JP4326938B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、バイアス印加対象部材に対して直流バイアス又は直流バイアスに交流バイアスを重畳させたバイアスを印加する画像形成装置に関するものである。
この種の画像形成装置としては、感光体等の像担持体上のトナー像を、転写紙等の被転写体に静電転写して画像を形成するものがある。このような画像形成装置においては、一般に像担持体と被転写体との間に像担持体上のトナーを被転写体側へ移動させる転写電界を形成すべく、像担持体との対向位置に配置される転写ローラ等の転写バイアス印加部材に転写バイアスを印加する。このような画像形成装置において、転写プロセスに関し画質を劣化させる主な原因としては、転写率の低下、いわゆる転写チリの発生、転写不良などが挙げられる。
図12は、転写バイアスと転写率との一般的な関係を模式的に表したグラフである。一般に、転写バイアスを上げていくと転写率も上がり始め、転写率はあるバイアス範囲で飽和する。そして、そのバイアス範囲を超えて更に転写バイアスが高くなると、バイアス過多状態になり、転写率が低下する。転写ローラを用いて転写を行う場合、バイアス過多状態では、転写領域に進入する直前の領域(転写前領域)又は転写領域から抜け出た直後の領域(転写後領域)において、転写電界が不安定となりやすい。そのため、転写前領域や転写後領域において、転写不良が起こったり、転写チリが発生したりする。よって、バイアス過多状態になる直前の値に転写バイアスを最適化すれば、転写率が高く、かつ、転写不良や転写チリの発生も十分に抑制できる結果、高画質を得ることができる。
しかし、このような転写バイアスの最適値は、画像形成装置の経時使用によって変化する。
例えば、被転写体が中間転写ベルトである場合、その中間転写ベルトとして、カーボンが入った高分子ベルトが用いられることが多い。この種のベルトは、長時間の転写バイアス印加により抵抗値が下がる。そのため、初期状態における転写率と転写バイアスとの相関関係が図12中実線で示すグラフのようになっていた場合でも、経時使用されることで、中間転写ベルトの抵抗値が下がり、図12中一点鎖線で示すグラフのようになる。したがって、経時使用された後の転写バイアスの最適値は、図示のように、初期状態のときよりも低い方向へシフトする。その結果、転写バイアスを初期状態の最適値の設定に維持したままでは、経時使用によってバイアス過多状態となり、転写不良や転写チリが発生してしまう。
また、例えば、経時使用によりトナーが劣化すると、トナー帯電量(Q/M)が上昇したり、トナーの表面状態が変化して付着力が上がったりすることがある。このような場合、転写率と転写バイアスとの相関関係は、初期状態では図12中実線で示すグラフのようになっていても、経時使用により図12中二点鎖線で示すグラフのようになる。したがって、経時使用された後の転写バイアスの最適値は、トナー劣化により、図示のように、初期状態のときよりも高い方向へシフトする。その結果、転写バイアスを初期状態の最適値の設定に維持したままでは、経時使用によってバイアス不足状態となり、転写率が低下してしまう。
なお、経時使用によって転写バイアスの最適値を変化させてしまう条件(最適値変化条件)は、ここに例示したものの他にも種々存在する。
このように、転写バイアスの最適値は経時使用によって変化することから、経時的に高画質を得るためには、最適値変化条件の変動に応じて転写バイアスの設定値を適宜調節する、すなわち、転写バイアスの最適化を行うことが望ましい。
そのため、従来、予め非通紙時の状態で、定電圧制御又は定電流制御された転写バイアスを印加して転写領域における電流又は電圧を検知し、その検知結果について所定の演算処理を行って得た値に、転写バイアスを設定するという画像形成装置が知られている。しかし、経時使用によって転写バイアスの最適値を変化させる最適値変化条件は、上述したように種々存在するため、そのような条件をすべて考慮した演算処理を行うのは極めて困難である。そのため、この画像形成装置では、転写バイアスの最適化を適切に行うことはできない。
一方、例えば、特許文献1には、転写前領域又は転写後領域で発生する放電により画像上に生じる放電模様の発生度合をユーザーに確認させ、その発生度合をユーザーに手入力させる画像形成装置が開示されている。この画像形成装置では、ユーザーによって入力された放電模様の発生度合に基づいて、転写バイアスの最適化を行う。具体的には、予備的に、感光体ドラム上の表面移動方向に暗部電位(非画像部)から明部電位(画像部電位)へ連続的に変化する表面電位のグラデーションを作り、これを現像して、グラデーションパターンのチャートを出力する。そして、このグラデーションパターン上のどの位置に放電模様が現れたかをユーザが目で見て、ユーザは、放電模様を現れているパターン部分の脇に書いてある数値(濃度レベル値)を、画像形成装置本体の操作パネルを使って手入力する。特許文献1によれば、放電模様が発生した部分の濃度レベル値に対応する電位差は転写バイアスの適正値に対する余剰の電位分を表しているので、転写バイアスを余剰分だけ低くすることで転写バイアスが適正化され、放電模様の発生を防止できるとしている。この画像形成装置においては、種々存在する各最適値変化条件から最適な転写バイアス値を判断するのではなく、放電模様という転写不良そのものから最適な転写バイアス値を判断するので、転写バイアスの最適化を適切に行うことが可能である。
特開平10−221922号公報
ところが、上記特許文献1の画像形成装置では、転写バイアスを最適化しようとするたびにグラデーションパターンのチャート出力を行う必要がある上、それをユーザーに確認させて手入力させるという煩雑な作業をユーザーに強いることになる。よって、画像出力を行うことなく、かつ、ユーザーに煩雑な作業を強いることもない、もっと簡便な方法で転写バイアスの最適化を行う方法が望まれる。
なお、例えば、出力画像に現れる転写チリ、転写不良等を、画像形成装置内に設置したマイクロスコープなどでを測定し、その測定結果に基づいて転写バイアスを自動的に最適化する方法も考えられる。この場合、ユーザーによる確認作業や手入力作業が必要なくなるが、画像出力は必要である。加えて、この場合には、出力画像の転写チリや転写不良等を測定するための大がかりな測定手段を画像形成装置に設ける必要が生じるため、現実的ではない。
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、転写バイアスが最適値よりも小さいことによる転写率の低下に比べて、転写バイアスが最適値よりも小さいことによる転写チリや転写不良の方が画質に大きな影響を与えることが判明した。よって、転写チリや転写不良の発生をいかにして簡易な手法で検知するかが、転写バイアスの最適化を簡便に行うことにとって重要となる。しかし、従来、画像出力せずに、転写チリや転写不良の検知を簡易に行う手法は存在しなかった。
ここで、本発明者らの研究により、転写チリや転写不良は、バイアス過多状態となったときに転写前領域や転写後領域で生じる過剰な放電により発生するものと考えられる。したがって、この過剰な放電の発生を簡便に検知することができれば、転写チリや転写不良の発生を簡便に検知することができる
本発明は、以上の背景に鑑みなされたものであり、第1の目的は、簡便な方法で過剰な放電の発生を検知することができる画像形成装置を提供することである。
また、第2の目的は、簡便な方法で過剰な放電の発生を検知した結果を利用して、転写バイアスの最適化を適切に行うことができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、像担持体に対向するように配置され、転写バイアスが大きくなると該像担持体との間で規定範囲を超える放電が発生するように構成された転写バイアス印加対象部材に対し、直流の転写バイアス又は直流バイアスに交流バイアスを重畳させた転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段を備え、該転写バイアスによって形成される転写電界により該像担持体上のトナー像を被転写体へ転写して画像を形成する画像形成装置において、上記転写バイアス印加対象部材と上記像担持体との間の転写領域における電流又は電圧の、該転写領域又はその近傍で発生した放電量に応じて増大する特定周波数帯域の値を検出する検出手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、
上記検出手段は、上記放電発生領域又はその近傍における電流又は電圧のうち上記特定周波数帯域のものだけを通過させるフィルタ回路と、該フィルタ回路を通過した電流又は電圧を整流する整流回路とを有し、該整流回路から出力された電流の値又は電圧の値を検出するものであることを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記検出手段により検出する周波数帯域を、1MHz以上100MHz以下の帯域としたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項2又は3の画像形成装置において、上記検出手段の検出値が、上記放電発生領域で上記規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように、上記転写バイアス印加対象部材に印加する転写バイアスを補正する転写バイアス補正手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、上記検出手段の検出結果を外部へ出力するための第1の出力手段と、上記転写バイアス印加対象部材に印加される転写バイアスの直流成分を外部へ出力するための第2の出力手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1の画像形成装置において、該検出手段の検出値が、上記転写領域又はその近傍で上記規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように、該転写バイアス印加対象部材に印加する転写バイアスを補正する転写バイアス補正手段を有することを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の画像形成装置において、上記検出手段を、入力された上記転写領域の電流又は電圧のうち上記特定周波数帯域のものだけを抽出し、抽出した電流の値又は電圧の値を上記検出値として算出する検出プログラムを実行する演算装置によって構成したことを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6又は7の画像形成装置において、上記検出手段の検出値を累積的に記憶する検出値記憶手段と、該検出値記憶手段に記憶された累積値が一定値以上となったとき、メンテナンスを促すための報知を行う報知手段とを有することを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項6、7又は8の画像形成装置において、非画像形成期間中に、上記像担持体の表面にその像担持体表面移動方向に沿って高電位部分と低電位部分とが存在する表面電位パターンを形成するパターン形成手段を有し、該高電位部分が上記転写領域中に存在するときに上記検出手段で検出した値と、該低電位部分が該転写領域中に存在するときに該検出手段で検出した値との差分を、上記検出値として用いることを特徴とするものである。
本発明者らが鋭意研究を行った結果、バイアス印加対象部材とその対向部材との間の放電発生領域において放電が発生すると、その放電発生量に応じて放電発生領域又はその近傍に流れる電流や電圧の特定周波数帯域が増大することが判明した。これは、コロトロンチャージャ等の放電によって、ある特定周波数帯域をもったノイズが発生することからも推測できる。
請求項1乃至5の画像形成装置においては、転写バイアス印加対象部材と対向部材との間の放電発生領域又はその近傍に流れる電流やそこで生じる電圧の特定周波数帯域の値を検出する。これにより、その検出値から、その放電発生領域で放電が発生しているか否かを判断することができる。そして、この検出値は、放電の発生量に応じて増大することから、その検出値に基づき、上記放電発生領域において規定範囲を超える放電が発生したか否かを把握することができる。
また、請求項6乃至9の画像形成装置においても、同様に、転写領域に流れる電流やそこで生じる電圧の特定周波数帯域の値を検出し、その検出値から転写領域又はその近傍で放電が発生しているか否かを判断することができる。そして、この検出値は、放電の発生量に応じて増大することから、その検出値に基づき、転写領域又はその近傍において規定範囲を超える放電が発生したか否かを把握することができる。よって、本装置においては、その検出値が転写領域又はその近傍で規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように転写バイアスを最適値に補正することができる。
以上、請求項1乃至5の発明によれば、画像出力を行うことなく、かつ、ユーザーに煩雑な作業を強いることもなく、転写バイアス印加対象部材と対向部材との間の放電発生領域において規定範囲を超える放電が発生したか否かを把握することができるので、簡便な方法で過剰な放電の発生を検知することができるという優れた効果が奏される。
また、請求項6乃至9の発明によれば、簡便な方法で過剰な放電の発生を検知した結果を利用して、転写バイアスの最適化を適切に行うことができるという優れた効果が奏される。
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機に適用した一実施形態について説明する。
近年、電子写真方式の画像形成装置では、市場からの要求に伴い、カラー複写機やカラープリンタなどのカラー画像形成装置が多くなってきている。カラー画像形成装置には、1つの潜像担持体のまわりに複数色の現像装置を備え、これらの現像装置によりそれぞれトナー像を形成して、これらのトナーを重ね合わせてカラー画像を得るいわゆる1ドラム型の画像形成装置が知られている。この画像形成装置においては、複数の現像器を現像位置へ順次回転させて現像を行ういわゆるリボルバ型の現像装置を用いるものがある。一方、複数の潜像担持体を備え、各潜像担持体に対してそれぞれ個別に現像装置を設け、各潜像担持体上にそれぞれ各色のトナー像を形成し、これらのトナー像を順次重ね合わさるようにして転写してカラー画像を得る、いわゆるタンデム型の画像形成装置も知られている。1ドラム型とタンデム型とを比較すると、前者は、潜像担持体が1つであることから、小型化が比較的容易で低コスト化を図りやすいという利点があるものの、1つの潜像担持体を用いて複数回(通常4回)画像形成を繰り返してカラー画像を得る必要があることから、画像形成の高速化が困難であるという欠点がある。これに対し、後者は、逆に、小型化、低コスト化が困難であるという欠点があるものの、画像形成の高速化が容易であるという利点がある。最近は、カラー画像についてもモノクロ並みのスピードが望まれることから、タンデム型の画像形成装置が注目されている。特に、各潜像担持体上のトナー像を1次転写装置により一旦中間転写体上に互いに重なり合うように転写して後、その中間転写体上のトナー像を2次転写装置によりシートSに一括転写する中間転写方式を採用したものが注目されている。これは、2次転写位置を比較的自由に設置することができるから、給紙装置や定着装置の配置の自由度が増し、小型化が容易となるからである。また、定着装置の配置の自由度が増すことで、定着装置と転写部との間のシート部分が撓むことができる十分な余裕をもたせることができるから、定着装置がほとんど画像形成に影響を及ぼさないようにすることができる。このようなことから、最近は、タンデム型の画像形成装置の中の、特に中間転写方式のものが注目されてきている。
したがって、本実施形態では、中間転写方式を採用したタンデム型の画像形成装置を例に挙げて説明する。なお、本発明は、本実施形態に示す画像形成装置に限られないことは言うまでもない。
まず、本実施形態に係る複写機全体の構成について説明する。
図2は、本実施形態に係る複写機全体の概略構成図である。この複写機は、複写機本体500と、この複写機本体を載置する給紙テーブル200と、その複写機本体上に取り付けるスキャナ300と、このスキャナの上部に取り付けられる原稿自動搬送装置(ADF)400とから構成されている。
図3は、複写機本体500部分の構成を示す拡大図である。複写機本体500には、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト10が設けられている。この中間転写ベルト10は、3つの支持ローラ14,15,16に張架された状態で、図3中時計回り方向に回転駆動される。支持ローラのうちの第1支持ローラ14と第2支持ローラ15との間のベルト張架部分には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kが並んで配置されている。これらの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの上方には、図2に示すように、露光装置21が設けられている。この露光装置21は、スキャナ300で読み取った原稿の画像情報に基づいて、各画像形成ユニットに設けられる像担持体としての潜像担持体である感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に静電潜像を形成するためのものである。また、支持ローラのうちの第3支持ローラ16に対向する位置には、2次転写装置22が設けられている。この2次転写装置22は、2つのローラ23a,23b間に無端ベルト状の2次転写ベルト24が張架した構成を有する。そして、中間転写ベルト10上のトナー像を転写紙上に2次転写する際には、2次転写ベルト24を第3支持ローラ16に巻回された中間転写ベルト10部分に押し当てて2次転写を行う。なお、2次転写装置22は、2次転写ベルト24を用いた構成でなくても、例えば転写ローラや非接触の転写チャージャを用いた構成としてもよい。また、2次転写装置22の2次転写ベルト24による転写紙搬送方向下流側には、転写紙上に転写されたトナー像を定着させるための定着装置25が設けられている。この定着装置25は、加熱ローラ26に加圧ローラ27を押し当てた構成となっている。
また、中間転写ベルト10の支持ローラのうちの第2支持ローラ15に対向する位置には、ベルトクリーニング装置17が設けられている。このベルトクリーニング装置17は、記録材としての転写紙に中間転写ベルト10上のトナー像を転写した後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去するためのものである。このベルトクリーニング装置17は、クリーニング部材として2つのファーブラシを備えている。これらのファーブラシは、φ20mmであり、6.25D/Fで10万本/inch2のアクリルカーボンから構成されたブラシローラであり、その抵抗値が107Ωのものを使用している。これらのファーブラシは、中間転写ベルト10に対してカウンタ方向に回転駆動する。各ファーブラシには、それぞれ金属ローラが当接しており、図示しない電源装置から金属ローラを介してそれぞれ異なる極性のバイアスが印加される。本実施形態では、中間転写ベルト10の表面移動方向上流側に位置するファーブラシには、マイナス電圧を印加し、下流側に位置するファーブラシにはプラス電圧を印加する。また、各金属ローラには、それぞれブレードの先端が押し当てられている。このような構成により、まず、中間転写ベルト10の表面移動方向上流側のファーブラシを用いて中間転写ベルト表面のクリーニングを行う。具体的には、金属ローラに−700Vを印加すると、これに当接したファーブラシには−400Vが印加され、中間転写ベルト10上のプラス帯電トナーがこのファーブラシ90に付着する。この付着したプラス帯電トナーは、電位差によりファーブラシから金属ローラへ転移し、ブレードにより掻き落とされ、回収される。同様にして、中間転写ベルト10の表面移動方向下流側のファーブラシを用いて、中間転写ベルト10上のマイナス極性トナーのクリーニングも行う。各ブレードで掻き落とされたトナーは、図示しないタンクに回収する。トナーリサイクル装置を用いて現像装置内へ戻すようにしてもよい。このようにファーブラシを用いたクリーニングによりほとんどのトナーは除去されるが、中間転写ベルト10上には、まだ少しのトナーが残ることがある。このトナーは、下流側のファーブラシによるクリーニング時にプラス帯電されているので、ブラックの1次転写位置において感光体ドラム20K側に逆転写し、感光体クリーニング装置63Kで回収される。
次に、画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの構成について説明する。以下の説明では、黒色のトナー像を形成する画像形成ユニット18Kを例に挙げて説明するが、他の画像形成ユニット18Y,18C,18Mも同様の構成を有する。
図4は、隣り合う2つの画像形成ユニット18M,18Kの構成を示す拡大図である。なお、図中の符号では、色の区別を示す「M」及び「K」の記号を省略しており、以下の説明でも記号は適宜省略する。
画像形成ユニット18には、感光体ドラム20の周囲に、帯電装置60、現像装置80及び感光体クリーニング装置63が設けられている。また、感光体ドラム20に対して中間転写ベルト10を介して対向する位置には、バイアス印加対象部材及び転写バイアス印加対象部材である1次転写ローラ62が設けられている。
上記帯電装置60は、帯電ローラを採用した接触帯電方式のものであり、感光体ドラム20に接触して電圧を印加することにより感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。この帯電装置60には、非接触のスコロトロンチャージャなどを採用した非接触帯電方式のものも採用できる。
また、上記現像装置80は、一成分現像剤を使用してもよいが、本実施形態では、磁性キャリアと非磁性トナーからなる二成分現像剤を使用している。この現像装置80は、現像剤担持体としての現像スリーブ81の表面の一部を感光体ドラム20に対向させるための開口部が設けられたケーシング84を備えている。本実施形態では、現像スリーブ81の直径をφ18とし、その表面について、サンドブラスト加工処理を施し、又は1〜数mmの深さを有する軸方向に延びる複数の溝を形成する処理を施し、表面粗さRzで10〜30μmの範囲内に入るようにしている。現像スリーブ81の内部には、ドクタブレード83に対向する箇所から現像スリーブ表面移動方向に沿ってN1、S1、N2、S2、S3の5磁極の磁石が固定配置されている。また、ケーシング84の内部には、二成分現像剤(以下、単に「現像剤」という。)を収容するための現像剤収容空間としての内部空間Aが形成されている。現像スリーブ81は、表面に現像剤を担持した状態で、感光体ドラム20の回転に対して連れ回り方向に回転駆動する。内部空間Aには、現像スリーブ81の回転軸方向に現像剤を搬送する搬送部材としての2本の搬送スクリュー82a,82bが設けられている。この2本の搬送スクリュー82a,82bは、回転軸に固定されたフィンを回転させることで、現像剤を攪拌しながら、現像スリーブ81の回転軸方向と平行な方向にに搬送する。なお、各搬送スクリュー82a,82bは、互いに逆向きに現像剤を搬送するように構成されている。2本の搬送スクリュー82a,82bの間には、現像スリーブ回転軸方向両端部で互いが連通するように仕切っている仕切り部材84aがケーシング84と一体的に形成されている。これにより、2本の搬送スクリュー82a,82bの両端部領域には、一方の搬送スクリュー82a,82bの搬送終了端部まで搬送された現像剤を他方の搬送スクリュー82b,82aの搬送開始端部まで移動させるための移動通路が形成される。よって、各搬送スクリュー82a,82bにより現像剤がその搬送終了端部まで搬送されると、その現像剤は移動通路を通って他方の搬送スクリュー82b,82a側に移動し、今度は逆向きに搬送され、内部空間A内を現像剤が循環する。なお、現像装置80の構成及び動作についての詳細は後述する。
また、上記1次転写ローラ62は、中間転写ベルト10を挟んで感光体ドラム20側に押し当てられるように設置されている。1次転写ローラ62の代わりに、ローラ形状以外の形状をもった部材を用いてもよい。また、この1次転写ローラ62には、直流の転写バイアスを印加する図示しない電源装置が設けられている。なお、直流バイアスに交流バイアスを重畳させた転写バイアスを用いてもよい。この電源装置の詳細については後述する。なお、図3中符号74で示す部材は、各1次転写ローラ62の間に設けられる導電性ローラである。この導電性ローラ74は、中間転写ベルト10のベース層側(内周面側)に接触して設けられ、1次転写時に各1次転写ローラ62に印加される転写バイアスが、中抵抗のベース層や表面を介して隣りの1次転写部に流れ込むことのを阻止するためのものである。
また、上記感光体クリーニング装置63は、先端を感光体ドラム20に押し当てられるように配置される、例えばポリウレタンゴム製のクリーニングブレード75を備えている。また、本実施形態では、クリーニング性能を高めるために感光体ドラム20に接触する導電性のファーブラシ76を併用している。このファーブラシ76には、金属製の電界ローラ77からバイアスが印加されており、その電界ローラ77にはスクレーパ78の先端が押し当てられている。そして、クリーニングブレード75やファーブラシ76により感光体ドラム20から除去されたトナーは、感光体クリーニング装置63の内部に収容される。その後、回収スクリュ79により感光体クリーニング装置63の片側に寄せられ、図示しないトナーリサイクル装置を通じて現像装置80へと戻され、再利用する。
また、除電装置64は、除電ランプで構成されており、光を照射して感光体ドラム20の表面電位を初期化する。
以上の構成をもつ画像形成ユニット18では、感光体ドラム20の回転とともに、まず帯電装置60で感光体ドラム20の表面を一様に帯電する。次いでスキャナ300により読み取った画像情報に基づいて露光装置21からレーザやLED等による書込光Lを照射し、感光体ドラム20上に静電潜像を形成する。その後、現像装置80により静電潜像が可視像化されてトナー像が形成される。このトナー像は、1次転写ローラ62により中間転写ベルト10上に1次転写される。1次転写後に感光体ドラム20の表面に残留した転写残トナーは、感光体クリーニング装置63により除去され、その後、感光体ドラム20の表面は、除電装置64により除電されて、次の画像形成に供される。
次に、本実施形態における複写機の動作について説明する。
上記構成をもつ複写機を用いて原稿のコピーをとる場合、まず、図2に示した原稿自動搬送装置400の原稿台30に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。その後、ユーザーが図示しないスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときには、原稿がコンタクトガラス32上に搬送される。そして、スキャナ300が駆動して第1走行体33および第2走行体33が走行を開始する。これにより、第1走行体33からの光がコンタクトガラス32上の原稿で反射し、その反射光が第2走行体33のミラーで反射されて、結像レンズ35を通じて読取センサ36に案内される。このようにして原稿の画像情報を読み取る。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、図示しない駆動モータが駆動し、支持ローラ14,15,16のうちの1つが回転駆動して中間転写ベルト10が回転駆動する。また、これと同時に、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kも回転駆動する。なお、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの駆動機構の詳細は後述する。その後、スキャナ300の読取センサ36で読み取った画像情報に基づいて、露光装置21から、各画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kの感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上に書込光Lがそれぞれ照射される。これにより、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kには、それぞれ静電潜像が形成され、現像装置80Y,80C,80M,80Kにより可視像化される。そして、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20K上には、それぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像が形成される。このようにして形成された各色トナー像は、各1次転写ローラ62Y,62C,62M,62Kにより、順次中間転写ベルト10上に重なり合うようにそれぞれ1次転写される。これにより、中間転写ベルト10上には、各色トナー像が重なり合った合成トナー像が形成される。なお、2次転写後の中間転写ベルト10上に残留した転写残トナーは、ベルトクリーニング装置17により除去される。
また、ユーザーによりスタートスイッチが押されると、ユーザーが選択した転写紙に応じた給紙テーブル200の給紙ローラ42が回転し、給紙カセット44の1つから転写紙が送り出される。送り出された転写紙は、分離ローラ45で1枚に分離して給紙路46に入り込み、搬送ローラ47により複写機本体500内の給紙路48まで搬送される。このようにして搬送された転写紙は、レジストローラ49に突き当たったところで止められる。なお、給紙カセット44にセットされていない転写紙を使用する場合、手差しトレイ51にセットされた転写紙を給紙ローラ50により送り出し、手差し給紙路53を通って搬送される。そして、同じくレジストローラ49に突き当たったところで止められる。
レジストローラ49は、上述のようにして中間転写ベルト10上に形成された合成トナー画像が2次転写装置22の2次転写ベルト24に対向する2次転写部に搬送されるタイミングに合わせて回転を開始する。本実施形態では、このレジストローラ49として、導電性ゴムローラを用い、バイアスを印加している。具体的には、径φ18の芯がね表面に1mmの厚さの導電性NBRゴムをコーティングしたもので、このゴムの電気抵抗値は、体積抵抗率で109Ω・cm程度である。そして、トナーが転写される側の転写紙面(表面)に対向するローラには−850V程度の電圧を印加し、その裏面に対向するローラには+200V程度の電圧を印加する。特に、裏面の紙粉転写を考慮する必要が少ない場合には、電圧を印加せずにレジストローラ49をアースしてもよい。また、本実施形態では、レジストローラ49への印加電圧として、直流バイアスを用いているが、直流バイアスを重畳させた交流バイアスを用いてもよい。直流バイアスを重畳させた交流バイアスを用いた方が、転写紙の表面を均一に帯電するのに適している。本実施形態においては、レジストローラ49を通過した後の転写紙部分の表面は、若干マイナス側に帯電した状態になる。よって、中間転写ベルト10から転写紙への2次転写時には、レジストローラ49に電圧を印加しない場合と転写条件が変わる場合があるので、注意が必要である。
このレジストローラ49により送り出された転写紙は、中間転写ベルト10と2次転写ベルト24との間に送り込まれ、2次転写装置22により、中間転写ベルト10上の合成トナー像が転写紙上に2次転写される。その後、転写紙は、2次転写ベルト24に吸着した状態で定着装置25まで搬送され、定着装置25で熱と圧力が加えられてトナー像の定着処理が行われる。定着装置25を通過した転写紙は、排出ローラ56により排紙トレイ57に排出されスタックされる。なお、トナー像が定着された面の裏面にも画像形成を行う場合には、定着装置25を通過した転写紙の搬送経路を切換爪55により切り換える。そして、その転写紙は、2次転写装置22の下方に位置するシート反転装置28に送り込まれ、そこで反転し、再び2次転写部に案内される。
本実施形態では、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20K、その周囲に配置された現像装置80等の部品を、一体化したプロセスカートリッジとして構成している。このプロセスカートリッジは、プリンタ本体に対して着脱自在となっている。よって、プロセスカートリッジ内に収容された部品に寿命が到来したり、メンテナンスが必要になったりしたときには、そのプロセスカートリッジを交換すればよく、利便性が向上する。
本実施形態の具体的な構成について補足すると、本実施形態では、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kとして、アルミニウム等の素管に感光性を有する有機感光材を塗布して感光層を形成したドラム状のものを用いているが、無端ベルト状のものであってもよい。なお、本実施形態の感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの直径は50mmであり、その感光層の厚みは30μmである。また、本実施形態では、各感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの線速を、200mm/sとし、トナー帯電量を−10〜−30μC/gの範囲内としている。また、露光装置21のビームスポット径を50×60μmとし、その光量を0.47mWとしている。また、感光体ドラム20Y,20C,20M,20Kの露光前における帯電電位V0は−700Vであり、露光後の露光部電位VLは−120Vである。現像バイアスは−470Vであるので、現像ポテンシャルは350Vである。
また、本実施形態で使用するトナーは、ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂に帯電制御剤(CCA)、色剤を混合し、その周りにシリカ、酸化チタン等の物質を外添することで、その帯電特性、流動性を高めている。添加剤の粒径は、通常、0.1〜1.5μmの範囲である。色剤としては、カ−ボンブラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミン等を挙げることができる。帯電極性は、本実施形態ではマイナス極性である。トナーは、ワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種類の添加剤を外添しているものを使用することができる。なお、トナーは、粉砕法で作成されたものの他、重合法等で作成したものも使用可能である。一般に重合法、加熱法等で作成されたトナーは、形状係数を90%以上に形成することが可能で球形に近いものとなり、添加剤の被覆率も極めて高くなる。ここで、形状係数は、本来ならば球形度となって、「粒子と同体積の球の表面積/実粒子の表面積*100%」で定義されるが、測定がかなり困難になるので、平均円形度で算出してもよい。平均円形度の定義は、「粒子と同じ投影面積を持つ円の周長/実粒子の投影輪郭長さ*100%」の平均値である。したがって、投影された円が真円に近づくほど、平均円形度は100%に近づくことになる。トナーの体積平均粒径の範囲は、3〜12μmが好適である。本実施形態では、トナーの体積平均粒径を6μmとし、1200dpi以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能である。
また、本実施形態で使用する磁性キャリアは、金属または樹脂をコアとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたものである。その粒径は、20〜50μmの範囲が良好である。また、電気抵抗値は、ダイナミック抵抗で104〜106Ωの範囲が最適である。このダイナミック抵抗は、磁性キャリアを、磁石を内包したローラ(φ20;600rpm)に担持させ、幅65mm、長さ1mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させて、耐圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは400V、鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加したときの測定値である。
次に、転写バイアスがバイアス過多状態になったときに過剰な放電が発生することによる不具合について説明する。
転写バイアスがバイアス過多状態になると、転写前領域や転写後領域において、トナーが感光体ドラム20側に移動するいわゆる逆転写が発生することが確認されている。この逆転写が発生したときの、1次転写後における感光体ドラム20の表面電位や転写残トナーの帯電量(Q/M)の測定値から、この逆転写が発生するときには、1次転写領域において過剰な放電が生じていることが確認された。よって、転写バイアスがバイアス過多状態になると、転写前領域や転写後領域において過剰な放電が発生し、この過剰な放電が原因で逆転写が発生したものと推測できる。そして、この逆転写が生じると転写率が低下してしまう。このことは、図12に示したグラフのように、転写バイアスを大きくしすぎると転写率が低下していくことからもわかる。また、逆転写が生じると、他色のトナーが感光体ドラム20に付着してしまう結果、トナーリサイクルを行う際に他色のトナーが混ざってしまうという不具合も発生する。
また、転写前領域や転写後領域において過剰な放電が発生すると、転写前の感光体ドラム20上のトナー像又は転写後の中間転写ベルト10上のトナー像が崩されて転写チリという不具合が発生する。また、感光体ドラム20上のトナーが中間転写ベルト10上の適切な位置に転写されず、転写不良という不具合も発生する。
上述した不具合を抑制するには、バイアス過多状態にならないように、転写バイアスを最適化することが必要である。しかし、図12に示したように、経時使用によって転写バイアスの最適値は変化し、しかも、その最適値変化条件は、中間転写ベルト10等の抵抗値の経時変化やトナーの経時劣化などの種々の要因によって変動する。そのため、初期状態において転写バイアスを最適化しても、経時的には上述した不具合が発生してしまう。よって、経時的に発生する不具合を抑制するには、定期的に転写バイアスの最適化を行う必要がある。
ここで、本発明者らが鋭意研究を行った結果、図5に示すグラフを得た。このグラフは、転写バイアスと、転写領域を流れる電流の特定周波数帯域の値との関係を示すものである。なお、このグラフは、図12に示したグラフに対応するものであり、実線は初期時のもの、一点鎖線は経時使用によって中間転写ベルト10の抵抗値が下がった時のもの、二点鎖線は経時使用によりトナーが劣化してトナー帯電量(Q/M)が上昇したりトナーの付着力が上がったりした時のものを、それぞれ示す。また、このグラフにおいて、符号P1,P2,P3は、それぞれ、初期時、中間転写ベルト10の抵抗値が下がった時、トナー劣化時における、最高転写率となる転写バイアス値を示す。図5に示すグラフからわかるように、いずれも、最高転写率となる転写バイアス値を越える転写バイアスが印加されると、転写領域を流れる電流の特定周波数帯域の値が増大していく。そして、最高転写率となる転写バイアス値を越える転写バイアスが印加されると、放電量も増大していくことから、転写領域を流れる電流の特定周波数帯域の値を検知すれば、転写前領域や転写後領域において過剰な放電が発生していることを把握することができる。
なお、複写機内において転写残トナーの帯電量(Q/M)が測定ができれば、放電発生の有無を確認することは可能である。しかし、このような測定は、言うまでもなく実際上難しい。なぜなら、例えばサックイン方式による測定を行う場合、電子天秤・エレクトロメータが必要となり、しかもその測定結果を常時監視しなければならなず、装置が大型化するだけでなく、コストが高騰する。
本実施形態では、後述するように転写バイアスを定電圧制御しているので、転写領域を流れる電流の特定周波数帯域の値を検知して、放電の発生を把握することとしている。なお、転写バイアスを定電圧制御する場合には、転写領域に生じる電圧の特定周波数帯域の値を検知すれば、同様に放電の発生を把握することができる。
次に、本発明の特徴部分について詳述する。
本実施形態においては、本発明の特徴が、1次転写ローラ62Y,62C,62M,62Kに接続される電源装置に集約されている。なお、いずれの画像形成ユニット18Y,18C,18M,18Kについても、その電源装置の構成及び動作は同様であるので、以下、色の区別を示す記号については省略して説明する。
図1は、1次転写ローラ62に接続された電源装置100の概略構成を示す回路ブロック図である。
この電源装置100は、直流の転写バイアスを印加するものであって、1次転写ローラ62に印加される電圧が一定になるように電流を変化させる定電圧制御を行うものである。この電源装置100において、制御装置101は、出力電圧のDCフィードバック信号に基づいて、トリガON/OFF端子から、定電圧制御部102を介してパワートランジスタ103のON/OFF制御を行う。また、トランス駆動回路104は、制御装置101のCLK端子又はPWM端子からの出力に基づき、高周波のトランス駆動信号を発生させる。以下の説明では、PWM端子を例に挙げて説明する。このトランス駆動回路104としては、ローパスフィルタなどによりアナログ信号を出力し、その信号の大小によってトランス105の2次電流値を制御するものを用いることができる。また、制御装置101のPWM端子からの出力を直接f−V変換するものであってもよい。トランス105は高電圧を出力できる高圧励起トランスで構成されている。このトランス105の2次側には、整流回路部106が接続されている。この整流回路部106は、トランス105のノイズをできる限り減らす必要があるので、本実施形態では全波整流である。もちろん、インダクタンスの選定などから、半波整流でも良い。このような構成により、本電源装置100の出力端子HVに現れる出力電圧(直流電圧)は、トランス105の2次電流値にR1/(R1+R2)を乗じて得られるものとなる。
また、上記電源装置100には、制御装置101に入力される出力電圧のDCフィードバック信号の経路上に、電圧バッファ107が設けられている。この電圧バッファ107は、検出抵抗R1の端部電位を積分回路108に安定供給するものである。積分回路108は、1kHz以下の時定数をもった低周波フィルタとしても動作する。このような構成により、出力側で負荷変動があっても、ある程度緩やかに対応することができる。
また、上記電源装置100の制御装置101には、出力端子HVに現れる交流信号(高周波信号)がACフィードバック信号として入力される。ACフィードバック信号の経路上には、高周波回路109、電圧バッファ110、バンドパスフィルタ111及び検波回路112が設けられている。高周波回路109は、直列接続された2つのコンデンサC1,C2と抵抗RACから構成されるハイパスフィルタとして動作する。また、バンドパスフィルタ111及び検波回路112は、高周波回路109から出力される高周波信号の中から、転写前領域や転写後領域で発生した放電の量に応じて増大する特定周波数帯域分を抽出し、その帯域の値を示すDC信号を制御装置101に入力する。なお、バンドパスフィルタ111のカットオフ周波数は、画像周波数よりも高くして作像時の一連の周波数帯域を避けることが望ましく、本実施形態では、1MHz〜100MHzという高周波領域にてフィルタする。感光体ドラム20や中間転写ベルト10の表面移動速度(プロセス速度)は通常1m/s以下なので、この帯域ならば、画像上にノイズが現れるのを防止できる。また、1MHz〜100MHzの帯域を通過させるフィルタ手段としては、市販の安価なものを利用できるので、低コスト化の面でも望ましい。以上のような構成により、出力端子HVに現れる交流信号(高周波信号)を検出することができる。
次に、上記のように構成された電源装置100の動作について説明する。
この電源装置100には、動作停止モード、SCANモード、HOLDモードの3つの動作モードがある。動作停止モードでは、制御装置101のトリガON/OFF端子からOFF信号が出力され、パワートランジスタ103がOFF状態になり、出力端子HVから転写バイアスは出力されない。電源装置100は、複写機本体側に設けられた制御部90の制御の下、画像形成動作が開始される前は動作停止モードとなる。また、画像形成が開始してから感光体ドラム20上のトナー像の先端が転写領域に到達する直前までは、SCANモードとなる。また、感光体ドラム20上のトナー像の先端が転写領域に到達する直前から、転写が終了するまでは、HOLDモードとなる。
図6は、SCANモードの動作を示すフローチャートである。
画像形成が開始されると、複写機本体側の制御部90から制御装置101の入力端子114へその旨の信号が出力され、制御装置101は、トリガON/OFF端子からON信号を出力するとともに、PWM端子から所定のPWM値を出力する(S1)。そして、PWM値がインクリメントされた後(S2)、制御装置101は、入力されるACフィードバック信号に基づき、出力端子HVに現れる交流信号(高周波信号)を検出する(S3)。そして、この検出値が一定値以下か否かを判断する(S4)。この一定値は、転写前領域や転写後領域で過剰な放電が発生しない範囲の閾値に設定される。この値は、電源装置100の回路定数により異なってくるが、実験等によって適宜選択できる。一定値以下でないと判断された場合には、出力端子HVから出力される転写バイアスが低くなるようにPWM値を変更する(S5)。このように、検出値が一定値以下であると判断されるまで、上記S2〜S5を繰り返す。そして、検出値が一定値以下であると判断されたら(S4)、HOLDモードへ移行する。
図7は、HOLDモードの動作を示すフローチャートである。
上述したSCANモードが終了し、HOLDモードに移行したら、制御装置101から出力するPWM値を、SCANモードで最後に設定されたPWM値に固定する(S11)。その後、実際に転写工程が行われ、その転写工程が終了したり、その転写工程が強制的に中断したりするなど、モード移行が必要な状況になったら(S12)、複写機本体の制御部90は連続して画像形成するか否かを判断する(S13)。連続して画像形成しない場合には、動作停止モードに移行させるための命令が制御装置101へ送られ、動作停止モードに移行する(S14)。一方、連続して画像形成する場合には、上述したSCANモードに移行させるための命令が制御装置101へ送られ、SCANモードに移行する(S15)。
このように、本実施形態によれば、実際に転写工程を行う前に上記SCANモードを実行することで、転写前領域や転写後領域で過剰な放電が発生しないような最適な転写バイアスに設定してから、転写工程を行うことができる。これにより、その過剰な放電によって発生する転写チリや転写不良などの不具合を、画像出力を行うことなく、かつ、ユーザーに煩雑な作業を強いることもなく、簡便な方法で、効果的に抑制することができる。
なお、本実施形態における電源装置100の出力容量が大きければ、上記HOLDモードのように転写工程中PWM値を一定としても、出力端子HVから出力される転写バイアスの電圧値を一定にすることができる。しかし、出力容量が小さい場合には、PWM値を一定にしただけでは、出力側の負荷状況によって転写バイアスの電圧値が変動するおそれがある。よって、出力容量が小さい場合には、図8に示すようなHOLDモードを採用する。このHOLDモードは、最初は上記SCANモードで設定されたPWM値を用いるが(S21)、制御装置101に入力されるDCフィードバック信号に基づき(S22)、転写バイアスの電圧値が目標の電圧値に一致するようにPWM値を増減させるフィードバック制御を行う(S23)。これにより、出力端子HVから出力される転写バイアスの電圧値を一定にすることができる。なお、図7に示したHOLDモードを採用できるのであれば、図1に示したDCフィードバック信号の伝送回路部分は省くことができる。
なお、本実施形態では、1次転写バイアスを印加するための電源装置を例に挙げて説明したが、2次転写バイアスを印加するための電源装置でも、同様の効果を得ることができる。ただし、2次転写工程では、紙の剥離、除電時のバイアス等が2次転写領域へ回り込むおそれがある。そのため、この回り込みの影響をも考慮して転写バイアスの最適化を行う必要があるため、その最適化は1次転写バイアスの場合に比べて困難である。
また、本実施形態の制御装置101としてロックインアンプと同様の構成を採用し、手ごろなロックインアンプの入力SN比40dB程度の差が検出できるように構成されている。Qは100程度である。転写工程以外の全てが駆動している時の値の1/100としておくのが望ましい。なお、過剰な放電の発生を検知する能力を高めるためには、SN比を高めるのが望ましい。そこで、図1に示した回路構成に代えて、図9に示すような回路構成を採用してもよい。この回路では、図1に示した電源装置100の出力端子HVに現れる交流信号(高周波信号)と、感光体ドラム20の基体へ流れ込んだ転写電流の高周波成分とを加算器113で加算した後、その加算器113の出力を上記バンドパスフィルタ111に入力する。感光体ドラム20の周囲には、非常にノイズ源が多い。例えば、帯電装置60や現像装置80などに用いられるバイアスにはAC成分が重畳したものが使われることが多く、その場合、そのAC成分がノイズとなって、上記ACフィードバック信号に混入されることがある。この場合、過剰な放電によって増大する特定周波数帯域の信号を適切に検出することができず、誤検知を引き起こすおそれがある。しかし、図9に示した回路構成であれば、過剰な放電によって増大した特定周波数帯域の信号以外のノイズ分がキャンセルされる。よって、SN比が上がり、過剰な放電によって増大した特定周波数帯域の信号が強く反映したACフィードバック信号を得ることができる。
また、放電によって増大した特定周波数帯域の信号を、適切に検出する方法としては、次のような方法もある。
まず、上記SCANモード時に、周期的に変動する1次転写電界を形成する。具体的には、感光体ドラム20上に、その表面移動方向に沿って表面電位が周期的に変化した静電潜像パターンを形成する。このような静電潜像パターンは、例えば、露光装置21によって形成するようにしてもよいが、帯電装置60の帯電処理を周期的にOn/OFFさせることでも形成することができる。このときには、現像バイアスは十分低くしておいて、不要な現像が行われないようにする。なお、少量の逆帯電トナーが感光体ドラム表面に付着してしまう場合があるが、問題になることはない。このようにして形成された静電潜像パターンは、1次転写領域において、1次転写電界を周期的に変動させる。このときの上記バンドパスフィルタ111の出力波形は、図10(a)に示すように、静電潜像パターンに対応して、大きな信号部分と小さな信号部分とが繰り返された波形となる。そして、ACフィードバック信号として制御装置101に入力される信号は、図10(b)に示すような波形となる。ACフィードバック信号のうちの大きな信号部分に対応する値AC2は、1次転写電界が高い状態のものなので、転写前領域や転写後領域では放電が発生している。よって、この信号部分は、転写前領域や転写後領域の放電による信号を含んでいる。しかし、この信号部分には、他の箇所で生じた放電等によるノイズも含まれている。一方、ACフィードバック信号のうちの小さな信号部分に対応する値AC2は、1次転写電界が低い状態のものなので、転写前領域や転写後領域では放電が発生していない。よって、この信号部分は、転写前領域や転写後領域の放電による信号を含まない、他の箇所で生じた放電等によるノイズだけで構成される。よって、この小さな信号部分に対応する値AC2と、上記大きな信号部分に対応する値AC1との差分を取れば、他の箇所で生じた放電等によるノイズが除去された、転写前領域や転写後領域の放電による信号だけを含んだ適切な信号を得ることができる。その結果、転写前領域や転写後領域において過剰な放電が発生するか否かを適切に把握することができる。
また、本実施形態では、放電によって増大する特定周波数帯域のACフィードバック信号の値の検知だけでなく、その検知結果に基づく転写バイアスの補正処理をも、電源装置100において行っている。そのため、本発明を既存の画像形成装置などの装置に適用する場合、既存の電源を上記電源装置100に交換すれば、他の既存部分の大幅な変更が必要ないという利点がある。加えて、複写機本体側の制御部90と電源装置100の制御装置101とを接続するケーブルは、電源装置の動作モードを変更するための信号を制御部90から制御装置101に送信できればよい。よって、ケーブルの低コスト化や複写機内部のケーブル引き回しなどで利点がある。特に、本実施形態では、4つの感光体ドラムを備えたタンデム型の複写機であるため、その1次転写バイアスを印加するための電源装置が4つ必要になることを考えれば、この利点は有益である。なお、短時間で数回パルスを与えると、制御装置101を停止させるなどの高機能化も容易となる。
また、本実施形態では、電源装置100の制御装置101に、複写機本体側の制御部90へACフィードバック信号及びDCフィードバック信号をそれぞれ出力する第1の出力手段としてのAC出力端子115と第2の出力手段としてのDC出力端子116とが設けられている。そのため、制御部90は、転写プロセス周りのユニットやトナー寿命を把握することが可能となる。具体的には、図11(a)に示すように、DCフィードバック信号の変動によって、中間転写ベルト10などの抵抗値の変化や、トナー飛散などによる導通不良などを把握することが可能である。また、図11(b)に示すように、ACフィードバック信号の変動によって、上述した過剰な放電が発生していることを把握することができる。よって、本実施形態では、制御部90に、ACフィードバック信号の値を記憶する検出値記憶手段としてのメモリが設けられている。そして、このメモリに記憶された値が予め決められた一定値以上となったとき、制御部90は、音や警告音声又は警告表示等を出力して、ユーザー等にメンテナンスを促すための報知を行う。
また、本実施形態では、ACフィードバック信号の値の検知すべく、バンドパスフィルタ111を用いてハードウェアで特定周波数帯域を抽出しているが、これをソフトウェアで行うことも可能である。この場合、例えば、図1に示した回路構成においてバンドパスフィルタ111及び検波回路112を取り外し、電圧バッファ110の出力を制御装置101に直接入力する。この場合、制御装置101において基本となるソフトウェアブロックは、平均化(DC化)処理と、特定周波数帯域を抽出するためのFFT・逆FFT処理だけである。よって、このようなソフトウェアを制御装置101に実装するのは簡単である。このようにソフトウェアによって特定周波数帯域を抽出する構成とすれば、抽出する周波数帯域の変更が容易になるという利点がある。
以上、本実施形態の電源装置100は、印加バイアスが大きくなると対向部材である感光体ドラム20との間で規定範囲を超える放電が発生するように配置、構成されたバイアス印加対象部材である1次転写ローラ62に対し、直流バイアス又は直流バイアスに交流バイアスを重畳させたバイアスを印加するものである。そして、この電源装置100には、1次転写ローラ62と感光体ドラム20との間の放電発生領域である転写前領域や転写後領域の近傍(転写領域)における電流又は電圧の、その放電発生領域で発生した放電量に応じて増大する特定周波数帯域の値を検出する検出手段としてのACフィードバック信号の経路上の部品109,110,111,112を有している。これにより、その検出値から転写前領域や転写後領域で規定範囲を超える過剰な放電が発生したか否かを把握することができる。よって、本電源装置100によれば、その検出値が転写前領域や転写後領域で規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように転写バイアスを最適値に補正することが可能となる。
また、本実施形態の電源装置100は、転写領域の電流又は電圧のうち、上記特定周波数帯域のものだけを通過させるフィルタ回路であるバンドパスフィルタ111と、このバンドパスフィルタ111を通過した電流又は電圧を整流する整流回路である検波回路112とを有し、検波回路112から出力された電流の値又は電圧の値を検出する。これにより、簡易なハードウェアによって、上記特定周波数帯域の電流又は電圧を抽出することができる。
また、本実施形態の電源装置100は、検出する周波数帯域を1MHz以上100MHz以下の帯域としている。これにより、バンドパスフィルタ111として、特定周波数帯域テレビやラジオ向けの安価なを採用することができ、低コスト化を図ることができる。
また、本実施形態の電源装置100は、上記検出手段の検出値が、転写前領域や転写後領域で過剰な放電が発生しない範囲内となるように、1次転写ローラ62に印加する転写バイアスを補正する印加バイアス補正手段としての制御装置101を有している。このように、電源装置100だけで転写バイアスを適正に補正することができるので、上述したように、既存の装置への本発明の適用が容易となる。
また、本実施形態の電源装置100は、上記制御装置101に、上記検出手段の検出結果であるACフィードバック信号を外部へ出力するための第1の出力手段としてのAC出力端子115と、1次転写ローラ62に印加される印加バイアスの直流成分であるDCフィードバック信号を外部へ出力するための第2の出力手段としてのDC出力端子116が設けられている。これにより、上述したように、電源装置の外部に設けられる装置である制御部90において、種々の不具合を把握することが可能となる。
また、本実施形態のカラー複写機は、像担持体である感光体ドラム20に対向するように配置され、転写バイアスが大きくなると感光体ドラム20との間で規定範囲を超える過剰な放電が発生するように構成された転写バイアス印加対象部材としての1次転写ローラ62に対し、直流の転写バイアス又は直流バイアスに交流バイアスを重畳させた転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段を備え、転写バイアスによって形成される転写電界により感光体ドラム20上のトナー像を被転写体である中間転写ベルト10へ転写して画像を形成する。そして、本カラー複写機は、1次転写ローラ62と感光体ドラム20との間の転写領域における電流又は電圧の、転写前領域や転写後領域で発生した放電量に応じて増大する特定周波数帯域の値を検出する検出手段、この検出手段の検出値が転写前領域や転写後領域で過剰な放電が発生しない範囲内となるように、1次転写ローラ62に印加する転写バイアスを補正する転写バイアス補正手段としての制御装置101とを備える上述した電源装置100を備えている。よって、転写前領域や転写後領域で過剰な放電が発生しないような適正な転写バイアスの設定が可能となり、その過剰な放電により発生する転写チリや転写不良などの不具合を抑制することができる。
また、上述したように、制御装置101を、入力された転写領域の電流又は電圧のうち上記特定周波数帯域のものだけを抽出し、抽出した電流の値又は電圧の値を上記検出値として算出する検出プログラムを実行する演算装置で構成することもできる。この場合、上述のように、抽出する周波数帯域の変更が容易になるという利点がある。
また、本実施形態のカラー複写機は、検出値であるACフィードバック信号の値を記憶する検出値記憶手段としてのメモリを制御部90に有し、このメモリに記憶された値が一定値以上となったとき、メンテナンスを促すための報知を行う報知手段としての制御部90を有している。これにより、転写プロセス回りの部材の劣化やトナーの劣化などをユーザーに知らせることができる。
また、本実施形態のカラー複写機は、非画像形成期間中に、感光体ドラム20の表面にその感光体ドラム表面移動方向に沿って高電位部分と低電位部分とが存在する表面電位パターンを形成するパターン形成手段として、露光装置21又は帯電装置60を用いている。そして、その高電位部分が転写領域中に存在するときに上記検出手段で検出した値と、低電位部分が転写領域中に存在するときに検出手段で検出した値との差分を、上記検出値として用いる。これにより、上述したように、転写前領域や転写後領域の放電による信号以外のノイズを低減でき、転写前領域や転写後領域において過剰な放電が発生するか否かを適切に把握することができる。
実施形態における複写機の1次転写ローラに接続された電源装置の概略構成を示す回路ブロック図。 同複写機全体の概略構成図。 同複写機本体部分の構成を示す拡大図。 同複写機における隣り合う2つの画像形成ユニットの構成を示す拡大図。 転写バイアスと、転写領域を流れる電流の特定周波数帯域の値との関係を示すグラフ。 同電源装置の動作モードの1つであるSCANモードの動作を示すフローチャート。 同電源装置の動作モードの1つであるHOLDモードの動作を示すフローチャート。 他の例のHOLDモードの動作を示すフローチャート。 他の例の電源装置の概略構成を示す回路ブロック図。。 (a)は、表面電位が周期的に変化した静電潜像パターンを形成時におけるバンドパスフィルタの出力波形を示す説明図。(b)は、同じく制御装置に入力される信号を示す説明図。 (a)は、同電源装置の制御装置から出力されるDCフィードバック信号の経時変化を示す説明図。(b)は、同電源装置の制御装置から出力されるACフィードバック信号の経時変化を示す説明図。 転写バイアスと転写率との一般的な関係を模式的に表したグラフ。
符号の説明
10 中間転写ベルト
18Y,18C,18M,18K 画像形成ユニット
20Y,20C,20M,20K 感光体ドラム
21 露光装置
22 2次転写装置
60 帯電装置
62Y,62C,62M,62K 1次転写ローラ
80 現像装置
100 電源装置
101 制御装置
109 高周波回路
111 バンドパスフィルタ
112 検波回路
113 加算器
114 入力端子
115 DC出力端子
116 AC出力端子

Claims (9)

  1. 像担持体に対向するように配置され、転写バイアスが大きくなると該像担持体との間で規定範囲を超える放電が発生するように構成された転写バイアス印加対象部材に対し、直流の転写バイアス又は直流バイアスに交流バイアスを重畳させた転写バイアスを印加する転写バイアス印加手段を備え、
    該転写バイアスによって形成される転写電界により該像担持体上のトナー像を被転写体へ転写して画像を形成する画像形成装置において、
    上記転写バイアス印加対象部材と上記像担持体との間の転写領域における電流又は電圧の、該転写領域又はその近傍で発生した放電量に応じて増大する特定周波数帯域の値を検出する検出手段を有することを特徴とする画像形成装置
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記検出手段は、上記放電発生領域又はその近傍における電流又は電圧のうち上記特定周波数帯域のものだけを通過させるフィルタ回路と、該フィルタ回路を通過した電流又は電圧を整流する整流回路とを有し、該整流回路から出力された電流の値又は電圧の値を検出するものであることを特徴とする画像形成装置
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記検出手段により検出する周波数帯域を、1MHz以上100MHz以下の帯域としたことを特徴とする画像形成装置
  4. 請求項2又は3の画像形成装置において、
    上記検出手段の検出値が、上記放電発生領域で上記規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように、上記転写バイアス印加対象部材に印加する転写バイアスを補正する転写バイアス補正手段を有することを特徴とする画像形成装置
  5. 請求項1、2、3又は4の画像形成装置において、
    上記検出手段の検出結果を外部へ出力するための第1の出力手段と、
    上記転写バイアス印加対象部材に印加される転写バイアスの直流成分を外部へ出力するための第2の出力手段とを有することを特徴とする画像形成装置
  6. 請求項1の画像形成装置において、
    該検出手段の検出値が、上記転写領域又はその近傍で上記規定範囲を超える放電が発生しない範囲内となるように、該転写バイアス印加対象部材に印加する転写バイアスを補正する転写バイアス補正手段を有することを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項6の画像形成装置において、
    上記検出手段を、入力された上記転写領域の電流又は電圧のうち上記特定周波数帯域のものだけを抽出し、抽出した電流の値又は電圧の値を上記検出値として算出する検出プログラムを実行する演算装置によって構成したことを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項6又は7の画像形成装置において、
    上記検出手段の検出値を記憶する検出値記憶手段と、
    該検出値記憶手段に記憶された検出値が一定値以上となったとき、メンテナンスを促すための報知を行う報知手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項6、7又は8の画像形成装置において、
    非画像形成期間中に、上記像担持体の表面にその像担持体表面移動方向に沿って高電位部分と低電位部分とが存在する表面電位パターンを形成するパターン形成手段を有し、
    該高電位部分が上記転写領域中に存在するときに上記検出手段で検出した値と、該低電位部分が該転写領域中に存在するときに該検出手段で検出した値との差分を、上記検出値として用いることを特徴とする画像形成装置。
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