以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本明細書中、同一又は類似の部材について、同一の符号を付す場合がある。
なお、本明細書中では、気相成長装置が成膜可能に設置された状態での重力方向を「下」と定義し、その逆方向を「上」と定義する。したがって、「下部」とは、基準に対し重力方向の位置、「下方」とは基準に対し重力方向を意味する。そして、「上部」とは、基準に対し重力方向と逆方向の位置、「上方」とは基準に対し重力方向と逆方向を意味する。また、「縦方向」とは重力方向である。
また、本明細書中、「プロセスガス」とは、基板上への成膜のために用いられるガスの総称であり、例えば、ソースガス、キャリアガス、希釈ガス等を含む概念とする。
(第1の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、反応室と、反応室内に設けられ、基板を載置する保持部と、基板を加熱するヒータと、保持部との間にヒータが設けられる第1のリフレクタと、第1のリフレクタとヒータとの間に設けられ、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下で、パターンを有する第2のリフレクタと、保持部に固定され、保持部を回転させる回転軸と、を備える。
また、本実施形態の気相成長方法は、第1の基板を、ヒータと、ヒータを介して第1の基板と反対の位置に配置された第1のリフレクタと、を用いて加熱し、所定のプロセス条件における第1の基板の特性分布を測定し、特性分布に基づくパターンを有し、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下の第2のリフレクタを第1のリフレクタとヒータとの間に設置し、第2の基板をヒータと、第1のリフレクタと、第2のリフレクタと、を用いて加熱し、所定のプロセス条件により、第2の基板の上に膜を形成する。
なお、本実施形態の製造方法において、「特性分布」が「温度分布」である場合を例に説明する。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法は、上記構成を備えることにより、基板上に膜を成膜する際に、基板の温度分布を容易に調整することが可能となる。
図1は、本実施形態の気相成長装置の模式断面図である。本実施形態の気相成長装置は、例えば、MOCVD法(有機金属気相成長法)を用いるエピタキシャル成長装置である。
本実施形態の気相成長装置は、反応室10、第1のガス供給路11、第2のガス供給路12、第3のガス供給路13を備えている。反応室10は、環状ホルダ(保持部)14、回転体ユニット16、回転軸18、回転駆動機構20、シャワープレート22、インヒータ24、アウトヒータ26、標準リフレクタ(第1のリフレクタ)28、調整用リフレクタ(第2のリフレクタ)30、支持部32、支持柱34、固定台36、固定軸38、ガス排出口40を備えている。
第1のガス供給路11、第2のガス供給路12、第3のガス供給路13は、反応室10にプロセスガスを供給する。
第1のガス供給路11は、例えば、反応室10にIII族元素の有機金属とキャリアガスを含む第1のプロセスガスを供給する。第1のプロセスガスは、ウェハ上にIII−V族半導体の膜を成膜する際の、III族元素を含むガスである。
III族元素は、例えば、ガリウム(Ga)、Al(アルミニウム)、In(インジウム)等である。また、有機金属は、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)等である。
第2のガス供給路12は、例えば、反応室10にアンモニア(NH3)を含む第2のプロセスガスを供給する。第2のプロセスガスは、ウェハ上にIII−V族半導体の膜を成膜する際の、V族元素、窒素(N)のソースガスである。
第3のガス供給路13は、例えば、第1のプロセスガス及び第2のプロセスガスを希釈する希釈ガスを反応室10へ供給する。希釈ガスで、第1のプロセスガス及び第2のプロセスガスを希釈することにより、反応室10に供給されるIII族元素及びV族元素の濃度を調整する。希釈ガスは、例えば、水素ガス、窒素ガス、又は、アルゴンガス等の不活性ガス又はこれらの混合ガスである。
反応室10は、例えば、ステンレス製で円筒状の壁面15を備える。シャワープレート22は反応室10の上部に設けられる。シャワープレート22には、複数のガス噴出孔が設けられる。複数のガス噴出孔から反応室10内にプロセスガスが供給される。
保持部である環状ホルダ14は、反応室10の内部に設けられる。環状ホルダ14には、ウェハ(基板)Wが載置可能である。環状ホルダ14には、中心部に開口部が設けられる。
環状ホルダ14は、回転体ユニット16の上部に固定される。回転体ユニット16は、回転軸18に固定される。環状ホルダ14は、間接的に回転軸18に固定される。
回転軸18は、回転駆動機構20によって回転可能である。回転駆動機構20により、回転軸を回転させることにより環状ホルダ14を回転させることが可能である。環状ホルダ14を回転させることにより、環状ホルダ14に載置されたウェハWを回転させることが可能である。
例えば、ウェハWを50rpm以上3000rpm以下の回転数で回転させる。回転駆動機構20は、例えば、モータとベアリングで構成される。
ウェハWを下面(裏面)から加熱するヒータは、インヒータ24とアウトヒータ26より構成される。インヒータ24とアウトヒータ26は、環状ホルダ14の下方に設けられる。インヒータ24とアウトヒータ26は、回転体ユニット16内に設けられる。アウトヒータ26は、インヒータ24と環状ホルダ14との間に設けられる。
インヒータ24とアウトヒータ26は、環状ホルダ14に保持されたウェハW及び環状ホルダ14を加熱する。インヒータ24は、ウェハWの主に中心部を加熱する。アウトヒータ26は、主にウェハWの外周部と環状ホルダ14を加熱する。インヒータ24は、例えば、円板状である。アウトヒータ26は、例えば、環状である。
標準リフレクタ28は、インヒータ24とアウトヒータ26の下方に設けられる。標準リフレクタ28と環状ホルダ14との間に、インヒータ24とアウトヒータ26が設けられる。
標準リフレクタ28は、インヒータ24とアウトヒータ26から下方に放射される熱を反射し、ウェハWの加熱効率を向上させる。また、標準リフレクタ28は、標準リフレクタ28より下方の部材が加熱されるのを防止する。標準リフレクタ28は、例えば、円板状である。
標準リフレクタ28は、耐熱性の高い材料で形成される。標準リフレクタ28は、例えば、1100℃以上の温度に対する耐熱性を有する。
標準リフレクタ28は、例えば、複数の支持柱34によって、固定台36に固定される。固定台36は、例えば、固定軸38によって支持される。
標準リフレクタ28は、例えば、セラミックスや金属で形成される。標準リフレクタ28は、例えば、セラミックスとしては炭化珪素(SiC)、グラファイト、パイロリティックグラファイト(PG)、窒化ホウ素(BN)、炭化タンタル(TaC)、などを用いることができる。また、金属としてはタングステン、モリブデン、レニウムなどの高融点金属を用いることができる。また、グラファイトなどの基材に、SiC、BN、PG、TaCなどをコートしたものを用いることもできる。
調整用リフレクタ30は、標準リフレクタ28とインヒータ24の間に設けられる。調整用リフレクタ30は、パターンを有する。調整用リフレクタ30のパターンを調整することにより、ウェハWの温度分布を容易に調整することが可能となる。
調整用リフレクタ30は、耐熱性の高い材料で形成される。調整用リフレクタ30は、例えば、1100℃以上の温度に対する耐熱性を有する。
調整用リフレクタ30は、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下である。調整用リフレクタ30は、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下の材料で形成される。調整用リフレクタ30は、圧縮強度、曲げ強度、及び、ビッカース硬度の少なくともいずれか一つが、上記強度範囲を充足する。調整用リフレクタ30は、上記強度範囲を充足することにより、穴あけ加工、折り曲げ加工、などにより所望のパターンに加工することが容易となる。
上記強度範囲を充足する観点から、調整用リフレクタ30には、グラファイトシート、グラファイト、パイロリティックグラファイト(PG)、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)、焼結性窒化ホウ素(BN)、窒化ホウ素と窒化珪素の混合物などを用いることができる。調整用リフレクタ30は、グラファイトシート又はグラファイトであることが、加工が容易で価格が低いため特に好ましい。
調整用リフレクタ30は、例えば、圧縮強度、曲げ強度、及び、ビッカース硬度の少なくともいずれか一つが、標準リフレクタ28よりも小さい。
例えば、標準リフレクタ28に炭化珪素を用いる場合、調整用リフレクタ30にグラファイトシートを用いる。炭化珪素の強度は、グラファイトシートと比較して大きく、上記強度範囲を充足しない。
調整用リフレクタ30と標準リフレクタ28との間には、例えば、複数の支持部32が設けられる。複数の支持部32を間に挟むことにより、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30とが所定距離で離間している。
図2は、本実施形態のリフレクタの一例の模式平面図である。図2(a)が標準リフレクタ28、図2(b)が調整用リフレクタ30である。図2(a)、図2(b)いずれもリフレクタを上方から見た図である。
図2(a)に示すように、標準リフレクタ28は、例えば、円板状である。例えば、標準リフレクタ28上の3箇所に支持部32が設けられる。
図2(b)に示すように、調整用リフレクタ30は、例えば、円板状である。調整用リフレクタ30は、例えば、複数の内周側開口部(開口部)42と、複数の外周側開口部(開口部)44を有する。調整用リフレクタ30のパターンは、複数の内周側開口部42と、複数の外周側開口部44で構成される。
調整用リフレクタ30のパターンは、例えば、回転対称である。図2(b)に示す調整用リフレクタ30のパターンは、4回対称である。
図3は、本実施形態のリフレクタの一例の模式断面図である。図3(a)が調整用リフレクタ30を設置する前の状態、図3(b)が調整用リフレクタ30を設置した後の状態である。
図3(a)に示すように、標準リフレクタ28は、例えば、支持柱34に設けられた支持軸35によって固定される。支持軸35が、標準リフレクタ28に設けられた孔を貫通する。
図2(a)、図3(b)に示すように、支持部32は、例えば、支持軸35に通される環状の部材である。調整用リフレクタ30は、例えば、支持柱34に設けられた支持軸35によって、固定される。支持軸35が、調整用リフレクタ30に設けた孔を貫通する。調整用リフレクタ30は、支持部32上に載置される。
なお、回転体ユニット16内には、ウェハWを環状ホルダ14から脱着させるために、プッシュアップピン(図示せず)が設けられる。プッシュアップピンは、例えば、標準リフレクタ28、調整用リフレクタ30、及び、インヒータ24を貫通する。
図1に示すように、ガス排出口40は、反応室10の底部に設けられる。ガス排出口40は、ウェハW表面でソースガスが反応した後の反応生成物、及び、反応室10に残留したプロセスガスを反応室10の外部に排出する。
また、反応室10の壁面15には、図示しないウェハ出入口及びゲートバルブが設けられている。ウェハ出入口及びゲートバルブにより、ウェハWを反応室10内に搬入したり、反応室10外に搬出したりすることが可能である。
以下、本実施形態の気相成長方法について説明する。本実施形態の気相成長方法は、図1に示すエピタキシャル成長装置を用いる。
InGaN(第1の窒化物半導体)膜と、GaN(第2の窒化物半導体)膜とが複数積層された積層膜を、下地GaN膜上に形成する場合を例に説明する。上記の積層膜は、例えば、LED(Light Emitting Diode)の発光層に用いられるMQW(Multi Quantum Well)層である。MQW層からの発光波長は成膜時の温度に敏感に依存することが知られており、成膜時のウェハの均一な温度分布が高い生産性を実現するために重要である。
本実施形態の気相成長方法では、最初に、テスト用ウェハ(第1の基板)を、反応室10内に搬入する。テスト用ウェハは実際のプロセスに用いる基板などが好適に用いられる。以下の例ではシリコン基板上に実際のプロセスを行う場合について説明する。なお、最初の段階では標準リフレクタ28と環状ホルダ14との間に、調整用リフレクタ30は設けない。
次に、テスト用ウェハを、環状ホルダ14に載置する。テスト用ウェハを回転駆動機構20により回転させながらインヒータ24及びアウトヒータ26により加熱する。テスト用ウェハを温度や成長雰囲気をMQWの成長条件に即した所定の条件に保持しながら、テスト用ウェハの温度分布を測定する。温度分布は、例えば、放射温度計により測定する。
テスト用ウェハの温度測定後、テスト用ウェハを反応室10から搬出する。
次に、上記のようにして測定したテスト用ウェハの温度分布に基づき、パターンを有する調整用リフレクタ30を作製する。
調整用リフレクタ30は、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下の材料で作製する。この場合、円板状の材料を加工して、図2(b)に示すような複数の内周側開口部42と、複数の外周側開口部44を有する調整用リフレクタ30を作製する。パターンの加工は、例えば、カッターナイフ、糸鋸盤、ガス切断装置、レーザ加工装置等により行う。
調整用リフレクタ30のパターン形成において、例えば、ウェハの温度を低くしたい領域直下に、開口部が位置するよう加工する。ただし、ウェハは、プロセス中は回転している。このため、調整用リフレクタ30に設けられた開口部の影響は、ウェハの回転に即した平均である。ウェハの回転の方向に沿って存在する調整用リフレクタ30の開口部と、開口部でない部分との長さの比を調整することで、微妙なウェハの温度分布の調整が可能である。
次に、標準リフレクタ28とインヒータ24との間に、調整用リフレクタ30を設置する。次に、ウェハ(第2の基板)を反応室10内に搬入する。
次にウェハを、環状ホルダ14に載置する。ウェハを回転駆動機構20により回転させながらインヒータ24及びアウトヒータ26により加熱する。
次にウェハ上にTMA、TMG及びアンモニアを用いて、AlN及びAlGaNバッファ層を成膜した後、下地GaN層を成長する。次に、この下地GaN層上にInGaN層とGaN層を交互に成膜してMQW層を形成する。
InGaN層を成膜する場合、反応室10に第1のガス供給路11から、例えば、窒素ガスをキャリアガスとするTMGとTMIの混合ガスを供給する。また、反応室10に、第2のガス供給路12から、例えば、アンモニアを供給する。また、反応室10に、第3のガス供給路13から、希釈ガスとして、例えば、窒素ガスを供給する。
GaN層を成膜する場合、反応室10に第1のガス供給路11から、例えば、窒素ガスをキャリアガスとするTMGを供給する。また、反応室10に、第2のガス供給路12から、例えば、アンモニアを供給する。また、反応室10に、第3のガス供給路13から、希釈ガスとして、例えば、窒素ガスを供給する。
MQW層を形成した後、ウェハを反応室10から搬出する。上記のようにして形成したMQW層は、調整用リフレクタ30の作用により、調整用リフレクタがない場合に比べて成膜時の温度分布が改善されている。したがって、発光波長の均一性が調整用リフレクタ30を用いない場合に比べ高い。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法では、加工が容易な材料で、ウェハの温度分布を調整するための調整用リフレクタ30が形成される。具体的には、圧縮強度若しくは曲げ強度が1000MPa以下、又は、ビッカース硬度が8GPa以下の材料を用いる。
加工の容易性の観点から、調整用リフレクタ30はグラファイトシートであることが望ましい。グラファイトシートは、カッターナイフでの加工が可能であるため、極めて短い時間で、パターンを有する調整用リフレクタ30の作製ができる。
なお、ウェハの温度分布の均一性を向上させる観点から、調整用リフレクタ30は、標準リフレクタ28とインヒータ24との間に設置することが望ましい。
また、ウェハの温度分布の均一性を向上させる観点から、調整用リフレクタ30と、標準リフレクタ28とが、所定距離で離間して設けられることが望ましい。調整用リフレクタ30と標準リフレクタ28との間の距離は、1ミリメートル以上50ミリメートル以下であることが望ましい。
また、調整用リフレクタ30の不均一な変形をなくし、ウェハの温度分布の均一性を向上させる観点から、調整用リフレクタ30の重心は、保持部の回転中心近傍にあることが望ましい。調整用リフレクタ30の重心を、保持部の回転中心近傍にするために、調整用リフレクタ30のパターンは回転対称であることが望ましい。
調整用リフレクタ30の、圧縮強度、曲げ強度、及び、ビッカース硬度の少なくともいずれか一つが、標準リフレクタ28よりも小さい場合を例に説明したが、調整用リフレクタ30と標準リフレクタ28が、同一の圧縮強度、曲げ強度、又は、ビッカース硬度を有していても構わない。調整用リフレクタ30と標準リフレクタ28が、同一の材料であっても構わない。
調整用リフレクタ30の、加工を容易にする観点から、調整用リフレクタ30の圧縮強度又は曲げ強度が800MPa以下であることが望ましく、500MPa以下であることがより望ましい。
なお、調整用リフレクタ30を作製して反応室10内に設置した後、ウェハ(第2の基板)を反応室10内に搬入する前に、再度、テスト用ウェハの温度分布を測定して、調整用リフレクタ30のパターンを調整しても構わない。テスト用ウェハの温度分布の測定と調整用リフレクタ30のパターンの調整を、複数回繰り返しても構わない。
最初にテスト用ウェハの温度分布を測定する際、標準リフレクタ28とインヒータ24との間に、調整用リフレクタ30は設けない場合を例に説明した。しかし、最初にテスト用ウェハの温度分布を測定する際に、あらかじめ所定のパターンを有する調整用リフレクタ30を、標準リフレクタ28とインヒータ24との間に設置しておいても構わない。
以上、本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、ウェハの温度分布を、所望の温度分布に容易に調整することが可能となる。
(第2の実施形態)
本実施形態の気相成長方法は、保持部と、ヒータと、保持部との間にヒータが設けられた第1のリフレクタとを有する反応室に第1の基板を搬入し、第1の基板を、保持部に載置し、第1の基板を回転させつつヒータにより加熱し、反応室にプロセスガスを供給して第1の基板の上に第1の膜を形成し、第1の膜の特性分布を測定し、上記のようにして評価した特性分布に基づき、パターンを有する第2のリフレクタを作製し、第1のリフレクタとヒータとの間に第2のリフレクタを設置し、反応室に第2の基板を搬入し、第2の基板を、保持部に載置し、第2の基板を回転させつつヒータにより加熱し、反応室にプロセスガスを供給して第2の基板の上に第2の膜を形成する。
本実施形態の気相成長方法は、「特性分布」が「膜の特性分布」である点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する。
ここで、膜の特性分布とは、ウェハの温度分布に依存する特性である。第1の膜の特性は、例えば、MQW層の発光波長、膜厚、化学組成、結晶性等である。
本実施形態の気相成長方法は、図1に示すエピタキシャル成長装置を用いる。以下、第1の窒化物半導体膜であるInGaN層と、第2の窒化物半導体膜であるGaN層とが複数積層されたMQW層を、GaN下地層上に形成する場合を例に、本実施形態の気相成長方法について説明する。
本実施形態の気相成長方法では、最初に、テスト用ウェハ(第1の基板)を、反応室10内に搬入する。このとき、標準リフレクタ28と環状ホルダ14との間に、調整用リフレクタ30は設けない。
上記テスト用ウェハに、実際のプロセスに即して、AlN、AlGaNなどのバッファ層を形成した後、GaN下地層を形成する。その後、InGaN層とGaN層を交互に積層してMQW層を形成する。
上記の成膜後、テスト用ウェハを反応室10から搬出し、MQW層のホトルミネッセンス(PL)測定を行う。
PL測定とはMQW層に励起光を照射し、MQW層から放出される蛍光の波長や強度などのスペクトルを測定するものである。
次に、テスト用ウェハのMQW層のPL測定による発光波長分布に基づき、調整用リフレクタ30を作製する。MQW層のPL測定での発光波長は、成膜時の温度が高いほど短くなることが知られている。したがって、PL発光波長が短い部分は温度が低くなるように調整用リフレクタ30のパターンを調整する。
次に、標準リフレクタ28とインヒータ24との間に、調整用リフレクタ30を設置する。次に、ウェハ(第2の基板)を反応室10内に搬入する。
次にウェハを、上記のテスト用ウェハと同様にして、下地GaN層上にMQW層を製膜し、PL測定を行う。
本実施形態の気相成長方法によれば、ウェハの温度分布を調整することにより、ウェハ上に形成される膜特性の分布を所望の分布に容易に調整することが可能となる。
(第3の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間に設けられ、第2のリフレクタを第1のリフレクタと所定距離で離間するように支持する第1の支持部と、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間に設けられ、第2のリフレクタを第1のリフレクタと所定距離で離間するように支持し、第1の支持部よりも保持部の回転中心に近い位置に設けられる第2の支持部とを、更に備える。第1の支持部に加えて、第2の支持部を備える点以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図4は、本実施形態の気相成長装置の模式断面図である。本実施形態の気相成長装置は、例えば、MOCVD法を用いるエピタキシャル成長装置である。
本実施形態の気相成長装置は、第1の支持部32と第2の支持部33とを備える。第1の支持部32及び第2の支持部33は、標準リフレクタ(第1のリフレクタ)28と調整用リフレクタ(第2のリフレクタ)30との間に設けられる。
第1の支持部32及び第2の支持部33は、調整用リフレクタ30を支持する。第2の支持部33は、第1の支持部32よりも環状ホルダ(保持部)14の回転中心に近い位置に設けられる。
図5は、本実施形態のリフレクタの一例の模式平面図である。図5は、標準リフレクタ28である。
図5に示すように、標準リフレクタ28は、例えば、円板状である。例えば、標準リフレクタ28上の外周部の3箇所に第1の支持部32が設けられる。また、標準リフレクタ28上の内周部の3箇所に第2の支持部33が設けられる。言い換えれば、第2の支持部33は、第1の支持部32よりも環状ホルダ14の回転中心(図5中のC)に近い位置に設けられる。
第1の支持部32は、例えば、支持軸35に通される環状の部材である。また、第2の支持部33は、例えば、ウェハWを脱着するプッシュアップピン37に通される環状の部材である。なお、図4には、プッシュアップピン37は図示していない。
調整用リフレクタ30は、加工が容易な材料で形成されるため、自重による撓みが生じる場合がある。調整用リフレクタ30の撓みが生じると、ウェハの温度分布や膜の特性を安定して調整することが困難となる。特に、調整用リフレクタ30の撓み量に経時変化が生ずると、ウェハの温度分布や膜の特性が不安定になる。
本実施形態の気相成長装置によれば、第2の支持部33を第1の支持部32よりも内側に設けることにより、調整用リフレクタ30の撓みが抑制される。したがって、ウェハの温度分布や膜の特性を安定して調整することが可能となる。
以上、本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、ウェハの温度分布や膜の特性を、所望の分布に容易に調整することが可能となる。更に、ウェハの温度分布や膜の特性を、安定して調整することが可能となる。
(第4の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離が可変である点以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図6は、本実施形態のリフレクタの一例の模式断面図である。図6(a)が、標準リフレクタ(第1のリフレクタ)28と調整用リフレクタ(第2のリフレクタ)30との間の距離が短い場合である。図6(b)が、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が長い場合である。
例えば、支持柱34に設けられた支持軸35の外表面にねじ山が設けられる。また、支持部52は、環状の部材であり内表面にねじ山が設けられる。支持部52を回転させることで、支持部52と標準リフレクタ28との距離が可変となる。
図6(a)に示すように、支持部52と標準リフレクタ28との距離を近づけることで、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が短くなる。また、図6(b)に示すように、支持部52と標準リフレクタ28との距離を遠ざけることで、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が長くなる。
ウェハの温度分布は、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離にも依存する。本実施形態の気相成長装置では、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が可変となる。したがって、ウェハの温度分布や膜の特性の調整が、第1の実施形態又は第2の実施形態と比較して、更に容易となる。
(第5の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、長さの異なる支持部を用いて、第1のリフレクタと第2のリフレクタとの間の距離を可変とすること以外は、第4の実施形態と同様である。したがって、第4の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図7は、本実施形態のリフレクタの一例の模式断面図である。図7(a)が標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が短い場合、図7(b)が標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が長い場合である。
例えば、長さの短い支持部54と、長さの長い支持部56を準備する。支持部54と支持部56は、例えば、支持軸35に通される環状の部材である。
図7(a)に示すように、長さの短い支持部54を用いることで、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が短くなる。また、図7(b)に示すように、長さの長い支持部56を用いることで、標準リフレクタ28と調整用リフレクタ30との間の距離が長くなる。
本実施形態の気相成長装置によれば、第4の実施形態と同様、ウェハの温度分布や膜の特性の調整が、第1の実施形態又は第2の実施形態と比較して、更に容易となる。
(第6の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、第2のリフレクタが第1のリフレクタに接して設けられること以外は、第1の実施形態と同様である。したがって、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図8は、本実施形態のリフレクタの一例の模式断面図である。調整用リフレクタ(第2のリフレクタ)30が標準リフレクタ(第1のリフレクタ)28に接して設けられる。
本実施形態の気相成長装置によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態同様、ウェハの温度分布や膜の特性の調整が容易となる。
(第7の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、第2のリフレクタの形状が異なる以外は、第3の実施形態と同様である。したがって、第3の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図9は、本実施形態のリフレクタの一例の模式平面図である。図9(a)は、標準リフレクタ28である。図9(b)は、調整用リフレクタ30を標準リフレクタ28の上方に設置した状態を示す図である。
図9(a)に示すように、標準リフレクタ28は、例えば、円板状である。例えば、標準リフレクタ28上の外周部の3箇所に第1の支持部32が設けられる。また、標準リフレクタ28上の内周部の3箇所に第2の支持部33が設けられる。言い換えれば、第2の支持部33は、第1の支持部32よりも環状ホルダ14の回転中心(図9(a)中のC)に近い位置に設けられる。
第1の支持部32は、例えば、支持軸35に通される環状の部材である。また、第2の支持部33は、例えば、ウェハWを脱着するプッシュアップピン37に通される環状の部材である。
図9(b)に示すように、調整用リフレクタ30は、複数の円板状のリフレクタで構成される。調整用リフレクタ30は、第1の調整用リフレクタ30cと、第2の調整用リフレクタ30dで構成される。
第1の調整用リフレクタ30cは、円板状である。第2の調整用リフレクタ30dは、第1の調整用リフレクタ30cよりも径の小さい円板状である。
本実施形態の気相成長装置によれば、第1の実施形態又は第2の実施形態同様、ウェハの温度分布や膜の特性の調整が容易となる。
(第8の実施形態)
本実施形態の気相成長方法は、第1の基板を、ヒータと、ヒータを介して第1の基板と反対の位置に配置された第1のパターンのリフレクタを用いて加熱し、所定のプロセス条件における第1の基板の特性分布を測定し、ヒータと、特性分布に基づき第1のパターンと異なる第2のパターンに変更されたリフレクタと、を用いて、所定のプロセス条件により第2の基板の上に膜を形成する。
本実施形態の気相成長方法は、調整用リフレクタのパターンの変更を、調整用部材の着脱により行う点で第1の実施形態と異なる。本実施形態の気相成長方法は、リフレクタが着脱可能な部材を有し、リフレクタは、部材の着脱により、第1のパターンから第2のパターンに変更される。以下、第1の実施形態と重複する内容については、記述を省略する。
以下、本実施形態の気相成長方法について説明する。本実施形態の気相成長方法は、図1に示すエピタキシャル成長装置を用いる。
本実施形態の気相成長方法では、最初に、テスト用ウェハ(第1の基板)を、反応室10内に搬入する。テスト用ウェハは実際のプロセスに用いる基板などが好適に用いられる。以下の例ではシリコン基板上に実際のプロセスを行う場合について説明する。
最初に、標準リフレクタ28と環状ホルダ14との間に、第1のパターンを有する調整用リフレクタ(リフレクタ)130を設ける。なお、便宜上、開口部などを備えない円板形状も第1のパターンと称する。
次に、テスト用ウェハを、環状ホルダ14に載置する。テスト用ウェハを回転駆動機構20により回転させながらインヒータ24及びアウトヒータ26により加熱する。テスト用ウェハを温度や成長雰囲気をMQWの成長条件に即した所定の条件に保持しながら、テスト用ウェハの温度分布を測定する。温度分布は、例えば、放射温度計により測定する。
テスト用ウェハの温度測定後、テスト用ウェハを反応室10から搬出する。
次に、上記のようにして測定したテスト用ウェハの温度分布に基づき、調整用リフレクタ130のパターンを第1のパターンから第1のパターンと異なる第2のパターンに変更する。
図10は、本実施形態のリフレクタの一例の模式平面図である。図10は調整用リフレクタ130である。図10(a)は、調整用リフレクタ130から調整用部材130aが全て取り外された状態を示す。図10(b)は、調整用リフレクタ130に調整用部材130aが全て取り付けられた状態を示す。
図10(a)に示すように、調整用リフレクタ130には例えば複数の開口部130bが設けられる。開口部は必ずしも複数でなくても1つでもよい。また、図10(b)に示すように、調整用部材130aを取り付けることで、複数の開口部130bを塞ぐことが可能である。
調整用リフレクタ130及び調整用部材130aの材質は、例えば、SiCでコートされたグラファイトである。
図11は、本実施形態のリフレクタの一例の模式平面図である。図11(a)は、調整用リフレクタ130の最外周の開口部130bを調整用部材130aで塞いだ状態を示す。また、図11(b)は、調整用リフレクタ130の最外周の開口部130b以外の開口部130bを調整用部材130aで塞いだ状態を示す。
例えば、図10(a)のパターンを第1のパターンとする。テスト用ウェハの温度分布を測定した結果、例えば、テスト用ウェハの外周の温度を相対的に高くしたい場合、図11(a)のパターンを第2のパターンとする。また、例えば、テスト用ウェハの外周の温度を相対的に低くしたい場合、図11(b)のパターンを第2のパターンとする。
例えば、図10(b)、図11(a)、又は、図11(b)のパターンを第1のパターンとすることも可能である。
次にウェハを、環状ホルダ14に載置する。ウェハを回転駆動機構20により回転させながらインヒータ24及びアウトヒータ26により加熱する。
次にウェハ上にTMA、TMG及びアンモニアを用いて、AlN及びAlGaNバッファ層を成膜した後、下地GaN層を成長する。次に、この下地GaN層上にInGaN層とGaN層を交互に成膜してMQW層を形成する。
MQW層を形成した後、ウェハを反応室10から搬出する。上記のようにして形成したMQW層は、調整用リフレクタ130の作用により、調整用リフレクタのパターンが第1のパターンである場合に比べて成膜時の温度分布が改善されている。したがって、発光波長の均一性が調整用リフレクタ130を用いない場合に比べ高い。
調整用部材130a及び開口部130bの形状は、円形に限定されるものではない。例えば、三角形、四角形、その他の多角形など、円形以外の形状であっても構わない。
なお、調整用リフレクタ130の第1のパターンから第2のパターンへの変更を、開口部130bへの調整用部材130aの着脱で行う場合を例に説明した。しかし、例えば、あらかじめ準備したシート状の調整用部材130aを、円板状の調整用リフレクタ130の表面に着脱することで、第1のパターンから第2のパターンへの変更を行うことも可能である。
また、調整用リフレクタ130の材質は、調整用部材130aの材料と同一であっても異なっていても構わない。例えば、調整用部材130aに、調整用リフレクタ130の材料と異なる反射率の材料を適用することも可能である。
以上、本実施形態の気相成長方法によれば、ウェハの温度分布を、所望の温度分布に容易に調整することが可能となる。
(第9の実施形態)
本実施形態の気相成長装置は、反応室と、反応室内に設けられ、基板を載置する保持部と、基板を加熱するヒータと、保持部との間にヒータが設けられる第1のリフレクタと、第1のリフレクタとヒータとの間に設けられ、第1のサブパターンを有する第1の部分と、第2のサブパターンを有する第2の部分を有し、第1の部分と第2の部分が相対的に回転可能な第2のリフレクタと、保持部に固定され、保持部を回転させる回転軸と、を備える。
本実施形態の気相成長装置は、第2のリフレクタが互いに回転可能な第1の部分と第2の部分とを有する点で第1の実施形態と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
また、本実施形態の気相成長方法は、リフレクタが第1のサブパターンを有する第1の部分と、第2のサブパターンを有する第2の部分とを有し、リフレクタは、第1の部分と第2の部分との相対的な回転により第1のパターンから第2のパターンに変更される点で第8の実施形態と異なる。以下、第8の実施形態と重複する内容については、記述を省略する。
本実施形態の気相成長装置は、標準リフレクタ28(第1のリフレクタ)と調整用リフレクタ230(第2のリフレクタ)を備える。標準リフレクタ28の構成は、第1の実施形態と同様である。
図17は、本実施形態の調整用リフレクタの一例の模式図である。図17(a)、図17(b)、図17(c)は、リフレクタを上方から見た図、図17(d)は、図17(c)のAA’断面図である。
調整用リフレクタ230は、ベースリフレクタ231(第1の部分)とカバーリフレクタ232(第2の部分)を有する。調整用リフレクタ230は、固定軸234を有する。固定軸234は、ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232の相対的な回転の回転中心となる。
ベースリフレクタ231及びカバーリフレクタ232は、例えば、セラミックスや金属で形成される。ベースリフレクタ231及びカバーリフレクタ232には、例えば、セラミックスとしては炭化珪素(SiC)、グラファイト、パイロリティックグラファイト(PG)、窒化ホウ素(BN)、炭化タンタル(TaC)、などを用いることができる。また、金属としてはタングステン、モリブデン、レニウムなどの高融点金属を用いることができる。また、グラファイトなどの基材に、SiC、BN、PG、TaCなどをコートしたものを用いることもできる。また、炭素繊維強化炭素複合材料(C/Cコンポジット)、焼結性窒化ホウ素(BN)、窒化ホウ素と窒化珪素の混合物などを用いることができる。
図17(a)はベースリフレクタ231、図17(b)はカバーリフレクタ232である。図17(c)、図17(d)は、ベースリフレクタ231の上にカバーリフレクタ232が重ね合わされた状態を示す。固定軸234はカバーリフレクタ232を貫通する。
図17(a)に示すように、ベースリフレクタ231は、第1のサブパターンを有する。第1のサブパターンは、4個の穴パターン231aで構成される。穴パターン231aは、回転中心を通る対称軸Xを有する。穴パターン231aは、対称軸Xに対して線対称である。
図17(b)に示すように、カバーリフレクタ232は、第2のサブパターンを有する。第2のサブパターンは、4個の穴パターン232aで構成される。穴パターン232aは、回転中心を通る対称軸Yを有する。穴パターン232aは、対称軸Xに対して線対称である。
図17(c)に示すように、ベースリフレクタ231の上にカバーリフレクタ232が重ね合わされることにより、第1のサブパターンと第2のサブパターンが重なり、調整用リフレクタ230のパターンが形成される。
図18は、本実施形態の調整用リフレクタのパターンの変化を示す図である。ベースリフレクタ231に対し、カバーリフレクタ232が固定軸234を回転中心として所定の回転角だけ回転し、調整用リフレクタ230のパターンが変化する様子を示す。
図18(a)は、ベースリフレクタ231の穴パターン231aと、カバーリフレクタ232の穴パターン232aが完全に重なる状態である。図18(a)のパターンの回転角を0度とする。例えば、図18(a)のパターンを第1のパターンと称する。
図18(b)、図18(c)、図18(d)、図18(e)は、図18(a)のパターンからカバーリフレクタ232を反時計回りに、それぞれ、10度、15度、20度、30度回転させたパターンを示す。例えば、図18(a)、図18(b)、図18(c)、図18(d)、図18(e)のパターンを第2のパターンと称する。
調整用リフレクタ230の第1のパターンから第2のパターンへの変更は、ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232とを相対的に回転させることより実現される。ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232が相対的に回転することにより、第1のサブパターンと第2のサブパターンとの重なり度合いが変化する。ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232が相対的に回転することにより、調整用リフレクタ230の開口面積が変化する。
図18(a)のパターンの場合に、調整用リフレクタ230の開口面積が最も広くなる。図18(b)、図18(c)、図18(d)の順に調整用リフレクタ230の開口面積が狭くなる。図18(e)のパターンの場合に、調整用リフレクタ230の開口部が無くなり、開口面積が最も狭くなる。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、調整用リフレクタ230のパターンが第1のパターンから第2のパターンに変更されることにより、ウェハWの特性分布を容易に調整することが可能となる。ウェハWの特性分布は、例えば、ウェハWの温度分布である。
ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232とを相対的に回転させることにより、調整用リフレクタ230のパターンが連続的に変化する。例えば、調整用リフレクタ230の開口面積が連続的に変化する。したがって、ウェハWの特性分布を精密に調整することが容易となる。
また、ベースリフレクタ231とカバーリフレクタ232とを相対的に回転させるだけで、調整用リフレクタ230のパターンが変化する。したがって、例えば、インヒータ24やアウトヒータ26を分解することなく、調整用リフレクタ230のパターンを第1のパターンから第2のパターンへ変更できる。したがって、ウェハWの特性分布の調整を短時間で行うことが可能となる。
以上、ベースリフレクタ231の第1のサブパターンが穴パターン231aで構成される場合を例に説明したが、第1のサブパターンは穴パターン231aで構成される場合に限定されるものではない。例えば、第1のサブパターンは、ベースリフレクタ231の表面に、他の領域と反射率の異なるパターンを設けることにより形成されても構わない。他の領域と反射率の異なるパターンとは、例えば、他の領域と異なる材質のパターンである。
(第10の実施形態)
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法は、第1のサブパターンと第2のサブパターンの少なくともいずれか一方が穴パターンを有し、穴パターンが第1の部分の回転中心を通る対称軸又は第2の部分の回転中心を通る対称軸を有しない点で、第9の実施形態と異なる。以下、第9の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図19は、本実施形態の調整用リフレクタの一例の模式図である。図19(a)、図19(b)、図19(c)は、リフレクタを上方から見た図、図19(d)は、図19(c)のBB’断面図である。
調整用リフレクタ330は、ベースリフレクタ331(第1の部分)とカバーリフレクタ332(第2の部分)を有する。調整用リフレクタ330は、固定軸334を有する。固定軸334は、ベースリフレクタ331とカバーリフレクタ332の相対的な回転の回転中心となる。
図19(a)はベースリフレクタ331、図19(b)はカバーリフレクタ332である。図19(c)、図19(d)は、ベースリフレクタ331の上にカバーリフレクタ332が重ね合わされた状態を示す。
図19(a)に示すように、ベースリフレクタ331は、第1のサブパターンを有する。第1のサブパターンは、4個の穴パターン331aで構成される。穴パターン331aは、回転中心を通る対称軸Xを有する。穴パターン331aは、対称軸Xに対して線対称である。
図19(b)に示すように、カバーリフレクタ332は、第2のサブパターンを有する。第2のサブパターンは、4個の穴パターン332aで構成される。穴パターン332aは、回転中心を通る対称軸を有しない。言い換えれば、穴パターン332aは、カバーリフレクタ332の周方向に見て線対称性を有しない。
図19(c)、図19(d)に示すように、ベースリフレクタ331の上にカバーリフレクタ332が重ね合わされることにより、第1のサブパターンと第2のサブパターンが重なり、調整用リフレクタ330のパターンが形成される。
図20、図21は、本実施形態の調整用リフレクタのパターンの変化を示す図である。ベースリフレクタ331に対し、カバーリフレクタ332が固定軸334を回転中心として所定の回転角だけ回転し、調整用リフレクタ330のパターンが変化する様子を示す。
図20(a)は、ベースリフレクタ331の穴パターン331aと、カバーリフレクタ332の穴パターン332aが重なる状態である。図20(a)のパターンの回転角を0度とする。例えば、図20(a)のパターンを第1のパターンと称する。
図20(b)、図20(c)、図20(d)、図20(e)、図20(f)、図21(a)、図21(b)は、図20(a)のパターンからカバーリフレクタ332を反時計回りに、それぞれ、10度、20度、30度、40度、50度、60度、70度回転させたパターンを示す。例えば、図20(b)、図20(c)、図20(d)、図20(e)、図20(f)、図21(a)、図21(b)のパターンを第2のパターンと称する。
調整用リフレクタ330の第1のパターンから第2のパターンへの変更は、ベースリフレクタ331とカバーリフレクタ332とを相対的に回転させることより実現される。ベースリフレクタ331とカバーリフレクタ332が相対的に回転することにより、第1のサブパターンと第2のサブパターンとの重なり度合いが変化する。ベースリフレクタ331とカバーリフレクタ332が相対的に回転することにより、調整用リフレクタ330の開口面積が変化する。
図20(a)のパターンの場合に、調整用リフレクタ330の開口面積が最も広くなる。図20(b)、図20(c)、図20(d)、図20(e)、図20(f)、図21(a)の順に調整用リフレクタ330の開口面積が狭くなる。図21(b)のパターンで、調整用リフレクタ330の開口部が無くなり、開口面積が最も狭くなる。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、第9の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、カバーリフレクタ332の穴パターン332aは、カバーリフレクタ332の周方向に見て線対称性を有しないため、調整用リフレクタ330の開口面積の回転角に対する変化率に非対称性が生ずる。例えば、カバーリフレクタ332を反時計回りに回転させる場合と、時計回りに回転させる場合とで開口面積の回転角に対する変化率に差が生じる。穴パターン332aの非対称性を利用することで、より複雑なパターンの変化を実現することが可能となる。よって、更にウェハWの特性分布を精密に調整することが可能となる。なお、ベースリフレクタ331の穴パターン331aについて線対称性を有しない構成にすることも、カバーリフレクタ332の穴パターン332aとベースリフレクタ331の穴パターン331aの双方について線対称性を有しない構成にすることも、可能である。
(第11の実施形態)
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法は、第2のサブパターンが穴パターンを有しない点で、第9の実施形態と異なる。以下、第9の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図22は、本実施形態の調整用リフレクタの一例の模式図である。図22(a)、図22(b)、図22(c)は、リフレクタを上方から見た図、図22(d)は、図22(c)のCC’断面図である。
調整用リフレクタ430は、ベースリフレクタ431(第1の部分)とカバーリフレクタ432(第2の部分)を有する。
図22(a)はベースリフレクタ431、図22(b)はカバーリフレクタ432である。図22(c)、図22(d)は、ベースリフレクタ431の上にカバーリフレクタ432が重ね合わされた状態を示す。
図22(a)に示すように、ベースリフレクタ431は、第1のサブパターンを有する。第1のサブパターンは、穴パターン431aで構成される。穴パターン431aは、ベースリフレクタ431とカバーリフレクタ432の相対的な回転の回転中心を通る対称軸Xを有する。穴パターン431aは、対称軸Xに対して線対称である。ベースリフレクタ431とカバーリフレクタ432の相対的な回転の回転中心は、ベースリフレクタ431の中心と一致する。
また、ベースリフレクタ431は、内周部431bと外周部431cを有する。内周部431bは凹形状である。穴パターン431aは、内周部431bに設けられる。
図22(b)に示すように、カバーリフレクタ432は、第2のサブパターンを有する。第2のサブパターンは、穴パターン431aを覆う十字形状である。第2のサブパターンは穴パターンを有しない。
図22(c)に示すように、ベースリフレクタ431の内周部431bに、カバーリフレクタ432がはめ込まれる。第1のサブパターンと第2のサブパターンが重なり、調整用リフレクタ430のパターンが形成される。
図23は、本実施形態の調整用リフレクタのパターンの変化を示す図である。ベースリフレクタ431に対し、カバーリフレクタ432を所定の回転角だけ回転させ、調整用リフレクタ330のパターンが変化する様子を示す。
図23(a)は、ベースリフレクタ431の穴パターン431aと、カバーリフレクタ432の十字形状が重なる状態である。図23(a)のパターンの回転角を0度とする。例えば、図23(a)のパターンを第1のパターンと称する。
図23(b)、図23(c)、図23(d)、図23(e)、図23(f)は、図23(a)のパターンからカバーリフレクタ432を反時計回りに、それぞれ、10度、20度、30度、40度、45度回転させたパターンを示す。例えば、図23(b)、図23(c)、図23(d)、図23(e)、図23(f)のパターンを第2のパターンと称する。
調整用リフレクタ430の第1のパターンから第2のパターンへの変更は、ベースリフレクタ431とカバーリフレクタ432とを相対的に回転させることより実現される。ベースリフレクタ431とカバーリフレクタ432が相対的に回転することにより、第1のサブパターンと第2のサブパターンとの重なり度合いが変化する。ベースリフレクタ431とカバーリフレクタ432が相対的に回転することにより、調整用リフレクタ430の開口面積が変化する。
図23(a)のパターンは、調整用リフレクタ430の開口部が無い。図23(a)のパターンの場合に、調整用リフレクタ430の開口面積が最も狭くなる。図23(b)、図23(c)、図23(d)、図23(e)の順に調整用リフレクタ430の開口面積が広くなる。図23(f)のパターンで、調整用リフレクタ430の開口部が最も広くなる。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、第9の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、調整用リフレクタ430は、ベースリフレクタ431の内周部431bに、カバーリフレクタ432をはめ込むだけの簡便な構造であり、製造コストが低減する。
(第12の実施形態)
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法は、第2のリフレクタが第1の部分及び第2の部分と相対的に回転可能な第3の部分を有する点で、第9の実施形態と異なる。以下、第9の実施形態と重複する内容については記述を省略する。
図24は、本実施形態の調整用リフレクタの一例の模式図である。図24(a)、図24(b)、図24(c)、図24(d)は、リフレクタを上方から見た図、図24(e)は、図24(d)のDD’断面図である。
調整用リフレクタ530は、ベースリフレクタ531(第1の部分)、外側カバーリフレクタ532(第2の部分)、及び、内側カバーリフレクタ533(第3の部分)を有する。調整用リフレクタ530は、固定軸534を有する。固定軸534は、ベースリフレクタ531、外側カバーリフレクタ532、及び、内側カバーリフレクタ533の相対的な回転の回転中心となる。固定軸534は、内側カバーリフレクタ533を貫通する。
図24(a)はベースリフレクタ531、図24(b)は外側カバーリフレクタ532、図24(c)は内側カバーリフレクタ533である。図24(d)、図24(e)は、ベースリフレクタ531の上に、外側カバーリフレクタ532、及び、内側カバーリフレクタ533が重ね合わされた状態を示す。
図24(d)、図24(e)に示されるように、内側カバーリフレクタ533の外側に外側カバーリフレクタ532がはめ込まれる。外側カバーリフレクタ532と内側カバーリフレクタ533は、それぞれ独立にベースリフレクタ531に対して回転可能である。
図24(a)に示すように、ベースリフレクタ531は、第1のサブパターンを有する。第1のサブパターンは、外周部の8個の穴パターン531aと、内周部の4個の穴パターン531bで構成される。外周部の穴パターン531aは、回転中心を通る対称軸を有する。一方、内周部の穴パターン531bは、回転中心を通る対称軸を有しない。
図24(b)に示すように、外側カバーリフレクタ532は、第2のサブパターンを有する。第2のサブパターンは、ベースリフレクタ531の外周部の8個の穴パターン531aに対応する8個の突起532aを有する円環状のパターンである。
図24(c)に示すように、内側カバーリフレクタ533は、第3のサブパターンを有する。第3のサブパターンは、ベースリフレクタ531の内周部の4個の穴パターン531bに対応する4個の穴パターン533aで構成される。
図24(d)に示すように、ベースリフレクタ531の上に外側カバーリフレクタ532、及び、内側カバーリフレクタ533が重ね合わされることにより、第1のサブパターンと第2のサブパターン及び第3のサブパターンが重なり、調整用リフレクタ530のパターンが形成される。
図25は、本実施形態の調整用リフレクタのパターンの変化を示す図である。ベースリフレクタ531に対し、外側カバーリフレクタ532、及び、内側カバーリフレクタ533が、独立に固定軸534を回転中心として所定の回転角だけ回転し、調整用リフレクタ530のパターンが変化する様子を示す。
図25(a)は、ベースリフレクタ531の外周部の8個の穴パターン531aと外側カバーリフレクタ532の8個の突起532aが重ならず、かつ、ベースリフレクタ531の内周部の4個の穴パターン531bと内側カバーリフレクタ533の4個の穴パターン533aが重なる状態である。図24(a)のパターンの内側カバーリフレクタ533の回転角を0度とする。また、図24(a)のパターンの外側カバーリフレクタ532の回転角を0度とする。例えば、図25(a)のパターンを第1のパターンと称する。
図25(b)、図25(c)、図25(d)は、図25(a)のパターンから内側カバーリフレクタ533、及び、外側カバーリフレクタ532を独立に反時計回りに、回転させたパターンを示す。図25(b)は、内側カバーリフレクタ533の回転角が15度、外側カバーリフレクタ532の回転角が10度である。図25(c)は、内側カバーリフレクタ533の回転角が45度、外側カバーリフレクタ532の回転角が10度である。図25(d)は、内側カバーリフレクタ533の回転角が45度、外側カバーリフレクタ532の回転角が22.5度である。例えば、図25(b)、図25(c)、図25(d)のパターンを第2のパターンと称する。
調整用リフレクタ530の第1のパターンから第2のパターンへの変更は、ベースリフレクタ531と、内側カバーリフレクタ533、及び、外側カバーリフレクタ532を独立に相対的に回転させることより実現される。ベースリフレクタ531と、内側カバーリフレクタ533、及び、外側カバーリフレクタ532が相対的に回転することにより、第1のサブパターンと、第2のサブパターン、及び、第3のサブパターンとの重なり度合いが変化する。ベースリフレクタ531と、内側カバーリフレクタ533、及び、外側カバーリフレクタ532が相対的に回転することにより、調整用リフレクタ530の開口面積が変化する。
図25(a)のパターンの場合に、調整用リフレクタ530の開口面積が最も広くなる。図25(d)のパターンでは、調整用リフレクタ530の開口部が無くなり、開口面積が最も狭くなる。
本実施形態の気相成長装置及び気相成長方法によれば、第9の実施形態と同様の効果が得られる。さらに、独立に回転する2つのカバーリフレクタ、すなわち、内側カバーリフレクタ533、及び、外側カバーリフレクタ532を備えることにより、より複雑なパターンの変化を実現することが可能となる。よって、更にウェハWの特性分布を精密に調整することが可能となる。
以下、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
第1の実施形態の気相成長装置及び気相成長方法を用いて、ウェハの温度分布を調整した。
図12は、実施例1のリフレクタの模式平面図である。図12は調整用リフレクタ30である。
実施例1では、標準リフレクタ28として円板状のリフレクタを用いる。また、調整用リフレクタ30として、図12に示すパターンのリフレクタを用いる。
(比較例1)
調整用リフレクタ30を用いず、リフレクタは標準リフレクタ28のみとする以外は、実施例1と同様の方法で、ウェハの温度分布を測定した。
図13は、実施例1と比較例1のウェハ温度分布を示す図である。調整用リフレクタ30のウェハ温度分布に与える影響を示す図である。横軸がウェハ中心からの距離、縦軸がウェハ温度である。
図13から明らかなように、調整用リフレクタ30を用いることで、ウェハの温度の均一性が向上する。
(実施例2)
第2の実施形態の気相成長方法を用いて、ウェハの温度分布を調整し、ウェハの膜特性を調整した。
図14及び図15は、実施例2のリフレクタの模式平面図である。図14及び図15は調整用リフレクタ30である。
図14(a)が第1の調整用リフレクタ30a、図14(b)が第2の調整用リフレクタ30bである。図15は、第1の調整用リフレクタ30a上に第2の調整用リフレクタ30bを重ねた状態を示す。
標準リフレクタ28として円板状のリフレクタを用いる。また、調整用リフレクタ30として、図15に示す第1の調整用リフレクタ30aと第2の調整用リフレクタ30bを重ねたリフレクタを用いた。
ウェハに成膜したMQW層のPL測定を行い、発光波長分布を測定した。
(実施例3)
第1の調整用リフレクタ30aの内周側開口部42の大きさを小さくした以外は、実施例2と同様の方法で、発光波長分布を測定した。
(比較例2)
比較例2は、テスト用ウェハである。実施例2又は実施例3のウェハへの成膜に先立ち、実施例2及び実施例3と同一のプロセス条件でMQW層を成膜した。リフレクタは標準リフレクタ28のみで成膜した。成膜されたMQW層のPL測定を行い、発光波長分布を測定した。
図16は、実施例2、実施例3、及び、比較例2のMQW層の発光波長分布を示す図である。横軸がウェハ中心からの距離、縦軸が発光波長である。
実施例2、3は、比較例2の調整用リフレクタ30a、30bがない状態で成膜したMQW層のPL波長分布をより均一にすることを目的とするものである。とくに半径が50mm以内での波長均一性の向上を目的としている。
図16に示すように、比較例2に比べて調整用リフレクタ30a、30bを用いた実施例2での半径50mm以内でのPL測定での波長分布は大きく改善している。更に調整用リフレクタ30aの形状を調整した実施例3の成長では、きわめて均一な波長分布が達成されている。
なお、半径が50mmより大きい部分についてのMQW層のPL測定での波長の均一性も同様にして調整用リフレクタ30a、30bのパターンを調整することによって向上させることができる、また、上部ヒータと下部ヒータのパワーの比率を調整してもよい。ただし、半径が50mm以下の部分では、主に下部ヒータによる加熱により温度が決まるため、温度分布の調整に上部ヒータと下部ヒータのパワーの比率を用いることは大きな効果が期待できない。その点で、調整用リフレクタ30a、30bを調整することで半径が小さい部分での細かい温度調整が可能なことの意味は重要である。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態及び実施例について説明した。上記、実施形態及び実施例はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、各実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもかまわない。
例えば、実施形態及び実施例では、調整用リフレクタ(第2のリフレクタ)30の形状として、円板に開口部が設けられる場合、及び、複数の円板の場合を例に説明した。しかし、調整用リフレクタ30は、上記形状に限定されず、パターンを有していれば如何なる形状でも構わない。調整用リフレクタ30は、例えば、星型、多角形、複数の矩形板であっても構わない。
また、標準リフレクタ28が1枚の場合を例に説明したが、標準リフレクタ28は2枚以上であっても構わない。
例えば、実施形態では、GaN膜上にInGaN膜と、GaN膜とが複数積層された積層膜をエピタキシャル成長させる場合を例に説明したが、例えば、AlN(窒化アルミニウム)、AlGaN(窒化アルミニウムガリウム)等、その他のIII−V族の窒化物系半導体の単結晶膜等の成膜にも本発明を適用することが可能である。また、GaAs等のIII−V族の半導体にも本発明を適用することが可能である。更に、本発明は、その他の膜の成膜にも適用することが可能である。
また、プロセスガスがシャワープレート内で混合される場合を例に説明したが、プロセスガスがシャワープレートに入る前に混合される構成であってもかまわない。また、プロセスガスがシャワープレートから反応室内に噴出されるまで分離された状態となる構成であってもかまわない。
また、ウェハの保持部として環状ホルダ14を例に説明したが、ウェハの保持部は中央部に開口部有しない皿状のサセプタであっても構わない。
また、ヒータとして、インヒータ24とアウトヒータ26の2種を備える場合を例に説明したが、ヒータは1種のみであっても構わない。
なお以上の例では、調整用のリフレクタの開口部がある部分では基板の温度上昇がそれ以外の部分に比べて小さい場合について説明した。しかし、基板の温度変化はリフレクタの反射率によっては逆の作用を及ぼす場合もある。その場合には基板の温度をほかの部分に比べて大きく上げたい部分については、対応する調整用リフレクタの位置に開口部を設ければよい。
実施形態では、装置構成や製造方法等、本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や製造方法等を適宜選択して用いることができる。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての気相成長装置及び気相成長方法は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。