JP2001339022A - ヒートシンク材及びその製造方法 - Google Patents

ヒートシンク材及びその製造方法

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JP2001339022A
JP2001339022A JP2000388019A JP2000388019A JP2001339022A JP 2001339022 A JP2001339022 A JP 2001339022A JP 2000388019 A JP2000388019 A JP 2000388019A JP 2000388019 A JP2000388019 A JP 2000388019A JP 2001339022 A JP2001339022 A JP 2001339022A
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heat sink
sink material
metal
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allotrope
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JP2000388019A
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Shuhei Ishikawa
修平 石川
Takashi Mitsui
任 三井
Takeshi Suzuki
健 鈴木
Nobusuke Nakayama
信亮 中山
Hiroyuki Takeuchi
広幸 竹内
Seiji Yasui
誠二 安井
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

Abstract

(57)【要約】 【課題】実際の電子部品(半導体装置を含む)等で求め
られる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合した特性
を有するヒートシンク材を容易に製造できるようにし
て、高品質のヒートシンクの生産性を向上させる。 【解決手段】ケース内にグラファイトを入れ、該ケース
を炉内に収容する(ステップS301)。炉内を焼成し
て、グラファイトによる多孔質焼結体を作製する(ステ
ップS302)。その後、炉から多孔質焼結体をケース
ごと取り出して、プレス機の凹部内に多孔質焼結体をケ
ースごと収容する(ステップS303)。次に、ケース
内に金属の溶湯を注湯した後(ステップS304)、パ
ンチを凹部内に挿通し、ケース内の前記溶湯を押し下げ
圧入する(ステップS305)。このパンチの押圧処理
によって、金属の溶湯は、多孔質焼結体の開気孔部中に
含浸されることとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばICチップ
から発生する熱を効率よく放熱させるヒートシンクを構
成するためのヒートシンク材及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、ICチップにとって熱は大敵で
あり、内部温度が最大許容接合温度を超えないようにし
なければならない。また、パワートランジスタや半導体
整流素子等の半導体装置では、動作面積当たりの消費電
力が大きいため、半導体装置のケース(パッケージ)や
リードから放出される熱量だけでは、発生熱量を放出し
きれず、装置の内部温度が上昇して熱破壊を引き起こす
おそれがある。
【0003】この現象は、CPUを搭載したICチップ
においても同じであり、クロック周波数の向上に伴って
動作時の発熱量が多くなり、放熱を考慮した熱設計が重
要な事項となってきている。
【0004】前記熱破壊の防止等を考慮した熱設計にお
いては、ICチップのケース(パッケージ)に放熱面積
の大きいヒートシンクを固着することを加味した素子設
計や実装設計が行われている。
【0005】前記ヒートシンク用の材料としては、一般
に、熱伝導度の良好な銅やアルミニウム等の金属材料が
使用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】近時、CPUやメモリ
等のICチップにおいては、低消費電力を目的とした低
電力駆動を図りながらも、素子の高集積化と素子形成面
積の拡大化に伴ってICチップ自体が大型化する傾向に
ある。ICチップが大型化すると、半導体基体(シリコ
ン基板やGaAs基板)とヒートシンクとの熱膨張の差
によって生じる応力が大きくなり、ICチップの剥離現
象や機械的破壊が生じるおそれがある。
【0007】これを防止するためには、ICチップの低
電力駆動の実現とヒートシンク材の改善が挙げられる。
ICチップの低電力駆動は、現在、電源電圧として、従
来から用いられてきたTTLレベル(5V)を脱して、
3.3V以下のレベルが実用化されている。
【0008】一方、ヒートシンクの構成材料としては、
単に熱伝導度を考えるのみでなく、半導体基体であるシ
リコンやGaAsと熱膨張率がほぼ一致し、しかも、熱
伝導度の高い材料の選定が必要となってきている。
【0009】ヒートシンク材の改善に関しては、多種多
様の報告があり、例えば窒化アルミニウム(AlN)を
使用した例や、Cu(銅)−W(タングステン)を用い
た例などがある。AlNは、熱伝導性と熱膨張性のバラ
ンスに優れており、特にSiの熱膨張率とほぼ一致する
ことから、半導体基体としてシリコン基板を用いた半導
体装置のヒートシンク材として好適である。
【0010】また、Cu−Wは、Wの低熱膨張性とCu
の高熱伝導性を兼ね備えた複合材料であり、しかも、機
械加工が容易であることから、複雑な形状を有するヒー
トシンクの構成材料として好適である。
【0011】また、他の例としては、SiCを主成分と
するセラミック基材に金属Cuを20〜40vol%の
割合で含有させたもの(従来例1:特開平8−2795
69号公報参照)や、無機物質からなる粉末焼結多孔質
体にCuを5〜30wt%含浸させたもの(従来例2:
特開昭59−228742号公報参照)などが提案され
ている。
【0012】前記従来例1に係るヒートシンク材は、S
iCと金属Cuの圧粉体を成形してヒートシンクを作製
するという粉体成形であるため、熱膨張率と熱伝導率は
あくまでも理論的な値であり、実際の電子部品等で求め
られる熱膨張率と熱伝導率のバランスを得ることができ
ないという問題がある。
【0013】従来例2は、無機物質からなる粉末焼結多
孔質体に含浸されるCuの比率が低く、熱伝導度を高め
る上で限界が生じるおそれがある。
【0014】一方、カーボンと金属を組み合わせた複合
材料が開発され、実用化されているが、この複合材料
は、金属をCuとした場合は、例えば放電加工用の電極
として使用され、金属をPbとした場合は、例えば軸受
部材として使用されており、ヒートシンク材として用途
例が知られていない。
【0015】即ち、カーボンと金属を組み合わせた複合
材料において、熱伝導率の高いものでも140W/mK
であり、ICチップのヒートシンク材として必要な16
0W/mK以上を満足させることができないのが現状で
ある。
【0016】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、実際の電子部品(半導体装置を含む)等
で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合し
た特性を得ることができるヒートシンク材を提供するこ
とを目的とする。
【0017】また、本発明の他の目的は、実際の電子部
品(半導体装置を含む)等で求められる熱膨張率と熱伝
導率とのバランスに適合した特性を有するヒートシンク
材を容易に製造することができ、高品質のヒートシンク
の生産性を向上させることができるヒートシンク材の製
造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明に係るヒートシン
ク材は、カーボン又はその同素体と、金属とを含み、直
交する3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱伝導率
が160W/mK以上であることを特徴とする。これに
より、セラミック基板や半導体基板(シリコン、GaA
s)等と熱膨張率がほぼ一致し、熱伝導性のよいヒート
シンク材を得ることができる。
【0019】また、直交する3軸方向の平均又はいずれ
かの軸方向の熱伝導率が180W/mK以上であって、
かつ、熱膨張率が1×10-6/℃〜10×10-6/℃で
あるヒートシンク材も得ることができる。
【0020】前記同素体としては、グラファイトやダイ
ヤモンドが好ましい。また、カーボン又はその同素体と
して、熱伝導率が100W/mK以上のものを使用する
ことが好ましい。
【0021】そして、ヒートシンク材は、前記カーボン
又はその同素体を焼成してネットワーク化することによ
って得られる多孔質焼結体に前記金属を含浸することに
より構成することができる。
【0022】この場合、前記多孔質焼結体の気孔率が1
0vol%〜50vol%であって、平均気孔径が0.
1μm〜200μmであることが好ましく、前記カーボ
ン又はその同素体と前記金属との体積率は、前記カーボ
ン又はその同素体が50vol%〜80vol%、金属
が50vol%〜20vol%の範囲であることが好ま
しい。
【0023】また、前記カーボン又はその同素体に、該
カーボン又はその同素体を焼成した際の閉気孔率を低減
させる添加物を添加させることが好ましい。この添加物
としては、SiC及び/又はSiを挙げることができ
る。
【0024】ヒートシンク材は、前記カーボン又はその
同素体の粉体に、水又は結合材を混合し、所定圧力下で
成形された予備成形体に、前記金属が含浸されて構成さ
れていてもよい。この場合、粉体の平均粉末粒度が1μ
m〜2000μmであり、前記粉体が最小の長さをとる
方向と、最大の長さをとる方向で、その長さの比が1:
5以下であることが好ましい。この場合、強いネットワ
ークはないものの、任意の形状を作ることができる。
【0025】また、前記カーボン又はその同素体と前記
金属との体積率が、前記カーボン又はその同素体が20
vol%〜80vol%、金属が80vol%〜20v
ol%の範囲であることが好ましい。
【0026】また、ヒートシンク材は、前記金属が溶解
した液体状態又は固液共存状態に、前記カーボン又はそ
の同素体の粉体を混合し、鋳造成形されて構成されてい
てもよい。
【0027】なお、作製されたヒートシンク材の閉気孔
率は12vol%以下であることが好ましい。
【0028】前記金属に、界面の濡れ性改善のための元
素が添加されていることが好ましい。この添加元素とし
ては、Te、Bi、Pb、Sn、Se、Li、Sb、T
l、Ca、Cd、Niから選択された1種以上を採用す
ることができる。特に、Niは、カーボンを溶解しやす
く含浸しやすいという効果がある。
【0029】前記金属に、前記カーボン又はその同素体
との反応性を向上させるための元素を添加することが好
ましい。この添加元素としては、Nb、Cr、Zr、B
e、Ti、Ta、V、B、Mnから選択された1種以上
を採用することができる。
【0030】前記金属に、湯流れ性を向上させるため、
固相/液相の温度範囲が30℃以上、望ましくは50℃
以上の元素を添加することが好ましい。これにより、含
浸の際のばらつきを低減することができるとともに、残
留気孔が減少し強度の向上を図ることができる。なお、
含浸圧力を上昇させても同様の効果を得ることができ
る。この添加元素としては、Sn、P、Si、Mgから
選択された1種以上を採用することができる。また、前
記金属に、前記融点を低減させるための元素を添加する
ことが好ましい。この添加元素としては、例えばZnな
どがある。
【0031】前記金属に、熱伝導率を向上させるための
元素が添加されていることが好ましい。この場合、前記
金属に、前記熱伝導率を向上させるための元素を添加
し、熱処理、加工及びカーボンとの反応後、偏析等によ
って得られる合金の熱伝導率が10W/mK以上である
とよい。望ましくは20W/mK以上、さらに望ましく
は40W/mK以上、最も望ましくは60W/mK以上
であることが好ましい。
【0032】熱処理による効果は、添加元素の時効や焼
鈍、加工の組合わせにより熱伝導率が向上することが知
られており、この効果を利用したものである。また、カ
ーボンとの反応により銅、アルミ、銀中の添加元素は減
少し、熱伝導率が向上することも知られている。さら
に、含浸金属が凝固する際に偏析等により添加元素が表
面などに析出し、全体での熱伝導率が向上することも知
られているので、これらの効果も利用することができ
る。
【0033】前記ヒートシンク材は、前記カーボン又は
その同素体の粉体と前記金属の粉体とを混合し、所定圧
力下で成形することでも構成することができる。この場
合、前記カーボン又はその同素体の粉体と前記金属の粉
体の平均粉末粒度が1μm〜500μmであることが好
ましい。
【0034】前記ヒートシンク材は、前記カーボン又は
その同素体の粉砕裁断材と前記金属の粉体とを混合し、
所定温度、所定圧力下で成形することでも構成すること
ができる。
【0035】そして、上述のように成形によってヒート
シンク材を構成する場合においては、前記カーボン又は
その同素体と前記金属との体積率が、前記カーボン又は
その同素体が20vol%〜60vol%の範囲、金属
が80vol%〜40vol%の範囲であることが好ま
しい。これにより、熱伝導率が200W/mK以上であ
って、かつ、熱膨張率が3×10-6/℃〜14×10-6
/℃であるヒートシンク材を得ることができる。
【0036】この場合、前記カーボン又はその同素体
に、成形後の再焼成を可能とする添加物を添加させるこ
とが好ましい。この添加物としては、SiC及び/又は
Siを挙げることができる。
【0037】前記金属に、界面の濡れ性改善のための低
融点金属が添加されていることが好ましい。この低融点
金属としては、Te、Bi、Pb、Sn、Se、Li、
Sb、Se、Tl、Ca、Cd、Niから選択された1
種以上を採用することができる。
【0038】前記金属に、前記カーボン又はその同素体
との反応性を向上させるための元素が添加されているこ
とが好ましい。この添加元素としては、Nb、Cr、Z
r、Be、Ti、Ta、V、B、Mnから選択された1
種以上を採用することができる。
【0039】前記金属に、湯流れ性を向上させるため、
固相/液相の温度範囲が30℃以上の元素、望ましくは
50℃以上の元素を添加することが好ましい。これによ
り、含浸の際のばらつきを低減することができるととも
に、残留気孔が減少し強度の向上を図ることができる。
なお、含浸圧力を上昇させても同様の効果を得ることが
できる。この添加元素としては、Sn、P、Si、Mg
から選択された1種以上を採用することができる。ま
た、前記金属に、前記融点を低減させるための元素を添
加することが好ましい。この添加元素としては、例えば
Znなどがある。
【0040】そして、少なくとも前記カーボン又はその
同素体と添加元素との反応によって、前記カーボン又は
その同素体の表面にカーバイド層が形成されていてもよ
い。この場合、前記添加元素としては、Ti、W、M
o、Nb、Cr、Zr、Be、Ta、V、B、Mnから
選択された1種以上を採用することができる。
【0041】また、前記カーボン又はその同素体と組み
合わされる前記金属としては、導電率の高い金属である
Cu、Al、Agから選択された少なくとも1種を採用
することができる。
【0042】また、本発明は、最小の熱伝導率をとる方
向と、最大の熱伝導率をとる方向で、熱伝導率の比が
1:5以下である。これにより、熱伝導率がほとんど等
方性に近い特性を有するため、熱の拡散が良好でありヒ
ートシンクとして使用する場合に好適である。また、設
置方向をいちいち考慮する必要がなく、実装面で有利と
なる。
【0043】次に、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、カーボン又はその同素体を焼成してネットワー
ク化することによって多孔質焼結体を作製する焼成工程
と、金属を前記多孔質焼結体中に含浸させる含浸工程
と、少なくとも前記金属が含浸された前記多孔質焼結体
を冷却する冷却工程とを有することを特徴とする。
【0044】これにより、セラミック基板や半導体基板
(シリコン、GaAs)等と熱膨張率がほぼ一致し、熱
伝導性のよいヒートシンク材を容易に製造することがで
き、高品質のヒートシンクの生産性を向上させることが
できる。
【0045】そして、前記焼成工程は、容器内に前記カ
ーボン又はその同素体を入れ、該容器内を加熱すること
により、前記カーボン又はその同素体による多孔質焼結
体を作製するようにしてもよい。
【0046】また、前記含浸工程は、容器内に入れられ
た前記金属の溶湯に前記多孔質焼結体を浸漬し、前記容
器内に含浸用ガスを導入して前記容器内を加圧すること
により、前記溶湯を多孔質焼結体中に含浸させるように
してもよい。この場合、前記加圧力としては、前記カー
ボン又はその同素体による多孔質焼結体の圧縮強度の4
〜5倍以下であること、あるいは1.01〜202MP
a(10〜2000気圧)であることが好ましい。この
場合の冷却工程として、前記容器内の前記含浸用ガスを
抜き、速やかに冷却用ガスを導入して前記容器内を冷却
するようにしてもよい。
【0047】他の製造方法としては、次の方法が挙げら
れる。即ち、前記焼成工程として、ケース内に前記カー
ボン又はその同素体を収容する工程と、前記ケース内を
予熱して、前記カーボン又はその同素体による多孔質焼
結体を作製する工程とを有し、前記含浸工程として、プ
レス機の金型に前記ケースを収容する工程と、前記ケー
ス内に前記金属の溶湯を注湯する工程と、前記プレス機
のパンチで前記溶湯を押し下げ圧入して前記ケース内の
前記多孔質焼結体中に前記溶湯を含浸させる工程とを有
することである。
【0048】この場合、前記パンチによる圧入時の圧力
を、前記カーボン又はその同素体による多孔質焼結体の
圧縮強度の4〜5倍以下であること、あるいは1.01
〜202MPa(10〜2000気圧)とすることが好
ましい。また、前記金型として、前記多孔質焼結体に残
存するガスを抜くためのガス抜き孔、又は、ガスを抜く
ための隙間部が形成された金型を用いることが好まし
い。
【0049】また、前記冷却工程は、前記多孔質焼結体
に前記金属が含浸された前記ヒートシンク材を、冷却ガ
スの吹き付けもしくは冷却水が供給されている冷却ゾー
ン又は冷却用金型で冷却するようにしてもよい。
【0050】本発明に係るヒートシンク材の製造方法
は、カーボン又はその同素体の粉体に、水又は結合材を
混合する工程と、前記混合物を所定圧力下で予備成形体
を成形する工程と、金属を前記予備成形体中に含浸させ
る含浸工程とを有することを特徴とする。
【0051】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、金属が溶解した液体状態又は固液共存状態に、
カーボン又はその同素体の粉体を混合する工程と、前記
混合物を鋳造成形する工程とを有することを特徴とす
る。
【0052】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、カーボン又はその同素体の粉体と金属の粉体と
を混合する混合工程と、前記混合物をホットプレス機の
金型内に入れ、所定温度、所定圧力下で成形してヒート
シンク材を作製する加圧工程とを有することを特徴とす
る。
【0053】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、カーボン又はその同素体の粉体と金属の粉体と
を混合する混合工程と、前記混合物を予備成形して予備
成形体とする予備成形工程と、前記予備成形体をホット
プレス機の金型内に入れ、所定温度、所定圧力下で成形
してヒートシンク材を作製する加圧工程とを有すること
を特徴とする。
【0054】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、カーボン又はその同素体の粉砕裁断材料と金属
の粉体とを混合し、予備成形して混合物を作製する混合
工程と、前記混合物をホットプレス機の金型内に入れ、
所定温度、所定圧力下で成形してヒートシンク材を作製
する加圧工程とを有することを特徴とする。
【0055】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法は、カーボン又はその同素体の粉砕裁断材料と金属
の粉体とを混合する混合工程と、前記混合物を予備成形
して予備成形体とする予備成形工程と、前記予備成形体
をホットプレス機の金型内に入れ、所定温度、所定圧力
下で成形してヒートシンク材を作製する加圧工程とを有
することを特徴とする。
【0056】これらの製造方法において、前記所定温度
は、前記金属における融点の−10℃〜−50℃が好ま
しく、前記所定圧力は、10.13〜101.32MP
a(100〜1000気圧)が好ましい。
【0057】また、これらの製造方法において、加圧工
程後に、前記ヒートシンク材を前記金属における融点以
上まで加熱するようにしてもよい。
【0058】さらに、前記金属は、Cu、Al、Agか
ら選択された少なくとも1種であってもよい。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るヒートシンク
材及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図40を参
照しながら説明する。
【0060】第1の実施の形態に係るヒートシンク材1
0Aは、図1に示すように、カーボン又はその同素体を
焼成してネットワーク化することによって得られる多孔
質焼結体12に金属14が含浸されて構成されている。
【0061】この場合、前記カーボン又はその同素体と
して、熱伝導率が100W/mK以上、望ましくは15
0W/mK以上(気孔がない状態での推定値)、さらに
望ましくは200W/mK以上(気孔がない状態での推
定値)のものを使用することが好ましい。
【0062】本例では、熱伝導率が100W/mK以上
のグラファイトで構成された多孔質焼結体12の開気孔
部に銅を含浸させたヒートシンク材を示す。含浸する金
属14としては、銅のほかに、アルミニウムや銀を使用
することができる。
【0063】また、多孔質焼結体12と金属14との体
積率は、多孔質焼結体12が50vol%〜80vol
%、金属14が50vol%〜20vol%の範囲とし
ている。これにより、直交する3軸方向の平均又はいず
れかの軸方向の熱伝導率が180〜220W/mK以上
であって、かつ、熱膨張率が1×10-6/℃〜10×1
-6/℃であるヒートシンク材を得ることができる。
【0064】前記多孔質焼結体12の気孔率としては、
10vol%〜50vol%であることが望ましい。気
孔率が10vol%以下では、直交する3軸方向の平均
又はいずれかの軸方向の180W/mK(室温)の熱伝
導率を得ることができず、50vol%を超えると多孔
質焼結体12の強度が低下し、熱膨張率を15.0×1
-6/℃以下に抑えることができないからである。
【0065】前記多孔質焼結体12の平均開気孔径(気
孔径)の値としては、0.1〜200μmが望ましい。
前記気孔径が0.1μm未満であると、開気孔内に金属
14を含浸することが困難になり、熱伝導率が低下す
る。一方、前記気孔径が200μmを超えると、多孔質
焼結体12の強度が低下し、熱膨張率を低く抑えること
ができない。
【0066】前記多孔質焼結体12の平均開気孔に関す
る分布(気孔分布)としては、0.5〜50μmに90
vol%以上分布することが好ましい。0.5〜50μ
mの気孔が90vol%以上分布していない場合は、金
属14が含浸していない開気孔が増え、熱伝導率が低下
する可能性がある。
【0067】また、多孔質焼結体12に金属14を含浸
して得たヒートシンク材10Aの閉気孔率としては、1
2vol%以下であることが好ましい。5vol%を超
えると、熱伝導率が低下する可能性があるからである。
【0068】なお、前記気孔率、気孔径及び気孔分布の
測定には、株式会社島津製作所製の自動ポロシメータ
(商品名「オートポア9200」)を使用した。
【0069】この第1の実施の形態に係るヒートシンク
材10Aにおいて、前記グラファイトに、該グラファイ
トを焼成した際の閉気孔率を低減させる添加物を添加さ
せることが好ましい。この添加物としては、SiC及び
/又はSiを挙げることができる。これにより、焼成時
の閉気孔(クローズドポア)を減少させることができ、
多孔質焼結体12に対する金属14の含浸率を向上させ
ることができる。
【0070】また、グラファイト中に、該グラファイト
と反応する元素を添加するようにしてもよい。この添加
元素としては、Ti、W、Mo、Nb、Cr、Zr、B
e、Ta、V、B、Mnから選択された1種以上を挙げ
ることができる。これにより、グラファイトの焼成時
に、該グラファイトの表面(開気孔の表面を含む)に反
応層(カーバイド層)が形成され、グラファイトの開気
孔に含浸される金属14との濡れ性が改善し、低圧での
含浸が可能になり、しかも、微細開気孔への含浸も可能
になる。
【0071】一方、多孔質焼結体12に含浸される金属
14に、Te、Bi、Pb、Sn、Se、Li、Sb、
Tl、Ca、Cd、Niから選択された1種以上を添加
することが好ましい。これにより、多孔質焼結体12と
金属14との界面の濡れ性が改善され、多孔質焼結体1
2の開気孔内に金属14が入り易くなる。特に、Ni
は、カーボンを溶解しやすく含浸しやすいという効果が
ある。
【0072】また、多孔質焼結体12に含浸される金属
14に、Nb、Cr、Zr、Be、Ti、Ta、V、
B、Mnから選択された1種以上を添加することが好ま
しい。これにより、グラファイトと金属との反応性が向
上し、開気孔内においてグラファイトと金属とが密着し
易くなり、閉気孔の発生を抑制することができる。
【0073】また、多孔質焼結体12に含浸される金属
14に、湯流れ性を向上させるとともに残留気孔が減少
するため、固相/液相の温度範囲が30℃以上、望まし
くは50℃以上の元素、例えばSn、P、Si、Mgか
ら選択された1種以上を添加することが好ましい。これ
により、含浸の際のばらつきを低減することができると
ともに、残留気孔が減少し強度の向上を図ることができ
る。なお、含浸圧力を上昇させても同様の効果を得るこ
とができる。また、前記金属14に、融点を低減させる
ための元素を添加することが好ましい。この添加元素と
しては、例えばZnなどがある。
【0074】次に、この第1の実施の形態に係るヒート
シンク材10Aを製造するためのいくつかの方法を図2
A〜図8を参照しながら説明する。
【0075】第1の実施の形態に係るヒートシンク材1
0Aを製造するための第1及び第2の製造方法は共に、
グラファイトを焼成してネットワーク化することによっ
て多孔質焼結体12を作製する焼成工程と、金属14を
前記多孔質焼結体12中に含浸させる含浸工程とを有す
る。
【0076】そして、第1の製造方法は、具体的には図
2A及び図2Bにその一例を示すように、高圧容器30
を使用することによって行われる。この高圧容器30
は、角筒状の筐体32における両側板34及び36のほ
ぼ中央部分にそれぞれ回転軸38が設けられて、該回転
軸38を中心として筐体32自体が回転できるようにな
っている。
【0077】筐体32内には、耐火容器40と該耐火容
器40を加熱するためのヒータ42が設けられている。
耐火容器40は、中空部44を有する角筒状の形状を有
し、1つの側面における高さ方向中央部分に中空部44
に連通する開口46が設けられている。中空部44のう
ち、開口46を中心として一方の中空部(以下、第1室
44aと記す)には、含浸材料である金属14の塊、あ
るいは金属14の溶融金属が収容されるようになってい
る。
【0078】他方の中空部(以下、第2室44bと記
す)は、被含浸試料である多孔質焼結体12が複数取り
付けられるようになっており、第2室44bが上方に位
置しても、多孔質焼結体12が落下しないように多孔質
焼結体12の支持機構が設けられている。なお、ヒータ
42は、300MPaの高圧力下でも破壊されない構造
とされている。
【0079】また、前記高圧容器30には、真空引きの
ための吸気管48と、高圧力付与のためのガス及び冷却
用ガスの導入管50及び導出管52が設けられている。
【0080】次に、前記高圧容器30を用いた第1の製
造方法について図3を参照しながら説明する。
【0081】まず、ステップS1において、グラファイ
トを棒状に成形する工程、ピッチ(コールタールの一
種)を含浸させる工程及び加熱焼成する工程を経てグラ
ファイトによる多孔質焼結体12を作製する。
【0082】グラファイトを棒状に成形するには、グラ
ファイト粉体にピッチを混合して、150℃程度の雰囲
気中で押しだし成形を行って棒状(φ100〜φ60
0、長さ3000mm程度)のグラファイトを得る。こ
のままの状態のグラファイトは、気孔が多くしかも熱伝
導率が低い。
【0083】次に、グラファイトの気孔を減少させるた
めに真空脱気を行い、その真空中でピッチを含浸させ
る。そして、1000℃程度で焼成しさらにピッチを含
浸する工程を3回程度繰り返す。
【0084】そして、熱伝導率を向上させるために30
00℃程度の炉の中でグラファイトを加熱焼成する。こ
のとき、グラファイトが燃焼することを防止するために
炉をカーボン粉末でカバーするとともに、グラファイト
自身もカーボン粉末でカバーしておく。また、このグラ
ファイトを加熱する工程は、グラファイトに直接通電す
ることにより加熱焼成してもよい。
【0085】このようにすることで、多孔質焼結体12
が得られるが、最終製品の形状によってはさらに予備加
工をしておくことが望ましい。
【0086】その後、ステップS2において、高圧容器
30を初期状態にして、高圧容器30内に設けられてい
る耐火容器40の第1室44aを下方に位置させる。
【0087】その後、多孔質焼結体12と金属14の塊
を高圧容器30の耐火容器40内に入れ、金属14の塊
を耐火容器40の第1室44a内に配置し、多孔質焼結
体12を第2室44bにセットする(ステップS3)。
このとき予め多孔質焼結体12を予熱しておくことが好
ましい。予熱を行うには、多孔質焼結体12をカーボン
ケースに収納するか又は断熱材にて覆った状態で予熱を
行い、所定の温度に達したらケースに収納するか又は断
熱材にて覆った状態のままで上記のとおり第2室44b
にセットする。
【0088】その後、高圧容器30(及び耐火容器4
0)を密封した後、吸気管48を通じて高圧容器30内
の真空引きを行って該高圧容器30内を負圧状態にする
(ステップS4)。
【0089】その後、ヒータ42に通電して第1室44
aの金属14を加熱溶解する(ステップS5)。以下の
説明では、加熱溶解された金属14を便宜的に「溶融金
属14」とも記す。
【0090】その後、第1室44a内の溶融金属14が
所定温度に達した段階で、高圧容器30を180度転回
させる(ステップS6)。この転回動作によって、第1
室44aが上方に位置することから、第1室44a内の
溶融金属14は、自重によって下方に位置する第2室4
4b内に落下し、この段階で、溶融金属14に多孔質焼
結体12が浸された状態となる。
【0091】その後、ガス導入管50を通じて高圧容器
30内に含浸用ガスを導入して、該高圧容器30内を加
圧する(ステップS7)。この加圧処理によって、前記
溶融金属14は多孔質焼結体12の開気孔部中に含浸す
ることとなる。
【0092】この含浸工程が終了した時点で直ちに冷却
工程に移行する。この冷却工程は、まず、前記高圧容器
30を再び180度転回させる(ステップS8)。この
転回動作によって、第1室44aが下方に位置すること
から、第2室44b内の溶融金属14は、再び第1室4
4a内に落下することになる。
【0093】前記ステップS7での加圧処理(含浸処
理)によって、溶融金属14の一部が多孔質焼結体12
の開気孔中に含浸されていることから、下方に位置する
第1室44aに落下する溶融金属14は多孔質焼結体1
2に含浸されなかった残存溶融金属である。残存溶融金
属が第1室44a内に落下した段階で、第2室44bに
は溶融金属14が含浸された多孔質焼結体12が残るこ
ととなる。
【0094】その後、ガス導出管52を通じて高圧容器
30内の含浸用ガスを排気すると同時に、ガス導入管5
0を通じて冷却用ガスを高圧容器30内に導入する(ス
テップS9)。この含浸用ガスの排気と冷却用ガスの導
入によって、冷却用ガスが高圧容器30内を満遍なく循
環し、高圧容器30は急速に冷却される。この速やかな
る冷却によって、前記多孔質焼結体12に含浸された溶
融金属14が、急速に金属14の塊に固化して体積が膨
張することから、含浸された金属14は多孔質焼結体1
2に強固に保持される。
【0095】他の冷却工程としては、図3において一点
鎖線の枠内に示すように、前記ステップS8での処理が
終了した段階で、高圧容器30、あるいは溶融金属14
が含浸された多孔質焼結体12を冷却ゾーンに搬送し、
冷却ゾーンに設置されている冷やし金に接触させる方法
がある(ステップS10参照)。
【0096】この冷やし金への接触によって多孔質焼結
体12は急速に冷却されることになる。この冷却過程に
おいては、多孔質焼結体12に冷却ガスを吹き付けた
り、冷やし金を水冷しながら行うようにしてもよく、特
に、押湯効果を考えて冷却した方が好ましい。
【0097】このように、第1の製造方法の各工程を踏
むことにより、グラファイトによる多孔質焼結体12へ
の金属14の含浸処理を容易に行うことができ、しか
も、多孔質焼結体12への金属14の含浸率を向上させ
ることができ、直交する3軸方向の平均又はいずれかの
軸方向の熱伝導率が180〜220W/mK以上であっ
て、かつ、熱膨張率が1×10-6/℃〜10×10-6
℃であるヒートシンク材10Aを容易に得ることができ
る。
【0098】ただし、後述する多孔質焼結体にSiCを
採用する場合は、室温から200℃までの平均熱膨張率
が4.0×10-6/℃〜9.0×10-6/℃で、かつ直
交する3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱伝導率
が160W/mK(室温)以上、好ましくは180W/
mK以上であるヒートシンク材を得ることができる。
【0099】前記ステップS5において、ヒータ42に
通電して第1室44aの金属14を加熱溶解する場合
に、ステップS6に移行する所定温度(加熱温度)は、
金属14の融点より30℃〜250℃高い温度がよく、
好ましくは前記融点より50℃〜200℃高い温度が望
ましい。この場合、高圧容器30内を1×10-3Tor
r以下の真空中にしておくことが好ましい。
【0100】また、前記ステップS7において、高圧容
器30内に含浸用ガスを導入することによって高圧容器
30に付与する圧力としては、0.98MPa以上、2
02MPa以下とする。この場合、4.9MPa以上、
202MPa以下が好ましく、より好ましくは9.8M
Pa以上、202MP以下であるとよい。
【0101】この圧力は、高圧である方が含浸率の向
上、冷却能力の向上の観点から好ましい。しかし、圧力
が高すぎるとグラファイトの破損を生じやすくなり、ま
た、高圧に耐えうる設備のコストが高くなるので、これ
らの要素を勘案して圧力を選択する。
【0102】また、高圧容器30への圧力の付与時間は
1秒以上、60秒以下がよく、望ましくは1秒以上、3
0秒以下が好ましい。
【0103】なお、多孔質焼結体20の気孔としては、
上述したように、平均直径が0.5μm〜50μmのも
のが90vol%以上存在し、かつ、気孔率が10vo
l%〜50vol%であることが望ましい。
【0104】ただし、後述する多孔質焼結体にSiCを
採用する場合は、平均直径が5μm〜50μmのものが
90%以上存在し、かつ、気孔率が20vol%〜70
vol%であることが望ましい。
【0105】一方、冷却工程における冷却速度は、含浸
時の温度から800℃までの期間において、−400℃
/時間以上とすることが好ましく、より好ましくは−8
00℃/時間以上が望ましい。
【0106】前記ステップS7において、高圧容器30
に付与する圧力は、多孔質焼結体12の開気孔部に金属
14を完全に含浸させるために必要な圧力である。この
場合、多孔質焼結体12に金属14が含浸されていない
開気孔が残存すると、熱伝導性を著しく阻害するため、
高い圧力を付与することが必要となる。
【0107】この圧力はその概略をワッシュバーン(Wa
shburn)の式によって推定できるが、気孔径が小さいほ
ど大きな力を必要とする。この式に従えば、0.1μm
φのとき39.2MPa、1.0μmφのとき3.92
MPa、10μmφのとき0.392MPaの圧力が適
当である。しかしながら、実際は平均気孔径が0.1μ
mφの材料は0.01μmφ以下の気孔も存在する(図
31及び図32参照)ためにより大きい圧力が必要にな
る。具体的には0.01μmφには392MPaが必要
である。
【0108】なお、グラファイトへの添加元素や金属へ
の添加元素の好ましい例については、すでに述べたので
ここではその説明を省略する。
【0109】次に、第1の製造方法のいくつかの変形例
を図4及び図5を参照しながら説明する。
【0110】第1の変形例は、図4に示すように、ま
ず、グラファイトを焼成して、グラファイトによる多孔
質焼結体12を作製する(ステップS101)。高圧容
器30を初期状態にして、高圧容器30内に設けられて
いる耐火容器40の第1室44aを下方に位置させる
(ステップS102)。
【0111】その後、多孔質焼結体12を第2室44b
にセットし、予め溶融された金属(溶融金属)14を第
1室44a内に流し込む(ステップS103)。
【0112】その後、第1室44a内の溶融金属14が
所定温度に達した段階で、高圧容器30を180度転回
させる(ステップS104)。この転回動作によって、
第1室44a内の溶融金属14が下方に位置する第2室
44bに落下し、この段階で、溶融金属14に多孔質焼
結体12が含浸された状態となる。
【0113】その後、ガス導入管50を通じて高圧容器
30内に含浸用ガスを導入して、該高圧容器30内を加
圧する(ステップS105)。この加圧処理によって、
前記溶融金属14は多孔質焼結体12の開気孔部中に含
浸することとなる。
【0114】次に、第2の変形例について図5を参照し
ながら説明する。この第2の変形例に係る含浸工程は、
高圧容器30内に設置されている耐火容器40の内部中
央部分に、多孔質セラミック材からなる仕切板(図示せ
ず)が設けられた高圧容器30を用いる。耐火容器40
内は、前記仕切板によって第1室44aと第2室44b
とに仕切られることになる。
【0115】前記仕切板としては、気孔率が40vol
%〜90vol%で、かつ気孔径が0.5mm〜3.0
mmである多孔質セラミック材を用いることが望まし
く、より好ましくは気孔率が70vol%〜85vol
%であり、かつ気孔径が1.0mm〜2.0mmである
多孔質セラミック材を用いることが望ましい。
【0116】そして、この第2の変形例では、図5に示
すように、まず、グラファイトを焼成して、グラファイ
トによる多孔質焼結体12を作製する(ステップS20
1)。高圧容器30を初期状態にして、高圧容器30内
に設けられている耐火容器40の第1室44aを下方
に、第2室44bを上方に位置させる(ステップS20
2)。
【0117】その後、多孔質焼結体12と金属14の塊
を高圧容器30の耐火容器40内に入れ、金属14の塊
を上方に位置する第2室44b内に配置し、多孔質焼結
体12を下方に位置する第1室44aにセットする(ス
テップS203)。
【0118】その後、高圧容器30(及び耐火容器4
0)を密封した後、吸気管48を通じて高圧容器30内
の真空引きを行って該高圧容器30内を負圧状態にする
(ステップS204)。
【0119】その後、ヒータ42に通電して第2室44
bの金属14を加熱溶解する(ステップS205)。前
記溶融金属14が所定温度に達した段階で、ガス導入管
50を通じて高圧容器30内に含浸用ガスを導入して、
該高圧容器30内を加圧する(ステップS206)。こ
の加圧処理によって、上方に位置する第2室44b内の
溶融金属14は、仕切板を通過し、下方に位置する第1
室44a内の多孔質焼結体12の開気孔部中に含浸され
ることになる。
【0120】次に、第2の製造方法について図6〜図8
を参照しながら説明する。この第2の製造方法では、図
6に示すように、グラファイトを焼成して多孔質焼結体
12を作製するための炉60と、図7に示すように、多
孔質焼結体12に金属14を含浸させるためのプレス機
62が使用される。
【0121】炉60は、図6に示すように、一般にはグ
ラファイトを黒鉛化するために用いられるものであり、
その内部にケース70が収容可能な空間72と、該空間
72内に収容されたケース70を加熱するためのヒータ
74が設けられている。ケース70はグラファイト、セ
ラミックス、セラペーパ(アルミナ等のセラミックスか
ら構成される断熱材)等の材料から構成される。そし
て、このケース70には、グラファイトが収容される。
【0122】プレス機62は、図7に示すように、上部
開口の凹部80を有する金型82と、凹部80内に挿通
可能とされ、かつ、凹部80内の内容物を押し下げ圧入
するパンチ84とを有する。
【0123】次に、前記炉60とプレス機62を用いた
第2の製造方法について図8を参照しながら説明する。
【0124】まず、ケース70内にグラファイトを入
れ、該ケース70を炉60内に収容する(ステップS3
01)。炉60内の雰囲気を加熱して、グラファイトを
焼成し多孔質焼結体12を作製する(ステップS30
2)。
【0125】また、この工程においては、グラファイト
に対して電流を通電することにより3000℃程度まで
加熱して、多孔質焼結体12を作製するようにしてもよ
い。
【0126】その後、炉60から多孔質焼結体12をケ
ース70ごと取り出して、プレス機62の凹部80内に
多孔質焼結体12をケース70ごと収容する(ステップ
S303)。
【0127】次に、ケース70内に金属14の溶湯86
を注湯した後(ステップS304)、パンチ84を凹部
80内に挿通し、ケース70内の前記溶湯86を押し下
げ圧入する(ステップS305)。このパンチ84の押
圧処理によって、金属14の溶湯86は、多孔質焼結体
12の開気孔部中に含浸することとなる。
【0128】上述の第2の製造方法において、前記パン
チ84による圧入時の圧力を1.01〜202MPa
(10〜2000気圧)とすることが好ましい。また、
図7に示すように、ケース70の底部や金型82の底部
に、多孔質焼結体12に残存するガスを抜くためのガス
抜き孔88及び90やガスを抜くための隙間部を形成す
るようにしてもよい。この場合、パンチ84の圧入時
に、多孔質焼結体12に残存するガスがガス抜き孔88
及び90を通して抜けるため、開気孔への溶湯86の含
浸がスムーズに行われることになる。
【0129】このように、第2の製造方法の各工程を踏
むことにより、グラファイトによる多孔質焼結体12へ
の金属14の含浸処理を容易に行うことができ、しか
も、多孔質焼結体12への金属14の含浸率を向上させ
ることができ、直交する3軸方向の平均又はいずれかの
軸方向の熱伝導率が180〜220W/mK以上であっ
て、かつ、熱膨張率が1×10-6/℃〜10×10-6
℃であるヒートシンク材10Aを容易に得ることができ
る。
【0130】上述の炉60の代わりに、予熱を利用する
炉を使用してもよい。この場合、予め圧粉した材料また
はグラファイトによる多孔質焼結体12を予熱する。こ
の処理によってネットワーク化しているグラファイト
(又は後述のSiC)に対して金属14が含浸しやすく
なる。予熱の温度は、溶湯86と同程度の温度まで予熱
することが望ましい。具体的には、溶湯86が1200
℃程度であるならば、グラファイトの予熱温度は100
0℃〜1400℃が望ましい。
【0131】次に、第2の実施の形態に係るヒートシン
ク材10Bについて図9を参照しながら説明する。
【0132】第2の実施の形態に係るヒートシンク材1
0Bは、図9に示すように、カーボン又はその同素体の
粉体12aと金属14の粉体14aとを混合し、所定温
度、所定圧力下で成形されて構成されている。
【0133】前記カーボン又はその同素体としては、熱
伝導率が100W/mK以上、望ましくは150W/m
K以上(気孔がない状態での推定値)、さらに望ましく
は200W/mK以上(気孔がない状態での推定値)の
ものを使用することが好ましい。特に、この第2の実施
の形態では、グラファイトのほかに、ダイヤモンドを使
用することができる。本例では、熱伝導率が100W/
mK以上のグラファイトの粉体と銅の粉体を混合し、成
形して構成されたヒートシンク材10Bを示す。前記金
属14としては、銅のほかに、アルミニウムや銀を使用
することができる。
【0134】また、この第2の実施の形態に係るヒート
シンク材10Bは、前記カーボン又はその同素体の粉砕
裁断材(例えば炭素繊維の粉砕裁断材)と前記金属14
の粉体14aとを混合し、所定温度、所定圧力下で成形
して構成することもできる。
【0135】そして、前記所定温度としては、プレス型
内での成形を考慮すると、前記金属14における融点の
−10℃〜−50℃が好ましく、前記所定圧力として
は、10.13〜101.32MPa(100〜100
0気圧)が好ましい。
【0136】また、前記カーボン又はその同素体の粉体
12aと、金属14の粉体14aの平均粉末粒度は、1
μm〜500μmであることが好ましい。カーボン又は
その同素体と金属14との体積率は、カーボン又はその
同素体が20vol%〜60vol%、金属14が80
vol%〜40vol%の範囲としている。これによ
り、直交する3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱
伝導率が200〜350W/mK以上であって、かつ、
熱膨張率が3×10-6/℃〜14×10-6/℃であるヒ
ートシンク材10Bを得ることができる。
【0137】この第2の実施の形態に係るヒートシンク
材10Bにおいて、カーボン又はその同素体に、成形後
の再焼成を可能とする添加物を添加させることが好まし
い。この添加物としては、SiC及び/又はSiを挙げ
ることができる。これにより、成形後において、前記金
属14の融点以上の温度での再焼成が可能となる。この
場合、成形後に生じた粒同士が前記再焼成によって結合
することになるため、熱伝導を阻害する粒界をほとんど
なくすことができ、ヒートシンク材10Bの熱伝導率の
向上を図ることができる。
【0138】また、カーボン又はその同素体中に、該カ
ーボン又はその同素体と反応する元素を添加するように
してもよい。この添加元素としては、Ti、W、Mo、
Nb、Cr、Zr、Be、Ta、V、B、Mnから選択
された1種以上を挙げることができる。これにより、成
形時や再焼成時に、カーボン又はその同素体の表面に反
応層(カーバイド層)が形成され、ヒートシンク材10
Bの表面における粒同士の結合を向上させることができ
る。
【0139】一方、前記金属14には、低融点金属、例
えばTe、Bi、Pb、Sn、Se、Li、Sb、T
l、Ca、Cd、Niから選択された1種以上を添加す
ることが好ましい。これにより、カーボン又はその同素
体と金属14との界面の濡れ性が改善され、熱伝導を阻
害する粒界の発生を抑えることができる。なお、熱伝導
の観点から、前記低融点金属は前記金属14に固溶しな
いことが好ましい。
【0140】また、前記金属14に、Nb、Cr、Z
r、Be、Ti、Ta、V、B、Mnから選択された1
種以上を添加することが好ましい。これにより、カーボ
ン又はその同素体と金属14との反応性が向上し、この
場合も、成形時における粒界の発生を抑えることができ
る。
【0141】また、前記金属14に、湯流れ性を向上さ
せるとともに残留気孔を減少させるため、固相/液相の
温度範囲が30℃以上、望ましくは50℃以上の元素、
例えばSn、P、Si、Mgから選択された1種以上を
添加することが好ましい。これにより、含浸の際のばら
つきを低減することができるとともに、残留気孔が減少
し強度の向上を図ることができる。なお、含浸圧力を上
昇させても同様の効果を得ることができる。
【0142】また、前記金属14に、融点を低減させる
ための元素を添加することが好ましい。この添加元素と
しては、例えばZnなどがある。
【0143】次に、この第2の実施の形態に係るヒート
シンク材10Bを製造するためのいくつかの方法(第3
及び第4の製造方法)を図10〜図14を参照しながら
説明する。
【0144】まず、第3の製造方法は、具体的には図1
0及び図11にその一例を示すように、予備成形機10
0(図10参照)と、ホットプレス機102(図11参
照)を使用することによって行われる。
【0145】予備成形機100は、図10に示すよう
に、上部開口の凹部110を有する金型112と、凹部
110内に挿通可能とされ、かつ、凹部110内の内容
物を押し下げ圧入するパンチ114とを有する。ケース
70には、カーボン又はその同素体の粉体12aと金属
14の粉体14aとを混合したもの、即ち、混合物10
4が収容される。
【0146】ホットプレス機102は、図11に示すよ
うに、筒状の筐体120内に、基台を兼ねる下パンチ1
22と、該下パンチ122上に固定された上面開口の黒
鉛製の耐火容器124と、該耐火容器124内に上方か
ら進退自在とされた上パンチ126と、前記耐火容器1
24を加熱するためのヒータ128が設けられている。
耐火容器124には、前記予備成形機100で成形され
た混合物104の予備成形体106が収容される。な
お、このホットプレス機102には、真空引きのための
吸気管130が設けられている。
【0147】下パンチ122の内部には、耐火容器12
4内を加熱するための加熱用流体や耐火容器124内を
冷却するための冷却用流体を流通させる通路132が設
けられている。
【0148】そして、第3の製造方法は、図12に示す
工程を踏むことにより行われる。まず、ケース70内に
カーボン又はその同素体の粉体12aと金属14の粉体
14aとを入れて混合して混合物104を得た後(ステ
ップS401)、該混合物104が入ったケース70を
予備成形機100における金型112の凹部110内に
収容する(ステップS402)。その後、パンチ114
を凹部110内に圧入して混合物104を予備成形して
予備成形体106を成形する(ステップS403)。
【0149】次に、金型112から予備成形体106を
取り出して、該予備成形体106をホットプレス機10
2における耐火容器124内に収容する(ステップS4
04)。耐火容器124を密封した後、吸気管130を
通じて耐火容器124内の真空引きを行って該耐火容器
124内を負圧状態にする(ステップS405)。その
後、ヒータ128に通電して、耐火容器124内の温度
を金属14の融点の−10℃〜−50℃にする(ステッ
プS406)。
【0150】所定温度に達した段階で、上パンチ126
を下方に移動させて、予備成形体106を加圧してヒー
トシンク材10Bを得る(ステップS407)。その
後、加工工程等を経ることによって実際のヒートシンク
材10Bとして使用される。但し、カーボン又はその同
素体と金属14との結合力を高める元素が添加されてい
る場合には、前記加圧後に、金属14の融点以上まで加
熱してもよい。
【0151】なお、カーボン又はその同素体への添加元
素や金属14への添加元素の好ましい例については、す
でに述べたのでここではその詳細な説明を省略する。
【0152】このように、第3の製造方法の各工程を踏
むことにより、直交する3軸方向の平均又はいずれかの
軸方向の熱伝導率が200〜350W/mK以上であっ
て、かつ、熱膨張率が3×10-6/℃〜14×10-6
℃であるヒートシンク材10Bを容易に得ることができ
る。
【0153】次に、第4の製造方法について図13及び
図14を参照しながら説明する。この第4の製造方法で
は、図14に示すように、予備成形機100は使用せず
に、ホットプレス機102のみを使用することによって
行われる。
【0154】即ち、図13に示すように、まず、ケース
70内にカーボン又はその同素体の粉体12aと金属1
4の粉体14aとを入れて混合して混合物104を得た
後(ステップS501)、ケース70内の混合物104
を直接ホットプレス機102における耐火容器124内
に収容する(ステップS502)。耐火容器124を密
封した後、吸気管130を通じて耐火容器124内の真
空引きを行って該耐火容器124内を負圧状態にする
(ステップS503)。その後、ヒータ128に通電し
て、耐火容器124内の温度を金属14の融点の−10
℃〜−50℃にする(ステップS504)。
【0155】所定温度に達した段階で、上パンチ126
を下方に移動させて、混合物104を加圧してヒートシ
ンク材10Bを得る(ステップS505)。
【0156】この第4の製造方法においても、直交する
3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱伝導率が20
0〜350W/mK以上であって、かつ、熱膨張率が3
×10-6/℃〜14×10-6/℃であるヒートシンク材
10Bを容易に得ることができる。
【0157】次に、第3の実施の形態に係るヒートシン
ク材10Cについて図15を参照しながら説明する。
【0158】第3の実施の形態に係るヒートシンク材1
0Cは、図15に示すように、カーボン又はその同素体
の粉体12bとバインダー(結合体)等とを混合した混
合物を加圧して予備成形体及びブロック(立方体、直方
体、又は任意形状であってもよい)を成形し、さらに、
このブロックに金属を含浸させて構成している。粉体1
2bは、第2の実施の形態で用いたカーボン又はその同
素体の粉体12aと同じものでもよい。このヒートシン
ク材10Cは、最終形状に近い任意の形状に作ることが
できる。
【0159】前記カーボン又はその同素体としては、グ
ラファイトのほかに、ダイヤモンドを使用することがで
きる。また、金属14としては、銅のほかに、アルミニ
ウムや銀を使用することができる。
【0160】また、前記カーボン又はその同素体の粉体
12bの平均粉末粒度は、1μm〜2000μmであ
り、前記粉体12bが最小の長さをとる方向と、最大の
長さをとる方向で、その長さの比が1:5以下であるこ
とが好ましい。この場合、強いネットワークはないもの
の、最終形状に近い任意の形状に作ることができる。従
って、後工程の加工を省略することも可能である。そし
て、カーボン又はその同素体の粉体12bと金属14と
の体積率は、カーボン又はその同素体が20vol%〜
80vol%、金属14が80vol%〜20vol%
の範囲が望ましい。
【0161】また、カーボン又はその同素体の粉体12
b中に、該カーボン又はその同素体と反応するための添
加元素を添加することが望ましい。この添加元素は第2
の実施の形態と同様に選択すればよい。
【0162】前記金属14には、第1の実施の形態の場
合と同様に各添加元素を用いることが望ましい。つま
り、濡れ性改善のための添加元素、カーボン又はその同
素体と金属14との反応性を向上させるための添加元
素、湯流れ性を向上させるための添加元素、融点を低減
させるための添加元素などである。
【0163】次に、第3の実施の形態の第5の製造方法
について図16を参照しながら説明する。この第5の製
造方法では、まず、カーボン又はその同素体の粉体12
bに水、バインダー(結合材)を混合させて混合物を用
意する(ステップS601)。
【0164】そして、その混合物を所定圧力で加圧して
予備成形体を成形する(ステップS602)。加圧装置
としてはプレス機62(図7参照)又は予備成形機10
0(図10参照)を用いるとよい。
【0165】次に、得られた予備成形体に溶融金属14
を含浸しやすくするために予熱処理を行う(ステップS
603)。この予熱温度は、例えば、溶融金属14が1
200℃程度であるならば、グラファイトの予熱温度は
1000℃〜1400℃が望ましい。この予熱処理を行
うことで、ステップS601において用いたバインダー
を除去することもできる。
【0166】さらに、ステップS604において、予備
成形体を焼成してブロックを成形する。焼成する方法は
第1の実施の形態と同様に行う。
【0167】そして、予備成形体に溶融金属14を含浸
させる(ステップS605)。この含浸工程は、第1の
実施の形態で示した各含浸工程と同じ処理を行えばよ
い。例えば、高圧容器30(図2参照)を使用して、第
1の製造方法(図3参照)におけるステップS2からス
テップS9の工程を行うことでヒートシンク材10Cを
得ることができる。
【0168】この第5の製造方法によれば、ステップS
602で行う加圧処理において、粉体の圧粉状況により
熱膨張率と熱伝導率を所望の値に制御することができ
る。
【0169】また、得られたヒートシンク材10Cは、
熱伝導率がより等方性になり、濡れ性、材料歩留まりも
向上するという特徴を持つ。
【0170】さらに、金属14の方がネットワークにな
るので強度を上げることができ、残留気孔も減少させる
ことができる。
【0171】またさらに、ヒートシンク材10Cを廉価
に製造することができる。すなわち、含浸前のブロック
は脆いためにそのままでは加工できない。しかし、粉末
予備成形品は、そのものの形状に成形しておいてから含
浸することができ、かつ、その後多少の塑性変形にも耐
えうるため、複雑形状のヒートシンク材10Cを廉価に
得ることができる。
【0172】この第5の製造方法においても、前述の各
製造方法の場合と同様に、含浸させる金属14に炭化物
を形成する元素を添加することで熱膨張を下げることが
できる。また、濡れ性等の改良元素を添加することによ
り含浸率を向上させることができる。
【0173】また、高い含浸圧力を付与した場合の方
が、含浸率が上がり、強度、熱伝導率も向上する。
【0174】ここで、第5の製造方法による含浸実施例
を図17に示す。図17の充填方法の欄で「無加圧」と
表示されているものは、上記加圧工程ステップS602
を省略して粉体を敷き詰めた混合物にそのまま金属14
を含浸させたことを示している。また、「加圧」と表示
されているものは、粉体1000cm3に水ガラス10
cm3と水100cm3を添加して圧粉し、その後予熱時
(1200℃)に水と水ガラスを除去させて成形したも
のである。
【0175】次に、第3の実施の形態に係るヒートシン
ク材10の第6の製造方法について図18を参照しなが
ら説明する。この第6の製造方法では、まず、金属を溶
解した溶融金属14又は固液共存状態の金属(固液共存
金属)を用意する(ステップS701)。ここで、固液
共存状態とは金属(一般には合金)を半融状態にしたも
の、又は金属溶湯を冷却、撹拌して半凝固状態にしたも
のをいい、金属を加熱し直接的に半融状態にしたもの
と、一度完全に溶解した後に冷却して半凝固状態にした
ものの両方を指す。
【0176】次に、カーボン又はその同素体の粉体12
aを前記溶融金属14または固液共存状態の金属に混合
させる(ステップS702)。
【0177】そして、この粉体12aを混合させた溶融
金属14または固液共存金属を鋳造加工し、所望の形状
に成形することでヒートシンク材10Cを得ることがで
きる(ステップS703)。
【0178】第6の製造方法において得られたヒートシ
ンク材10Cは、第5の製造方法により作製したものと
同様の特徴を有する。
【0179】次に、1つの実験例(第1の実験例)を示
す。この第1の実験例は、3種類のカーボン(P、M、
N)について、含浸する金属14の種類、添加元素の種
類、含浸方法を変えて、2方向の熱伝導率の違い、2方
向の熱膨張率の違い、2方向の曲げ強度の違い、耐水
性、添加元素の効果をそれぞれ見たものである。この実
験例の結果を図19〜図21に示す。また、3種類のカ
ーボン(P、M、N)の各特性を図22に示す。
【0180】なお、耐水性は、デシケータ内に少量の水
とサンプルを入れ、サンプルを水に浸さずに水の雰囲気
に曝した状態にして検査した。
【0181】まず、含浸方法として金型プレスを用いた
場合について見てみると、熱伝導率については、添加元
素を含んだ銅合金を含浸させたものの方が純銅を含浸さ
せたものよりも全体に高くなっている。本来、純銅の方
が熱伝導率が高いが、カーボンとの濡れ性が悪く、含浸
しにくいこと、含浸後のカーボンと金属の界面で熱伝導
率が低下することなどが原因と考えられる。
【0182】また、純アルミを含浸させたものは、カー
バイドを生成する効果とカーボンに対する濡れ性が高い
ため、純銅を含浸させた場合よりも熱伝導率の高いもの
が得られるが、添加元素を含む銅合金を含浸させたもの
の方が熱伝導率が高くなっている。
【0183】しかし、含浸方法としてガス加圧を用いた
場合は、金型プレスによる場合よりも熱伝導率が高くな
っており、ガス加圧によって純銅を含浸させたものの熱
伝導率は、添加元素を含んだ銅合金を含浸させたものと
ほぼ同じになっている。図23に、図19〜図21に示
す実験結果のうち、金型プレスによる場合とガス加圧に
よる場合の各代表例を抽出して示す。
【0184】これは、ガス加圧の方が予熱温度及び溶湯
温度の制御がやりやすいためである。もちろん、金型プ
レスにおいても、設備上の工夫をすることで同レベルの
含浸特性(熱伝導率が高くなる)を得ることができる。
【0185】熱膨張率については、すべてのカーボンに
おいて、純銅を含浸させたもの、銅合金を含浸させたも
の、純アルミを含浸させたもので違いはなく、含浸方法
によっても違いはなかった。
【0186】また、濡れ性を向上させる添加元素を含む
銅合金を含浸させたものは、耐水性が良好であり、カー
バイドの生成が容易になる添加元素を含む銅合金を含浸
させたものは、カーボンのみよりも曲げ強度が向上して
いることがわかる。
【0187】また、これら各サンプルは、面方向と厚さ
方向の熱伝導率の比が1:5以下となっており、ほとん
ど等方性に近い特性を有するため、ヒートシンクとして
使用する場合に、設置方向をいちいち考慮する必要がな
く、実装面で有利となる。
【0188】さらに、2つの実験例(第2及び第3の実
験例)を示す。これらの実験例は、第1の実施の形態に
おける、カーボンに金属を含浸させる含浸工程で、容器
内を含浸加圧する際の含浸圧力を変えて、残留気孔、密
度、均質化、圧縮強度、及び直交する2つの面方向にお
ける熱伝導率の違いをそれぞれ見たものである。
【0189】第2の実験例は、含浸圧力を26.7MP
a(272kgf/cm2)、及び156.0MPa
(1592kgf/cm2)で行った。この実験例の結
果を図24に示す。
【0190】図24は、縦軸に気孔率(□で示す)、及
び密度(○で示す)をとって、横軸に含浸圧力をとり、
プロットしたものである。気孔率のプロットを□で示
し、密度のプロットを○で示す。この実験結果から高い
含浸圧力を付与した場合の方が、密度は大きくなり、し
かも気孔率は減少していることがわかる。
【0191】また、カーボンの圧縮強度(規格:JIS
R 1608 ファインセラミックスの圧縮強さ試験
方法)は面方向で24.5〜34.3MPa(250〜
35kgf/cm2)、厚さ方向で34.3〜44.1
MPa(350〜450kgf/cm2)なので、この
実験から、上記含浸工程ではカーボンの圧縮強度の4〜
5倍の含浸圧力を付与した場合でも製造上問題のないこ
とが確認できた。
【0192】第3の実験例は、含浸圧力を26.7MP
a(272kgf/cm2)、及び60.0MPa(6
12kgf/cm2)で行った。この実験例の結果を図
25〜図29に示す。
【0193】図25は縦軸に測定密度をとって、横軸に
各ロットの密度平均をとりプロットしたものである。
【0194】この図25から、含浸圧力を高くした方が
ロットごとの密度平均のばらつきが小さいことが分か
る。
【0195】図26〜図28は、横軸に含浸圧力をとっ
て、縦軸にはそれぞれ、厚さ方向の熱伝導率、圧縮強
度、及び密度をとってプロットしたものである。これら
の図26〜図28から、高い含浸圧力を付与した場合の
方が、各特性とも値が向上してることがわかる。
【0196】図29は、直交する2つの面方向での熱伝
導率の違いをプロットしたものである。一方をX方向と
して横軸にとり、もう一方をY方向として縦軸にとっ
た。この図29から、高い含浸圧力を付与した場合の方
が、面方向でのばらつきが少ないことがわかる。
【0197】前記第2及び第3の実験例では、含浸圧力
を高くしたことで、金属14の含浸量が増えたことによ
り、各効果を奏したものと考えられる。
【0198】さらに、別の2つの実験例(第4及び第5
の実験例)を示す。この第4及び第5の実験例は、第4
の実施の形態において、カーボンに金属14を含浸させ
る含浸工程で、含浸加圧する際の含浸圧力と、金属14
に添加する元素とを変えて、残留気孔の変化をそれぞれ
見たものである。
【0199】第4の実験例は、含浸金属にCu0.1N
bを採用し、含浸圧力を加えない元素材と、27MP
a、48MPa、及び60MPaを加圧した場合で行っ
た。この実験例の結果を図31に示す。
【0200】図31は横軸に気孔径、縦軸に残留気孔容
積をとり、各含浸圧力の場合における違いを見たもので
ある。この図31から、含浸圧力を上げることで含浸後
の残留気孔率が減少していることが分かる。
【0201】第5の実験例は、含浸させる金属に元素を
添加しない元素材と、Cu5Siを添加した場合及びC
u0.1Nbを添加した場合であり、含浸圧力について
は27MPaの場合と43MPaの場合で実験した。こ
の実験例の結果を図32に示す。
【0202】図32における元素材は、図31における
元素材と同条件であるので、それぞれの波形はほぼ同じ
形状になっている。
【0203】添加した元素のCu5Siは、固相/液相
温度範囲が30℃以上あるので、Cu0.1Nbに比べ
て湯流れ性(濡れ性)がよい。その結果、Cu5Siを
添加したものの方が残留気孔が減少していることが分か
る。また、含浸圧力を上げた方が含浸後の残留気孔が減
少する傾向がみられるが、これは図31と同じ傾向とい
える。また、残留気孔が減少することにより強度の向上
を図ることができる。
【0204】次に、カーボン又はその同素体に代えて、
SiCを多孔質焼結体として利用する場合について説明
する。
【0205】SiCに濡れ性改善のための添加剤を入れ
るには、金属の成分に5%までの範囲で、Be、Al、
Si、Mg、Ti、Niから選択された1種以上の添加
元素を含むことが好ましい。これらの元素は、カーボン
を多孔質焼結体として利用した場合とは異なるので注意
する。
【0206】そして、SiCと金属14との濡れ性の向
上を図って、SiCに予め1〜10vol%、望ましく
は3〜5vol%のNiめっきを施すことが好ましい。
この場合、低圧力での含浸を実現させることができる。
ここでいう、Niめっきとしては、予熱時に溶融しない
めっき処理が望ましく、例えばNi−P−Wのめっきや
Ni−B−Wのめっき等が含まれる。
【0207】また、SiCと金属14との濡れ性の向上
を図って、SiCに予めSiを1〜10vol%、望ま
しくは3〜5vol%含浸させることが好ましい。この
場合も低圧力での含浸を実現させることができる。
【0208】そして、前記SiCに予め1〜10vol
%のNiめっきを施す、あるいは、予めSiを1〜10
vol%含浸させることに関連して、SiCに予めパラ
ジウムめっきを施すようにしてもよい。この場合、前記
パラジウムめっきに加えて、NiやSiとの複合めっき
を施すことも可能である。
【0209】また、SiCと金属14は高温において反
応が生じ、該SiCがSiとCに分解されて本来の機能
が発揮されなくなる。このため、SiCと金属14とが
高温で直接接触する時間を短縮することが必要である。
第1の処理条件(高圧容器30に付与する圧力=0.9
8MPa(10kgf/cm2)以上、98MPa(1
000kgf/cm2)以下)、第2の処理条件(加熱
温度=金属14の融点より30℃〜250℃高い温度)
又は第3の処理条件(SiCに予め1〜10vol%の
Niめっきを施す)を満足させることにより、SiCと
金属14との接触時間を短くすることができるため、前
記のようなSiCの分解反応を事前に回避することがで
きる。
【0210】また、SiCと金属14とは濡れ性が悪い
ことから、金属14を十分に含浸させるには高圧力をか
けることが必要である。第3の処理条件(SiCに予め
1〜10vol%のNiめっきを施す)、又は第4の処
理条件(SiCに予めSiを1〜10vol%含浸させ
る)を行うことによりSiCの気孔表面が改質され、S
iCと金属14との濡れ性が良好となるため、より低圧
力でより細かい気孔にまで金属14を含浸させることが
できる。
【0211】ここで、さらに別の実験例(第6の実験
例)を示す。この第6の実験例は、SiCの気孔率、気
孔径、Niめっきの有無、Si含浸の有無、含浸温度、
加圧力、加圧時間、冷却速度を適宜変えて、そのときの
SiC/Cuの反応状況とCuの含浸状況の違いをみた
ものである。その実験結果を図30の表図に示す。この
図30において、SiC/Cuの反応状況は、SiCと
Cuとの間に形成された反応層の厚み(平均値)によっ
て決定させた。その決定条件は、以下の通りである。ま
た、この決定条件の根拠は、SiCとCuとの間に5μ
m以上の反応層が生じると、SiCとCu間の熱伝達が
悪化し、半導体ヒートシンク用複合材料とした場合の熱
伝導率が低下するからである。
【0212】・反応層の厚み(平均)が1μm以下 →
「反応無し」 ・反応層の厚み(平均)が1μmを超え5μm以下 →
「反応少」 ・反応層の厚み(平均)が5μmを超える → 「反応
大」
【0213】この実験結果から、SiCの気孔率、気孔
径、含浸温度、加圧力、加圧時間及び冷却速度について
それぞれ所定範囲を満足するもの(サンプル3、7、
8、11及び12)については、いずれもSiC/Cu
の反応状況が「反応無し」で、かつCuの含浸状況が良
好となっており、良好な結果が得られている。
【0214】これらサンプルのうち、サンプル3、7、
11及び12については、NiめっきあるいはSi含浸
を行っているため、Cuとの濡れ性が良好となり、加圧
時間を短くしても前記のように良好な結果が得られた。
また、サンプル8については、Niめっき及びSi含浸
を行っていないが、加圧力を高くしたことによって、加
圧時間を短くすることが可能となり、前記のように良好
な結果が得られた。
【0215】一方、加圧力が前記所定範囲よりも低い
0.78MPa(8kgf/cm2)であるサンプル
1、5及び9については、Cuの含浸状況がいずれも不
十分となっており、これらサンプルのうち、加圧時間が
長いものについては(サンプル1及び5)、SiC/C
uの反応状況が「反応大」となっている。
【0216】なお、サンプル6について、SiC/Cu
の反応状況が「反応少」にも拘わらず含浸状況が不十分
となっているのは、気孔率及び気孔径がそれぞれ所定範
囲を満たしていないからと考えられ、サンプル14につ
いて、含浸状況が良好であるにも拘わらずSiC/Cu
の反応状況が「反応大」となっているのは、気孔径が所
定範囲よりも大きく、加圧時間が比較的長いからと考え
られる。
【0217】次に、多孔質焼結体にSiCを利用した実
施の形態について説明する。まず、前記第1の実施の形
態(第1の製造方法、第1の変形例、第2の変形例、及
び第2の製造方法)において、SiCを利用する場合
は、グラファイトを焼成して多孔質焼結体を作製する工
程(ステップS1、ステップS101、ステップS20
1、ステップS301、及びステップS302)は不要
であり、その後のステップでは同じ工程で製造すること
ができる。
【0218】さらに、多孔質焼結体にSiCを利用した
実施の形態として、第4の実施の形態に係る製造方法
(第7の製造方法)について、図33〜図36を参照し
ながら説明する。
【0219】この第7の製造方法は、具体的には図33
にその一例を示すように、ホットプレス機1060を使
用することによって行われる。このホットプレス機10
60は、前記第2の実施の形態で説明したホットプレス
機102とほぼ同じ構造であるが、便宜上、図を分けて
説明する。
【0220】このホットプレス機1060は、筒状の筐
体1062内に、基台を兼ねる下パンチ1064と、該
下パンチ1064上に固定された上面開口の耐火容器1
066と、該耐火容器1066内に上方から進退自在と
された上パンチ1068と、前記耐火容器1066を加
熱するためのヒータ1070が設けられている。なお、
このホットプレス機1060には、真空引きのための吸
気管1072が設けられている。
【0221】前記耐火容器1066は、中空部1074
を有する筒状の形状を有する。上パンチ1068は、そ
の側面に、該上パンチ1068の行程(ストローク)を
決定するフランジ部1076が設けられ、該フランジ部
1076の下面には、前記耐火容器1066の上周面と
接触して耐火容器1066を密閉状態にするためのパッ
キン1078が取り付けられている。一方、下パンチ1
064の内部には、耐火容器1066内を加熱するため
の加熱用流体や耐火容器1066内を冷却するための冷
却用流体を流通させる通路1080が設けられている。
【0222】そして、第7の製造方法は、図34に示す
工程を踏むことにより行われる。
【0223】まず、耐火容器1066の中空部1074
内に、下からSiC1020、多孔質セラミック製のフ
ィルタ1054、金属14の塊の順で投入する(ステッ
プS1301)。フィルタ1054としては、気孔率が
40%〜90%で、かつ気孔径が0.5mm〜3.0m
mである多孔質セラミック材を用いることが望ましく、
より好ましくは気孔率が70%〜85%で、かつ気孔径
が1.0mm〜2.0mmである多孔質セラミック材を
用いることが望ましい。
【0224】また、前記フィルタ1054は、SiC1
020と金属14の塊とを仕切って両者を非接触状態に
おく仕切板としての機能を果たし、中空部1074のう
ち、フィルタ1054上の金属14の塊がセットされた
部分を上室1074a、フィルタ1054下のSiC1
020がセットされた部分を下室1074bとして定義
することができる。
【0225】次に、耐火容器1066を密封した後、吸
気管1072を通じて耐火容器1066内の真空引きを
行って該耐火容器1066の両室1074a及び107
4b内を負圧状態にする(ステップS1302)。
【0226】その後、ヒータ1070に通電して上室1
074a内の金属14を加熱溶解する(ステップS13
03)。このとき、前記ヒータ1070への通電と併せ
て下パンチ1064の通路1080内に加熱用流体を流
して耐火容器1066の内部を加熱するようにしてもよ
い。
【0227】上室1074a内の金属14の溶解物(溶
融金属)が所定温度に達した段階で、上パンチ1068
を下方に移動させて上室1074a内を所定圧まで加圧
する(ステップS1304)。このとき、上パンチ10
68のフランジ部1076に取り付けられたパッキン1
078と耐火容器1066の上周面との接触及び互いの
押圧により、耐火容器1066が密封され、内部の溶融
金属が耐火容器1066の外に漏れるという不都合が有
効に防止される。
【0228】所定圧になった上室1074a内の金属1
4の溶解物(溶融金属)は上室1074a内の圧力によ
ってフィルタ1054を通して下室1074b側に押し
出されて該下室1074b内に導入されると同時に、該
下室1074b内に設置されたSiC1020に含浸さ
れる。
【0229】時間管理によって予め設定されている終点
(SiC1020内への溶融金属14の含浸が飽和状態
とされた時点)となった段階において、今度は、下パン
チ1064内の通路1080に冷却用流体を流して耐火
容器1066を下方から上方に向かって冷却させること
により(ステップS1305)、SiC1020に含浸
された溶融金属14を凝固させる。凝固が完了するまで
上パンチ1068と下パンチ1064による耐火容器1
066内の加圧状態は保持される。
【0230】凝固が完了した時点で、金属14が含浸さ
れたSiC1020を耐火容器1066から取り出す
(ステップS1306)。
【0231】この製造方法においては、SiC1020
と金属14とを十分に脱気しつつ加熱し、金属14を溶
融した後、速やかにSiC1020に接触させ、かつ、
これらを加圧状態とし、さらにその加圧状態を冷却操作
完了時まで保持するようにしたので、SiC1020に
金属14を効率的に含浸することができる。前記例では
含浸処理を負圧下で行うようにしたが、常圧下で行って
もよい。
【0232】このように、溶融金属14とSiC102
0を共に加圧下においた後に、互いに接触させて、含浸
処理を行うようにしたので、両者を接触させる際の圧力
低下を最小限にすることができ、含浸処理時における加
圧状態を良好に保持させることができる。
【0233】前記例では、溶融金属14の漏れを防止す
るために、上パンチ1068におけるフランジ部107
6の下面にパッキン1078を設けるようにしたが、図
33の二点鎖線で示すように、耐火容器1066の上周
面にパッキン1078を設けるようにしてもよい。ま
た、図35Aに示すように、リング状の割型パッキン1
100を2枚重ねにしたパッキン部材1102を、図3
6に示すように、上パンチ1068の下部に設けるよう
にしてもよい。この場合、パッキン部材1102の中空
部1104に溶融金属が入り込むことにより各割型パッ
キン1100の直径が拡大し、結果的に上室1074a
が密封されて溶融金属14の漏れが防止されることにな
る。
【0234】次に、第7の製造方法の変形例について図
37及び図38を参照しながら説明する。なお、図33
と対応する構成要素については同符号を付してその重複
説明を省略する。
【0235】この変形例に係る製造方法においては、ホ
ットプレス機1060として、図37に示すように、耐
火容器1066における中空部1074の高さ方向中央
部に多孔質セラミックスにて構成されたフィルタ部材1
110が固着され、下室1074bの側面に扉1112
が開閉自在に取り付けられたものが使用される。従っ
て、耐火容器1066の中空部1074のうち、フィル
タ部材1110よりも上の部分が上室1074aとな
り、フィルタ部材1110よりも下の部分が下室107
4bとなる。特に、下室1074bに取り付けられた扉
1112に関しては、該扉1112を閉じたときに下室
1074bが密封されるような構造が採用される。
【0236】そして、この変形例に係る製造方法は、図
38に示す工程を踏むことにより行われる。
【0237】まず、耐火容器1066の上室1074a
内に金属14の塊を投入し、下室1074bの扉111
2を開いて該下室1074b内にSiC1020を投入
する(ステップS1401)。
【0238】次に、扉1112を閉じて下室1074b
を密封し、さらにホットプレス機1060を密封した
後、吸気管1072を通じて耐火容器1066内の真空
引きを行って該耐火容器1066の両室1074a及び
1074b内を負圧状態にする(ステップS140
2)。
【0239】その後、ヒータ1070に通電して上室1
074a内の金属14を加熱溶解する(ステップS14
03)。この場合も前記ヒータ1070への通電と併せ
て下パンチ1064の通路1080内に加熱用流体を流
して耐火容器1066の内部を加熱するようにしてもよ
い。
【0240】上室1074a内の金属14の溶解物(溶
融金属)が所定温度に達した段階で、上パンチ1068
を下方に移動させて上室1074a内を所定圧まで加圧
する(ステップS1404)。
【0241】所定圧になった上室1074a内の金属1
4の溶解物(溶融金属)は上室1074a内の圧力によ
ってフィルタ部材1110を通して下室1074b側に
押し出されて該下室1074b内に導入されると同時
に、該下室1074b内に設置されたSiC1020に
含浸される。
【0242】時間管理によって予め設定されている終点
となった段階において、今度は、下パンチ1064内の
通路1080に冷却用流体を流して耐火容器1066を
下方から上方に向かって冷却させることにより(ステッ
プS1405)、SiC1020に含浸された溶融金属
14を凝固させる。
【0243】凝固が完了した時点で、金属14が含浸さ
れたSiC1020を耐火容器1066から取り出す
(ステップS1406)。
【0244】この変形例に係る製造方法においても、第
7の製造方法と同様に、SiC1020に金属14を効
率的に含浸することができる。また、この変形例でも、
溶融金属14とSiC1020を共に加圧下においた後
に、互いに接触させて、含浸処理を行うようにしている
ため、両者を接触させる際の圧力低下を最小限にするこ
とができ、含浸処理時における加圧状態を良好に保持さ
せることができる。なお、この変形例では、負圧下で含
浸処理を行うようにしたが、常圧下で行ってもよい。
【0245】さらに、多孔質焼結体にSiCを利用した
実施の形態として、第5の実施の形態に係る製造方法
(第8の製造方法)について、図39及び図40を参照
しながら説明する。なお、図33と対応する構成要素に
ついては同符号を記してその重複説明を省略する。
【0246】この第8の製造方法は、前記第4の実施の
形態に係る製造方法と原理的にはほぼ同じであるが、含
浸工程において、SiC1020と金属14とを負圧下
又は常圧下で接触させ、加熱処理して前記金属14を溶
融する点で異なる。
【0247】具体的には、図33に示した第3の実施の
形態に係る製造方法にて使用されるホットプレス機10
60の耐火容器1066内にフィルタ1054を投入せ
ずに、下からSiC1020、金属14の順に投入する
点で異なる。
【0248】そして、第5の実施の形態に係る製造方法
は、図40に示す工程を踏むことにより行われる。
【0249】まず、耐火容器1066の中空部1074
内に、下からSiC1020、金属14の塊の順に投入
する(ステップS1501)。
【0250】次に、ホットプレス機1060を密封した
後、吸気管1072を通じて耐火容器1066内の真空
引きを行って該耐火容器1066内を負圧状態にする
(ステップS1502)。
【0251】その後、ヒータ1070に通電して耐火容
器1066内の金属14を加熱溶解する(ステップS1
503)。このとき、前記ヒータ1070への通電と併
せて下パンチ1064の通路1080内に加熱用流体を
流して耐火容器1066の内部を加熱するようにしても
よい。
【0252】耐火容器1066内の金属14の溶解物
(溶融金属)が所定温度に達した段階で、上パンチ10
68を下方に移動させて耐火容器1066内を所定圧ま
で加圧する(ステップS1504)。
【0253】所定圧になった金属14の溶解物(溶融金
属)は耐火容器1066内の圧力によってSiC102
0に含浸される。
【0254】時間管理によって予め設定されている終点
(SiC1020内への溶融金属の含浸が飽和状態とさ
れた時点)となった段階において、今度は、下パンチ1
064内の通路1080に冷却用流体を流して耐火容器
1066を下方から上方に向かって冷却することにより
(ステップS1505)、SiC1020に含浸された
溶融金属を凝固させる。凝固が完了するまで上パンチ1
068と下パンチ1064による耐火容器1066内の
加圧状態は保持される。
【0255】凝固が完了した時点で、金属14が含浸さ
れたSiC1020を耐火容器1066から取り出す
(ステップS1506)。
【0256】この第8の製造方法においても、SiC1
020と金属14とを十分に脱気しつつ加熱し、金属1
4とSiC1020とを接触させた状態で金属14を溶
融した後、耐火容器1066内を加圧状態とし、さらに
その加圧状態を冷却操作完了時まで保持するようにした
ので、SiC1020に金属14を効率的に含浸するこ
とができる。
【0257】なお、この発明に係るヒートシンク材及び
その製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明
の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ること
はもちろんである。
【0258】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るヒー
トシンク材によれば、実際の電子部品(半導体装置を含
む)等で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに
適合した特性を得ることができる。
【0259】また、本発明に係るヒートシンク材の製造
方法によれば、実際の電子部品(半導体装置を含む)等
で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合し
た特性を有するヒートシンク材を容易に製造することが
でき、高品質のヒートシンクの生産性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るヒートシンク材の構成
を示す斜視図である。
【図2】図2Aは第1の製造方法で使用される高圧容器
の正面を一部破断して示す図であり、図2Bは前記高圧
容器の側面を一部破断して示す図である。
【図3】第1の製造方法を示す工程ブロック図である。
【図4】第1の製造方法の第1の変形例を示す工程ブロ
ック図である。
【図5】第1の製造方法の第2の変形例を示す工程ブロ
ック図である。
【図6】第2の製造方法で使用される炉を示す構成図で
ある。
【図7】第2の製造方法で使用されるプレス機を示す構
成図である。
【図8】第2の製造方法を示す工程ブロック図である。
【図9】第2の実施の形態に係るヒートシンク材の構成
を示す斜視図である。
【図10】第3の製造方法で使用される予備成形機を示
す構成図である。
【図11】第3の製造方法で使用されるホットプレス機
を示す構成図である。
【図12】第3の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【図13】第4の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【図14】第4の製造方法で使用されるホットプレス機
を示す構成図である。
【図15】第3の実施の形態に係るヒートシンク材の構
成を示す斜視図である。
【図16】第5の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【図17】第5の製造方法に係るヒートシンク材の特性
を示す図表である。
【図18】第6の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【図19】カーボンPにおける実験例の結果を示す図表
である。
【図20】カーボンMにおける実験例の結果を示す図表
である。
【図21】カーボンNにおける実験例の結果を示す図表
である。
【図22】カーボンP、M、Nの特性を示す図表であ
る。
【図23】実験結果のうち、金型プレスによる場合とガ
ス加圧による場合の各代表例を抽出して示す図表であ
る。
【図24】含浸圧力に対する気孔率及び密度の変化を示
す特性図である。
【図25】各ロットの測定密度と密度平均との関係を示
す特性図である。
【図26】含浸圧力に対する熱伝導率の変化を示す特性
図である。
【図27】含浸圧力に対する圧縮強度の変化を示す特性
図である。
【図28】含浸圧力に対する密度の変化を示す特性図で
ある。
【図29】含浸圧力に対する熱伝導率の変化を示す特性
図である。
【図30】SiCの気孔率、気孔径、Niめっきの有
無、Si含浸の有無、含浸温度、加圧力、加圧時間、冷
却速度を適宜変えたときのSiC/Cuの反応状況とC
uの含浸状況の違いを示す表図である。
【図31】含浸圧力に対する残留気孔の変化を示す特性
図である。
【図32】添加元素に対する残留気孔の変化を示す特性
図である。
【図33】第7の製造方法に使用されるホットプレス機
を示す概略構成図である。
【図34】第7の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【図35】図35Aはパッキン部材を示す平面図であ
り、図35Bは図35AにおけるXXIVB−XXIV
B線上の断面図である。
【図36】第7の製造方法に使用されるホットプレス機
の他の例を示す概略構成図である。
【図37】第7の製造方法の変形例に使用されるホット
プレス機を示す概略構成図である。
【図38】第7の製造方法の変形例を示す工程ブロック
図である。
【図39】第8の製造方法に使用されるホットプレス機
を示す概略構成図である。
【図40】第8の製造方法を示す工程ブロック図であ
る。
【符号の説明】
10A、10B、10C…ヒートシンク材 12…多孔質焼結体 12a、12b…カーボン又はその同素体の粉体 14…金属 14a…金属の粉体 30…高圧容器 40、124、10
66…耐火容器 60…炉 62…プレス機 70…ケース 82、112…金型 84、114…パンチ 86…溶湯 100、106…予備成形機 102、1060…
ホットプレス機 104…混合物 122…下パンチ、
1064 126、1068…上パンチ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 1/05 C22C 1/05 E P 1/10 E 1/10 G H01L 23/36 M (72)発明者 鈴木 健 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 中山 信亮 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 竹内 広幸 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 (72)発明者 安井 誠二 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K018 AA02 AA04 AA15 AB07 AC01 AD17 DA19 EA06 FA35 KA32 4K020 AA22 AA24 AC01 AC04 AC05 BA02 BB23 BB26 BB29 5F036 AA01 BB01 BD01 BD11

Claims (65)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カーボン又はその同素体と、金属とを含
    み、 直交する3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱伝導
    率が160W/mK以上であることを特徴とするヒート
    シンク材。
  2. 【請求項2】請求項1記載のヒートシンク材において、 直交する3軸方向の平均又はいずれかの軸方向の熱伝導
    率が180W/mK以上であって、かつ、 熱膨張率が1×10-6/℃〜10×10-6/℃であるこ
    とを特徴とするヒートシンク材。
  3. 【請求項3】請求項1記載のヒートシンク材において、 前記同素体がグラファイトであることを特徴とするヒー
    トシンク材。
  4. 【請求項4】請求項1記載のヒートシンク材において、 前記同素体がダイヤモンドであることを特徴とするヒー
    トシンク材。
  5. 【請求項5】請求項1記載のヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体として、熱伝導率が100
    W/mK以上のものが使用されていることを特徴とする
    ヒートシンク材。
  6. 【請求項6】請求項1、3又は5のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体を焼成してネットワーク化
    することによって得られる多孔質焼結体に前記金属が含
    浸されて構成されていることを特徴とするヒートシンク
    材。
  7. 【請求項7】請求項6記載のヒートシンク材において、 前記多孔質焼結体の気孔率が10vol%〜50vol
    %であって、平均気孔径が0.1μm〜200μmであ
    ることを特徴とするヒートシンク材。
  8. 【請求項8】請求項6又は7記載のヒートシンク材にお
    いて、 前記カーボン又はその同素体と前記金属との体積率が、
    前記カーボン又はその同素体が50vol%〜80vo
    l%、金属が50vol%〜20vol%の範囲である
    ことを特徴とするヒートシンク材。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれか1項に記載のヒー
    トシンク材において、 前記カーボン又はその同素体に、該カーボン又はその同
    素体を焼成した際の閉気孔率を低減させる添加物が添加
    されていることを特徴とするヒートシンク材。
  10. 【請求項10】請求項9記載のヒートシンク材におい
    て、 前記閉気孔率を低減させる添加物が、SiC及び/又は
    Siであることを特徴とするヒートシンク材。
  11. 【請求項11】請求項1、3又は5のいずれか1項に記
    載のヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体の粉体に、水又は結合材を
    混合し、所定圧力下で成形された予備成形体に、前記金
    属が含浸されて構成されていることを特徴とするヒート
    シンク材。
  12. 【請求項12】請求項11記載のヒートシンク材におい
    て、 前記カーボン又はその同素体の粉体の平均粉末粒度が1
    μm〜2000μmであり、 前記粉体が最小の長さをとる方向と、最大の長さをとる
    方向で、その長さの比が1:5以下であることを特徴と
    するヒートシンク材。
  13. 【請求項13】請求項11又は12記載のヒートシンク
    材において、 前記カーボン又はその同素体と前記金属との体積率が、
    前記カーボン又はその同素体が20vol%〜80vo
    l%、金属が80vol%〜20vol%の範囲である
    ことを特徴とするヒートシンク材。
  14. 【請求項14】請求項1、3又は5のいずれか1項に記
    載のヒートシンク材において、 前記金属が溶解した液体状態又は固液共存状態に、前記
    カーボン又はその同素体の粉体を混合し、鋳造成形され
    て構成されていることを特徴とするヒートシンク材。
  15. 【請求項15】請求項6〜14のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 閉気孔率が12vol%以下であることを特徴とするヒ
    ートシンク材。
  16. 【請求項16】請求項6〜15のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属に、界面の濡れ性改善のための元素が添加され
    ていることを特徴とするヒートシンク材。
  17. 【請求項17】請求項16記載のヒートシンク材におい
    て、 前記界面の濡れ性改善のための添加元素がTe、Bi、
    Pb、Sn、Se、Li、Sb、Tl、Ca、Cd、N
    iから選択された1種以上であることを特徴とするヒー
    トシンク材。
  18. 【請求項18】請求項6〜17のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属に、前記カーボン又はその同素体との反応性を
    向上させるための元素が添加されていることを特徴とす
    るヒートシンク材。
  19. 【請求項19】請求項18記載のヒートシンク材におい
    て、 前記カーボン又はその同素体との反応性を向上させるた
    めの添加元素がNb、Cr、Zr、Be、Ti、Ta、
    V、B、Mnから選択された1種以上であることを特徴
    とするヒートシンク材。
  20. 【請求項20】請求項6〜19のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属に、湯流れ性を向上させるため、固相/液相の
    温度範囲が30℃以上の元素が添加されていることを特
    徴とするヒートシンク材。
  21. 【請求項21】請求項20記載のヒートシンク材におい
    て、 前記添加元素がSn、P、Si、Mgから選択された1
    種以上であることを特徴とするヒートシンク材。
  22. 【請求項22】請求項6〜21のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属に、融点を低減させるための元素が添加されて
    いることを特徴とするヒートシンク材。
  23. 【請求項23】請求項22記載のヒートシンク材におい
    て、 前記添加元素がZnなどであることを特徴とするヒート
    シンク材。
  24. 【請求項24】請求項6〜23のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属に、熱伝導率を向上させるための元素が添加さ
    れていることを特徴とするヒートシンク材。
  25. 【請求項25】請求項24記載のヒートシンク材におい
    て、 前記金属に、前記熱伝導率を向上させるための元素を添
    加し、熱処理、加工及びカーボンとの反応後、偏析等に
    よって得られる合金の熱伝導率が10W/mK以上であ
    ることを特徴とするヒートシンク材。
  26. 【請求項26】請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒ
    ートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体の粉体と前記金属の粉体と
    を混合し、所定圧力下で成形されて構成されていること
    を特徴とするヒートシンク材。
  27. 【請求項27】請求項26記載のヒートシンク材におい
    て、 前記カーボン又はその同素体の粉体と前記金属の粉体の
    平均粉末粒度が1μm〜500μmであることを特徴と
    するヒートシンク材。
  28. 【請求項28】請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒ
    ートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体の粉砕裁断材と前記金属の
    粉体とを混合し、所定温度、所定圧力下で成形されて構
    成されていることを特徴とするヒートシンク材。
  29. 【請求項29】請求項26〜28のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体と前記金属との体積率が、
    前記カーボン又はその同素体が20vol%〜60vo
    l%、金属が80vol%〜40vol%の範囲である
    ことを特徴とするヒートシンク材。
  30. 【請求項30】請求項26〜29のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 熱伝導率が200W/mK以上であって、かつ、熱膨張
    率が8×10-6/℃〜14×10-6/℃であることを特
    徴とするヒートシンク材。
  31. 【請求項31】請求項26〜30のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体に、成形後の再焼成を可能
    とする添加物が添加されていることを特徴とするヒート
    シンク材。
  32. 【請求項32】請求項31記載のヒートシンク材におい
    て、 前記成形後の再焼成を可能とする添加物が、SiC及び
    /又はSiであることを特徴とするヒートシンク材。
  33. 【請求項33】請求項26〜32のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記金属に、界面の濡れ性改善のための低融点金属が添
    加されていることを特徴とするヒートシンク材。
  34. 【請求項34】請求項33記載のヒートシンク材におい
    て、 前記低融点金属がTe、Bi、Pb、Sn、Se、L
    i、Sb、Se、Tl、Ca、Cd、Niから選択され
    た1種以上であることを特徴とするヒートシンク材。
  35. 【請求項35】請求項26〜34のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記金属に、前記カーボン又はその同素体との反応性を
    向上させるための元素が添加されていることを特徴とす
    るヒートシンク材。
  36. 【請求項36】請求項35記載のヒートシンク材におい
    て、 前記カーボン又はその同素体との反応性を向上させるた
    めの添加元素がNb、Cr、Zr、Be、Ti、Ta、
    V、B、Mnから選択された1種以上であることを特徴
    とするヒートシンク材。
  37. 【請求項37】請求項26〜36のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記金属に、湯流れ性を向上させるため、固相/液相の
    温度範囲が30℃以上の元素が添加されていることを特
    徴とするヒートシンク材。
  38. 【請求項38】請求項37記載のヒートシンク材におい
    て、 前記添加元素がSn、P、Si、Mgから選択された1
    種以上であることを特徴とするヒートシンク材。
  39. 【請求項39】請求項26〜38のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材において、 前記金属に、融点を低減させるための元素が添加されて
    いることを特徴とするヒートシンク材。
  40. 【請求項40】請求項39記載のヒートシンク材におい
    て、 前記添加元素がZnなどであることを特徴とするヒート
    シンク材。
  41. 【請求項41】請求項1〜40のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記カーボン又はその同素体の表面に、カーバイド層が
    形成されていることを特徴とするヒートシンク材。
  42. 【請求項42】請求項41記載のヒートシンク材におい
    て、 前記カーバイド層の形成は、少なくとも前記カーボン又
    はその同素体と添加元素との反応に基づくものであるこ
    とを特徴とするヒートシンク材。
  43. 【請求項43】請求項42記載のヒートシンク材におい
    て、 前記添加元素が、Ti、W、Mo、Nb、Cr、Zr、
    Be、Ta、V、B、Mnから選択された1種以上であ
    ることを特徴とするヒートシンク材。
  44. 【請求項44】請求項1〜43のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 前記金属は、Cu、Al、Agから選択された少なくと
    も1種であることを特徴とするヒートシンク材。
  45. 【請求項45】請求項1〜44のいずれか1項に記載の
    ヒートシンク材において、 最小の熱伝導率をとる方向と、最大の熱伝導率をとる方
    向で、熱伝導率の比が1:5以下であることを特徴とす
    るヒートシンク材。
  46. 【請求項46】カーボン又はその同素体を焼成してネッ
    トワーク化することによって多孔質焼結体を作製する焼
    成工程と、 金属を前記多孔質焼結体中に含浸させる含浸工程と、 少なくとも前記金属が含浸された前記多孔質焼結体を冷
    却する冷却工程とを有することを特徴とするヒートシン
    ク材の製造方法。
  47. 【請求項47】請求項46記載のヒートシンク材の製造
    方法において、 前記焼成工程は、容器内に前記カーボン又はその同素体
    を入れ、該容器内を加熱することにより、前記カーボン
    又はその同素体による多孔質焼結体を作製することを特
    徴とするヒートシンク材の製造方法。
  48. 【請求項48】請求項46又は47記載のヒートシンク
    材の製造方法において、 前記含浸工程は、容器内に入れられた前記金属の溶湯に
    前記多孔質焼結体を浸漬し、前記容器内に含浸用ガスを
    導入して前記容器内を加圧することにより、前記溶湯を
    多孔質焼結体中に含浸させることを特徴とするヒートシ
    ンク材の製造方法。
  49. 【請求項49】請求項48記載のヒートシンク材の製造
    方法において、 前記加圧力が、前記カーボン又はその同素体による多孔
    質焼結体の圧縮強度の4〜5倍以下であることを特徴と
    するヒートシンク材の製造方法。
  50. 【請求項50】請求項49記載のヒートシンク材の製造
    方法において、 前記加圧力が、1.01〜202MPa(10〜200
    0気圧)であることを特徴とするヒートシンク材の製造
    方法。
  51. 【請求項51】請求項46〜50のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 前記冷却工程は、前記容器内の前記含浸用ガスを抜き、
    速やかに冷却用ガスを導入して前記容器内を冷却するこ
    とを特徴とするヒートシンク材の製造方法。
  52. 【請求項52】請求項46〜51のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 前記焼成工程は、ケース内に前記カーボン又はその同素
    体を収容する工程と、前記ケース内を予熱して、前記カ
    ーボン又はその同素体による多孔質焼結体を作製する工
    程とを有し、 前記含浸工程は、プレス機の金型に前記ケースを収容す
    る工程と、前記ケース内に前記金属の溶湯を注湯する工
    程と、前記プレス機のパンチで前記溶湯を押し下げ圧入
    して前記ケース内の前記多孔質焼結体中に前記溶湯を含
    浸させる工程とを有することを特徴とするヒートシンク
    材の製造方法。
  53. 【請求項53】請求項52記載のヒートシンク材の製造
    方法において、 前記パンチによる圧入時の圧力が、前記カーボン又はそ
    の同素体による多孔質焼結体の圧縮強度の4〜5倍以下
    であることを特徴とするヒートシンク材の製造方法。
  54. 【請求項54】請求項53記載のヒートシンク材の製造
    方法において、 前記パンチによる圧入時の圧力が、1.01〜202M
    Pa(10〜2000気圧)であることを特徴とするヒ
    ートシンク材の製造方法。
  55. 【請求項55】請求項53又は54記載のヒートシンク
    材の製造方法において、 前記金型として、前記多孔質焼結体に残存するガスを抜
    くためのガス抜き孔、又は、ガスを抜くための隙間部が
    形成された金型を用いることを特徴とするヒートシンク
    材の製造方法。
  56. 【請求項56】請求項46〜55のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 前記冷却工程は、前記多孔質焼結体に前記金属が含浸さ
    れた前記ヒートシンク材を、冷却ガスの吹き付けもしく
    は冷却水が供給されている冷却ゾーン又は冷却用金型で
    冷却することを特徴とするヒートシンク材の製造方法。
  57. 【請求項57】カーボン又はその同素体の粉体に、水又
    は結合材を混合する工程と、 前記混合物を所定圧力下で予備成形体を成形する工程
    と、 金属を前記予備成形体中に含浸させる含浸工程とを有す
    ることを特徴とするヒートシンク材の製造方法。
  58. 【請求項58】金属が溶解した液体状態又は固液共存状
    態に、カーボン又はその同素体の粉体を混合する工程
    と、 前記混合物を鋳造成形する工程とを有することを特徴と
    するヒートシンク材の製造方法。
  59. 【請求項59】カーボン又はその同素体の粉体と金属の
    粉体とを混合する混合工程と、 前記混合物をホットプレス機の金型内に入れ、所定温
    度、所定圧力下で成形してヒートシンク材を作製する加
    圧工程とを有することを特徴とするヒートシンク材の製
    造方法。
  60. 【請求項60】カーボン又はその同素体の粉体と金属の
    粉体とを混合する混合工程と、 前記混合物を予備成形して予備成形体とする予備成形工
    程と、 前記予備成形体をホットプレス機の金型内に入れ、所定
    温度、所定圧力下で成形してヒートシンク材を作製する
    加圧工程とを有することを特徴とするヒートシンク材の
    製造方法。
  61. 【請求項61】カーボン又はその同素体の粉砕裁断材料
    と金属の粉体とを混合し、予備成形して混合物を作製す
    る混合工程と、 前記混合物をホットプレス機の金型内に入れ、所定温
    度、所定圧力下で成形してヒートシンク材を作製する加
    圧工程とを有することを特徴とするヒートシンク材の製
    造方法。
  62. 【請求項62】カーボン又はその同素体の粉砕裁断材料
    と金属の粉体とを混合する混合工程と、 前記混合物を予備成形して予備成形体とする予備成形工
    程と、 前記予備成形体をホットプレス機の金型内に入れ、所定
    温度、所定圧力下で成形してヒートシンク材を作製する
    加圧工程とを有することを特徴とするヒートシンク材の
    製造方法。
  63. 【請求項63】請求項59〜62のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 前記所定温度が前記金属における融点の−10℃〜−5
    0℃であり、 前記所定圧力が10.13〜101.32MPa(10
    0〜1000気圧)であることを特徴とするヒートシン
    ク材の製造方法。
  64. 【請求項64】請求項59〜63のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 加圧工程後に、前記ヒートシンク材を前記金属における
    融点以上まで加熱することを特徴とするヒートシンク材
    の製造方法。
  65. 【請求項65】請求項46〜64のいずれか1項に記載
    のヒートシンク材の製造方法において、 前記金属は、Cu、Al、Agから選択された少なくと
    も1種であることを特徴とするヒートシンク材の製造方
    法。
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