JP4661516B2 - 定着装置および定着ベルトの劣化判定方法 - Google Patents

定着装置および定着ベルトの劣化判定方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば電子写真方式を利用した画像形成装置において記録材にトナー画像を定着する定着装置等に関する。
例えば電子写真方式を採用した複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置では、例えばドラム状に形成された感光体(感光体ドラム)を一様に帯電し、帯電された感光体ドラムを画像情報に基づいて制御された光で露光して感光体ドラム上に静電潜像を形成する。次いで、感光体ドラム上に形成された静電潜像をトナーによって現像して可視像(トナー像)化し、このトナー像を直接または中間転写体等を介して間接的に用紙に転写する。そして、用紙に転写されたトナー像(未定着トナー像)を、定着装置によって用紙に定着している。
上述した定着装置としては、例えば回動する加熱部材と、この加熱部材に回動可能に圧接配置される加圧部材とを備えたものが広く用いられている。このような定着装置では、加熱部材と加圧部材とのニップ部(定着ニップ部)に用紙を挟み込んで挿通させ、トナー像を加熱溶融して用紙に圧着している。特に、最近では、加熱部材に金属等からなる発熱層(導電性層)を設け、電磁誘導加熱によって発熱層を発熱させるものが提案されている(特許文献1、2参照。)。ここで、電磁誘導加熱は、変動磁界を発生する励磁コイルを発熱層に近接配置し、発熱層に発生する渦電流で発熱層を発熱させるものである。この電磁誘導加熱によれば、加熱部材を直接加熱することができるとともに、加熱により高温となる範囲が極めて限られることから、加熱部材を短い時間で所定の温度まで加熱することができる。このため、加熱源としてハロゲンランプ等の発熱体を用いる場合に比べ、定着装置のウォームアップ時間を短縮することができ、消費電力を低減することが可能になる。
一方、加熱部材は加熱ロールの他、無端状の定着ベルトが一般に用いられており、この無端状ベルトには複数の支持ロールによって張架されたタイプと、上記特許文献1、2のようにほぼ無張架の状態で周回駆動されるタイプとがある。そして、上記特許文献1、2において、定着ベルトは、薄肉の耐熱性樹脂等からなる基層および基層上に形成される厚さ数十μm程度の銅からなる発熱層を有している。このような定着ベルトでは、加熱部材として加熱ロールを使用する場合に比べ熱容量が小さくなるため、加熱ロールより短時間でウォームアップを行うことができる。さらに、無張架タイプの定着ベルトは、他の部材との接触する面積を小さくすることができ、他の部材への熱移動を低減できる。このため、一層効率の良いウォームアップを行うことができる。
また、上記特許文献1記載の定着装置では、加圧部材として加圧ロールが用いられており、定着ベルトと加圧ロールとが接する定着ニップ部を安定的に形成するために、定着ベルトの内面側には弾性体からなる押圧部材が設けられる。特に、上記特許文献1では、定着ベルトからの用紙の剥離を容易にするために、定着ニップ入口側より出口側の方の弾性層の厚さを厚くするように押圧部材の形状を設定している。これにより、弾性層が定着ベルトの移動方向下流側に突き出すように変形し、定着ニップ出口部において、定着ベルトに対して大きな曲率を与えている。
特開2004−29394号公報(第4−6頁、図1) 特開2004−70191号公報(第7−10頁、図1)
ところで、上述した定着装置において、フレキシビリティを有する定着ベルトは、定着ニップ出口部において剥離に必要な曲率に変形する。このため、定着ベルトの発熱層には、定着ニップを通過する度に曲げられることによる歪みが生じる。そして、定着装置が長期にわたって使用されるにつれて、定着ベルトに繰り返し歪みが加わることにより、発熱層にいわゆる疲労破壊を起こしてしまう。このようにして定着ベルトの発熱層に疲労破壊が生じると、該当箇所の発熱層には渦電流が流れにくくなり、所望の発熱を得ることができなくなってしまう。そして発熱層にクラックが入り、所望の発熱分布が得られなくなった状態で定着動作を行うと、クラックが入った部分の温度が低いことに伴う定着不良、所謂コールドオフセットが発生する。
このような発熱層に発生する歪みを小さくするために、上記特許文献2では、定着ベルト全体の厚さ方向の中立線近傍に発熱層を配置することが提案されている。これは、発熱層を定着ベルトの厚さ方向の中立線近傍におくことで、定着ベルト全体が剥離に必要な形状になるように変形した場合においても、発熱層にかかる歪みを低減することができるというものである。このような特許文献2に記載の方式を採用することで、定着ベルトの発熱層にクラックが発生するまでの時間を延長することが可能になる。
しかしながら、上記特許文献2の技術を採用したとしても、発熱層そのものが厚さを持つことには変わりがなく、発熱層に加わる歪みを完全になくすことはできない。よって、クラックが発生するまでの時間、すなわち定着装置としてのライフはある程度長くなるものの、全く未発生となるところまでには至らず、定着装置が使用されるにつれて発熱層にクラックが入るようになり、所望とする温度分布が得られなくなってしまう。
従来にあっては、定着ベルトの寿命によるコールドオフセットの発生を未然に防止するために、予め設定した枚数あるいは時間の定着動作を実行した後、故障が発生する前に交換メッセージを出して定着装置自体あるいは定着ベルトを交換するという対応策がとられていた。したがって、まだ壊れていないものまで交換してしまうという無駄があった。
本発明は、かかる技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、導電性層を有するベルト部材の寿命をより正確に検知することにある。
また、他の目的は、ベルト部材の経時劣化に伴うコールドオフセットの発生を抑制することにある。
かかる目的のもと、本発明は、記録材上に形成された未定着画像を定着する定着装置であって、導電性層を有し回動可能に配設される無端状のベルト部材と、ベルト部材の外周面に圧接配置される加圧部材とを有しており、導電層を介してベルト部材を誘導加熱手段にて誘導加熱し、誘導加熱手段による誘導加熱に対する導電性層の性能低下を検知手段により検知する。
このような定着装置において、ベルト部材の軸方向両端からベルト部材を駆動する駆動部材をさらに含む場合に、検知手段は、ベルト部材の軸方向端部側における導電性層の性能低下を検知することができる。また、ベルト部材の内側から加圧部材に向けてベルト部材を押圧するとともに、記録材が通過する軸方向中央部と記録材が通過しない軸方向両端部とでベルト部材に当接する部位の形状が異なる押圧部材をさらに含む場合に、検知手段は、ベルト部材の軸方向端部側における導電性層の性能低下を検知することができる。そして、検知手段は、ベルト部材に対向配置されるセンサコイルと、センサコイルに高周波電流を供給する電源と、電源によりセンサコイルに高周波電流を流したときの電力の力率を測定する力率測定部とを有することができる。この場合に、センサコイルは、最大サイズの記録材の通紙域よりも外側でベルト部材に対向配置されることができる。また、検知手段によって導電性層の性能低下が検知されたときに、ベルト部材及び加圧部材を用いた定着動作を停止させる制御手段をさらに含むことができる。
また、他の観点から捉えると、本発明が適用される定着装置は、金属層を有し回動可能に配設される定着ベルトと、定着ベルトの外周面に圧接することで、定着ベルトとの間に未定着画像を担持した記録材を挿通するための定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、定着ベルトの内側からニップ形成部材に向けて定着ベルトを押圧し、定着ニップ部における定着ベルトの形状を変形させる押圧パッドと、定着ベルトの金属層におけるクラックの発生を検知するクラック検知部とを含んでいる。
このような定着装置では、金属層を介して定着ベルトを加熱する励磁コイルをさらに含むことができる。また、クラック検知部は、定着ベルトの軸方向端部側であって定着装置で定着可能な最大サイズの記録材の通紙域内の温度分布に影響を及ぼす部位の金属層におけるクラックの発生を検知することができる。さらに、定着ベルトの軸方向両端部に嵌合し、定着ベルトを駆動するエンドキャップ部材をさらに含むことができる。さらにまた、押圧パッドは、記録材が通過する軸方向中央部と記録材が通過しない軸方向両端部とで定着ベルトに当接する部位の形状が異なることを特徴とすることができる。
さらに、方法のカテゴリから捉えると、本発明は、導電性層を有し回動可能に配設される定着ベルトの劣化判定方法であって、定着ベルトに近接して対向配置されたコイル部材に高周波電流を供給するステップと、コイル部材に高周波電流を流したときの電力の力率を測定するステップと、測定された力率に基づいてコイル部材と対向する定着ベルトの導電性層にクラックが生じているか否かを判断するステップとを含んでいる。
ここで、判断するステップでは、力率が所定の基準値を下回った場合に導電層にクラックが生じたものと判断することができる。
本発明によれば、誘導加熱に対する導電性層の性能低下を検知するようにしたので、導電性層を有するベルト部材の寿命をより正確に検知することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態という)について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1K、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録材である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20、二次転写された画像(未定着画像)を用紙P上に定着させる定着装置60を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40、画像形成装置に対する画像形成動作等の指示を受け付け、また、ユーザに対しメッセージ等を表示させるためのユーザインタフェース(UI)41、を有している。
本実施の形態において、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の無端ベルトで構成されている。そして、その体積抵抗率は10〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度に構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図1に示す矢印B方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、一次転写ロール16は中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(マイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とによって構成される。バックアップロール25は、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRとのブレンドゴムのチューブ、内部がEPDMゴムで構成されている。そして、その表面抵抗率が10〜1010Ω/□となるように形成され、硬度は例えば70°(アスカーC)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極をなし、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が当接配置されている。
一方、二次転写ロール22は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層はカーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、体積抵抗率が107.5〜108.5Ωcmのスポンジ状の円筒ロールである。そして、二次転写ロール22は中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングするベルトクリーナ35が接離自在に設けられている。一方、イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設されている。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成されている。
さらに、本実施の形態の画像形成装置では、用紙搬送系として、用紙Pを収容する用紙トレイ50、この用紙トレイ50に集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備えている。
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、図示しない画像読取装置(IIT)や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(マイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、用紙搬送系では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、用紙トレイ50から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(マイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって押圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙載置部に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34およびベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
次に、本実施の形態の画像形成装置に用いられる定着装置60について説明する。
図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す概略正面図であり、図3は図2におけるX1−X1断面図である。図2および図3に示すように、本実施の形態の定着装置60は、無端状の周面を有する定着ベルト61、定着ベルト61の外周面に圧接して配設され、定着ベルト61の回動に従動して回転する加圧ロール62、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61を介して加圧ロール62に圧接配置される押圧パッド63、押圧パッド63等を支持するパッド支持部材64、定着ベルト61の外周面形状に倣って形成されるとともに定着ベルト61とは所定の間隙を持って配設され、定着ベルト61を長手方向に亘って電磁誘導加熱する電磁誘導加熱部材65、定着ベルト61の両端部に配設され、定着ベルト61の両端部の断面形状を円形に維持しつつ定着ベルト61を周方向に回転駆動するエンドキャップ部材66、定着ベルト61の内側にて定着ベルト61の内周面に沿って配設され、電磁誘導加熱部材65による定着ベルト61への加熱効率を高めるフェライト部材67、定着ベルト61のライフを判断するのに用いられるセンサコイル71により主要部が構成されている。なお、図2においては、後述する温度均一化ロール72の記載を省略している。また、定着後の用紙Pを定着ベルト61から完全に分離するための補助手段として、定着ベルト61の定着ニップ部Nの下流側に、剥離補助部材75を配設することも可能である。
ベルト部材の一つとしての定着ベルト61は、図4に示すように、内周面側から順に、耐熱性の高いシート状部材からなる基層61aと、導電性層(金属層)61bと、保護層61cと、弾性層61dと、外周面となる表面離型層61eとが積層されて構成されている。また、各層の間には接着のためのプライマー層や導電性層に発生するクラックを防止するための保護層等が設けられる場合がある。
基層61aとしては、フッ素樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PTFE樹脂、FEP樹脂等のフレキシブルで機械的強度に優れ、耐熱性を有する材料が好適に用いられる。厚さは、10〜150μm、好ましくは厚さ30〜100μmが適している。厚さが10μmより小さい場合には定着ベルト61としての強度が得られず、厚さが150μmより大きい場合には、フレキシブル性が損なわれ、また熱容量が大きくなって温度立ち上がり時間が長くなるからである。本実施の形態では、厚さ60μmのポリイミド樹脂からなるシート状部材を使用している。
導電性層61bは、電磁誘導加熱部材65が誘起する磁界により誘導発熱する層(発熱層)であり、鉄、コバルト、ニッケル、銅、アルミニウム、クロム等の金属層を1〜80μm程度の厚さで形成したものが用いられる。また、導電性層61bの材質および厚さは、電磁誘導による渦電流によって充分な発熱が得られる固有抵抗値を実現するように適宜選択される。ただし、定着ベルト61からの用紙Pの剥離性能を良好にするためには、定着ニップ出口部において、定着ベルト61に大きな曲率を与えて剥離させることが好ましく、そのため定着ベルト61にはフレキシビリティが求められる。例えば、鉄やニッケルなどは40〜50μm程度の厚さで発熱効率が良好であるが、定着ベルト61の剛性としては高くなってしまいフレキシビリティが損なわれてしまう。そこで、本実施の形態では、厚さ10μm程度の銅を使用しフレキシビリティを有するベルトにしている。
保護層61cは、定着ベルト61全体が曲げられた時に、その曲げの中立線上に導電性層61bが来るように調整するための層であり、保護層61cとして使用する材料の剛性によりその厚さが決定される。そのため材料としては耐熱性を有しており、導電性層61bと弾性層61dとの接着力が得られるものであれば良く、例えばポリイミドなどの樹脂やニッケルなどの金属が挙げられる。本実施例では、基層61a、導電性層61b、弾性層61d、表面離型層61eのそれぞれの剛性と厚さを考慮して、保護層61cとしては厚さが40μmのポリイミドを用いている。
弾性層61dは、厚さが10〜500μm、好ましくは50〜300μmであって、耐熱性、熱伝導性に優れたシリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等が用いられる。本実施の形態では、ゴム硬度15°(JIS−A:JIS−K A型試験機)、厚さ200μmのシリコーンゴムを使用している。
ところで、カラー画像を印刷する場合、特に写真画像等の印刷時には、用紙P上で大きな面積領域に亘ってベタ画像が形成されることが多い。そのため、用紙Pやトナー像の凹凸に定着ベルト61の表面(表面離型層61e)が追従できない場合には、トナー像に加熱ムラが発生して、伝熱量が多い部分と少ない部分とで定着画像に光沢ムラが発生する。すなわち、伝熱量が多い部分は光沢度が高く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低くなる。このような現象は、弾性層61dの厚さが10μmより小さい場合に生じ易い。そこで、弾性層61dの厚さは、10μm以上、より好ましくは50μm以上に設定するのが好ましい。一方、弾性層61dが500μmより大きい場合には、弾性層61dの熱抵抗が大きくなり、定着装置60のクイックスタート性能が低下する。そこで、弾性層61dの厚さは、500μm以下、より好ましくは300μm以下に設定するのが好ましい。
また、弾性層61dのゴム硬度としては、高すぎると用紙Pやトナー像の凹凸に追従しきれず定着画像に光沢ムラが発生し易い。そこで、弾性層61dのゴム硬度としては50゜(JIS−A:JIS−K A型試験機)以下、より好ましくは35゜以下が適している。
さらに、弾性層61dの熱伝導率λに関しては、λ=6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]が適している。熱伝導率λが6×10−4[cal/cm・sec・deg ]よりも小さい場合には熱抵抗が大きく、定着ベルト61の表層(表面離型層61e)における温度上昇が遅くなる。一方、熱伝導率λが2×10−3[cal/cm・sec・deg ]よりも大きい場合には、硬度が過度に高くなったり、圧縮永久歪みが悪化したりする。そのため、熱伝導率λは6×10−4〜2×10−3[cal/cm・sec・deg ]、より好ましくは8×10−4〜1.5×10−3[cal/cm・sec・deg ]に設定するのが好ましい。
また、表面離型層61eは、用紙P上に転写された未定着トナー像と直接的に接触する層であるため、離型性および耐熱性に優れた材料を使用する必要がある。したがって、表面離型層61eを構成する材料としては、例えばテトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等が好適に用いられる。
また、表面離型層61eの厚さは、5〜50μmが好ましい。表面離型層61eの厚さが5μmよりも小さい場合には、塗膜時に塗りムラが生じて離型性の悪い領域が形成されたり、耐久性が不足したりするといった問題が発生するからである。また、表面離型層61eが50μmを超える場合には、熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂系の材質で形成された表面離型層61eでは硬度が高くなりすぎ、弾性層61dが有する機能を低下させるからである。なお、本実施の形態では、厚さ30μmのPFAを使用している。
次に、加圧部材あるいはニップ形成部材の一つとしての加圧ロール62は、図3に示したように、芯材(コア)としての金属製の円筒状部材62aと、円筒状部材62aの表面にシリコーンゴム、発泡シリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂等の耐熱性を有する弾性層62bと、最外表面の表面離型層62cとで構成されている。そして、図2に示したように、加圧ロール62は、定着ベルト61の回転軸と平行に配設されるとともに、両端部がバネ部材68によって定着ベルト61側に付勢されて支持されている。本実施の形態では、直径が28mmの加圧ロール62を使用し、加圧ロール62は、定着動作時には、定着ベルト61を介して総荷重294N(30kgf)で押圧パッド63に付勢されている。そして、このような構成により、加圧ロール62は定着ベルト61の回動に従動して回転する。また、加圧ロール62には、例えばヒートパイプ等によって構成される温度均一化ロール72が回転可能に圧接配置されている。この温度均一化ロール72は、加圧ロール62に接触することで、温度が高い部位からは熱を奪い、また、温度が低い部位には熱を供給することで、加圧ロール62の軸方向の温度分布を均している。
押圧部材の一つとしての押圧パッド63は、その主たる部分はシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性材料で形成されており、SUSや鉄などからなるパッド支持板63aと一体で成型されている。押圧パッド63は、定着ベルト61の幅方向において、用紙Pが通過する領域(通紙域)よりもやや広い領域に亘って配設され、この押圧パッド63の長手方向の略全長に亘って加圧ロール62が押圧されるように構成されている。
図5は、押圧パッド63を説明するための図であり、図5(a)は押圧パッド63の斜視図を、図5(b)は用紙Pが通過する通紙域A1における押圧パッド63の断面図を、図5(c)は用紙Pが通過しない非通紙域A2における押圧パッド63の断面図を、それぞれ示している。
通紙域A1における押圧パッド63の断面形状は、図5(b)に示すように相対する加圧ロール62と同じ方向でかつ概略等しい半径の円弧であり、定着ニップ入口側に相当する部分よりも出口側に相当する部分の弾性層厚さが厚くなっている。一方、非通紙域A2における押圧パッド63の断面形状は、図5(c)に示すように定着ベルト61の形状に倣う円弧形状を有している。
この押圧パッド63は、定着ニップ形成時に、定着ベルト61を定着ニップ出口部において、所定の曲率となるように変形させる働きを有しており、用紙Pの良好な剥離性能を得るためには、その形状や硬度が重要である。したがって、押圧パッド63は経時でも形状や硬度が変化しないことが好ましく、材料としては、耐熱劣化特性に優れたものを選択するのが好ましい。この定着装置60では、液状シリコーンゴムで成型したゴム硬度30°(JIS−A)のパッドを使用している。またその形状はφ28mmである加圧ロール62の円弧と概略等しいR15の円弧を有し、定着ニップ入口側の厚さよりも出口側の厚さが約2.5mm高い形状となっている。
さらに後述するように、定着ベルト61の両端部には定着ベルト61内部に嵌合するギヤ付きのエンドキャップ部材66が挿入されることで、定着ベルト61を円形に保つ構成となっている。このため、押圧パッド63は、軸方向の両端部では定着ベルト61の内径にほぼ等しい形状となっており、定着ベルト61の通紙域A1における用紙Pの剥離に必要な断面形状(図3参照)から非通紙域A2の両端部における円形の断面形状(後述する図7参照)へと移行する変形を滑らかにするように構成されている。具体的には、定着ベルト61の導電性層61bに装置使用初期の段階からクラックが発生したり、ベルトが破損したりするのを防止するために、押圧パッド63の形状は図5(b)に示すように、軸方向で通紙域A1と非通紙域A2との境界近傍に置いて断面が滑らかに変化するような形状となっている。
また、押圧パッド63と定着ベルト61との間には、定着ニップ部Nにおける押圧パッド63と定着ベルト61との摺動性を向上するため、摺動性に優れ、耐摩耗性が高いポリイミドフィルムやフッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シート等からなる図示しない摺動シートが配設されている。さらに、定着ベルト61の内周面には潤滑剤が塗布されている。潤滑剤としては、アミノ変性シリコーンオイルやジメチルシリコーンオイル等が用いられる。これらにより、定着ベルト61と押圧パッド63との間の摩擦抵抗が小さくなり、定着ベルト61を円滑に回動させることを可能としている。
パッド支持部材64は、定着ベルト61の幅方向に軸線を有する棒状部材であり、両端部に軸部64aが突き出した形状で構成されている。そして、この軸部64aが定着装置60のフレーム69に固定されることで、パッド支持部材64がフレーム69に支持されている。また、定着ベルト61の両端部では、軸部64aの軸線回りにベアリングを介して後段で説明するエンドキャップ部材66が配設され、パッド支持部材64の軸部64aは、エンドキャップ部材66が装着された定着ベルト61を回転可能に支持している。
さらに、パッド支持部材64の加圧ロール62と対向する部分には押圧パッド63が取り付けられており、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧パッド63に作用する押圧力をパッド支持部材64によって負担している。そのため、パッド支持部材64を構成する材質としては、加圧ロール62から押圧力を受けた際の撓み量が所定のレベル以下、好ましくは1mm以下となる程度の剛性を有するものが用いられる。そのため、後述する電磁誘導加熱部材65による磁束の影響によって加熱されにくい必要をも考慮して、例えば、ガラス繊維入りPPS、フェノール、ポリイミド、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂、耐熱ガラス、固有抵抗が小さく誘導加熱の影響を受けにくいアルミニウム等の金属が用いられる。本実施の形態では、パッド支持部材64は、本体部分の断面形状が加圧ロール62からの押圧力方向に長軸を有する長方形で形成され、軸部64aの断面形状が略円形に形成されたアルミニウムで構成されている。
なお、パッド支持部材64は、加圧ロール62との間の押圧力により湾曲することを予め想定しておき、この湾曲による撓みを補正するように、押圧パッド63の定着ベルト61との接触面を、長手方向において中央部が最も加圧ロール62側に盛り上がった凸状に設定しておくことも効果的である。すなわち、パッド支持部材64が撓んだ状態で、押圧パッド63と定着ベルト61の内周面とが接触する面と、加圧ロール62と定着ベルト61の外周面とが接触する面とが略一直線となるように、押圧パッド63の定着ベルト61側の面形状を補正しておく。それにより、パッド支持部材64に湾曲が生じるような場合においても、定着ベルト61の両端部から通紙域に亘って回転中心軸が略一直線となるので、定着ベルト61の偏心による振れのない円滑な回動と、加圧ロール62と押圧パッド63との間の幅方向に亘る均一な加圧とを実現することが可能となる。
さらに、パッド支持部材64には、高透磁率の材質(例えば、フェライトやパーマロイ等)から構成され、電磁誘導加熱部材65による加熱効率を高めるためのフェライト部材67や、定着ベルト61の温度を検知する図示しない温度検知センサが固定されている。
次に、エンドキャップ部材66について述べる。図6(a)はエンドキャップ部材66の平面図であり、図6(b)は図6(a)のYY断面図である。図6に示すように、エンドキャップ部材66は、内径が略同一であり、外径が異なる円筒体を同軸に結合した部材であり、定着ベルト61の両側縁部(両端部)内側に挿入される固定部66aと、固定部66aより外径が大きく形成され、定着ベルト61に装着された際に定着ベルト61よりも半径方向に張り出すように形成されたつば部66dと、回転駆動力が伝達されるギヤ部66bと、内周面に配設され、パッド支持部材64の軸部64aに対して回転可能に結合されるベアリングからなる軸受部66cとを備えている。そして、エンドキャップ部材66は定着ベルト61の両端部に装着され、固定部66aの内側面(定着ベルト61の回転軸と直交する面)がパッド支持部材64の本体両端面と近接対向するように、パッド支持部材64の軸部64aに支持されている。
エンドキャップ部材66を構成する材質としては、機械的特性に優れ、耐熱性の高い所謂エンジニアリングプラスチックスが適している。例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂、それらにガラスやカーボンを含有させた樹脂等を選択することが出来る。
そして、両端部にエンドキャップ部材66が装着された定着ベルト61を用いる本実施の形態の定着装置60においては、図2に示すように、駆動モータ80からの回転駆動力が伝達ギヤ81,82を介してシャフト83に伝達され、シャフト83に結合された伝達ギヤ84,85からエンドキャップ部材66の両端部のギヤ部に伝達される。それによって、エンドキャップ部材66から定着ベルト61に回転駆動力が伝わり、エンドキャップ部材66と定着ベルト61とが一体となって回転駆動される。その際には、定着ベルト61の回転軸がパッド支持部材64の軸部64aの中心軸と一致しているため、定着ベルト61は軸部64aの中心軸周りに滑らかな回転動作を行う。なお、本実施の形態では、駆動モータ80、伝達ギヤ81,82、シャフト83、伝達ギヤ84,85、およびエンドキャップ部材66により駆動部材が構成されている。
ここで、図7は、図2におけるX2−X2断面図すなわち定着ベルト61の両端部(非通紙域A2に対応)の断面図を示している。なお、この部位では、図2からわかるように加圧ロール62の円筒状部材62aのみが存在するので、加熱ロール62を破線で示している。定着ベルト61の軸方向両端部では、エンドキャップ部材66が配設されることで定着ベルト61の両端部(非通紙域A2)の断面形状が円形を維持している。そして、押圧パッド63は、通紙域A1で用紙Pの剥離に必要な形状を定着ベルト61に与えるためのニップ出口側の弾性層厚さが厚くなった形状(図2参照)から、非通紙域A2に対応する定着ベルト61の内径と同形状のR形状を有するように滑らかに形状が変化している。これにより、通紙域A1から非通紙域A2を介し両端部に向かって定着ベルト61の形状は滑らかに変化する。したがって、定着ベルト61には座屈などが生じることなく、定着ベルト61は滑らかな回転運動を行う。
なお、図2は、通紙域A1に対応する定着装置60の断面図を、また、図7は非通紙域A2に対応する定着装置60の断面図を、それぞれ示しているということができる。
さらに、本実施の形態の定着装置60では、定着ベルト61の半径方向に関して、押圧パッド63の外周面(定着ベルト61の内周面と当接する面)の位置と、エンドキャップ部材66の固定部66aにおける外周面の位置とが略一致するように設定されている。すなわち、押圧パッド63の外周面と固定部66aの外周面とは略同じ平面内に位置するように設定している。それにより、定着ベルト61の回転軸の位置が定着ベルト61の両端部と通紙域A1とで略一致するように設定されるので、定着ベルト61の安定した回転を実現することが可能となる。
次に、電磁誘導加熱部材65について述べる。誘導加熱手段の一つとしての電磁誘導加熱部材65は、図3に示すように、定着ベルト61の幅方向に沿って、定着ベルト61の外周面形状に倣った曲面を定着ベルト61側に有する内側ボビン65aと、内側ボビン65aに支持された励磁コイル65bと、外側ボビン65cと、この励磁コイル65bに高周波電流を供給する励磁回路65dとで主要部が構成されている。
内側ボビン65aおよび外側ボビン65cは、絶縁性および耐熱性を有する材料からなり、例えば、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー樹脂等を用いることができる。また、励磁コイル65bとしては、例えば、耐熱性の絶縁材料(例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等)によって相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を複数本束ねたリッツ線を、長円形状や楕円形状、長方形状等の閉ループ状に複数回(例えば、11ターン)巻いたものが用いられる。そして、励磁コイル65bは接着剤によって固められることでその形状を維持しながら内側ボビン65aに固定されている。
また、励磁コイル65bと、定着ベルト61の導電性層61bとの間の距離は、可能な限り近接させて設置することが磁束の吸収効率を高めるために好ましいことから、これらの距離は5mm以内、例えば、2.5mm程度に設定されている。励磁コイル65bを保持する内側ボビン65aは、通常は電磁誘導の影響を受けない耐熱性の樹脂で作られているため、ある程度の剛性を持たせるために、その厚さは1mm程度必要である。すなわち、励磁コイル65bと定着ベルト61表面との距離を2.5mm程度に設定していても、その内側には内側ボビン65aが存在するため、内側ボビン65aの内面と定着ベルト61との表面距離は1.5mm程度しか開いていないことになる。
電磁誘導加熱部材65では、励磁回路65dから励磁コイル65bに高周波電流が供給されると、励磁コイル65bの周囲に磁束が生成消滅を繰り返す。ここで、高周波電流の周波数は、例えば10〜500kHzに設定されるが、本実施の形態では30kHzに設定している。励磁コイル65bからの磁束が定着ベルト61の導電性層61bを横切ると、定着ベルト61の導電性層61bにはその磁界の変化を妨げるような磁界が発生し、それによって導電性層61b内に渦電流が発生する。そして、導電性層61bでは、渦電流(I)によって導電性層61bの表皮抵抗(R)に比例したジュール熱(W=IR)が発生し、定着ベルト61は加熱されることとなる。
なお、その際には、定着ベルト61の温度は、図示しない温度検知センサでの計測値に基づいて、画像形成装置の制御部40が励磁コイル65bに供給する電力量または高周波電流の供給時間等を制御することにより、所定の温度に維持されている。
続いて、本実施の形態に係る定着装置60の動作について説明する。
図1に示す画像形成装置において、画像形成開始の信号が入力されると、定着装置60では、駆動モータ80が駆動されることによりエンドキャップ部材66に駆動力が伝わり、定着ベルト61は回転動作を開始する。ほぼ同時に、励磁回路65dを介して励磁コイル65bに高周波電流が流れ、定着ベルト61の導電性層61bに渦電流が流れて加熱が始まり、定着ベルト61が所定の温度まで加熱されると未定着トナー像を載せた用紙Pが定着ニップ部Nに突入し、熱と圧力により定着される。
このとき、定着ベルト61は、通紙域A1においては図3に示すように、定着ニップ出口部において押圧パッド63がニップ出口側に倒れることにより大きく変形し、用紙Pの定着ベルト61からの剥離が容易になるような構成となっている。また、定着ベルト61の両端部には定着ベルト61の内部に定着ベルト61に駆動を伝えるためのエンドキャップ部材66が嵌合されている。その結果、定着ベルト61は、図7に示すように両端部においては円形形状を保っている。
このように、軸方向で通紙域A1と両端部(非通紙域A2)とで定着ベルト61の断面形状が異なる。このため、定着ベルト61にかかる歪みを抑えて、定着ベルト61内部の導電性層61bにおけるクラックの発生および定着ベルト61の破損を防止するために、押圧パッド63は図5(b)に示すように、軸方向で通紙域A1と非通紙域A2との境界部から両端部にかけてその断面が滑らかに変化するような形状となっている。このような形状を有する押圧パッド63を使用することで、軸方向全域で通紙域A1と同じ断面形状の押圧パッドを使用した場合と比較すると、定着ベルト61の両端部に発生する歪みを図8に示すように低減することができる。なお、図8において、縦軸は定着ベルト61表面がどのレベルの変形を受けたかを歪みという指標で現したものであり、元の形状φ30を保っている場合の歪みがゼロ、定着ベルト61が凹む方向が圧縮歪み(マイナス側)、定着ベルト61が出っ張る側が引っ張り歪みで(プラス側)である。歪みの測定方法としては、歪みゲージを定着ベルト61の表面に貼りつけ、その歪みゲージが定着ニップ部Nを通過する際に定着ベルト61が変形するのとともに、定着ベルト61に貼り付けられた歪みゲージも変形し、歪みの値として定着ベルト61の変形を測定することができる。
図8から明らかなように、定着ベルト61では、軸方向両端部において大きな歪みが発生する。このような歪みの発生要因としては、例えば本実施の形態に係る定着装置では定着ベルト61の両端部にエンドキャップ部材66を装着し、駆動を行っていることが挙げられる。すなわち、定着ベルト61が剛体でないため、駆動によるストレスが、定着ベルト61の両端部にかかりやすいのである。また、他の歪みの発生要因としては、軸方向中央部(通紙域A1)と両端部(非通紙域A2)とで断面形状が異なる押圧パッド63を用いているために、特に通紙域A1と非通紙域A2との境界近傍において定着ベルト61に繰り返し曲げ力が働いていることも挙げられる。
定着ベルト61の周回動作に伴って定着ベルト61の両端部に歪みが繰り返し発生すると、この歪みの発生に伴ってこの部位の導電性層61bが金属疲労を起こし、微小なひびや割れが発生するおそれがある。そして、このようにして導電性層61bに微小なひびや割れが発生すると、これらひびや割れが徐々に成長していく。その結果、導電性層61bには変動磁界による渦電流が生じにくくなり、定着ベルト61の両端部側において加熱不十分による定着不良(コールドオフセット)が発生してしまう。
そこで、本実施の形態では、定着ベルト61の両端部における導電性層61bの状態(ひびや割れの状態)を検知すべく、図2及び図7に示すセンサコイル71を配設している。本実施の形態において、センサコイル71は定着ベルト61と所定のギャップをもって対向配置される。このセンサコイル71は、使用(定着ベルト61の回動)に伴って定着ベルト61の導電性層61bにひびや割れが生じ易くなる場所に設置するのが好ましく、本実施の形態では、図2および図7に示すように、定着ベルト61の軸方向一端部側であって定着ニップ部Nから90°の位置に配設されている。そして、本実施の形態では、センサコイル69が、定着ニップ部Nよりも上流側(定着ニップ入口側)であって、図5に示す押圧パッド63の非通紙域A2に対応する位置に取り付けられている。
図9は、センサコイル71を含む検知手段あるいはクラック検知部の一つとしてのセンサユニット90の構成を示している。本実施の形態において、コイル部材の一つとしてのセンサコイル71は、中空状のボビン71a、ボビン71aの外周面に巻き回される導線71bを有している。
ボビン71aは、φ10mmで長さ5mmの耐熱性樹脂で構成されている。また、導線71bは、ポリイミドで絶縁被覆が施されたφ1.6mmの銅線からなり、ボビン71aに単層で30ターン巻き回されている。そして、本実施の形態では、定着ベルト61の端部から20mm内側の位置にセンサコイル71を取り付けるとともに、定着ベルト61の表面とセンサコイル71との距離を1mmに設定している。なお、本実施の形態では、ボビン71aの中空状の開口が、定着ベルト61と対向するようにセンサコイル71が配設される。なお、本実施の形態では、円筒形状のボビン71aに導線71bを巻き回すことで、導線71bを螺旋状に形成しているが、これに限られるものではなく、例えば角形のコイルを構成するようにしてもよい。
また、センサユニット90は、センサコイル71の導線71bに高周波電流を供給する電源の一種としての高周波電源91、高周波電源91より導線71bに供給される電力の力率を計測する力率測定部92とを有している。本実施の形態において、高周波電源91は、定着動作が行われている間すなわち励磁コイル65bによる誘導加熱が行われている間、導線71bに周波数100kHzで実効値が9mA(負荷がない場合)の高周波電流を供給する。また力率測定部92は、計測した力率を制御手段としての制御部40に出力する。
そして、高周波電源91からセンサコイル71に高周波微電流が流されると、センサコイル71の空芯部には磁束が発生し、その磁束が相対する位置にある定着ベルト61の導電性層61bを貫くことで、導電性層61bには渦電流が流れる。その渦電流により発生した磁束がセンサコイル71の空芯部を貫くことで、センサコイル71に流れる電流と電圧との間に位相のズレθが生じる。この位相のズレθのCOSθが力率である。したがって、力率が大きいほど定着ベルト61は発熱しやすいことになる。一方、定着ベルト61の導電性層61bにクラックが入ると、その部分には渦電流が流れなくなり、力率は低下することになる。
定着ベルト61において、発熱層である導電性層61bのクラックは、歪みが大きい部分から発生し、徐々に歪みが小さい部分へと成長してくる。ここで、図10は、定着ベルト61の軸方向端部からの距離をパラメータとしたときの、定着枚数(Run枚数)とそのときにセンサコイル71に供給される電力の力率との関係を示すグラフ図である。
図10から明らかなように、イニシャル状態では、端部からの距離とは無関係に力率は0.16である。そして、定着ベルト61の端部5mmの位置では、定着動作(通紙)を開始してすぐにクラックが入り始め、力率が低下し始める。また、端部10mmの位置では100kpv(10万枚)を過ぎたあたりから力率が低下し始め、端部15mmの位置では250kpvを過ぎたあたりから力率が低下し始めている。さらに、端部20mmの位置では325kpvから力率が低下している。すなわち、上述した理由により定着ベルト61にかかる歪みが最も大きいベルト端部で発生したクラックは非通紙域A2から徐々に軸方向の通紙域A1に向けて成長してくるのである。このクラックが発生する枚数は、定着装置60の使われ方や、定着ベルト61や押圧パッド63などの製造時のバラツキにより異なってくる。
また、図11は、定着ベルト61におけるクラック発生量(発生長さ)をパラメータとしたときの、定着ベルト61の軸方向位置とその温度との関係を示すグラフ図である。本実施の形態において、定着ベルト61の幅(移動方向に直交する方向の長さ)は全長370mmである。そして、この画像形成装置において、最大サイズの用紙Pの通紙幅(最大用紙通紙域)は約300mm(A3SEF、A4LEFの場合に297mm)である。このため、定着ベルト61の軸方向両端部は、実際の定着動作では用紙Pに絶対接しないことになる。
図11に示すように、定着ベルト61におけるクラック発生領域がその軸方向端部から20mm以内(図中実線で示す)であれば、ウォームアップ終了時の軸方向の温度分布はイニシャルと同じ(0.15以上程度)であり、最大用紙通紙域の端部(通紙域A1と非通紙域A2との境界部に対応)でも定着動作に必要な150℃以上の表面温度を確保することができる。一方、定着ベルト61におけるクラック発生領域が端部30mmの位置にまで到達すると、非通紙域A2において渦電流が流れにくくなり、非通紙域A2が加熱されにくくなる結果、隣接する通紙域A1の端部の温度が低下してしまう。その結果、この状態で定着動作を行うと、所謂コールドオフセットが発生してしまう。
従来は、コールドオフセットが出たという問題が発生した時点で、定着装置60または定着ベルト61を交換するか、または実際の使われ方や製造上のバラツキなどを含めたときに、最初にクラックが出始める枚数を基準値として、その基準値をベースに、基準値未満から設定された所定の枚数のプリントアウトを行ったら定着ベルト61等を交換させるようにしていた。そのため、実際に故障していないのに無駄に交換されている定着装置60や定着ベルト61が多数あった。
そこで、本実施の形態では、定着ベルト61(導電性層61b)の状態によって、上記センサコイル71に供給される電力の力率が変わることに着目し、測定される力率の大きさに基づいて、定着ベルト61のライフを検知している。
では、図12に示すフローチャートを参照しつつ、定着ベルト61のライフ検知について説明する。
画像形成動作の開始に伴って定着動作が開始されると(ステップ101)、制御部40は、高周波電源91によるセンサコイル71への高周波電流の供給を開始する(ステップ102)。また、センサコイル71に高周波電流が供給されるのに伴い、センサコイル71に供給される電力の力率が力率測定部92によって計測され(ステップ103)、計測された力率が制御部40に出力される。次に、制御部40は、力率測定部92によって計測された力率が予め決められた許容値以上であるかを判断する(ステップ104)。ここで、力率が許容値以上であると判断した場合には、ステップ103に戻って定着動作を続行する。一方、ステップ104において、力率が許容値を下回っていると判断した場合には、定着装置60における定着動作を含む画像形成動作全体を停止し(ステップ105)、UI41に定着ベルト61の交換を促すメッセージを表示させる(ステップ106)。なお、制御部40では、センサコイル71に供給される電力の力率の許容値(本例では、例えば0.13が用いられる)を、図示しないROM等に格納している。
以上説明したように、本実施の形態では、センサコイル71を用いて、定着ベルト61の導電性層61bに生じるクラックを検知するようにした。そして、定着ベルト61にクラックがある程度発生し、しかも定着ベルト61の最大用紙通紙域の両端部における温度が低下する前の段階で、定着装置60および画像形成装置の動作を停止させるようにした。これにより、定着ベルト61の加熱不良に伴う定着不良(コールドオフセット)を抑えることができる。特に、本実施の形態では、中央部側の通紙域A1と両端部側の非通紙域A2とで押圧パッド63の形状が異なっているため、定着ベルト61の軸方向端部側にストレスがかかりやすい。さらに、本実施の形態では、定着ベルト61の軸方向両端部にエンドキャップ部材66を装着し、これらエンドキャップ部材66を介して定着ベルト61を駆動し、さらに定着ベルト61に従動させて加圧ロール62を回転させるように構成しているため、この点においても定着ベルト61の軸方向端部側にストレスがかかりやすい。したがって、本実施の形態で用いた手法は、このような押圧パッド63あるいは駆動系を有する定着装置60に対して、特に有効であるといえる。
また、本実施の形態では、定着ベルト61を電磁誘導加熱するために設けられた導電性層61bを利用し、導電性層61bとセンサコイル71との間に生じる磁気特性に基づいて定着ベルト61の導電性層61bに生じるクラックの状態を間接的に検知するようにした。特に、本実施の形態では、センサコイル71に高周波電流を流す際にセンサコイル71に供給される電力の力率を測定しているので、既にある導電性層61bを利用して、定着ベルト61におけるクラックの発生状態および定着ベルト61のライフをより正確に検知することが可能になる。
さらに、本実施の形態では、センサコイル71を、定着ベルト61の導電性層61bにクラックが最も生じやすい軸方向端部に対応する位置に設けるようにしたので、定着ベルト61のライフをより正確に検知することができる。特に、本実施の形態では、定着ベルト61のライフを検知するものとして、センサコイル71を定着ベルト61の端部から20mmの位置に設定した。このように構成することにより、定着ベルト61の端部20mmの位置にクラックが発生したことを検知することができ、この位置におけるクラックの発生を検知した時点でUI41に交換メッセージを出すなどして、定着装置60または定着ベルト61だけを交換するようにすれば、上述のコールドオフセットの発生を防止でき、かつ故障していない装置や部材を無駄に交換することをなくすことができる。
なお、本実施の形態では、定着動作中は常時コイルセンサ71による力率測定を行うようにしていたが、これに限られるものではなく、例えば所定のプリント枚数毎に力率測定を行って定着ベルト61のライフを検知するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、力率が許容値を下回った時点で画像形成動作および定着動作を直ちに停止させるようにしていたが、これに限られるものではなく、例えば力率が第一の許容値を下回った時点でUI41に例えば「まもなく交換時期です」というメッセージを表示させ、その後力率が第二の許容値を下回った時点で画像形成動作及び定着動作を緊急停止させるようにしてもよい。なおここで、第二の許容値は本実施の形態における許容値と同じ値(例えば0.13)に設定することができ、また、第一の許容値は第二の許容値よりもわずかに大きい値(例えば0.14)に設定することができる。
実施の形態が適用される画像形成装置の概略構成図である。 実施の形態に係る定着装置の構成を示す概略正面図である。 定着動作時における定着装置のX1−X1断面図(通紙域での断面図)である。 定着ベルトの層構成を示す断面図である。 (a)〜(c)は押圧パッドの形状を説明するための図である。 (a)、(b)はエンドキャップ部材の構造を示す図である。 定着動作時における定着装置のX2−X2断面図(非通紙域での断面図)である。 実施の形態に係る押圧パッドを用いた場合に、押圧パッドの軸方向各位置で定着ベルトに生じる歪みを示すグラフ図である。 (a)、(b)はセンサコイルの構成の一例を示す図である。 定着ベルトの軸方向端部からの距離をパラメータとしたときの、定着枚数(Run枚数)とそのときにセンサコイルに供給される電力の力率との関係を示すグラフ図である。 定着ベルトにおけるクラック発生量(発生長さ)をパラメータとしたときの、定着ベルトの軸方向位置とその温度との関係を示すグラフ図である。 定着ベルトのライフ検知処理の流れを説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1Y,1M,1C,1K…画像形成ユニット、10…一次転写部、20…二次転写部、40…制御部、41…UI(ユーザインタフェース)、50…用紙トレイ、60…定着装置、61…定着ベルト、61b…導電性層、62…加圧ロール、63…押圧パッド、64…パッド支持部材、65…電磁誘導加熱部材、65b…励磁コイル、66…エンドキャップ部材、71…センサコイル、80…駆動モータ、90…センサユニット、91…高周波電源、92…力率測定部、A1…通紙域、A2…非通紙域、N…定着ニップ部、P…用紙

Claims (6)

  1. 記録材上に形成された未定着画像を定着する定着装置であって、
    導電性層を有し回動可能に配設される無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に圧接配置される加圧部材と、
    前記導電性層を介して前記ベルト部材を誘導加熱する誘導加熱手段と、
    前記誘導加熱手段による誘導加熱に対する前記導電性層の性能低下を検知する検知手段と
    を含み、
    前記検知手段は、
    最大サイズの記録材の通紙域よりも外側で前記ベルト部材に対向配置されるセンサコイルと、
    前記センサコイルに高周波電流を供給する電源と、
    前記電源により前記センサコイルに前記高周波電流を流したときの電力の力率を測定する力率測定部と
    を有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記検知手段によって前記導電性層の性能低下が検知されたときに、前記ベルト部材及び前記加圧部材を用いた定着動作を停止させる制御手段をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 金属層を有し回動可能に配設される定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面に圧接することで、当該定着ベルトとの間に未定着画像を担持した記録材を挿通するための定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記定着ベルトの内側から前記ニップ形成部材に向けて当該定着ベルトを押圧し、前記定着ニップ部における当該定着ベルトの形状を変形させる押圧パッドと、
    前記定着ベルトの軸方向端部側であって当該定着ベルトを用いて定着可能な最大サイズの記録材の通紙域内の温度分布に影響を及ぼす部位の前記金属層におけるクラックの発生を検知するクラック検知部と
    を含む定着装置。
  4. 前記定着ベルトの軸方向両端部に嵌合し、当該定着ベルトを駆動するエンドキャップ部材をさらに含み、
    前記押圧パッドは、前記記録材が通過する軸方向中央部と当該記録材が通過しない軸方向両端部とで前記定着ベルトに当接する部位の形状が異なることを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  5. トナー像を形成するトナー像形成部と、
    前記トナー像形成部によって形成されたトナー像を記録材に転写する転写部と、
    前記転写部によって前記記録材上に転写されたトナー像を定着する定着部とを備え、
    前記定着部は、
    導電性層を有し回動可能に配設される無端状のベルト部材と、
    前記ベルト部材の外周面に圧接配置される加圧部材と、
    前記導電性層を介して前記ベルト部材を誘導加熱する誘導加熱手段と、
    前記誘導加熱手段による誘導加熱に対する前記導電性層の性能低下を検知する検知手段と
    を含み、
    前記検知手段は、
    最大サイズの記録材の通紙域よりも外側で前記ベルト部材に対向配置されるセンサコイルと、
    前記センサコイルに高周波電流を供給する電源と、
    前記電源により前記センサコイルに前記高周波電流を流したときの電力の力率を測定する力率測定部と
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. トナー像を形成するトナー像形成部と、
    前記トナー像形成部によって形成されたトナー像を記録材に転写する転写部と、
    前記転写部によって前記記録材上に転写されたトナー像を定着する定着部とを備え、
    前記定着部は、
    金属層を有し回動可能に配設される定着ベルトと、
    前記定着ベルトの外周面に圧接することで、当該定着ベルトとの間に未定着画像を担持した記録材を挿通するための定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記定着ベルトの内側から前記ニップ形成部材に向けて当該定着ベルトを押圧し、前記定着ニップ部における当該定着ベルトの形状を変形させる押圧パッドと、
    前記定着ベルトの軸方向端部側であって前記定着部で定着可能な最大サイズの記録材の通紙域内の温度分布に影響を及ぼす部位の前記金属層におけるクラックの発生を検知するクラック検知部と
    を含むことを特徴とする画像形成装置。
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