JP6898088B2 - 鋼製護岸棚構造体 - Google Patents

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この発明は、現地の護岸位置で組み立て、石礫等の中詰材を詰め込み護岸構造物として設置される鋼製護岸構造体の技術分野に属し、さらに云えば、護岸構造物の前面部および上面部を開口(開放)して棚状に形成した鋼製護岸棚構造体に関する。
河川や河岸の護岸工事においては、環境に対する優しさの配慮により、従来のコンクリートブロックに代わって、石礫のみで護岸を構築する自然石護岸工法や、石礫を中詰めしたフトンかご、かごマット等と称される石詰めかご護岸工法が実施されている。
前記自然石護岸工法は、石礫のみで護岸を構築することから、安価で修景性に優れているため、多自然川づくり工法としてあらためて見直され、近年盛んに研究が進められている。
また、前記石詰めかご護岸工法は、金網等で箱体を形成しその中に石礫を詰めることによって河川の流水から堤防の河岸を防御するという、石礫を使用した多自然川づくりの代表的工法であり、近年種々のバリエーションが開発されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
実用新案登録第3032260号公報 実公平05−34825号公報 特開平08−13446号公報 特開平10−1925号公報
前記自然石護岸工法は、河川の流水に対して石礫自身の自重と隣り合う石礫同士の噛み合わせのみにより抵抗することから、洪水等の大きな流水に対し、石礫はその場に止まることができず、また、周りの石礫も連鎖的に流送されてしまう等、護岸としての機能を果たすことができない問題があった。
一方、前記石詰めかご護岸工法は、石礫は金網等による箱体で拘束されているので、洪水等の大きな流水に対しても河岸防護機能を発揮することができる。しかし、金網が護岸表面に露出することから、修景性が良いとは云えない。さらに、金網にゴミや枯れ葉が引っ掛かり、蓄積することより修景性を顕著に損なう虞もあった。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前記自然石護岸工法の修景性に優れている利点と、前記石詰めかご護岸工法の洪水等の大きな流水に対しても河岸防護機能を発揮できる利点の双方を合わせ持つ鋼製護岸棚構造体を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製護岸棚構造体は、河川側の前部に立設された柱材と、陸側の後部に立設された柱材と、当該前後部の柱材の上下端部同士を連結する上下部の梁材とで構成した側枠内に仕切用スクリーン材を設けてなる仕切面部が、護岸位置における河川の流れ方向に間隔をあけて複数個配置され、隣接する仕切面部同士の間は、下部の梁材同士の間に底面用スクリーン材が配設されて底面部が形成され、かつ後部の柱材同士の間に背面用スクリーン材が配設されて背面部が形成されることにより、前記隣接する仕切面部と前記底面部と前記背面部とで棚状に形成された鋼製護岸棚に、石礫等の中詰材が詰め込まれてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した鋼製護岸棚構造体において、前記鋼製護岸棚は、前記仕切面部と底面部と背面部とを備えた鋼製護岸棚ユニットが河川の流れ方向に連続的に複数個配置され、相互に接続して一体化してなることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した鋼製護岸棚構造体において、前記下部の梁材と前記底面部の底面用スクリーン材との連結部は、いずれか一方を河川の流れ方向に長いルーズ孔としたピン連結構造とすることにより、当該底面部が護岸の湾曲部位に沿って追従可能な構成とされていることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載した鋼製護岸棚構造体において、前記仕切面部と底面部と背面部のうち、少なくとも仕切面部は、前記中詰材が通り抜けない隙間を形成したスクリーン構造とされていることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載した鋼製護岸棚構造体において、前記スクリーン材は、フラットバー、アングル材等の棒状部材であることを特徴とする。
本発明に係る鋼製護岸棚構造体は、左右に隣接する仕切面部同士を底面用スクリーン材および背面用スクリーン材により連結した鋼製護岸棚の内部に石礫等の中詰材を詰め込んでなる部材点数が少ないシンプルな構造であり、以下の効果を奏する。
(1)骨格をなす鋼製護岸棚の大部分は中詰材に覆われて目立たないので、石礫のみで護岸を構築する自然石護岸工法のような修景性に優れた利点を踏襲することができる。それでいて、自然石護岸工法の欠点である洪水等の大きな流水が発生した場合には、仕切面部のスクリーン効果により、流水はスムーズに下流側へ通過させつつ中詰材の動きはしっかり受け止める。よって、中詰材の一部は流送されることはあっても連鎖的な中詰材の流送は確実に防止できるので、石礫を中詰めした石詰めかご護岸工法のような河岸防護機能に優れた利点も踏襲することができる。
まとめると、前記自然石護岸工法の修景性に優れている利点と、前記石詰めかご護岸工法の洪水等の大きな流水に対しても河岸防護機能を発揮できる利点の双方を合わせ持つ、環境性に優れた鋼製護岸棚構造体を実現することができる。
(2)護岸表面に露出しているのは石礫等の中詰材であり、金網等の拘束部材は存在しないので、前記石詰めかご護岸工法の課題であった金網が護岸表面に露出することにより修景性を損なう問題も解消できる。
(3)底面用スクリーン材および背面用スクリーン材はそれぞれピン連結構造で仕切面部に連結されているので、ピンを支点として回動できる限度内において略平行四辺形状の如き変形を許容できる。よって、このような変形効果により、鋼製護岸棚を護岸位置の湾曲形状や不等沈下形状に応じて良好に追従できる等の柔軟性に富む配置が可能となり、現場対応を容易ならしめる利点がある。前記底面用スクリーン材を、河川の流れ方向(横方向)に長いルーズ孔を形成したピン連結構造で連結する場合には、より一層、現場対応を容易ならしめる利点がある。このような変形効果は部材点数の抑制にも繋がり、経済性に優れている利点もある。
(4)前記鋼製護岸棚は、前面部及び上面部が一連に開口された、底面部と背面部とで略L字形をなす構成で実施しているので、重機のバックホウによる中詰材の修復(補充)作業の邪魔をする障害物は何ら存在せず、前記自然石護岸工法と同様の簡易で単純な作業で修復できる。よって、合理的で作業性、経済性に優れた修復作業を行うことができる。
(5)もとより、鋼製護岸棚構造体(鋼製護岸棚)は、河川の流れ方向に順次接続して連続一体をなす構造で実施しているので、その全長にわたり僅かな変形は許容しながらも護岸の機能を損なうことなく河岸防護効果を恒久的に発揮し続けることができる。
本発明にかかる鋼製護岸棚構造体を構成する鋼製護岸棚を護岸位置に設置した状態を示した斜視図である。 図1に係る鋼製護岸棚に石礫等の中詰材を詰め込んでなる鋼製護岸棚構造体を示した斜視図である。 図2に係る鋼製護岸棚構造体について、洪水等の大きな流水が発生した後の状態を示した斜視図である。 図1に係る鋼製護岸棚を護岸位置における地盤の不等沈下形状に追従して設置した状態を例示した斜視図である。 図1に係る鋼製護岸棚を護岸位置の湾曲形状に追従して設置した状態を例示した斜視図である。 図1に係る鋼製護岸棚を護岸位置の形態に応じて階段状に設置した状態を示した斜視図である。
次に、本発明に係る鋼製護岸棚構造体の実施例を図面に基づいて説明する。
図1、図2に示したように、本発明に係る鋼製護岸棚構造体14は、河川側の前部に立設された柱材1と、陸側の後部に立設された柱材2と、当該前後部の柱材1、2の上下端部同士を連結する上下部の梁材3、4とで構成した側枠5内に仕切用スクリーン材6を設けてなる仕切面部7が、護岸位置における河川の流れ方向に間隔をあけて複数個配置され、隣接する仕切面部7、7同士の間は、下部の梁材4、4同士の間に底面用スクリーン材8が配設されて底面部9が形成され、かつ後部の柱材2、2同士の間に背面用スクリーン材10が配設されて背面部11が形成されることにより、前記隣接する仕切面部と前記底面部と前記背面部とで棚状に形成されてた鋼製護岸棚12に、石礫等の中詰材13が詰め込まれた構造で実施されている。
図示例に係る鋼製護岸棚構造体14は、前記仕切面部7を河川の流れ方向に所定(例えば2m程度)の間隔をあけて3個設けた構成を例示しているが勿論これに限定されず、最小単位を2個として、設置する護岸の形態(特には長さ)に応じて適宜増数可能である。
以下、前記鋼製護岸棚構造体14、特には鋼製護岸棚12の構成について説明する。
前記鋼製護岸棚12は、仕切面部7と底面部9と背面部11とで構成されている。
(仕切面部7について)
前記仕切面部7は、前記側枠5の枠内に仕切用スクリーン材6を配設して一体化してなる。
前記側枠5は、前後部の柱材1、2と上下部の梁材3、4とを枠状に組んでなる。
一例として、本実施例に係る側枠5は、前後部の柱材1、2に2本1組で略T字をなす山形鋼(アングル材)を用い、上下部の梁材3、4にCT形鋼(T形鋼)を用いて構成されている。具体的には、上下部の梁材(CT形鋼)3、4が、そのウエブ部を互いに内方へ向けて対向する配置とされ、当該ウエブ部を前後部の柱材(2本1組の山形鋼)1、2がそれぞれ挟み込む配置とされ、各接合部等の要所をボルト等の接合手段で一体的に接合し、全体として内側中央ラインに沿ってウエブ部が無端状に突き出したような枠状に構成されている。
ちなみに本実施例に係る側枠5は、前部の柱材1の上端側を後方(陸側)へ傾斜させた台形状で実施されている。これは石礫等の中詰材13を良好に積み上げ可能な傾斜角度(勾配)に対応させたもので、前記柱材1の傾斜角度は使用する中詰材13に応じて適宜設計変更可能であり、もちろん略90度(垂直)方向に立設して実施することもできる。
前記仕切用スクリーン材6は、フラットバーを用い、前記側枠5における上下部の梁材3、4の間、および後部の柱材2と下部の梁材4の間に所要の角度で傾斜させて配置され、対応する梁材3、4又は柱材2の内方へ突き出した前記ウエブ部を利用してボルト等の接合手段で接合して一体化し、もって仕切面部7が形成される。なお、前記フラットバーは、前後部の柱材1、2の間に略水平に配置して接合する手段で実施してもよい。
ここで、前記仕切面部7を構成する部材の大きさについて例示すると、前部の柱材1は、L−50×50×6(t)で、長さ1120(mm)程度の1対の等辺山形鋼で実施されている。後部の柱材2は、L−50×50×6(t)で、長さ1000(mm)程度の1対の等辺山形鋼で実施されている。上部の梁材3は、CT−100×200×8×12で、長さ1000(mm)程度のCT形鋼で実施されている。下部の梁材4は、CT−100×200×8×12で、長さ1500(mm)程度のCT形鋼で実施されている。仕切用スクリーン材6は、上下部の梁材3、4の間は、FB−50×6(t)で、長さ1063(mm)程度のフラットバーで実施され、後部の柱材2と下部の梁材4の間は、これよりも短く、隣接するフラットバー同士の間隔を略一定に保持するのに適正な長さで実施されている。ちなみに本実施例に係る隣接するフラットバー同士の間隔(スリット)は、125mm程度に保持され、前記中詰材13が通り抜けない隙間を形成したスクリーン構造で実施されている。
なお、前記柱材1、2は、山形鋼等の形鋼のほか、鋼管で実施することもできる。前記スクリーン材は、フラットバーのほか、山形鋼で実施することもできるし、エキスパンドメタルや金網を側枠5の面内に張設する手段で実施することもできる。
(底面部9について)
前記底面部9は、隣接する下部の梁材4、4同士の間に底面用スクリーン材8が配設されて構成されている。
前記底面用スクリーン材8は、本実施例では山形鋼8aとフラットバー8bとを用い、前記下部の梁材4、4の前後の端部に山形鋼8aが内向きに対向配置され、当該山形鋼8a、8a同士の間に、所要(例えば、仕切面部7と同じ125mm程度)の間隔をあけて複数本(図示例では6本)のフラットバー8bが略平行に配置され、当該底面用スクリーン材(山形鋼8a、フラットバー8b)8の両端部が対応する下部の梁材(CT形鋼)4のフランジ部を利用してピン連結構造(例えば、本実施例ではボルト接合)により接合され、もって底面部9が形成される。
なお、前記ピン連結構造は、ボルト・ナット以外の様々な連結用金具の組み合わせを採用して実施することができる。
このように、本実施例に係る底面用スクリーン材8は、底面部9の骨格をなす枠部の構成要素である前後の端部に剛性の高い山形鋼8a、8aを用いることにより、枠部、ひいては底面部9の強度・剛性の向上を図っている。
もっとも、前記後端部(陸側)に配置された山形鋼8aは、その底面部(水平部)と下部の梁材4、4とは接合されていないフリーの状態で、その背面部(垂直部)と後部の柱材2、2とをピン連結構造(本実施例ではボルト接合)で接合する工夫が施されている。これは、前記底面部と背面部のうちいずれか一方のみ相手材(梁材4又は後部の柱材2)と接合することにより、当該鋼製護岸棚12の底面部9全体が、前記底面用スクリーン材(山形鋼8a、フラットバー8b)8の両端部を拘束するピン(ボルト)を支点として回動できる限度内において平面方向にみて略平行四辺形状の如き変形を許容するためである。この変形は、鋼製護岸棚12を護岸位置の湾曲形状(河川の蛇行形状)に応じて良好に追従できる等の柔軟性(自在性)に富む配置が可能となり、現場対応を容易ならしめる利点がある。
また、本実施例では、前記下部の梁材4と前記底面用スクリーン材8との接合部(連結部)は、いずれか一方を河川の流れ方向(横方向)に長いルーズ孔としたピン連結構造で実施されている。いわゆる誤差を吸収可能(部材局部への応力集中回避可能)な構造とすることにより、鋼製護岸棚12を護岸位置の湾曲形状に応じて良好に追従できる等、より一層柔軟性に富む配置が可能となる。
なお、本実施例に係る底面部9の前端部(河川側)に山形鋼8aを配置した意義は、石礫等の中詰材13を効果的に堰き止めて良好な積み上げ状態を合理的に実現するのに適した形状と剛性を有するからである。その他、山形鋼8aの垂直部が、当該鋼製護岸棚12を設置する上で、河川の流れ方向に対する定規(出来形管理)的な役割を果たす意義もある。ちなみに、底面部9の前端部にフラットバー8bを配置する場合は、さらに前部の柱材1、1同士の下端部を連結するフラットバー8bを配置すれば、前記山形鋼8aを配置した場合と同様の効果(意義)を発揮することができる。
ちなみに、前記底面用スクリーン材8を構成する2本の山形鋼8aはそれぞれ、一例として、L−65×65×6(t)で、長さ2000(mm)程度の等辺山形鋼で実施されている。また、5本のフラットバー8bはそれぞれ、FB−50×6(t)で、長さ2000(mm)程度で実施されている。隣接する底面用スクリーン材8同士の間隔(スリット)は、125mm程度に保持され、前記中詰材13が通り抜けない隙間を形成したスクリーン構造で実施されている。
なお、本実施例に係る前記底面用スクリーン材8は、山形鋼8aとフラットバー8bとを併用しているがこれに限定されず、すべてを山形鋼8aで実施することもできるし、すべてをフラットバー8bで実施することもできる。その他、山形鋼8a又はフラットバー8bの代わりにエキスパンドメタルや金網を底面部9の面内に張設する手段で実施することもできる。
(背面部11について)
前記背面部11は、隣接する後部の柱材2、2同士の間に背面用スクリーン材10が配設されて構成されている。
前記背面用スクリーン材10は、本実施例では山形鋼10a、8aとフラットバー10bとを用いる。要するに、背面部11と底面部9との境界に位置する前記山形鋼8aは、底面用スクリーン材8の構成部材でもあるし、背面用スクリーン材10の構成部材でもある。
以上を踏まえ、前記背面用スクリーン材10は、前記後部の柱材2、2の上下の端部に山形鋼10a、8aが内向きに対向配置され、当該山形鋼10a、8a同士の間に、所要(例えば、仕切面部7及び底面部9と同じ125mm程度)の間隔をあけて複数本(図示例では5本)のフラットバー10bが略平行に配置され、当該背面用スクリーン材(山形鋼10a、8a、フラットバー10b)10の両端部が対応する後部の柱材(山形鋼)2のフランジ部を利用してピン連結構造(例えば、本実施例ではボルト接合)により接合され、もって背面部11が形成される。
このように、本実施例に係る背面用スクリーン材10は、背面部11の骨格をなす枠部の構成要素である上下の端部に剛性の高い山形鋼10a、8aを用いることにより、枠部、ひいては背面部11の強度・剛性の向上を図っている。
前記鋼製護岸棚12の背面部11は、前記背面用スクリーン材(山形鋼10a、8a、フラットバー10b)10の両端部をピン連結構造で実施することにより、当該背面用スクリーン材10を拘束するピン(ボルト)を支点として回動できる限度内において正面方向にみて略平行四辺形状の如き変形を許容できる構成とされている。よって、鋼製護岸棚12に要求される地盤の不等沈下に追従して後部の柱材2を鉛直方向に変位させる等の柔軟性に富む配置が可能となり、現場対応を容易ならしめる利点がある。また、局部への応力集中による部材の破損等を生ずる不都合を未然に防止できる利点もある。
ちなみに、前記背面用スクリーン材10を構成する山形鋼10a、8aは、一例として、L−65×65×6(t)で、長さ2000(mm)程度の等辺山形鋼で実施されている。また、5本のフラットバー10bはそれぞれ、FB−50×6(t)で、長さ2000(mm)程度で実施されている。隣接する背面用スクリーン材10同士の間隔(スリット)は、125mm程度に保持され、前記中詰材13が通り抜けない隙間を形成したスクリーン構造で実施されている。
なお、本実施例に係る前記背面用スクリーン材10は、山形鋼10a、8aとフラットバー10bとを併用しているがこれに限定されず、すべてを山形鋼10a、8aで実施することもできるし、すべてをフラットバー10bで実施することもできる。その他、山形鋼10a、8a又はフラットバー10bの代わりにエキスパンドメタルや金網を背面部11の面内に張設する手段で実施することもできる。
かくして、前記鋼製護岸棚12は、上記各構成の前記仕切面部7と前記底面部9と前記背面部11とで棚状に形成され、その前面部と上面部とが開口された構成で実施される。このような構成、すなわち隣接する仕切面部7、7で仕切られ、前面部及び上面部が一連に開口された、底面部9と背面部11とで略L字形をなす構成の鋼製護岸棚12の開口部内に、石礫等の中詰材13を上部の梁材3と同等のレベルに達するまで積み上げて鋼製護岸棚構造体14を構築する。
ところで、前記鋼製護岸棚構造体14(鋼製護岸棚12)は、設置する護岸の長さに応じて数十メールにわたって連続的に設ける場合も多い。このような場合は、スムーズに現場対応できるよう、前記仕切面部7と底面部9と背面部11とを備えた、トラックで輸送可能な長さの鋼製護岸棚ユニット(例えば、図1参照)を予め用意し、現場で河川の流れ方向に沿って連続的に所要数配置し、相互に接続して一体化して実施する。
上記構成の柔軟性に富む変形が可能な鋼製護岸棚12によれば、設置部位が湾曲している場合は、前記底面部9を当該湾曲形状に応じて変形させて安定した状態で配置することができ、不等沈下している場合は、前記背面部11を当該不等沈下形状に応じて変形させてガタつきなく安定した状態で配置することができる(例えば、図4参照)。よって、現場対応がスムーズで施工性に優れた設置作業を行うことができる。
なお、設置部位の湾曲変形が特に大きい場合は、図5に示したような形態で実施することもできる。これは、底面部9の前端部に短尺化した山形鋼8aを採用し、前後端部の山形鋼8a、8aと下部の梁材4、4とで所要の剛性を備えた台形状の枠部を形成し、この枠部内のフラットバー8bの一端部をフリーとして中央の梁材4の下に敷いた状態で実施している。このような形態であっても、その後に詰め込む中詰材13の自重作用により安定した鋼製護岸棚(ユニット)12、ひいては鋼製護岸棚構造体14を実現することができる。
ちなみに、図1に係る鋼製護岸棚12は、その両端部の仕切面部7について、別異の鋼製護岸棚(ユニット)を連続的に設置することを予定して上下の梁材3、4にCT形鋼を用いているが、CT形鋼の代わりに山形鋼を用いて実施することも勿論できる。
したがって、上記構成の鋼製護岸棚構造体14によれば、その骨格をなす鋼製護岸棚12の大部分は石礫等の中詰材13に覆われて目立たないので、石礫のみで護岸を構築する自然石護岸工法のような修景性に優れた利点を踏襲することができる。それでいて、自然石護岸工法の欠点である洪水等の大きな流水が発生した場合には、仕切面部7のスクリーン効果により、流水はスムーズに下流側へ通過させつつ中詰材13の動きはしっかり受け止める。よって、中詰材13の一部は流送されることはあっても(図3参照)連鎖的な中詰材13の流送は確実に防止できるので、石礫を中詰めした石詰めかご護岸工法のような河岸防護機能に優れた利点も踏襲することができる。
まとめると、前記自然石護岸工法の修景性に優れている利点と、前記石詰めかご護岸工法の洪水等の大きな流水に対しても河岸防護機能を発揮できる利点の双方を合わせ持つ、
環境性に優れた鋼製護岸棚構造体を実現することができる。
また、前記鋼製護岸棚12は、前面部及び上面部が一連に開口された構造なので、重機のバックホウによる中詰材13の修復(補充)作業の邪魔をする障害物は何ら存在しない。よって、前記自然石護岸工法と同様の簡易で単純な作業で修復できる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、設置部位の形態によっては、図6に示したように、鋼製護岸棚12を階段状に設けて実施することも勿論できる。
1 前部の柱材
2 後部の柱材
3 上部の梁材
4 下部の梁材
5 側枠
6 仕切用スクリーン材
7 仕切面部
8 底面用スクリーン材
8a 山形鋼
8b フラットバー
9 底面部
10 背面用スクリーン材
10a 山形鋼
10b フラットバー
11 背面部
12 鋼製護岸棚
13 中詰材
14 鋼製護岸棚構造体

Claims (5)

  1. 河川側の前部に立設された柱材と、陸側の後部に立設された柱材と、当該前後部の柱材の上下端部同士を連結する上下部の梁材とで構成した側枠内に仕切用スクリーン材を設けてなる仕切面部が、護岸位置における河川の流れ方向に間隔をあけて複数個配置され、隣接する仕切面部同士の間は、下部の梁材同士の間に底面用スクリーン材が配設されて底面部が形成され、かつ後部の柱材同士の間に背面用スクリーン材が配設されて背面部が形成されることにより、前記隣接する仕切面部と前記底面部と前記背面部とで棚状に形成された鋼製護岸棚に、石礫等の中詰材が詰め込まれてなることを特徴とする、鋼製護岸棚構造体。
  2. 前記鋼製護岸棚は、前記仕切面部と底面部と背面部とを備えた鋼製護岸棚ユニットが河川の流れ方向に連続的に複数個配置され、相互に接続して一体化してなることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製護岸棚構造体。
  3. 前記下部の梁材と前記底面部の底面用スクリーン材との連結部は、いずれか一方を河川の流れ方向に長いルーズ孔としたピン連結構造とすることにより、当該底面部が護岸の湾曲部位に沿って追従可能な構成とされていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した鋼製護岸棚構造体。
  4. 前記仕切面部と底面部と背面部のうち、少なくとも仕切面部は、前記中詰材が通り抜けない隙間を形成したスクリーン構造とされていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載した鋼製護岸棚構造体。
  5. 前記スクリーン材は、フラットバー、アングル材等の棒状部材であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載した鋼製護岸棚構造体。
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