発明の第一実施形態における木造住宅において、ラス網5を用いた仕上げモルタル層7による外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体1の表面に通気シート3を貼着するに際して、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シート3を裁断し、縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。
ただ、通気シート3の重なりが生じないように、また、通気シート3間に大きな隙間Sが生じないようにだけ注意すればよく、通気シート3の貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が著しく向上し施工費用も安価に済む。さらに、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がないので仕上げモルタル層7がコテ塗り時のコテの圧力によってラス網5とともに撓み、通気路Pの内部にまで入り込み、せっかくの通気路Pを潰すという恐れがなく、高い通気性能と結露防止機能を確保することができる。
図4〜図6において、本発明の第二実施形態を示す。本発明の外壁の通気施工方法の第二実施形態について、木造軸組工法の場合の例で説明する。本発明の第二実施形態における通気施工方法は、第一工程として、縦方向の構造材8として、柱を0.5間(約900mm)の間隔で設け、該柱間の略中央に間柱を設置する。また、横方向の構造材9として、胴差、胴縁、土台等の横架材を設置し、木造の構造躯体を形成する。そして、第二工程として前記構造躯体の内部に断熱材11を設け、その上に板材2を張り付け下地構造体1を形成する。次に第三工程として前記下地構造体1の室外側となる表面に本発明の通気シート3を貼着しその上に防水シート4を貼着するか、又は、防水シート4を貼着しその上に通気シート3を貼着する。続いて、第四工程として前記防水シート4又は通気シート3の上にモルタル下地材6を設ける。次に第五工程として前記モルタル下地材6の上に所定の厚みの仕上げモルタル層7を設ける。本発明の外壁の通気施工方法の第二実施形態は、このように前記第一工程から第五工程までをこの順序で施工する。
本発明の第二実施形態において、上記の施工方法は、木造軸組工法の例で説明したが、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合も基本的に同じである。但し、第一工程において、前記下地構造体1を構成する縦構造材8として、木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)の場合は、縦枠(スタッド)の側面どうしを2〜3本合わせ、見付面を太くし、0.5間(約900mm)間隔で設置し、その間に縦枠(スタッド)を設置する。また、横方向の構造材9として、上枠、下枠、端根太、土台等の横架材を設置し木造の構造躯体を形成する。第二工程以下は同様である。前記構造躯体の内部に断熱材11を設け、その上に板材2を張り付け下地構造体1を形成する。
前記第二実施形態において、柱、間柱、胴差、胴縁、土台、縦枠、上下枠、端根太等は木造軸組工法又はツーバイフォー工法で従来から用いられている材料でよい。また、断熱材11、板材2等も従来のものでよく、板材2として、木質の構造用合板、OSBパネル、がよく用いられるが、木質以外の無機材料パネルからなる不燃材や準不燃材等であってもよい。
このように、本発明の第二実施形態における木造住宅において、ラス網5を用いず、モルタル下地材6の上に仕上げモルタル層7を塗工して形成された外壁材で、しかも、通気機能及び結露防止機能を有する外壁構造を施工する際、前記下地構造体1の表面に通気シート3を貼着する際、通気受材としての縦胴縁を取り付ける必要がなく、従って、縦胴縁間に幅寸法をぴったりと合わせて通気シート3を裁断し縦胴縁間に隙間なく納める手間も不要である。ただ、通気シート3の重なりが生じないように、また、通気シート3間に大きな隙間が生じないようにだけ注意すればよく、通気シート3の貼着作業に精度を必要としない。従って、施工性が著しく向上し施工費用も安価に済む。
次に図1〜図6において、本発明の通気シート3は隣接する通気シート3間に隙間Sが積極的に設けられている。前記隙間Sは通気シート3の縦方向(長さ方向)と横方向(幅方向)の両方に設けることが好ましい。通気シート3が重ならないようにだけ注意すればよく、従って、施工性が大幅に向上する。
さらに、空気が通気シート3間の縦横の隙間Sを流通するので通気性能と結露防止機能にとって好適である。また、通気シート3間の隙間のうち、少なくとも縦方向には前記隙間Sを設ける(高さ方向の上部位置にある通気シート3と下部位置にある通気シート3の間に設けられた間口方向に形成された隙間Sを設ける)ようにするとよい。そうすることで、施工性向上とともに通気性能の向上にも寄与する。しかし、前記したように縦方向及び横方向の両方に前記隙間Sを設けると通気性能と結露防止機能にとって極めて好適である。
次に図1〜図6に示す本発明の外壁の通気施工方法における第一及び第二実施形態において用いられる通気シート3の施工状態の細部及び通気シート3の詳細を図7及び図8に従って以下に述べる。
図7は本発明の外壁の通気施工方法を施した外壁構造の要部拡大水平断面図を示す。第二実施形態、すなわち、ラス網5を用いずにモルタル下地材6を用いた例で示す。さらに詳しくは本例に示す第二実施形態では、通気シート3の上に防水シート4を張り付けその上にモルタル下地材6を設ける例で示す。防水シート4の上に通気シート3を張り付け、その上にモルタル下地材6を設ける例でも基本は同様である。ラス網5を用いた第一実施形態の例でも基本は同様である。
本発明の通気シート3は交互に突条部Tと凹条部Uとが連続して繰り返して形成され、断面視連続凹凸型形状を有しており、主として波形シートCで構成されている。前記突条部Tと凹条部Uとによって通気路Pが形成されている。通気シート3を下地の板材2表面に貼着したのち前記通気路Pが外気や湿気の通り道となる。さらに、前記通気シート3は半硬質又は硬質の波形シートCである。
また、前記通気シート3は、シートの厚み方向に対して少なくとも透湿性を有している方が好ましい。しかし、前記透湿性がなくても、通気シート3の隙間Sから空気が横方向に移動できるので必ずしも透湿性は必要ないが有った方が通気性能にとって好適である。
また、好適な材質としては、一例として、K5、K6の材質の厚紙を例えばダンボール中芯用にAフルートの形状に波型に加工したものを用意し、これに、透湿性能を確保しつつ耐水性能が向上するように撥水処理等が施されたものを挙げることができる。もちろん防蟻処理や防黴処理、難燃処理がなされる場合もある。いずれにしても既存のダンボールが利用できるので安価に仕上る。
また、前記ダンボール中芯表面に、ポリエチレン樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム、ウレタン樹脂フィルム、等のラミネート加工を施したものを挙げることができる。その際、透湿性を保持できれば好適である。また、前記厚紙などの天然繊維シートの代わりに、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、アクリル樹脂等の合成繊維系不織布や多孔性のプラスティック系、金属系、ガラス系などの無機性シートを用い、前記フルート形状に波型加工を施したものに透湿性能を確保したもの等が好適なものとして例示できる。
本発明の通気シート3が、通気シート3の下部にある板材2と通気シート3の上にある外壁材Gとの間で、外壁材Gを張り付ける際の釘打ち作業による衝撃と負荷を直接受けることになり、圧縮力が加わることになる。このため通気シート3は、所定の形状保持強度が要求される。通常の外壁施工時における釘打ち施工の際の衝撃力や圧力を考慮すると、本発明の通気シート3は硬質材料であることが望ましい。
一方、通気シート3の裏面の板材2が全くの平坦面であるとは限らず、少なからず不陸が生じている。そのため、通気シート3は所定の硬度よりも硬いと施工しづらいばかりでなく、通気シート3を貼着した上から防水シート4を貼着した際、又は、防水シート4を貼着した上から通気シート3を貼着した際、凹凸が生じてしまい、ひいては、仕上げモルタル層7において、モルタル仕上げ表面に膨れが生じる原因となる。このため、本発明の通気シート3は、ある程度の柔軟性も合わせ持つことが望ましい。
そのため、本発明の通気シート3は、半硬質又は硬質の材質であることが好適である。通気シート3の形状保持強度、すなわち、耐圧縮力は0.01〜0.3N/mm2の範囲であることが好適である。
さらに、前記通気シート3が半硬質又は硬質であるので、下地構造体1と仕上げモルタル層7との間にモルタル層の耐久性に支障をきたすような隙間空間がほんど生じることがなく、従って、外部から負荷がかかってもモルタル仕上げ層7にクラックやひび割れが発生する恐れがない。
さらに、前記通気シート3が交互に突条部Tと凹条部Uが連続して形成され断面視連続凹凸型形状を有しており、このような波形シートCで構成されているので、通気路Pが確実に確保でき、簡単な施工にもかかわらず、高い通気性能と結露防止機能を確保できる。
すなわち、前記下地構造体1の板材2の室外側表面に前記通気シート3又は防水シート4を貼着すると、前記したように、通気シート3又は防水シート4の突条部Tと凹条部Uとが連続して繰り返す断面視連続凹凸型形状によって、外壁の下地構造体1の室外側の表面と、外壁材Gの裏面側との間に通気路Pが、下地構造体1の上下方向に沿って形成され、通気路Pが外気や湿気の通り道となる。通気路Pの上下端部は建物外部に向けて開口しており、開口部(図示せず)が形成されている。
室内に充満した湿気は一部内装材12を通過し、さらに板材2を通過し、前記通気路Pを通って、上下端隙間部から建物の外部へ放出される。また、外壁材表面から入った湿気も同様に前記通気路Pの上下方向の空気の流れに沿って上下端の開口部から排出される。このことによって、壁体内部に余分な湿気は滞留せず、その結果、結露が発生するのを有効に防止できる。従って、施工後長期間経っても、壁体内部に湿気が溜まるというようなことがなく、結露しないので、壁体内部が腐朽することもなく長期耐久性に優れた外壁構造が可能となる。
前記通気シート3を板材2の室外側の表面に直接又は防水シートの上から施工する際、前記通気路Pを建物の外壁下地構造体1の上下方向に沿う方向になるように注意して、タッカー等の機械的手段で貼着するとよい。また、通気シート3は所定の幅寸法及び長さ寸法を有する波形シート状の材料であるので、通気シート3と上下方向(建物の高さ方向)及び又は横方向(建物の間口方向)に複数枚の通気シート3を繋ぐようにして貼着することになるが、本発明の通気シート3を用いる場合は、必ずしもぴったりと隙間なく貼着する必要はない。本発明の通気シート3を用いる場合は、通気シート3どうしの重なりがないようにだけ注意して、むしろ、通気シート3の縦横方向において、隙間Sを積極的に開けるようにして貼着する方がよい。この方が貼着する際の手間が簡略化でき施工費用が安価に済む。さらに、隙間Sを設けたほうが通気性能と結露防止機能にとって好適である。
また、通気シート3間に隙間Sが生じていても、通気シート3の上又は下に防水シート4が前記隙間Sを覆うようにして設けられているので、外部からの雨水等が侵入する恐れはない。
すなわち、通気シート3間に若干の隙間Sを設けるようにしたので、通気シート3が重なることによる膨れが原因で、仕上げモルタル層7に膨れが発生するといった恐れがない。しかも、前記隙間Sが若干であるので仕上げモルタル層7の下部における隙間空間が小さくて済み、従って、外部からの負荷によって仕上げモルタル層7にクラックやひび割れが発生する恐れがなく、極めて簡単な施工で、表面仕上げモルタル層7の耐久性能に優れ、しかも、高い通気性能と結露防止機能を有する通気外壁構造が安価に可能となる。しかも、通気シート3の貼着時の通気シート3間の隙間Sの発生を気にせず施工できるので施工作業性が格段に向上する。
また隙間Sはその上に貼る外壁が堅固に固定される限りいくら離しても良いが、通常は0.5mm〜30mm程度が好ましい。
前記防水シート4としては、透湿性能と防水性能を有する、いわゆる透湿防水シートが好適である。ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、天然ゴム、合成ゴム、ウレタン樹脂等からなる透湿防水性能を有する単層又は複合シートで透湿抵抗が0.01〜10m2・h・mmHg/g程度のものが好適なものとして例示できる。
本発明の第二実施形態は、前記通気シート3又は防水シート4の上に、モルタル下地材6を張り付け、その上に仕上げモルタル層7を設けて外壁材Gを構成し、仕上げする施工方法である。また、図7では図示しないが、本発明の第一実施形態は、前記防水シート4の上から、ラス網5を介して仕上げモルタル層7を設け、外壁材Gを構成し、仕上げする施工方法である。このラス網5は従来から用いられているものでよくメタルラス、リブラス、ワイヤラスなどが揚げられる。また、その上に仕上げ塗りされるモルタル層7も従来からあるものでよく、ポルトランドセメント1に対し砂3の、いわゆる、1:3モルタルや、プラスティック系の発泡体の粒状物やパーライト等の鉱物系発泡体を骨材とした軽量モルタルなどがある。
図8は本発明の通気シート3の一例を示す断面図で、(イ)は単層構造、(ロ)は多層構造で且つ一層目と二層目が平行している構造、(ハ)は多層構造で且つ一層目と二層目が直交している構造を示している。本発明の通気シート3は、外壁材Gによって上から負荷を受けることが多い。従って、波形シートCの凹条部U、突条部Tが潰れる恐れもあり、これを防止し波形形状を維持するために補強シートHが前記波形シートCの片面に設けられている。この補強シートHの材質は波型シートCと同質材以外に、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂等のフィルムが強度、コスト等を考慮して好適である。上記単層構造の通気シートCに比べて多層構造のものの方が、通気性能にとって、よりいっそう好適である。また、多層構造で且つ一層目と二層目が直交している構造のものであると、通気路Pが縦横両方向に同時に設けることができるので、通気性能にとって、よりいっそう好適である。また、断面形状も堅固になり、変形しにくくなる。
1 下地構造体
2 板材
3 通気シート
T 突条部
U 凹条部
P 通気路
4 防水シート
5 ラス網
6 モルタル下地材
7 仕上げモルタル層
8 縦構造材
9 横構造材
10 基礎
11 断熱材
12 内装材
G 外壁材
S 隙間
H 補強シート
C 波形シート
2 板材
3 通気シート
T 突条部
U 凹条部
P 通気路
4 防水シート
5 ラス網
6 モルタル下地材
7 仕上げモルタル層
8 縦構造材
9 横構造材
10 基礎
11 断熱材
12 内装材
G 外壁材
S 隙間
H 補強シート
C 波形シート
Claims (6)
- 通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する第一工程と、該構造躯体内部に断熱材を設け、その上に板材を張り付け下地構造体を形成する第二工程と、該下地構造体の室外側となる表面に通気シートを貼着しその上に防水シートを貼着する第三工程と、該防水シートの上にラス網を設ける第四工程と、該ラス網の上に所定厚みのモルタル層を設ける第五工程とからなり、前記各工程をこの順で施工することを特徴とする外壁の通気施工方法。
- 通気構法を施した外壁を施工する方法であって、縦方向及び横方向の構造材によって木造の構造躯体を形成する第一工程と、該構造躯体内部に断熱材を設け、その上に板材を張り付け下地構造体を形成する第二工程と、該下地構造体の室外側となる表面に、通気シートを貼着しその上に防水シートを貼着するか、又は、防水シートを貼着しその上に通気シートを貼着する第三工程と、該防水シート又は通気シートの上にモルタル下地材を設ける第四工程と、該モルタル下地材の上に所定厚みのモルタル層を設ける第五工程とからなり、前記各工程をこの順で施工することを特徴とする外壁の通気施工方法。
- 前記通気シートと隣接する通気シートの間に通気シートが重ならないように若干の隙間を設け、前記通気シートの上又は下から前記通気シートの隙間を覆うようにして、前記防水シートを貼着することを特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の外壁の通気施工方法。
- 前記通気シートが、交互に突条部と凹条部が連続して形成され断面視連続凹凸型形状を有する半硬質又は硬質の波型シートからなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の外壁の通気施工方法。
- 通気シートの前記波形シートの片面に補強シートが設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の外壁の通気施工方法。
- 通気シートの前記波形シートが、多層構造であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の外壁の通気施工方法。
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JP2012058346A (ja) * | 2010-09-06 | 2012-03-22 | Brother Ind Ltd | 現像装置 |
JP2020059971A (ja) * | 2018-10-05 | 2020-04-16 | 株式会社Bio craft | モルタル壁体施工用複合体、それを用いたモルタル壁体、及びその施工法 |
JP2021017753A (ja) * | 2019-07-22 | 2021-02-15 | 株式会社Bio craft | 通気壁用水切りを用いた通気壁構造、及びその施工法 |
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2007
- 2007-07-24 JP JP2007191916A patent/JP2009030226A/ja active Pending
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