JP6888124B2 - サイドエアバッグモジュール及び車両座席 - Google Patents

Description

本発明は、請求項１のプリアンブルに記載のサイドエアバッグモジュール、及び請求項８に記載の車両座席に関する。

サイドエアバッグモジュールは、今日の自動車技術において広く使用されており、車両の側面衝突中にドライバ又は同乗者を保護することに役立つ。サイドエアバッグモジュールは、インフレータと、このインフレータに流体連通する気体空間を画定するエアバッグと、を常に備える。格納された段階では、エアバッグの大部分は、エアバッグパッケージに巻かれ、かつ／又は折り畳まれる。ほとんどの場合、インフレータユニットのインフレータは、長円形の円筒形状を有し、２つの装着スタッドは、この円筒形状のインフレータの生成表面から延在する。インフレータ及び装着スタッドは、インフレータユニットを画定する。通常、円筒形状のインフレータは、気体空間の内部に完全に又は部分的に配置され、装着スタッドは、エアバッグ内のそれぞれの孔を通って延在する。

サイドエアバッグモジュールは、車両（特にそのＢピラー）のサイド構造に装着することができるが、最も多くの場合、サイドエアバッグモジュールは、車両座席のフレームに装着される。ここで、インフレータ及びエアバッグパッケージがフレームの一部と車両座席の表皮材の一部との間に位置するように、インフレータ及びエアバッグパッケージは、ほとんどの場合、フレームの外側に位置する（車両の側部構造体又はドアの方を向いている）。

完全なエアバッグパッケージをプラスチックハウジング内に配置することが既知であるが、多くの現代的概念において、このプラスチックハウジングは、このエアバッグパッケージの少なくとも一部を取り囲む箔又は布地で作製された可撓性包装材によって代替される。プラスチックハウジングの代わりにこのような包装材を使用することは、重量、サイズ、及び生産コストの大幅な低減につながる。このような包装材を使用する一般的なサイドエアバッグモジュールは、例えば、一般的な米国特許第５，６２８，５２７号から既知である。

エアバッグは、前方方向に（車両の前方に向かって）展開しなければならないため、エアバッグパッケージは、インフレータユニットの前方に位置する（車両に対しても視認される）。通常、表皮材は、前部から後部に向かう方向に、フレームの側部上で引っ張られる（フレームの片側がサイドエアバッグモジュールを担持する状態で）ため、エアバッグパッケージがフレームに対してその所望の位置を維持する（屈曲していない、部分的に屈曲していない、又はねじれていないことを意味する）ことを確実にするために注意を払わなければならない。これは、車両座席ユニットの装着プロセスを複雑にし、減速させる。

すなわち、フレームに対するエアバッグパッケージの再現可能な位置を保証しながら、このようなサイドエアバッグモジュールを備える車両座席の組み立てプロセスが簡略化されるような方法で、一般的なタイプのサイドエアバッグモジュールを改善することが本発明の課題である。

この課題は、請求項１に記載の特徴を有するサイドエアバッグモジュールによって解決される。そのようなサイドエアバッグモジュールを備える車両座席が、請求項８に定義される。

本発明によれば、少なくとも１つの追加の可撓性フラップが、包装材から延在する。この追加の可撓性フラップは、車両座席のフレームに可撓性フラップを直接又は間接的に接続するための少なくとも１つの接続手段を有するか、又は担持する。この追加のフラップは、包装材の外側に位置し、エアバッグパッケージの取り囲まれた部分は、包装材の内側に位置する。

好ましくは、可撓性フラップは、少なくとも１つの接続手段が、エアバッグパッケージが接続されているフレームの側面とは反対側のフレームに接続されるように適合されるように構成される。したがって、エアバッグパッケージが（通常のように）フレームの外側にある場合、追加のフラップは、フレームの内側でフレームに取り付けられる。上述のように、取り付け手段は、フレームに直接、又はフレームに間接的に、例えば、インフレータユニットの少なくとも１つの装着スタッドを介して、フレームに間接的に取り付けられるように構成され得る。

更に好ましくは、追加のフラップの包装材近位端は、包装材の前端部の近くで包装材に取り付けられ、かつ／又は追加のフラップは、包装材の前端部の上に延在し、それにより、包装材の前端部、及びしたがって、エアバッグパッケージの前端部は、表皮材がエアバッグモジュール上で引っ張られるときに、フレームに対して実質的に移動することができない。

そのため、表皮材が車両フレームに装着されているときには、特別な注意を払わなければならない。

少なくとも１つの接続手段は、追加の可撓性フラップ内の孔、及び／又は追加の可撓性フラップに取り付けられたフックを特に備え得る。

通常、包装材は、その前端領域において破断線を示す。一実施形態では、追加の可撓性フラップは、包装材の破断線の上に延在しない。これにより、エアバッグモジュールの製造が非常に簡単になる。別の実施形態では、追加の可撓性フラップは、包装材の破断線の上に延在し、基本的に包装材の破断線の前に追加の破断線を示す。これにより、エアバッグパッケージを、潜在的なフレームに対して更により緊密に位置決めする。この場合、エアバッグの少なくとも一部は、エアバッグモジュールが車両座席のフレームに装着されたときに、エアバッグパッケージと追加フラップとの間に配置される。

以下、本発明を、好ましい実施形態を用いて、添付図面を参照して説明する。図は：
本発明によるサイドエアバッグモジュールの第１の実施形態の（基本的に水平面に沿った）概略断面図である。 図１の方向Ａからの側面図における図１のサイドエアバッグモジュールである。 図１による表現における車両座席のフレームに装着されている図１のサイドエアバッグモジュールである。 方向Ｂからの側面図における、図３の詳細Ｂである。 サイドエアバッグモジュールの追加の可撓性フラップがインフレータの装着スタッドに接続され、フレームに直接接続された後の図３を示す。 基本的にフレーム上で方向Ｒに表皮材を引っ張ることによって、表皮材がフレームに装着された後の図４を示す。 図１による表現における本発明の第２の実施形態を示す。 図２による表現における図６を示す。 表皮材が（図５による）フレームに装着されている状態の、車両座席のフレームに装着されている図６のエアバッグモジュールである。 図１及び図６による表現における本発明の第３の実施形態である。 車両座席のフレームに装着されている図９のエアバッグモジュールである。 図１による表現における先行技術によるエアバッグモジュールである。 の、図２及び図７による表現における図１１を示す。 車両座席のフレームに装着されている図１１のエアバッグモジュールである。 表皮材が車両のフレームに装着された後の図１３を示す。

まず、先行技術のサイドエアバッグモジュール及びそのようなサイドエアバッグモジュールを備える車両座席が、図１１〜図１４を参照して説明される。これは、本発明をより良好に理解することに役立つと考えられる。

図１１及び図１２は、概略的な表現における先行技術によるサイドエアバッグモジュールを示す。図１１は、基本的に水平面に沿って取られた断面図（装着された状態における）であり、図１２は、図１１の方向Ｃからの側面図である。このサイドエアバッグモジュール５は、インフレータユニット１０、エアバッグ２１、及び包装材２３から構成されている。インフレータユニット１０は、基本的に長円形の円筒形状を有するインフレータと、インフレータ１２の生成面から延在する２つの装着スタッド１４、１６と、を有する、インフレータから構成される。インフレータ１２は、エアバッグ２１によって囲まれた気体空間２２の内部に完全に位置してもよく、又はインフレータの一端は、エアバッグを通って延在することができる。この端部は、通常、点火ケーブル用のコネクタを示す。装着スタッド１４、１６の各々は、エアバッグの孔を通って延在する。

エアバッグ２１の大部分は、２つの装着スタッド１４、１６によって画定される平面の前に位置するエアバッグパッケージ２０に巻かれ、かつ／又は折り畳まれる。エアバッグパッケージ２０の一部を取り囲む包装材２３が提供される。示される実施形態では、この包装材２３の高さは、エアバッグパッケージ２０の高さよりも低い（図１２を参照されたい）。この包装材２３は、包装材２３が各装着スタッドの２つの孔を有するように、２つの装着スタッド１４、１６に締結される。図面では、これら４つの孔のうちの３つを見ることができる（参照番号２４ａ、２４ｂ、及び２６ｂ）。包装材は、包装材２３が二重層であるオーバーラップ部２３ａを有する。その前方端部（サイドエアバッグモジュールが装着されたときに、車両に対して前方）に、包装材は、例えば、ミシン目の形態の破断線２８を示す。この破断線２８は、インフレータ１２によって排気された膨張ガスに起因して展開されるとき、エアバッグが包装材２３を開くことを可能にする。

図１３は、車両座席のフレーム４０の側部に装着された図１１及び１２に示されるサイドエアバッグモジュール５を示す。装着スタッド１４、１６は、フレーム４０内のそれぞれの孔を通って延在し、ナット１８によってそれに固定される。

サイドエアバッグモジュール５がフレーム４０に装着された後、表皮材４５は、基本的に図１４の矢印によって示される方向に、エアバッグモジュール５のフレーム上で引っ張られる。この表皮材は、エアバッグがこの表皮材４５を通って展開することを可能にする分割線４７を示す。後部パネルは、車両座席（図示せず）の後部側に設けられてもよい。

フレーム４０に表皮材４５を装着するとき、エアバッグモジュール５を介して表皮材４５を引っ張ることによって、図１４に示される位置から、エアバッグパッケージ２０を屈曲又は傾斜させることを回避するために、注意しなければならない。これは、組み立てプロセスを大幅に減速させる。

図１〜図５は、本発明の第１の実施形態を図示する。フレームに対してエアバッグパッケージ２０を非常に再現可能に位置決めすることにより、フレームに表皮材を適用する際に特別な注意を要することなく達成することができるように、サイドエアバッグモジュール５が改善される。本発明によれば、追加の可撓性フラップ３０が提供される。この追加の可撓性フラップ３０は、例えば、包装材２３と同じ材料で作製することができる。特に、それは、織布プラスチック材料で作製することができる。この追加の可撓性フラップ３０の包装材近位端３０ａは、例えば、接続シーム３１によって包装材２３に取り付けられる。そこから、追加のフラップは、その包装材遠位端３０ｂまで延在する。

第１の実施形態では、この追加の可撓性フラップ３０は、包装材の同じ側で包装材２３に取り付けられ、そこを通って、装着スタッド１４、１６は、包装材２３を通って延在する。追加の可撓性フラップ３０は、可撓性フラップを車両座席のフレームに直接又は間接的に接続するための少なくとも１つの接続手段を示す。第１の実施形態では、３つの接続手段、すなわち、各々が装着スタッド１４、１６に接続されるための２つの孔３４、３６、及びフレームのラグ４３に接続されるための１つのスリット状の孔３２が存在する。３つの接続手段が存在する場合であっても、少なくともいくつかの用途では、１つの接続手段のみで十分であり得ることに留意されたい。

図３は、フレーム４０に装着されたときの第１の装着段階のサイドエアバッグモジュール５を示す。追加の可撓性フラップ３０は、まだフレーム４０に接続されていないことがわかる。図３ａから、フレームの前縁部４２は、エアバッグモジュールから（内側に）対向するラグ４３を備えることがわかる。

図４は、以降のステップが実行された後の図３を示す。追加の可撓性フラップ３０は、装着スタッド１４、１６がそれぞれの孔３４、３６を通って延在するまで、フレーム４０の前縁部４２の周囲で引っ張られている。この状態で、ラグ４３は、スリット状の孔３２を通って延在する。ここで、ナット１８は、装着スタッド１４、１６に螺合又はリベット留めされる。ここで、追加の可撓性フラップ３０が装着スタッド１４、１６の上に引っ張られる前に、装着スタッド１４、１６にナットを適用することも可能であることに留意されたい。追加のフラップをスタッドに固定するために、追加のナットを提供することができる。

そのため、包装材２３の前端領域、したがって、エアバッグパッケージ２０の前端領域は、フレーム４０の前端領域に固定される。結果として、エアバッグパッケージ２０は、表皮材４５が方向Ｒにおいてその上で引っ張られるとき、移動することができない（図５）。

図６〜図８は、第２の実施形態を示す。本発明の第１の実施形態との違いは、追加の可撓性フラップ３０が、装着スタッドのための孔２４ａ、２４ｂ、２６ａ、２６ｂの側面とは基本的に反対を意味する、他方の側の包装材２３に接続されることである。したがって、追加の可撓性フラップ３０は、包装材２３の破断線２８の上に延在する（特に図８を参照されたい）。したがって、追加の可撓性フラップ３０はまた、破断線、すなわち追加の破断線３８．を示す。この追加の破断線３８は、包装材２３の破断線２８と基本的に整列することが好ましい。第２の実施形態の幾何学的形状により、フレーム４０に対するエアバッグパッケージ２０の更により緊密な位置を達成することができる。

図９及び図１０は、本発明の第３の実施形態を図示する。違いは、別の種類の接続手段が使用されることである。ここで、接続手段は、フレームの前縁部４２に直接取り付けられ得るフック３９の形態である。１つ以上のフック３９を使用することができる。第２の実施形態の幾何学的形状（図６〜図８）が選択される場合、この種類の装着手段もまた、追加の可撓性フラップ３０に適用され得ることは言うまでもない。

示される実施形態では、追加の可撓性フラップ３０は、基本的に、包装材２３の完全高さにわたって延在する。これは、多くの場合、好ましい場合があるが、本発明の全ての可能な用途では必須ではない可能性がある。

フレームに対するエアバッグパッケージの非常に明確な位置が、非常に単純な手段によって達成され得ることがわかる。

参照番号の一覧
５ サイドエアバッグモジュール
１０ インフレータユニット
１２ インフレータ
１４、１６ 装着スタッド
１８ ナット
２０ エアバッグパッケージ
２１ エアバッグ
２２ 気体空間
２３ 包装材
２３ａ オーバーラップ部
２４ａ、ｂ；
２６ａ、ｂ 装着スタッド用の包装材内の孔
２８ 破断線
３０ 追加の可撓性フラップ
３０ａ 包装材近位端
３０ｂ 包装材遠位端
３１ 接続シーム
３２ スリット状孔
３４、３６ スタッド装着用孔
３８ 追加の破断線
３９ フック
４０ フレーム
４２ 前縁部
４３ ラグ
４５ 表皮材
４７ 分割線

Claims (10)

1. サイドエアバッグモジュール（５）であって、
   インフレータ（１２）と、前記インフレータ（１２）から延在する少なくとも１つの装着スタッド（１４、１６）と、を有する、インフレータユニット（１０）と、
   前記インフレータ（１２）と流体連通している気体空間（２２）を形成し、少なくとも部分的に巻かれ、かつ／又は折り畳まれることでエアバッグパッケージ（２０）となるエアバッグ（２１）と、
   前記エアバッグパッケージ（２０）の少なくとも一部を覆う包囲部材（２３）と、
   前記包囲部材（２３）の外側に位置し、少なくとも間接的に車両シートのフレーム（４０）に連結するための少なくとも１つの連結手段を有する少なくとも１つの追加の可撓性フラップ（３０）と、を備えたことを特徴とするサイドエアバッグモジュール（５）。
2. 前記少なくとも１つの連結手段が、前記追加の可撓性フラップ（３０）内の孔（３２、３４、３６）を備えることを特徴とする、請求項１に記載のサイドエアバッグユニット。
3. 前記少なくとも１つの連結手段が、前記追加の可撓性フラップ（３０）に取り付けられたフック（３９）を備えることを特徴とする、請求項１又は２に記載のサイドエアバッグモジュール。
4. 前記包囲部材（２３）が、その前端領域に破断線（２８）を有することを特徴とする、請求項１〜３のいずれか一項に記載のサイドエアバッグモジュール。
5. 前記追加の可撓性フラップ（３０）が、前記包囲部材（２３）の前記破断線（２８）の上に延在しないことを特徴とする、請求項４に記載のサイドエアバッグ。
6. 前記追加の可撓性フラップ（３０）が、前記包囲部材（２３）の前記破断線（２８）の上に延在し、前記包囲部材（２３）の前記破断線（２８）の前に、追加の破断線（３８）を有することを特徴とする、請求項４に記載のサイドエアバッグ。
7. 前記追加の可撓性フラップ（３０）が、前記包囲部材（２３）に縫い付けられることを特徴とする、請求項１〜６のいずれか一項に記載のサイドエアバッグモジュール。
8. 車両シートであって、
   フレーム（４０）と、
   前記フレーム（４０）を少なくとも部分的に覆う表皮材（４５）と、
   前記フレーム（４０）に取り付けられた請求項１〜７のいずれか一項に記載のサイドエアバッグモジュール（５）と、を備え、
   前記可撓性フラップ（３０）が、少なくとも間接的に前記フレーム（４０）に固定されることを特徴とする車両シート。
9. 前記可撓性フラップ（３０）が、前記フレーム（４０）及び／又は前記少なくとも１つの装着スタッド（１４、１６）に固定されることを特徴とする、請求項８に記載の車両シート。
10. 前記インフレータ（１２）、前記エアバッグパッケージ（２０）、及び前記包囲部材（２３）が、前記フレーム（４０）の一部と前記表皮材（４５）の一部との間の前記フレーム（４０）の外側に配置されることを特徴とする、請求項８又は９に記載の車両座席ユニット。

Images