JPH0771038A - 土木用の土留ユニットと該ユニットを使用した構築工法 - Google Patents

土木用の土留ユニットと該ユニットを使用した構築工法

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JPH0771038A
JPH0771038A JP20023093A JP20023093A JPH0771038A JP H0771038 A JPH0771038 A JP H0771038A JP 20023093 A JP20023093 A JP 20023093A JP 20023093 A JP20023093 A JP 20023093A JP H0771038 A JPH0771038 A JP H0771038A
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Japan
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unit
soil
retaining
units
construction method
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JP20023093A
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Kazuhiko Kitagawa
一彦 北川
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  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
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  • Revetment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 現場で連結・組立などを全く必要とせず、並
べて土、砂利、栗石などを中詰めし積層するだけで安定
な擁壁等の構築ができ、地山の曲面にも追随し易くかつ
耐震性を有し、フエンスや堰、堤としても利用できると
いう土留ユニットとその構築工法を開発すること。 【構成】 エキスパンドメタルなどの網状板をコ字状に
折曲げて正面と両側面を作り、底面は前記3面からそれ
ぞれ連続して折曲げて形成した前底面部と左右の横底面
部の3片を有し、底面中央から後部にかけては欠除部に
なっているという土留ユニットにする。このユニットを
千鳥格子状に積層したり、地山の曲線に追随して後部を
拡縮させて並べたり、相互に反対向けにして2列に並べ
て互いに側面部を挿入させてフエンス状に積層したりし
て構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、積層することにより擁
壁、護岸壁、緑化壁、堤、堰、フエンス等に仕上げられ
る土木用の土留ユニット、及びこの土留ユニットを使用
して前記擁壁等に構築する工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から擁壁等の構築には主として、コ
ンクリートの現場打ち、コンクリートユニットタイプ、
コンクリートブロック、或は石積みが使用されており、
コンクリートの現場打ちでは施工上の人的問題や期間の
問題があり、またその他のコンクリートブロック等では
重量が大きく運搬、現場での取扱いに問題を有し、更に
これらによって構築された擁壁等には植物の成育はなく
自然環境上好ましくないという欠点を持っている。
【0003】この様な問題点を解決するために、エキス
パンドメタルの様な網目のユニットに土、砂利、栗石な
どを中詰めして積層するという構築工法が提案されてい
る。例えば、特公昭54−2961号公報や特公昭57
−13692号公報には、エキスパンドメタルを使った
構造ユニットで擁壁等を構築する工法が開示されてい
る。
【0004】しかしながら、これら従来の構造ユニット
による工法は、各々ユニット同志を現場で連結・組立し
ながら積層する必要があり、かなりの手間を要するもの
で、また工具や治具等の準備が必要な場合もあり、決し
て作業性が良いとは言えない現状となっている。
【0005】また、これら従来の構造ユニットは比較的
変形しにくいため、地山の曲面に追随して積層しにくい
し、積層後に地山が地震などによって変形を生じたとき
その変形に充分対応しにくく崩壊しやすいという欠点を
有しているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
問題点のない土留用の構造ユニットを開発することと、
このユニットを使用して擁壁等を構築する工法を開発す
ることを目的としてなされたものであり、何らの連結・
組立もなしに並べるだけで安定に積層でき、地山の曲面
にも追随でき、しかも積層後に地震の様な変形力が働い
てもこれに対応して変形し全体の崩壊が防止できるとい
う新規な土木用の土留ユニットと該ユニットを使用した
構築工法とを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに鋭意研究した結果、エキスパンドメタルのような網
状板をコ字状に折曲げて正面部と両側面部とを作ると共
に、底面を前底面部と左右の横底面部の3片に分割され
たものとすれば非常にすぐれた土留ユニットになること
を見い出し、この土留ユニットを使用して擁壁や護岸
壁、或は堤、堰、フエンスなどに構築することにより極
めて高い効果が得られることを知ったのである。
【0008】すなわち本発明は、エキスパンドメタル等
の網状板で構成された略々箕形状のユニットであって、
コ字状に折曲げて作られた正面部と両側面部を有し、底
面は前記正面部から連続して折曲げて形成された前底面
部と前記両側面部からそれぞれ連続して折曲げて形成さ
れた左右の横底面部とを有し底面中央から後部にかけて
は欠除部になっていることを特徴とする土木用の土留ユ
ニットを要旨とするもので、この土留ユニットを使用し
て各段毎に半分づつずらして千鳥格子状に積層する工
法、地山曲面に追随して積層する工法、互いに反対向け
に2列に並列して相互に後部から挿入し合うように積層
する工法などを創出したのである。
【0009】本発明を図面によって実施例を示しながら
詳細に説明する。図1は本発明の土留ユニットの実施例
の斜視略図である。図2は図1の実施例の平面略図であ
る。これらの図のように本発明土留ユニット(t)は、
全材料がエキスパンドメタル等の網状板で構成された略
々箕形状(農具の一種で塵取り形状のザル)をしたユニ
ットになっている。
【0010】つまり、エキスパンドメタルをコ字状に折
曲げて、正面部(1)と左右の側面部(2)(2)を作
ると共に、底面としては正面部(1)から連続して折曲
げて形成された前底面部(3)と両側面部(2)(2)
からそれぞれ連続して折曲げて形成された左右の横底面
部(4)(4)との3片が臨んでおり、底面中央から後
部にかけては欠除部(5)が設けられているというのが
本発明の土留ユニット(t)である。この場合、図2の
様に前底面部(3)と左右の横底面部(4)との間に、
空隙(6)が形成されるように作ると一層好ましいもの
となる。なお欠除部(5)は、図面では理解し易くする
ためにかなり広く示されているが、中詰めされた盛土材
の重力を受ける底面積を大きくするために、実際の欠除
部(5)はこれよりも狭い方が好適である。
【0011】本発明における網状板として主に使用され
るエキスパンドメタルとは、通常、鋼製の金属板に一方
向に延びる不連続の切れ目を複数条に設けて、ついでそ
れと直角方向に強い引張力をかけて網目状の開口部を多
数形成したものであり、それ自体で形状保持能力を有
し、かつ非常に軽量なものである。
【0012】本発明の土留ユニット(t)は、図2で示
した角部(7)を支点にして左右の側面部(2)(2)
の後部が相互に図の矢印(イ)の如く拡縮できるという
変形性を有し、また一方の側面部(2)が下向きに他方
の側面部(2)が上向きに折曲るというネジレ変形にも
対応できるものとなっている。この場合、左右の横底面
部(4)(4)も側面部(2)(2)と共に拡縮・ネジ
レを生じることは勿論であり、したがって空隙(6)が
あるとこの変形作用が一層好適に発揮されるのである。
【0013】この様に土留ユニット(t)は拡縮できる
ものであるため後述する構築工法にすぐれた作用を発揮
すると共に、コンパクトに積重ねて運搬しやすいなどの
取扱い性にも良い効果をもたらすのである。なお、この
土留ユニット(t)の寸法としては、特に限定する必要
はないが、正面幅が50〜100cm、奥行が50〜10
0cm、高さが30〜50cmの範囲が好適である。
【0014】図3は本発明の土留ユニット(t)を積層
して擁壁に構築した場合の実施例の正面略図である。図
4は図3の実施例の側面断面略図である。これら図の様
に、土留ユニット(t)に土、砂利、または栗石などの
盛土材を中詰めして、各段毎に半分づつずらした千鳥格
子状に積層することにより安定な擁壁等に構築すること
ができる。なお、図4の(g)は地山であり、(f)は
河川等の床地、また(i)は盛土材を示している。
【0015】土留ユニット(t)に土などの盛土材
(i)を詰めて載置すると盛土材(i)の重力が3片の
底面部(3)(4)(4)にかかり、これらはそれぞれ
正面部(1)、両側面部(2)(2)に連続しているた
めこのユニットが転倒することはなく安定に載置できる
構造となっている。したがって、図3の破線の様にまず
地下部に並べて盛土材(i)を詰め、その上に一段目を
半分づつずらしながら積層して盛土材(i)を詰める
と、下の境目に上の中心が載り、安定して積層できるの
である。同様に次々と積層してもその安定性は充分に保
持できるし、図4の様に上段を下段に対して少し引き込
んだ状態で積層すると一層安定性は向上する。
【0016】本発明は上記の擁壁等の積層において、個
々の土留ユニット(t)同志を何ら連結・組立すること
なく、単に隙間なく並べるだけで安定に載置できると共
に、この土留ユニット(t)の網目と中詰めされた盛土
材(i)の摩擦抵抗により、滑りも防止でき、転倒防止
と滑動防止の両効果を併せ持ち、極めて能率的な作業性
でもって安定な擁壁等が構築できる点に大きな特徴を有
しているのである。なお、必ずしも図4の如くに上段を
下段より引っ込めて全体を傾斜させて積層する必要はな
く、必要に応じて垂直に積層しても良いものである。
【0017】図5は凹状に曲った地山に沿って土留ユニ
ットを並べた実施例の平面略図である。図6は凸状に曲
った地山に沿って土留ユニットに並べた実施例の平面略
図である。図5の様に地山(g)が凹状の曲面になって
いる場合は、土留ユニット(t)の両側面部(2)
(2)を少しづつ拡げて並べると相互に隙間なく積層で
き、曲面に対する追随が達成しやすいものとなる。同様
に図6の様に地山(g)が凸状の曲面になっている場合
は、土留ユニット(t)の両側面部(2)(2)を少し
づつ縮小させながら並べて積層すれば容易に地山(g)
の曲面に追随できる。
【0018】図7は土留ユニットを相互に反対向けに2
列に並列して互いに後部から挿入し合うように並べた場
合の実施例の平面略図である。この図のように、土留ユ
ニット(t)を互いに反対向けにかつ相互に側面部を相
対応するユニット内に挿入して2列に並列し、これらに
土、砂利、栗石などを詰めて、さらにその上段に同様に
して積層して次々と積み上げて行くと、この土留ユニッ
ト(t)による独立した壁体、つまりフエンス、堰、堤
などとして利用できるものが非常に安定に構築できるの
である。
【0019】本発明における土留ユニット(t)の積層
に際して、この土留ユニット(t)の正面部内側に、種
子や肥料を付着させたシートすなわち植生シートを添わ
せておくと、擁壁等の植物成育に好適なものとなり、後
部は開放しているため地山と繋がりやすく植物の根張り
に非常にすぐれた効果を発揮する。なお、土留ユニット
(t)の網目から土などが漏洩しやすい場合は、上記植
生シートがこの遮断に役立つし、また遮断だけの目的で
他のシートを添えることも有効である。
【0020】以上の様に本発明は、変形性のある特殊な
土留ユニットとこの中に充填された土、砂利、栗石など
の盛土材とで構成された一個の土塊としての積層用単体
を、擁壁、護岸壁、緑化壁、堤、堰、フエンス等に並列
積層して構築して行くものである。この様にして構築さ
れた擁壁等は、盛土材が本来有している剪断抵抗力とユ
ニットの網目との間に働く摩擦力とによって滑動が防止
され、また盛土材がユニット底面部に働く自重力によっ
て転倒防止が得られ、非常に安定なものとなる。また、
この擁壁等に地震等による大きな作用力が働いても、本
発明のユニットは拡縮やネジレの変形ができるので、そ
のエネルギーを吸収し擁壁等が崩壊するのを防止するの
である。
【0021】
【発明の効果】本発明の効果を箇条書にして列挙すれば
以下の通りである。 (a)土留ユニット同志を連結・組立することは全く必
要なく、並べて載置し、中詰めし転圧するだけで良い。 (b)したがって、ボルト等の連結材や連結のための工
具や治具は不要であり、また用途によっては現場にある
盛土材を使用することも可能であって、作業能率は極め
て高い。 (c)土留ユニットは軽量であり、コンパクトに重ねて
運搬でき現場搬入が容易であって、傾斜地でも何ら問題
ない。
【0022】(d)土留ユニットに変形性があるため、
地山の曲面にも容易に追随でき、施工が簡単であり、ま
た何らの特殊技術や熟練、或は機械力を必要としない。 (e)安定な積層が得られ、また透水性を有しているの
で排水性にすぐれているし、緑化も可能であって、しか
も耐震性を有するものである。 以上の様に本発明は種々なるすぐれた効果を奏し、擁
壁、護岸壁、緑化壁、堤、堰、フエンスなどの土木関連
産業に甚大なる有用性を発揮するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の土留ユニットの実施例の斜視略図であ
る。
【図2】図1の実施例の平面略図である。
【図3】本発明の土留ユニットを積層して擁壁に構築し
た場合の実施例の正面略図である。
【図4】図3の実施例の側面断面略図である。
【図5】凹状に曲った地山に沿って土留ユニットを並べ
た実施例の平面略図である。
【図6】凸状に曲った地山に沿って土留ユニットを並べ
た実施例の平面略図である。
【図7】土留ユニットを相互に反対向けに2列に並列し
て互いに後部から挿入し合うように並べた場合の実施例
の平面略図である。
【符号の説明】
(t) 土留ユニット (1) 正面部 (2) 側面部 (3) 前底面部 (4) 横底面部 (5) 欠除部 (6) 空隙 (7) 角部 (g) 地山 (f) 床地 (i) 盛土材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エキスパンドメタルなどの網状板で構成
    された略々箕形状のユニットであって、コ字状に折曲げ
    て作られた正面部と両側面部を有し、底面は前記正面部
    から連続して折曲げて形成された前底面部と前記両側面
    部からそれぞれ連続して折曲げて形成された左右の横底
    面部とを有し底面中央から後部にかけては欠除部になっ
    ていることを特徴とする土木用の土留ユニット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の土留ユニットに土、砂
    利、または栗石などを詰めて相互に何らの連結・組立を
    施すことなく並べて、各段毎に半分づつずらした千鳥格
    子状に積層することを特徴とする擁壁等の構築工法。
  3. 【請求項3】 土留ユニットの後部を拡大または縮小さ
    せて地山の凹状曲面や凸状曲面に追随して積層するよう
    にした請求項2記載の構築工法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の土留ユニットを互いに反
    対向けにかつ相互に側面部を相対応するユニット内に挿
    入した形状に並列させ、土、砂利、栗石などを詰めなが
    ら積層することを特徴とする堤、堰、フエンスなどの構
    築工法。
JP20023093A 1993-07-19 1993-07-19 土木用の土留ユニットと該ユニットを使用した構築工法 Pending JPH0771038A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018100480A (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 日鐵住金建材株式会社 鋼製護岸棚構造体
JP2018178368A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 小岩金網株式会社 布団篭及びこれを使用した擁壁並びに施工方法
JP2020094372A (ja) * 2018-12-12 2020-06-18 共和ハーモテック株式会社 籠構造物
JP2020100948A (ja) * 2018-12-20 2020-07-02 真輝工業株式会社 枠構造体及び地中梁底部の施工方法

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JP2018178368A (ja) * 2017-04-03 2018-11-15 小岩金網株式会社 布団篭及びこれを使用した擁壁並びに施工方法
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