JP4635783B2 - 定着装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
このような励磁コイルへ供給する高周波電流は、一般に直流を高周波でスイッチングすることによって生成され、定電流制御又は定電力制御がなされる。また、励磁コイルへの電力供給は、被加熱体である定着部材の温度を温度センサで検知し、所定の温度が維持されるように供給電力量を制御したり、電力供給のON/OFF制御がなされたりする。
一方、例えば電磁誘導加熱方式を採用した定着装置では、上述したようにウォームアップ時間を短縮できる反面、加熱部材が短時間で昇温してしまうために、加熱部材の温度が所望とする温度範囲の上限を逸脱するオーバーシュートが発生しやすい。このようにしてオーバーシュートが発生すると、加熱部材等が過加熱によるダメージを受け、その寿命が短くなってしまったり、あるいは故障の原因となったりするおそれがある。
しかしながら、このような手法を採用した場合、今度は加熱部材のウォームアップ時間が長くかかってしまい、電磁誘導加熱方式を採用する利点が生かされなくなってしまう。また、励磁コイルへの供給電力を多段階に設定するために、電力供給のON/OFF制御が頻繁に行われることになるため、フリッカ等の二次障害も発生しやすくなる。
なお、このような問題は、上述した電磁誘導加熱方式を採用する定着装置に限られるものではなく、加熱部材を急速に昇温させる機構を備えた定着装置においても、同様に生じ得るものである。
また、他の目的は、加熱部材の温度が所望とする温度範囲の上限を逸脱するオーバーシュートの発生を抑制することにある。
ここで、所定の温度範囲は、記録材上の未定着像を定着するのに好適な定着温度の範囲であることを特徴とすることができる。
また、本発明によれば、加熱部材を昇温する間に、所定のタイミングで加圧部材あるいは圧接部材を加熱部材に圧接させるようにしたので、加熱部材の熱を加圧部材あるいは圧接部材に奪わせることが可能になり、加熱部材のオーバーシュートを抑制することができる。
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、タンデム型、中間転写型の画像形成装置である。この画像形成装置は、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10を備えている。また、画像形成装置は、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像(未定着トナー像)を記録材である用紙Sに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像を用紙S上に定着させる定着装置60を備えている。また、画像形成装置は、各装置(各部)の動作を制御する制御手段の一例としての制御部40、ユーザからの指示を受け付けるためのユーザインタフェース(UI)41、この画像形成装置の電源をON/OFFするためのスイッチ2を有している。
一方、用紙Sへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動にともなってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
図2は本実施の形態に係る定着装置60の構成を示す概略構成図である。図2に示すように、定着装置60は、無端状の周面を有する加熱部材(無端状のベルト部材)の一例としての定着ベルト61、定着ベルト61の外周面に圧接して配設され、定着ベルト61を従動回転させる加圧部材あるいは圧接部材の一例としての加圧ロール62、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61を介して加圧ロール62に圧接配置される押圧パッド63、押圧パッド63等を支持するパッド支持部材64、定着ベルト61の外周面形状に倣って形成されるとともに定着ベルト61とは所定の間隙を持って配設され、定着ベルト61を長手方向に亘って電磁誘導加熱する加熱手段あるいは供給手段としての電磁誘導加熱部65、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61の内周面に沿って配設され、電磁誘導加熱部65による定着ベルト61への加熱効率を高めるフェライト部材67により主要部が構成されている。
さらに、本実施の形態に係る定着装置60では、必要に応じて定着ベルト61と加圧ロール62とを接離できるように構成している。このため、定着装置60は、定着ベルト61側の取り付け位置を固定する一方で、加圧ロール62を定着ベルト61に対して接離する接離手段としてのラッチ機構69を有している。このラッチ機構69は、例えばモータや偏心カム等を組み合わせたもので構成することができる。
基層61aとしては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等のフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性を有する材料が好適に用いられる。厚さは、10〜150μm、好ましくは厚さ30〜100μmが適している。厚さが10μmより小さい場合には定着ベルト61としての強度が得られず、厚さが150μmより大きい場合には、フレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなって温度立ち上がり時間が長くなるからである。本実施の形態では、厚さ80μmのポリイミド樹脂からなるシート状部材を使用している。
さらに、弾性層61cの熱伝導率λに関しては、λ=6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]が適している。熱伝導率λが6×10−4[cal/cm・sec・deg ]よりも小さい場合には熱抵抗が大きく、定着ベルト61の表層(表面離型層61d)における温度上昇が遅くなる。一方、熱伝導率λが2×10−3[cal/cm・sec・deg ]よりも大きい場合には、硬度が過度に高くなったり、圧縮永久歪みが悪化する。そのため、熱伝導率λは6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]、より好ましくは8×10−4〜1.5×10−3[cal/cm・sec・deg ]に設定するのが好ましい。
また、表面離型層61dの厚さは、5〜50μmが好ましい。表面離型層61dの厚さが5μmよりも小さい場合には、塗膜時に塗りムラが生じて離型性の悪い領域が形成されたり、耐久性が不足したりするといった問題が発生するからである。また、表面離型層61dが50μmを超える場合には、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の材質で形成された表面離型層61dでは硬度が高くなりすぎ、弾性層61cが有する機能を低下させるからである。なお、本実施の形態では、厚さ30μmのPFAを使用している。
ここで、表面離型層61dにおけるトナー離型性を向上するため、表面離型層61dにトナーオフセット防止のためのオイル(離型剤)を塗布するオイル塗布機構を定着ベルト61に当接させて配設することも可能である。特に、低軟化物質を含有しないトナーを用いた場合には効果的である。
また、押圧パッド63の定着ベルト61との接触面は、加圧ロール62の外表面形状に倣って、凹状曲面で形成されている。そのため、定着ベルト61を介して加圧ロール62との間で充分に広いニップ幅を形成することができる。
図4に示したように、走行ガイド80は、定着ベルト61の端部に挿入されて定着ベルト61を支持するエンドキャップ81と、エンドキャップ81と一体的に構成されエンドキャップ81よりも定着ベルト61の軸方向外側に配置される駆動ギア82と、パッド支持部材64と一体的に構成され、これらエンドキャップ81および駆動ギア82を回動可能に保持する回転軸83とを有している。なお、駆動ギア82には、駆動モータ68に設けられた駆動ギア(不図示)が噛合する。
そして、定着ベルト61は、定着ベルト61の幅方向両端部において、両端部の内周面が駆動ギア82と一体化したエンドキャップ81に支持されながら回動する。なお、ラッチ機構69によって加圧ロール62が定着ベルト61に圧接している場合には、加圧ロール62が定着ベルト61の回動に伴って従動回転する。また、定着ベルト61は、駆動ギア82によって定着ベルト61の幅方向への移動(ベルトウォーク)が制限され、定着ベルト61に片寄りが生じるのが抑えられている。
また、励磁コイル65bおよびフェライト部材67と、定着ベルト61の導電層61bとの間の距離は、可能な限り近接させて設置することが磁束の吸収効率を高めるために好ましいことから、これらの距離は5mm以内、例えば、2.5mm程度に設定されている。
なお、その際には、定着ベルト61の温度は、サーミスタ70での計測値に基づいて、画像形成装置の制御部40(図1参照)が励磁コイル65bに供給する電力量または高周波電流の供給時間等を制御することにより、所定の温度に維持されている。
また、押圧パッド63により、定着ベルト61を介して加圧ロール62との間で充分に広いニップ幅を形成することができるので、定着ニップ部Nにおける熱の伝達を充分に行うことが可能となって、良好な定着性能を得ることができる。
図5は、図1に示す制御部40の制御ブロック図である。なお、制御部40は、画像形成装置全体の制御を司る機能を有しているが、ここでは、定着装置60の動作に関連するブロックのみを示している。
制御部40のCPU(Central Processing Unit)91は、ROM(Read Only Memory)92に記憶されたプログラムに従い、RAM(Random Access Memory)93との間で適宜データのやりとりを行いながら処理を実行する。また、制御部40は、時間を計測するタイマ94を具備している。この制御部40には、入出力インタフェース95を介して、スイッチ2からの電源ON情報、UI41における操作指示情報、およびサーミスタ70からの温度検知情報が入力されるようになっている。一方、この制御部40は、入出力インタフェース95を介して、定着ベルト61を駆動する駆動モータ68、定着ベルト61に対して加圧ロールを接離させるラッチ機構69、および励磁コイル65bに電力を供給して定着ベルト61を加熱させる励磁回路65cに制御信号を出力している。
まず、制御部40は、画像形成装置において画像形成動作を行う前処理が実行されたか否か、すなわち、画像形成動作のトリガを検知したか否かを判断する(ステップ101)。ここで、トリガとしては、例えばユーザが画像形成装置のスイッチ2を操作して電源をONにしたことを検知した場合、ユーザが図示しない画像読取装置におけるプラテンカバー(不図示)を開けたことを検知した場合、画像読取装置における自動原稿送り部(不図示)に原稿をセットしたことを検知した場合、あるいはPC(不図示)からプリント信号が入力されてきた場合などが挙げられる。
(1)室温から定着ベルト61を加熱する場合
図7は、定着装置60におけるウォームアップ動作および定着動作の一例を示す図であり、ここでは例えばスイッチ2の投入時や、長期間にわたって画像形成動作が行われなかった後など、室温T0にある定着ベルト61を加熱する例を示している。なお、図7において、横軸は開始時刻からの経過時間tを、縦軸のうち左側は定着ベルト温度Tを、右側は励磁回路65cから供給される投入電力Pを、それぞれ示している。また、図7において、実線は定着ベルト温度Tを、破線は投入電力Pを、それぞれ示している。
そして、その後は、定着ベルト温度Tが第一の設定温度T1から第三の設定温度T3となるように、より詳しくは、定着ベルト温度Tが第二の設定温度T2を超えないように定着ベルト61に対する励磁回路65cの給電制御が行われていく。これを具体的に説明すると、例えば時刻t4や時刻t5において定着ベルト温度Tが第二の設定温度T2に達するたびに、励磁回路65cに供給される投入電力Pの大きさは徐々に低減されていく。ただし、定着ベルト61はある程度加熱された状態となっているため、定着ベルト温度Tは第一の設定温度T1以上に維持される。
そこで、本実施の形態に係る定着装置60では、第一の設定時間t1の直前の第二の設定時間t6までユーザによる画像形成動作開始の指示がない場合には、励磁回路65cへの給電を停止している。また、同時に、ラッチ機構69によって定着ベルト61に加圧ロール62を圧接させている。これらの手法を採用することにより、定着ベルト61が過加熱されることにより生じる弊害を回避している。なお、この例において、第二の設定時間t6は、定着ベルト温度Tが第三の設定温度T3を超えない程度の時間、例えば4.0〜4.5秒程度の範囲から任意に選択することができる。
図8は、定着装置60におけるウォームアップ動作および定着動作の他の例を示す図であり、ここでは、例えばあるジョブ(定着動作)を終えた直後など、室温T0より高い所定の温度T0’(ただしT0’<T1)にある定着ベルト61を加熱する例を示している。なお、図8における横軸および縦軸は、図7で説明したものと同じである。
そして、その後は、定着ベルト温度Tが第一の設定温度T1から第三の設定温度T3となるように、より詳しくは、定着ベルト温度Tが第二の設定温度T2を超えないように定着ベルト61に対する励磁回路65cの給電制御が行われていく。これを具体的に説明すると、例えば時刻t4や時刻t5において定着ベルト温度Tが第二の設定温度T2に達するたびに、励磁回路65cに供給される投入電力Pの大きさは徐々に低減されていく。ただし、定着ベルト61はある程度加熱された状態となっているため、定着ベルト温度Tは第一の設定温度T1以上に維持される。
また、本実施の形態では、定着ベルト61が所定の定着温度まで加熱されたと想定される時間が経過したとき、あるいは、サーミスタ70による測定温度が、定着ベルト61が所定の定着温度まで加熱されたと想定される温度に到達したときに、定着ベルト61に加圧ロール62をラッチさせるようにした。これを別の観点から見れば、定着ベルト61が定着温度の許容範囲である第一の設定温度T1から第三の設定温度T3の範囲内にあるときに、定着ベルト61に加圧ロール62を圧接させるようにしたということもできる。これにより、加熱された定着ベルト61の熱を、定着温度範囲の上限を超える前に加圧ロール62に奪わせることができ、高速に昇温する定着装置60におけるオーバーシュートの発生を抑制することができる。
そして、本実施の形態では、ウォームアップ動作中に、画像形成装置のシステムで定着装置60に許容される最大電力を投入するようにしたので、さらにウォームアップ時間を短縮することが可能になる。
また、このような構成を採用することで、定着装置60をきわめて短時間に使用可能な状態までもっていくことができ、ユーザにとっては待ち時間を減らすことが可能になる。また、ウォームアップ前に定着ベルト61を予熱しておく必要がないため、待機電力を減らすことができる。
これらにより、本実施の形態に係る定着装置60では、オーバーシュートを抑制でき、ユーザの利便性を損なうことなくさらに無駄な消費電力を削減することができる。
Claims (11)
- 記録材上の未定着像を定着する定着装置であって、
導電層を有し回動可能に配設される加熱部材と、
回動可能に配設され、前記加熱部材に圧接することにより当該加熱部材との間に前記記録材を通過させるための定着ニップ部を形成する加圧部材と、
前記導電層を介して加熱部材を誘導加熱する加熱手段と、
前記加熱部材を回動させる駆動手段と、
前記加熱部材と前記加圧部材とを接離する接離手段と、
前記加熱手段による前記加熱部材の加熱開始からの経過時間を取得する取得手段と、
前記接離手段によって前記加熱部材と前記加圧部材とを離間させた状態で、前記駆動手段によって当該加熱部材を駆動するとともに当該加熱手段によって当該加熱部材を加熱し、前記取得手段により取得される前記経過時間が所定の時間以上となった場合に、当該接離手段によって当該加熱部材と当該加圧部材とを圧接させる制御手段と
を含む定着装置。 - 前記所定の時間は、前記加熱手段によって加熱される前記加熱部材の温度が定着温度範囲の上限を上回るのに必要な時間よりも短いことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記取得手段は、前記加熱部材を測温して得られた温度をさらに取得し、
前記制御手段は、前記取得手段で取得される前記経過時間が前記所定の時間に到達する前に当該取得手段で取得される前記温度が所定の温度以上となった場合に、前記接離手段によって前記加熱部材と前記加圧部材とを圧接させることを特徴とする請求項1記載の定着装置。 - 前記制御手段は、前記記録材上のトナー像の定着動作を終了した後に、前記加熱部材と前記加圧部材とを離間させることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記加熱部材は、無端状のベルト部材からなることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成部と、
前記トナー像形成部によって形成されたトナー像を記録材に転写する転写部と、
前記転写部によって前記記録材上に転写されたトナー像を定着する定着部とを備え、
前記定着部は、
回動可能に配設され、前記記録材を加熱する加熱部材と、
前記加熱部材に熱を供給する供給部材と、
前記供給部材により加熱される前記加熱部材の温度が所定の温度範囲の上限を上回る前に、当該加熱部材に圧接して当該加熱部材から熱を奪う圧接部材と、
前記供給部材による前記加熱部材の加熱開始からの経過時間を計時するタイマと
を含み、
前記圧接部材は、前記タイマにより計時される前記経過時間が所定の時間以上となった場合に、前記加熱部材に圧接することを特徴とする画像形成装置。 - 前記所定の時間は、前記供給部材によって加熱される前記加熱部材の温度が定着温度範囲の上限を上回るのに必要な時間よりも短いことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記圧接部材は、前記加熱部材に圧接することにより当該加熱部材との間に前記記録材を通過させるための定着ニップ部を形成する加圧部材であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記加熱部材は、導電層を有し、
前記供給部材は、前記導電層を介して前記加熱部材を誘導加熱することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。 - 前記加熱部材の温度を測定する温度センサをさらに含み、
前記圧接部材は、前記温度センサにより測定される温度が所定の温度範囲にある間に、前記加熱部材に圧接することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。 - 前記所定の温度範囲は、前記記録材上のトナー像を定着するのに好適な定着温度の範囲であることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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