JP2004258537A - 加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超光沢画像を安定して供給することが可能であり、さらにビジネス文書等の低光沢が要求される場合には光沢度を低下させた印刷画像を得ることのできる加熱装置を提供する。
【解決手段】フィルム部材41と、加熱部材42と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材45とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部Nにおいてトナー像を担持した被加熱材Pを前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、前記被加熱材Pと当接した前記フィルム部材41が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下であることを特徴とする加熱装置。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられるトナー画像を定着または後処理する加熱装置に関する。
【0002】
さらに詳しくは、電子写真、静電記録、磁気記録等の適時の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等よりなるトナーを用いて、紙、印刷紙、転写材シート、OHTシート、光沢紙、光沢フィルム等の記録材(被加熱材)の面に直接方式もしくは転写方式(間接方式)で目的の画像情報に対応した未定着トナー画像を形成担持させ、該未定着トナー画像を、該画像を担持している記録材面上に永久固着画像として加熱定着処理する方式の加熱装置、または一旦加熱定着処理された永久固着画像を再度加熱処理することで高品質化させる後処理装置としての加熱装置に関するものである。
【0003】
本発明は、特にカラー画像形成装置に使用され、低コストで写真調の高グロス画像を提供したり、透過性の優れたOHT画像を提供することのできる加熱装置に関するものである。
【0004】
【従来の技術】
近年、プリンターや複写機等の画像形成装置におけるカラー化が進んできている。
【0005】
このようなカラー画像形成装置に使用される定着装置としては、定着部材に弾性層を有する熱ローラ定着が良く知られている。
【0006】
このような弾性層を有する定着ローラを使用する定着装置の一例を図4に示す。101は定着ローラ、102は加圧ローラであり、該両ローラを上下に並行に配列して圧接させて定着ニップ部を形成させてある。そして該両ローラは矢印の方向に回転駆動される。
【0007】
各ローラ101と102はアルミ芯金の外周にシリコーンゴムからなる弾性層が設けられており、さらにその外側の、各ローラの表面には、トナーや紙紛等が固着することを防ぐためにPFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルエーエテル共重合体/4フッ化エチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合樹脂)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体/4フッ化エチレン・6フッ化プロピレン共重合樹脂)等の、離型性かつ耐熱性の良い樹脂によるコーティング層が設けられている。
【0008】
また各ローラ101と102はそれぞれ芯金内中央部にハロゲンヒーター105を具備させて加熱ローラとしてあり、ヒーターに対する通電により発生する輻射エネルギーをアルミ芯金で吸収して加熱される。その各ローラ101と102の表面温度がそれぞれサーミスタ等の温度検知素子103と104で検知され、その検知温度に基づいて制御回路部(不図示)が給電回路(不図示)からハロゲンヒーター105への供給電力を制御することで、各ローラ101と102が所定の温度に温調される。
【0009】
上記の定着ローラ101と加圧ローラ102が回転駆動され、かつハロゲンヒーター105に通電がなされて該両ローラが所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像tを載せた記録材(被加熱材)Pが入口ガイド106に案内されて定着ニップ部に導入され、定着ニップ部で挟持搬送される。
【0010】
その挟持搬送過程で未定着トナー画像tが定着ローラ101および加圧ローラ102により加熱・加圧されて記録材P上に固着画像として定着される。記録材Pは定着ニップ部を出て定着ローラ101の面から分離され、定着排紙ローラ107で排出搬送される。
【0011】
定着ローラ101に弾性層を有することで、トナー画像が定着ニップ部を通過する際に、該弾性層がトナー層や記録材Pの凹凸形状に沿って変形する。これによって画像上不均一に載っているトナーが、弾性層によって包み込まれ、均一に熱を与えられることにより、均一な定着が達成される。
【0012】
また近年では、ウォームアップタイムが短く、安価な定着装置として、白黒プリンター等に使用されている、フィルム定着方式の定着装置が良く知られている(例えば特許文献1〜4参照)。
【0013】
このようなフィルム定着装置の一例を図5に示す。この定着装置では、薄肉の定着フィルム111を介し、ヒーター112を記録材Pに押し当てて加熱するよう構成された定着フィルムユニットを加熱装置として採用している。
【0014】
定着フィルム111は、例えば厚さ50μm程度の耐熱樹脂製のエンドレス(円筒状)フィルムを用い、その表面に厚さ10μm程度の離型性層(フッ素樹脂コーティング層など)を形成したものであり、フィルムガイドステイ115にルーズに外嵌させてある。定着フィルム111の熱容量を小さくするため、定着フィルム111には弾性層を設けていない。
【0015】
ヒーター112はセラミック基板上に抵抗発熱体を形成したものであり、フィルムガイドステイ115の下面に固定支持させてある。抵抗発熱体に通電されることで迅速に昇温し、そのヒーターがヒーターに当接させた温度検知手段113により検知され、その検知温度に基づいて制御回路部(不図示)が給電回路(不図示)から抵抗発熱体への供給電力を制御することで、ヒーター112が所定の温度に温調される。
【0016】
114は弾性加圧ローラであり、上記ヒーター112に対して定着フィルム111を挟ませて圧接させて定着ニップ部を形成させてある。この加圧ローラ114は不図示の駆動手段により矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ114の回転駆動により定着ニップ部において定着フィルム111に回転トルクが作用して定着フィルム111がヒーター112に密着して摺動しながらフィルムガイドステイ115の外回りを従動回転する。
【0017】
加圧ローラ114が回転駆動され、これに伴い定着フィルム111が従動回転し、かつヒーター112の抵抗発熱体に通電がなされてヒーター112が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像tを載せた記録材Pが入口ガイド116に案内されて定着ニップ部に導入され、定着ニップ部で挟持搬送される。その挟持搬送過程で未定着トナー画像tが定着フィルム111を介してヒーター112により加熱され、またニップ部圧で加圧されて記録材P上に固着画像として定着される。記録材Pは定着ニップ部を出て定着フィルム111の面から分離され、定着排紙ローラ117で排出搬送される。
【0018】
このような構成の定着装置では、定着フィルム111の熱容量が非常に小さくなっているので、ヒーター112に電力を投入した後、短時間で定着ニップ部をトナー画像の定着可能温度まで昇温させることが可能である。
【0019】
しかし、これら従来の定着装置はいずれも記録材が定着ニップ部を通過した直後にトナー像面が定着ローラもしくは定着フィルム表面から剥離される。すなわち剥離時にはトナーは十分に冷え固まっておらず、その状態でトナー層の剥離界面は定着ローラ表面もしくは定着フィルム表面との間に発生する応力にさらされる。この結果、トナー層の剥離界面つまりトナー像表面は微視的な凹凸形状を持つこととなり、この凹凸によって白色光は乱反射してしまうので光沢度(グロス)が失われ、例えば銀塩写真のような超光沢画像を得ることは極めて困難であった。
【0020】
このような課題に対して、特許文献5では、記録シートにコーティングされた現像剤の作用により発色する無色染料もしくはトナー材料を用いて、記録材の染料・トナー像面側に光沢化シートを重ねてこれを加熱・加圧し、さらに光沢化シートおよび記録材を加熱・加圧時の温度に比べて20℃以上低い温度まで冷却した後に光沢化シートを剥離することで超光沢画像を得る手法が提案されており、これによれば、光沢化シートの表面平滑性により、トナー像表面が高度に平滑化されて光沢度が高くなり、超光沢画像を得ることが可能となるものである。
【0021】
特許文献6には、定着ベルト表面に記録媒体のトナー画像面を密着させて加熱定着させ、該記録媒体の定着ベルト表面からの剥離は剥離部分におけるトナー画像または記録媒体の温度がトナーのガラス転移温度Tg℃+20℃以下となるように調整して行うことが提案されており、これによれば、定着ベルトへのトナー付着力が低い状態で剥離できるため、剛性の小さい記録媒体でも良好に剥離でき、オフセットなく、記録媒体上に定着ベルトの表面性にならった光沢のある定着トナー画像を得ることが可能となるものである。
【特許文献1】
特開昭63−313182号公報
【特許文献2】
特開平2−157878号公報
【特許文献3】
特開平4−44075号公報
【特許文献4】
特開平4−204980号公報
【特許文献5】
特開昭64−35452号公報
【特許文献6】
特開2002−123089号公報
【特許文献7】
特開平5−249853号公報
【特許文献8】
特開平9−190099号公報
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献5については、本願発明者らの実験によれば、少なくともトナー材料を用いた場合においては光沢化シートの剥離時の温度と加熱・加圧時の温度との差を制御するのみでは十分な光沢度が得られない場合が生じたり、連続通紙した際に得られる光沢度が1枚毎に異なってしまうといった問題が生じていた。
【0023】
また、特許文献6については、該記録媒体の定着ベルト表面からの剥離は剥離部分におけるトナー画像または記録媒体の温度を論点としている。
【0024】
しかしながら、これら光沢化シートを用いて充分な光沢度を得るために必要なパラメータは、剥離時のトナー像最表面の温度である。これに対して参考文献6に記載されているような記録媒体の温度はユーザーが任意に選定し得る記録媒体の厚みや熱容量などの変動要因を多く受けるためトナー像最表面の温度を必ずしも反映できるものではなかった。一方でトナー画像の温度を直接測定することは非常に困難であったため、いずれの手法でも光沢化画像を安定して供給することは困難であった。
【0025】
そこで本発明の目的は、フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部においてトナー像を担持した被加熱材を前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、超光沢画像を安定して供給することが可能であり、さらにビジネス文書等の低光沢が要求される場合には光沢度を低下させた印刷画像を得ることのできる加熱装置を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明にかかる請求項1に記載の加熱装置は、フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部においてトナー像を担持した被加熱材を前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置であり、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下であることを特徴している。
【0027】
これによって、前記フィルム部材から被加熱材を安定して剥離させることが可能となり、剥離の不安定さに起因して生じていた光沢ムラの発生を防止することが可能となる。
【0028】
また、本発明の加熱装置は、樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーと組み合わせることでより安定的に高光沢の印刷を行うことが可能となる。
【0029】
この場合、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度はトナー像を形成するトナーのワックス類成分の凝固温度以下とすることで、更に光沢度をアップさせることができる。
【0030】
前記フィルム部材は、無端ベルトあるいはシートロールから順次供給されるといった形態をとることが可能である。シートロール形態ではフィルム部材として薄膜フィルムを使用することができるため熱容量が低下し、加熱部材の温調温度を低く抑えると同時に、剥離時のフィルム温度を上述温度以下にするまでの時間を短縮することができる。一方、無端ベルト形態の場合にはシートロール形態の場合に比較して耐久性の観点からフィルム厚みは厚くなる方向であるが、シートロールの交換といったような操作は必要なく、ユーザービリティの観点で有効である。
【0031】
更に前記ニップ部から、前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される剥離部までの距離を、前記被加熱材の用紙長以上とし、被加熱材の後端部が前記ニップ部を通過した後、かつ前記被加熱材の先端部が前記剥離部を通過する前に、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を一旦停止させるなどすれば、加熱部内で被加熱材が滞留することなしに前記フィルム部材から被加熱材を剥離するまでの時間を充分に確保することが可能となり、安定して光沢度の高い画像を得ることが可能となる。
【0032】
また、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材の温度を検知する検知手段をることによって、剥離時のフィルム部材の温度をより正確に制御あるいは予測することが可能となるため、更に安定して光沢度の高い画像を得ることが可能となる。
【0033】
具体的には、検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまでとなるまで、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を停止したり、あるいは検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまでとなるまで前記フィルム部材ないしは前記被加熱材を冷却する冷却手段を設けておき、検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記ガラス転移温度もしくは凝固点以上の場合に冷却手段を作動させるなどして制御すればよい。
【0034】
そして、上述のような加熱装置を、未定着のトナー画像を担持した被加熱材を加熱・加圧によって定着画像とする定着装置のプロセス方向下流側に配置することによって、高グロスを必要とする場合には上述の手段によって高グロス画像を、低グロスを必要とする場合には例えば上述加熱部材の作用を制御することで低グロス画像をそれぞれ任意に得ることが可能となる。
【0035】
(1)フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部においてトナー像を担持した被加熱材を前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下であることを特徴とする加熱装置。
【0036】
(2)前記トナー像を形成するトナーが樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーであることを特徴とする(1)に記載の加熱装置。
【0037】
(3)フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部において、樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーにより形成されたトナー像を担持した被加熱材を、前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーのワックス類成分の凝固温度以下であることを特徴とする加熱装置。
【0038】
(4)前記フィルム部材は、無端ベルトであることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0039】
(5)前記フィルム部材はシートロールから順次供給されることを特徴とする(1)から(3)の何れかに記載の加熱装置。
【0040】
(6)前記ニップ部から、前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される剥離部までの距離が、前記被加熱材の用紙長以上であることを特徴とする(1)から(5)の何れかに記載の加熱装置。
【0041】
(7)前記被加熱材の後端部が前記ニップ部を通過した後、かつ前記被加熱材の先端部が前記剥離部を通過する前に、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を一旦停止させることを特徴とする(6)に記載の加熱装置。
【0042】
(8)前記被加熱材と当接した前記フィルム部材の温度を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の加熱装置。
【0043】
(9)前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまで、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を一旦停止させること特徴とする(8)に記載の加熱装置。
【0044】
(10)前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまでとなるまで前記フィルム部材ないしは前記被加熱材を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする(8)に記載の加熱装置。
【0045】
(11)前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度もしくはワックス類成分の凝固点以上の場合に、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材を冷却する冷却手段の作動または停止を切り替える切り替え手段を有することを特徴とする(8)から(10)の何れかに記載の加熱装置。
【0046】
(12)未定着トナー像を担持した被加熱材を加熱・加圧してトナー像を被加熱材に定着させる加熱装置のプロセス方向下流側に実施態様1から(11)の何れかに記載の加熱装置を配置したことを特徴とする画像形成装置。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0048】
(1)画像形成装置例
図3は本実施の形態における画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、電子写真プロセス利用、レーザー露光方式、インライン方式のフルカラープリンターである。
【0049】
14は被加熱材としての記録材の担持搬送体としての静電吸着搬送ベルト(以下、「搬送ベルト」と称す。)であり、駆動ローラ23、吸着対向ローラ22、テンションローラ13a、13bに懸回張設(巻架)してある。
【0050】
吸着対向ローラ22と駆動ローラ23との間の搬送ベルト部分の外面側に下から上にベルトに沿って順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色の画像形成部であるプロセスステーション31Y、31M、31C、31Bkが配置されており、搬送ベルト14は図中の矢印の方向に回転することにより、記録材(転写材)Pを各プロセスステーション31Y〜31Bkに順次搬送する。
【0051】
各プロセスステーション31Y〜31Bkは、プロセスカートリッジとして画像形成装置本体に対して着脱可能になっており、各プロセスカートリッジは、矢印の方向に回転駆動される感光ドラム1Y、1M、1C、1Bk、一次帯電器2Y、2M、2C、2Bk、現像装置8Y、8M、8C、8Bk、クリーニング装置10Y、10M、10C、10Bkが一体にまとめられた構成となっている。
【0052】
11Y、11M、11C、11Bkは各プロセスステーション31Y〜31Bkに対応の露光装置としてのレーザービームスキャナである。
【0053】
そして各プロセスステーション31Y〜31Bkの各感光ドラム1Y、1M、1C、1Bkの面に対して電子写真プロセスによりフルカラー画像の色分解成分像である、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー画像が形成される。
【0054】
各プロセスステーション内の感光ドラム1は搬送ベルト14を介して転写帯電手段である転写ローラ4Y、4M、4C、4Bkと当接しており、転写ローラ4Y〜4Bkには、転写バイアス電源32Y、32M、32C、32Bkより転写バイアスが印加される。
【0055】
電子写真方式の画像形成装置において、例えば、感光ドラム1Y〜1Bkとして、負極性の有機半導体電子写真感光体(OPC感光体)を用いて、露光により負電荷が減衰した露光部を現像する場合には、負極性のトナーを含む現像剤が用いられる。従って、転写ローラ4Y〜4Bkには転写バイアス電源32Y〜32Bkより正極性の転写バイアスを印加する。
【0056】
記録材Pは、給紙カセット15等から給紙ローラ17、18によって画像形成装置内に送り出されると、まず、画像形成動作と同期をとりながら記録材Pを搬送するローラ状の同期回転体、即ち、搬送(レジスト)ローラ19a、及び搬送(レジスト)対向ローラ19bに一旦挟持された後、記録材Pと搬送ベルト14との吸着がおこなわれる帯電部に導かれる。
【0057】
帯電部では、例えば帯電部材としての吸着ローラ20が搬送ベルト14を介して吸着対向ローラ22と対向し、搬送ベルト14及び記録材Pを挟持するよう構成されている。吸着ローラ20には高電圧源である吸着バイアス電源32Aより電圧が印加されることによって、記録材Pに電荷が付与される。電荷を付与された記録材Pは、搬送ベルト14を分極し、それによって搬送ベルト14に静電吸着される。
【0058】
このようにして搬送ベルト14に吸着した記録材Pは各プロセスステーション31Y〜31Bkの転写部を順次通過し、各感光ドラム1Y〜1Bk上に形成のイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像が次々に重畳転写されて未定着のカラートナー画像が合成形成される。
【0059】
搬送ベルト14としては、厚さ50〜200μm、体積抵抗率10〜1016Ωcm程度のPVDF(弗化ビニリデン樹脂)、ETFE(四弗化エチレン−エチレン共重合樹脂)、ポリイミド、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート等の樹脂フィルムや、或いは、厚さ0.5〜2mm程度の、例えばEPDM等とされるゴムの基層の上に、例えばウレタンゴムにPTFEなど弗素樹脂を分散したものを被覆して用いる。
【0060】
上記搬送ベルト14は、通常は表面にトナー像を直接担持させることはないので、トナー像により汚染されることは少ないが、ジャム時や非画像部への地かぶりトナー付着、或いは、搬送ベルト14上にレジストマークや濃度検出パターンを直接形成してこれを検知する様なシステム使用時等においては、搬送ベルト14上にトナーが付着する。この汚染トナーを清掃するために別途クリーニング手段を設けたり、或いは、転写ローラ4Y〜4Bkに転写時とは逆極性のクリーニングバイアスを印加して搬送ベルト14上のトナーを各プロセスステーション31Y〜31Bkの感光ドラム1Y〜1Bkを介して廃トナー容器10Y〜10Bkに回収する、という工程を各々のプロセスステーション31Y〜31Bkについて行うことが考えられる。
【0061】
上記のように搬送ベルト14に吸着して搬送されて各プロセスステーション31Y〜31Bkの転写部を順次通過してイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナー像の重畳転写を受けて未定着のカラートナー画像が合成形成された記録材Pは搬送ベルト14から分離され、第1の加熱装置としての定着装置21に導入されて未定着のカラートナー画像が加熱・加圧定着されて永久画像となる。
【0062】
上記の定着装置21で画像定着を受けて該定着装置21を出た記録材Pは、次いで、ガイド板48に案内されて、定着装置21のプロセス方向下流側に配設した第2の加熱装置としての後処理装置Fへと搬送され、この後処理装置Fで画像の超光沢化処理を受けて排紙部49に排紙される。図1は上記の定着装置21と後処理装置の部分の拡大模型図である。
【0063】
(2)定着装置21
第1の加熱装置としての定着装置21は、熱ローラ定着装置やフィルム定着装置など従来公知の適宜の加熱定着装置を用いることができる。
【0064】
本例ではフィルム定着装置である。22は定着フィルムアセンブリ、23は加圧部材としての弾性加圧ローラである。定着フィルムアセンブリ22は、フィルムガイドステイ24、該ステイ24に固定支持させたセラミックヒーター等の加熱体25、該ヒーターを固定支持させたステイ24にルーズに外嵌させた円筒状の耐熱性薄肉定着フィルム26等よりなり、加熱体25側を上向きにして配設してある。弾性加圧ロ―ラ23は上記の定着フィルムアセンブリ22の上側に定着フィルムアセンブリ22に並行に配列して定着フィルム26を挟んで加熱体25に対して加圧ロ―ラ23の弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて所定幅の定着ニップ部を形成させてある。
【0065】
加熱体25は給電回路(不図示)からの給電により迅速に昇温し、その加熱体温度が温度検知手段(不図示)により検知され、その検知温度に基づいて制御回路部(不図示)が給電回路から加熱体25への供給電力を制御することで、加熱体25が所定の温度に温調される。
【0066】
加圧ローラ23は駆動手段(不図示)により矢印の方向に回転駆動される。この加圧ローラ23の回転駆動により定着ニップ部において定着フィルム26に回転トルクが作用して定着フィルム26が加熱体25に密着して摺動しながらフィルムガイドステイ24の外回りを従動回転する。
【0067】
加圧ローラ23が回転駆動され、これに伴い定着フィルム26が従動回転し、かつ加熱体25に通電がなされて加熱体25が所定の温度に立ち上がって温調された状態において、未定着トナー画像を載せた記録材Pがトナー画像面下向きで定着ニップ部に導入され、定着ニップ部で挟持搬送される。その挟持搬送過程で未定着トナー画像が定着フィルム26を介して加熱体25により加熱され、またニップ部圧で加圧されて記録材P上に固着画像として定着される。記録材Pは定着ニップ部を出て定着フィルム26の面から分離され、ガイド板48に案内されて次の第2の加熱装置としての後処理装置Fへと搬送される。
【0068】
(3)後処理装置F(第1の実施例)
上記(2)項の第1の加熱装置としての定着装置21で加熱定着されたトナー画像は、前述したように、光沢度(グロス)が低い。第2の加熱装置としての後処理装置Fはその低グロスのトナー画像の超光沢化処理をするものである。
【0069】
図1の後処理装置Fを第1の実施例の後処理装置とする。41はフィルム部材としての光沢化フィルムであり、本実施例装置ではエンドレスベルト型の耐熱性フィルム(以下、ベルトと記す)である。このベルト41は駆動ローラ43、従動ローラ44の2部材間に懸回張設してあり、ローラ43・44による駆動とテンションにより矢示の時計方向に所定のプロセススピード(周速度)をもってシワなく回動駆動される。また、ベルト内面には加熱部材としての低熱容量線状加熱体(発熱ヒータ)42が設置されている。
【0070】
45は加熱体42の上面にベルト41を挟ませて圧接させた加圧部材としての圧接ローラであり、ベルト41を挾んだ加熱体42と圧接ローラ45との圧接ニップ部が加熱部Nである。
【0071】
ベルト41は一例として厚み20μmの耐熱フィルム、例えばポリイミド・ポリエーテルイミド・PES・PFA等の耐熱フィルムの少なくとも画像当接面側にPTFE・PAF等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型層を10μmコートしたものである。また、必要に応じて加熱体当接面側には加熱体との摺動性を確保する目的でポリイミド・ポリエーテルイミドやフッ素樹脂・シリコン樹脂等の摺動層を0.1から10μmの範囲で設けてもよい。該ベルトは一般的には総厚100μm、より好ましくは40μm未満のものである。
【0072】
低熱容量線状加熱体42は不図示の支持部材を介して装置に固定支持させてあり、一例として厚み1.0mm・巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板に抵抗材料(通電発熱体)を巾1.0mmに塗工したもので、その抵抗材料に長手方向両端より通電される。通電はDC100Vの周期20msecのパルス状波形で検温素子(サーミスタ)42aの抵抗値変化に基づきコントロールされた所望の温度・エネルギー放出量に応じたパルスをそのパルス巾を変化させて与える。略パルス巾は0.5msec〜5msecとなる。この様に加熱体42はエネルギー・温度制御される。本実施形態における加熱体温度は180℃一定となるように制御した。
【0073】
圧接ローラ45はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有するローラであり、総圧40〜70Nでベルト41を挟んで加熱体42を圧接し該ベルト41と圧接回転(従動回転)する。本実施例では外径10mmの芯金に厚さ5mmのシリコンゴムを巻き付け、更に厚さ30μmのPFAチューブを最外層に設けたものを用いた。
【0074】
定着装置21のプロセス方向下流側Aから後処理装置Fへ搬送された、下面に定着済画像(トナー画像)を担持した記録材Pはガイド板48に案内されて加熱部Nのベルト41と圧接ローラ45との間に進入して、画像担持面がベルト41の上面に密着して該ベルト41と一緒に加熱部Nを通過していく。この通過過程でトナー像表面は加熱体42の熱エネルギーをベルト41を介して受けて加熱溶融もしくは軟化される。圧接ローラ45は記録材Pを背面から押圧して記録材Pの画像担持面をベルト41を介して加熱体42に圧接させて熱接触を高めるとともに、ローラ自身の蓄熱により記録材背面側から加熱する作用も有している。
【0075】
加熱部Nを通過した記録材Pはベルト41の面に密着したまま該ベルト41の回動と一緒に搬送されて分離部Bとしての従動ローラ44の位置へ至り、このローラ44の位置でベルト41がローラ44に沿って進路転向することで該ベルト41と記録材Pとは曲率分離する。ベルト41から分離した記録材Pは排紙部49へ送られる。
【0076】
本実施例ではA4サイズ(210mm×297mm)の記録材Pを縦通紙して使用するので、用紙長は297mmとなる。これに対して、加熱部Nからローラ44までの距離は350mmに設定した。
【0077】
上記の加熱部Nと分離部Bとの間のベルト・記録材移動パス部をベルト・記録材冷却部として、加熱部Nを通過した互いに密着しているベルト41と記録材Pとが自然冷却される。
【0078】
あるいは該冷却部に送風冷却手段等(不図示)を配設して強制冷却を行ったり、ベルト41あるいは記録材Pが所定の温度まで冷却されるのに充分な時間を確保するために制御回路部(不図示)のプログラミングでベルト41あるいは記録材Pの搬送速度を減速あるいは所要時間停止させるなどの制御を行ってもよい。
【0079】
本実施例においては、制御回路部のプログラミングにより、記録材Pの後端部が加熱部Nを通過した後かつ記録材Pの先端部が分離部Bに差し掛かる手前でベルト41あるいは記録材Pの搬送を一定時間停止させる構成とした。
【0080】
そして、制御回路部により、ベルト41の温度がトナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下に冷却された後、再び搬送を開始して分離部Bにおいてオフセットなしに記録材Pとベルト41との分離がなされる。
【0081】
これによってトナー像表面はベルト41表面の平滑性が維持されるので、銀塩写真のような超光沢を有する高画質で安定した印刷画像を得ることができる。
【0082】
一方、ビジネス文書等においては画像に光沢感を付与すると文字のギラツキによって視認性が低下してしまう。このため一般的にはビジネス文書に対しては低グロスが求められるが、このような場合には、モード切り換え操作に連携させて後処理装置Fの加熱体42への通電を停止させればよい。これによって、定着装置21から後処理装置Fに搬送された低グロス画像の記録材Pは、後処理装置Fの加熱部Nでのトナー表面の溶融あるいは軟化は抑えられ、定着装置21から排出されたままの低グロス画像が維持されて、排紙部49に排紙される。
【0083】
本実施例において使用されるトナーとしては、樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーを用いることがより好ましい。これにより記録材Pが分離部Bでベルト41から曲率分離される際にトナー面のベルト41に対する離型性が大幅に上昇し、分離不良に起因したグロスムラや剥離音、あるいは記録材Pの巻き付きなどが防止でき、より安定した分離を行うことが可能となる。
【0084】
ワックス内包トナーを用いる場合にはベルト・転写材冷却部にてトナーのワックス類成分の凝固温度以下にまでベルト41の温度を低下させてから分離部Bにて分離させることが望ましい。これにより、少なくともトナー像表面近傍のワックス類は結晶化が阻害されてアモルファス状のまま固化して透明性を維持するため、得られた印刷画像は超光沢を有する画像となる。
【0085】
ワックス類成分の凝固温度以上、すなわちワックス類が固化する前にトナー面からベルト1が剥離されると、該ワックス類のうち少なくともトナー像表面近傍のものは結晶化して粒界を生じてしまう。この結果、粒界において光の散乱が生じてしまい、上述アモルファス状の場合と比較すると光沢性が損なわれる結果となってしまう。
【0086】
(4)後処理装置Fの他の例(第2の実施例)
図2に第2の加熱装置としての後処理装置Fの他の例の概略構成を示す。この図2の後処理装置Fを第2の実施例の後処理装置とする。
【0087】
図2において、第1の加熱装置としての定着装置21は図1の装置と同じフィルム定着装置であるので再度の説明は省略する。
【0088】
図2の後処理装置Fにおいて、51はフィルム部材としての光沢化フィルムである。この光沢化フィルム51は長尺の耐熱性リボン(以下、リボンと記す)であり、供給コア60に巻き取られたシートロール形態となっている。供給コア60から巻き出されたリボン51はガイドローラ56、加熱部材としての低熱容量線状加熱体(発熱ヒータ)52、従動ローラ54の3部材に張設された後、巻き取りコア61で巻き取られる。
【0089】
低熱容量線状加熱体52と対向する位置には加圧部材としての駆動ローラ53が設置されていて、この駆動ローラ53はシリコンゴム等の離型性の良いゴム弾性層を有しており、リボン51を挟んだ加熱体52と駆動ローラ53との圧接ニップ部が加熱部Nとなる。
【0090】
供給コア60・巻き取りコア61のトルクはリボン51が一定の張力をもって保持されるように調整されており、駆動ローラ53よる駆動によって矢示の時計方向に所定のプロセススピードをもってシワやたるみを生じることなくなく駆動される。
【0091】
リボン51は一例として厚み6μmの耐熱フィルム、例えばポリイミド・ポリエーテルイミド・PES・PFA・PET等の耐熱フィルムを用いることができる。また、必要に応じて加熱体当接面側には加熱体との摺動性を確保する目的でポリイミド・ポリエーテルイミドやフッ素樹脂・シリコン樹脂とうの摺動層を0.1から10μmの範囲で設けてもよい。該リボンは一般的には総厚50μm、より好ましくは20μm未満のものである。
【0092】
低熱容量線状加熱体52として第1の実施例のベルト41と同様のものを用いることができ、総圧40〜70Nでリボン51を挟んで駆動ローラ53に圧接されている。本実施例においては、加熱体温度は130℃一定となるように温調制御した。52aは加熱体52に設けた温調用の検温素子(サーミスタ)である。
【0093】
定着装置21のプロセス方向下流側Aから後処理装置Fへ搬送された、下面に定着済画像(トナー画像)を担持した記録材Pはガイド板58に案内されて加熱部Nのリボン51と駆動ローラ53との間に進入して、供給コア60から供給されたリボン51の上面に画像担持面が密着してリボン51と一緒に加熱部Nを通過していく。この通過過程でトナー像表面は加熱体52の熱エネルギーをリボン51を介して受けて加熱溶融もしくは軟化される。駆動ローラ53は記録材Pを背面から押圧して記録材Pの画像担持面をリボン51を介して加熱体52に圧接させて熱接触を高めるとともに、ローラ自身の蓄熱により記録材背面側から加熱する作用も有している。
【0094】
加熱部Nを通過した記録材Pはリボン51の上面に密着したままリボン51と一緒に搬送されて分離部Bとしての従動ローラ54の位置へ至り、このローラ54の位置でリボン51がローラ54に沿って進路転向することで該ローラ54と記録材Pとは曲率分離する。ローラ54から分離した記録材Pは排紙部59へ送られる。一方、分離したリボン51は巻き取りコア61に巻き取られる。
【0095】
ここで、加熱部Nからローラ54までの距離は第1の実施例と同様に350mmに設定した。
【0096】
加熱部Nと分離部Bとの間のリボン・記録材移動パス部をリボン・記録材冷却部として、加熱部Nを通過した互いに密着しているリボン51と記録材Pとが自然冷却される。該冷却部に送風冷却手段57等を配設して強制冷却を行なってもよい。
【0097】
そして分離部Bへ至るまでにリボン51の温度がトナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下もしくはワックス類成分の凝固温度以下に冷却され、分離部Bにおいてオフセットなしに記録材Pとベルト1との分離がなされる。これによってトナー像表面はリボン表面の平滑性が維持されるので、銀塩写真のような超光沢を有する高画質で安定した印刷画像を得ることができる。
【0098】
本実施例においては、リボン・記録材冷却部におけるリボン51の温度を検知するための手段として検温素子(サーミスタ)62をリボン51の記録材Pと対向する面に設けた。これによって検温素子62の抵抗値変化に基づいてリボン51の温度がトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下、あるいはワックス類成分の凝固温度以下であるか否かを判別することが可能となる。
【0099】
リボン・記録材冷却部にリボン51と記録材Pが搬送されると、検温素子62の抵抗値変化は温度信号としてコントローラ部(不図示)に取り込まれる。コントローラ部ではこの温度信号が予め設定された温度(例えばトナーのワックス類成分の凝固温度)よりも高い場合には記録材Pの後端部が加熱部Nを通過した後かつ記録材Pの先端部が分離部Bに差し掛かる手前でベルト41あるいは記録材Pの搬送を一定時間停止させると同時に加熱体52への通電を停止し、さらに送風冷却手段57を稼動させて強制冷却を行う。
【0100】
温度信号が設定された温度以下となった時点で送風冷却手段57を停止させてベルト41あるいは記録材Pの搬送を再開させ、リボン51・記録材Pは分離部Bへと搬送される。
【0101】
上記の検温素子62・送風冷却手段57による冷却部におけるフィルム部材の温度検知と走行制御・強制冷却制御は第1の実施例の後処理装置Fの制御にも適用できる。
【0102】
(5)実験例
定着装置21のプロセス方向下流側に第1の実施例および第2の実施例で説明した後処理装置Fを具備させた図3において、記録材Pとして光沢紙(キャストコート紙 坪量150g/m)を用いて印刷を行った際の画像の光沢度(グロス)と、光沢化フィルムと光沢紙が分離する際のフィルム温度を測定した(実験例1〜3)。
【0103】
グロス評価は日本電飾(株)製のグロスメーターPG−3Dを使用し、用紙面の鉛直方向に対して75°の入出力角度において測定した。
【0104】
測定パターンとしては、用紙上に0.6g/mの載り量でシアン色のベタ画像を印刷したものを用いた。
【0105】
また、使用したトナーは懸濁重合法にて作成された平均粒径6μmのワックス内包トナーであり、樹脂成分のガラス転移温度は85℃、ワックス成分の凝固温度は65℃である。
【0106】
また、光沢紙が光沢化フィルムから分離される際の光沢化フィルム温度を測定するために、分離部に熱電対を取り付けて光沢紙が光沢化フィルムから分離される直前の光沢化フィルム温度を測定した。
【0107】
また、比較例として本発明の加熱装置(後処理装置)Fを使用しなかった場合(比較例1)、および冷却部での冷却時間を短くして光沢紙が光沢フィルムから分離される際の光沢化フィルム温度がトナーの樹脂成分のガラス転移温度以上だった場合(比較例2)についてそれぞれ実験を行った。
【0108】
実験結果は表1の通りとなった。
【0109】
【表1】
Figure 2004258537
【0110】
以上説明した実施例・実験例は本発明の実施形態例を示したものであり、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
【0111】
例えば本実施例では本発明の加熱装置を後処理装置、すなわち未定着画像を定着する定着装置21のプロセス方向下流側に設けて定着済みのトナー像を後処理する装置として説明した。しかし、本発明の加熱装置は未定着画像を定着させる機能も本質的に有していることは言うまでもなく、従来の定着装置の代替として機能させることも可能である。この場合においても高光沢画像を得るための具体的手段は前述実施例にて述べたのと同様の手法にて達成することが可能である。
【0112】
以上、本発明の様々な例と実施例が示され説明されたが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は本明細書内の特定の説明と図に限定されるのではなく、本願特許請求の範囲に全て述べられた様々の修正と変更に及ぶことが理解されるであろう。
【0113】
【発明の効果】
以上のように本発明の加熱装置によれば、超光沢画像を安定して供給することが可能であり、さらにビジネス文書等の低光沢が要求される場合には光沢度を低下させた印刷画像を得ることのできる加熱装置、および該加熱装置を備えた画像形成装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例における、第1の加熱装置としての定着装置と、第2の加熱装置としての後処理装置との概略構成模型図
【図2】第2の実施例における、第1の加熱装置としての定着装置と、第2の加熱装置としての後処理装置との概略構成模型図
【図3】画像形成装置例の概略構成模型図
【図4】従来の定着装置例(熱ローラ定着装置)の概略構成模型図
【図5】従来の定着装置例(フィルム定着装置)の概略構成模型図
【符号の説明】
21・・第1の加熱装置としての定着装置、F・・第2の加熱装置としての後処理装置、41,51・・フィルム部材(光沢化フィルム)、42,52・・加熱部材、45,53・・加圧部材、N・・加熱ニップ部、P・・被加熱材(記録材、転写材)

Claims (12)

  1. フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し、前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部においてトナー像を担持した被加熱材を前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下であることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記トナー像を形成するトナーが樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーであることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
  3. フィルム部材と、加熱部材と、前記フィルム部材を挟んで前記加熱部材に当接する加圧部材とを有し前記フィルム部材と前記加圧部材との当接によって形成されるニップ部において、樹脂バインダー中にワックス類を含有させたワックス内包トナーにより形成されたトナー像を担持した被加熱材を、前記トナー像が担持された面と前記フィルム部材が当接するように挟持搬送して加圧および加熱する加熱装置において、前記被加熱材と当接した前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される際の温度が前記トナー像を形成するトナーのワックス類成分の凝固温度以下であることを特徴とする加熱装置。
  4. 前記フィルム部材は、無端ベルトであることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の加熱装置。
  5. 前記フィルム部材はシートロールから順次供給されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の加熱装置。
  6. 前記ニップ部から、前記フィルム部材が前記被加熱材から剥離される剥離部までの距離が、前記被加熱材の用紙長以上であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の加熱装置。
  7. 前記被加熱材の後端部が前記ニップ部を通過した後、かつ前記被加熱材の先端部が前記剥離部を通過する前に、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を一旦停止させることを特徴とする請求項6に記載の加熱装置。
  8. 前記被加熱材と当接した前記フィルム部材の温度を検知する検知手段を設けたことを特徴とする請求項1から7の何れかに記載の加熱装置。
  9. 前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまで、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材の搬送動作を一旦停止させること特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
  10. 前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度以下あるいはトナーのワックス類成分の凝固温度以下となるまでとなるまで前記フィルム部材ないしは前記被加熱材を冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項8に記載の加熱装置。
  11. 前記検知手段にて検知された前記フィルム部材の温度が前記トナー像を形成するトナーの樹脂成分のガラス転移温度もしくはワックス類成分の凝固点以上の場合に、前記フィルム部材ないしは前記被加熱材を冷却する冷却手段の作動または停止を切り替える切り替え手段を有することを特徴とする請求項8から10の何れかに記載の加熱装置。
  12. 未定着トナー像を担持した被加熱材を加熱・加圧してトナー像を被加熱材に定着させる加熱装置のプロセス方向下流側に実施態様1から請求項11の何れかに記載の加熱装置を配置したことを特徴とする画像形成装置。
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