JP2020012246A - 鋼製壁およびその構築工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】堤防や防波堤、防潮堤、又は擁壁構造物などの特に壁部(上部工)の構築に適し、短期施工及び経済施工等を可能にした鋼製壁及びその構築工法を提供する。【解決手段】地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板1からなる鋼矢板基礎Aを備えてなる鋼製壁であり、複数の鋼製壁パネル2から構成する。鋼製壁パネル2は鋼矢板基礎Aの堤外側および堤内側の凹部4aと4bにそれぞれ配置された複数の鋼製骨部材5及び鋼製控え部材7と、鋼製骨部材5の堤外側に配置された鋼製面材6とから構成する。鋼製壁パネル2は鋼矢板基礎Aの堤外側に矢板法線方向に互いに隣接して配置する。鋼製骨部材5と鋼製控え部材7は、鋼矢板基礎Aの堤外側および堤内側の凹部4a,4bに矢板法線方向に交互に配置する。隣接する各鋼製壁パネル2,2間を鋼製接続パネル3によって接合する。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板からなる鋼矢板基礎を備えた鋼製壁およびその構築工法に関し、例えば、堤防や防波堤、或いは防潮堤などの海岸・河岸保全施設、さらには陸上の擁壁構造物などの特に壁部(上部工)の構築に適し、短期施工および経済施工等を可能にしたものである。
例えば、海岸や河岸などの水ぎわに構築される堤防や防波堤、或は防潮堤などの海岸・河岸保全施設として、地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板からなる鋼矢板基礎(下部工)を備え、鋼矢板基礎の上に現場打ちRC構造やプレキャストRC構造によって構築されたものが知られている。
例えば、特許文献1には、地震時に液状化の可能性のある液状化層を含む軟弱地盤(重量構造物を支持するN値が10未満の地盤)に鋼矢板または鋼管矢板からなる護岸矢板壁を打設し、その背面側に控え工を打設し、かつ護岸矢板壁と控え工間をタイ材で連結することにより護岸矢板壁と控え工間の地盤改良を実施し、さらに護岸矢板壁を構成する複数の鋼矢板または鋼管矢板の上端部にこれを包囲するようにコンクリートを打設してコーピングを設け、その上にRC構造の重量構造物を設置してなる護岸構造の発明が開示されている(特許文献1、図1参照)。
特許第5471797号公報 特許第6082916号公報 特許第5882438号公報 特許第5245929号公報 特許第6091440号公報
しかし、現場打ちRC構造やプレキャストRC構造の防波堤や防潮堤などの海岸・河岸保全施設は、特に水ぎわの浸食防止を目的とする壁部の構築にあたっては、これまで以下に提示するような課題があった。
(1)壁部がコンクリート部材のため、上部工の死荷重が大きくなる。
(2)鋼矢板基礎と上部工との接合については、鋼矢板基礎とフーチングを現場配筋による鉄筋によって接合し、さらにフーチングと壁部を現場配筋による鉄筋によって接合する必要があるため、施工が煩雑になり、工期の長期化が避けられない。
(3)地震時慣性力が増大するため、これに備えるべく鋼矢板基礎の抵抗断面やフーチング構造を大型化する必要がある。
(4)液状化に伴う基礎地盤の不同沈下による影響が大きくなる。
(5)現場の配筋作業が煩雑かつ膨大となり、壁部の構築により多くの工期と多大な労力を必要とする。
(6)現場打コンクリート等の現地調達材の量が膨大になる。
本発明は、これらの課題を解決すべくなされたもので、堤防や防波堤、防潮堤などの海岸・河岸保全施設、さらには陸上の擁壁構造物などの特に壁部(上部工)の構築に適し、短期施工および経済施工等を可能にした鋼製壁およびその構築工法を提供することを目的とするものである。
本発明は、地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板からなる鋼矢板基礎を備えてなる鋼製壁の発明であり、前記鋼矢板基礎の堤外側に矢板法線方向に互いに隣接して配置された複数の鋼製壁パネルから構成され、前記鋼製壁パネルは前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部にそれぞれ配置された複数の鋼製骨部材および鋼製控え部材と、前記鋼製骨部材の堤外側に配置された鋼製面材とを備え、かつ前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側にコンクリートが打設されてなることを特徴とするものである。
鋼矢板基礎は、完成時の鋼製壁の全長に渡って必ずしも連続している必要はなく、数本の鋼矢板から一定長に構築されたものが所定間隔おきに配置されていてもよく、さらに地盤の状況等に応じてその長さ(幅)が違っていてもよい。
前記鋼製壁パネルは工場製作することにより、輸送や設置時の取り扱い等を考慮して適切な大きさに製作することができ、必要に応じて金属溶射と塗装等による防錆処理、或いはモルタル吹付による防錆処理などを行うことにより耐久性を著しく高めることができる。
隣接する各鋼製壁パネル間は、接続パネルまたはボルト接合などによって機械的に接合することで、熟練を必要とする現場溶接を無くして鋼製壁パネル間の接合を効率的に行うことができる。
特に、接続パネルによる接合は、例えば、各接続パネルの縁端部に嵌合部(嵌合溝等)を設け、当該嵌合部を各鋼製壁パネルの鋼製骨部材と嵌合させることによりボルトレスや溶接レスを可能とすることができる。また、嵌合部に止水性を保持するためのパッキンを設置することにより接続部の止水性を確保することができる。さらに、嵌合部に余長を設けることにより、各鋼製壁パネル間の接合部における矢板法線方向の誤差を容易に吸収することができる。
一方、ボルト接合による接合は、例えば、隣接する各鋼製壁パネルの縁端部に溝形鋼などからなる接続鋼材を双方のウェブが背合わせ状態に配置し、当該ウェブどうしをボルト接合することにより、各鋼製壁パネル間を容易に接合することができる。なお、接合ボルトには防錆ボルトや普通ボルト等を使用することができ、特に長期防錆機能を保持させるために、接続部にコンクリートやモルタルを打設してもよい。
また、前記各鋼製壁パネルの鋼製骨部材と鋼製控え部材は、鋼矢板基礎の堤外側と堤内側の凹部に鋼矢板基礎を両側から挟み込むように、かつ矢板法線方向に交互に配置し、そして前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側にコンクリートを打設することにより、各鋼製壁パネルの下端部を鋼矢板基礎に一体的に接合することができる。
なお、当該部コンクリートの打設の際は、鋼製控え部材の堤内側に予め鋼製型枠を取り付けておくことも可能であり、そうすることで現場での型枠作業を省略することができる。また、鋼製型枠は、堤内側のコンクリート塊が押し出される作用状態において、引張り鋼材として機能させることができる。
鋼製型枠を使用しない場合は、鉄筋などの引張り鋼材をコンクリート内に配筋してもよい。現場打ちコンクリートは、鋼矢板基礎頭部の鋼製壁パネルとの接合部のみに打設すればよいため、現場調達資材の省力化が可能となる。
このような構成により各鋼製壁パネルの下端部が鋼矢板基礎に接合されていることで、鋼矢板基礎に対して堤外側の凹部に配置された鋼製骨部材が堤外側から外力を受けたときに、鋼矢板基礎によって仕切られた堤外側のコンクリート塊が鋼矢板基礎から引き剥がされようとするが、鋼矢板基礎の堤内側の凹部に配置された鋼製控え材で拘束されたコンクリート塊が鋼矢板基礎を押し込むように作用することで、当該部コンクリートから鋼製壁パネルが脱落することなく一体として挙動させることが可能になる。一方、堤内側からの外力に対しては、鋼製骨部材と鋼製控え部材の関係を逆として同様の作用状態として挙動させることが可能となる(図5参照)。
また、鋼製骨部材と鋼製控え部材は、鋼矢板基礎からある程度離隔をもって配置することで、鋼矢板基礎を構成する鋼矢板の打設時の出入り誤差を吸収することが可能となり、鋼製壁パネル設置時の調整にかかる工数を大幅に削減することができる。
さらに、鋼製控え部材は、鋼製壁パネル設置時の転倒防止部材としても機能させることが可能であり、安全性の向上にも期待できる。
また、当該部コンクリートの打設時には、鋼製控え部材の堤内側に予め鋼製型枠を取り付けておくことも可能であり、こうすることで現場での型枠作業を省略することができる。
この鋼製型枠は、堤内側のコンクリート塊が押し出される作用状態において、引張り鋼材として機能させることができる。
なお、鋼製型枠を使用しない場合は、鉄筋などの引張り鋼材をコンクリート内に配筋するこができる。なお、現場打ちコンクリートは、鋼矢板頭部の鋼製壁との接合部のみのため、現場調達資材の省力化が可能となる。
本発明によれば、以下に記載するような効果を奏する。
(1)壁部が複数の鋼製壁パネルにより構築されていることで、上部工の死荷重が大幅に軽減され、耐震性が大幅に向上する。また、複数の鋼製壁パネルを鋼矢板基礎の矢板法線方向に互いに隣接させて配置し、各鋼製壁パネル間を鋼製接続パネルまたはボルト接合によって接合し、かつ鋼矢板基礎の堤外側と堤内側にコンクリートを打設して各鋼製壁パネルと鋼矢板基礎間が一体的に接続することにより構築されているため、現場施工の大幅な省力化、簡略化および工期の短縮化等を図ることができる。
(2)特に、鋼矢板基礎と各鋼製壁パネル(上部工)との接合については、各鋼製矢板パネルの下端部に鋼矢板基礎と各鋼製壁パネル間の一体化に必要な最小限のコンクリートを打設するだけでよいので、現場施工の大幅な省力化、工期の短縮化等を図ることができ、また現場打コンクリート等の現地調達材の量が大幅に削減すことができ、経済施工も図れる。
(3)軽量化により地震時慣性力が低減されることで、これに備えるべく鋼矢板基礎の抵抗断面やフーチング構造を縮小化することかでき、また
液状化に伴う基礎地盤の不同沈下による影響を低減することができる。
本発明の一実施形態を図示したものであり、鋼矢板基礎の上に構築中の鋼製壁を示す斜視図である。 図2(a)は、鋼矢板基礎の上に設置される鋼製壁パネルの斜視図、図2(b)は各鋼製壁パネル間に設置される鋼製接続パネルの斜視図である。 隣接する鋼製壁パネルと当該パネル間に設置された鋼製接続パネルを示す斜視図である。 図4(a),(b)は、鋼矢板基礎と当該基礎の上に設置された鋼製壁パネルとの接続部を示す斜視図である。 鋼矢板基礎と当該基礎上に設置された鋼製壁パネルおよび鋼製接続パネルとの接続部を示す横断面図である。 図6(a),(b)は、それぞれ図5におけるイ−イ線、ロ−ロ線断面図である。 本発明の他の実施形態を図示したものであり、鋼矢板基礎の上に構築中の鋼製壁を示す斜視図である。 図8(a)は、鋼矢板基礎の上に設置される鋼製壁パネルの斜視図、図8(b)は隣接する鋼製壁パネル間のボルト接合による接続部の横断面図である。 図9(a),(b)は、隣接する鋼製壁パネル間のボルト接合による接続部を示し、図9(a)は斜視図、図9(b)は横断面図である。
図1〜図6は本発明の一実施形態であって、海岸保全施設として構築中の防潮堤の壁部を図示したものである。図において、複数の鋼矢板1からなる鋼矢板基礎Aの直上に防潮堤の壁部となる鋼製壁Bが構築されている。
鋼矢板1は、地盤内に凹凸が矢板法線方向に交互に連続して設置され、隣接する各鋼矢板1,1間は互い結合され、かつ各鋼矢板1の上端部分が地盤面より所定長、同一高さに立ち上げられ、鋼矢板全体で矢板法線方向に連続する鋼矢板基礎Aが構築されている。
鋼製壁Bは、鋼矢板基礎Aの堤外側に矢板法線方向に互いに隣接して配置された複数の鋼製壁パネル2と各鋼製壁パネル2,2間に配置された複数の鋼製接続パネル3とを備え、各鋼製壁パネル2,2間は鋼製接続パネル3によって互いに接続され、かつ各鋼製壁パネル2および鋼製接続パネル3の下端部は鋼矢板基礎Aに一体的に接合されている。
鋼製壁パネル2は、鋼矢板基礎Aの堤外側の各凹部4a内に建て付けられた複数の鋼製骨部材5と当該複数の鋼製骨部材5,5の堤外側に配置された鋼製面材6と鋼矢板基礎Aの堤内側の各凹部4b内に建て付けられた複数の鋼製控え部材7とを備え、特に鋼製骨部材5と鋼製控え部材7は矢板法線方向に交互に配置されている。
また、鋼製骨部材5は構築される鋼製壁Bの地盤面からの高さと同じ高さに形成され、鋼製控え部材7は鋼矢板基礎Aの上端部分を超える高さに形成され、いずれもH形鋼などの形鋼より形成されている。
また、鋼製控え部材7は、上端部において鋼製面材6の堤内側面に連結部材7aを介して溶接またはボルト接合され、また、鋼製面材6と各鋼製控え部材7間に下方に開口する開口部8が矢板法線方向と直交する方向に形成され、当該開口部8内に鋼矢板基礎Aの上端部分が挿入されている。
鋼製面材6は鋼板などで形成され、各鋼製骨部材5,5間の全面を覆うように配置され、かつ各鋼製骨部材5の堤外側面に溶接またはボルト接合により取り付けられている。なお、鋼製面材6は複数の鋼製骨部材5,5間を覆う程の大型板に形成されていてもよく、また人力でも取り扱い可能な小型板に形成されていてもよい。
接続パネル3は、隣接する各鋼製壁パネル2,2の鋼製面材6,6間に配置された鋼製面材9と当該鋼製面材9の堤内側面に配置された複数の鋼製補剛材10と鋼矢板基礎Aの堤内側の凹部4b内に建て付けられた鋼製控え部材11とを備えている。
鋼製面材9は鋼板などで形成され、隣接する壁パネル2,2間の全面を覆う程の大きさに形成されている。また、鋼製面材9の左右縁端部に嵌合溝9a,9aが鋼製面材9の上下方向に連続して形成され、当該嵌合溝9a,9aに壁パネル2を構成している端部鋼製骨部材5のフランジ5a,5aがそれぞれ嵌合され、これにより隣接する各鋼製壁パネル2,2間が鋼製接続パネル3を介して互いに接続されている。
なお、嵌合溝9a,9aは、フランジ5aの嵌合長よりやや深めに形成されており、これにより左右鋼製壁パネル2,2と鋼製接続パネル3間の接続部における矢板法線方向の誤差を吸収できるようになっている。また、嵌合溝9aとフランジ5a間にゴム等からなる止水パッキン12が充填されていることで、この部分の止水性が図られている。
補剛材10は鋼製面材9の堤内側面に鋼製面材9の上下方向に等間隔にリブ状に配置され、かつ鋼製面材9の堤内側面に溶接またはボルト接合などによって取り付けられている。
鋼製控え部材11はH形鋼などの形鋼より形成され、かつ上端部において鋼製面材9の堤内側面に連結鋼材9aを介し、溶接またはボルト接合によって接続されている。また、鋼製面材9と鋼製控え部材11間に開口部8が矢板法線方向と直交する方向に形成され、当該開口部8内に鋼矢板基礎Aの上端部が挿入されている。
このように配置された各鋼製壁パネル2および各鋼製接続パネル3の下端部における、鋼製控え部材7および11の堤内側に鋼製型枠13が配置され、かつ当該鋼製型枠13と各鋼製壁パネル2および鋼製接続パネル3の鋼製面材6および9間にコンクリート14が打設されている。
鋼製型枠13は、各鋼製控え部材7,7間および鋼製控え部材7と11間に矢板法線方向に連続して設置され、かつ各鋼製控部え部材7および11に溶接またはボルト接合によって取り付けられている。コンクリート14は、鋼矢板基礎Aの上端部分、各鋼製控え部材7および11、さらに開口部8が完全に埋設される高さまで打設されている。
以上の構成により、壁パネル2および接続パネル3の下端部は鋼矢板基礎Aに一体的に接合されて鋼製壁Bが構築されている。
このような構成において、鋼矢板基礎Aに対して堤外側の凹部4aに配置された鋼製骨部材5が堤外側から外力を受けたときに、鋼矢板基礎Aによって仕切られた堤外側のコンクリート塊14aが鋼矢板基礎Aから引き剥がされようとするが、鋼矢板基礎Aの堤内側の凹部4bに配置された鋼製控え部材7で拘束されたコンクリート塊14bが鋼矢板基礎Aを押し込むように作用することで、当該部コンクリート14から鋼製壁パネル2が脱落することなく一体として挙動させることが可能になる。
一方、堤内側からの外力に対しては、鋼製骨部材5と鋼製控え部材7の関係を逆として同様の作用状態として挙動させることが可能となる。
次に、構築工法を簡単に説明する。
(1)鋼矢板基礎Aの施工が完了したら、鋼矢板基礎Aの堤外側に複数の鋼製壁パネル2を矢板法線方向に互いに隣接させて配置する。その際、各鋼製壁パネル2の鋼製骨部材と鋼製控え部材を、それぞれ鋼矢板基礎Aの堤外側の凹部4aと堤内側の凹部4b内にそれぞれ建て付け、かつ鋼矢板基礎Aの上端部分を開口部8に挿入する。
なお、鋼製骨部材5と鋼製控え部材7は、鋼矢板基礎Aからある程度離隔Sをもって配置することで(図5参照)、鋼矢板基礎Aを構成する鋼矢板1の打設時の出入り誤差を吸収することが可能となり、鋼製壁パネル2の配置時の調整にかかる工数を大幅に削減することができる。
(2)次に、隣接する各鋼製壁パネル2,2間に鋼製接続パネル3を配置して、隣接する各鋼製壁パネル2,2間を接続する。その際、鋼製接続パネル3をクレーンで吊り、隣接する各鋼製壁パネル2,2間に配置し、かつ両端の嵌合溝9a,9aを両側鋼製壁パネル2,2を構成する鋼製骨部材5,5のフランジ5a,5aと嵌合させ、鋼製壁パネル2,2間に上方より落とし込むように配置する。
(3)次に、各鋼製壁パネル2および鋼製接続パネル3の鋼製控え部材7,7間および鋼製控え部材7,8に鋼製型枠13を配置する。そして、鋼製型枠13の内側にコンクリート14を打設する。なお、鋼製壁パネル2の鋼製控え部材7,7間に配置される鋼製型枠13は、鋼製壁パネル2の製作時に取り付けておいてもよい。
図7と図8は、本発明の他の実施形態を図示したものであり、特に図1〜図6で説明した鋼製壁パネル2に替えて図8に図示する鋼製壁パネル15が配置され、また、隣接する各鋼製壁パネル15,15間は鋼製接続パネル3に替えて鋼製接続部材16を配置し、各鋼製接続部材16,16間を複数の接合ボルト17によってボルト接合することにより直接接合されている。
各鋼製壁パネル15は、矢板法線方向の両端部に配置された鋼製骨部材5に替えて鋼製接続部材16を備えている。また、鋼製接続部材16は溝形鋼より形成され、かつウェブ16aが外向きに配置されている。
そして、隣接する各壁パネル15,15間は、鋼製接続部材16,16のウェブ16a,16aを複数の接合ボルト17によってボルト接合することにより接続されている(図8(b)参照)。
また、必要に応じて、接合ボルト17のボルト頭部および接合ナット等の腐食防止を図るべく、鋼製接続部材16,16の凹部内にモルタルまたはコンクリート18を充填することにより、接合ボルト18の露出部分をモルタルまたはコンクリート18で被覆することもある(図9(b)参照)。
その他の構成は図1〜6で説明した実施形態とほぼ同じである。
本発明は、堤防や防波堤、或は防潮堤などの海岸・河岸保全施設、さらには陸上の擁壁構造物などの特に壁部(上部工)の構築に適し、短期施工および経済施工等を図ることができる。
A 鋼矢板基礎
B 鋼製壁
S 離隔
1 鋼矢板
2 鋼製壁パネル
3 鋼製接続パネル
4a 堤外側の凹部
4b 堤内側の凹部
5 鋼製骨部材
6 鋼製面材
7 鋼製控え部材
8 開口部
9 鋼製面材
9a 嵌合溝
10 補剛材
11 鋼製控え部材
12 止水パッキン
13 鋼製型枠
14 コンクリート
14a 堤外側のコンクリート塊
14b 堤内側のコンクリート塊
15 鋼製壁パネル
16 鋼製接続部材
16a 鋼製接続部材のウェブ
17 接合ボルト
18 モルタル又はコンクリート

Claims (5)

  1. 地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板からなる鋼矢板基礎を備えてなる鋼製壁であって、前記鋼矢板基礎の堤外側に矢板法線方向に互いに隣接して配置された複数の鋼製壁パネルを備え、前記鋼製壁パネルは前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部にそれぞれ配置された複数の鋼製骨部材および鋼製控え部材と、前記鋼製骨部材の堤外側に配置された鋼製面材とを備え、前記鋼製骨部材と前記鋼製控え部材は、前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部に前記鋼矢板基礎の矢板法線方向に交互に配置され、かつ前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部にコンクリートが打設されてなることを特徴とする鋼製壁。
  2. 請求項1記載の鋼製壁において、前記鋼製パネル間は鋼製接続パネルによって接続されていることを特徴とする鋼製壁。
  3. 請求項1記載の鋼製壁において、前記鋼製壁パネル間はボルト接合によって接続されていることを特徴とする鋼製壁。
  4. 請求項1〜3のいずれかひとつに記載の鋼製壁において、前記鋼製控え部材の堤内側に鋼製型枠が配置されていることを特徴とする鋼製壁。
  5. 地盤内に凹凸が矢板法線方向に連続して配置される複数の鋼矢板からなる鋼矢板基礎の堤外側に、複数の鋼製骨部材および鋼製控え部材と鋼製面材とを備えてなる複数の鋼製壁パネルを配置することにより構築される鋼製壁の構築工法であって、以下の工程からなることを特徴とする鋼製壁の構築工法。
    (1)前記鋼矢板基礎の堤外側に前記複数の鋼製壁パネルを矢板法線方向に互いに隣接させて配置すると共に、前記鋼製骨部材と前記鋼製控え部材を前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部にそれぞれ配置する工程。
    (2)隣接する各鋼製壁パネル間を接合する工程。
    (3)前記鋼矢板基礎の堤外側および堤内側の凹部にコンクリートを打設する工程。
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