JP2023026116A - 分割リフレクタ、リフレクタユニット、及び気相成長装置 - Google Patents

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Abstract

【目的】耐久性が向上できる分割リフレクタを提供する。【構成】実施形態の分割リフレクタは、気相成長装置に用いられ、円板状の内側部分と、内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、内周から外周に至る第2のスリットと、を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスを供給して成膜を行う気相成長装置に用いられる分割リフレクタ、リフレクタユニット、及び気相成長装置に関する。
高品質な半導体膜を成膜する方法として、ウェハ等の基板に気相成長により単結晶膜を成長させるエピタキシャル成長技術がある。エピタキシャル成長技術を用いる気相成長装置では、常圧又は減圧に保持された反応室内の支持部にウェハを載置する。
そして、このウェハを加熱しながら、成膜の原料となるソースガス等のプロセスガスを、反応室上部から反応室内のウェハ表面に供給する。ウェハ表面ではソースガスの熱反応が生じ、ウェハ表面にエピタキシャル単結晶膜が成膜される。
ウェハ表面に形成されるエピタキシャル単結晶膜の特性は、ウェハの温度に依存する。このため、ウェハ面内の温度の高い均一性を達成することが望まれる。特許文献1には、ウェハを加熱するヒータの下方にリフレクタを設け、リフレクタを上下移動させることにより、ウェハの温度分布を制御する気相成長装置が記載されている。
ヒータの下方にリフレクタを設けた場合、リフレクタの中の温度勾配により熱応力が発生し、リフレクタの耐久性が低下するおそれがある。特許文献2には、リフレクタにスリットを設け、熱応力によるリフレクタの破損を防止する気相成長装置が記載されている。
特開2013-51351号公報 特開2015-191960号公報
本発明が解決しようとする課題は、耐久性が向上できる分割リフレクタ、リフレクタユニット及び気相成長装置を提供することにある。
本発明の一態様の分割リフレクタは、気相成長装置に用いられ、円板状の内側部分と、前記内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、前記外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、前記内周から前記外周に至る第2のスリットと、を有する。
上記態様の分割リフレクタにおいて、前記内側部分は前記外側部分に支持されることが好ましい。
上記態様の分割リフレクタにおいて、前記外側部分は前記外周に切り欠き部を有し、前記第1のスリットは前記内周から前記切り欠き部に至ることが好ましい。
本発明の一態様のリフレクタユニットは、上記態様の分割リフレクタと、前記分割リフレクタを支持し、前記分割リフレクタの前記内側部分より最外周の直径が大きい下部リフレクタと、を備える。
本発明の一態様の気相成長装置は、反応室と、前記反応室内に設けられ基板を載置するホルダと、前記ホルダの下方に設けられる環状のアウトヒータと、前記アウトヒータの下方に設けられるインヒータと、前記インヒータの下方に設けられ、円板状の内側部分と、前記内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、前記外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、前記内周から前記外周に至る第2のスリットと、を有する分割リフレクタと、を備える。
本発明によれば、耐久性が向上できる分割リフレクタ、リフレクタユニット、及び気相成長装置を提供することができる。
第1の実施形態の気相成長装置の模式断面図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの第1の変形例の模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの第2の変形例の模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの第3の変形例の模式図。 第1の実施形態のリフレクタユニットの第4の変形例の模式図。 第2の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第2の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第3の実施形態のリフレクタユニットの模式図。 第4の実施形態のリフレクタユニットの模式図。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本明細書中、同一又は類似の部材について、同一の符号を付す場合がある。
本明細書中、気相成長装置が成膜可能に設置された状態での重力方向を「下」と定義し、その逆方向を「上」と定義する。したがって、「下部」とは、基準に対し重力方向の位置、「下方」とは基準に対し重力方向を意味する。そして、「上部」とは、基準に対し重力方向と逆方向の位置、「上方」とは基準に対し重力方向と逆方向を意味する。また、「縦方向」とは重力方向である。
また、本明細書中、「プロセスガス」とは、基板上への成膜のために用いられるガスの総称であり、例えば、ソースガス、キャリアガス、希釈ガス等を含む概念とする。
(第1の実施形態)
第1の実施形態の分割リフレクタは、気相成長装置に用いられ、円板状の内側部分と、内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、内周から外周に至る第2のスリットと、を有する。
また、第1の実施形態の気相成長装置は、反応室と、反応室内に設けられ基板を載置するホルダと、ホルダの下方に設けられる環状のアウトヒータと、アウトヒータの下方に設けられるインヒータと、インヒータの下方に設けられ、円板状の内側部分と、内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、内周から外周に至る第2のスリットと、を有する分割リフレクタと、を備える。
図1は、第1の実施形態の気相成長装置の模式断面図である。第1の実施形態の気相成長装置は、例えば、有機金属気相成長法(MOCVD法)を用いる枚葉型のエピタキシャル成長装置である。
第1の実施形態の気相成長装置は、反応室10、第1のガス供給路11、第2のガス供給路12、第3のガス供給路13を備えている。反応室10は、ホルダ14、回転体ユニット16、回転軸18、回転駆動機構20、シャワープレート22、インヒータ24、アウトヒータ26、リフレクタユニット30、支持柱34、固定台36、固定軸38、ガス排出口40を備えている。リフレクタユニット30は、上部リフレクタ31(分割リフレクタ)と下部リフレクタ32を含む。
第1のガス供給路11、第2のガス供給路12、及び第3のガス供給路13は、反応室10にプロセスガスを供給する。
第1のガス供給路11は、例えば、反応室10にIII族元素の有機金属とキャリアガスを含む第1のプロセスガスを供給する。第1のプロセスガスは、ウェハW上にIII-V族半導体の膜を成膜する際の、III族元素を含むガスである。
III族元素は、例えば、ガリウム(Ga)、Al(アルミニウム)、In(インジウム)である。また、有機金属は、例えば、トリメチルガリウム(TMG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)である。
第2のガス供給路12は、例えば、反応室10にアンモニア(NH)を含む第2のプロセスガスを供給する。第2のプロセスガスは、ウェハ上にIII-V族半導体の膜を成膜する際の、V族元素を含むガスである。V族元素は、例えば、窒素(N)である。
第3のガス供給路13は、例えば、第1のプロセスガス及び第2のプロセスガスを希釈する希釈ガスを反応室10へ供給する。希釈ガスで、第1のプロセスガス及び第2のプロセスガスを希釈することにより、反応室10に供給されるIII族元素及びV族元素の濃度を調整する。希釈ガスは、例えば、不活性ガスである。希釈ガスは、例えば、水素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、又は、上記ガスの混合ガスである。
反応室10は、例えば、ステンレス製で円筒状の壁面17を備える。シャワープレート22は反応室10の上部に設けられる。シャワープレート22には、複数のガス噴出孔が設けられる。複数のガス噴出孔から反応室10内にプロセスガスが供給される。
ホルダ14は、反応室10の内部に設けられる。ホルダ14には、基板の一例であるウェハWが載置可能である。ホルダ14は、例えば、環状である。ホルダ14には、例えば、中心部に開口部が設けられる。
ホルダ14は、回転体ユニット16の上部に固定される。回転体ユニット16は、回転軸18に固定される。ホルダ14は、間接的に回転軸18に固定される。
ホルダ14の材料は、例えば、セラミックスである。ホルダ14の材料となるセラミックスは、例えば、炭化珪素、タンタルカーバイド、窒化ホウ素、窒化ケイ素である。ホルダ14の材料として、カーボンを用いることも可能である。ホルダ14の材料として、カーボンに、例えば、炭化珪素、タンタルカーバイド、窒化ホウ素等のセラミックスを被覆した材料を用いることも可能である。
回転軸18は、回転駆動機構20によって回転可能である。回転駆動機構20により、回転軸を回転させることによりホルダ14を回転させることが可能である。ホルダ14を回転させることにより、ホルダ14に載置されたウェハWを回転させることが可能である。
回転駆動機構20により、ウェハWを、例えば、50rpm以上3000rpm以下の回転数で回転させることができる。回転駆動機構20は、例えば、モータとベアリングで構成される。
インヒータ24とアウトヒータ26は、ホルダ14の下方に設けられる。インヒータ24とアウトヒータ26は、回転体ユニット16内に設けられる。アウトヒータ26は、インヒータ24とホルダ14との間に設けられる。
アウトヒータ26は、ホルダ14の下方に設けられる。インヒータ24は、アウトヒータ26の下方に設けられる。
インヒータ24とアウトヒータ26は、ホルダ14に保持されたウェハWを加熱する。インヒータ24は、ウェハWの少なくとも中心部を加熱する。アウトヒータ26は、ウェハWの外周部やホルダ14を加熱する。ウェハWを加熱する際、例えば、アウトヒータ26の温度はインヒータ24の温度よりも高く設定される。
インヒータ24は、例えば、円板状である。アウトヒータ26は、例えば、環状である。アウトヒータ26の内周径は、インヒータ24の外周径よりも小さい。
リフレクタユニット30は、インヒータ24とアウトヒータ26の下方に設けられる。リフレクタユニット30とホルダ14との間に、インヒータ24とアウトヒータ26が設けられる。
リフレクタユニット30は、上部リフレクタ31(分割リフレクタ)と下部リフレクタ32を含む。インヒータ24と下部リフレクタ32との間に、上部リフレクタ31が設けられる。
リフレクタユニット30は、インヒータ24とアウトヒータ26から下方に放射される熱を反射し、ウェハWの加熱効率を向上させる。また、リフレクタユニット30は、リフレクタユニット30より下方の部材が加熱されることを防止する。
リフレクタユニット30は、例えば、複数の支持柱34によって、固定台36に固定される。固定台36は、例えば、固定軸38によって支持される。
回転体ユニット16内には、ウェハWをホルダ14から脱着させるために、突き上げピン(図示せず)が設けられる。突き上げピンは、例えば、リフレクタユニット30、及び、インヒータ24を貫通する。
ガス排出口40は、反応室10の底部に設けられる。ガス排出口40は、ウェハW表面でソースガスが反応した後の余剰の反応生成物、及び、余剰のプロセスガスを反応室10の外部に排出する。
また、反応室10の壁面17には、図示しないウェハ出入口及びゲートバルブが設けられている。ウェハ出入口及びゲートバルブにより、ウェハWを反応室10内に搬入したり、反応室10外に搬出したりすることが可能である。
図2、図3、図4、図5、図6、及び図7は、第1の実施形態のリフレクタユニットの模式図である。
図2(a)は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図2(b)は、上部リフレクタ31の模式断面図である。図2(b)は、図2(a)のAA’断面である。図2(c)は、上部リフレクタ31の模式断面図である。図2(c)は、図2(a)のBB’断面である。
図3(a)は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の一部の模式上面図である。図3(a)は、図2(a)の領域Xの模式上面図である。図3(b)は、図3(a)のCC’断面である。
図4(a)は、上部リフレクタ31の外側部分31yの模式上面図である。図4(b)は、上部リフレクタ31の内側部分31xの模式上面図である。
図5(a)は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図5(b)は、リフレクタユニット30の下部リフレクタ32の模式上面図である。
図6(a)は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図6(b)は、リフレクタユニット30の一部の模式断面図である。図6(b)は、説明の都合上、同一平面内に存在しない構成を、仮想的に同一平面内に存在するごとく図示している。図6(c)は図6(b)に示した第1のスペーサ33aの変形例を示したものである。
図7は、リフレクタユニット30の断面図である。図7には、インヒータ24及びアウトヒータ26を示す。
第1の実施形態のリフレクタユニット30は、上部リフレクタ31と下部リフレクタ32を含む。上部リフレクタ31は、内側部分31xと外側部分31yを含む。
リフレクタユニット30は、第1のスペーサ33a、第2のスペーサ33b及び第3のスペーサ33dを含む。これらのスペーサは最小限上部リフレクタ31を安定して保持できる位置に配置されていれば、それ以外の位置では配置しなくてもよい。例えば、第2のスペーサ33bと第3のスペーサ33dを3か所ずつ配置した場合、第1のスペーサ33aの一部または全部は配置しなくてもよい。また例えば、第2のスペーサ33bと第1のスペーサ33aを3か所ずつ配置した場合、第3のスペーサ33dの一部または全部は配置しなくてもよい。
内側部分31xは、支持突起Sp(Supporting protrusion)を含む。
外側部分31yは第1の部分31yaと第2の部分31ybを含む。外側部分31yは第1のスリットSL1と第2のスリットSL2を含む。外側部分31yは、スペーサ穴H1、支持柱穴H2、及び突き上げピン穴H3を含む。外側部分31yは支持凹部Sr(Supporting recess)を含む。
下部リフレクタ32は、支持柱穴H2、及び突き上げピン穴H3を含む。
上部リフレクタ31は、下部リフレクタ32の上方に設けられる。上部リフレクタ31は、インヒータ24と下部リフレクタ32との間に設けられる。
上部リフレクタ31とインヒータ24との間の距離は、例えば、5mm以上10mm以下である。上部リフレクタ31と下部リフレクタ32との間の距離は、例えば、2mm以上6mm以下である。上部リフレクタ31と下部リフレクタ32との間の距離は、例えば、上部リフレクタ31とインヒータ24との間の距離よりも小さい。
上部リフレクタ31の厚さは、例えば、0.5mm以上2mm以下である。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、円板状である。内側部分31xは、外周に複数の支持突起Spを含む。支持突起Spにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。図2(a)は、支持突起Spが4個の場合を示すが、支持突起Spを3個又は5個以上とすることも可能である。
上部リフレクタ31の外側部分31yは、内側部分31xの周囲に設けられる。外側部分31yは、例えば、環状である。
外側部分31yは、内周に複数の支持凹部Srを含む。支持凹部Srに、内側部分31xの支持突起Spが載置される。支持凹部Srにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。図2(a)は、支持凹部Srが4個の場合を示すが、支持突起Spの数に応じて、支持凹部Srを3個又は5個以上とすることも可能である。
外側部分31yは第1のスリットSL1と第2のスリットSL2を含む。第1のスリットSL1は、外側部分31yの内周から外周に至る。また、第2のスリットSL2は、外側部分31yの内周から外周に至る。
外側部分31yは、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2によって、第1の部分31yaと第2の部分31ybに分割される。第1の部分31yaと第2の部分31ybとの間に、内側部分31xが設けられる。スリットの数を、例えば、3つ以上とすることも可能である。
第1のスリットSL1の第1の部分31yaから第2の部分31ybに向かう方向の幅は、例えば、1mm以下である。第2のスリットSL2の第1の部分31yaから第2の部分31ybに向かう方向の幅は、例えば、1mm以下である。
上部リフレクタ31の内側部分31xと外側部分31yとの間の距離は、例えば、0.3mm以上1mm以下である。内側部分31xと外側部分31yとの境界は、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍に設けられる。内側部分31xと外側部分31yは、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍で分離されている。
上部リフレクタ31の内側部分31xの直径(図7中のd1)は、例えば、アウトヒータ26の内径(図7中のd2)の80%以上110%以下である。上部リフレクタ31の内側部分31xの直径d1と、アウトヒータ26の内径d2との差は、例えば、25mm以下である。
下部リフレクタ32は、上部リフレクタ31の下方に設けられる。下部リフレクタ32は、上部リフレクタ31に対向する。下部リフレクタ32は、円板状である。
下部リフレクタ32の最外周の直径(図7中のd3)は、上部リフレクタ31の内側部分31xの最外周の直径d1よりも大きい。下部リフレクタ32の直径d3は、アウトヒータ26の内径d2よりも大きい。下部リフレクタ32は、上部リフレクタ31の外側部分31yを支持する。
下部リフレクタ32の厚さは、例えば、0.5mm以上2mm以下である。
図6(b)に示すように、第1のスペーサ33aは、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられる。第1のスペーサ33aは、外側部分31yのスペーサ穴H1を貫通する。第1のスペーサ33aによって、外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。また、第1のスペーサ33aは図6(c)に示すように、下側に突起を設けてもよい。この場合、下部リフレクタ32には第1のスペーサ33aに下側の突起に対応した位置にも上記の突起を受け入れるためのスペーサ穴H1を設ける。
図6(b)に示すように、支持柱34は、下部リフレクタ32の支持柱穴H2、及び外側部分31yの支持柱穴H2を貫通する。下部リフレクタ32は、支持柱34によって支持される。
図6(b)に示すように、第2のスペーサ33bは、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられる。第2のスペーサ33bは、例えば、環状である。第2のスペーサ33bは、支持柱34の周囲に設けられる。第2のスペーサ33bによって、外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。図6(b)に示すように、第3のスペーサ33dは、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられる。第3のスペーサ33dは、例えば、環状である。第3のスペーサ33dは、突き上げピン42の周囲に設けられる。第3のスペーサ33dによって、外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。
図6(b)に示すように、突き上げピン42は、下部リフレクタ32の突き上げピン穴H3、及び外側部分31yの突き上げピン穴H3を貫通する。
上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32は、耐熱性の高い材料で形成される。上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32は、例えば、1000℃以上の温度に対する耐熱性を有する。
上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32の材料は、例えば、炭化珪素である。上部リフレクタ31の材料として、その他のセラミックス、例えば、タンタルカーバイド、窒化ホウ素、窒化ケイ素を用いることも可能である。上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32の材料として、カーボンを用いることも可能である。上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32の材料として、カーボンに、例えば、炭化珪素、タンタルカーバイド、窒化ホウ素等のセラミックスを被覆した材料を用いることも可能である。上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32の材料として、高融点金属を用いることも可能である。高融点金属は、例えば、タングステン、モリブデン、チタン(Ti)及びジルコニウム(Zr)を含有するモリブデン合金(TZM合金)である。
なお、第1のスペーサ33a、第2のスペーサ33b及び第3のスペーサ33dの材料にも、上部リフレクタ31及び下部リフレクタ32の材料と同様の材料を用いることが可能である。
次に、第1の実施形態の気相成長装置を用いた気相成長方法の一例について説明する。
以下、窒化インジウムガリウム膜(InGaN膜)と、窒化ガリウム膜(GaN膜)とが複数積層された積層膜を、下地GaN膜上に形成する場合を例に説明する。上記の積層膜は、例えば、Light Emitting Diode(LED)の発光層に用いられるMulti Quantum Well(MQW)層である。
最初に、ウェハWを、反応室10内に搬入する。次に、ウェハWを、ホルダ14に載置する。
次に、ウェハWを回転駆動機構20により回転させながら、ホルダ14の下方に設けられたインヒータ24及びアウトヒータ26により、ウェハWが、例えば、1000℃以上1100℃以下となるように加熱する。
次にウェハWの温度を例えば1050℃とし、ウェハ上にTMA、TMG及びアンモニアを用いて、AlN(窒化アルミニウム)及びAlGaN(窒化アルミニウムガリウム)のバッファ層を成膜した後、下地GaN膜を成長させる。次に、この下地GaN膜上にInGaN膜とGaN膜を交互に成膜してMQW層を形成する。
InGaN膜を成膜する場合、ウェハWの温度を例えば850℃とし、反応室10に第1のガス供給路11から、例えば、窒素ガスをキャリアガスとするTMGとTMIの混合ガスを供給する。また、反応室10に、第2のガス供給路12から、例えば、アンモニアを供給する。また、反応室10に、第3のガス供給路13から、希釈ガスとして、例えば、窒素ガスを供給する。
GaN膜を成膜する場合、ウェハWの温度を例えば900℃とし、反応室10に第1のガス供給路11から、例えば、窒素ガスをキャリアガスとするTMGを供給する。また、反応室10に、第2のガス供給路12から、例えば、アンモニアを供給する。また、反応室10に、第3のガス供給路13から、希釈ガスとして、例えば、窒素ガスを供給する。
MQW層を形成した後、インヒータ24及びアウトヒータ26による加熱を停止し、ウェハWの温度を下げる。その後、ウェハWを反応室10から搬出する。
次に、第1の実施形態のリフレクタユニット及び気相成長装置の作用及び効果について説明する。
ウェハ表面に形成されるエピタキシャル単結晶膜の特性は、ウェハの温度に依存する。このため、ウェハ面内の温度の高い均一性を達成することが望まれる。
第1の実施形態の気相成長装置は、ウェハWを加熱するヒータとして、インヒータ24とアウトヒータ26を備える。ウェハWの少なくとも中心部をインヒータ24で加熱し、ウェハWの外周部やホルダ14をアウトヒータ26で加熱することにより、ウェハ面内の温度の均一性が高くなる。
また、第1の実施形態の気相成長装置は、インヒータ24とアウトヒータ26の下方にリフレクタユニット30を備える。第1の実施形態の気相成長装置は、リフレクタユニット30を備えることで、ウェハWの加熱効率が向上する。また、リフレクタユニット30より下方の部材が加熱されるのを防止し、部材の加熱による劣化を抑制する。
インヒータ24とアウトヒータ26の下方にリフレクタユニット30を設けた場合、リフレクタユニット30の中の温度勾配により熱応力が発生する。熱応力により、リフレクタユニット30の耐久性が低下し破壊するおそれがある。特に、インヒータ24に直接対向する上部リフレクタ31には、高い熱応力が発生しやすい。したがって、耐久性が低下し破壊するおそれが高い。
上部リフレクタ31の温度は、インヒータ24及びアウトヒータ26の両方で加熱される外周側が高くなり、中心部に向けて低くなる。上部リフレクタ31の中の温度勾配は、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍で、特に大きくなる。したがって、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍の熱応力が大きくなる。よって、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍で上部リフレクタ31が破壊するおそれが高い。
第1の実施形態の上部リフレクタ31は、内側部分31xと外側部分31yに分割されている。内側部分31xと外側部分31yは、アウトヒータ26の内周端の直下の近傍で分割されている。
したがって、上部リフレクタ31の中の温度勾配がアウトヒータ26の内周端の直下の近傍で大きくなったとしても、上部リフレクタ31の中の熱応力は小さくなる。よって、上部リフレクタ31の耐久性が向上し、リフレクタユニット30の耐久性、及び気相成長装置の耐久性が向上する。
さらに、上部リフレクタ31の外側部分31yは、第1のスリットSL1と第2のスリットSL2により2つに分割されている。すなわち、外側部分31yは、第1の部分31yaと第2の部分31ybに分割されている。なお、これらの第1のスリットSL1、又は第2のスリットSL2は、熱応力を均等にするために回転対称に設けられることが好ましい。
外側部分31yが、第1の部分31yaと第2の部分31ybに分割されることで、外側部分31yの中の熱応力は小さくなる。よって、上部リフレクタ31の外側部分31yの耐久性が向上し、リフレクタユニット30の耐久性、及び気相成長装置の耐久性が向上する。
2つに分割された外側部分31yは、第1のスペーサ33a、第2のスペーサ33b、及び第3のスペーサ33dを用いて下部リフレクタ32の上に支持される。また、外側部分31yと分割された内側部分31xは、外側部分31yに支持される。したがって、分割された上部リフレクタ31は、簡易な構造で支持できる。よって、リフレクタユニット30及び気相成長装置の製造コストが抑制できる。
実際に試験を重ねた結果、上部リフレクタ31の耐久性を向上させる観点からは、上部リフレクタ31の内側部分31xの直径d1は、アウトヒータ26の内径d2の80%以上110%以下であることが好ましく、85%以上105%以下であることがより好ましいことが分かった。これは、検証により、6インチウェハを成膜処理する場合のアウトヒータ26の内径を160mmとしたとき、上部リフレクタ31の直径145mm近傍の位置で最も壊れやすいことを見出したことによるものである。更に試験を重ねた結果、上部リフレクタ31の内側部分31xの直径d1が、アウトヒータ26の内径d2の85%以上であることがより好ましく、95%以下であることさらに好ましいことが分かった。上記条件を充足することで、内側部分31xと外側部分31yとの境界が、アウトヒータ26の内周端の直下に近づき、上部リフレクタ31の中の熱応力が小さくなる。よって、上部リフレクタ31の耐久性が更に向上する。
上部リフレクタ31の耐久性を向上させる観点から、上部リフレクタ31の内側部分31xの直径d1と、アウトヒータ26の内径d2との差は、20mm以下であることが好ましく、15mm以下であることがより好ましい。上記条件を充足することで、内側部分31xと外側部分31yとの境界が、アウトヒータ26の内周端の直下に近づき、上部リフレクタ31の中の熱応力が小さくなる。よって、上部リフレクタ31の耐久性が更に向上する。
(第1の変形例)
図8は、第1の実施形態のリフレクタユニットの第1の変形例の模式図である。図8は、図3に対応する図である。図8(a)は、第1の変形例の上部リフレクタ31の一部の模式上面図である。図8(b)は、図8(a)のDD’断面である。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、外周に複数の支持凹部Srを含む。上部リフレクタ31の外側部分31yは、内周に複数の支持突起Spを含む。例えば、第1の部分31yaは、内周に支持突起Spを含む。
支持凹部Srは、支持突起Spの上に載置される。支持凹部Sr及び支持突起Spにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。
(第2の変形例)
図9は、第1の実施形態のリフレクタユニットの第2の変形例の模式図である。図9は、第2の変形例の上部リフレクタ31の一部の模式断面図である。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、外周の上面に複数の支持部材31zが接合される。支持部材31zは、外側部分31yの上に載置される。例えば、支持部材31zは、第1の部分31yaの上に載置される。支持部材31zにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。
(第3の変形例)
図10は、第1の実施形態のリフレクタユニットの第3の変形例の模式図である。図10は、第3の変形例の上部リフレクタ31の一部の模式断面図である。
上部リフレクタ31の外側部分31yは、内周の下面に複数の支持部材31zが接着される。例えば、支持部材31zは、第1の部分31yaの下面に接着される。支持部材31zの上に、内側部分31xが載置される。支持部材31zにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。
(第4の変形例)
図11は、第1の実施形態のリフレクタユニットの第4の変形例の模式図である。図11は、図3に対応する図である。図11(a)は、第4の変形例の上部リフレクタ31の一部の模式上面図である。図11(b)は、図11(a)のEE’断面である。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、外周に第1の環状支持突起Sp1を含む。上部リフレクタ31の外側部分31yは、第2の環状支持突起Sp2を含む。例えば、第1の部分31yaは、内周に第2の環状支持突起Sp2を含む。
第1の環状支持突起Sp1は、第2の環状支持突起Sp2の上に載置される。第1の環状支持突起Sp1及び第2の環状支持突起Sp2により、内側部分31xは外周全周で外側部分31yに支持される。
以上、第1の実施形態及び変形例によれば、第1のリフレクタを分割することで、第1のリフレクタに発生する熱応力が小さくなり、リフレクタユニット及び気相成長装置の耐久性が向上できる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態の気相成長装置用のリフレクタユニットは、上部リフレクタの内側部分は、下部リフレクタに支持される点で、第1の実施形態のリフレクタユニットと異なる。第2の実施形態の気相成長装置は、第2の実施形態のリフレクタユニットを備える。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図12及び図13は、第2の実施形態のリフレクタユニットの模式図である。
図12(a)は、上部リフレクタ31の外側部分31yの模式上面図である。図12(b)は、上部リフレクタ31の内側部分31xの模式上面図である。図12は、第1の実施形態の図4に対応する図である。
図13(a)は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図13(b)は、リフレクタユニット30の一部の模式断面図である。図13(b)は、説明の都合上、同一平面内に存在しない構成を、仮想的に同一平面内に存在するごとく図示している。図13は、第1の実施形態の図6に対応する図である。
第2の実施形態のリフレクタユニット30は、上部リフレクタ31と下部リフレクタ32を含む。上部リフレクタ31は、内側部分31xと外側部分31yを含む。
リフレクタユニット30は、第2のスペーサ33b、第3のスペーサ33d、及び第4のスペーサ33cを含む。
内側部分31xは、第1の切り欠きN1を含む。
外側部分31yは第1の部分31yaと第2の部分31ybを含む。外側部分31yは第1のスリットSL1と第2のスリットSL2を含む。外側部分31yは、支持柱穴H2、及び突き上げピン穴H3を含む。外側部分31yは第2の切り欠きN2を含む。
下部リフレクタ32は、支持柱穴H2、及び突き上げピン穴H3を含む。
上部リフレクタ31は、下部リフレクタ32の上方に設けられる。上部リフレクタ31は、インヒータ24と下部リフレクタ32との間に設けられる。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、円板状である。上部リフレクタ31の外側部分31yは、内側部分31xの周囲に設けられる。外側部分31yは、例えば、環状である。
図13(b)に示すように、支持柱34は、下部リフレクタ32の支持柱穴H2、及び外側部分31yの支持柱穴H2を貫通する。下部リフレクタ32は、支持柱34によって支持される。
図13(b)に示すように、第2のスペーサ33bは、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられる。第2のスペーサ33bは、例えば、環状である。第2のスペーサ33bは、支持柱34の周囲に設けられる。第2のスペーサ33bによって、外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。
図13(b)に示すように、突き上げピン42は、下部リフレクタ32の突き上げピン穴H3、及び外側部分31yの突き上げピン穴H3を貫通する。図13(b)に示すように、第3のスペーサ33dは、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられる。第3のスペーサ33dは、例えば、環状である。第3のスペーサ33dは、突き上げピン42の周囲に設けられる。第3のスペーサ33dによって、外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。
図13(b)に示すように、第4のスペーサ33cは、内側部分31xと外側部分31yとの境界に位置する第2の支持領域S2において、内側部分31xと下部リフレクタ32との間に設けられる。また、第4のスペーサ33cは、第2の支持領域S2において、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられ、内側部分31x及び外側部分31yを支持する。第4のスペーサ33cによって、内側部分31x及び外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。
第4のスペーサ33cは、内側部分31xと外側部分31yとの境界に位置する第1の支持領域S1においても第2の支持領域S2と同様に、内側部分31xと下部リフレクタ32との間に設けられる。また、第4のスペーサ33cは、第1の支持領域S1においても第2の支持領域S2と同様に、外側部分31yと下部リフレクタ32との間に設けられ、内側部分31x及び外側部分31yを支持する。第4のスペーサ33cによって、内側部分31x及び外側部分31yは下部リフレクタ32に支持される。
以上、第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、第1のリフレクタを分割することで、第1のリフレクタに発生する熱応力が小さくなり、リフレクタユニット及び気相成長装置の耐久性が向上できる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態の気相成長装置用のリフレクタユニットは、第1のリフレクタは外周に切り欠き部を有し、第1のスリットは内周から切り欠き部に至る点で、第1の実施形態のリフレクタユニットと異なる。第3の実施形態の気相成長装置は、第3の実施形態のリフレクタユニットを備える。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
図14は、第3の実施形態のリフレクタユニットの模式図である。図14は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図14は、第1の実施形態の図2(a)に対応する図である。
第3の実施形態のリフレクタユニット30は、上部リフレクタ31と下部リフレクタ32を含む。上部リフレクタ31は、内側部分31xと外側部分31yを含む。
リフレクタユニット30は、第1のスペーサ33a、第2のスペーサ33b、及び第3のスペーサ33dを含む。
内側部分31xは、支持突起Spを含む。
外側部分31yは第1の部分31yaと第2の部分31ybを含む。外側部分31yは第1のスリットSL1と第2のスリットSL2を含む。外側部分31yは、スペーサ穴H1、支持柱穴H2、及び突き上げピン穴H3を含む。外側部分31yは支持凹部Srを含む。
上部リフレクタ31の内側部分31xは、円板状である。内側部分31xは、外周に複数の支持突起Spを含む。支持突起Spにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。
上部リフレクタ31の外側部分31yは、内側部分31xの周囲に設けられる。外側部分31yは、例えば、環状である。
外側部分31yは、内周に複数の支持凹部Srを含む。支持凹部Srに、内側部分31xの支持突起Spが載置される。支持凹部Srにより、内側部分31xは、外側部分31yに支持される。
外側部分31yは第1の切り欠き部Nx(切り欠き部)及び第2の切り欠き部Nyを含む。第1の切り欠き部Nx及び第2の切り欠き部Nyは、例えば、インヒータ24及びアウトヒータ26に接続される電極を通すために設けられる。
外側部分31yは第1のスリットSL1と第2のスリットSL2を含む。第1のスリットSL1は、外側部分31yの内周から第1の切り欠き部Nxに至る。また、第2のスリットSL2は、外側部分31yの内周か第2の切り欠き部Nyに至る。
外側部分31yは、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2によって、第1の部分31yaと第2の部分31ybに分割される。第1の部分31yaと第2の部分31ybとの間に、内側部分31xが設けられる。
外側部分31yは、第1の切り欠き部Nx及び第2の切り欠き部Nyを有する箇所で、強度が弱くなる。第3の実施形態のリフレクタユニット30は、外側部分31yの第1の切り欠き部Nxを有する箇所に第1のスリットSL1、外側部分31yの第2の切り欠き部Nyを有する箇所に第2のスリットSL2を設ける。
外側部分31yの強度が弱くなる部分に、第1のスリットSL1及び第2のスリットSL2を設けることで、上部リフレクタ31の外側部分31yの耐久性が向上する。よって、リフレクタユニット30の耐久性、及び気相成長装置の耐久性が向上する。
以上、第3の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、上部リフレクタを分割することで、上部リフレクタに発生する熱応力が小さくなり、リフレクタユニット及び気相成長装置の耐久性が向上できる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態の気相成長装置用のリフレクタユニットは、第1の実施形態と第2の実施形態の構造を部分的に採用する。
図15は、第4の実施形態のリフレクタユニットの模式図である。図15は、リフレクタユニット30の上部リフレクタ31の模式上面図である。図15は、第1の実施形態の図6(a)に対応する図である。
第4の実施形態のリフレクタユニットでは、上部リフレクタ31の外側部分31yは第2の実施形態と同様に、第2のスペーサ33b、第3のスペーサ33d、及びS2部で第4のスペーサ33cにより下部リフレクタに支持されている。一方、上部リフレクタ31の内側部分31xは、第1の実施形態と同様に、支持突起Spにより上部リフレクタ31の外側部分31yに支持されており、さらにS2部で第4のスペーサ33cにより下部リフレクタ32に支持されている。
以上、第4の実施形態によれば、第1の実施形態と同様、上部リフレクタを分割することで、上部リフレクタに発生する熱応力が小さくなり、リフレクタユニット及び気相成長装置の耐久性が向上できる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施形態について説明した。上記、実施形態はあくまで、例として挙げられているだけであり、本発明を限定するものではない。また、各実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもかまわない。
実施形態では、リフレクタユニットが下部リフレクタを含む場合を例に説明したが、リフレクタユニットが下部リフレクタを含まない構成とすることも可能である。また、実施形態では下部リフレクタは分割可能な構造ではない場合について説明したが、下部リフレクタも分割可能な構造であってもよい。
またリフレクタユニットは3つ以上のリフレクタで構成されていてもよい。その場合、ヒータに最も近いリフレクタはこれまで説明した分割可能な構造のリフレクタである必要があるが、それ以外のリフレクタは分割可能な構造であってもそうでなくてもよい。
実施形態では、GaN膜上に窒化インジウムガリウム膜と、窒化ガリウム膜とが複数積層された積層膜をエピタキシャル成長させる場合を例に説明したが、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)等、その他のIII-V族の窒化物系半導体の単結晶膜等の成膜にも本発明を適用することが可能である。また、GaAs等のIII-V族の半導体にも本発明を適用することが可能である。さらに、本発明は、その他の膜の成膜にも適用することが可能である。
また、実施形態では、プロセスガスがシャワープレート内で混合される場合を例に説明したが、プロセスガスがシャワープレートに入る前に混合される構成であってもかまわない。また、プロセスガスがシャワープレートから反応室内に噴出されるまで分離された状態となる構成であってもかまわない。
実施形態では、装置構成等で本発明の説明に直接必要としない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成等を適宜選択して用いることができる。その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての分割リフレクタ、リフレクタユニット及び気相成長装置は、本発明の範囲に包含される。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物の範囲によって定義されるものである。
10 反応室
14 ホルダ
24 インヒータ
26 アウトヒータ
30 リフレクタユニット
31 上部リフレクタ(分割リフレクタ)
31x 内側部分
31y 外側部分
32 下部リフレクタ
Nx 第1の切り欠き部(切り欠き部)
SL1 第1のスリット
SL2 第2のスリット
W ウェハ(基板)

Claims (5)

  1. 気相成長装置に用いられ、円板状の内側部分と、前記内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、前記外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、前記内周から前記外周に至る第2のスリットと、を有する分割リフレクタ。
  2. 前記内側部分は前記外側部分に支持される請求項1記載の分割リフレクタ。
  3. 前記外側部分は前記外周に切り欠き部を有し、前記第1のスリットは前記内周から前記切り欠き部に至る請求項1又は請求項2記載の分割リフレクタ。
  4. 請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の分割リフレクタと、
    前記分割リフレクタを支持し、前記分割リフレクタの前記内側部分より最外周の直径が大きい下部リフレクタと、
    を備えるリフレクタユニット。
  5. 反応室と、
    前記反応室内に設けられ基板を載置するホルダと、
    前記ホルダの下方に設けられる環状のアウトヒータと、
    前記アウトヒータの下方に設けられるインヒータと、
    前記インヒータの下方に設けられ、円板状の内側部分と、前記内側部分の周囲に設けられた外側部分を含み、前記外側部分は、内周から外周に至る第1のスリットと、前記内周から前記外周に至る第2のスリットと、を有する分割リフレクタと、
    を備える気相成長装置。
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