JP2018173536A - 画像形成装置 - Google Patents

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真人 吉岡
橋口 伸治
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伸治 橋口
良 鈴木
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良 鈴木
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【課題】定着装置起動時の、加熱部材回転前の通電発熱にて発生する熱応力の軽減とそれによる加熱部材変形の防止し得る画像形成装置を提供する。【解決手段】加熱体と、一方の面が前記加熱体と摺動し他方の面が記録材と接して共に移動する加熱部材と、前記加熱体の温度を検知する第1温度検知手段と、前記加熱体と前記加熱部材の摺動部以外の箇所で前記加熱部材の温度を検知する第2温度検知手段と、前記加熱部材を移動させる移動手段と、を備え、画像形成動作の開始時に、一定時間前記発熱体へ通電させると共に前記移動手段による前記加熱部材の移動を禁止し、前記一定時間の経過後に前記移動手段によって前記加熱部材の移動を開始するように制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、前記制御手段は、一定時間中における前記発熱体の制御条件を、前記第1温度検知手段による検知温度及び前記第2温度検知手段による検知温度に基づいて決定する。【選択図】図3

Description

本発明は、加熱部材としてフィルムやベルト等の加熱部材を用いる定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来から、画像形成装置の定着装置として、記録材に担持された未定着トナー像を記録材上へ定着させるフィルム加熱方式の定着装置が知られている。
例えば、特許文献1乃至4等に提案されたフィルム加熱定着装置では、通電発熱する加熱体と、この加熱体を内面へ密着させ回転移動する定着フィルムと、定着フィルムを介して加熱体へ当接し定着ニップを形成する加圧ローラを備えている。この定着ニップへ記録材を導入して、定着フィルム外面に記録材を密着させ加熱を行いつつ、定着ニップ内で定着フィルムと記録材を一緒に移動させ、記録材上のトナーを記録材上へ固定化する形態である。
ここで、加熱体は、支持体により支持・固定されて定着フィルム内面に密着しているので、定着フィルムの回転移動に際して、加熱体と定着フィルム内面の接触部の摩擦力を大きくして回転移動の抵抗となってしまう。こうした摩擦力の低減を目的とし、加熱体表面と定着フィルム内面の間に、耐熱性の潤滑剤を塗布されている。潤滑剤は、耐熱性と粘性の面から主にフッ素系潤滑グリース等が採用されている。
一方で、画像形成装置を長時間使用せず、加熱体の温度が画像形成装置の設置環境の温度に近づくと、潤滑剤の粘度を上昇させ、上記摩擦力の低減効果を損なってしまう。例えば、上記フッ素系潤滑グリースの粘度は、画像形成装置の動作時に対し20℃付近では約3倍程度に上昇する。また環境温度がさらに低温の場合には、潤滑剤の粘度上昇もさらに大きくなる。
こうした問題を解決するため本出願人は、定着装置の起動前、より具体的には定着フィルムを回転移動させる前に、加熱体の通電発熱を開始し潤滑剤の粘度を低下させてから、定着フィルムの回転移動を開始する手法を提案している(特許文献5、6参照)。
特許第2516886号公報 特許第2646444号公報 特許第2884714号公報 特許第2900604号公報 特許第2714201号公報 特許第3265853号公報
しかし、上記した特許文献5、6に記載のように、定着装置の起動前の加熱について、以下のような問題を発生する場合がある。
定着フィルムは、ポリイミドやポリアミド等から成る耐熱性樹脂の薄膜またはステンレスやニッケル合金等から成る薄膜金属を基層とし、最表面にフッ素樹脂等から成る離型性を備えた表層、また必要に応じてそれら基層と表層の間に中間層を備えた形態である。
一方、定着装置の起動前加熱では、定着フィルムの回転移動方向で、加熱体と接触する部分のみ加熱されるため、非接触部分との温度勾配を大きくし熱応力を生じる。例えば画像形成装置が10℃環境にあって、定着フィルムも環境温度まで冷却されている場合に、起動前加熱を100℃で行うと、温度差=100−10=90℃になる。熱応力は式;『
線膨張係数×ヤング率×温度差』であるため、線膨張係数やヤング率の大きい基層の定着フィルムで、温度差の大きい起動前加熱を行うと、特に大きい熱応力を発生する。
一例としてポリイミドを基層に用いた場合、熱応力=線膨張係数(約2.7E−5;/℃)×ヤング率(約3.4E+3;N/mm^2)×温度差(90;℃)=8.26N/mm^2であるが、基層としてSUS304を用いた場合、熱応力=線膨張係数(約1.7E−5;/℃)×ヤング率(約2.0E+5;N/mm^2)×温度差(90;℃)=306N/mm^2であって、ポリイミドを基層の定着フィルムより大きな熱応力を発生する。
こうした熱応力の大きい特性を持つ材料を定着フィルムの基層に用いた場合、上記のような起動前の加熱時に熱応力による圧縮変形を起こす。具体的には温度差の大きい部分で、基層が定着フィルム外面や内面に向かって変形し、定着フィルム表面を凹凸にする。こうした凹凸は画像不良や定着フィルムの破損原因となり、好ましくない。
本発明の目的は、定着装置起動時の加熱部材回転前の通電発熱にて発生する熱応力の軽減と、それによる加熱部材の変形を防止し得る画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、
記録材上に形成された未定着トナー像を前記記録材上へ固定化する定着装置を備えた画像形成装置であって、
前記定着装置は、通電によって発熱する発熱体を備えた加熱体と、一方の面が前記加熱体と摺動し他方の面が記録材と接して共に移動する加熱部材と、前記加熱体の温度を検知する第1温度検知手段と、前記加熱体と前記加熱部材の摺動部以外の箇所で前記加熱部材の温度を検知する第2温度検知手段と、前記加熱部材を移動させる移動手段と、を備え、
画像形成動作の開始時に、一定時間前記発熱体へ通電させると共に前記移動手段による前記加熱部材の移動を禁止し、前記一定時間の経過後に前記移動手段によって前記加熱部材の移動を開始するように制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、
前記制御手段は、一定時間中における前記発熱体の発熱条件を、前記第1温度検知手段による検知温度及び前記第2温度検知手段による検知温度に基づいて決定することを特徴とする。
本発明によれば、定着装置起動時の加熱部材回転前の通電発熱にて発生する熱応力の軽減と、それによる加熱部材の変形を防止することができる。
実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す図である。 実施例1に係る定着装置の概略構成を示す図である。 実施例1に係る定着装置起動時の制御の流れを示すフローチャートである。 実施例1の定着装置起動時の温度変化を比較例と比較して示す図である。 実施例2に係る定着装置起動時の制御の流れを示すフローチャートである。 実施例2の定着装置起動時の温度変化を実施例1と比較して示す図である。 実施例3に係る定着装置起動時の制御の流れを示すフローチャートである。 実施例3の定着装置起動時の温度変化を示す図である。
以下に本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は、本発明の実施例1に係る画像形成装置の一例の概略構成を示している。この画像形成装置は、電子写真方式を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色のトナー像を重ね合わせることでフルカラー画像を得る、フルカラーレーザープリンタである。
本実施例に示す画像形成装置は、記録材Pの搬送系30と、略直線状に水平方向へ配列されている4つの画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kと、定着装置20と、制御手段としての制御部50と、画像形成装置に接続された不図示のホストコンピュータやイメージスキャナより送信される画像データから、画像形成用の画像信号を形成するビデオコントローラ51と、を有する。制御部50は、ROMやRAMなどのメモリとCPUとからなる。メモリには、記録材P上に画像を形成するための画像形成制御シーケンスや、本発明に係る定着装置20の定着温度制御などが記憶されている。
4つの画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kのうち、31Yはイエロー(以下Yと略記)色の画像を形成するイエロー画像形成ステーションである。31Cはシアン(以下Cと略記)色の画像を形成するシアン画像形成ステーションである。31Mはマゼンタ(以下Mと略記)色の画像を形成するマゼンタ画像形成ステーションである。31Kはブラック(以下Kと略記)色の画像を形成するブラック画像形成ステーションである。
各画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kは、ドラム型の像担持体としての電子写真感光体(以下、感光体ドラムと記す)1Y,1M,1C,1Kと、帯電手段としての帯電ローラ3Y,3M,3C,3Kを有している。また、各画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kは、現像手段としての現像装置2Y,2M,2C,2Kと、クリーニング手段としてのクリーニング器4Y,4M,4C,4Kを有している。
感光体ドラム1Yと帯電ローラ3Yと現像装置2Yとクリーニング器4Yは1つのフレーム(枠体)に収納されてイエローカートリッジYとして構成されている。また、感光体ドラム1Mと帯電ローラ3Mと現像装置2Mとクリーニング器4Mも1つのフレーム(枠体)に収納されてマゼンタカートリッジMとして構成されている。また、感光体ドラム1Cと帯電ローラ3Cと現像装置2Cとクリーニング器4Cも1つのフレーム(枠体)に収納されてシアンカートリッジCとして構成されている。また、感光体ドラム1Kと帯電ローラ3Kと現像装置2Kとクリーニング器4Kも1つのフレーム(枠体)に収納されてブラックカートリッジKとして構成されている。そして、イエローカートリッジYの現像装置2Yにはイエロートナーが、マゼンタカートリッジMの現像装置2Mにはマゼンタトナーが、それぞれ収納されている。また、シアンカートリッジCの現像装置2Cにはシアントナーが、ブラックカートリッジKの現像装置2Kにはブラックトナーが、それぞれ収納されている。
5は露光手段としてのレーザー走査露光装置(以下、露光装置と記す)である。この露光装置5は、各カートリッジY,M,C,Kと対応して設けられ、対応する各カートリッジY,M,C,Kの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに露光を行なうことによって静電潜像を形成する。
6はエンドレスベルト状の像担持体としての中間転写ベルト(中間転写体)である。中間転写ベルト6は、画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kの配列方向に沿って設けられている。この中間転写ベルト6は、駆動ローラ7とテンションローラ8と2次転写対向ローラ14の3つのローラに張架されている。そしてその中間転写ベルト6は、駆動ローラ7の駆動により各画像形成ステーション31Y,31M,31C,31Kの感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kに沿って矢印方向に周回移動する。
中間転写ベルト6の外周面(表面)に感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面のトナー像を転写する1次転写手段としては、1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kを用いている。1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kは、中間転写ベルト6を挟んで感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと対向するように配設されている。
15は中間転写ベルト6用のクリーニング手段としてのブレード状のベルトクリーニング部材である。ベルトクリーニング部材15は駆動ローラ7に対向するように設けられている。
記録材Pの搬送手段としては、給紙ローラ61と、搬送ローラ17と、レジストローラ12と、排出ローラ24などを有する。
また、本実施例の画像形成装置は、記録材供給部としての記録材カセット60を備え、記録材カセット60には記録材Pを画像形成装置内に導入するための給紙ローラ61を備えており、記録材Pは記録材導入路62を搬送ローラ17によって搬送され、レジストローラ12に向かって導入される。
ビデオコントローラ51は、ホストコンピュータ等の外部装置(不図示)から画像データを受信すると、制御部50にプリント信号を送信するとともに受信した画像データをビットマップデータに変換する。なお本実施例の画像形成装置の画素数は600dpiであり、ビデオコントローラ51はそれに応じたビットマップデータを作成する。プリント信号を受信した制御部50は画像形成制御シーケンスを実行する。
画像形成制御シーケンスが実行されると、まず、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kを矢印方向に回転し、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの外周面(表面)を帯電ローラ3Y,3M,3C,3Kにより所定の極性・電位に一様に帯電する。本実施例では、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面は負極性に帯電される。そして、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面の帯電面に対し、露光装置5よりビットマップデータ由来の画像信号に応じたレーザー光を走査露光する。これにより、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面の帯電面に、画像データに応じた静電潜像が形成される。
現像装置2Y,2M,2C,2Kは、それぞれ、現像バイアス電源(不図示)より現像ローラ21Y,21M,21C,21Kに印加される現像バイアスを、帯電電位と潜像(露光部)電位の間の適切な値に設定することで、負極性に帯電されたトナーを得る。そして、負極性に帯電されたトナーが、現像ローラ21Y,21M,21C,21Kから感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面の静電潜像に選択的に付着されることにより、静電潜像の現像が行われる。
各現像装置2Y,2M,2C,2Kによって感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面に現像された単色トナー画像は、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kの回転と同期して、略等速で回転する中間転写ベルト6の外周面(表面)へ転写される。即ち、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Kと対応する1次転写ローラ9Y,9M,9C,9Kに対して、第1の転写バイアス電源V1Y,V1M,V1C,V1Kより、トナーと逆極性の正極性の転写バイアスが印加される。これにより、感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面から各色のトナー画像が、中間転写ベルト6表面に重なるように1次転写される。これによって、中間転写ベルト6表面にカラートナー画像が担持される。
トナー画像の1次転写後に感光体ドラム1Y,1M,1C,1K表面に残った転写残トナーは、クリーニング器4Y,4M,4C,4Kに設けられているクリーニング部材41Y,41M,41C,41Kにより除去される。クリーニング部材41Y,41M,41C,41Kによって除去された転写残トナーは、クリーニング器4Y,4M,4C,4Kの廃トナー容器に回収される。本実施例においては、クリーニング部材41Y,41M,41C,41Kとして、ウレタンブレードにより作製したクリーニングブレードを用いている。
上記のように、帯電ローラによる帯電工程と、露光装置による露光工程と、現像器による現像工程と、一次転写ローラ9による一次転写工程を中間転写ベルト6の回転に同調して、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して行う。これによって、中間転写ベルト6表面に各色のトナー画像を順次重ねて形成していく。即ち、中間転写ベルト6は、記録材Pに形成すべきカラー画像の未定着トナー像を担持する。
一方、記録材カセット60にセットされている記録材Pは、給紙ローラ61により給紙
され、搬送ローラ17により記録材導入路62を通ってレジストローラ12に搬送される。
レジストローラ12に搬送された記録材Pは、レジストローラ12の直後に設けられているトップセンサTSにより先端が検知される。レジストローラ12は、トップセンサTSによる記録材P先端の検知に応じて中間転写ベルト6表面の画像位置とタイミングを合わせ、記録材Pを中間転写ベルト6と2次転写手段としての2次転写ローラ13との間の転写ニップ部Tnに搬送する。転写ニップ部Tnは、2次転写ローラ13を2次転写対向ローラ14と対向する位置で中間転写ベルト6表面に接触させるように配置することによって、中間転写ベルト6と2次転写ローラ13との間に形成されている。本実施例の画像形成装置における記録材Pの搬送速度は180mm/秒である。
中間転写ベルト6表面上に担持されたカラートナー画像は、2次転写ローラ13に、第2の転写バイアス電源V2より、トナーと逆極性のバイアスが印加されることによって記録材P上に一括転写(2次転写)される。
記録材P上に転写されたカラートナー画像は、定着手段としての定着装置20の定着ニップNに導入され、熱と圧力を受けることによって記録材P上に加熱定着される。定着装置20の定着ニップNを出た記録材Pは、排出ローラ24により排出トレイ25上に排出される。
カラートナー画像の転写後に中間転写ベルト6表面に残った転写残トナーは、ベルトクリーニング部材15により除去される。そのベルトクリーニング部材15でクリーニングされた転写残トナーは、廃トナー容器16に回収される。本実施例においては、クリーニング部材として、ウレタンブレードにより作製したクリーニングブレードを用いている。
(2)定着装置
次に、上記定着装置について説明する。
図2は、定着装置20の一例の横断側面模式図である。この定着装置20は、フィルム方式の定着装置である。以下の説明において、定着装置及びこの定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である。短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。
定着装置20は、加熱体としてのヒータ21と、加熱部材としての可撓性の定着フィルム22及び加圧ローラ23と、を有する。ヒータ21と、定着フィルム22と、加圧ローラ23は何れも長手方向に細長い部材である。
定着フィルム22に内包されるヒータホルダ26は、半円状の形状をした液晶ポリマーなどの耐熱性樹脂からなり、ヒータ21及び温度検知手段としてのサーミスタTh1を保持している。また、ヒータホルダ26は定着フィルム22のガイドも兼ねている。
定着フィルム22は金属製の円筒形状の基層22aを有しており、本実施例の基層22aはSUS304から成って30μmの厚みである。また、定着フィルム22の内径はφ24である。基層22aの外周面上には、シリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴムを薄肉に形成した弾性層22bが形成されており、本実施例の弾性層22bは、シリコーンゴムから成り、300μmの厚みを有する。さらに、その弾性層22bの外周面上には、離型性に優れた性能を示すポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシテトラフルオロエチレン共重合体(PFA)よりなる離型層22cが形成されている。
定着フィルム22の内のヒータ21は、アルミナや窒化アルミなどの基材上に銀ペーストなどからなる発熱体(不図示)を備える。このヒータ21に対して不図示の電源から通電して発熱させ、基層22a、弾性層22b、離型層22cを介して定着フィルム22の外周面(表面)を加熱する。
ヒータ21の定着フィルム22との摺動面間には、摩擦力低下を目的として耐熱性潤滑剤(不図示)が塗布されており、またヒータ21に密着する定着フィルム22内面にも、自ずから耐熱性潤滑剤を塗布される。本実施例の耐熱性潤滑剤はフッ素系オイルにPFA
など分散させたグリースである。なお本グリースの粘度は、10℃条件で5.5kg・cmであり100℃条件で3.0kg・cmであった。
加圧ローラ23は、アルミニウムやステンレス製の丸軸状の芯金23aを有する。この芯金23aの外周面上にはシリコーンゴムや発泡シリコーンゴム等を厚肉に形成した弾性層23bが形成されている。さらにその弾性層23bの外周面上には最外層としてPTFEやPFAよりなる離型層23cが形成されている。なお加圧ローラ23の外径はφ25である。この加圧ローラ23は、定着フィルム22に対して略並行に配設され芯金23aの長手方向両端部を装置フレームに回転自在に保持させている。そして加圧ローラ23は、加圧ローラ23の芯金23aの長手方向両端部を加圧バネなどの加圧手段(不図示)により定着フィルム22の軸方向へ付勢して加圧ローラ23の外周面(表面)を定着フィルム22表面に加圧状態に接触させている。その加圧ローラ23は、加圧手段による加圧力により弾性層23bが定着フィルム22表面の長手方向に沿って弾性変形し加圧ローラ23表面と定着フィルム22表面との間に所定幅のニップ部(定着ニップ)Nを形成している。
(3)定着装置の加熱定着動作
制御部50は、プリント信号の入力に応じて、駆動源としての定着モータMoにより加圧ローラ23の芯金23aの一端部に設けられている駆動ギア(不図示)を回転駆動し、加圧ローラ23を矢印方向へ回転する。この加圧ローラ23の回転により、定着ニップNにおいて加圧ローラ23表面と定着フィルム22表面との摩擦力により定着フィルム22に回転力が作用する。その回転力により定着フィルム22は矢印方向へ加圧ローラ23と略同じ周速度で従動回転する。すなわち本実施例における定着フィルム22の移動手段は、加圧ローラ23を駆動する定着モータMoである。
また、制御部50は、通電制御手段としてのトライアック(不図示)をオンする。これにより電源(不図示)からヒータ21の発熱体に対して通電される。ヒータ21の発熱体は通電されることにより発熱し、定着フィルム22の基層22aを加熱する。この基層22aの熱、が弾性層22bを通じて離型層22cに伝わることによって、定着フィルム22表面は昇温する。ヒータ21の温度は、ヒータ21の裏面に接触して配された第1温度検知手段である第1サーミスタTh1により検知される。制御部50は、第1サーミスタTh1の出力信号(温度検知信号)を取り込み、その出力信号に基づいてトライアックによりヒータ21に通電する電力を制御し、ヒータ21裏面の温度を所定の定着温度Tに維持する。
ヒータ21の裏面温度が定着温度Tに維持され、かつ加圧ローラ23の回転による定着フィルム22の回転周速度が定常化した状態において、未定着のカラートナー画像Zを担持する記録材Pが定着ニップNに導入される。そして、記録材Pが定着ニップNで定着フィルム22表面と加圧ローラ23表面とにより挟持搬送され、定着フィルム22表面の熱と定着ニップNの圧力を受けることによって、カラートナー画像Zが記録材P上に加熱定着される。すなわち、定着フィルム22の一方の面がヒータ21と摺動し、他方の面が記録材Pと接して共に移動する。
なお、本実施例の定着装置20には、定着フィルム22の内面で、摺動部である定着ニップN以外の箇所(摺動部以外の箇所)、この例では、摺動部定着ニップNの定着フィル
ム22周回方向である移動方向の下流に所定距離だけ離れた位置に、定着フィルム22の温度を検知する第2温度検知手段としての第2サーミスタTh2を備える。より詳細には、第2サーミスタTh2は、定着ニップNの下流端から定着フィルム22の周方向下流に1
0mm離れた位置に設けられている。第2サーミスタTh2を利用方法は、下記(4)に説明する。
(4)定着装置の起動動作
以下に、本実施例の画像形成装置の特徴とする、定着装置20の画像形成動作の開始時の起動動作を、図3のフローチャートに基づいて説明する。
制御の前提として、一定時間、ヒータ21へ通電させると共に定着フィルム22の移動を禁止し、一定時間経過後に定着フィルム22の駆動を開始するように制御される。すなわち、起動時の加熱部材回転前の一定時間中ヒータ21への通電加熱の制御である。
画像形成装置がプリント信号(画像形成動作の開始時)を受信すると、定着装置20の起動動作をスタートE1する。
このとき、ヒータ21裏面の第1サーミスタTh1の検知温度NT1が100℃以上である場合、そのまま定着モータMoを駆動させる(E2からE8)。
一方、第1サーミスタTh1の検知温度NTが100℃未満である場合、定着フィルム22内面に備えた第2サーミスタTh2の検知温度ST1を取得する(E3)。制御部50は、この第2サーミスタTh2の検知温度ST1に基づき、E5に示す表より、定着モータMoの駆動前温調中の、ヒータ21への投入電力EP1を決定する(E4)。
表には、第2サーミスタTh2による検知温度ST1の段階に応じた投入電力が予めデー
タとして記憶されており、第2サーミスタTh2の検知温度ST1に基づいて記憶された表のデータから、対応する投入電力EP1を決定する。 E4にて決定した電力EP1値を用いて
ヒータ21の発熱を開始させ(E6)、第1サーミスタTh1の検知温度NT1が100℃未満の範囲では、定着モータMoの駆動を行わないままヒータ21の発熱を続ける(E7)。
検知温度NT1が100℃以上になった場合、定着モータMoの駆動を開始し(E8)、画像形成中の動作へ続く(E9)。
本実施例1の、ここまでのフローチャートの制御の趣旨を、図4を参照し、比較例と比較して説明する。
図4は、定着モータMoの駆動前の温度制御中における、第1サーミスタTh1の検知温度NT1と第2サーミスタTh2の検知温度ST1の時間推移を示すものである。なお、図4に示す比較例の画像形成装置は、本実施例1の画像形成装置及び定着装置20と同じ構成であって、温度制御のみが異なるものである。従って、比較例における第2サーミスタTh2の検知温度STは、定着フィルム22の温度を示しているのみであって、特に機能を持っているわけではない。
画像形成装置が10℃環境にあって定着装置20を十分冷却された場合、第1サーミスタTh1の検知温度NTと第2サーミスタTh2の検知温度STは、環境温度と同じ温度を検知する。第1サーミスタTh1はヒータ21に接しており、ヒータ21は潤滑剤を介して定着フィルム22に接しているので、第1サーミスタTh1の検知温度NTは、潤滑剤の粘度を推測するパラメータとなる。比較例では、潤滑剤の粘度低下を目的とし、定着モータMoを駆動させずにヒータ21の発熱を開始させ、第1サーミスタTh1の検知温度NT=100℃を目標に電力投入する。このときの電力投入は、画像形成装置の投入可能最大値で行われ、例えば、比較例の画像形成装置では750Wになる。750W投入時、比較例では、1.5秒で第1サーミスタTh1の検知温度NTが100℃に到達するが、定着ニップN外の定着フィルム22は、ヒータ21による直接加熱を受けず、定着フィルム22内部の伝熱のみで昇温するため、第2サーミスタTh2の検知温度STは15℃で
あった。すなわち、定着フィルム22の周上において、定着ニップN位置の定着フィルム22部分と、定着ニップN外で下流位置にある定着フィルム22部分の間で、温度勾配が大きくなり(温度差100℃―10℃=90℃)、熱応力を発生する。この条件下で、本比較例の定着フィルム22は、その内面に向かって凹変形を発生した。
一方、本実施例の画像形成装置において、第2サーミスタTh2は定着フィルム22内面に接しているので、第2サーミスタTh2の検知温度ST1は、前ジョブの余熱や環境温度による冷却などになる定着フィルム22基層の温度を把握している。したがって、第1サーミスタTh1の検知温度NT1との比較によって、起動前加熱によって生じる温度差を推測するパラメータとなる。
本実施例1の画像形成装置では、第2サーミスタTh2の検知温度ST1に応じて、ヒ
ータ21の発熱体への投入電力NP1を、図3のE5に示す表のように変更するため、例えば本条件のように、第2サーミスタTh2が15℃以下の温度を検知した場合、投入可能
最大値の半分以下である300Wを投入電力に選択する。その結果、図4に示すように、検知温度NT1の昇温は従来例に比べ緩やかになる。
一方、検知温度ST1の昇温も従来例に比べ緩やかになるものの、検知温度NT1の目標温度(100℃)へ到達する時間が従来例より遅くなる(5.0秒)ため、検知温度NT1の目標温度到達時に、検知温度ST1は比較例より高い温度(40℃)になる。すなわち、本実施例においては、定着ニップN位置の定着フィルム22の部分と、定着ニップN外で下流位置にある定着フィルム22の検知部分の間で温度勾配が小さく(温度差100℃―40℃=60℃)、熱応力を306N/mm^2から204N/mm^2(=1.7E−5×2.0E+5×60℃)と約2/3へ減少できる。この条件下で本実施例の定着フィルム22は変形を生じなかった。
なお、本実施例のように、投入電力NP1を小さくし、第1サーミスタTh1に検知されるヒータ21の昇温を緩やかにしても、定着ニップN外にある定着フィルム22の検知部の昇温は、定着ニップN内にある定着フィルム22部より遅いことに変わりない。従って、図3のE5に示す検知温度ST1毎の投入電力NP1設定は、ヒータ21の昇温特性と定着フィルム22の昇温特性に合わせ、熱応力の発生を最小とするように設定するものである。
以上のように、本実施例の画像形成装置は、定着装置20の起動時における、潤滑剤の粘度低下を目的とした温度制御において、定着ニップNに接するヒータ21の温度を上記粘度低下から求められる温度に向かって制御を行う。一方で、定着ニップN外にある第2サーミスタの検知温度ST1から、ヒータ21への投入電力を制御し、定着ニップN内外の定着フィルム22の昇温を行いつつ温度勾配を小さくして、熱応力による定着フィルム22の変形を防止することができる。
[実施例2]
次に本発明の実施例2について説明する。
本実施例2の画像形成装置及び定着装置20の構成は、実施例1と同様で、定着装置20起動時の制御方法のみ異なるので、以下、定着装置20の画像形成開始時の起動動作について、図5のフローチャートを参照して説明する。
図5中、F1〜F7までステップは、図3中、E1〜E7のステップと同じである。F7にて、第1サーミスタTh1の検知温度NT2が100℃未満の場合、第2サーミスタの検知温度ST2を再度確認、すなわち再検知する(F8)。再検知された第1サーミスタTh1の検知温度NT2と第2サーミスタTh2の検知温度ST2の温度差ΔTを算出し、そのΔTから、F10に示す表に基づいて、ヒータ21の発熱体に投入電力を求め、F4にて決定した投入電力EP2から投入電力EP3に変更する(F9)。
すなわち、起動時の移動停止中の一定時間内において、第1サーミスタTh1による検知温度NT2が目標とする温度未満の場合、第2サーミスタTh2によって定着フィルムの温度を再検知する。そして、第1サーミスタTh1の再検知温度NT2と第2サーミスタTh2の再検知温度ST2との温度差ΔTを算出する。この算出された温度差ΔTと、予めF10に示される表の、記憶された温度差と投入電力との関係から、投入電力を温度差ΔTに対応する投入電力EP3に変更する。
このステップF7〜F9のサイクルを繰り返して投入電力EP3を更新しながら、第1サーミスタTh1の再検知温度NT2を100℃以上とするまで、ヒータ21の発熱を続ける。このように、投入電力EP3を制御し、温度差ΔTが、熱応力によって破損しない所定温度内になるように、投入電力EP3を制御する。
検知温度NT2が100℃以上になった場合、定着モータMoの駆動を開始し(F11)、画像形成中の動作へ続く(F12)。
本実施例2の画像形成装置は、実施例1の画像形成装置と異なり、定着装置20起動時の制御中に、定着ニップN外位置の定着フィルム22部分の温度の監視を続け、その昇温
状況に応じて投入電力を変更する。
次に、本実施例2と実施例1の比較を説明する。
図6に示すグラフは、図4と同様に、定着モータMo駆動前の温度制御中における、第1サーミスタTh1の検知温度NT2と第2サーミスタTh2の検知温度ST2の時間推移を示すものである。図6(a)は、検知温度NT2と検知温度ST2の温度差を大きい方向へ推移したため、投入電力を小さくした場合の例である。一方、図6(b)は、検知温度NT2と検知温度ST2の温度差を小さい方向へ推移したため、投入電力を大きくした場合の例である。
例えば、図6(a)の例は、定着装置20の起動前加熱時における、定着フィルム22の昇温が想定したより遅く、定着ニップN内外の温度差を大きくする例である。この場合、実施例1の画像形成装置と異なり、本実施例2の画像形成装置は、投入電力NP3を小さい方向へ変更する。したがって、定着ニップN部の昇温をより遅い昇温特性とし、定着ニップN内外の温度差を定着フィルム22の変形の発生しない範囲に留めることができる。この場合、定着装置20の起動前加熱時間は、図6(a)に示すように、5.0秒から7.0秒に延長される。
一方、図6(b)の例は、定着装置20の起動前加熱時における、定着フィルム22の昇温が想定したより早く、定着ニップN内外の温度差を、定着フィルム22の変形の発生しない範囲に十分留めることができる場合である。この場合、実施例1の画像形成装置と異なり、本実施例の画像形成装置は、投入電力NP3を大きい方向へ変更し、定着ニップN部の昇温をより速い昇温特性とし、定着装置20の起動前加熱時間を短縮できる。図6(b)に示す例では、5.0秒から3.5秒に短縮される。
[実施例3]
次に、本発明の実施例3について説明する。
本実施例3についても、画像形成装置及び定着装置の構成は、実施例1及び実施例2と同様であり、定着装置20起動時の制御条件が異なるのみなので、以下、定着装置20の画像形成開始時の起動動作について、図7のフローチャートを参照して説明する。
画像形成装置がプリント信号を受信すると、定着装置20の起動動作をスタートG1する。
このとき、ヒータ21裏面の第1サーミスタTh1の検知温度NT3が100℃以上である場合、そのまま定着モータMoを駆動させる(G2からG6)。
一方、第1サーミスタTh1の検知温度NT3が100℃未満の場合、定着フィルム22内面に備えた第2サーミスタTh2の検知温度ST3を取得する(G3)。検知温度ST3が40℃以上の場合、制御部50はヒータの目標温度TTを100℃に設定し(G4)、第1サーミスタTh1の検知温度NT3を100℃とするよう発熱体への通電を開始する。第1サーミスタTh1の検知温度NT3が100℃未満の範囲では、定着モータMoの駆動を行わないままヒータ21の発熱を続け(G5)、検知温度NT3が100℃以上になった場合、定着モータMoの駆動を開始し(G6)、画像形成中の動作へ続く(G7)。
G3にて、検知温度ST3を40℃未満の場合、G8にて検知温度ST3は25℃以上であるか判定する。25℃以上の場合、制御部50はヒータの目標温度TTを80℃に設定し(G9)、第1サーミスタTh1の検知温度NT3を80℃とするよう発熱体への通電を開始する。その後G10にて検知温度ST3は40℃以上であるか判定し、40℃以上であればG4へ接続し、40℃未満であればそのまま80℃で通電発熱を続ける。
G8にて検知温度ST3を25℃未満の場合、G11へ続く。G11からG13は、G8からG10と同様の制御であり、検知温度ST3を15℃以上か判定し(G11)、15℃以上であれば65℃を目標温度として通電発熱を開始(G12)、その後、検知温度ST3を25℃以上としたときG9へ接続し、25℃未満のときにはそのまま65℃での通電発熱を行う(G13)。
G11で、検知温度ST3を15℃未満としたときは、目標温度TTを50℃に設定し(G14)、その後検知温度ST3を15℃以上としたときG12へ接続し、15℃未満のときにはそのまま50℃での通電発熱を行う(G13)。
図8に、本実施例3の、第1サーミスタTh1の検知温度NT2と第2サーミスタTh2の検知温度ST2の時間推移を示す。
本実施例3の画像形成装置は、定着フィルム22内面の温度を検知する第2サーミスタTh2の検知温度ST3に、15℃・25℃・40℃の3つの閾値を設け、その閾値に応じて、ヒータ21の目標温度TTを決定して、それに向かって通電発熱を行うものである。
従って、第1サーミスタに検知される検知温度NT3は階段状に昇温し、それに対応して第2サーミスタTh2の検知温度ST3も緩やかな階段状の昇温となる。複数の閾値をより増やせば、より滑らかな昇温カーブにできる。
定着フィルム22の昇温状態に応じてヒータ21の通電発熱を制御する意味では、実施例2の画像形成装置と同等の効果である。しかし、定着装置20中のヒータへの投入電力や通電電流を検知または推定できない場合でも、本実施例のように目標温度TTを設定した制御方法は、定着フィルム22変形を発生させない温度制御を行うことができる。
以上、上記各実施例に記載の通り、本発明は、ヒータ21の発熱制御条件を、ヒータ21の温度を検知する第1サーミスタTh1の検知温度のみから決定するのではなく、定着ニップN以外の箇所の定着フィルム22の温度を検知する第2サーミスタTh2を備える構成とした。この第2サーミスタTh2による検知温度もヒータ21の発熱条件へ反映することによって、定着フィルム22の回転移動方向の温度勾配を把握した上で、ヒータ21の発熱を行うことができる。これにより、定着フィルム22を変形させるような熱応力の発生を回避しつつ、潤滑剤の粘度を低下させることができ、定着フィルム22とヒータ21の摩擦力を低下させることができる。
21 ヒータ(加熱体)
22 定着フィルム(加熱部材)
Th1 第1サーミスタ(第1温度検知手段)
NT1、NT2、NT3 検知温度
Th2 第2サーミスタ(第2温度検知手段)
ST1、ST2、ST3 検知温度
EP1、EP2、EP3 投入電力
N 定着ニップ(摺動部)

Claims (11)

  1. 記録材上に形成された未定着トナー像を前記記録材上へ固定化する定着装置を備えた画像形成装置であって、
    前記定着装置は、通電によって発熱する発熱体を備えた加熱体と、一方の面が前記加熱体と摺動し他方の面が記録材と接して共に移動する加熱部材と、前記加熱体の温度を検知する第1温度検知手段と、前記加熱体と前記加熱部材の摺動部以外の箇所で前記加熱部材の温度を検知する第2温度検知手段と、前記加熱部材を移動させる移動手段と、を備え、
    画像形成動作の開始時に、一定時間、前記発熱体へ通電させると共に前記移動手段による前記加熱部材の移動を禁止し、前記一定時間の経過後に前記移動手段によって前記加熱部材の移動を開始するように制御する制御手段と、を備える画像形成装置において、
    前記制御手段は、前記一定時間中における前記発熱体の制御条件を、前記第1温度検知手段による検知温度及び前記第2温度検知手段による検知温度に基づいて決定することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記制御条件として、前記一定時間中における前記発熱体へ通電される投入電力を、前記第2温度検知手段の検知温度に基づいて決定する請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段には、前記第2温度検知手段による検知温度の段階に応じた投入電力が予め記憶されており、前記第2温度検知手段の検知温度から対応する投入電力を決定する請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記制御条件として、前記一定時間中における前記発熱体へ投入される投入電力について、前記一定時間中に前記第1温度検知手段の検知温度と前記第2温度検知手段の検知温度との温度差が所定温度内になるように前記投入電力を制御する請求項2又は3に記載の画像形成装置。
  5. 前記一定時間中において、前記第1温度検知手段による検知温度が目標とする温度未満の場合、前記第2温度検知手段によって前記加熱部材の温度を再検知し、前記第1温度検知手段の検知温度と前記第2温度検知手段の再検知温度との温度差を算出し、予め記憶された温度差と投入電力との関係から、投入電力を前記温度差に対応する投入電力に変更する請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記制御条件として、前記一定時間中の前記発熱体への通電を、前記第1検知手段による検知温度を目標温度へ到達するように行うとき、前記目標温度を前記第2温度検知手段の検知温度に基づいて変更することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  7. 前記第2温度検知手段の検知温度に複数の閾値が設けられ、該閾値に応じて予め目標温度が設定されている請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記加熱体と前記加熱部材との間に塗布される潤滑剤を備えている請求項1乃至7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  9. 第2温度検知手段は、前記加熱部材の他方の面であって、前記摺動部に対して前記加熱部材の移動方向の下流に所定距離だけ離れた位置に設けられる請求項1乃至8のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  10. 前記加熱部材は定着フィルムである請求項1乃至9のいずれかの項に記載の画像形成装
    置。
  11. 前記定着フィルムは、金属製の基層を有している請求項10に記載の画像形成装置。


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