JP2004019179A - けい酸カルシウム板を用いた外断熱工法 - Google Patents

けい酸カルシウム板を用いた外断熱工法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な耐火性、不燃性、断熱性及び耐久性を有する外断熱構造を容易に施工できる外断熱工法を提供する。
【解決手段】かさ比重0.05〜1であり且つ厚さ5〜300mmであるけい酸カルシウム板3を、鉄骨鉄筋コンクリート造又は組積造からなる建物躯体1の室外側壁面に空気層を介して又は介さずにモルタル系接着材2を介して設けることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、けい酸カルシウム板を断熱材として用いた外断熱工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、建築工法の一つとして、建物躯体の室外側壁面に断熱材を設ける外断熱工法がある。外断熱工法により得られる外断熱構造は、建物躯体の室外側壁面に断熱材を設けるため、建物躯体の蓄熱性に優れ且つ年間を通じて室内の温度変動が小さいという特徴がある。
【0003】
即ち、外断熱構造は、内断熱構造で問題点となっている内部結露の発生を防止し、カビの発生を抑制し、冷暖房効率が高いという効果がある。また、建物躯体が直接外気の温度変動の影響を受けないため、熱や凍害による建物躯体への影響がなく、建物躯体の寿命を大幅に伸ばせる構造でもある。
【0004】
外断熱工法では、建物躯体の室外側壁面に設けられる断熱材としては、硬質ウレタンフォーム、発泡ポリスチレン、フェノールフォーム等の有機系断熱材、或いはロックウール、グラスウール等の繊維状断熱材等が一般に用いられる。
【0005】
しかしながら、有機系断熱材は変質により断熱性能の経年劣化を生じ易く、しかも耐火性が無く、火災時には有毒ガスを発生し易いという問題がある。また、繊維状断熱材は、自重により徐々に圧縮されるために断熱隙間が生じ易く、しかも結露及び水に弱いため断熱性能が経年劣化するという問題がある。
【0006】
従って、良好な断熱性能を長期間維持でき、耐火性に優れた外断熱構造の開発が望まれている。併せて、このような外断熱構造を容易に施工できる外断熱工法の開発も望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、良好な耐火性、不燃性、断熱性及び耐久性を有する外断熱構造を容易に施工できる外断熱工法を提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、外断熱構造及びその工法について鋭意研究を重ねた結果、特定の材料を用いた特定の外断熱工法が上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、下記の外断熱工法に係るものである。
【0010】
1.けい酸カルシウム板を、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は組積造からなる建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けることを特徴とする外断熱工法。
【0011】
2.けい酸カルシウム板が、かさ比重0.05〜1であり且つ厚さ5〜300mmである上記項1に記載の外断熱工法。
【0012】
3.(湿式工法▲1▼)
上記項1又は2に記載の外断熱工法であって、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板の室外側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、次いで網状物の上からモルタル下地層を形成した後、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
【0013】
4.上記項3に記載の湿式の外断熱工法において、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成し、モルタル下地調整層の上に外装仕上げを施す工法。
【0014】
5.(湿式工法▲2▼)
上記項1又は2に記載の外断熱工法であって、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成したものを、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該モルタル下地層を形成したけい酸カルシウム板をモルタル下地層が室外側となるように設け、次いでモルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、更にモルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
【0015】
6.上記項5に記載の湿式の外断熱工法において、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成し、モルタル下地調整層の上に外装仕上げを施す工法。
【0016】
7.(湿式工法▲3▼)
上記項1又は2に記載の外断熱工法であって、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成し、次いでモルタル下地層の上であって、後にアンカーを打ち込む部分以外の部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設けた外装材付きけい酸カルシウム板を、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該外装材付きけい酸カルシウム板を外装材が室外側となるように設け、次いで外装材を設けていないモルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、最後にアンカー打ち込み部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
【0017】
8.(湿式工法▲4▼)
上記項1又は2に記載の外断熱工法であって、下記工程を有する湿式の外断熱工法;
(1)予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成する工程、
(2)モルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させてアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定する工程、
(3)モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設けて、アンカー及び外装材付きけい酸カルシウム板を得る工程、
(4)上記けい酸カルシウム板のアンカー突出側に、けい酸カルシウム板との間に空間を保持しながら鉄筋を配筋し、次いで鉄筋を埋設し且つけい酸カルシウム板と密着するように鉄筋コンクリート層を形成することにより、けい酸カルシウム/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板を作製する工程、及び
(5)施工時において、当該鉄筋コンクリート層が建物躯体となるように当該複合板を設置・固定する工程。
【0018】
9.上記項8に記載の外断熱工法において、工程(3)に記載のモルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける作業を、工程(3)において行う代わりに、工程(5)の後に行う湿式の外断熱工法。
【0019】
10.上記項1又は2に記載の外断熱工法であって、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカー又はスクリュービスを打ち込み、外装材固定具をけい酸カルシウム板の室外側の表面に設置すると共にけい酸カルシウム板を建物躯体と固定し、次いで当該外装材固定具に外装材を固定する乾式の外断熱工法。
【0020】
11.けい酸カルシウム板に座グリを設けることなくアンカーを打ち込む上記項3〜10のいずれかに記載の外断熱工法。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明外断熱工法は、けい酸カルシウム板を、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は組積造からなる建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けることを特徴とする。
【0022】
けい酸カルシウム板
けい酸カルシウム板としては、耐火材、不燃材及び断熱材としての性能を十分に発揮できるものが好ましい。このようなけい酸カルシウム板としては、かさ比重が0.05〜1のものが好ましく、0.1〜0.5のものがより好ましい。かさ比重が0.05〜1のけい酸カルシウム板は、特に、断熱性に優れると共に強度も優れているため好ましい。
【0023】
けい酸カルシウム板の厚みは特に限定されないが、通常5〜300mmが好ましく、15〜100mmがより好ましい。特に、かさ比重が0.05〜1であり且つ厚さ5〜300mmのけい酸カルシウム板は、良好な耐火性、不燃性及び断熱性を有し、且つ経年劣化が少ないため好ましい。
【0024】
けい酸カルシウム板を構成するけい酸カルシウムの種類も特に限定されず、合成けい酸カルシウム及び天然けい酸カルシウムのいずれでもよい。合成けい酸カルシウムとしては、石灰原料とけい酸原料から水熱反応により得られたもの、例えば、ゾノトライト、トベルモライト、フォシャジャイト、ジャイロライト、α−ダイカルシウムシリケート、トリカルシウムシリケート、ヒレブランダイト、ローゼンハナイト、トラスコタイト、リエライト、カルシオコンドロダイト、キルコアナイト、アフィライト、準結晶質けい酸カルシウム(CSHn)等の合成けい酸カルシウム水和物、上記ゾノトライト、トベルモライト等の合成けい酸カルシウム水和物を加熱して得られるワラストナイト等が挙げられる。合成けい酸カルシウムの中でも、ゾノトライトは特に耐火性に優れているため好ましい。
【0025】
本発明外断熱工法では、けい酸カルシウム板は、表面又は全体が撥水加工されたものが好ましい。撥水加工の方法は特に限定されず、公知のどのような方法により撥水加工されたものでもよい。
【0026】
例えば、表面に撥水加工する場合は、けい酸カルシウム板を撥水剤中に浸漬する方法、けい酸カルシウム板に撥水剤を噴霧又は塗布する方法等により撥水加工できる。表面に撥水加工したけい酸カルシウム板を施工現場等で寸法調整等のために切断した場合には、切断面に撥水性はないが、その場合には、切断面に撥水剤を噴霧又は塗布して撥水性を付与すればよい。
【0027】
また、けい酸カルシウム板の全体の撥水性を望む場合には、例えば、特開平2−15511号公報に開示されたような、けい酸カルシウムスラリー中に撥水剤を添加し、当該スラリーを成型・乾燥させる方法により、全体が撥水加工されたけい酸カルシウム板を作製すればよい。
【0028】
撥水剤としては特に限定されず、公知のシラン系、シリコーン系等の撥水剤を好適に用いることができる。撥水加工されたけい酸カルシウム板は、例えば、モルタル系接着材を塗布した場合にも接着材中の水分を殆ど吸収しないため、接着材の付着強度を十分に確保することができる。また、吸水に基づくけい酸カルシウム板の強度低下も十分に抑制することができるため好ましい。
【0029】
建物躯体
本発明外断熱工法は、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は組積造からなる建物躯体に適用する。具体的には、本発明外断熱工法は、主としてこれら建物躯体の室外側壁面に施工する。
【0030】
鉄筋コンクリート造からなる建物躯体としては特に限定はなく、主体構造部が鉄筋コンクリートである公知の建物躯体が広く該当する。鉄骨鉄筋コンクリート造からなる建物躯体も特に限定はなく、鉄骨と鉄筋コンクリートとを一体化した公知の建物躯体が広く該当する。また、組積造からなる建物躯体も特に限定はなく、石、レンガ、コンクリートブロック等の小単体を積み重ねて形成された公知の建物躯体が広く該当する。
【0031】
本発明外断熱工法
本発明外断熱工法では、前記けい酸カルシウム板を、前記建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設ける。
【0032】
けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して設ける場合には、例えば、けい酸カルシウム板の室内側表面の数箇所に、接着材を団子状に設置し、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に押し付けて接着することにより設けることができる。
【0033】
また、けい酸カルシウム板の室内側表面に接着材を数本線状に塗布し、当該接着材塗布面を建物躯体の室外側壁面に押し付けて接着することによっても設けることができる。これらの方法において、接着材が設置又は塗布されていない部分は、建物躯体の室外側壁面と密着せず空気層を形成する。
【0034】
特に、接着材を団子状に設置する方法では、建物躯体の室外側壁面に不陸がある場合でも、団子状接着材の厚さを調整することにより、けい酸カルシウム板を建物躯体に対して垂直に設けることができる。即ち、接着材を団子状に設置する方法は、建物躯体の室外側壁面に不陸がある場合に有効である。
【0035】
これらの方法において、接着材を団子状に設置又は線状に塗布する前に、けい酸カルシウム板及び/又は建物躯体の表面であって接着材が接触する個所に、予め同じ接着材をしごき塗りしておくことにより、けい酸カルシウム板と建物躯体との接着強度をより高めることができる。
【0036】
けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介さずに設ける場合には、例えば、けい酸カルシウム板の室内側の表面全体に接着材を塗布し、当該接着材塗布面を建物躯体の室外側壁面に押し付けて接着することにより設けることができる。この方法は、建物躯体の室外側壁面に不陸がない場合に有効である。また、接着材を用いることなく、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に密着させ、アンカーを用いて固定することによっても設けることができる。
【0037】
前記した接着材の種類は、けい酸カルシウム板を建物躯体に確実に接着できるものであれば特に限定されない。このような接着材としては、特に、ポリマーセメントモルタルが好適である。
【0038】
けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後は、通常、けい酸カルシウム板の室外側に、外装材を設けたり、外装仕上げを施したりすることにより、外断熱工法は完結する。
【0039】
外装材としては、例えば、タイル、サイディング材、金属パネル、プラスチックパネル、石貼り等が挙げられる。外装仕上げとしては、例えば、吹き付け、塗装、左官仕上げ等が挙げられる。
【0040】
このような本発明外断熱工法は、より具体的には、(1)湿式の外断熱工法及び(2)乾式の外断熱工法に分けることができる。以下、これら湿式及び乾式の外断熱工法について詳細に説明する。
【0041】
(1)湿式の外断熱工法
湿式の外断熱工法は、けい酸カルシウム板の室外側に網状物を敷設及びモルタル下地層を形成した後、モルタル下地層の室外側に外装材を設けたり、外装仕上げを施したりすることを特徴とする。
【0042】
湿式の本発明外断熱工法としては、例えば、前記した湿式工法▲1▼〜▲4▼の4種が好適である。
【0043】
以下、これら湿式工法▲1▼〜▲4▼について具体的に説明する。
【0044】
▲1▼の工法
▲1▼の工法では、先ずけい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板の室外側の表面全体に網状物を敷設する。けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設ける方法については、前記した通りである。
【0045】
網状物は、けい酸カルシウム板と後述するモルタル下地層との熱膨張収縮率の違いにより、けい酸カルシウム板に層間剥離が生じた場合に、剥離箇所よりも室外側の構成部材が部分的に剥落することを防止又は抑制する。
【0046】
このような網状物としては、縦横双方向の引張強度及び寸法安定性に優れ、上記目的が達成できるものであれば特に限定されない。例えば、縦横双方向の引張強度が12N/mm以上であり且つ厚みが0.25〜0.35mm程度の耐アルカリガラス繊維からなるネット、金属製ネット等が挙げられる。網状物を敷設する際は、例えば、ステープル等を用いて網状物の数箇所をけい酸カルシウム板に仮止めすることにより容易に敷設することができる。
【0047】
次いで、網状物の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定する。
【0048】
アンカーの種類は特に限定されず、従来の外断熱工法において公知のアンカーを広く使用できる。このようなアンカーは、網状物とけい酸カルシウム板を確実に固定する役割だけでなく、けい酸カルシウム板と建物躯体を確実に固定する役割も有する。
【0049】
なお、アンカーボルトとして、頭部の薄いワッシャーを用いる場合には、けい酸カルシウム板の室外側表面に、座グリと称されるボルト収容空間を設ける工程を不要にできる。座グリを設けないことは、けい酸カルシウム板の不燃性、耐火性、断熱性等の特性を少しでも多く確保できる点で好ましいだけでなく、外断熱工法の施工が効率化できる点でも好ましい。
【0050】
但し、アンカーボルトの種類により、座グリを設けた場合には、アンカー固定後に、座グリの凹部をポリマーセメントモルタル、セメントモルタル等で充填することにより、けい酸カルシウム板の表面を平らにすることが好ましい。
【0051】
次いで、網状物の上からモルタル下地層を形成する。モルタル下地層は、網状物が埋設されるように形成することが好ましく、一般的には、0.25〜0.35mm程度又はそれ以上の厚みの範囲で適宜設定できる。
【0052】
モルタル下地層は、種々のモルタル系材料を用いて形成することができるが、特に、ポリマーセメントモルタルを用いて形成することが好ましい。ポリマーセメントモルタルは、モルタル系材料の中でも弾性が優れているため、日射及び外気温の変化によるモルタル系接着材の膨張収縮を緩和することができる。モルタル系接着材については、詳しくは後述するが、例えば、モルタル下地層の上に外装材を設ける際に用いる。
【0053】
即ち、ポリマーセメントモルタルを用いてモルタル下地層を形成する場合は、けい酸カルシウム板とモルタル系接着材との熱膨張収縮の違いによる、けい酸カルシウム板の層間剥離をより確実に防止又は抑制できる。また、モルタル系接着材を用いて、外装材としてタイルを設けた際の、タイル目地部のクラック等の発生を防止又は抑制することにも寄与できる。
【0054】
次いで、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける。モルタル系接着材としては、例えば、セメントモルタル、ポリマーセメントモルタル等が好適に使用できる。特に、モルタル下地層をポリマーセメントモルタルにより形成し、更にモルタル系接着材としてポリマーセメントモルタルを用いる場合には、両者のなじみがよく、接着力をより確実に向上させることができる。外装材の種類は限定されず、前述したタイル、サイディング材、金属パネル、プラスチックパネル、石貼り等が挙げられる。
【0055】
▲1▼の工法では、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成後、モルタル下地調整層の上に外装仕上げを施すこともできる。
【0056】
通常、モルタル系下地調整層は、左官仕上げ、塗装、吹き付け等の外装仕上げの精度を上げるために形成する。このようなモルタル系下地調整層は、例えば、セメントモルタル、ポリマーセメントモルタル等を用いて形成できる。モルタル系下地調整層の厚みは特に限定されないが、通常0.5〜20mm程度が好ましく、1〜10mm程度がより好ましい。吹き付け、塗装、左官仕上げ等の外装仕上げは、当該分野の常法に従って行うことができる。
【0057】
▲2▼の工法
▲2▼の工法では、外断熱工法の施工に先立って、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成したものを準備する。網状物の敷設方法及びモルタル下地層の形成方法については、前記▲1▼の工法で説明した通りである。
【0058】
次いで、施工時において、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該モルタル下地層を形成したけい酸カルシウム板をモルタル下地層が室外側となるように設ける。けい酸カルシウム板を設ける方法については、前記した通りである。
【0059】
次いで、モルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定する。
【0060】
アンカー打ち込み方については、前記▲1▼の工法で説明した通りである。この場合も、アンカーボルトとして頭部の薄いワッシャーを用いる場合には、モルタル下地層やけい酸カルシウム板の室外側表面に座グリと称されるボルト収容空間を設けることを不要とできる。
【0061】
次いで、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける。外装材を設ける方法は、前記▲1▼の工法で説明した通りである。
【0062】
▲2▼の工法では、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成後、モルタル系下地調整層の上に外装仕上げを施すこともできる。下地調整層の形成方法及び外装仕上げの方法は、前記▲1▼の工法で説明した通りである。
【0063】
▲3▼の工法
▲3▼の工法では、外断熱工法の施工に先立って、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成し、次いでモルタル下地層の上であって、後にアンカーを打ち込む部分以外の部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設けた外装材付きけい酸カルシウム板を準備する。
【0064】
網状物の敷設方法及びモルタル下地層の形成方法は、前記▲1▼の工法で説明した通りである。モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける方法も、基本的には前記▲1▼の工法における方法と同じであるが、後にアンカーを打ち込む部分に外装材を設けない点で異なる。
【0065】
次いで、施工時において、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該外装材付きけい酸カルシウム板を外装材が室外側となるように設け、次いで外装材を設けていないモルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、最後にアンカー打ち込み部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設ける。
【0066】
アンカーの打ち込み方法については、前記▲1▼及び▲2▼で説明した通りである。最後にアンカー打ち込み部分に外装材を設ける際は、例えば、アンカー頭部及びその周囲にモルタル系接着材を塗布し、外装材を接着することにより設けることができる。
【0067】
▲4▼の工法
▲4▼の工法では、建物躯体となる鉄筋コンクリート層とその室外側壁面に空気層を介することなく設けられるけい酸カルシウム板を、外断熱工法の施工に先立って、予めプレキャストコンクリート部材組立て方法により準備する。即ち、施工時に建物躯体とけい酸カルシウム板を同時に設置する工法である。具体的には、以下の工程を含む。
(1)予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成する第1工程、
(2)モルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させてアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定する第2工程、
(3)モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設けて、アンカー及び外装材付きけい酸カルシウム板を得る第3工程、
(4)上記けい酸カルシウム板のアンカー突出側に、けい酸カルシウム板との間に空間を保持しながら鉄筋を配筋し、次いで鉄筋を埋設し且つけい酸カルシウム板と密着するように鉄筋コンクリート層を形成することにより、けい酸カルシウム板/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板を作製する第4工程、及び
(5)施工時において、当該鉄筋コンクリート層が建物躯体となるように当該複合板を設置・固定する第5工程。
【0068】
第1工程〜第3工程における、網状物の敷設、モルタル下地層の形成、アンカーの打ち込み及び外装材を設ける方法については、前記▲1▼の工法で説明した通りである。
【0069】
第4工程では、先ず、上記けい酸カルシウム板のアンカー突出側に、けい酸カルシウム板との間に空間を保持しながら鉄筋を配筋し、鉄筋層を形成する。鉄筋層の形成方法は特に限定されず、公知のプレキャストコンクリート部材組み立て方法に従えばよい。配筋する鉄筋とけい酸カルシウム板との空間の大きさも特に限定されず、建物躯体となる鉄筋コンクリート層の所望の幅を考慮して設定することができる。
【0070】
配筋させた鉄筋の端は、通常、けい酸カルシウム/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板のコンクリートの端から突出(5〜400mm程度が好ましい)させておく。突出させた鉄筋の使用方法については後に説明する。
【0071】
次いで鉄筋を埋設し且つけい酸カルシウム板と密着するように鉄筋コンクリート層を形成する。鉄筋コンクリート層の形成方法も特に限定されず、公知のプレキャストコンクリート部材組立て方法の手順に従って行うことができる。
【0072】
例えば、けい酸カルシウム板の外周に鉄筋コンクリート層を形成するための型枠を設け、鉄筋を配筋後、型枠内に当該鉄筋層がコンクリート層の中間部となるようにコンクリートを打設し、コンクリート硬化後に型枠を外して形成できる。これにより、けい酸カルシウム板/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板が得られる。
【0073】
第5工程では、施工時において、当該けい酸カルシウム板/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板を、当該鉄筋コンクリート層が建物躯体となるように設置・固定して本工法は完結する。
【0074】
第5工程では、複数の複合板を接合して所望の大きさの複合板とするために、前記した鉄筋の突出部分を使用できる。即ち、複合板の接合は、相互に隣接する複合板から突出した鉄筋どうしを溶接又は継手で接合することにより行うことができる。この場合、結合させた隣接のけい酸カルシウム板/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板どうしの間隔は、5〜400mm程度とすることが好ましい。接合部に生じる空間部には、後にコンクリートを充填すれば、接合部をより強固に保持できると共に、建物躯体の構造をより強固なものとできる。
【0075】
▲4▼の工法においては、外装材を設ける作業は、常に工程(3)に含まれる必要はなく、工程(5)の後に行うこともできる。即ち、外装材を全工程の最後に設けることもできる。通常、外装材の種類は物件又は好みにより異なるため、外装材を最後に設ける方が、より物件及び好みに合致した外装材を施工できる。また施工中の外装材の汚損も防止できる。
【0076】
(2)乾式の外断熱工法
乾式の外断熱工法は、けい酸カルシウム板の室外側に外装材固定具を設け、次いで外装材固定具に外装材を固定することを特徴とする。
【0077】
このような乾式の外断熱工法としては、例えば、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカー又はスクリュービスを打ち込み、外装材固定具をけい酸カルシウム板の室外側の表面に設置すると共にけい酸カルシウム板を建物躯体と固定し、次いで外装材固定具に外装材を固定する工法が好適である。スクリュービスとしては、公知のものが使用できる。
【0078】
外装材固定具は特に限定されず、固定する外装材の種類に応じて適宜選択できる。例えば、リップ溝型鋼、ハット型鋼等が挙げられる。外装材としては、前記サイディング材、金属パネル、プラスチックパネル、石貼り等が挙げられる。
【0079】
アンカー及びスクリュービスは、外装材固定具をけい酸カルシウム板の室外側表面に確実に設置する役割だけでなく、けい酸カルシウム板を建物躯体と確実に固定する役割も有する。アンカー及びスクリュービスの打ち込み方法は、乾式方法において従来行われている常法に従えばよい。
【0080】
【発明の効果】
本発明外断熱工法によれば、良好な耐火性、不燃性、断熱性及び耐久性を有する外断熱構造を容易に施工することができる。
【0081】
けい酸カルシウム板は、良好な耐火性、不燃性及び断熱性を有し、しかも経年劣化が少ない。従って、本発明外断熱工法により得られた外断熱構造は、良好な耐火性、不燃性及び断熱性の効果を長期間劣化させることなく維持することができる。
【0082】
【実施例】
以下、実施例1及び実施例2について、それぞれ図1及び図2を用いて示し、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は実施例の記載に限定されるものではない。
【0083】
実施例1
鉄筋コンクリート躯体(図1の(1))の室外側壁面に、モルタル系接着材(図1の(2))(日本スタッコ株式会社製)を介して、910mm角で厚さ30mm、比重0.17の表面に撥水加工が施されたけい酸カルシウム板(図1の(3))(商標名「ニューベストライト」日本インシュレーション株式会社製)を設けた。コンクリート躯体とけい酸カルシウム板との間の空気層の厚さは15mmであった。
【0084】
けい酸カルシウム板を設ける際は、以下の手順に従った;
・鉄筋コンクリート躯体及びけい酸カルシウム板の表面であって、後述の団子状モルタル接着材が接触する個所に、予めモルタル系接着材をしごき塗りした
・けい酸カルシウム板の表面に1枚あたり9箇所の団子状モルタル系接着材を設置した
・けい酸カルシウム板を鉄筋コンクリート躯体の室外側壁面に圧着した。
【0085】
けい酸カルシウム板を設けた後、けい酸カルシウム板の室外側表面全体に、ステープルを用いて、ガラスネット(図1の(5))(商標名「ARGネットTS」日本電気硝子株式会社製)を、数ヶ所を仮止めすることにより敷設した。
【0086】
ガラスネットの上から、けい酸カルシウム板を貫通し、鉄筋コンクリート躯体に達するようにアンカー打ち込み用の穴を開け、アンカー(図1の(4))を打ち込んだ。アンカーボルトとしては、頭部の薄いワッシャーを用い、けい酸カルシウム板に座グリを設けることなく打ち込んだ。
【0087】
次いで、ポリマーセメントモルタル(商標名「スプリングコート(コテ)」日本スタッコ株式会社製)を用いて、ガラスネットの上からモルタル下地層(図1の(6))を形成した。モルタル下地層の厚さは、1mmであった。
【0088】
最後に、モルタル下地層上にモルタル系接着材(図1の(7))を介して市販の45二丁タイル(図1の(8))(商標名「スタンダードアース」名古屋モザイク工業株式会社製)を設けて外断熱工法を完結した。
【0089】
実施例2
鉄筋コンクリート躯体(図2の(1))の室外側壁面に、モルタル系接着材(図2の(2))(日本スタッコ株式会社製)を介して、910mm角で厚さ30mm、比重0.17の表面に撥水加工が施されたけい酸カルシウム板(図2の(3))(商標名「ニューベストライト」日本インシュレーション株式会社製)を設けた。コンクリート躯体とけい酸カルシウム板との間の空気層の厚さは5mmであった。
【0090】
けい酸カルシウム板を設ける際は、以下の手順に従った;
・鉄筋コンクリート躯体及びけい酸カルシウムの表面であって、後述の線状モルタル系接着材が接触する個所に、予めモルタル系接着材をしごき塗りした
・けい酸カルシウム板の表面に1枚あたり、幅約200mm、長さ約800mmの線状に3本こて塗りでモルタル系接着材を塗布した
・けい酸カルシウム板を鉄筋コンクリート躯体の室外側壁面に圧着した。
【0091】
けい酸カルシウム板を設けた後、けい酸カルシウム板の室外側表面に、けい酸カルシウム板を貫通し、鉄筋コンクリート躯体に達するようにスクリュービス(図2の(9))を打ち込み、ハット型鋼(図2の(10))を固定した。
【0092】
更に、ハット型鋼にスクリュービス(図2の(9))を用いて金属パネル(図2の(11))を設置し、外断熱工法を完結した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明外断熱工法の湿式工法の一態様を示す図である。
【図2】本発明外断熱工法の乾式工法の一態様を示す図である。
【符号の説明】
(1)  建物躯体(鉄筋コンクリート)
(2)  モルタル系接着材
(3)  けい酸カルシウム板
(4)  アンカー
(5)  耐アルカリガラスネット
(6)  モルタル下地層
(7)  モルタル系接着材
(8)  45二丁タイル
(9)  スクリュービス
(10) 外装材固定具(ハット型鋼)
(11) 外装材(金属パネル)

Claims (11)

  1. けい酸カルシウム板を、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造又は組積造からなる建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けることを特徴とする外断熱工法。
  2. けい酸カルシウム板が、かさ比重0.05〜1であり且つ厚さ5〜300mmである請求項1に記載の外断熱工法。
  3. 請求項1又は2に記載の外断熱工法であって、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板の室外側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、次いで網状物の上からモルタル下地層を形成した後、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
  4. 請求項3に記載の湿式の外断熱工法において、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成し、モルタル下地調整層の上に外装仕上げを施す工法。
  5. 請求項1又は2に記載の外断熱工法であって、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成したものを、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該モルタル下地層を形成したけい酸カルシウム板をモルタル下地層が室外側となるように設け、次いでモルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、更にモルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
  6. 請求項5に記載の湿式の外断熱工法において、モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける代わりに、モルタル下地層の上に更にモルタル系下地調整層を形成し、モルタル下地調整層の上に外装仕上げを施す工法。
  7. 請求項1又は2に記載の外断熱工法であって、予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成し、次いでモルタル下地層の上であって、後にアンカーを打ち込む部分以外の部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設けた外装材付きけい酸カルシウム板を、建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに、当該外装材付きけい酸カルシウム板を外装材が室外側となるように設け、次いで外装材を設けていないモルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定すると共にけい酸カルシウム板と建物躯体を固定し、最後にアンカー打ち込み部分に、モルタル系接着材を介して外装材を設ける湿式の外断熱工法。
  8. 請求項1又は2に記載の外断熱工法であって、下記工程を有する湿式の外断熱工法;
    (1)予めけい酸カルシウム板の片側の表面全体に網状物を敷設し、更に網状物の上からモルタル下地層を形成する工程、
    (2)モルタル下地層の上からけい酸カルシウム板を貫通させてアンカーを打ち込み、網状物とけい酸カルシウム板を固定する工程、
    (3)モルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設けて、アンカー及び外装材付きけい酸カルシウム板を得る工程、
    (4)上記けい酸カルシウム板のアンカー突出側に、けい酸カルシウム板との間に空間を保持しながら鉄筋を配筋し、次いで鉄筋を埋設し且つけい酸カルシウム板と密着するように鉄筋コンクリート層を形成することにより、けい酸カルシウム/プレキャスト鉄筋コンクリート複合板を作製する工程、及び
    (5)施工時において、当該鉄筋コンクリート層が建物躯体となるように当該複合板を設置・固定する工程。
  9. 請求項8に記載の外断熱工法において、工程(3)に記載のモルタル下地層の上にモルタル系接着材を介して外装材を設ける作業を、工程(3)において行う代わりに、工程(5)の後に行う湿式の外断熱工法。
  10. 請求項1又は2に記載の外断熱工法であって、けい酸カルシウム板を建物躯体の室外側壁面に空気層を介して又は介さずに設けた後、けい酸カルシウム板を貫通させて建物躯体に達するようにアンカー又はスクリュービスを打ち込み、外装材固定具をけい酸カルシウム板の室外側の表面に設置すると共にけい酸カルシウム板を建物躯体と固定し、次いで当該外装材固定具に外装材を固定する乾式の外断熱工法。
  11. けい酸カルシウム板に座グリを設けることなくアンカーを打ち込む請求項3〜10のいずれかに記載の外断熱工法。
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