JP2014170212A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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康功 石ヶ谷
Kazuto Kishi
和人 岸
Takumi Waida
匠 和井田
Masahiro Samei
雅裕 醒井
Hiroshi Ono
博司 小野
Takeshi Yamamoto
武志 山本
Ippei Fujimoto
一平 藤本
Hiroshi Seo
洋 瀬尾
Ryota Yamashina
亮太 山科
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Abstract

【課題】定着回転体の回転方向における状態の変化を検知可能な定着装置を提供する。
【解決手段】定着回転体21と、定着回転体21に当接してニップ部を形成する対向部材22と、定着回転体21を加熱する加熱手段とを備え、記録媒体上の非画像領域が画像領域よりも低い温度で加熱されるように加熱手段を制御する定着装置において、定着回転体21の回転方向位置を検知する位置検知手段34を備えた。
【選択図】図6

Description

本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
電子写真方式等の画像形成装置においては、記録媒体としての用紙にトナー画像を定着させる定着装置が設けられている。定着装置は、加熱手段によって加熱される定着回転体と、この定着回転体に当接する対向部材とを有し、定着回転体と対向部材との当接により形成されたニップ部を用紙が通過することにより、その用紙上のトナーが加熱溶融されて定着される。
一般的に、加熱手段は、通紙幅全体に渡って定着回転体を加熱するように構成されており、これによって用紙全体が加熱される。しかしながら、画像が用紙の一部の領域にしか存在しない場合は、画像の存在しない非画像領域において、熱エネルギーが無駄に消費されることになる。
そこで、非画像領域への無駄な熱エネルギー消費を削減するため、例えば、特許文献1〜3などには、記録媒体上の画像に応じて加熱領域を変更し、定着に必要な部分は加熱するが、定着に必要ない部分は加熱しないように構成された定着装置が提案されている。
上記のように、画像に応じて加熱領域を変更する場合、用紙上の画像が形成された領域と、定着回転体の加熱領域をと対応させる必要がある。しかし、熱膨張によって定着回転体の周長が長くなったり、定着回転体の回転中にスリップが生じたりすると、用紙上の画像領域と定着回転体上の加熱領域との間でずれが生じ、安定した定着品質が得られなくなる虞がある。また、定着回転体がスリップなどにより回転しなくなると、定着回転体の同じ箇所が続けて加熱されることで、定着回転体の温度が異常に上昇してしまう虞もある。
本発明は、斯かる事情に鑑み、定着回転体の回転方向における状態の変化を検知可能な定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、定着回転体と、前記定着回転体に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記定着回転体を加熱する加熱手段とを備え、記録媒体上の非画像領域が画像領域よりも低い温度で加熱されるように前記加熱手段を制御する定着装置において、前記定着回転体の回転方向位置を検知する位置検知手段を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、位置検知手段によって定着回転体の回転位置を検知することができるので、定着回転体の回転方向における状態の変化を検知することができる。
本発明を適用可能な画像形成装置の実施の一形態を示す概略構成図である。 定着装置の基本構成を示す断面図である。 定着装置の要部斜視図である。 画像形成パターンを示す平面図である。 通紙時のヒータの出力と定着ベルトの温度変化を示す図である。 位置検知手段の構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の構成を示す図である。 本発明の第2実施形態の構成を示す図である。 補助駆動手段の構成を示す図である。 加圧ローラの両端部に高粘性部を設けた構成を示す図である。 本発明の第3実施形態の構成を示す図である。 当接力可変手段の構成を示す図である。 本発明の第4実施形態の構成を示す図である。 潤滑剤供給手段の構成を示す図である。 本発明の第5実施形態の構成を示す図である。 ヒータによる加熱のタイミングと定着ベルトの昇温のタイミングとの関係を示す図である。 定着ベルトを回転方向に連続的なシートとして示す平面図である。 画像形成パターンを示す平面図である。 画像形成パターンを分割領域ごとに解析した図である。 本発明を適用可能な他の定着装置の断面図である。 本発明を適用可能な他の画像形成装置の概略構成図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であり、その装置本体1の中央には、像担持体としての感光体2が配設されている。感光体2の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ3と、露光手段を構成する光源4及びミラー5と、現像ローラ6を備える現像手段7と、転写手段8と、クリーニングブレード9を備えるクリーニング手段10等が配設されている。
また、装置本体1には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ11と、給紙トレイ11から用紙Pを搬出する給紙ローラ12と、タイミングローラとしての一対のレジストローラ13と、用紙Pに画像を定着する定着装置14と、用紙Pを装置外に排出する排紙ローラ15とが設けられている。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、感光体2が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。次いで、図示しない読取装置やコンピュータ等からの画像情報に基づいて、光源4から照射された露光光Lがミラー5を介して走査され、感光体2の帯電面に照射される。これにより、感光体2の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対し、現像ローラ6からトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ12が回転駆動を開始し、給紙トレイ11から用紙Pが1枚ずつ分離して送り出される。送り出された用紙Pは、レジストローラ13によって搬送が一旦停止され、姿勢のずれが矯正される。その後、レジストローラ13を感光体2の回転に同期して回転駆動させ、感光体2上のトナー画像の先端と用紙Pの搬送方向先端の所定位置とが一致するタイミングで用紙Pを搬送する。そして、搬送される用紙P上に、感光体2上のトナー画像が、転写手段8によって形成された転写電界により転写される。トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置14へと搬送され、定着装置14によって用紙P上のトナー画像が定着される。その後、用紙Pは、排紙ローラ15によって装置外へ排出される。
なお、用紙P上に転写されずに感光体2上に残った残留トナーは、感光体2の回転に伴ってクリーニングブレード9に至り、クリーニングブレード9によって掻き落とされ除去される。そして、感光体2の表面は、図示しない除電手段によって除電され、次の作像工程に備えられる。
図2は、本実施形態に係る定着装置の基本構成を示す断面図である。
図2に示すように、定着装置14は、定着回転体としての定着ベルト21と、定着ベルト21に当接してニップ部Nを形成する対向部材(又は対向回転体)としての加圧ローラ22と、定着ベルトを加熱する加熱手段としてのヒータ23とを備える。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。具体的に、定着ベルト21は、外径40mmで厚み40μmのSUS製の基材21aと、この基材21aの外周面を被覆する厚み100μmのシリコーンゴム製の弾性層21bと、この弾性層21bの外周面を被覆する厚み5〜50μmのPFAやPTFE等のフッ素系樹脂製の離型層21cとで構成されている。なお、定着ベルト21の基材21aを、ポリイミド等の樹脂材料で構成してもよい。
加圧ローラ22は、外径40mmで厚み2mmの鉄製の芯金22aと、この芯金22aの外周面を被覆する弾性層22bとで構成されている。加圧ローラ22の弾性層22bは、シリコーンゴムで構成されており、その厚みは5mmである。また、離型性を高めるため、弾性層22bの外周面に厚み40μm程度のフッ素系樹脂から成る離型層を配設してもよい。
定着ベルト21の内周側の加圧ローラ22と対向する位置には、ニップ形成部材24が配設されている。ニップ形成部材24は、その両端部において、定着装置14の図示しない側板に支持されている。このニップ形成部材24に対し、加圧ローラ22が加圧レバー等の加圧手段によって圧接せしめられることで、定着ベルト21と加圧ローラ22との圧接部において所定幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着回転体と対向部材とを加圧を行わず単に当接させるだけの構成としてもよい。
また、加圧ローラ22は、図示しないモータ等の駆動源によって図の矢印B方向に回転駆動するように構成されている。そして、加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が図の矢印C方向に従動回転するようになっている。また、定着ベルト21の内周側には、定着ベルト21を支持するベルト支持部材29が配設されている。
ヒータ23は、サーマルヒータやセラミックヒータ等の面状又は板状の発熱体で構成されている。定着ベルト21の内周側には、支持部材としてのステー31が配設されており、このステー31によって、ヒータ23が、ニップ部Nよりも用紙搬送方向Aの上流側で、定着ベルト21の内周面に対向するように支持されている。なお、ヒータ23を、ニップ部Nの位置に配設し、ニップ形成部材24としての機能を持たせてもよい。また、ヒータ23には電源25が接続されており、電源25からヒータ23に電力が供給されるようになっている。この電源25の出力は、加熱制御手段26によって制御される。加熱制御手段26は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータで構成されている。
また、定着装置14は、ヒータ23の温度を検知するヒータ温度検知手段としての第1のサーミスタ27と、定着ベルト21の温度を検知するベルト温度検知手段としての第2のサーミスタ28とを備える。第1のサーミスタ27は、ヒータ23に直接接触するように配設され、第2のサーミスタ28は、定着ベルト21の外周面に対し、ヒータ23よりもベルト回転方向Cの上流側で対向するように配設されている。各サーミスタ27,28で検知された温度情報は、加熱制御手段26に入力されるようになっており、この入力情報に基づいて、加熱制御手段26は電源25の出力を制御するように構成されている。
また、ヒータ23と対向する位置には、定着ベルト21を外周側から押さえる押さえ部材としての押圧ローラ30が配設されている。この押圧ローラ30によって、定着ベルト21が外周側から押さえられることで、定着ベルト21がヒータ23に接触するようになっている。押圧ローラ30は、外径が15mm乃至30mmであり、外径が8mmの鉄製の芯金30aと、この芯金30aの外周面を被覆する厚み3.5mm乃至11mmのシリコーンゴム製の弾性層30bとで構成されている。また、離型性を高めるために、弾性層30bの外周面に厚み40μm程度のフッ素系樹脂から成る離型層を配設してもよい。ここでは、押圧ローラ30が図示しない加圧手段によって定着ベルト21に圧接されているが、加圧を行わず単に当接させるだけの構成としてもよい。
図2を参照しつつ定着装置の基本動作について説明する。
画像形成装置本体の電源スイッチが投入されると、電源25からヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図の矢印B方向に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図の矢印C方向に従動回転する。
その後、上述の画像形成工程を経て未定着のトナー画像Gが担持された用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間のニップ部Nに搬送されると、用紙Pが加熱及び加圧され、用紙P上のトナー画像Gが定着される。そして、用紙Pはニップ部Nから搬出された後、機外に排出される。
以下、本実施形態に係る定着装置の構成について、さらに詳しく説明する。
図3に示すように、ヒータ23は、用紙Pの幅方向に等間隔に配設された複数(図では7つ)の発熱体32を有しており、各発熱体32は、互いに独立して発熱可能に構成されている。また、各発熱体32は、上記加熱制御手段26によって、その発熱が制御されるように構成されている。
具体的に、加熱制御手段26は、複数の発熱体32のうち、発熱させる発熱体32を選択することによる用紙幅方向における加熱範囲の変更と、発熱体32のON/OFFのタイミングを制御することによる回転方向における加熱範囲の変更と、発熱体32の発熱量を制御することによる加熱量(加熱温度)の変更とを、行えるようになっている。なお、発熱体32の発熱量(出力)の制御は、発熱体32への供給電力の増減、あるいは、点灯デューティー(所定時間中のON時間の比率)の変更などによって行われる。
例えば、図4(a)に示すように、用紙搬送方向Aの先端側から順に、画像領域a、非画像領域b、画像領域cが存在するように画像形成された用紙Pの場合、画像領域a,cでは定着が必要であるが、非画像領域cでは定着の必要はない。このような場合、加熱制御手段26は、画像処理手段33(図2参照)から得られた画像情報に基づき、非画像領域bに対応する定着ベルト21の部位の温度を、画像領域a,cに対応する定着ベルト21の部位の温度よりも低くなるようにヒータ23を制御する。すなわち、この場合、画像領域a,cに対応する箇所では、全発熱体32への電力供給を通常通り行うが、非画像領域bに対応する箇所では、全発熱体32への電力供給を低減又は停止する。このように、非画像領域bに対応する箇所では、発熱体32への供給電力を低減又は停止することで、非画像領域bへの無駄な熱エネルギー消費を削減することができる。
また、図4(b)に示すように、用紙Pの幅方向に渡って、画像領域dと非画像領域eとが混在する場合は、複数の発熱体32のうち、非画像領域eに対応する位置(図の右側)にある発熱体32への電力供給を低減又は停止する。これにより、非画像領域eへの無駄な熱エネルギー消費を削減できる。
また、図4(c)に示す例では、画像領域と非画像領域とが用紙Pの幅方向と搬送方向に渡って混在している。この場合は、図中の符号gの範囲と符号iの範囲とが重なり合った箇所に形成される非画像領域に対応して、発熱体32への電力供給を低減又は停止することにより、上記と同様に、非画像領域への無駄な熱エネルギー消費を削減することができる。
図5は、図4(a)に示す用紙を通過させた場合のヒータの出力と定着ベルトの温度変化を示す図である。以下、図5を参照しつつ、定着ベルトの温度制御について説明する。
図5に示すように、用紙上の画像領域a,cがニップ部を通過するタイミングTa,Tcでは、定着ベルトの温度が、定着に必要な所定の第1の目標温度Q1となるように、発熱体への供給電力を制御する。一方、非画像領域bがニップ部を通過するタイミングTbでは、発熱体への電力供給を低減して、第1の目標温度Q1よりも低い第2の目標温度Q2となるように制御し、無駄な熱エネルギー消費を削減する。ここで、画像領域a,cがニップ部を通過しない時間Tb,T1,T2においては、発熱体への電力供給を完全に停止してもよいが、極端に温度が下がり過ぎると、次の、あるいは最初の画像領域に対応した温度の立ち上がりが間に合わないことがある。そのため、図5に示す例のように、発熱体の出力として、第1の目標温度Q1用の出力W1よりも小さい出力W2を設定し、画像領域の非通過時Tb,T1,T2においては、小さい出力W2で加熱することにより、第1の目標温度Q1よりも低いが室温よりは高い第2の目標温度Q2に保つように制御することが望ましい。
また、一般的に、定着ベルトの加熱を開始してから、定着ベルトの温度が目標温度に達するまでには、一定の昇温時間を要する。従って、第1の目標温度Q1用の出力W1での立ち上げを、画像領域aの先端がニップ部に達した時点で開始した場合、第1の目標温度Q1への昇温が間に合わない。そこで、図5に示す例のように、定着ベルトの昇温時間を考慮して、各画像領域a,cの先端がニップ部へ到達するよりも前のタイミングから、所定時間Txの間、出力W1による予熱を行うことが望ましい。ただし、省エネの観点から、予熱時間Txはできるだけ短い方が望ましい。また、定着ベルトの昇温時間は、定着ベルト自体の熱伝達率や回転方向の発熱長さなどによって異なるため、予め実験などにより特定しておくとよい。
なお、図5に示す例では、各画像領域a,cの定着温度を、同じ第1の目標温度Q1に設定しているが、画像領域に応じて目標温度を異ならせてもよい。
例えば、各画像領域の画像の種類が、文字、写真、図などで異なる場合に、画像の種類に応じて各画像領域に対応する目標温度を異ならせてもよい。特に、画像が写真の場合は、画像の光沢度を上げる必要がある場合があるので、写真の画像領域に対しては目標温度を高く設定することで、所望の光沢度が得られる。
また、各画像領域の画像パターンが、ベタ画像、ハーフトーン画像、線画像、文字画像などで異なる場合や、画像パターンの処理方法が、ディザ法や誤差拡散法などで異なる場合、画像パターンや処理方法に応じて各画像領域に対応する目標温度を異ならせてもよい。各種画像パターンによってトナー粒子同士の孤立度合い又は密集度合いが異なっており、孤立している場合の方が密集している場合よりもトナーが剥がれやすいことが知られている。そのため、トナーが孤立している画像パターンに対しては、目標温度を上げて剥がれにくくし、反対に、トナーが密集している画像パターンに対しては、目標温度を下げることで消費エネルギーを削減することが可能である。
また、各画像領域のトナー付着量が異なる場合、それぞれ、定着に必要な温度が異なるため、画像情報に基づきトナーの付着量を把握しておき、これに応じて画像領域ごとに目標温度を異ならせてもよい。通常、トナーの付着量が多い画像では、トナーの溶融に多くの熱量が必要になるため、目標温度を上げる必要がある。反対に、トナーの付着量が少ない画像では、目標温度を下げて消費エネルギーの削減を図ることができる。
また、複数の色のトナーを用いるカラー画像形成装置においては、トナーの色によって定着に必要な熱量が異なる場合があるため、その場合、トナーの色に応じて目標温度を異ならせてもよい。例えば、ブラックのトナーは、イエロー、シアン、マゼンタ等の他の色のトナーに比べて、定着に必要な熱量が少なくてよい場合が多いため、ブラックのトナーのみ使用される画像領域では、目標温度を下げることで消費エネルギーの削減を図れる。
以下、上記実施形態に係る定着装置の特徴部分の構成について説明する。
図6に示すように、定着装置14は、定着ベルト21の回転方向位置を検知する位置検知手段34を備えている。具体的に、位置検知手段34は、定着ベルト21の外周面上の周方向の一部に設けられた被検知部としての反射シート35と、この反射シート35を検知する反射型の光学センサ36とを有する。光学センサ36は、定着ベルト21の回転周期ごとにセンサ対向位置を通過する反射シート35を検知することにより、そのタイミングを基準に定着ベルト21の回転方向位置を検知する。なお、被検知部は、反射シート35に限らず、マーキングや突起などを設けてもよい。
また、本実施形態においては、反射シート35にトナーが付着しないように、定着ベルト21の用紙通過範囲D外の端部側に、反射シート35を配設している。さらに、反射シート35がニップ部を通過することによって摩耗しないようにするため、定着ベルト21を加圧ローラ22よりも軸方向に長く構成し、定着ベルト21のニップ部を通過しない範囲(ニップ通過範囲E外)に、反射シート35を配設している。
次に、上記位置検知手段34で検知した位置情報をどのように用いるかについて、具体的に説明する。
図7は、本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
図7に示すように、第1実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定する回転速度判定手段37と、異常が発生した場合に知らせる報知手段38とを備えている。
回転速度判定手段37は、位置検知手段34が検知した定着ベルト21の回転方向位置の情報に基づいて、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定する。本実施形態の場合、定着ベルト21は、加圧ローラ22の回転によって従動回転するように構成されているので、例えば、加圧ローラ22の駆動制御系から得られる情報に基づいて、定着ベルト21の正常時の回転速度を予測することができる。この予測した回転速度と、位置検知手段34の検知結果に基づく実際の回転速度とを比較することにより、定着ベルト21の回転速度が正常な回転速度の範囲内にあるか否かを判定することができる。
回転速度判定手段37によって、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合は、報知手段38が定着ベルト21の回転が異常であることを報知するようになっている。報知手段38としては、音、光、操作パネルへの表示など、種々の公知の手段を用いることができる。また、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合、加熱制御手段26がヒータ23への電力供給を停止させるようになっている。
例えば、定着ベルト21が回転駆動する加圧ローラ22に対してスリップした場合、定着ベルト21の回転が遅れたり、場合によっては停止したりすることがある。スリップの原因としては、定着ベルト21の経時的な劣化や、厚紙などを通紙したことによる、加圧ローラ22と定着ベルト21との間の摩擦力の低下などがある。もし、定着ベルト21にスリップが生じた場合、ヒータ23への給電を停止しないと、定着ベルト21の同じ箇所が集中して加熱されることにより、定着ベルト21に局部的な過昇温が発生し、定着ベルト21に変形や破損が生じる虞がある。また、定着ベルト21が過剰に加熱されることによりヒータ23も損傷する虞がある。
そのため、本実施形態では、万が一、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合は、報知手段38が定着ベルト21の回転が異常であることを報知することで、ユーザー等に知らせることができる。また、これに加えて、加熱制御手段26によってヒータ23への電力供給が停止されるため、定着ベルト21の変形や破損及びヒータ23の損傷を防止することができる。
本実施形態において、定着ベルト21の回転異常、特に遅れや停止を検知するには、光学センサ36によって反射シート35の通過を毎回検知することで、通常の回転周期Yを常時監視する。そして、前回の反射シート35の検出時から回転周期Y+α時間経過しても、反射シート35が検知されない場合は、回転に遅れ又は停止が発生していると判定する。ただし、遅れや停止の判定基準となるα時間を短くし過ぎると、異常ではない程度のスリップまでも検知して、定着装置の駆動が頻繁に停止してしまう可能性がある。反対に、α時間を長くし過ぎた場合は、異常なスリップを検知できずに、定着ベルト21やヒータ23の過昇温が生じる虞がある。理想的には、異常ではないスリップが生じても、定着ベルト21やヒータ23等に不具合が生じる前にヒータ23の加熱を停止できる程度の時間を、α時間として設定することが望ましい。また、図2に示すような構成の場合は、定着ベルト21に接触するヒータ23やニップ形成部材24の摩擦力の変動によって、定着ベルト21の通常の回転周期Yが変動する可能性があるため、この変動も考慮してα時間を設定するとなおよい。
図8と図9に、本発明の第2実施形態の構成を示す。
図8に示すように、第2実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定する回転速度判定手段37と、定着ベルト21を補助的に駆動させる補助駆動手段39とを備えている。
回転速度判定手段37は、上記と同様に、位置検知手段34が検知した定着ベルト21の回転方向位置の情報に基づいて、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定するものである。ここでは、回転速度判定手段37によって、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合、その判定信号が補助駆動手段39に入力されるようになっている。
補助駆動手段39は、例えば、図9に示すような加圧ローラ22の駆動モータ40から定着ベルト21へ駆動伝達可能な複数のギアから成るギア列41と、当該ギア列41の一部のギア同士を連結・連結解除可能なクラッチ42とで構成されている。詳しくは、ギア列41は、駆動モータ40に設けられた駆動ギア43と、定着ベルト21の端部側に設けられた定着ベルトギア44と、駆動ギア43と定着ベルトギア44との間を連結する複数の伝達ギア45,46,47とを有する。また、加圧ローラ22の端部側に設けられた加圧ローラギア48と駆動ギア43との間は、別の伝達ギア49によって連結されている。クラッチ42は、例えば電磁クラッチであり、上記回転速度判定手段37からの判定情報に基づき、ギア列41を構成する一部の伝達ギア46とこれと噛み合う伝達ギア47(又は伝達ギア45)との連結を解除可能となっている。
定着ベルト21の回転に異常な遅れや停止が生じていない場合、すなわち、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内である場合は、クラッチ42によって伝達ギア46,47(又は45)同士の連結が解除された状態で保持されている。この状態では、駆動モータ40の駆動力は、加圧ローラ22を介して定着ベルト21に伝達される。
一方、定着ベルト21の回転に異常な遅れや停止が生じた場合、すなわち、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内にはないと判定された場合は、クラッチ42によって伝達ギア46,47(又は45)同士が連結状態に切り換えられる。これにより、駆動モータ40の駆動力が、ギア列41を介して定着ベルト21にも伝達可能となるので、定着ベルト21を所定の速度で回転駆動させることができるようになる。
このように、第2実施形態では、定着ベルト21にスリップが生じた場合、補助駆動手段39によって、定着ベルト21を駆動させ、回転速度を所定の範囲内に戻すことができる。これにより、定着ベルト21やヒータ23の過昇温による不具合の発生を未然に防止することができる。また、この場合、ヒータ23の加熱を停止させなくてもよいので、定着処理を続行することが可能である。
なお、この場合、補助駆動手段39によって、定着ベルト21に対して加圧ローラ22とは別ルートで駆動力が伝達されるため、スリップの原因が通紙による場合は、通紙後に、定着ベルト21の周速と加圧ローラ22との周速にずれが生じることも考えられる。この周速のずれが大きい場合、定着ベルト21に破損が生じかねないので、通紙後は、クラッチ42によって伝達ギア46,47(又は45)同士の連結を解除しておくことが望ましい。
また、定着ベルト21を加圧ローラ22に対して効率的に従動回転させるために、図10に示すように、加圧ローラ22の通紙領域よりも外側の両端部において、粘性の高い高粘性部59を設けることが一般的に行われている。例えば、表面がPFA等の粘性の低い離型層22cで覆われた加圧ローラ22において、両端部のみ、シリコーンゴムで構成された粘性の高い弾性層22bを露出させることで、高粘性部59を形成することができる。
このように、加圧ローラ22の両端部に高粘性部59を設けることで、この高粘性部59において定着ベルト21に対するグリップ力を向上させることができる。これにより、用紙がニップ部を通過する際、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に用紙が介在することにより両者間の接触面積が減少し摩擦力が低下しても、定着ベルト21が加圧ローラ22に対してスリップするのを防止することができる。
しかしながら、加圧ローラ22の両端部においてグリップ力を向上させても、厚い用紙を通紙する場合は、両端部におけるグリップ力が低下し、定着ベルト21がスリップしてしまうこともある。このような場合、上記のように、回転速度判定手段37でスリップを検知し、補助駆動手段39で定着ベルト21を駆動させることにより、用紙の搬送を継続することができる。ただし、スリップを検知してから補助駆動手段39で定着ベルト21を駆動させるまでの間、僅かに用紙が停止してしまうため、その間に画像が過定着(高温オフセット)してしまう可能性がある。従って、所定厚さよりも厚い用紙を通紙する場合は、スリップを検知する前に、補助駆動手段39を作動させた方がよい。これにより、用紙を停止させずに搬送することができ、部分的な過定着(高温オフセット)の発生を防止することが可能となる。なお、補助駆動手段39を作動させると、定着ベルト21と加圧ローラ22との間に周速差が生じることで、摩擦による表層の劣化が促進されることも考えられるため、補助駆動手段39の作動は、スリップの可能性が非常に高い用紙に限って行うことが望ましい。
図11と図12に、本発明の第3実施形態の構成を示す。
図11に示すように、第3実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定する回転速度判定手段37と、加圧ローラ22と定着ベルト21との間の当接力を可変する当接力可変手段50とを備えている。
回転速度判定手段37は、上記と同様に、位置検知手段34が検知した定着ベルト21の回転方向位置の情報に基づいて、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定するものである。ここでは、回転速度判定手段37によって、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合、その判定信号が当接力可変手段50に入力されるようになっている。
当接力可変手段50は、例えば、図12に示すような加圧ローラ22を定着ベルト21側へ加圧する加圧レバー51の加圧力を可変する偏心カム52と、この偏心カム52を回転駆動させる駆動モータ53とで構成される。加圧レバー51は、支軸54を中心に揺動可能に構成されており、加圧レバー51によって加圧ローラ22の回転軸22aを定着ベルト21側へ押圧することが可能となっている。偏心カム52は、加圧レバー51の先端側(支軸54側とは反対側)に当接しており、駆動モータ53によって偏心カム52が回転することにより、加圧レバー51を揺動させて押圧力を変更できるようになっている。
定着ベルト21の経時的な劣化等による摩擦力の低下でスリップが生じ、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内にはないと判定された場合は、偏心カム52を回転させて加圧レバー51を押し、加圧ローラ22と定着ベルト21との間の当接圧を増加させる。これにより、加圧ローラ22と定着ベルト21との間での摩擦力を高めることができ、定着ベルト21が加圧ローラ22に対して従動回転しやすくなる。その結果、定着ベルト21のスリップを抑制することができ、定着ベルト21やヒータ23の過昇温による不具合の発生を未然に防止することができるようになる。
ただし、加圧ローラ22の加圧力を大きくしたまま保持しておくと、加圧ローラ22に永久歪みが生じることもある。そのため、定着処理を行った後、偏心カム52を回転させて、加圧レバー51を押す方向とは反対方向に揺動させ、加圧ローラ22の当接圧を低減しておくことが望ましい。
図13と図14に、本発明の第4実施形態の構成を示す。
図13に示すように、第4実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定する回転速度判定手段37と、定着ベルト21の内周面に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段55とを備えている。
回転速度判定手段37は、上記と同様に、位置検知手段34が検知した定着ベルト21の回転方向位置の情報に基づいて、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内か否かを判定するものである。ここでは、回転速度判定手段37によって、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合、その判定信号が潤滑剤供給手段55に入力されるようになっている。
潤滑剤供給手段55は、例えば、図14に示すようなオイル供給ポンプ56と、このオイル供給ポンプ56に接続されたオイル供給ノズル57とで構成されている。
図14に示すように、定着ベルト21の内周面に対して摺接するニップ形成部材24等の摺接部材を備える構成においては、摺接部材と定着ベルト21との間で生じる摩擦抵抗が、定着ベルト21のスリップの原因となることも考えられる。
そこで、定着ベルト21にスリップが生じ、定着ベルト21の回転速度が所定範囲内にはないと判定された場合は、オイル供給ポンプ56に所定時間の通電を行い、オイル供給ノズル57を経由して定着ベルト21とニップ形成部材24との間に潤滑剤としてのオイルを供給する。これにより、ニップ形成部材24と定着ベルト21との間の摩擦力が低減され、スリップの発生を抑制することができるようになる。また、オイルの供給先は、ニップ形成部材24に対して定着ベルト21の回転方向上流側が好ましい。
図15に、本発明の第5実施形態の構成を示す。
図15に示すように、第5実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、定着ベルト21の実温度が予測温度の範囲内か否かを判定する温度判定手段58を備えている。
図2に示す構成のように、定着ベルト21の温度を検知する第2のサーミスタ28が、ヒータ23よりもベルト回転方向Cの上流側にある場合、ヒータ23で加熱された定着ベルト21の部位が第2のサーミスタ28の位置へ移動するまでには所定の時間を要する。従って、図16に示すように、あるタイミングJでヒータ23による加熱を行った場合、その加熱による定着ベルト21の温度上昇は、所定時間Tz遅れたタイミングKで、第2のサーミスタ28によって検知される。このときの検知される温度は、例えば、ヒータ23への印加電力と、その電力を印加する前の第2のサーミスタ28の検知温度から、予め算出し予測することが可能である。
定着ベルト21がスリップすることなく正常に回転している場合、第2のサーミスタ28によって実際に検知される実温度は、予測温度とほぼ一致する。しかしながら、定着ベルト21にスリップが生じた場合は、図16の破線で示すように、温度上昇のタイミングMが遅れるため、所定時間Tz後に検知した実温度(破線上の温度)は予測温度(実線上の温度)とは異なる値となる。このことに着目し、第5実施形態においては、実温度と予測温度とを比較することで定着ベルト21の回転状態(遅れ)を検知するようにしている。
まず、ヒータ23による加熱の結果、第2のサーミスタ28が検知すると予測される予測温度を予め算出して記憶する。そして、この予測温度と、実際に第2のサーミスタ28が検知した実温度とを、上記温度判定手段58によって比較し、実温度が予測温度の範囲内か否かを判定する。
その結果、実温度が予測温度の範囲内ではないと判定された場合は、定着ベルト21の回転に異常な遅れや停止が生じているとして、上記実施形態の報知手段38によってそのことを知らせる。また、上記実施形態のように、ヒータ23の加熱を停止させたり、定着ベルト21の回転を正常に行わせるようにサポートしたりすることで、定着ベルト21やヒータ23の過昇温による不具合の発生を未然に防止することができる。
ただし、この温度予測による検知方法では、ニップ部で失われる熱量が定着ベルト21の温度誤差となって現れるため、検知精度ばらつきが大きくなりやすい。従って、この方法は、図6に示すような機械的な検知方法と併用する補助的な方法として用いるのがよい。
上記本発明の各実施形態では、定着ベルト21の回転位置の情報を、回転異常が生じているか否かを判断するために用いているが、それ以外に、ヒータ23の加熱を定着ベルト21の回転方向に渡って制御(可変)することにも用いることができる。以下、定着ベルト21の回転方向に渡って、ヒータ23による加熱を制御する方法について説明する。
図17に示すように、定着ベルト21を回転方向に連続的なシートと仮定すると、シートの連続方向において一定の周期Sで反射シート35が存在する。まず、この一周期Sを基準に、シートを連続方向に渡って(定着ベルト21の回転方向に渡って)表面領域を等間隔に分割して、複数の分割領域uを設定する。ここでは、定着ベルト21の一周期Sを6等分して、分割領域uを設定している。
図18に示すのは、定着する用紙上の画像である。この場合、用紙P上には、搬送方向Aの先端側から順に、トナーが多く使用されている画像領域j、トナーの使用量が比較的に少ない画像領域k、画像が形成されていない非画像領域mが形成されている。この画像に対して、先に設定した分割領域uごとの周期で画像情報を解析する。図19に示すように、トナーが多く使用されている画像領域jは、分割領域の第1周期u1と第2周期u2に相当するため、第1周期u1と第2周期u2では、ヒータ23による加熱量を多くする。また、トナーの使用量が比較的に少ない画像領域kは、分割領域の第3周期u3と第4周期u4に相当するが、ここでは、第1周期u1及び第2周期u2ほどの加熱量を付与する必要はないため、それより少ない加熱量で加熱する。また、非画像領域mは、分割領域の第5周期u5以降に相当するが、ここでは、加熱量をさらに少なくする、あるいは加熱しない制御を行う。
このように、位置検知手段34で検知される情報を用いて分割領域uを設定し、その分割領域uごとにヒータ23による加熱を制御可能に構成することで、定着ベルト21の回転方向に渡って、画像情報に応じた加熱を行うことができるようになる。また、熱膨張や経時的な変位などにより定着ベルト21に伸びが生じた場合でも、分割領域uごとの熱履歴を正確に把握することができるため、精度良く加熱制御を行うことが可能である。なお、予め実験などによって得られたデータにより、定着ベルト21の伸びが予測できる場合は、予測情報に基づいて分割領域uの間隔を変更することも可能である。
以上のように、上記本発明の各実施形態によれば、位置検知手段によって定着ベルトの回転位置を検知することができるので、定着ベルトの回転方向における状態の変化を検知することができる。具体的には、定着ベルトの回転位置を検知することで、定着ベルトの回転に異常な遅れや停止が生じていないか否かを把握することができるので、スリップなどが生じた場合の定着ベルトやヒータ等の過昇温による不具合の発生を未然に検知することができる。また、定着ベルト21の回転位置を検知することにより、定着ベルトの周長の変化も検知することができるので、熱膨張などにより定着ベルトの伸びが生じた場合でも、用紙上の画像領域と定着ベルト上の加熱領域とを精度良く対応させることが可能となる。
なお、上記実施形態では、定着回転体として定着ベルト21を用い、加熱手段として定着ベルト21の内周側から加熱するヒータ23を用いた場合を例に説明したが、本発明を適用可能な定着装置はこれに限らない。
例えば、本発明は、図20に示すように、定着回転体として定着ローラ60を用い、加熱手段として定着ローラ60の外周側から加熱するヒータ23を用いた構成にも適用可能である。この実施形態における定着ローラ60は、外径40mmで厚み1mmのアルミニウム製の芯金60aと、この芯金60aの外周面を被覆する断熱層60bと、この断熱層60bの外周面を被覆する熱伝導層60cと、この熱伝導層60cの外周面を被覆する離型層60dとで構成されている。
断熱層60bは、シリコーンゴムで形成されており、厚みは3mmである。また、断熱層60bの断熱機能をより高めるために、熱の逃げが少ない発泡シリコーンゴムで断熱層60bを形成してもよい。
熱伝導層60cは、ニッケルで形成されている。ただし、熱伝導層60cの材料は、ニッケルに限らず、ステンレスなどの鉄系合金、アルミニウムや銅などの金属系、グラファイトシートなど、熱伝導性が少なくとも断熱層60bよりも高い材料であればよい。このような熱伝導性の良い熱伝導層60cを設けることで、ヒータ23の発熱ムラによる定着ローラ60の表面温度の局部的な温度のばらつきを低減することができる。また、熱伝導層60cによって、ヒータ23を配設した領域よりもやや広い領域において温度上昇させることができるため、画像とのずれを補填することができるという利点もある。これにより、ヒータ23を構成する複数の発熱体の大きさや間隔等の設定の自由度が広がる。
離型層60cは、PTFやPTFE等のフッ素系樹脂で形成されており、厚みが5〜30μmである。
また、図20に示す定着装置14は、ヒータ23に電力を供給する電源25、画像処理手段33から得られた情報に基づきヒータ23を制御する加熱制御手段26、ヒータ23の温度を検知する第1のサーミスタ27、定着ローラ60の温度を検知する第2のサーミスタ28等を備えているが、これらの構成は、基本的に上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
なお、図20では、ヒータ23が定着ローラ60の表面に接触する構成となっているが、コイルとインバータを用いたIH方式による非接触式の加熱手段を用いてもよい。IH方式とした場合、加熱用のコイルを定着ローラ60の軸方向に渡って複数配設したり、あるいは、磁束をキャンセルする部材を定着ローラ60の軸方向に渡って複数配設したりすることで、加熱領域や加熱量を制御できるようになる。
また、本発明を適用可能な画像形成装置は、図1に示すようなモノクロ画像形成装置に限らない。
本発明は、例えば、図21に示すようなカラー画像形成装置に搭載される定着装置にも適用可能である。
図21に示すカラー画像形成装置は、装置本体1に対して着脱可能な4つのプロセスユニット20Y,20M,20C,20Kを備えている。各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的に、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3と、現像ローラ6を備える現像手段7と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段10などを備える。
各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kの上方には、転写手段8として、中間転写ベルト16と、複数の一次転写ローラ17と、二次転写ローラ18とが設けられている。また、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kの下方には、露光装置19が設けられている。
以下、図21に示すカラー画像形成装置の基本的な作像動作について説明する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kにおける各感光体2が回転駆動され、各感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体2の表面には、露光装置19からレーザー光がそれぞれ照射されて静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体2上に形成された静電潜像に、各現像手段7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、中間転写ベルト16が図の矢印で示す方向に回転駆動される。そして、各感光体2の回転に伴い、感光体2上の各色のトナー画像が各一次転写ローラ17の位置に達したときに、一次転写ローラ17と感光体2との間に形成された転写電界によって、各感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト16上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト16の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、転写後の各感光体2の表面は、クリーニング手段10によってクリーニングされた後、図示しない除電装置によって除電される。
また、装置本体1の下部では、給紙ローラ12が回転駆動を開始し、給紙トレイ11から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ13によって搬送が一旦停止された後、所定のタイミングで二次転写ローラ18と中間転写ベルト16との間に搬送される。そして、二次転写ローラ18と中間転写ベルト16との間に形成された転写電界によって、中間転写ベルト16上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。その後、用紙Pは定着装置14へと搬送され、定着装置14によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着された後、排紙ローラ15によって用紙Pが装置外へ排出される。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
また、本発明を適用可能な画像形成装置は、上記のものに限らず、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
14 定着装置
21 定着ベルト(定着回転体)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ヒータ(加熱手段)
24 ニップ形成部材(摺接部材)
26 加熱制御手段
28 サーミスタ(温度検知手段)
34 位置検知手段
37 回転速度判定手段
39 補助駆動手段
50 当接力可変手段
55 潤滑剤供給手段
58 温度判定手段
60 定着ローラ(定着回転体)
N ニップ部
u 分割領域
特開平6−95540号公報 特開2001−343860号公報 特開2005−181946号公報

Claims (11)

  1. 定着回転体と、前記定着回転体に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記定着回転体を加熱する加熱手段とを備え、
    記録媒体上の非画像領域が画像領域よりも低い温度で加熱されるように前記加熱手段を制御する定着装置において、
    前記定着回転体の回転方向位置を検知する位置検知手段を備えたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記位置検知手段が検知した前記定着回転体の回転方向位置の情報に基づいて、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内か否かを判定する回転速度判定手段を備えた請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記回転速度判定手段によって、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合に、前記加熱手段による加熱を停止させる加熱制御手段を備えた請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記回転速度判定手段によって、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合に、前記定着回転体の回転速度を所定範囲内に戻すように定着回転体を駆動させる補助駆動手段を備えた請求項2に記載の定着装置。
  5. 前記対向部材を回転駆動可能に構成すると共に、回転駆動する前記対向部材に対して前記定着回転体が従動回転する構成であって、
    前記回転速度判定手段によって、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合に、前記対向部材と前記定着回転体との間の当接力を増加させる当接力可変手段を備えた請求項2に記載の定着装置。
  6. 回転する前記定着回転体に対して摺接する摺接部材を備える構成であって、
    前記判定手段によって、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内ではないと判定された場合に、前記定着回転体と前記摺接部材との間に潤滑剤を供給する潤滑剤供給手段を備えた請求項2に記載の定着装置。
  7. 前記定着回転体の温度を検知する温度検知手段と、
    前記加熱手段による加熱の結果、前記温度検知手段が検知すると予測される前記定着回転体の予測温度と、実際に前記温度検知手段が検知する前記定着回転体の実温度とを比較して、前記実温度が前記予測温度の範囲内か否かを判定する温度判定手段とを備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の定着装置。
  8. 前記位置検知手段が検知した前記定着回転体の回転方向位置の情報に基づいて、前記加熱手段の加熱タイミングを制御可能に構成した請求項1に記載の定着装置。
  9. 前記定着回転体の表面領域を回転方向に渡って等間隔に分割して、複数の分割領域を設定し、
    記録媒体上に形成される画像情報に基づいて、前記分割領域ごとの前記加熱手段による加熱を制御可能に構成した請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記対向部材を回転駆動可能に構成すると共に、回転駆動する前記対向部材に対して前記定着回転体が従動回転する構成であって、
    所定厚さよりも厚い記録媒体が前記ニップ部を通過する際、前記回転速度判定手段によって、前記定着回転体の回転速度が所定範囲内ではないと判定される前に、前記補助駆動手段を作動させるようにした請求項4に記載の定着装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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