JP3436702B2 - 複合材料 - Google Patents
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Description
含浸された複合材料に関し、例えば半導体素子から発生
する熱を効率よく放熱させる半導体ヒートシンクを構成
するためのヒートシンク等に用いて好適な複合材料に関
する。
あり、内部温度が最大許容接合温度を越えないようにし
なければならない。また、パワートランジスタや半導体
整流素子等の半導体装置では、動作面積当たりの消費電
力が大きいため、半導体装置のケース(パッケージ)や
リードから放出される熱量だけでは、発生熱量を放出し
きれず、装置の内部温度が上昇して熱破壊を引き起こす
おそれがある。
においても同じであり、クロック周波数の向上に伴って
動作時の発熱量が多くなり、放熱を考慮した熱設計が重
要な事項となってきている。
いては、半導体装置のケース(パッケージ)に放熱面積
の大きいヒートシンクを固着することを加味した素子設
計や実装設計が行われている。
に、熱伝導度の良好な銅やアルミニウム等の金属材料が
使用されている。
等の半導体装置においては、低消費電力を目的とした低
電力駆動を図りながらも、素子の高集積化と素子形成面
積の拡大化に伴って半導体装置自体が大型化する傾向に
ある。半導体装置が大型化すると、半導体基体(シリコ
ン基板やGaAs基板)とヒートシンクとの熱膨張の差
によって生じる応力が大きくなり、半導体装置の剥離現
象や機械的破壊が生じるおそれがある。
電力駆動の実現とヒートシンク材の改善が挙げられる。
半導体装置の低電力駆動は、現在、電源電圧として、従
来から用いられてきたTTLレベル(5V)を脱して、
3.3V以下のレベルが実用化されている。
単に熱伝導度を考えるのみでなく、半導体基体であるシ
リコンやGaAsと熱膨張率がほぼ一致し、しかも、熱
伝導度の高い材料の選定が必要となってきている。
様の報告があり、例えば窒化アルミニウム(AlN)を
使用した例や、Cu(銅)−W(タングステン)を用い
た例などがある。AlNは、熱伝導性と熱膨張性のバラ
ンスに優れており、特にSiの熱膨張率とほぼ一致する
ことから、半導体基体としてシリコン基板を用いた半導
体装置のヒートシンク材として好適である。
の高熱伝導性を兼ね備えた複合材料であり、しかも、機
械加工が容易であることから、複雑な形状を有するヒー
トシンクの構成材料として好適である。
するセラミック基材に金属Cuを20〜40体積%の割
合で含有させたものや(従来例1:特開平8−2795
69号公報参照)、無機物質からなる粉末焼結多孔質体
にCuを5〜30wt%含浸させたもの(従来例2:特
開昭59−228742号公報参照)などが提案されて
いる。
iCと金属Cuの圧粉体を成形してヒートシンクを作製
するという粉体成形であるため、熱膨張率と熱伝導率は
あくまでも理論的な値であり、実際の電子部品等で求め
られる熱膨張率と熱伝導率のバランスを得ることができ
ないという問題がある。
孔質体に含浸されるCuの比率が低く、熱伝導度を高め
る上で限界が生じるおそれがある。
たものであり、実際の電子部品(半導体装置を含む)等
で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合し
た特性を得ることができる複合材料を提供することを目
的とする。
される多孔質焼結体への金属の含浸処理を容易に行うこ
とができ、しかも、多孔質焼結体への金属の含浸率を向
上させることができ、実際の電子部品(半導体装置を含
む)等で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに
適合した特性を有するヒートシンクの生産性を向上させ
ることができる複合材料を提供することにある。
を図ることができ、摺動材や軸受材等としても活用する
ことができる複合材料を提供することにある。
して最適な特性について説明すると、必要な熱膨張率と
しては、AlN等のセラミック基板やSi及びGaAs
等の半導体基板の熱膨張率と合わせる必要から、室温か
ら200℃までの平均熱膨張率として4.0×10-6/
℃〜9.0×10-6/℃の範囲が好適であり、必要な熱
伝導率としては、現有のCu−W材と同等以上の要求を
満たす必要から、160W/mK(室温)以上が好適で
ある。
材料は、銅の熱膨張率よりも低い熱膨張率をもつ多孔質
体を予備焼成してネットワーク化することによって得ら
れる多孔質焼結体に銅合金を含浸させて構成し、熱伝導
率が160W/mK以上の特性を有するように銅と添加
元素とが調製されていることを特徴とする。
体に含浸される銅合金の比率によって決定される熱膨張
(理論値)よりも低い値に膨張を抑えることができ、セ
ラミック基板や半導体基板(シリコン、GaAs)等と
熱膨張率がほぼ一致し、熱伝導性のよいヒートシンク材
を得ることができる。
熱膨張率が4.0×10-6/℃〜9.0×10-6/℃
で、かつ熱伝導率が160W/mK(室温)以上、好ま
しくは180W/mK以上であるヒートシンク材を得る
ことができる。
合金が含浸されていることから、高い潤滑性を示すこと
になり、しかも、比抵抗も低くなることから、摺動材や
軸受材等に適用することができる。
ことで凝固温度範囲が70℃以上に広がり、かつ、融点
が低下するものであることが望ましい。
金属として、市販の純銅を用いた場合、熱伝導率が高く
良好であるが、多孔質焼結体(特にSiC)との濡れ性
が悪く銅の含浸しない開気孔が残りやすい。その結果、
多孔質焼結体に純銅を含浸させる際の溶湯温度、加圧時
間、冷却時間などの条件が変化すると、熱伝導率が大き
く変化し、得られる製品の特性が大きくばらつくことに
なる。
g、Ti、Ni等を添加することにより含浸率を向上さ
せるようにしている。この場合、前記添加元素の量が5
%より多いと熱伝導率の低下が大きくなり、添加による
効果を得ることができなくなるため、前記多孔質焼結体
に含浸される銅合金は、銅の成分に5%までの範囲で、
Be、Si、Mg、Ti、Niから選択された1種以上
の添加元素を含むことが好ましい。
C、AlN、Si3 N4 、B4 C、BeOから選ばれた
1種以上の化合物からなることが望ましい。
施の形態例(以下、単に実施の形態に係る複合材料と記
す)を図1〜図22を参照しながら説明する。
係る複合材料にて構成されるヒートシンク10は、半導
体装置12におけるパッケージ14の上面に形成された
開口16内に埋め込まれ、かつ、その表面が前記半導体
装置12の上部に固着された冷却フィン18と接触され
るように設置される。
ている半導体素子(チップ)から放出された熱はヒート
シンク10を通じて効率よく冷却フィン18に伝達する
ことになる。
銅の熱膨張率よりも低い熱膨張率をもつ多孔質体を予備
焼成してネットワーク化することによって得られる多孔
質焼結体に銅合金が含浸されて構成されている。具体的
には、図2に示すように、例えばSiCからなる多孔質
焼結体20の開気孔部(オープンポア部)に銅合金22
が含浸されて構成される。以下の説明では、SiCから
なる多孔質焼結体を単にSiCと記す。
Cと該SiCに含浸される銅合金22の比率によって決
定される熱膨張(理論値)よりも低い値に膨張を抑える
ことができ、電子部品等の基体であるセラミック基板や
半導体基板(シリコン、GaAs)等と熱膨張率がほぼ
一致し、熱伝導性のよいヒートシンク材を得ることがで
きる。具体的には、室温から200℃までの平均熱膨張
率が4.0×10-6/℃〜9.0×10-6/℃で、かつ
熱伝導率が160W/mK(室温)以上であるヒートシ
ンク材を得ることができる。
含浸率とほぼ同じ)としては、20vol%〜70vo
l%であることが望ましい。気孔率が20vol%未満
では、180W/mK(室温)の熱伝導率を得ることが
できず、70vol%を超えるとSiCの強度が低下
し、熱膨張率を9.0×10-6/℃未満に抑えることが
できない。
径)の値としては、0.5〜100μmが望ましい。前
記気孔径が0.5μm未満であると、開気孔内に銅合金
22を含浸することが困難になり、熱伝導率が低下す
る。一方、前記気孔径が100μmを超えると、SiC
の強度が低下し、熱膨張率を低く抑えることができな
い。
布(気孔分布)としては、0.5〜100μmに90%
以上分布することが好ましい。0.5〜100μmの気
孔が90%以上分布していない場合は、銅合金22が含
浸していない開気孔が増え、熱伝導率が低下する。
は、株式会社島津製作所製の自動ポロシメータ(商品
名:オートポア9200)を使用した。
Pa以上、望ましくは20MPa以上、更に望ましくは
30MPa以上が好ましい。曲げ強度が10MPaより
低下すると、熱膨張率が増加するという問題があるから
である。
た場合、熱伝導率が高く良好であるが、多孔質焼結体
(特にSiC)との濡れ性が悪く銅の含浸しない開気孔
が残りやすいため、Be、Al、Si、Mg、Ti、N
i等の添加により含浸率を向上させることが望ましい。
この場合、銅の成分が5%までの範囲で、Be、Al、
Si、Mg、Ti、Niを1種類以上含み、かつ、A
g、Cd、Zn、Au、Pd、In、Ga、Pt、C
r、Ge、Rh、Sb、Ir、Co、As、Zr、F
e、Sn、Mn、P、Pb等の不可避の不純物、ガス成
分を含んでいてもよい。但し、前記添加物の量が5%よ
り多くなると、熱伝導率の低下が大きくなり、添加によ
る効果を得ることができなくなる。
は、SiCの気孔率、気孔径、気孔分布を適宜変えて、
そのときの熱伝導率と熱膨張率の違いをみたものであ
る。その実験結果を図3の表図に示す。
材を銅とし、気孔率、気孔径及び気孔分布をそれぞれ所
定範囲内において変化させた場合を示し、実施例9は含
浸材としてBeを0.5wt%、Cuを残部とする銅合
金とし、気孔率、気孔径及び気孔分布をそれぞれ所定範
囲内とした場合を示す。比較例1は含浸材を銅とし、気
孔率を前記所定範囲から逸脱させた場合を示し、比較例
2は含浸材を銅とし、気孔率と気孔分布をそれぞれ前記
所定範囲から逸脱させた場合を示し、比較例3は含浸材
を銅とし、気孔径と気孔分布を前記所定範囲から逸脱さ
せた場合を示す。
も熱伝導率=180W/mK(室温)以上を満足し、熱
膨張率=4.0×10-6/℃〜9.0×10-6/℃を満
足している。なお、熱膨張率は室温〜200℃までの平
均値である。
よりも下回った値となっていることから、銅の含浸率が
低くなり、それに伴って熱伝導率も165W/mKと低
くなっている。また、比較例2は、気孔率が前記所定範
囲よりも上回った値となっていることから、銅の含浸率
が高くなって、熱伝導率も325W/mKと高くなって
いるが、SiCの強度がその分低くなり、熱膨張率は1
2.4×10-6/℃と高くなっている。
とって、実施例1〜8の結果をプロットすると、SiC
に銅を含浸させた場合の特性は、図4の曲線aに示すよ
うな特性になると予想される。図4において、曲線bは
SiCとアルミニウムを粉末成形した場合の理論値を示
し、曲線cはSiCと銅を粉末成形した場合の理論値を
示し、曲線dはSiCにアルミニウムを含浸させた場合
の実測値を示す。
領域Aは、従来からヒートシンク材として使用されてき
たCu−Wの特性領域を示すものであるが、前記実施例
6〜8は、図3に示すように、前記Cu−Wの特性より
も良好な特性を有していることがわかる。それは、実施
例6〜8はいずれも熱膨張率の範囲がCu−Wとほぼ同
じで、熱伝導率の範囲がCu−Wよりも高いものとなっ
ており、ヒートシンク材として最適な特性範囲(破線の
長方形で示す範囲)Bに入っているからである。従っ
て、SiCの気孔率、気孔径及び気孔分布を最適化する
ことにより、複合材料の特性をヒートシンク材として最
適な特性範囲に集めることができる。
造方法について図5〜図15を参照しながら説明する。
この第1及び第2の実施の形態に係る製造方法は共に、
大きく分けて含浸工程と冷却工程とからなる。含浸工程
は、基材となるSiCと銅合金とを、互いに接触させな
い状態で加熱し、所定温度に達した段階で両者を接触さ
せて直ちに高圧力を付与して、前記銅合金を前記SiC
中に含浸させる工程であり、冷却工程は、前記銅合金が
含浸された前記SiCを冷却する工程である。
は、具体的には図5A及び図5Bにその一例を示すよう
に、高圧容器30を使用することによって行われる。こ
の高圧容器30は、角筒状の筐体32における両側板3
4及び36のほぼ中央部分にそれぞれ回転軸38が設け
られて、該回転軸38を中心として筐体32自体が回転
できるようになっている。
器40を加熱するためのヒータ42が設けられている。
耐火容器40は、中空部44を有する角筒状の形状を有
し、1つの側面における高さ方向中央部分に中空部44
に連通する開口46が設けられている。中空部44のう
ち、開口46を中心として一方の中空部(以下、第1室
44aと記す)には、含浸材料である銅合金22の塊、
あるいは銅合金22の溶融金属が収容されるようになっ
ている。他方の中空部(以下、第2室44bと記す)
は、被含浸試料であるSiC20が複数取り付けられる
ようになっており、第2室44bが上方に位置しても、
SiC20が落下しないようにSiC20の支持機構が
設けられている。なお、ヒータ42は、100kgf/
cm2 の高圧力下でも破壊されない構造とされている。
ための吸気管48と、高圧力付与のためのガス及び冷却
用ガスの導入管50及び導出管52が設けられている。
と冷却工程について図6を参照しながら説明する。含浸
工程は、以下の工程を踏むことにより行われる。
圧容器30内に設けられている耐火容器40の第1室4
4aを下方に位置させる(ステップS1)。
圧容器30の耐火容器40内に入れ、銅合金22の塊を
耐火容器40の第1室44a内に配置し、SiC20を
第2室44bにセットする(ステップS2)。その後、
高圧容器30(及び耐火容器40)を密封した後、吸気
管48を通じて高圧容器30内の真空引きを行って該高
圧容器30内を負圧状態にする(ステップS3)。
aの銅合金22を加熱溶解する(ステップS4)。以下
の説明では、加熱溶解された銅合金22を便宜的に「溶
融銅」と記す。
度に達した段階で、高圧容器30を180度転回させる
(ステップS5)。この転回動作によって、第1室44
aが上方に位置することから、第1室44a内の溶融銅
は、自重によって下方に位置する第2室44b内に落下
し、この段階で、溶融銅にSiC20が浸された状態と
なる。
30内に含浸用ガスを導入して、該高圧容器30内を加
圧する(ステップS6)。この加圧処理によって、前記
溶融銅はSiC20の開気孔部中に含浸することとな
る。
工程に移行する。この冷却工程は、まず、前記高圧容器
30を再び180度転回させる(ステップS7)。この
転回動作によって、第1室44aが下方に位置すること
から、第2室44b内の溶融銅は、再び第1室44a内
に落下することになる。前記ステップS6での加圧処理
(含浸処理)によって、溶融銅の一部がSiC20の開
気孔中に含浸されていることから、下方に位置する第1
室44aに落下する溶融銅はSiC20に含浸されなか
った残存溶融銅である。残存溶融銅が第1室44a内に
落下した段階で、第2室44bには溶融銅が含浸された
SiC20が残ることとなる。
30内の含浸用ガスを排気すると同時に、ガス導入管5
0を通じて冷却用ガスを高圧容器30内に導入する(ス
テップS8)。この含浸用ガスの排気と冷却用ガスの導
入によって、冷却用ガスが高圧容器30内を満遍なく循
環し、高圧容器30は急速に冷却される。この速やかな
る冷却によって、前記SiC20に含浸された溶融銅
が、急速に銅合金22の塊に固化して体積膨張すること
から、含浸された銅合金22はSiC20に強固に保持
される。
鎖線の枠内に示すように、前記ステップS7での処理が
終了した段階で、高圧容器30、あるいは溶融銅が含浸
されたSiC20を冷やし金に接触させる(ステップS
9)。この冷やし金への接触によってSiC20は急速
に冷却されることになる。この冷却過程においては、冷
やし金を水冷しながら行うようにしてもよいし、冷やし
金を加熱体から離れた場所に設置して行うようにしても
よい。特に、押湯効果を考えて冷却した方がよい。
踏むことにより、一般に困難とされるSiC20への銅
合金22の含浸処理を容易に行うことができ、しかも、
SiC20への銅合金22の含浸率を向上させることが
でき、実際の電子部品(半導体装置を含む)等で求めら
れる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合した特性、
即ち、室温から200℃までの平均熱膨張率が4.0×
10-6/℃〜9.0×10-6/℃で、かつ熱伝導率が1
60W/mK(室温)以上を有するヒートシンク10の
生産性を向上させることができる。
通電して第1室44aの銅合金22を加熱溶解する場合
に、ステップS5に移行する所定温度(加熱温度)は、
銅合金22の融点より30℃〜250℃高い温度がよ
く、好ましくは前記融点より50℃〜200℃高い温度
が望ましい。この場合、高圧容器30内を1×10-3T
orr以下の真空中にしておくことが好ましい。
器30内に含浸用ガスを導入することによって高圧容器
30に付与する圧力としては、10kgf/cm2 以
上、1000kgf/cm2 以下とする。この場合、5
0kgf/cm2 以上、200kgf/cm2 以下が好
ましく、より好ましくは100kgf/cm2 以上、1
50kgf/cm2 以下である。
1秒以上、60秒以下がよく、望ましくは1秒以上、3
0秒以下が好ましい。
たように、平均直径が5μm〜50μmのものが90%
以上存在し、かつ、気孔率が20vol%〜70vol
%であることが望ましい。
性の向上を図って、SiC20に予め1〜10vol
%、望ましくは3〜5vol%のNiめっきを施すこと
が好ましい。この場合、低圧力での含浸を実現させるこ
とができる。ここでいう、Niめっきとしては、予熱時
に溶融しないめっき処理が望ましく、例えばNi−P−
WのめっきやNi−B−Wのめっき等が含まれる。
の向上を図って、SiC20に予めSiを1〜10vo
l%含浸、望ましくは3〜5vol%含浸させることが
好ましい。この場合も低圧力での含浸を実現させること
ができる。
ol%のNiめっきを施す、あるいは、予めSiを1〜
10vol%含浸させることに関連して、SiC20に
予めパラジウムめっきを施すようにしてもよい。この場
合、前記パラジウムめっきに加えて、NiやSiとの複
合めっきも可能である。
時の温度から800℃までの期間において、−400℃
/時間以上とすることが好ましく、より好ましくは−8
00℃/時間以上が望ましい。
に付与する圧力は、SiC20の開気孔部に銅合金22
を完全に含浸させるために必要な圧力である。この場
合、SiC20に銅合金22が含浸されていない開気孔
が残存すると、熱伝導性を著しく阻害するため、高い圧
力を付与することが必要となる。
って推定できるが、気孔径が小さいほど大きな力を必要
とする。例えば、0.1μmφのとき400kgf/c
m2、1.0μmφのとき40kgf/cm2 、10μ
mφのとき4kgf/cm2の圧力をそれぞれ必要とす
る。
いて反応が生じ、該SiC20がSiとCに分解されて
本来の機能が発揮されなくなる。このため、SiC20
と銅合金22とが高温で直接接触する時間を短縮するこ
とが必要である。第1の処理条件(高圧容器30に付与
する圧力=10kgf/cm2 以上、1000kgf/
cm2 以下)、第2の処理条件(加熱温度=銅合金22
の融点より30℃〜250℃高い温度)又は第3の処理
条件(SiC20に予め1〜10vol%のNiめっき
を施す)を満足させることにより、SiC20と銅合金
22との接触時間を短くすることができるため、前記の
ようなSiC20の分解反応を事前に回避することがで
きる。
が悪いことから、銅合金22を十分に含浸させるには高
圧力をかけることが必要である。第3の処理条件(Si
C20に予め1〜10vol%のNiめっきを施す)、
又は第4の処理条件(SiC20に予めSiを1〜10
vol%含浸させる)を行うことによりSiC20の気
孔表面が改質され、SiC20と銅合金22との濡れ性
が良好となるため、より低圧力でより細かい気孔にまで
銅合金22を含浸させることができる。
は、SiC20の気孔率、気孔径、Niめっきの有無、
Si含浸の有無、含浸温度、加圧力、加圧時間、冷却速
度を適宜変えて、そのときのSiC/Cuの反応状況と
Cuの含浸状況の違いをみたものである。その実験結果
を図7の表図に示す。この図7において、SiC/Cu
の反応状況は、SiC20とCuとの間に形成された反
応層の厚み(平均値)によって決定させた。その決定条
件は、以下の通りである。また、この決定条件の根拠
は、SiC20とCuとの間に5μm以上の反応層が生
じると、SiC20とCu間の熱伝達が悪化し、半導体
ヒートシンク用複合材料とした場合の熱伝導が低下する
からである。
温度、加圧力、加圧時間及び冷却速度についてそれぞれ
所定範囲を満足するもの(サンプル3、7、8、11及
び12)については、いずれもSiC/Cuの反応状況
が「反応無し」で、かつCuの含浸状況が良好となって
おり、良好な結果が得られている。
11及び12については、NiめっきあるいはSi含浸
を行っているため、Cuとの濡れ性が良好となり、加圧
時間を短くしても前記のように良好な結果が得られた。
また、サンプル8については、Niめっき及びSi含浸
を行っていないが、加圧力を高くしたことによって、加
圧時間を短くすることが可能となり、前記のように良好
な結果が得られた。
kgf/cm2 であるサンプル1、5及び9について
は、Cuの含浸状況がいずれも不十分となっており、こ
れらサンプルのうち、加圧時間が長いものについては
(サンプル1及び5)、SiC/Cuの反応状況が「反
応大」となっている。
の反応状況が「反応少」にも拘わらず含浸状況が不十分
となっているのは、気孔率及び気孔径がそれぞれ所定範
囲を満たしていないからと考えられ、サンプル14につ
いて、含浸状況が良好にも拘わらずSiC/Cuの反応
状況が「反応大」となっているのは、気孔径が所定範囲
よりも大きく、加圧時間が比較的長いからと考えられ
る。
なるSi含浸のSiC(Si−SiC焼結体)として
は、例えば2〜25wt%のSiと75〜98wt%の
SiCを主相として含有してなるSi−SiC焼結体を
用いることができる。このSi−SiC焼結体を得るに
は、主相100重量部に対して、Al不純物を0.2重
量部以下、SiO2 を3.0重量部以下にそれぞれ制御
すると共に、主相100重量部に対して不純物全体の量
を0.4〜4.2重量部に制御することが好ましい。
方法について簡単に説明すると、まず、成形用原料とし
ては、SiC粉末、カーボン粉末、有機質バインダー及
び水分又は有機溶剤を含有した原料を用いる。
形状に成形して成形体を作製する。次いで、この成形体
を金属シリコン雰囲気下で、減圧の不活性ガス雰囲気又
は真空中に置き、成形体中に金属シリコンを含浸させて
Si−SiC焼結体を製造する。
み成形、押し出し成形のいずれも可能であるが、量産性
の観点からプレス成形が好ましい。加圧方式としては油
圧プレスが好ましく、この場合の油圧プレス圧は、通常
50〜2000kg/cm2である。
含浸工程について、いくつかの変形例を図8及び図9を
参照しながら説明する。
すように、まず、高圧容器30を初期状態にして、高圧
容器30内に設けられている耐火容器40の第1室44
aを下方に位置させる(ステップS101)。
トし、予め溶融された銅合金(溶融銅)22を第1室4
4a内に流し込む(ステップS102)。
度に達した段階で、高圧容器30を180度転回させる
(ステップS103)。この転回動作によって、第1室
44a内の溶融銅が下方に位置する第2室44bに落下
し、この段階で、溶融銅にSiC20が浸された状態と
なる。
30内に含浸用ガスを導入して、該高圧容器30内を加
圧する(ステップS104)。この加圧処理によって、
前記溶融銅はSiCの開気孔部中に含浸することとな
る。
て説明すると、この第2の変形例に係る含浸工程は、高
圧容器30内に設置されている耐火容器40の内部中央
部分に、多孔質セラミック材からなる仕切板(図示せ
ず)が設けられた高圧容器30を用いる。耐火容器40
内は、前記仕切板によって第1室44aと第2室44b
とに仕切られることになる。
0%で、かつ気孔径が0.5mm〜3.0mmである多
孔質セラミック材を用いることが望ましく、より好まし
くは気孔率が70%〜85%で、かつ気孔径が1.0m
m〜2.0mmである多孔質セラミック材を用いること
が望ましい。
は、図9に示すように、まず、高圧容器を初期状態にし
て、高圧容器内に設けられている耐火容器40の第1室
44aを下方に、第2室44bを上方に位置させる(ス
テップS201)。
圧容器30の耐火容器40内に入れ、銅合金22の塊を
上方に位置する第2室44b内に配置し、SiC20を
下方に位置する第1室44aにセットする(ステップS
202)。
0)を密封した後、吸気管48を通じて高圧容器30内
の真空引きを行って該高圧容器30内を負圧状態にする
(ステップS203)。
bの銅合金22を加熱溶解する(ステップS204)。
前記溶融銅が所定温度に達した段階で、ガス導入管50
を通じて高圧容器30内に含浸用ガスを導入して、該高
圧容器30内を加圧する(ステップS205)。この加
圧処理によって、上方に位置する第2室44b内の溶融
銅は、仕切板を通過し、下方に位置する第1室44a内
のSiC20の開気孔部中に含浸されることになる。
ついて、図10〜図15を参照しながら説明する。
具体的には図10にその一例を示すように、ホットプレ
ス炉60を使用することによって行われる。このホット
プレス炉60は、筒状の筐体62内に、基台を兼ねる下
パンチ64と、該下パンチ64上に固定された上面開口
の耐火容器66と、該耐火容器66内に上方から進退自
在とされた上パンチ68と、前記耐火容器66を加熱す
るためのヒータ70が設けられている。なお、このホッ
トプレス炉60には、真空引きのための吸気管72が設
けられている。
筒状の形状を有する。上パンチ68は、その側面に、該
上パンチ68の行程(ストローク)を決定するフランジ
部76が設けられ、該フランジ部76の下面には、前記
耐火容器66の上周面と接触して耐火容器66を密閉状
態にするためのパッキン78が取り付けられている。一
方、下パンチ64の内部には、耐火容器66内を加熱す
るための加熱用流体や耐火容器66内を冷却するための
冷却用流体を流通させるための通路80が設けられてい
る。
は、図11に示す工程を踏むことにより行われる。
からSiC20、多孔質セラミック製のフィルタ54、
銅合金22の塊の順で投入する(ステップS301)。
フィルタ54としては、気孔率が40%〜90%で、か
つ気孔径が0.5mm〜3.0mmである多孔質セラミ
ック材を用いることが望ましく、より好ましくは気孔率
が70%〜85%で、かつ気孔径が1.0mm〜2.0
mmである多孔質セラミック材を用いることが望まし
い。
銅合金22の塊とを仕切って両者を非接触状態におく仕
切板としての機能を果たし、中空部74のうち、フィル
タ54上の銅合金22の塊がセットされた部分を上室7
4a、フィルタ54下のSiC20がセットされた部分
を下室74bとして定義することができる。
72を通じて耐火容器66内の真空引きを行って該耐火
容器66の両室74a及び74b内を負圧状態にする
(ステップS302)。
内の銅合金22を加熱溶解する(ステップS303)。
このとき、前記ヒータ70への通電と併せて下パンチ6
4の通路80内に加熱用流体を流して耐火容器66の内
部を加熱するようにしてもよい。
銅)が所定温度に達した段階で、上パンチ68を下方に
移動させて上室74a内を所定圧まで加圧する(ステッ
プS304)。このとき、上パンチ68のフランジ部7
6に取り付けられたパッキン78と耐火容器66の上周
面との接触及び互いの押圧により、耐火容器66が密封
され、内部の溶融銅が耐火容器66の外に漏れるという
不都合が有効に防止される。
の溶解物(溶融銅)は上室74a内の圧力によってフィ
ルタ54を通して下室74b側に押し出されて該下室7
4b内に導入されると同時に、該下室74b内に設置さ
れたSiC20に含浸される。
(SiC20内への溶融銅の含浸が飽和状態とされた時
点)となった段階において、今度は、下パンチ64内の
通路80に冷却用流体を流して耐火容器66を下方から
上方に向かって冷却させることにより(ステップS30
5)、SiC20に含浸された溶融銅を凝固させる。凝
固が完了するまで上パンチ68と下パンチ64による耐
火容器66内の加圧状態は保持される。
されたSiC20を耐火容器66から取り出す(ステッ
プS306)。
合金22とを十分に脱気しつつ加熱し、銅合金22を溶
融した後、速やかにSiC20に接触させ、かつ、これ
らを加圧状態とし、更にその加圧状態を冷却操作完了時
まで保持するようにしたので、SiC20に銅合金22
を効率的に含浸することができる。前記例では含浸処理
を負圧下で行うようにしたが、常圧下で行ってもよい。
圧下においた後に、互いに接触させて、含浸処理を行う
ようにしたので、両者を接触させる際の圧力低下を最小
限にすることができ、含浸処理時における加圧状態を良
好に保持させることができる。
に、上パンチ68におけるフランジ部76の下面にパッ
キン78を設けるようにしたが、図10の二点鎖線で示
すように、耐火容器66の上周面にパッキン78を設け
るようにしてもよい。また、図12Aに示すように、リ
ング状の割型パッキン100を2枚重ねにしたパッキン
部材102を、図13に示すように、上パンチ68の下
部に設けるようにしてもよい。この場合、パッキン部材
102の中空部104に溶融銅が入り込むことにより各
割型パッキン100の直径が拡大し、結果的に上室74
aが密封されて溶融銅の漏れが防止されることになる。
変形例について図14及び図15を参照しながら説明す
る。なお、図10と対応するものについては同符号を付
してその重複説明を省略する。
ットプレス炉60として、図14に示すように、耐火容
器66における中空部74の高さ方向中央部に多孔質セ
ラミックスにて構成されたフィルタ部材110が固着さ
れ、下室74bの側面に扉112が開閉自在に取り付け
られたものが使用される。従って、耐火容器66の中空
部74のうち、フィルタ部材110よりも上の部分が上
室74aとなり、フィルタ部材110よりも下の部分が
下室74bとなる。特に、下室74bに取り付けられた
扉112に関しては、該扉112を閉じたときに下室7
4bが密封されるような構造が採用される。
15に示す工程を踏むことにより行われる。
金22の塊を投入し、下室74bの扉112を開いて該
下室74b内にSiC20を投入する(ステップS40
1)。
し、更にホットプレス炉60を密封した後、吸気管72
を通じて耐火容器66内の真空引きを行って該耐火容器
66の両室74a及び74b内を負圧状態にする(ステ
ップS402)。
内の銅合金22を加熱溶解する(ステップS403)。
この場合も前記ヒータ70への通電と併せて下パンチ6
4の通路80内に加熱用流体を流して耐火容器66の内
部を加熱するようにしてもよい。
銅)が所定温度に達した段階で、上パンチ68を下方に
移動させて上室74a内を所定圧まで加圧する(ステッ
プS404)。
の溶解物(溶融銅)は上室74a内の圧力によってフィ
ルタ部材110を通して下室74b側に押し出されて該
下室74b内に導入されると同時に、該下室74b内に
設置されたSiC20に含浸される。
となった段階において、今度は、下パンチ64内の通路
80に冷却用流体を流して耐火容器66を下方から上方
に向かって冷却させることにより(ステップS40
5)、SiC20に含浸された溶融銅を凝固させる。
されたSiC20を耐火容器66から取り出す(ステッ
プS406)。
2の実施の形態に係る製造方法と同様に、SiC20に
銅合金22を効率的に含浸することができる。また、こ
の変形例でも、溶融銅とSiC20を共に加圧下におい
た後に、互いに接触させて、含浸処理を行うようにして
いるため、両者を接触させる際の圧力低下を最小限にす
ることができ、含浸処理時における加圧状態を良好に保
持させることができる。なお、この変形例では、負圧下
で含浸処理を行うようにしたが、常圧下で行ってもよ
い。
ついて、図16及び図17を参照しながら説明する。な
お、図10と対応するものについては同符号を記してそ
の重複説明を省略する。
前記第2の実施の形態に係る製造方法と原理的にはほぼ
同じであるが、含浸工程において、SiC20と銅合金
22とを負圧下又は常圧下で接触させ、加熱処理して前
記銅合金22を溶融する点で異なる。
実施の形態に係る製造方法にて使用されるホットプレス
炉60の耐火容器66内にフィルタ54を投入せずに、
下からSiC20、銅合金22の順に投入する点で異な
る。
は、図17に示す工程を踏むことにより行われる。
からSiC20、銅合金22の塊の順に投入する(ステ
ップS501)。
吸気管72を通じて耐火容器66内の真空引きを行って
該耐火容器66内を負圧状態にする(ステップS50
2)。
6内の銅合金22を加熱溶解する(ステップS50
3)。このとき、前記ヒータ70への通電と併せて下パ
ンチ64の通路80内に加熱用流体を流して耐火容器6
6の内部を加熱するようにしてもよい。
融銅)が所定温度に達した段階で、上パンチ68を下方
に移動させて耐火容器66内を所定圧まで加圧する(ス
テップS504)。
銅)は耐火容器66内の圧力によってSiC20に含浸
される。
(SiC20内への溶融銅の含浸が飽和状態とされた時
点)となった段階において、今度は、下パンチ64内の
通路80に冷却用流体を流して耐火容器66を下方から
上方に向かって冷却することにより(ステップS50
5)、SiC20に含浸された溶融銅を凝固させる。凝
固が完了するまで上パンチ68と下パンチ64による耐
火容器66内の加圧状態は保持される。
されたSiC20を耐火容器66から取り出す(ステッ
プS506)。
いても、SiC20と銅合金22とを十分に脱気しつつ
加熱し、銅合金22とSiC20とを接触させた状態で
銅合金22を溶融した後、耐火容器66内を加圧状態と
し、更にその加圧状態を冷却操作完了時まで保持するよ
うにしたので、SiC20に銅合金22を効率的に含浸
することができる。
市販の純銅を用いた場合、熱伝導率が高く良好である
が、SiCとの濡れ性が悪く、銅の含浸しない開気孔が
残りやすい。その結果、SiCに純銅を含浸させる際の
溶湯温度、加圧時間、冷却時間などの条件が変化する
と、熱伝導率が大きく変化し、得られる製品の特性が大
きくばらつくことになる。
l、Si、Mg、Ti、Ni等を添加することにより含
浸率を向上させるようにしている。この場合、前記添加
元素の量が5%より多いと熱伝導率の低下が大きくな
り、添加による効果を得ることができなくなるため、前
記多孔質焼結体に含浸される銅合金は、銅の成分に5%
までの範囲で、Be、Al、Si、Mg、Ti、Niか
ら選択された1種以上の添加元素を含むことが好まし
い。
例と記す)を示す。第1の実験例は、多孔質焼結体をS
iCとし、このSiCに含浸する金属をそれぞれ変えた
ときの熱伝導率のばらつきをみたものであり、第2の実
験例は、多孔質焼結体をAlNとし、このAlNに含浸
する金属をそれぞれ変えたときの熱伝導率のばらつきを
みたものである。
条件は、 溶湯温度(溶融金属の温度)=1200℃ 浸漬保持時間=90秒 接触時間(昇圧+保持)=120秒 冷却方法:間接水冷コイル冷却(図17のステップS5
05参照) である。ここで、浸漬保持時間は、多孔質焼結体を溶湯
(溶融金属)に浸漬した後、昇圧開始までに要した時間
を示し、接触時間は、溶湯(溶融金属)が多孔質焼結体
に直接接触した時間、即ち、昇圧開始から冷却開始まで
の時間を示す。
れぞれ図18及び図19に示す。これらの実験結果か
ら、純銅(実施例11及び21参照)を含浸させるより
も銅合金を含浸させる方が熱伝導率が高く(好ましい値
である160W/mKよりも高い)、しかも熱伝導率に
関するばらつきが低くなっている(実施例12〜14並
びに実施例22〜24参照)。
とした場合(実施例14及び24)よりも2.0%とし
た場合の方がばらつきが低くなってることがわかる(実
施例12及び13並びに実施例22及び23参照)。
純銅(Cu)とし、それぞれ冷却方法を変えたときの熱
伝導率のばらつきをみたものである。この第3の実験例
における含浸条件は、 溶湯温度=1200℃ 浸漬保持時間=90秒 接触時間(昇圧+保持)=120秒 である。
ら、冷却速度の速いガス冷却(実施例33:図6のステ
ップS8参照)の場合、熱伝導率が向上し、しかも、ば
らつきも小さくなっていることがわかる。
験例を行っている過程において、接触時間に対する熱伝
導率の変化をみたものである。実験結果を図21に示
す。この実験結果から、熱伝導率160W/mKを保持
するには、1200℃の溶湯で約55秒以下(曲線a参
照)、1170℃の溶湯で約60秒以下(曲線b参
照)、1240℃の溶湯で約35秒以下(曲線c参照)
の接触時間が必要であることがわかる。
引き上げ不良等が発生しないようなレベルでの設定が必
要である。
験例を行っている過程において、浸漬保持時間に対する
熱伝導率の変化をみたものである。この第5の実験例に
おける含浸条件は、 溶湯温度=1200℃ 接触時間(昇圧+保持)=20秒 冷却方法:チルプレート方式(冷やし金:図6のステッ
プS9参照) である。
ら、熱伝導率をY、浸漬保持時間をXとしたとき、以下
の関係式 Y=−0.3X+210 が成立することがわかる。但し、浸漬保持時間の範囲
は、1秒〜150秒である。
属を銅合金22としたが、銅には不純物として、0.0
01wt%〜0.1wt%のCa、Ag、Cd、Zn、
Au、Pd、In、Ga、Pt、Cr、Ge、Rh、S
b、Ir、Co、As、Zr、Fe、Sn、Mn、P、
Pb等やガス成分を含んでいてもよい。もちろん純銅で
もよい。
てSiC20を用いたが、曲げ強度が10MPa以上の
多孔質焼結体であればSiCに限らず、例えば、Al
N、Si3 N4 、B4 CやBeOを用いることができ
る。
実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することな
く、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
材料によれば、実際の電子部品(半導体装置を含む)等
で求められる熱膨張率と熱伝導率とのバランスに適合し
た特性を得ることができるという効果が達成される。
般に困難とされる多孔質焼結体への金属の含浸処理を容
易に行うことができる。しかも、多孔質焼結体への金属
の含浸率を向上させることができ、実際の電子部品(半
導体装置を含む)等で求められる熱膨張率と熱伝導率と
のバランスに適合した特性を有するヒートシンクの生産
性を向上させることができる。
滑性の向上を図ることができ、摺動材や軸受材等として
も活用することができる。
ートシンクの利用例を示す説明図である。
示す斜視図である。
たときの熱伝導率と熱膨張率の違いを示す表図である。
特性図である。
であり、図5Bは高圧容器の側面を一部破断して示す図
である。
ク図である。
Si含浸の有無、含浸温度、加圧力、加圧時間、冷却速
度を適宜変えたときのSiC/Cuの反応状況とCuの
含浸状況の違いを示す表図である。
ク図である。
ク図である。
るホットプレス炉を示す概略構成図である。
ブロック図である。
り、図12Bは図12AにおけるA−A線上の断面図で
ある。
るホットプレス炉の他の例を示す概略構成図である。
使用されるホットプレス炉を示す構成図である。
示す工程ブロック図である。
るホットプレス炉を示す構成図である。
ブロック図である。
ぞれ変えたときの熱伝導率のばらつきをみた実験)の実
験結果を示す表図である。
ぞれ変えたときの熱伝導率のばらつきをみた実験)の実
験結果を示す表図である。
とし、それぞれ冷却方法を変えたときの熱伝導率のばら
つきをみた実験)の実験結果を示す表図である。
変化をみた実験)の実験結果を示す特性図である。
率の変化をみた実験)の実験結果を示す特性図である。
iC 22…銅合金 30…高
圧容器 40、66…耐火容器 44a…
第1室 44b…第2室
Claims (5)
- 【請求項1】銅の熱膨張率よりも低い熱膨張率をもつ多
孔質体を予備焼成してネットワーク化することによって
得られる多孔質焼結体に銅合金が含浸されて構成された
複合材料において、 熱伝導率が160W/mK以上の特性を有するように銅
と添加元素とが調製されてなるとともに、 前記多孔質焼結体に含浸される前記銅合金は、銅の成分
に5wt%までの範囲で、Be、Si、Mg、Ti、N
iから選択された1種以上の添加元素を含み、かつ、不
可避の不純物成分及びガス成分を含むことを特徴とする
複合材料。 - 【請求項2】請求項1記載の複合材料において、 熱伝導率が180W/mK以上の特性を有するように前
記銅と添加元素とが調製されていることを特徴とする複
合材料。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の複合材料において、 前記添加元素は、前記銅に添加することで凝固温度範囲
が70℃以上に広がり、かつ、融点が低下するものであ
ることを特徴とする複合材料。 - 【請求項4】請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合
材料において、 室温から200℃までの平均熱膨張率が4.0×10-6
/℃〜9.0×10-6/℃であることを特徴とする複合
材料。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合
材料において、 前記多孔質焼結体は、SiC、AlN、Si3N4、B4
C、BeOから選ばれた1種以上の化合物からなること
を特徴とする複合材料。
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