JP2002167683A - 電気防食装置及び電気防食方法 - Google Patents

電気防食装置及び電気防食方法

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JP2002167683A
JP2002167683A JP2000360793A JP2000360793A JP2002167683A JP 2002167683 A JP2002167683 A JP 2002167683A JP 2000360793 A JP2000360793 A JP 2000360793A JP 2000360793 A JP2000360793 A JP 2000360793A JP 2002167683 A JP2002167683 A JP 2002167683A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水中、特に海水中にある鋼部材の腐食を防
止する電気防食装置及び電気防食方法において、水中で
の作業を不要とし、溶接等による鋼構造部材への悪影響
を排除する。 【解決手段】 水底から立ち上げられた鋼矢板1で支
持されるコンクリート壁体2に鉛直方向の貫通孔5を設
ける。先端部に流電陽極12が固着された金属棒11を
上記貫通孔に挿通し、流電陽極を水中に突き入れて金属
棒の上端部をコンクリート壁体に支持させる。この金属
棒は、揺れ止め部材17が貫通孔内面に当接することに
よって揺動が防止される。金属棒の上端部に取り付けら
れコンクリート部材に係止された支持部材13は、コン
クリート部材中に埋め込まれた金属部材によって鋼矢板
と接続され、流電陽極と鋼矢板とが電気的に接続され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、鋼矢板、鋼管矢
板又は鋼管抗等を用いた港湾構造物、護岸構造物又は浮
遊構造物等において、水面下にある鋼部材の腐食を電気
的に防止する電気防食装置及び電気防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】護岸、桟橋、岸壁等の港湾構造物や浮桟
橋、人工地盤として用いられる浮遊函体等に、鋼部材は
広く用いられているが、水面下となる部分及び飛沫帯は
腐食し易く、特に海水中に設けられている構造物では激
しい腐食作用を受ける。このため、様々な防食措置が考
えられており、水面下にある部分の防食手段の一つとし
て電気防食がある。
【0003】電気防食は、腐食を防止する鋼部材を陰極
とし、この他に陽極を水中に設け、陰極に負の電位を生
じさせるものである。陰極に負の電位を生じさせる手段
としては、外部からこれらの間に電圧を印加する方法も
あるが、陽極(流電陽極)にアルミニウム(Al)、亜
鉛(Zn)、マグネシウム(Mg)又はこれらを主成分
とする合金等を用い、イオン化傾向の差による電池作用
で、陰極に負電位を発生させる方法が一般に用いられ
る。
【0004】上記流電陽極は、水中の陰極と近接する位
置に設けられるものであり、この流電陽極は、例えば、
図8に示すように支持される。これは、Al合金等から
なる流電陽極101を取り付け用鋼材102に固着して
おき、この取り付け用鋼材102を鋼矢板103等の部
材に水中溶接によって固定するものである。これによ
り、流電陽極101は、取り付け用鋼材102を介して
防食すべき鋼部材と電気的に接続され、流電陽極101
がイオン化しようとする作用によって防食すべき鋼矢板
103が負電位となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来から行われている電気防食技術では、次のよ
うな問題点がある。流電陽極は、水中に徐々に溶出する
ものであり、年月を経ることによって体積が減少する。
このため、一定の期間ごとに流電陽極を水中で取り付け
る作業が必要となる。この取付作業は、潜水士が水中で
溶接を行うものであり、熟練作業員と多くの費用が必要
となる。また、作業は危険をともなうこともあり、特に
放水路や取水路の護岸等では流速が大きく、潜水士によ
る水中作業が困難な場合もある。
【0006】一方、水中溶接は、陸上で行う一般的な溶
接に比べて強度が劣るものであり、60%程度の強度と
なる。また、流電陽極が取り付けられる鋼矢板等は、水
中溶接によって熱影響部が急冷され、脆化が起こりやす
い。このため、地震時等に大きな力が作用すると水中溶
接部に脆性破壊が生じるおそれがある。
【0007】また、流電陽極の取付けに多くの費用等が
必要となることから、流電陽極の体積を大きくしてお
き、新たな流電陽極の取り付け頻度を減らすことが望ま
れる。しかし、このために構造物付近の水流によって大
きな力が作用し、上記水中溶接の強度の問題及び鋼部材
の脆化の問題も一層顕著になってしまう。
【0008】本願発明は、上記のような事情に鑑みてな
されたものであり、その目的は、水中での作業を必要と
せず、防食すべき構造物の鋼部材に悪影響を考えること
が少ない電気防食装置及び電気防食方法を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、 水底から立ち上げられた
鋼部材で支持される構造物又は水面下に鋼部材を有する
浮遊構造物の防食装置であって、 前記構造物の水面上
部分から鉛直下方に設けられた貫通孔に挿通され、下部
が水中に突き入れられる金属棒と、 前記金属棒の上端
部に取り付けられ、該金属棒を吊り下げた状態で、前記
貫通孔の上部に係止する支持部材と、前記貫通孔に挿通
可能な形状を有し、吊り下げられた前記金属棒の水中に
位置する部分に固着された流電陽極と、 前記金属棒と
前記構造物の水面下にある部分とを電気的に接続する導
電部材とを有する電気防食装置を提供するものである。
【0010】この電気防食装置では、貫通孔の水面上に
ある上側の開口から流電陽極が固着された金属棒を挿入
して水中へ突き入れ、金属棒の上端部を貫通孔の上部で
支持することができる。そして、この金属棒と水面下に
ある鋼部材とを電気的に接続することにより、鋼部材が
陰極となって電位は負極性に維持される。このように構
成することにより、流電陽極は構造物の水面上部分から
の作業のみによって容易に設置することができる。ま
た、金属棒を構造物の上から引き上げることによって交
換も容易に行うことができる。また、防食すべき鋼部材
に対する溶接等の加工は不要となり、構造的な弱点を生
じることもない。
【0011】なお、上記金属棒は導電性を有するもので
あり、腐食しにくい材料からなるものが望ましく、例え
ばステンレススチールを用いるのが良い。また、流電陽
極は、従来から用いられている材料で形成することがで
き、Al、Zn、Mg又はこれらを主成分とする合金等
が用いられる。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
電気防食装置において、 前記貫通孔は、水面下にある
鋼部材の上部に支持されたコンクリート部材に設けら
れ、該貫通孔の軸線が、前記鋼部材の水と接する鉛直面
と近接対向する位置にあるものとする。
【0013】護岸、岸壁等は、鋼矢板又は鋼管矢板上に
コンクリート部材を支持する構造等が多く採用される。
また、桟橋も鋼管柱の上にコンクリートの梁及び床版を
支持するものが多い。そして、このコンクリート部材
は、鋼部材の水と接触する鉛直面より一部が水面上に張
り出すように設けられるのが一般的である。このような
構造物では、コンクリート部材に鉛直方向の貫通孔を設
けると、流電陽極を固着した金属棒を地上部分又は桟橋
等の上からの作業によって、この貫通孔に挿通すること
ができる。そして、流電陽極を水面下にある鋼部材と近
接対向するように設置することができる。
【0014】なお、上記コンクリート部材に設けられる
鉛直方向の貫通孔は、コンクリート部材の上方からコア
ボーリング等によって穿設するものであってもよいし、
コンクリート部材を新設する際に、型枠内に管部材を配
置しておくことによって設けるものでもよい。
【0015】請求項3に係る発明は、請求項1に記載の
電気防食装置において、 前記導電部材は、前記支持部
材と着脱可能なプラグと、これに接続されるケーブルと
を含むものとする。
【0016】この電気防食装置では、ケーブルを予め鋼
部材に接続しておくと、流電陽極を固着した金属棒を貫
通孔に設置した後、ケーブルに接続されたプラグを嵌め
合わせることによって、流電陽極と鋼部材とを電気的に
接続することができる。また、流電陽極を交換する際に
は、プラグを取り外して直ちに金属棒を引き上げること
ができ、作業が極めて容易となる。
【0017】請求項4に係る発明は、 水底から立ち
上げられた鋼部材で支持される構造物又は水面下に鋼部
材を有する浮遊構造物の防食方法であって、 流電陽極
を下部に固着した金属棒を、鉛直に水面下に突き入れ、
前記金属棒の上端部を、前記構造物の水面上部分に係
止して、吊り下げ支持するとともに、該金属棒の側面又
は該金属棒の側面に固着された部材に、前記構造物又は
該構造物に固定された部材を当接して、該金属棒が横方
向に振れるのを拘束し、 該金属棒と前記構造物の水面
下ある鋼部材とを電気的に接続する電気防食方法を提供
するものである。
【0018】このような電気防食方法では、水面上から
の作業のみによって流電陽極を水面下の所定の位置に設
置することができる。また、流電陽極を支持する金属棒
は、構造物又は構造物に固定された部材によって横方向
に拘束され、水流等によって流電陽極が振れるのを防止
することができる。さらに、金属棒及び流電陽極の設置
及び回収は、金属棒の上端部を引き上げる作業によって
容易に行うことができる。
【0019】請求項5に係る発明は、請求項4に記載の
電気防食方法において、 前記構造物は、水底から立ち
上げられた鋼部材上にコンクリート部材を支持するもの
であり、 前記コンクリート部材の、前記鋼部材の外面
より張り出した部分に、鉛直方向の貫通孔を設け、 前
記流電陽極が固着された金属棒は、該貫通孔に上方から
挿入して、該貫通孔の上部開口付近で係止するものであ
る。
【0020】このような電気防食方法では、鋼部材の頭
部にコンクリート部材を有する構造物について、陸上部
からの作業のみによって、流電陽極を設置することがで
きる。また、流電陽極の交換も容易に行うことが可能と
なる。
【0021】請求項6に係る発明は、請求項5に記載の
電気防食方法において、 前記鋼部材に電気的に接続さ
れた電位測定用の端子を、前記コンクリート部材の上部
に設けておき、 前記金属棒の上端部と前記端子とをケ
ーブルで電気的に接続するものとする。
【0022】この電気防食方法では、電位測定用の端子
に電圧計を接続することによって、鋼部材の電位を容易
に測定することができる。これにより、電気防食が有効
に行われているかを容易に確認することができる。ま
た、この電位測定用の端子はコンクリート部材を支持す
る鋼部材と接続されており、金属棒とこの端子とを接続
することによって、流電陽極と鋼部材とを電気的に導通
状態とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。図1は、本願発明の一実施
形態である電気防食装置の設置状態を示す立断面図であ
り、図2は平面図である。この電気防食装置は、図1に
示すように、海水3と接触する鋼矢板1とその頭部に設
けられたコンクリート壁体2とを有する護岸構造物にお
いて、鋼矢板1の水面下にある部分の防食を行うもので
ある。
【0024】この護岸構造物は、鋼矢板1を水底に鉛直
に打ち込み、その頭部を覆うようにコンクリート壁体2
を構築したものであり、鋼矢板1に係止されたタイロッ
ド4(図2参照)を背面側の埋め戻し土6中に配置する
ことによって、埋め戻し土6の土圧に抵抗し得る構造と
なっている。
【0025】上記コンクリート壁体2は、鋼矢板1と一
体となるように形成され、水面上に張り出した部分に鉛
直方向に貫通孔5が設けられている。この貫通孔5は、
コンクリート壁体2を構築した後にコアボーリング等に
よって穿設されたものであってもよいし、コンクリート
壁体2を構築する際に管部材を埋め込むことによって形
成されたものであってもよい。
【0026】電気防食装置は、上記貫通孔5に挿通され
る金属棒11と、この金属棒11の下端部に固着された
アルミニウム合金からなる流電陽極12と、上記金属棒
11の上端部に固着され、貫通孔5の上部側開口部に係
止される支持部材13と、コンクリート壁体2の上部で
露出され、鋼矢板1と電気的に接続された電位測定用の
端子14と、この端子と上記支持部材13とを接続する
ケーブル15と、このケーブル15を支持部材13に着
脱可能に接合するプラグ16とで主要部が構成されてい
る。そして、上記流電陽極12は、護岸構造物に沿っ
て、0.4m〜4.0m程度の間隔で配置される。ま
た、水深に応じて流電陽極の配置高さを複数段に分けて
設けることもでき、それぞれの高さの位置に適切な間隔
で配置される。
【0027】上記金属棒11は、ステンレススチール
(SUS316)からなり、径が35mm程度の丸棒で
あり、コンクリート壁体2の上面から流電陽極12を所
定の水深に支持することができる長さを有するものであ
る。
【0028】上記流電陽極12は、アルミニウム合金か
らなる円柱状の部材であり、金属棒11を軸心上に埋め
込むように鋳造されたものである。この流電陽極12
は、図3及び図4に示すように、円形断面を有する貫通
孔5の内径d1より小さい径d2を有し、貫通孔5に挿
通することができるようになっている。本実施形態で
は、貫通孔5の内径は75mmから150mm程度、流
電陽極12の径は47mmから127mm程度である。
【0029】上記支持部材13は、ステンレススチール
(SUS304)からなり、図4に示すように金属棒1
1と垂直に固着された円形プレート13aと、この円形
プレート13aの上面に設けられ、クレーン等の吊り金
具を係止することができる係止部13bとを有し、円形
プレート13aをコンクリート壁体2の上面に当接し
て、金属棒11を吊り支持することができるようになっ
ている。
【0030】上記金属棒11の上端付近及び貫通孔5内
の下端部付近と対応する位置には、ステンレススチール
(SUS304)からなる振れ止め部材17が取り付け
られている。この振り止め部材17は金属棒11と軸心
が一致するように嵌め合わされた円筒状の部材であり、
その外径は貫通孔5の内径よりやや小さくなっている。
この振れ止め部材17は、金属棒11が貫通孔5内に
挿入されて所定の位置に支持されたときに、貫通孔5内
にあってその内周面と当接する。これにより、金属棒1
1が横方向に振れるのを有効に拘束するようになってい
る。
【0031】上記電位測定用の端子14は、図5に示す
ように、丸鋼18(φ16mm)の一端を鋼矢板1に溶
接接合してコンクリート中に埋め込み、コンクリート壁
体2の上部に露出した他端に取り付けられており、腐食
しないようにステンレススチールが用いられている。な
お、符号19は、端子を納めて保護する端子箱である。
【0032】上記ケーブル15は、護岸構造物の平面形
状に沿って配置される複数の流電陽極12の支持部材1
3を互いに接続するものであり、さらにこれらの支持部
材13を電位測定用の端子14と接続するものである。
このケーブル15と支持部材13との接続は、プラグ1
6によって着脱が可能となっている。
【0033】上記のような電気防食装置では、流電陽極
12と鋼矢板1とは、金属棒11、支持部材13、ケー
ブル15及び電位測定用の端子14等を介して電気的に
接続される。したがって、流電陽極12は、海水中にイ
オン化して溶出し、電池作用によって鋼矢板1の電位は
負極性になる。これにより、鋼矢板1の腐食は有効に防
止される。
【0034】さらに、この流電陽極12は、貫通孔5に
挿通されるものであるため、寸法が制限され、海水中へ
の溶出によって比較的短い期間で消滅することになる
が、陸上からの簡単な作業で交換及び点検等の維持管理
を行うことができるので、一つの流電陽極12の体積が
小さいことによる維持管理費用の増加等も大きくはなら
ない。また、流電陽極12は、比較的に径の小さい円形
断面となっており、水中に支持したときに作用する流水
圧を低減することができる。
【0035】上記実施形態は、鋼矢板とコンクリート壁
体とを有する護岸構造物の防食を行うものであるが、同
じ構成の電気防食装置は、図6又は図7に示すように、
桟橋又は浮遊構造物の水面下にある鋼部材の防食にも用
いることができる。図6に示す桟橋は、海底に打ち込ま
れ、頭部が海面上に突き出した鋼管柱21で、コンクリ
ートの梁22及びこの梁と一体となった床版23を支持
するものである。
【0036】この桟橋では、コンクリートの梁22が鋼
管柱21の外周面より張り出した部分に鉛直方向の貫通
孔が設けられ、流電陽極26が固着された金属棒25は
上方からこの貫通孔に挿通される。そして、流電陽極2
6が海水24中に突き入れられ、鋼管柱21と対峙する
位置に支持されるとともに、金属棒25が鋼管柱21と
電気的に接続される。これにより、鋼管柱21の海面下
の部分は有効に防食される。
【0037】一方、図7は、鋼函体からなる浮遊構造物
に本願発明に係る電気防食装置を適用したものである。
このような鋼函体は、浮桟橋、浮橋、石油備蓄用貯槽、
プラント等のための台船、飛行場等の施設のための人工
地盤として用いられることができるものである。このよ
うな浮遊構造物において、水面上の部分に函体31の側
面31aより張り出した部分32を設け、この部分に鉛
直方向の貫通孔を設けて流電陽極34を設置する。貫通
孔は、必ずしも一続きに連続したものでなくてもよく、
上下に設けられた複数の張り出し部のそれぞれに設けら
れているものであってもよい。そして、流電陽極34を
支持する金属棒33を上下に分断された貫通孔のそれぞ
れによって横方向に拘束し、流電陽極34を所定の位置
に支持することができる。このような浮遊構造物におい
ても、図1から図5までに記載のものと同じ構成の電気
防食装置を用いることができる。
【0038】以上に説明した電気防食装置を用いた鋼部
材の防食方法は、本願の請求項4、請求項5又は請求項
6に係る発明の一実施形態である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る電
気防食装置又は電気防食方法では、水面上での作業のみ
によって、流電陽極の設置・交換・点検等を行うことが
でき、水中溶接が不要となる。したがって、作業効率、
安全性、経済性に優れたものとなる。また、水中溶接が
不要となることにともない、鋼構造部材に弱点を生じる
おそれも解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である電気防食装置の設
置状態を示す立断面図である。
【図2】図1に示す電気防食装置の配置を示す平面図で
ある。
【図3】図1に示す電気防食装置の設置状態を示す平断
面図である。
【図4】図1に示す電気防食装置の要部の拡大図であ
る。
【図5】図1に示す電気防食装置で用いる電位測定用の
端子を示す概略断面図である。
【図6】本願発明に係る電気防食装置の他の適用例を示
す概略図である。
【図7】本願発明に係る電気防食装置の他の適用例を示
す概略図である。
【図8】従来の電気防食装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 鋼矢板 2 コンクリート壁体 3 海水 4 タイロッド 5 貫通孔 6 埋め戻し土 11 金属棒 12 流電陽極 13 支持部材 14 電位測定用の端子 15 ケーブル 16 プラグ 17 振れ止め部材 18 丸鋼 19 端子箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E02D 5/04 E02D 5/04 (72)発明者 田渕 眞人 神奈川県三浦郡葉山町一色71−20 Fターム(参考) 2D018 BA00 2D049 EA03 FB03 FB12 FB14 FE02 4K060 AA02 BA03 BA07 BA13 BA43 DA07 EA01 EA08 EB01 FA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水底から立ち上げられた鋼部材で支持
    される構造物又は水面下に鋼部材を有する浮遊構造物の
    防食装置であって、 前記構造物の水面上部分から鉛直下方に設けられた貫通
    孔に挿通され、下部が水中に突き入れられる金属棒と、 前記金属棒の上端部に取り付けられ、該金属棒を吊り下
    げた状態で、前記貫通孔の上部に係止する支持部材と、 前記貫通孔に挿通可能な形状を有し、吊り下げられた前
    記金属棒の水中に位置する部分に固着された流電陽極
    と、 前記金属棒と前記構造物の水面下にある部分とを電気的
    に接続する導電部材とを有することを特徴とする電気防
    食装置。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔は、水面下にある鋼部材の
    上部に支持されたコンクリート部材に設けられ、 該貫通孔の軸線が、前記鋼部材の水と接する鉛直面と近
    接対向する位置にあることを特徴とする請求項1に記載
    の電気防食装置。
  3. 【請求項3】 前記導電部材は、前記支持部材と着脱
    可能なプラグと、これに接続されるケーブルとを含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の電気防食装置。
  4. 【請求項4】 水底から立ち上げられた鋼部材で支持
    される構造物又は水面下に鋼部材を有する浮遊構造物の
    防食方法であって、 流電陽極を下部に固着した金属棒を、鉛直に水面下に突
    き入れ、 前記金属棒の上端部を、前記構造物の水面上部分に係止
    して、吊り下げ支持するとともに、該金属棒の側面又は
    該金属棒の側面に固着された部材に、前記構造物又は該
    構造物に固定された部材を当接して、該金属棒が横方向
    に振れるのを拘束し、 該金属棒と前記構造物の水面下にある鋼部材とを電気的
    に接続することを特徴とする電気防食方法。
  5. 【請求項5】 前記構造物は、水底から立ち上げられ
    た鋼部材上にコンクリート部材を支持するものであり、 前記コンクリート部材の、前記鋼部材の外面より張り出
    した部分に、鉛直方向の貫通孔を設け、 前記流電陽極が固着された金属棒は、該貫通孔に上方か
    ら挿入して、該貫通孔の上部開口付近で係止することを
    特徴とする請求項4に記載の電気防食方法。
  6. 【請求項6】 前記鋼部材に電気的に接続された電位
    測定用の端子を、前記コンクリート部材の上部に設けて
    おき、 前記金属棒の上端部と前記端子とをケーブルで電気的に
    接続することを特徴とする請求項5に記載の電気防食方
    法。
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Cited By (3)

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