JP2006112049A - 型枠を兼ねた外断熱壁材と、型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 文献で内外壁の打込み型枠を発泡ポリスチレン板で構成する発明がある。強度性において問題が考えられること、またこの構成は胴縁を備えないので、釘等の緊締具の固定が困難視される。さらに外壁は押出しセメント成形であり、外断熱構築物の考え方とは異なり、外気の遮断と、その騒音防止効果が十分とは考えられない。
【手段】 本発明は、胴縁を配備した断熱ボードと、下地モルタルと、メッシュ及び表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた表面を下地材とする外断熱壁材で、この胴縁には、表面モルタルより打込み等によって挿入した釘等の緊締具を固定可能とした構成の型枠を兼ねた外断熱壁材である。従って、型枠の代替品としての有益性がある。
【選択図】 図1
【手段】 本発明は、胴縁を配備した断熱ボードと、下地モルタルと、メッシュ及び表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた表面を下地材とする外断熱壁材で、この胴縁には、表面モルタルより打込み等によって挿入した釘等の緊締具を固定可能とした構成の型枠を兼ねた外断熱壁材である。従って、型枠の代替品としての有益性がある。
【選択図】 図1
Description
本発明は、外断熱壁材を型枠として有効利用し、しかも外断熱壁材としての役割を担うことができる型枠を兼ねた外断熱壁材と、この型枠が躯体の外断熱壁となり得る型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法に関する。
従来の断熱外壁工法は、型枠と、この型枠を支持固定する各種の機材等を使用し、型枠間又は内壁との間にコンクリートを打設し、躯体を構築する方法である。従って、次のような問題点が考えられるので、その一例を説明すると、先ず、打設完成後に、その建築物(RC造)の仕上げ完成のための下地を作らなければならないので、手間と工期及び/又は養生期間等を要する。また通常型枠(従来の木製)による施工の場合は、打設乾燥後に、この型枠を解体し、この解体した廃材を、産廃処理せねばならず、手間及び/又は経費を要すること、又は環境にも少なからず悪影響を及ぼしていること等が考えられる。この問題点が市場性の拡充に障害となっていることが判明した。
上記の問題点の解決の一環と考えられる先行文献を挙げると、次のような提案(出願)乃至発明がある。この提案乃至発明を、文献(1)〜文献(3)として取上げ、その概要を以下に説明する。
文献(1)は、本出願人が提案する特願2003−30893の「外断熱壁材、又は床材等の建築下地材の製造方法と、この方法で製造される外断熱壁材、又は床材等の建築下地材、並びに外壁の構築工法、又は屋外床面の構築工法」がある。この発明は、従来の外断熱壁材、又は床材等の建築下地材の代替品として利用できる発泡プラスチック、ラス及びモルタルとで構成した外断熱壁材、又は床材等の建築下地材の製造方法である。この発明の概要は、発泡プラスチック、軽量ボード等の断熱ボードの上に下地モルタルを添加し、断熱ボードの周辺部より内側に位置したグラスファイバー繊維、合成樹脂、金網等で構成するメッシュを添着した後に、表面モルタルを添加した構成であって、断熱ボード、下地モルタル、及びメッシュ、表面モルタルでなる四層構造の建築下地素材を、圧延ロールで圧縮して四層構造の建築下地素材を、所定の厚みに圧縮して成形する構成であり、その特徴は、左官職人による施工を要さず、素人でも施工できる建築下地材の製造方法の提供と、また目地部の施工が簡便で、手間、熟練と時間を要せず行える建築下地材の製造方法の提供とにある。
また文献(2)は、特開平7−331761号の「断熱成形板及びその施工法」である。この発明の内容は、断熱材と粗布と表面材とを積層一体化した板状成形物で、断熱材の側端面より粗布がはみ出している断熱成形板と、この断熱成形板を施工する際に、板状成形物を、下地面に接着剤により貼付けるとともに、その目地部に、はみ出し粗布部分を配置して接着剤により貼付け、このはみ出し粗布部分に、必要に応じて化粧仕上材を塗布する施工法であり、その特徴は、施工の容易化と、施工後の接合目地部の強度の強化とにある。
さらに文献(3)は、特開2001−200606の「型枠および型枠工法」である。この発明の内容は、躯体内外側の型枠を打込み型枠とし、この躯体外部側は外壁であって、この外壁の打込み型枠を不燃材で構成し、躯体内部側は内壁であって、この内壁の打込み型枠を断熱材で構成し、この内外壁の打込み型枠を引きセパレータで緊結し、この両打込み型枠間にコンクリートを打設する工法である。その特徴は、型枠の解体作業が不要となり作業性が向上し、また端太材等の支保工用の仮設資材も不要となって資材節減を図れることである。
前記文献(1)の基本は、四層構造の構成した外断熱壁材、又は床材等の建築下地材であり、型枠を兼ねた外断熱壁材として利用するには、強度性に問題を残す。この問題とは、発泡プラスチックの発泡倍率がその一例であり、例えば、その倍率を略1/2程度にする必要がある。従って、この四層構造の構成した外断熱壁材、又は床材等の建築下地材を、仮に型枠を兼ねた外断熱壁材への転用を考慮した場合には、この点が改良の余地と考えられる。さらにこの四層構造の構成した外断熱壁材、又は床材等の建築下地材の活用を考慮した場合は、表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構造とすることが望まれる。このような状況に鑑み、本発明は、表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な胴縁を備えた型枠を兼ねた外断熱壁材を提供することを意図する。
また文献(2)は、断熱材と粗布と表面材とを積層一体化した板状成形物で、断熱材の側端面より粗布がはみ出している構成である。しかし、このはみ出している粗布は、板状成形物を製造する際に邪魔であり成形に難渋すること、また施工に際しては、板状成形物からの粗布の剥離する作業に技術及び/又は手間を要すること、等の課題が考えられる。そして、このはみ出し粗布が周辺方向では、前述の課題はことのほか大変である。またこの発明は、断熱材及び/又はその表面を下地材(例えば、モルタル)とする構造ではないので、本発明が意図する構造、例えば、外断熱型枠として型枠の省略化を図る構造、またその表面を下地材とする構造とは趣旨が異なる。
さらに文献(3)は、内外壁の打込み型枠を発泡ポリスチレン板で構成する。従って、強度性において問題が考えられること、またこの発泡ポリスチレン板は胴縁を備えないので、釘、ビス釘等の緊締具の固定が困難視される。さらに外壁は、押出しセメント成形板であり、外断熱構築物の考え方とは異なり、例えば、外気の遮断と、その騒音防止等に対しての効果が十分とは考えられない。またこの発明は、外断熱型枠ではあるが、その表面を下地材とする構造ではないので、本発明が意図する構造、例えば、簡便性・汎用性を備えた外断熱型枠の構造又は表面を下地材とする構造とは趣旨が異なる。さらにこの発明は、胴縁に関する開示がなく、釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材ではない。
請求項1の発明は、表面を下地材とする外断熱壁材を型枠として利用し、型枠の組付け、解体又は他の煩雑な作業、或は基材の搬入等に要する手間をなくし、また保管等に要するスペース等を解消し(従来の型枠を利用して施工する不具合)、この外断熱壁(建物の躯体)を、防火に役立てること、また簡易な作業及び/又は工事で構築するに最適な型枠を兼ねた外断熱壁材を提供すること等を意図する。
また請求項1は、表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材に、胴縁を設けた構成を採用することで、躯体の表面仕上げ材として使用可能な材料を拡充しつつ、その汎用性の向上を図ることを意図する。
請求項1の発明は、胴縁を配備した発泡プラスチック、軽量ボード等の断熱ボードと、この断熱ボードの上に下地モルタルを添加した後、この下地モルタルの上方にグラスファイバー繊維、合成樹脂等で構成するメッシュを添着し、このメッシュの上に表面モルタルを添加し、この断熱ボード、下地モルタル及びメッシュ並びに表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材であって、
前記胴縁は、前記表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
前記胴縁は、前記表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成し、また胴縁を設ける箇所及び/又は状態を確定し、この胴縁の特徴を発揮できる型枠を兼ねた外断熱壁材の提供を意図する。
請求項2は、請求項1に記載の胴縁を断熱ボードに配備するに際し、外側をこの断熱ボードと少なくとも面一に形成し、この胴縁の上にメッシュ並びに表面モルタルを設け、また当該胴縁の内側を当該断熱ボード内に埋設する構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成し、また躯体コンクリートへの馴染みをよくし、強度の向上と、気体、流体用の流路とし利用可能とすること等を意図する。
請求項3は、請求項1に記載の断熱ボード内面に凹凸を形成し、空気、水等の気体、流体用の流路として利用可能とし、合板の腐食を防止する効果を有する木造建築物に適応できる構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
請求項4の発明は、表面を下地材とする外断熱壁材を型枠として利用するとともに、補強と枠組み構成に縦横ばたを利用し、型枠の組付け、解体又は他の煩雑な作業、或は基材の搬入等に要する手間をなくして外断熱壁を構築すること、又は保管等に要するスペース等を解消し、この外断熱壁(建物の躯体)を、防火に役立てること、また簡易な作業及び/又は工事で構築するに最適な型枠を兼ねた外断熱壁材を提供すること等を意図する。
また請求項4の発明は、表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材に、胴縁を設けた構成を採用することで、躯体の表面仕上げ材として使用可能な材料を拡充しつつ、その汎用性の向上を図ることを意図する。
請求項4は、請求項1に記載の型枠を兼ねた外断熱壁材を採用した外壁の構築方法であって、
この型枠を兼ねた外断熱壁材を、建屋の内壁材との間に躯体構築用の空間を設けて並設し、この型枠を兼ねた外断熱壁材と前記内壁材との間にセパレータを配備し、当該型枠を兼ねた外断熱壁材と当該内壁材との間隔を保持し、またこの型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材を補強する縦横ばたを前記セパレータを介して当該型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材に添接し、前記間隔にコンクリートを打設し、前記建屋の躯体を構築した後、前記セパレータの止め具及び/又は縦横ばたを取外し、その後、少なくとも前記型枠を兼ねた外断熱壁材の表面モルタルに外壁表面処理(外壁表面処理手段)を施す構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法である。
この型枠を兼ねた外断熱壁材を、建屋の内壁材との間に躯体構築用の空間を設けて並設し、この型枠を兼ねた外断熱壁材と前記内壁材との間にセパレータを配備し、当該型枠を兼ねた外断熱壁材と当該内壁材との間隔を保持し、またこの型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材を補強する縦横ばたを前記セパレータを介して当該型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材に添接し、前記間隔にコンクリートを打設し、前記建屋の躯体を構築した後、前記セパレータの止め具及び/又は縦横ばたを取外し、その後、少なくとも前記型枠を兼ねた外断熱壁材の表面モルタルに外壁表面処理(外壁表面処理手段)を施す構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法である。
請求項1の発明は、胴縁を配備した発泡プラスチック、軽量ボード等の断熱ボードと、断熱ボードの上に下地モルタルを添加した後、下地モルタルの上方にグラスファイバー繊維、合成樹脂等で構成するメッシュを添着し、メッシュの上に表面モルタルを添加し、断熱ボード、下地モルタル及びメッシュ並びに表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材であって、
胴縁は、表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
胴縁は、表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材である。
従って、請求項1は、表面を下地材とする外断熱壁材を型枠として利用し、型枠の組付け、解体又は他の煩雑な作業、或は基材の搬入等に要する手間をなくし、また保管等に要するスペース等を解消し、この外断熱壁(建物の躯体)を防火に役立て得ること、また簡易な作業及び/又は工事で構築するに最適な型枠を兼ねた外断熱壁材を提供できる特徴がある。
また請求項1は、表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材に、胴縁を設けた構成を採用することで、躯体の表面仕上げ材として使用可能な材料を拡充しつつ、その汎用性の向上が図れる実益がある。
請求項2の発明は、請求項1に記載の胴縁を断熱ボードに配備するに際し、外側を断熱ボードと少なくとも面一に形成し、胴縁の上にメッシュ並びに表面モルタルを設け、また胴縁の内側を断熱ボード内に埋設する型枠を兼ねた外断熱壁材である。
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できること、また胴縁を設ける箇所及び/又は状態を確定し、この胴縁の特徴を発揮できる型枠を兼ねた外断熱壁材を提供できること等の特徴がある。
請求項3の発明は、請求項1に記載の断熱ボード内面に凹凸を形成し、空気、水等の気体、流体用の流路として利用可能とし、合板の腐食を防止する効果を有する木造建築物に適応できる型枠を兼ねた外断熱壁材である。
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成できること、また躯体コンクリートへの馴染みをよくし、強度の向上と、気体、流体用の流路としての利用を可能とする型枠を兼ねた外断熱壁材を提供できること等の特徴がある。
請求項4の発明は、請求項1に記載の型枠を兼ねた外断熱壁材を採用した外壁の構築方法であって、
この型枠を兼ねた外断熱壁材を、建屋の内壁材との間に躯体構築用の空間を設けて並設し、この型枠を兼ねた外断熱壁材と前記内壁材との間にセパレータを配備し、当該型枠を兼ねた外断熱壁材と当該内壁材との間隔を保持し、またこの型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材を補強する縦横ばたを前記セパレータを介して当該型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材に添接し、前記間隔にコンクリートを打設し、前記建屋の躯体を構築した後、前記セパレータの止め具及び/又は縦横ばたを取外し、その後、少なくとも前記型枠を兼ねた外断熱壁材の表面モルタルに外壁表面処理を施す構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法である。
この型枠を兼ねた外断熱壁材を、建屋の内壁材との間に躯体構築用の空間を設けて並設し、この型枠を兼ねた外断熱壁材と前記内壁材との間にセパレータを配備し、当該型枠を兼ねた外断熱壁材と当該内壁材との間隔を保持し、またこの型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材を補強する縦横ばたを前記セパレータを介して当該型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材に添接し、前記間隔にコンクリートを打設し、前記建屋の躯体を構築した後、前記セパレータの止め具及び/又は縦横ばたを取外し、その後、少なくとも前記型枠を兼ねた外断熱壁材の表面モルタルに外壁表面処理を施す構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法である。
従って、請求項4は、表面を下地材とする外断熱壁材を型枠として利用するとともに、補強と枠組み構成に縦横ばたを利用し、型枠の組付け、解体又は他の煩雑な作業、或は基材の搬入等に要する手間をなくして外断熱壁を構築できること、又は保管等に要するスペース等を解消し、この外断熱壁(建物の躯体)を防火に役立て得ること、また簡易な作業及び/又は工事で構築するに最適な型枠を兼ねた外断熱壁材を提供できる特徴がある。
また請求項4は、表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材に、胴縁を設けた構成を採用することで、躯体の表面仕上げ材として使用可能な材料を拡充しつつ、その汎用性の向上が図れる実益がある。
以下、本発明の実施例を説明する。
図1は胴縁を設けた型枠を兼ねた外断熱壁材の一例を示した正面図、図2は図1の要部の拡大断面図、図3は胴縁を設けた型枠を兼ねた外断熱壁材の他の一例を示した正面図、図4は型枠を兼ねた外断熱壁材を利用し、建造物の躯体を構築する一例を示した模式図、図5は図4の要部の拡大模式図、図6は他の型枠を兼ねた外断熱壁材を利用し、建造物の躯体を構築する一例を示した模式図、図7は図6の要部の拡大模式図、図8はさらに他の型枠を兼ねた外断熱壁材を利用し、建造物の躯体を構築する一例を示した模式図、図9は図8の平面図、図10は図8の要部の拡大模式図、図11は本発明の構築方法と、従来の構築方法とを対比した図である。
である。
である。
本発明の型枠を兼ねた外断熱壁材Aは、凹凸100を形成した発泡プラスチック(発泡倍率25%〜35%程度とし、軽量化、強度性、肉厚等と、使用用途等を考慮して、決定する。例えば、湿度を通す性質「透湿性」、熱伝導率、曲げ強さ、難燃性等に優れたボードであってビーズ法ポリエチレンフォーム4号とする)、軽量ボード等の断熱ボード1と、この断熱ボード1の適宜間隔及び/又は方向に多数本設けた釘、ビス釘等の緊締具(図示せず)を固定できる胴縁2、2、2・・・・・(2とする)と、この断熱ボード1の胴縁2の上面に設けた樹脂モルタル材料、接着性モルタル材料等の薄地の下地モルタル3と、この薄地の下地モルタル3(層)に添着するように設けたグラスファイバーメッシュ4と、このメッシュ4の上面に設けた薄地の表面モルタル5(層)との四層構造とする。
そして、望ましくは、断熱ボード1内に設けた胴縁2の上に下地モルタル3、メッシュ4と表面モルタル5とを設けた構造の型枠を兼ねた外断熱壁材Aとし、この断熱ボード1内に胴縁2を内蔵することで、緊締具の打込みとその固止を可能とし、建材としての機能が確保できること、又は建材としての体裁の確保と、工事・取扱いの簡便化、又は両面の平坦性を確保する。また胴縁2の長手方向と凹凸100を設けた方向とを同じとして、この胴縁2の長手方向の確認と、工事・取扱いの簡便化、又は緊締具の打込みの容易化等を確保する。尚、前記胴縁2の長手方向と凹凸100との方向性は一例であり、対峙方向又は異方向等もあり得る。
尚、前記薄地の下地モルタル3を設ける。これにより、この下地モルタル3と、メッシュ4及び露出薄地の表面モルタル5により、当該型枠を兼ねた外断熱壁材Aの表面が形成されている。
また前記メッシュ4の周辺部を、この断熱ボード1及び/又は下地モルタル3の周辺部より内側に位置し、この両周辺部間に下地モルタル3を露出して表面モルタル5を設けてなる四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材Aの強度の向上と、この型枠を兼ねた外断熱壁材Aの接合時における連繋の強化等が図れる構造とする。
この型枠を兼ねた外断熱壁材Aを採用して躯体の外壁を構築する一例を、図4〜図10に基いて説明すると、型枠10を建込み、合板11及び/又は通気層を備えた(透水性を備えた)防水シート(図示せず)を設ける。この合板11に適宜間隔Hをおいて断熱ボード1と、下地モルタル3、メッシュ4及び表面モルタル5とでなる型枠を兼ねた外断熱壁材Aを取付ける。この際に、型枠を兼ねた外断熱壁材Aの表面(表面モルタル5)を下地材とする構成であり、後述する外壁仕上げ処理の施工ができる利点があり、またRC造(躯体)を確実・容易・簡易に構築できる。さらに施工期間の短縮化、簡便化、資材の有効利用が図れること等の特徴がある。
この型枠10と型枠を兼ねた外断熱壁材Aは、この両者間に差渡したセパレータ12と、このセパレータ12に支持され、かつ前記両者の内外両面に添接した縦横ばた13、14と、このセパレータ12に緊締される各種の緊締具15及び/又はフォームタイ16(登録商標)等を利用して立設支持する。従って、本発明では、従来の如く、少なくとも断熱材・吸着材・置去り式の外壁の型枠の建込み作業がなく、作業・基材の管理等の簡略化、スピードの向上(工期の短縮化)、又は資材の回収・修理等の軽減化と、廃棄等の発生回避等が図れて有益である。
以上で説明した一連の作業と手順で建込まれた型枠10及び/又は合板11と型枠を兼ねた外断熱壁材Aの間隔Hには、コンクリートが打設される。そして、この打設時に、凹凸100は気体、流体の放出空間として利用でき、コンクリート内への気体、流体の侵入回避が図れ、強度の向上、亀裂防止等に役立つものと考えられる。またこの凹凸100はコンクリートの馴染みがよく、前述の同じ効果が期待できる。そして、養生後に型枠10と、縦横ばた13、14と、このセパレータ12の一部及び/又は緊締具15、フォームタイ16、棧木17、ポール18が取外される。従って、本発明では、従来の如く、少なくとも置去り式の外壁の型枠、残材片の片付け等の作業がなく、作業・基材の管理等の簡略化、スピードの向上(工期の短縮化)、又は資材の回収・修理等の軽減化と、廃棄等の発生回避(廃材の発生率の低下)等が図れて有益である。
以上で説明した一連の作業と手順で構築された型枠を兼ねた外断熱壁材Aの外壁仕上げ処理を行うので、その一例を説明すると、この型枠を兼ねた外断熱壁材Aの表面モルタル5の目地に目地用メッシュ(図示せず)を設けた後、コーキング材、又はモルタル等の充填材でカバーする。そして、表面モルタル5及び/又は仕上げた表面モルタルを下地材とし、この下地材に接着剤を直接塗布した後(他の各例も同じ)、モルタル系、樹脂系の塗料(上塗り材)を塗着する。この際に、メッシュ4と目地用メッシュが連繋されることから、当該上塗り材が確実に塗着され、かつこの塗着が剥離することがなく有益である。また衝撃による剥離防止等に役立つ利点がある。そして、この上塗り材は、接着性、弾性に優れたポリマーベースの塗料であれば限定されないので、従来のように特殊な塗料を必要とせず有益であること、またホルムアルデヒトの発生率も少なく健康に悪影響を与えないこと、ガン発生率も少ないこと等の特徴を備えた塗料を採用でき有益である。尚、外壁表面処理は、ボード等の木質製・類似品、レンガ、タイル等の焼き物、天然石材、金属等の例もあり、各人の嗜好、経済性、又は気候条件等を考慮して適宜選択可能である。さらにこの型枠を兼ねた外断熱壁材Aは、曲面形状、凹凸形状等の外壁、内壁等の構築物(構造物)においても態様できるので重宝すること、又は変化に富んだ構築物の提供ができること等の特徴がある。
尚、図示しないが、この型枠を兼ねた外断熱壁材Aは、ベランダ等の床材としての利用も可能であり、ベランダの床構成面に型枠を兼ねた外断熱壁材Aを順次施工し、図示しないが、目地にコーキング材を充填するか又は目地用メッシュを施工し、必要によりモルタル等の充填材でカバーする。そして、この型枠を兼ねた外断熱壁材Aの上にFRP、各種のモルタル等の表面部材(図示せず)を順次施工し、衝撃、防水機能を備えたベランダを構築する。
また図示しないが室内の床材、壁、間仕切り等として、この型枠を兼ねた外断熱壁材Aを施工し、その上に畳、床構成材、カーペット等の床構成材、又は壁材等を施工する。この例では、断熱効果、衝撃・音等の吸収機能と、転倒による怪我、損傷等の回避等に役立つこと、又は物の損傷等の回避が図れること等の実益がある。尚、本発明は、型枠を兼ねた外断熱壁材Aを採用することから、図11で示した在来工法の「2 断熱・吸音材等の建込み」を要せず、作業の簡略化、スピード化、廃材の発生率の低下、工期の短縮化等(他の構造でも同じ)に寄与できる。
また図6、図7の例は、型枠を兼ねた外断熱壁材Aを内壁として利用した一例であり、この例では、当該型枠を兼ねた外断熱壁材Aの表面にボード、内壁塗料等を施工する。その他は前述の例に準ずる。さらに図8〜図10は、型枠を兼ねた外断熱壁材Aを外壁として利用した一例であり、前述の図4、図5の例に準ずる。
図中19は梁、20はスラブ、21はルーフをそれぞれ示す。
1 断熱ボード
100 凹凸
2 胴縁
3 下地モルタル
4 メッシュ
5 表面モルタル
10 型枠
11 合板
12 セパレータ
13 縦ばた
14 横ばた
15 緊締具
16 フォームタイ
17 棧木
18 ポール
19 梁
20 スラブ
21 ルーフ
A 型枠を兼ねた外断熱壁材
H 間隔
100 凹凸
2 胴縁
3 下地モルタル
4 メッシュ
5 表面モルタル
10 型枠
11 合板
12 セパレータ
13 縦ばた
14 横ばた
15 緊締具
16 フォームタイ
17 棧木
18 ポール
19 梁
20 スラブ
21 ルーフ
A 型枠を兼ねた外断熱壁材
H 間隔
Claims (4)
- 胴縁を配備した発泡プラスチック、軽量ボード等の断熱ボードと、この断熱ボードの上に下地モルタルを添加した後、この下地モルタルの上方にグラスファイバー繊維、合成樹脂等で構成するメッシュを添着し、このメッシュの上に表面モルタルを添加し、この断熱ボード、下地モルタル及びメッシュ並びに表面モルタルで構成した四層構造の型枠を兼ねた外断熱壁材であって、
前記胴縁は、前記表面モルタルより打込み、螺入等によって挿入した釘、ビス釘等の緊締具を固定可能な構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材。 - 請求項1に記載の胴縁を断熱ボードに配備するに際し、外側をこの断熱ボードと少なくとも面一に形成し、この胴縁の上にメッシュ並びに表面モルタルを設け、また当該胴縁の内側を当該断熱ボード内に埋設する構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材。
- 請求項1に記載の断熱ボード内面に凹凸を形成し、空気、水等の気体、流体用の流路として利用可能とし、合板の腐食を防止する効果を有する木造建築物に適応できる構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材。
- 請求項1に記載の型枠を兼ねた外断熱壁材を採用した外壁の構築方法であって、
この型枠を兼ねた外断熱壁材を、建屋の内壁材との間に躯体構築用の空間を設けて並設し、この型枠を兼ねた外断熱壁材と前記内壁材との間にセパレータを配備し、当該型枠を兼ねた外断熱壁材と当該内壁材との間隔を保持し、またこの型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材を補強する縦横ばたを前記セパレータを介して当該型枠を兼ねた外断熱壁材及び/又はこの内壁材に添接し、前記間隔にコンクリートを打設し、前記建屋の躯体を構築した後、前記セパレータの止め具及び/又は縦横ばたを取外し、その後、少なくとも前記型枠を兼ねた外断熱壁材の表面モルタルに外壁表面処理を施す構成とした型枠を兼ねた外断熱壁材を利用した外断熱壁の構築方法。
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JP2009263423A (ja) * | 2008-04-22 | 2009-11-12 | Aica Kogyo Co Ltd | 打ち継ぎ用接着剤組成物及びコンクリート改修方法 |
CN105625592A (zh) * | 2016-01-25 | 2016-06-01 | 王勇 | 一种金属折网加强筋外墙保温板及其施工方法 |
CN108149818A (zh) * | 2018-02-11 | 2018-06-12 | 三筑工科技有限公司 | 一种装配式复合墙板及其制备方法 |
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2004
- 2004-10-12 JP JP2004297700A patent/JP2006112049A/ja active Pending
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