JP6887800B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式を用いた複写機、プリンタなどの画像形成装置に関するものである。
電子写真方式を用いた画像形成装置においては、ドラム状の感光体や中間転写体などの像担持体と対向配置された転写部材に転写電圧を印加することにより、像担持体が担持するトナー像を紙やOHPシートなどの転写材に静電的に転写する。その後、像担持体と転写部材とで形成される転写ニップ部においてトナー像が転写された転写材は定着手段に搬送され、定着手段において加熱及び加圧されることにより転写材にトナー像が定着される。定着手段は、ヒータなどの加熱部材と、加熱部材に圧接して定着ニップ部を形成する加圧部材と、を有しており、加熱部材は交流電源から交流電圧を印加されることによって、トナー像を転写材に転写することが可能な温度に加熱される。
このような画像形成装置においては、高温高湿環境などで長時間放置されることで吸湿し電気抵抗が低下した転写材を用いた場合に、以下のような画像不良が発生する虞がある。トナー像の転写が行われている状態で転写材が定着ニップ部に挟持されると、交流電圧が転写材を介して転写ニップ部で転写電圧に重畳し、転写ニップ部において交流電圧が転写電圧を変動させてしまう。これにより、転写部材から像担持体に向かって流れる電流が交流電圧の波形成分によって振れてしまい、転写性にムラが生じ、結果として画像の副走査方向に濃淡ムラの画像不良(以下、ACバンディングと称する)が現れる虞がある。
特許文献1には、転写部材に流れる電流を検知する検知部材を設け、転写材にトナー像を転写している間に検知部材で検知した電流の振れが所定値よりも大きい場合に、ACバンディングが発生したと判断し、転写電圧を制御する構成が開示されている。
特開2011−215538
しかしながら、特許文献1の構成においては、交流電圧の波形成分(以下、AC波形成分と称する)以外の要因によって転写部材に流れる電流が所定値を超えた場合にも、転写電圧を変更してしまう虞がある。その結果、転写電圧を変更する必要がない場合に転写電圧を変更してしまい、却って画像不良を引き起こしてしまう虞が発生する。
そこで、本発明は、交流電圧が転写材を介して転写電圧に重畳されたことを検知した場合に、転写電源から転写部材に印加する電圧を適切に設定することが可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して転写部を形成し、前記転写部にて前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する転写電源と、前記転写部材と前記転写電源との間に配置され、前記転写部材に流れる電流を検知するための第1の検知手段と、前記転写電源を制御する制御手段と、転写材の搬送方向に関して前記転写部よりも下流側に配置され、加熱部材と、前記加熱部材に当接して定着部を形成する加圧部材と、を有する定着手段と、を備える画像形成装置において、前記画像形成装置の周囲環境の温度又は湿度を検知する第2の検知手段を備え、前記加熱部材は、前記定着部に挟持される転写材に対向して配置される加熱部を有し、前記加熱部は交流電源から電圧を印加されることによって前記定着部に挟持される転写材を加熱し、前記制御手段は、前記転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写する際に前記第1の検知手段から入力される第1の検知結果から求められる周波数と、前記交流電源の電源周波数を含む所定の周波数域とを比較した結果に応じて前記転写電源を制御することが可能であり、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記制御手段は、前記第2の検知手段から入力される第2の検知結果に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を設定することを特徴とする。
本発明によれば、交流電圧が転写材を介して転写電圧に重畳されたことを検知した場合に、転写電源から転写部材に印加する電圧を適切に設定することが可能な画像形成装置を提供することが可能である。
実施例1の画像形成装置を説明する概略断面図である。 実施例1のブロック図である。 実施例1の定着手段の構成を説明する概略断面図である。 実施例1の加熱部を説明する模式図である。 実施例1における、交流電圧が転写電圧に重畳するメカニズムを説明する模式図である。 実施例1におけるAC波形成分の検知を説明する模式的なグラフである。 実施例1における、ACバンンディングの発生を説明する模式的なグラフである。 実施例1における、ACバンディングが発生した際の画像を説明する模式図である。 実施例1において、検知手段によってAC波形成分を検知する際に行う制御を説明する模式的なグラフである。 実施例1における、AC波形成分を検知する際のフローチャートである。 実施例1において、適切な転写電圧を設定できないことで発生し得る課題を説明する模式図である。 実施例1において、適切な転写電圧を設定する際のフローチャートである。 実施例2におけるタイミングチャートである。 実施例3におけるタイミングチャートである。 その他の実施例における画像形成装置を説明する概略断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。したがって、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
(実施例1)
[画像形成装置の構成]
図1は、本実施例の画像形成装置100の構成を説明する概略断面図であり、図2は、本実施例の画像形成装置100の制御系統のブロック図である。図2に示すように、画像形成装置100は、ホスト機器であるパーソナルコンピュータ21に接続している。パーソナルコンピュータ21による動作開始指令と画像信号は、画像形成装置100に内蔵された制御手段としてのコントローラ回路23に送信される。そして、コントローラ回路23が各種手段を制御することによって、画像形成装置100において画像形成が実行される。なお、コントローラ回路23は、各種制御手段から入力された検知結果や、ユーザによって画像形成装置100に入力された情報に基づいて各種手段を制御することが可能である。
図1に示すように、本実施例の画像形成装置100は、ドラム状の感光体である感光ドラム1(像担持体)を有し、感光ドラム1は、駆動源Mからの駆動力を受けて図示矢印R1方向に所定の周速度で回転駆動される。本実施例における感光ドラム1は、外径が24mmであり、118mm/秒の周速度で回転駆動されている。
感光ドラム1の周囲には、帯電ローラ2と、帯電ローラ2に電圧を印加する帯電電源3と、露光手段4と、現像部材としての現像ローラ5aを有する現像手段5と、クリーニングブレード6aを有するクリーニング手段6とが配置されている。現像手段5にはトナーが収容されており、現像ローラ5aは、不図示の現像電源からトナーの正規の帯電極性と逆極性の電圧を印加されることにより現像手段5に収容されたトナーを担持することが可能である。
また、感光ドラム1に対向する位置には、感光ドラム1に当接して転写ニップ部Ntを形成する転写部材としての転写ローラ8が配置されている。転写ローラ8は、芯金と、芯金の表面に形成された導電性を有するゴムなどの弾性部材と、を有し、本実施例においては、芯金の外径を5mm、弾性部材の厚みを3.75mmとし、転写ローラ8の電気抵抗の値を10〜10Ωの範囲に調整した。また、転写ローラ8は転写電源18と接続されており、転写ローラ8と転写電源18の間には転写ローラ8に向かって流れる電流を検知するための検知手段19(第1の検知手段)が設けられている。
転写材Pの搬送方向に関して、転写ニップ部Ntの下流側には、加圧部材30と加熱部材31とを有する定着手段14が設けられている。また、画像形成装置100は、紙やOHPシートなどの転写材Pを収容する収容部としての給紙カセット9と、画像が形成され画像形成装置100から排出された転写材Pを積載する積載部としての排紙トレイ17と、を有する。
また、図1に示すように、画像形成装置100は、トップセンサ10と、環境センサ24(第2の検知手段)と、電圧検知手段(第3の検知手段)と、メディアセンサ26(第4の検知手段)と、を有する。トップセンサ10は、転写材Pの搬送方向に関して給紙カセット9から給送される転写材Pの先端を検知することが可能であり、メディアセンサ26は、給紙カセット9から給送される転写材Pの種類を判断することが可能である。また、環境センサ24は、画像形成装置100の周囲環境の温度や湿度を検知することが可能であり、電圧検知手段25は、画像形成装置100と接続される商用電源の電圧を検知することが可能である。図2に示すように、これらの各種検知手段によって検知された検知結果はコントローラ回路23に入力される。
コントローラ回路23(図2中に図示)が画像信号を受信することによって画像形成動作が開始され、感光ドラム1は回転駆動される。感光ドラム1は回転過程で、帯電電源3から所定の極性(本実施例では負極性)の電圧を印加された帯電ローラ2により所定の電位に一様に帯電処理される。その後、露光手段4により画像信号に応じた露光を受けることで、感光ドラム1の表面に目的の画像に対応した静電潜像が形成される。静電潜像は現像位置においてトナーを担持した現像ローラ5aにより現像され、感光ドラム1にトナー像として可視化される。本実施例においては、現像手段5に収容されたトナーの正規帯電極性は負極性であり、帯電ローラ2による感光ドラム1の帯電極性と同極性に帯電したトナーにより静電潜像を反転現像している。しかし、これに限らず、感光ドラム1の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーにより静電潜像を正現像する画像形成装置にも本発明を適用できる。
感光ドラム1に形成されたトナー像は、転写電源18から転写ローラ8にトナーの正規の帯電極性と逆極性(本実施例においては正極性)の電圧を印加することにより、転写ニップ部Ntにおいて給紙カセット9から給送された転写材Pに転写される。なお、転写ニップ部Ntに搬送される転写材Pは、転写材Pの搬送方向に関して転写ニップ部Ntよりも上流側に設けられるトップセンサ10によって先端を検知された後に転写ニップ部Ntに挟持され、感光ドラム1からトナー像を転写される。転写ローラ8は、不図示の付勢手段によって感光ドラム1に向かって付勢されており、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際には転写ローラ8は感光ドラム1の回転に従動して回転する。
転写ローラ8は、周囲環境の温度や湿度、転写ローラ8の耐久度合などによって電気抵抗の値が変動する。このため、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する場合には、転写ローラ8の電気抵抗の値の変動に応じて、転写電源18から転写ローラ8に印加する電圧を決める必要がある。なお、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際に転写電源18から転写ローラ8に印加する電圧(以下、転写電圧Vtと称する)は、ATVC(Active Transfer Voltage Control)と呼ばれる制御によって決定される。以下、ATVCについて説明する。
まず、転写ニップ部Ntに転写材Pが到達する前に転写ローラ8に所定の値の電流が流れるように定電流制御を行い、その時に転写電源18から転写ローラ8に印加された電圧V0の値から転写ローラ8の電気抵抗の値を推測する。なお、転写ローラ8に流れる電流は検知手段19によって検知され、検知手段19から入力される検知結果に応じてコントローラ回路23が転写電源18を制御することによって定電流制御が行われる。そして、推測された転写ローラ8の電気抵抗の値と電圧V0の値に応じて、コントローラ回路23は内蔵メモリに予め記録しておいたルックアップテーブル(LUT)を参照し、転写電圧Vt(第1の電圧)を決定する。その後、コントローラ回路23が決定された転写電圧Vtを転写電源18にフィードバックし、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vtを印加することによって、転写ニップ部Ntにおいて転写材Pにトナー像が転写される。
なお、本実施例においては、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する場合には、コントローラ回路23は、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって一定の電流が流れるように転写電源18を制御する。この時、コントローラ回路23は、検知手段19によって検知された電流の値に応じて転写電源18を制御し、定電流制御を行っている。しかしながら、このような定電流制御を行うと、転写ニップ部Ntにおいて電気抵抗の低い転写材Pにトナー像を転写する場合に、以下のような課題が発生する虞がある。
吸湿などによって電気抵抗が低下した転写材Pに感光ドラム1からトナー像を転写する場合に定電流制御を行うと、転写材Pの電気抵抗が低いことにより、コントローラ回路23は転写電源18から転写ローラ8に印加する電圧を低下させる制御を行う。しかし、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流は、電気抵抗が低下した転写材Pを介して転写材Pと接触する各部材にリークしてしまうため、この時、転写ニップ部Ntにおいて感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する電流が不足する虞がある。これにより、転写不良が発生する虞がある。
そこで、本実施例においては、転写電源18から転写ローラ8に印加する転写電圧Vtに関して下限電圧Vtlを設定している。下限電圧Vtlを設定することにより、転写ニップ部Ntにおいて転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が不足することを抑制することが可能である。即ち、本実施例においてコントローラ回路23は、転写電圧Vtが下限電圧Vtlより絶対値が大きい場合には定電流制御を行い、転写電圧Vtが下限電圧Vtlに到達した場合には、定電圧制御によって転写電源18を制御する。なお、定電圧制御を行う際には、転写電源18から転写ローラ8に下限電圧Vtlを印加する。本実施例においては、ATVCを行う際に求められる電圧V0から計算式によって下限電圧Vtlを設定したが、これに限らず、転写電圧Vtと同様に電圧V0の値に応じてルックアップテーブル(LUT)を参照して下限電圧Vtlを設定してもよい。
転写ニップ部Ntでトナー像を転写された転写材Pは、除電部材20によって転写材Pの表面に蓄積した電荷を除電された後に定着手段14に搬送される。そして、定着手段14において加熱部材31と加圧部材30によって加熱及び加圧されることによりトナー像が転写材Pに固定される。トナー像を転写材Pに転写した後に感光ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニングブレード6aによって清掃、除去され、クリーニング手段6に回収される。定着手段14においてトナー像が定着された後の転写材Pは、排紙ローラ対16により排紙トレイ17に排出される。本実施例の画像形成装置においては、以上の動作により、転写材Pに画像が形成される。
[定着手段]
本実施例では、定着手段としてフィルム定着方式を用いた。図3は、本実施例における定着手段14の構成を説明する概略断面図である。図3に示すように、定着手段14は、加圧部材30と、加熱部材31と、を有し、加圧部材30が加熱部材31を押圧することにより、トナー像を転写された転写材Pを挟持することが可能な定着部としての定着ニップ部Nfが形成される。
加圧部材30は、芯金30aと、芯金30aの外周面側に形成される弾性層30bと、弾性層30bの外周面側に形成される離型層30cと、を有する外径14mmのローラである。弾性層30bとしては、シリコーンゴムやフッ素ゴム等が用いることができ、離型層30cとしては、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素樹脂を用いることができる。なお、加圧部材30は、芯金30aの長手方向の両端で回転可能に支持されている。
加熱部材31は、フィルム31aと、フィルム31aを介して加圧部材30と対向する位置であってフィルム31aの内周面に接触する板状のヒータ31bと、ヒータ31bを支持する支持部31cと、支持部31cを補強する加圧ステイ31dと、を有する。加熱部としてのヒータ31bは定着ニップ部Nfに配置されており、双方向サイリスタ51(TRIAC)を介して商用電源52(交流電源)から交流電圧が印加される。コントローラ回路23が双方向サイリスタ51のゲートに流す電流を制御することで双方向サイリスタ51のON/OFFを切り替えることが可能であり、ヒータ31bに印加される交流電圧が制御されヒータ31bの温度が調整される。
フィルム31aは、基層(不図示)と、基層の外周面側に形成された弾性層(不図示)と、弾性層の外周面側に形成された離型層(不図示)と、を有する筒状の可撓性部材である。フィルム31aの基層は、ヒータ31bの熱を受けるための耐熱性と、ヒータ31bと摺擦するための耐久性が必要であり、ステンレス鋼やニッケルなどの金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂を用いるのが好ましい。また、フィルム31aの離型層は、パーフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン樹脂(PTFE)等のフッ素樹脂を用いるのが好ましい。本実施例におけるフィルム31aは、外径が18mmであり、基層として厚み約60μmのポリイミドを用い、弾性層として厚み約150μmのシリコーンゴムを用いた。また、離型層としては、フッ素樹脂の中でも離型性と耐熱性に優れたPFAを用い、離型層の厚さは10μmとした。
図4(a)は、図3における図示矢印A方向から見た際のヒータ31bの構成を説明する模式図であり、図4(b)は、図4(a)における図示矢印B方向から見た際のヒータ31bの構成を説明する模式図である。図4(a)に示すように、ヒータ31bは、転写材Pの搬送方向に関して幅6mm、厚さ方向に関して厚さ1mmのアルミナの基板b1上に、スクリーン印刷によって銀‐パラジウム合金の発熱抵抗体b2を約10μmの厚さで形成している。発熱抵抗体b2の一端側には電極部b3が設けられており、電極部b3は商用電源52と電気的に接続される。商用電源52から電極部b3に印加される交流電圧によって、電極部b3を介して発熱抵抗体b2に電流が流れ、発熱抵抗体b2が発熱する。また、図4(b)に示すように、ヒータ31bは、発熱抵抗体b2を保護する保護層b4を有しており、保護層b4は、厚み60μmであり、ガラスコートによって形成されている。
図3に示すように、ヒータ31bの、フィルム31aと接触する面とは反対側の面には、ヒータ31bの温度を検知するためのサーミスタ31eが取り付けられている。サーミスタ31eによる検知結果に応じて、コントローラ回路23は双方向サイリスタ51のON/OFFを制御し、この制御によって発熱抵抗体b2に流れる電流の量が調整され、ヒータ31bの温度が調整される。
支持部31cは、液晶ポリマーにより形成されており、剛性、耐熱性、断熱性を有している。支持部31cは、支持部31cに接触するフィルム31aの内周面を支持する役割と、ヒータ31bを支持する役割と、を有する。加圧ステイ31dは、加熱部材31の曲げ剛性を高めるために、長手方向から見た際の断面がU字型の形状をしており、板厚1.6mmのステンレス鋼を曲げ加工して形成されている。
定着手段14によって転写材Pにトナー像を定着させる時には、駆動源Mからの回転力が加圧部材30に伝達され、図3に示すように、加圧部材30が図示矢印R2方向に所定の速度で回転駆動される。これにより、フィルム31aは、ヒータ31bと摺動しながら加圧部材30の回転に従動して回転する。
フィルム31aと加圧部材30が回転し、ヒータ31bが通電され、ヒータ31bのサーミスタ31eによる検知温度が目標温度に到達した状態で、転写材Pは定着ニップ部Nfに導入される。転写ニップ部Ntで転写材Pに転写されたトナー像は、転写材Pが定着ニップ部Nfを通過する過程で加熱及び加圧され、転写材Pに溶融定着される。定着ニップ部Nfを通過した転写材Pはフィルム31aの曲率によってフィルム31aから分離され、排紙ローラ対16により排紙トレイ17に排出される。
なお、本実施例における画像形成装置100の転写ニップ部Ntから定着ニップ部Nfまでの距離は40mmである。そのため、通常のA4サイズやレターサイズの転写材Pに画像を形成する際には、定着手段14において転写材Pにトナー像を定着するのと同時に、転写ニップ部Ntにおいて感光ドラム1から転写材Pにトナー像が転写される。
[ACバンディングが発生するメカニズム]
次に、吸湿した転写材P等の電気抵抗の低い転写材Pに画像形成を行う際に、転写材Pを介して商用電源52の交流電圧が転写ニップ部Ntにおける転写電圧Vtに重畳することで発生する画像不良について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、商用電源52の交流電圧が転写ニップ部Ntにおける転写電圧Vtに重畳すること画像不良が発生するメカニズムを説明する模式図である。なお、以下の説明における転写材Pは、高温高湿環境において長時間放置され吸湿した転写材Pであって、転写材Pの搬送方向に関する長さが、転写ニップ部Ntから定着ニップ部Nfまでの距離である40mmよりも長いA4サイズ紙である。
高温高湿環境などで放置されることによって吸湿した転写材Pが転写ニップ部Ntにて感光ドラム1からトナー像を転写されている状態で転写材Pが定着ニップ部Nfに挟持された時、商用電源52からヒータ31bには交流電圧が印加されている。図5定着ニップ部Nfに挟持された転写材Pは、加熱部材31におけるフィルム31aと接触しており、定着ニップ部Nfにおいてフィルム31aはヒータ31bと接触している。なお、ヒータ31bは、図4(a)に示すように、電気抵抗の低い導電性のアルミナの基板b1と、基板b1に形成された電極部b3と、を有し、商用電源52は電極部b3に交流電圧を印加している。
図5に示すように、転写材Pの電気抵抗が低い場合、ヒータ31bに印加された交流電圧は、フィルム31aと転写材Pを介して転写ニップ部Ntにおける転写電圧Vtを変動させる。これにより、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって流れる電流が、商用電源52の交流電圧の波形成分(以下、AC波形成分と称する)によって振れてしまう。
図6(a)は、商用電源52の交流電圧が転写ニップ部Ntにおける転写電圧Vtに重畳された際に検知手段19によって検知された電流を説明する模式的なグラフである。図6(b)は、図6(a)におけるAC波形成分によって振れた電流の波形を拡大した模式的なグラフである。
図6(a)の時刻T1は、転写材Pが転写ニップ部Ntに突入する時刻であり、時刻T2は転写材Pが定着ニップ部Nfに突入する時間である。時刻T2よりも前の状態においては、転写材Pが転写ニップ部Ntと定着ニップ部Nfの両方によって挟持されていない状態であるため、商用電源52の交流電圧は転写材Pを介して転写電源に重畳しない。一方で、転写材Pが転写ニップ部Ntと定着ニップ部Nfの両方によって挟持される時刻T2以降に関しては、商用電源52の交流電圧が転写材Pを介して転写電源に重畳し、AC波形成分によって電流が振れる。これにより、図6(b)に示すように、転写ローラ8に流れる電流は商用電源52の電源周波数周期で振れてしまう。なお、時刻T3は転写材Pが定着ニップ部Ntを通過した時刻であり、この時、転写材Pは転写ニップ部Ntと定着ニップ部Nfの両方によって挟持されていない状態である。
図7(a)は、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写するために転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流の値の適正範囲が、転写材Pの電気抵抗の値によって異なることを説明する模式図である。また、図7(b)は、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって流れる電流がAC波形成分によって振れてしまうことで発生する画像不良(以下、ACバンディングと称する)を説明する模式的なグラフである。図8は、ACバンディングの画像の模式図である。
図7(a)に示すように、吸湿して電気抵抗が低くなった転写材Pにトナー像を転写する場合と吸湿しておらず電気抵抗が低くなっていない転写材Pにトナー像を転写する場合とでは、感光ドラム1に流れる電流の値の適正範囲が異なる。以下、吸湿して電気抵抗が低くなった転写材Pを吸湿紙、包装紙から明けた直後であって吸湿しておらず電気抵抗が低くなっていない転写材Pを開直紙と称して説明を行う。
吸湿紙は開直紙よりも吸湿しているため、電気抵抗が低く、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が吸湿紙を介してリークしてしまいやすい。そのため、転写ローラ8から感光ドラム1により多くの電流を流す必要があり、転写電源18から転写ローラ8に高い転写電圧Vtを印加する必要がある。一方で、開直紙に高い転写電圧Vtを印加した場合、開直紙を介して転写ローラ8から感光ドラム1に過剰な電流が流れてしまうことで転写ニップ部Ntにおけるトナーの極性が反転してしまい、開直紙から感光ドラム1に逆に転写されてしまう虞がある。これは、開直紙は吸湿紙よりも電気抵抗が低くないため開直紙を介してリークする電流が少ないためである。
したがって、図7(a)に示すように、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流としては、吸湿紙にトナー像を転写する際の電流の適正範囲と、開直紙にトナー像を転写する際の電流の適正範囲が重なる範囲の電流の値が好ましい。本実施例においては、図7(a)においてそれぞれの適正範囲が重なる範囲の電流が流れるような転写電圧Vtを、転写電源18から転写ローラ8に印加している。
このようにして設定された転写電圧Vtを転写電源18から転写ローラ8に印加した際に、商用電源52の交流電圧が転写電圧Vtに重畳すると、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流はAC波形成分によって振れ、図7(b)に示すような波形となる。この時、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が商用電源52の電源周波数周期で振れることにより、図7(b)における波形の谷部が、吸湿紙にトナー像を転写する際の電流の適正範囲を下回ってしまう。その結果、商用電源52の電源周波数周期で電流が不足し、図8に示すように、転写材Pが定着ニップ部Nfに突入した以降に感光ドラム1から転写材Pに転写された画像が、商用電源52の電源周波数周期で濃度ムラが発生したACバンディングの画像となる。
[AC波形成分の検知]
本実施例においては、検知手段19から入力される検知結果に応じてコントローラ回路23がAC波形成分を検知した場合に、コントローラ回路23によって転写電源18を制御し、転写電圧Vtを変更する。以下、室温32.5度、湿度80%の高温高湿環境において、同じ高温高湿環境で48時間以上放置したOce製A4サイズ紙RedLabelの転写材P(坪量80g/m)に全面黒のベタ画像を形成した際の、本実施例の制御を詳細に説明する。
なお、本実施例における感光ドラム1の周速度は118mm/秒、商用電源52の電圧は220V、電源周波数は50Hzである。また、3μAの電流が流れるようにATVC制御を行った際の電圧V0の値は500Vであった。この結果から、コントローラ回路23は、感光ドラム1から転写材Pにトナー像を転写する際に転写電源18から転写ローラ8に印加する転写電圧Vtを750Vとし、画像形成を開始した。
図9(a)は、商用電源52からの交流電圧が転写電圧Vtに重畳した際に検知手段19によって測定された電流の検知結果を説明するグラフである。図9(b)は、図9(a)の検知結果の単純移動平均を取った際のグラフであり、図9(c)は図9(b)において単純移動平均を2回とった検知結果の波形を拡大したグラフである。また、図10は、AC波形成分を検知する際の制御を説明するフローチャートである。
転写ローラ8に流れる電流は検知手段19によって検知され、コントローラ回路23に検知結果が入力される。図10に示すように、画像形成が開始され、転写材Pの先端が定着ニップ部Nfに到達した際に、検知手段19からコントローラ回路23に入力される信号は1ms間隔で更新されている。この時、検知手段19は、図9(a)に示すようなノイズを含んだ信号を検知する。そこで、本実施例においては、このノイズを除去するために、図9(a)で得られた検知結果(第1の検知結果)の単純移動平均をとり、図9(b)の波形C(第1の波形)及び波形D(第2の波形)を得た。
単純移動平均はローパスフィルターとして考えることもでき、信号周波数fよりも高い周波数の振幅が減衰した波形を得るために単純移動平均を取る際の好適なゲインGは以下の式1で表せる。本実施例における商用電源52の電源周波数は50Hzであり、図9(a)の検知結果において、60Hzより高い周波数の振幅をノイズとして除去するために、式1を用いて波形C及び波形Dを得た。なお、1ms間隔で取得した図9(a)の検知結果の波形において、60Hzより高い周波数の振幅が減衰する(ゲインが1/√2となる)点数を式1から求めたところ、単純移動平均を取る点数(移動平均点数)は7点となった。
Figure 0006887800

(G:ゲイン、τ=M(移動平均点数)×Δt(サンプリング間隔=1ms)、f:信号周波数=60Hz)
図9(b)に示される波形Cは、図9(a)の検知結果の波形に関して、移動平均点数7点で単純移動平均を取った際に得られた波形である。波形Cのように、単純移動平均を1度取っても波形にノイズが残る場合には、移動平均点数を増やして単純移動平均を取るよりも、波形Cの単純移動平均を再度取る方が波形の位相ずれや振幅の減少を小さく抑えられる。したがって、商用電源52の電源周波数をより検知しやすくするために、本実施例においては波形Cに関して、移動平均点数7点で単純移動平均を取り、波形Dを得た。
このようにして得られた波形Dに関して、図9(c)に示すように、波形の傾きが変わる点(変曲点)をピークであると判断し、隣接するピーク間の時間の間隔ΔTのから求めた周波数を商用電源52の電源周波数を含む所定の周波数域と比較する。なお、図9(c)において、波形Dの傾きが正から負に変わるピークEを第1のピーク、波形Dの傾きが負から正に変わるピークFを第2のピークとする。図9(c)、図10に示すように、本実施例においては、ピークEとピークFの間(半周期間)の時間の間隔ΔTから周波数1/2ΔTを求めた。
さらに、本実施例においては、隣接するピークであるピークEとピークFとの間の電流の値の差(差分ΔI)を求め、その差分ΔIの値が所定の値以上である時の周波数1/2ΔTと差分ΔIとを記憶した。なお、差分ΔIの値は、画像形成装置100の制御に応じて設定することができ、本実施例においては差分ΔIの所定の値を1μAに設定した。その後、図10に示すように、コントローラ回路23は、周波数1/2ΔTの値が、商用電源52の電源周波数を含む所定の周波数域に含まれており、且つ、差分ΔIが所定の値以上であるかどうかを判断する。
ここで、今回使用した商用電源52の電源周波数は50Hzであるため、周波数1/2ΔTの値が、40Hz<1/2ΔT<60Hzの所定の周波数域に含まれる場合にAC波形成分を検知したと判断することが可能である。そして、コントローラ回路23は、周波数1/2ΔTの値が40Hz<1/2ΔT<60Hzの範囲に含まれ、且つ、差分ΔIが1μA以上である場合に、AC波形成分を検知したと判断し、前回の検知回数に対して1回追加した検知回数を記憶する。なお、周波数1/2ΔTの値が40Hz<1/2ΔT<60Hzの範囲に含まれ、且つ、差分ΔIが1μA以上であるという条件に当てはまらない場合には、コントローラ回路23は、AC波形成分の検知回数が0回であると記憶する。
図10に示すように、本実施例においては、コントローラ回路23によって、AC波形成分を所定の回数以上検知したと判断した場合に転写電圧Vtを変更する制御を行っている。転写ローラ8に流れる電流は、転写材Pが定着ニップ部Nfに突入した瞬間や、感光ドラム1が担持するトナー量の変化などによって振れることがある。したがって、このようなノイズを除去して高い精度でACバンディングの発生の有無を判断するために、AC波形成分の検知回数が所定の回数以上である場合に転写電圧Vtを変更することが好ましい。
例えば、所定の回数を2回と設定した場合においては、連続した3つのピーク間において、周波数1/2ΔTの値がそれぞれ40Hz<1/2ΔT<60Hzの範囲に含まれ、且つ、差分ΔIがそれぞれ1μA以上である場合に、転写電圧Vtを変更する。この所定の回数は、少なくとも2回以上であることが好ましく、本実施例においては所定の回数を4回とし、連続した5つのピーク間(2.5周期間)における差分ΔIと周波数1/2ΔTを比較した。より多くのピークを比較することでAC波形成分の検知精度をさらに向上させることが出来るが、所定の回数を多くすると検知時間が長くなってしまう。したがって、本実施例においては、コントローラ回路23によって精度よくACバンディングの発生の有無を判断し、且つ、画像不良の発生を抑制する効果を十分に得るために、所定の回数を4回に設定した。
なお、周波数1/2ΔTの値が、40Hz<1/2ΔT<70Hzの所定の周波数域に含まれる場合に、コントローラ回路23がAC波形成分を検知したと判断するように設定してもよい。このような設定とすることで、所定の周波数域に50Hzの電源周波数と60Hzの電源周波数の両方を含めることができ、商用電源の電源周波数が50Hzであっても60Hzであっても、AC波形成分の検知を行うことが可能となる。
[転写電圧を適切に設定する制御]
本実施例においては、コントローラ回路23が、ACバンディングが発生したと判断した場合により適切な転写電圧を設定するために、転写電圧Vtの変更の有無を決定する条件を設けている。以下、図11、図12を用いて説明する。図11は、ACバンディングが発生したと判断した場合に、適切な転写電圧を設定できないことで発生し得る課題を説明する模式図であり、図12は、本実施例において適切な転写電圧を設定するためのフローチャートである。
図11において、波形Gは、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vtを印加し、AC波形成分を所定の回数以上検知したものの画像不良が発生しない場合を説明する波形である。波形Hは、波形Gの検知結果に応じてコントローラ回路23が、ACバンディングが発生したと判断して転写電圧Vtを上げた場合に検知手段19によって検知される電流の波形である。図11に示すように、AC波形成分を所定の回数以上検知した場合であっても、予め設定した転写電圧Vtの値によっては、波形Gのように、転写ローラ8から感光ドラム1に適正な電流が流れる場合がある。このような状態において、コントローラ回路23が転写電圧Vtをより大きな値に変更してしまうと、波形Hに示されるように、波形Hの山部が適正な電流の範囲を超えてしまい、感光ドラム1に過剰な電流が流れてしまう虞がある。
そこで、本実施例においては、図12に示すように、AC波形成分を所定の回数以上検知したと判断した場合であって、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が不足して画像不良が発生する場合にのみ転写電圧Vtをより大きな値に変更する制御を行う。即ち、AC波形成分を所定の回数以上検知し、検知手段19によって検知される電流の波形の谷部が適正な電流の範囲を下回ってしまうと考えられる場合に転写電圧Vtを変更し、適正な電流の範囲を下回らないと考えられる場合には転写電圧Vtを変更しない。コントローラ回路23は、コントローラ回路23に入力される情報から転写電圧Vtを上昇させる条件を満たすかを判断し、転写電圧Vtをより大きな値に変更する。以下、コントローラ回路23が転写電圧Vtを上昇させる条件について説明する。
<転写材Pの電気抵抗が低い場合>
転写材Pの電気抵抗が低い場合においては、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が転写材Pを介してリークしてしまうことが考えられる。即ち、転写材Pにトナー像を転写するために必要な電流が、図7(a)における、吸湿紙にトナー像を転写する際の電流の適正範囲と、開直紙にトナー像を転写する際の電流の適正範囲とが重なる範囲の下限付近の値であることが考えられる。したがって、電気抵抗が低い転写材Pにトナー像を転写する際にAC波形成分を所定の回数以上検知した場合、既に説明した図7(b)に示すように、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が部分的に不足してACバンディングが発生する虞がある。
本実施例においては、まず、環境センサ24からコントローラ回路23に入力された検知結果(第2の検知結果)によって、転写ニップ部Ntにおいて電気抵抗が低い転写材Pにトナー像を転写しているかどうかを判断した。画像形成装置100の周囲環境が高温や、高湿の場合には給紙カセット9に収容される転写材Pの電気抵抗が低いと考えられる。したがって、環境センサ24によって検知された温度又は湿度の検知結果(第2の検知結果)が所定の値以上である場合に、コントローラ回路23によって転写電圧Vtをより大きな値に変更することで、ACバンディング画像の発生を抑制できる。
環境センサ24は、画像形成装置100の内部の、自己昇温影響を受けにくい位置に配置することが可能である。また、本実施例においては、環境センサ24からコントローラ回路23に入力される検知結果から周囲環境を判断したが、これに限らない。例えば、画像形成装置100に環境センサ24を設けず、パーソナルコンピュータ21からコントローラ回路23に入力される周囲の環境データや、ユーザが画像形成装置100に入力する周囲の環境データに応じて、周囲環境を判断しても良い。
また、転写材Pの電気抵抗は、周囲環境による変動以外にも、転写材Pの坪量や転写材Pが含有する成分によっても変動する。一般的に、坪量が大きい転写材Pは電気抵抗が高くなる傾向がある。したがって、例えば、ユーザが入力したプリントモードによって転写材Pの種類が予め分かる場合に、コントローラ回路23が坪量の大きい転写材Pであると判断して転写電圧Vtをより大きな値に変更することで、ACバンディングの発生を抑制できる。又は、画像形成装置100に備えられるメディアセンサ26によって、転写ニップ部Ntに搬送される転写材Pの種類を判断しても良い。なお、プリントモードやユーザが画像形成装置100に入力する転写材Pの情報を用いて転写材Pの種類を判断する場合においては、画像形成装置100にメディアセンサ26を設けても良く、設けなくても良い。
さらに、転写ニップ部Ntに転写材Pが挟持されていない状態において検知手段19が検知する電流の値と、転写ニップ部Ntに転写材Pが挟持された状態で検知手段19が検知する電流の値とを比較することで、転写材Pの電気抵抗を推測しても良い。転写材Pの先端が転写ニップ部Ntに挟持された以降であり、且つ、転写材Pの先端が定着ニップ部Nfに到達する前に、検知手段19が検知した電流の検知結果と転写電源18から転写ローラ8に印加した電圧により転写材Pの電気抵抗を推測することが出来る。推測された転写材Pの電気抵抗が所定の値よりも低い場合に、コントローラ回路23が電気抵抗の低い転写材Pであると判断して転写電圧Vtをより大きな値に変更することで、ACバンディングの発生を抑制できる。
また、転写材Pにトナー像を転写する際に転写電源18から転写ローラ8に印加する転写電圧Vtが下限電圧Vtlである場合においては、転写ニップ部Ntに挟持された転写材Pの電気抵抗が低いと考えられる。したがって、AC波形成分を検知した際に転写電源18から転写ローラ8に下限電圧Vtlが印加されている場合には、下限電圧Vtlより大きな値の電圧を印加することでACバンディングの発生を抑制することが出来る。
<商用電源52の出力電圧が大きい場合>
商用電源52の交流電圧が転写電圧Vtに重畳した場合に転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流の振れ幅は、商用電源52の電圧の大きさによって変わる。商用電源52から出力される電圧の値が大きい場合、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流の振れ幅が大きくなるため、転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流が部分的に不足することによるACバンディングが発生する虞がある。したがって、コントローラ回路23が、AC波形成分を所定の回数以上検知し、且つ、電圧検知手段25によって検知される商用電源52の電圧が所定の値よりも大きい場合に、転写電圧Vtをより大きな値に変更してもよい。
本実施例においては、コントローラ回路23が、AC波形成分を所定の回数以上検知し、且つ、転写電圧Vtを上昇させる条件を満たしていると判断した場合に、転写電圧Vtを750Vから780Vに変更した。これにより、図7(b)に示されるような電流が不足することによる転写ムラを抑制することが可能となる。
以上説明したように、本実施例においては、コントローラ回路23によってAC波形成分を所定の回数以上検知した場合に、コントローラ回路23に入力される情報に応じて適切な転写電圧を設定することが可能である。なお、上述した条件のいずれか1つだけを用いて転写電圧Vtを上昇させる条件を満たすかを判断しても良く、複数の条件を組み合わせて転写電圧Vtを上昇させる条件を満たすかを判断しても良い。
なお、転写ニップ部Ntにおいては、感光ドラム1から転写材Pに転写するトナー量によって転写材Pと感光ドラム1との間の電気抵抗が変化し、検知手段19によって検知される電流の信号が振れる可能性がある。この電流の振れをAC波形成分による電流の振れであると誤検知しないために、転写材Pの搬送方向に関する印字率の情報を予め入手し、その情報に応じて電流の振れを予測し、補正を行っても良い。あるいは、誤検知を防ぐために、印字率が変化するタイミングから所定の時間の間は、AC波形成分の検知を一時的に停止しても良い。
同様に、感光ドラム1の周方向における厚みムラや、転写ローラ8の電気抵抗の変動などによっても、検知手段19が検知する電流の信号が振れる可能性がある。したがって、例えば、転写材Pが転写ニップ部Ntに到達する前や転写材P同士の紙間等において、転写電源18から転写ローラ8に流れる電流を検知手段19で検知し、その結果をAC波形成分の検知に反映しても良い。即ち、転写ニップ部Ntに転写材Pが挟持されていない間に検知手段19によって検知された電流の値から、感光ドラム1や転写ローラ8の電気抵抗の変動を予測し、AC波形成分を検知する際の条件若しくは検知結果を補正しても良い。
また、本実施例においては、検知手段19によって転写ローラ8に流れる電流の周期的な振れを検知する構成を用いたが、これに限らない。転写材Pにトナー像を転写する際に、転写電源18から出力される電圧を検知して転写電圧Vtの周期的な振れを検知するような構成においても、本発明と同様の効果を得ることが出来る。転写電圧Vtを検知する場合には、転写ローラ8と転写電源18との間に既知の抵抗値を有する検知用の抵抗体を配置する等、転写ローラ8と転写電源18との間に検知手段としての電圧検知回路を設ければ良い。
(実施例2)
実施例1では、1枚の転写材Pに対して、ACバンディングが発生したと判断した場合のコントローラ回路23による制御について説明した。これに対し、実施例2は、複数枚の転写材Pに連続して画像形成を行う場合(以下、連続プリントと称す)における、コントローラ回路23の制御について、図13を用いて説明する。なお、本実施例は、連続プリントのジョブを実行する際に、コントローラ回路23が、第1の転写材P1に関して設定した転写電圧を、第1の転写材P1に後続する第2の転写材P2の転写電圧に反映させる構成である。したがって、実施例1と同様の構成、及び制御については、実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
図13は、本実施例における、コントローラ回路23が転写電源18を制御する際のタイミングチャートである。図13に示すように、転写材の搬送方向に関して、トップセンサ10が第1の転写材P1の先端を検知すると、コントローラ回路23は第1の転写材Pの先端が転写ニップ部Ntに到達するタイミングで転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vtを印加する。その後、コントローラ回路23は、AC波形成分を所定の回数以上検知し、且つ、転写電圧Vtを上昇させる条件を満たしていると判断した場合に、転写電圧Vtをより絶対値が大きな値である転写電圧Vt2に変更する。この時、転写ニップ部Ntにおいては、転写電圧Vt2が印加された転写ローラ8から感光ドラム1に流れる電流により、感光ドラム1から第1の転写材P1にトナー像が転写される。
本実施例においては、第1の転写材P1にトナー像を転写する際に、後続する第2の転写材P2への画像形成ジョブが残っている場合においては、第2の転写材P2に対してAC波形成分の検知を行わない。給紙カセット9に収容されている転写材Pは、同じ環境下に置かれており、転写材Pの種類や状態がほぼ類似していると考えることが出来る。したがって、第2の転写材Pに対しては、第2の転写材P2が定着ニップ部Nfに挟持されるタイミングで、コントローラ回路23によって転写電源18から転写ローラ8に印加する電圧を転写電圧Vt2に変更する。これにより、第2の転写材Pに関しても、適正な転写電圧を設定し、ACバンディングの発生を抑制することが可能となる。
このように、本実施例においては、連続プリントのジョブを実行する場合に、第1の転写材P1に後続する第2の転写材P2に関してコントローラ回路23によるACバンディングの発生の有無の判断を行わない。この構成により、連続プリントジョブを実行する際におけるAC波形検知の検知回数を減らしつつ、ACバンディングの発生を抑制することが可能である。
(実施例3)
実施例2では、第1の転写材P1に後続する第2の転写材P2が定着ニップ部Nfに到達するタイミングで、コントローラ回路23が、転写電源18から転写ローラ8に印加する電圧を転写電圧Vt2に変更する制御について説明した。これに対し、実施例3は、連続プリントのジョブを実行する際に、第2の転写材P2が転写ニップ部Ntに到達するタイミングで、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vt2を印加する点で実施例2と異なる。なお、本実施例の構成は、第2の転写材P2が転写ニップ部Ntに到達するタイミングで、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vt2を印加する点を除いて実施例2と同様であり、実施例2と同様の点については同様の符号を付して説明を省略する。
図14は、本実施例におけるコントローラ回路23が転写電源18を制御する際のタイミングチャートである。図14に示すように、本実施例においては、転写材の搬送方向に関して第2の転写材P2の先端が転写ニップ部Ntに到達するタイミングで、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vt2を印加している。なお、転写電圧Vt2は、コントローラ回路23が第1の転写材P1に関してACバンディングが発生したと判断して転写電圧Vtを変更した際の、転写電源18から転写ローラ8に印加された電圧である。
実施例1において説明したように、ACバンディングが発生しやすい条件として、電気抵抗の低い転写材Pに画像形成を行う場合が考えられる。電気抵抗の低い転写材Pに画像形成を行う場合、転写ローラ8から感光ドラム1に向かって流れる電流は転写材Pを介してリークしやすい。したがって、転写材Pの電気抵抗が低いと考えられる場合においては、転写材Pが定着ニップ部Nfに到達する前に転写ローラ8に転写電圧Vtよりも大きな値の電圧を印加しても、転写ローラ8から感光ドラム1に過剰に電流が流れることは少ないと考えられる。
以上を踏まえ、本実施例においては、第1の転写材P1と同様にACバンディングが発生すると考えられる第2の転写材P2の先端が転写ニップ部Ntに到達するタイミングで、転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vt2を印加した。このように、第2の転写材P2の先端が定着ニップ部Nfに到達する前に、コントローラ回路23によって転写電源18から転写ローラ8に転写電圧Vt2を印加することにより、ACバンディングの発生を高い確率で抑制できる。
(実施例4)
実施例1では、1つのジョブを実行する際において、コントローラ回路23が、ACバンディングが発生したと判断した場合に転写電圧Vtを変更する制御について説明した。これに対して、実施例4では、複数のジョブを実行する際に、ACバンディングが発生したと判断し転写電圧Vtを変更した第1のジョブの次に続く第2のジョブに、第1のジョブにおけるコントローラ回路23の制御を反映する。なお、本実施例において、実施例1と同様の構成、及び制御については、実施例1と同様の符号を付して説明を省略する。
実施例2及び実施例3で説明したように、給紙カセット9に収容されている転写材Pは、同じ環境下に置かれており、転写材Pの種類や状態がほぼ類似していると考えることが出来る。したがって、本実施例では、複数のジョブを実行する際に、転写材Pの種類や状態がほぼ類似していると判断した場合には、第1のジョブが終了した後に、第1のジョブで転写電源18から転写ローラ8に印加した電圧を第2のジョブに反映する。
例えば、ユーザによる給紙カセット9へのアクセスがない場合には、給紙カセット9に収容される転写材Pは、その種類や状態がほぼ類似していると考えられる。具体的には、ユーザによる給紙カセット9へのアクセスの有無を検知する方法の1つとしては、給紙カセット9の開閉を検知する検知部を設ければよい。この場合、コントローラ回路23は、同じ給紙カセット9から給送される転写材Pに画像形成を行う第1のジョブと第2のジョブに関して、第1のジョブと第2のジョブとの間で、給紙カセット9の開閉が行われたかどうかを判断する。そして、給紙カセット9の開閉が行われておらず、第1のジョブでACバンディングが発生したと判断した場合に、第1のジョブでコントローラ回路23が転写電圧Vtから変更した転写電圧Vtより大きな値の電圧を、第2のジョブの画像形成に反映する。
なお、第1のジョブの画像形成中、若しくは、第1のジョブの画像形成の後処理中に第2のジョブの信号がコントローラ回路23に入力された場合に、ユーザによる給紙カセット9へのアクセスがないと判断することも可能である。
更に、例えば、第1のジョブと第2のジョブにおいて、転写材Pが定着ニップ部Nfに挟持されておらず転写ニップ部Ntに挟持されている状態で検知手段19からコントローラ回路23に入力される電流の値をそれぞれ記憶して以下の様な判断を行っても良い。即ち、第1のジョブで検知手段19が検知した電流と、第2のジョブで検知手段19が検知した電流とが略同一な値である場合には、第1のジョブ及び第2のジョブに用いられる転写材Pの種類や状態がほぼ類似していると考えることが出来る。したがって、このような場合に、転写材Pの種類や状態がほぼ類似していると判断し、第1のジョブが終了した後に、第1のジョブで転写電源18から転写ローラ8に印加した電圧を第2のジョブに反映しても良い。
本実施例においては、複数のジョブを実行する際に、第1のジョブにおいてACバンディングが発生したと判断された場合に、第2のジョブに第1のジョブで転写電源18から転写ローラ8に印加した電圧を第2のジョブに反映する。この構成により、第2のジョブにおいてACバンディングの発生を判断する必要がなく、また、第2のジョブにおける最初の転写材Pから最後の転写材Pに至るまで、ACバンディングの発生を抑制することが可能である。なお、本実施例において転写材Pの種類や状態がほぼ類似であると判断する方法に関しては、いずれか1つの方法を用いても良く、複数の方法を組み合わせて判断しても良い。
(その他の実施例)
以上、モノクロの画像形成装置に適応した実施例に則して説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではない。像担持体から転写材Pにトナー像を転写する転写部材と、定着手段を有するものであれば、本発明を適用することができる。すなわち、図15に示されるように、カラー画像形成装置にも本発明を適用することができ、同様の効果が得られる。
図15は、本実施例の画像形成装置300の構成を説明する概略断面図である。図1に示すように、本実施例に係る画像形成装置100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成する画像形成部SY、SM、SC、SKが1定間隔で配置された、カラー画像形成装置である。なお、本実施例では、画像形成部SY、SM、SC、SKの構成と動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。したがって、以下、画像形成部SKを用いて本実施例の画像形成装置300の構成について説明する。
本実施例の画像形成装置300において、パーソナルコンピュータ(不図示)などの情報機器から送信された画像信号は、画像形成装置300内で受信、解析された後に制御手段323へ送信される。そして、制御手段323が画像信号から解析された情報に応じて各種手段を制御することによって、画像形成装置300において画像形成動作が開始される。
画像形成装置SKは、ドラム状の感光体である感光ドラム301Kと、帯電手段としての帯電ローラ302Kと、現像手段としての現像ローラ305Kと、クリーニング手段306Kと、を有する。画像形成動作が開始されると、感光ドラム301Kは図示矢印R1方向に所定の周速度で回転駆動され、回転過程で帯電ローラ302Kによって所定の極性(本実施例においては負極性)で所定の電位に一様に帯電処理される。その後、露光手段304Kから画像信号に応じた露光を受けることにより、感光ドラム301Kの表面に静電潜像が形成される。感光ドラム301Kの表面に形成された静電潜像は、現像ローラ305Kから供給されるトナーによって現像され、感光ドラム301Kにトナー像が形成される。
感光ドラム301Kの対向には、張架部材としての張架ローラ327a〜327cによって張架された像担持体としての無端状の中間転写ベルト307が配置されており、中間転写ベルト307は図示矢印R32方向に回転駆動される。中間転写ベルト307の内周面側には、中間転写ベルト307を感光ドラム301Kに押圧する1次転写ローラ308Kが配置される。また、1次転写ローラ308Kによって押圧された中間転写ベルト307と感光ドラム301Kとが当接する位置には、1次転写部が形成される。感光ドラム301K上に形成されたトナー像は、1次転写部を通過する過程で、感光ドラム301Kから中間転写ベルト307に1次転写される。このように、各画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて各色のトナー像が中間転写ベルト307に1次転写され、中間転写ベルト307には目的のカラー画像に対応した複数色のトナー像が形成される。
像担持体としての中間転写ベルト307を介して、張架ローラ327aの対向には転写部材としての2次転写ローラ328が配置されており、中間転写ベルト307と2次転写ローラ328が当接する位置には転写部としての2次転写部Nt3が形成される。2次転写ローラ328は、転写電源318に接続されており、制御手段323が転写電源318を制御し2次転写ローラ328に電圧を印加することにより、中間転写ベルト307から転写材Pに複数色のトナー像が2次転写される。また、転写電源318と2次転写ローラ328の間には、2次転写ローラ328に流れる電流を検知することが可能な検知手段319が設けられている。
給紙カセット9に積載された転写材Pは、中間転写ベルト307に形成された複数色のトナー像が2次転写部に到達するタイミングに合わせて、給紙ローラ311によって給紙カセット9から給送され、2次転写部Nt3に搬送される。2次転写部Nt3において複数色のトナー像を2次転写された転写材Pは定着手段314に搬送され、加熱手段331及び加圧手段330によって加熱及び加圧され、各色のトナーが溶融混和して転写材Pに固定される。その後、転写材Pは排紙ローラ316によって積載部としての排紙トレイ317に排出される。
1 感光ドラム(像担持体)
8 転写ローラ(転写部材)
14 定着手段
18 転写電源
19 検知手段
23 コントローラ回路(制御手段)
24 環境センサ(第2の検知手段)
30 加圧部材
31 加熱部材
31b ヒータ(加熱部)
52 商用電源(交流電源)

Claims (21)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して転写部を形成し、前記転写部にて前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する転写電源と、前記転写部材と前記転写電源との間に配置され、前記転写部材に流れる電流を検知するための第1の検知手段と、前記転写電源を制御する制御手段と、転写材の搬送方向に関して前記転写部よりも下流側に配置され、加熱部材と、前記加熱部材に当接して定着部を形成する加圧部材と、を有する定着手段と、を備える画像形成装置において、
    前記画像形成装置の周囲環境の温度又は湿度を検知する第2の検知手段を備え、
    前記加熱部材は、前記定着部に挟持される転写材に対向して配置される加熱部を有し、
    前記加熱部は交流電源から電圧を印加されることによって前記定着部に挟持される転写材を加熱し、
    前記制御手段は、前記転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写する際に前記第1の検知手段から入力される第1の検知結果から求められる周波数と、前記交流電源の電源周波数を含む所定の周波数域とを比較した結果に応じて前記転写電源を制御することが可能であり、
    前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記制御手段は、前記第2の検知手段から入力される第2の検知結果に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を設定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記転写部に転写材が挟持されていない状態で前記転写部材に所定の値の電流が流れるように前記転写電源を制御した際に前記転写電源から前記転写部材に印加した電圧の値に応じて、前記転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写する場合に前記転写電源から前記転写部材に印加する第1の転写電圧を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれており、且つ、前記第2の検知手段によって検知された前記温度又は前記湿度が所定の値以上である場合に、前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記第2の検知手段によって検知された前記温度又は前記湿度が前記所定の値に満たない場合に、前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更しないことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記交流電源から出力される電圧を検知する第3の検知手段を備え、前記制御手段は、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれており、且つ、前記第3の検知手段によって検知された電圧が、所定の値以上である場合に、前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記制御手段に入力されるプリントモードから前記転写部に搬送される転写材の種類を判断し、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記プリントモードから得られる転写材の種類に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  7. 前記転写部に搬送される転写材の種類を検知する第4の検知手段を備え、前記制御手段は、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記第4の検知手段によって検知される転写材の種類に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  8. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体と接触して転写部を形成し、前記転写部にて前記像担持体から転写材にトナー像を転写する転写部材と、前記転写部材に電圧を印加する転写電源と、前記転写部材と前記転写電源との間に配置され、前記転写部材に流れる電流を検知するための第1の検知手段と、前記転写電源を制御する制御手段と、転写材の搬送方向に関して前記転写部よりも下流側に配置され、加熱部材と、前記加熱部材に当接して定着部を形成する加圧部材と、を有する定着手段と、を備える画像形成装置において、
    前記加熱部材は、前記定着部に挟持される転写材に対向して配置される加熱部を有し、前記加熱部は交流電源から電圧を印加されることによって前記定着部に挟持される転写材を加熱し、
    前記制御手段は、前記転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写する際に前記第1の検知手段から入力される第1の検知結果から求められる周波数と、前記交流電源の電源周波数を含む所定の周波数域とを比較した結果に応じて前記転写電源を制御することが可能であり、前記制御手段に入力される情報から前記転写部に搬送される転写材の種類を判断することが可能であり、
    前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記制御手段は、前記転写部に搬送される転写材の種類に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を設定することを特徴とする画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記転写部に転写材が挟持されていない状態で前記転写部材に所定の値の電流が流れるように前記転写電源を制御した際に前記転写電源から前記転写部材に印加した電圧の値に応じて、前記転写部において前記像担持体から転写材にトナー像を転写する場合に前記転写電源から前記転写部材に印加する第1の転写電圧を決定することを特徴とする請求項8に記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記転写部に搬送される転写材の種類に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記制御手段に入力されるプリントモードから前記転写部に搬送される転写材の種類を判断することを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  12. 前記転写部に搬送される転写材の種類を検知する第4の検知手段を備え、前記制御手段は、前記第1の検知結果から求められる周波数が前記所定の周波数域に含まれている場合に、前記第4の検知手段によって検知される転写材の種類に応じて前記転写電源から前記転写部材に印加する電圧を前記第1の転写電圧から変更することを特徴とする請求項9又は10に記載の画像形成装置。
  13. 前記加熱部材は、前記加熱部を覆う筒状の可撓性部材を有し、前記加熱部は、前記可撓性部材を介して前記加圧部材と対向する位置に配置されることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  14. 前記加熱部は、基板と、前記交流電源からの電圧が印加される電極部と、前記基板の表面に形成される発熱抵抗体と、を有し、前記発熱抵抗体は、前記交流電源からの前記電極部に電圧を印加することによって前記電極部を介して電流が流れることで発熱し、前記発熱抵抗体が発熱することによって前記加熱部は前記定着部に挟持される転写材を加熱することが可能であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  15. 前記電極部と前記交流電源との間には双方向サイリスタが配置されており、前記制御手段が前記双方向サイリスタに流れる電流を制御することにより、前記交流電源から前記電極部に印加される電圧が制御されることを特徴とする請求項14に記載の画像形成装置。
  16. 前記第1の検知結果に関して、単純移動平均を1度取ることによって第1の波形を得た後に、前記第1の波形の単純移動平均を取ることで得られる第2の波形の傾きが変わる点をピークであると判断し、隣接するピーク間の時間から求められる周波数と前記所定の周波数域とを比較することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  17. 前記隣接するピークは、前記第2の波形の傾きが正から負に変わる第1のピークと前記第2の波形の傾きが負から正に変わる第2のピークであり、前記第1のピークと前記第2のピークの間の時間から求められる周波数と前記所定の周波数域とを比較することを特徴とする請求項16に記載の画像形成装置。
  18. 前記第2の波形において、前記第1のピークと前記第2のピークとの間の電流の値の差が所定の値以上である場合に、前記第1のピークと前記第2のピークの間の時間から求められる周波数と前記所定の周波数域とを比較することを特徴とする請求項17に記載の画像形成装置。
  19. 前記第2の波形において、少なくとも連続した3つのピークに関して、隣接するピーク間の電流の値の差がそれぞれ所定の値以上である場合に、前記隣接するピーク間の時間から求められるそれぞれの周波数と前記所定の周波数域とを比較することを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  20. 前記像担持体にトナー像を供給する現像手段を備え、前記像担持体は、前記現像手段によって静電潜像が現像される感光体であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  21. 感光体を備え、前記像担持体は、前記感光体から転写されるトナー像を担持する無端状の中間転写ベルトであることを特徴とする請求項1乃至20のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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