JP2014153506A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱手段における発熱履歴のばらつきを低減できる定着装置を提供する。
【解決手段】定着部材21と、定着部材21に当接してニップ部を形成する対向部材22と、定着部材を加熱する加熱手段とを備え、加熱手段が、記録媒体P上に形成される画像情報に基づいて、記録媒体Pの幅方向に渡って加熱範囲を変更可能に構成された定着装置において、同じ画像が形成された記録媒体Pを複数定着する際に、加熱手段による加熱範囲を記録媒体Pの幅方向に渡って変更するように構成した。
【選択図】図8
【解決手段】定着部材21と、定着部材21に当接してニップ部を形成する対向部材22と、定着部材を加熱する加熱手段とを備え、加熱手段が、記録媒体P上に形成される画像情報に基づいて、記録媒体Pの幅方向に渡って加熱範囲を変更可能に構成された定着装置において、同じ画像が形成された記録媒体Pを複数定着する際に、加熱手段による加熱範囲を記録媒体Pの幅方向に渡って変更するように構成した。
【選択図】図8
Description
本発明は、記録媒体に画像を定着する定着装置、及び定着装置を備える画像形成装置に関する。
一般的に、電子写真方式等の画像形成装置においては、記録媒体としての用紙にトナー画像を定着させる定着装置が設けられている。定着装置は、加熱手段によって加熱される定着部材と、この定着部材に当接する対向部材とを有し、定着部材と対向部材との当接により形成されたニップ部を用紙が通過することにより、その用紙上のトナーが加熱溶融されて定着される。
定着部材は、基本的に、加熱手段によって通紙幅全体に渡って加熱されるように構成されており、これによって用紙全体が加熱される。しかしながら、画像が用紙の一部の領域にしか存在しない場合は、画像の存在しない非画像領域において、熱エネルギーが無駄に消費されることになる。
そこで、非画像領域への無駄な熱エネルギー消費を削減するため、例えば、特許文献1〜3などに、記録媒体上の画像に応じて加熱領域を変更し、定着に必要な部分は加熱するが、定着に必要ない部分は加熱しないように構成した定着装置が提案されている。
上記のような、画像情報に応じて加熱範囲を変更する定着装置においては、使用するにつれて、加熱手段の各部における発熱履歴(劣化状態)が異なってくる。そのため、使用頻度の多い部分では、使用頻度の少ない部分に比べて早い段階で寿命に達してしまう。また、加熱対象物である定着部材についても、同様に、頻繁に加熱される部分において劣化が促進される。このような加熱手段や定着部材の部分的な劣化は、部品交換等のメンテナンス性、それに伴う経済的負担、環境的負担などの観点から好ましいものではない。
本発明は、斯かる事情に鑑み、加熱手段における発熱履歴のばらつきを低減できる定着装置、及びその定着装置を備えた画像形成装置を提供しようとするものである。
上記課題を解決するため、本発明は、定着部材と、前記定着部材に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記定着部材を加熱する加熱手段とを備え、前記加熱手段が、記録媒体上に形成される画像情報に基づいて、記録媒体の幅方向に渡って加熱範囲を変更可能に構成された定着装置において、同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、前記加熱手段による加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、加熱手段による加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更することで、加熱手段における発熱履歴のばらつきを低減できるようになる。
以下、添付の図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の実施の形態を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材や構成部品等の構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付すことにより一度説明した後ではその説明を省略する。
図1は、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であり、その装置本体1の中央には、像担持体としての感光体2が配設されている。感光体2の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ3と、露光手段を構成する光源4及びミラー5と、現像ローラ6を備える現像手段7と、転写手段8と、クリーニングブレード9を備えるクリーニング手段10等が配設されている。
図1に示す画像形成装置は、モノクロ画像形成装置であり、その装置本体1の中央には、像担持体としての感光体2が配設されている。感光体2の周囲には、帯電手段としての帯電ローラ3と、露光手段を構成する光源4及びミラー5と、現像ローラ6を備える現像手段7と、転写手段8と、クリーニングブレード9を備えるクリーニング手段10等が配設されている。
また、装置本体1には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ11と、給紙トレイ11から用紙Pを搬出する給紙ローラ12と、タイミングローラとしての一対のレジストローラ13と、用紙Pに画像を定着する定着装置14と、用紙Pを装置外に排出する排紙ローラ15とが設けられている。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、図示しないが、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係る画像形成装置の基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、感光体2が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。次いで、図示しない読取装置やコンピュータ等からの画像情報に基づいて、光源4から照射された露光光Lがミラー5を介して走査され、感光体2の帯電面に照射される。これにより、感光体2の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対し、現像ローラ6からトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー画像として顕像化(可視像化)される。
作像動作が開始されると、感光体2が図示しない駆動装置によって図の時計回りに回転駆動され、感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。次いで、図示しない読取装置やコンピュータ等からの画像情報に基づいて、光源4から照射された露光光Lがミラー5を介して走査され、感光体2の帯電面に照射される。これにより、感光体2の表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対し、現像ローラ6からトナーが供給されることにより、静電潜像がトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、給紙ローラ12が回転駆動を開始し、給紙トレイ11から用紙Pが1枚ずつ分離して送り出される。送り出された用紙Pは、レジストローラ13によって搬送が一旦停止され、姿勢のずれが矯正される。その後、レジストローラ13を感光体2の回転に同期して回転駆動させ、感光体2上のトナー画像の先端と用紙Pの搬送方向先端の所定位置とが一致するタイミングで用紙Pを搬送する。そして、搬送される用紙P上に、感光体2上のトナー画像が、転写手段8によって形成された転写電界により転写される。トナー画像が転写された用紙Pは、定着装置14へと搬送され、定着装置14によって用紙P上のトナー画像が定着される。その後、用紙Pは、排紙ローラ15によって装置外へ排出される。
なお、用紙P上に転写されずに感光体2上に残った残留トナーは、感光体2の回転に伴ってクリーニングブレード9に至り、クリーニングブレード9によって掻き落とされ除去される。そして、感光体2の表面は、図示しない除電手段によって除電され、次の作像工程に備えられる。
図2は、本実施形態に係る定着装置の基本構成を示す断面図である。
図2に示すように、定着装置14は、定着部材(又は定着回転体)としての定着ベルト21と、定着ベルト21に当接してニップ部Nを形成する対向部材(又は対向回転体)としての加圧ローラ22と、定着ベルトを加熱する加熱手段としてのヒータ23とを備える。
図2に示すように、定着装置14は、定着部材(又は定着回転体)としての定着ベルト21と、定着ベルト21に当接してニップ部Nを形成する対向部材(又は対向回転体)としての加圧ローラ22と、定着ベルトを加熱する加熱手段としてのヒータ23とを備える。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有する無端状のベルト部材(フィルムも含む)で構成されている。具体的に、定着ベルト21は、外径40mmで厚み40μmのSUS製の基材21aと、この基材21aの外周面を被覆する厚み100μmのシリコーンゴム製の弾性層21bと、この弾性層21bの外周面を被覆する厚み5〜50μmのPFAやPTFE等のフッ素系樹脂製の離型層21cとで構成されている。なお、定着ベルト21の基材21aを、ポリイミド等の樹脂材料で構成してもよい。
加圧ローラ22は、外径40mmで厚み2mmの鉄製の芯金22aと、この芯金22aの外周面を被覆する弾性層22bとで構成されている。加圧ローラ22の弾性層22bは、シリコーンゴムで構成されており、その厚みは5mmである。また、離型性を高めるため、弾性層22bの外周面に厚み40μm程度のフッ素系樹脂から成る離型層を配設してもよい。
定着ベルト21の内周側の加圧ローラ22と対向する位置には、ニップ形成部材24が配設されている。ニップ形成部材24は、その両端部において、定着装置14の図示しない側板に支持されている。このニップ形成部材24に対し、加圧ローラ22が加圧レバー等の加圧手段によって圧接せしめられることで、定着ベルト21と加圧ローラ22との圧接部において所定幅のニップ部Nが形成されている。なお、定着部材と対向部材とを加圧を行わず単に当接させるだけの構成としてもよい。
また、加圧ローラ22は、図示しないモータ等の駆動源によって図の矢印B方向に回転駆動するように構成されている。そして、加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が図の矢印C方向に従動回転するようになっている。また、定着ベルト21の内周側には、定着ベルト21を支持するベルト支持部材29が配設されている。
ヒータ23は、サーマルヒータやセラミックヒータ等の面状又は板状の発熱体で構成されている。定着ベルト21の内周側には、支持部材としてのステー31が配設されており、このステー31によって、ヒータ23が、ニップ部Nよりも用紙搬送方向Aの上流側で、定着ベルト21の内周面に対向するように支持されている。なお、ヒータ23を、ニップ部Nの位置に配設し、ニップ形成部材24としての機能を持たせてもよい。また、ヒータ23には電源25が接続されており、電源25からヒータ23に電力が供給されるようになっている。この電源25の出力は、加熱制御手段26によって制御される。加熱制御手段26は、CPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース等を包含するマイクロコンピュータで構成されている。
また、定着装置14は、ヒータ23の温度を検知するヒータ温度検知手段としての第1のサーミスタ27と、定着ベルト21の温度を検知するベルト温度検知手段としての第2のサーミスタ28とを備える。第1のサーミスタ27は、ヒータ23に直接接触するように配設され、第2のサーミスタ28は、定着ベルト21の外周面に対し、ヒータ23よりもベルト回転方向Cの上流側で対向するように配設されている。各サーミスタ27,28で検知された温度情報は、加熱制御手段26に入力されるようになっており、この入力情報に基づいて、加熱制御手段26は電源25の出力を制御するように構成されている。
また、ヒータ23と対向する位置には、定着ベルト21を外周側から押さえる押さえ部材としての押圧ローラ30が配設されている。この押圧ローラ30によって、定着ベルト21が外周側から押さえられることで、定着ベルト21がヒータ23に接触するようになっている。押圧ローラ30は、外径が15mm乃至30mmであり、外径が8mmの鉄製の芯金30aと、この芯金30aの外周面を被覆する厚み3.5mm乃至11mmのシリコーンゴム製の弾性層30bとで構成されている。また、離型性を高めるために、弾性層30bの外周面に厚み40μm程度のフッ素系樹脂から成る離型層を配設してもよい。ここでは、押圧ローラ30は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21に圧接されているが、加圧を行わず単に当接させるだけの構成としてもよい。
図2を参照しつつ定着装置の基本動作について説明する。
画像形成装置本体の電源スイッチが投入されると、電源25からヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図の矢印B方向に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図の矢印C方向に従動回転する。
画像形成装置本体の電源スイッチが投入されると、電源25からヒータ23に電力が供給されると共に、加圧ローラ22が図の矢印B方向に回転駆動を開始する。これにより、定着ベルト21は、加圧ローラ22との摩擦力によって、図の矢印C方向に従動回転する。
その後、上述の画像形成工程を経て未定着のトナー画像Gが担持された用紙Pが、定着ベルト21と加圧ローラ22との間のニップ部Nに搬送されると、用紙Pが加熱及び加圧され、用紙P上のトナー画像Gが定着される。そして、用紙Pはニップ部Nから搬出された後、機外に排出される。
以下、本実施形態に係る定着装置の構成について、さらに詳しく説明する。
図3に示すように、ヒータ23は、用紙Pの幅方向に等間隔に配設された複数(図では7つ)の発熱体32を有しており、各発熱体32は、互いに独立して発熱可能に構成されている。また、各発熱体32は、上記加熱制御手段26によって、その発熱が制御されるように構成されている。
図3に示すように、ヒータ23は、用紙Pの幅方向に等間隔に配設された複数(図では7つ)の発熱体32を有しており、各発熱体32は、互いに独立して発熱可能に構成されている。また、各発熱体32は、上記加熱制御手段26によって、その発熱が制御されるように構成されている。
具体的に、加熱制御手段26は、複数の発熱体32のうち、発熱させる発熱体32を選択することによる用紙幅方向における加熱範囲の変更と、発熱体32のON/OFFのタイミングを制御することによる回転方向における加熱範囲の変更と、発熱体32の発熱量を制御することによる加熱量(加熱温度)の変更とを、行えるようになっている。なお、発熱体32の発熱量(出力)の制御は、発熱体32への供給電力の増減、あるいは、点灯デューティー(所定時間中のON時間の比率)の変更などによって行われる。
例えば、図4(a)に示すように、用紙搬送方向Aの先端側から順に、画像領域a、非画像領域b、画像領域cが存在するように画像形成された用紙Pの場合、画像領域a,cでは定着が必要であるが、非画像領域cでは定着の必要はない。このような場合、加熱制御手段26は、画像処理手段33(図2参照)から得られた画像情報に基づき、非画像領域bに対応する定着ベルト21の部位の温度を、画像領域a,cに対応する定着ベルト21の部位の温度よりも低くなるようにヒータ23を制御する。すなわち、この場合、画像領域a,cに対応する箇所では、全発熱体32への電力供給を通常通り行うが、非画像領域bに対応する箇所では、全発熱体32への電力供給を低減又は停止する。このように、非画像領域bに対応する箇所では、発熱体32への供給電力を低減又は停止することで、非画像領域bへの無駄な熱エネルギー消費を削減することができる。
また、図4(b)に示すように、用紙Pの幅方向に渡って、画像領域dと非画像領域eとが混在する場合は、複数の発熱体32のうち、非画像領域eに対応する位置(図の右側)にある発熱体32への電力供給を低減又は停止する。これにより、非画像領域eへの無駄な熱エネルギー消費を削減できる。
また、図4(c)に示す例では、画像領域と非画像領域とが用紙Pの幅方向と搬送方向に渡って混在している。この場合は、図中の符号gの範囲と符号iの範囲とが重なり合った箇所に形成される非画像領域に対応して、発熱体32への電力供給を低減又は停止することにより、上記と同様に、非画像領域への無駄な熱エネルギー消費を削減することができる。
図5は、図4(a)に示す用紙を通過させた場合のヒータの出力と定着ベルトの温度変化を示す図である。以下、図5を参照しつつ、定着ベルトの温度制御について説明する。
図5に示すように、用紙上の画像領域a,cがニップ部を通過するタイミングTa,Tcでは、定着ベルトの温度が、定着に必要な所定の第1の目標温度Q1となるように、発熱体への供給電力を制御する。一方、非画像領域bがニップ部を通過するタイミングTbでは、発熱体への電力供給を低減して、第1の目標温度Q1よりも低い第2の目標温度Q2となるように制御し、無駄な熱エネルギー消費を削減する。ここで、画像領域a,cがニップ部を通過しない時間Tb,T1,T2においては、発熱体への電力供給を完全に停止してもよいが、極端に温度が下がり過ぎると、次の、あるいは最初の画像領域に対応した温度の立ち上がりが間に合わないことがある。そのため、図5に示す例のように、発熱体の出力として、第1の目標温度Q1用の出力W1よりも小さい出力W2を設定し、画像領域の非通過時Tb,T1,T2においては、小さい出力W2で加熱することにより、第1の目標温度Q1よりも低いが室温よりは高い第2の目標温度Q2に保つように制御することが望ましい。
また、一般的に、定着ベルトの加熱を開始してから、定着ベルトの温度が目標温度に達するまでには、一定の昇温時間を要する。従って、第1の目標温度Q1用の出力W1での立ち上げを、画像領域aの先端がニップ部に達した時点で開始した場合、第1の目標温度Q1への昇温が間に合わない。そこで、図5に示す例のように、定着ベルトの昇温時間を考慮して、各画像領域a,cの先端がニップ部へ到達するよりも前のタイミングから、所定時間Txの間、出力W1による予熱を行うことが望ましい。ただし、省エネの観点から、予熱時間Txはできるだけ短い方が望ましい。また、定着ベルトの昇温時間は、定着ベルト自体の熱伝達率や回転方向の発熱長さなどによって異なるため、予め実験などにより特定しておくとよい。
なお、図5に示す例では、各画像領域a,cの定着温度を、同じ第1の目標温度Q1に設定しているが、画像領域に応じて目標温度を異ならせてもよい。
例えば、各画像領域の画像の種類が、文字、写真、図などで異なる場合に、画像の種類に応じて各画像領域に対応する目標温度を異ならせてもよい。特に、画像が写真の場合は、画像の光沢度を上げる必要がある場合があるので、写真の画像領域に対しては目標温度を高く設定することで、所望の光沢度が得られる。
また、各画像領域の画像パターンが、ベタ画像、ハーフトーン画像、線画像、文字画像などで異なる場合や、画像パターンの処理方法が、ディザ法や誤差拡散法などで異なる場合、画像パターンや処理方法に応じて各画像領域に対応する目標温度を異ならせてもよい。各種画像パターンによってトナー粒子同士の孤立度合い又は密集度合いが異なっており、孤立している場合の方が密集している場合よりもトナーが剥がれやすいことが知られている。そのため、トナーが孤立している画像パターンに対しては、目標温度を上げて剥がれにくくし、反対に、トナーが密集している画像パターンに対しては、目標温度を下げることで消費エネルギーを削減することが可能である。
また、各画像領域のトナー付着量が異なる場合、それぞれ、定着に必要な温度が異なるため、画像情報に基づきトナーの付着量を把握しておき、これに応じて画像領域ごとに目標温度を異ならせてもよい。通常、トナーの付着量が多い画像では、トナーの溶融に多くの熱量が必要になるため、目標温度を上げる必要がある。反対に、トナーの付着量が少ない画像では、目標温度を下げて消費エネルギーの削減を図ることができる。
また、複数の色のトナーを用いるカラー画像形成装置においては、トナーの色によって定着に必要な熱量が異なる場合があるため、その場合、トナーの色に応じて目標温度を異ならせてもよい。例えば、ブラックのトナーは、イエロー、シアン、マゼンタ等の他の色のトナーに比べて、定着に必要な熱量が少なくてよい場合が多いため、ブラックのトナーのみ使用される画像領域では、目標温度を下げることで消費エネルギーの削減を図れる。
以下、上記実施形態に係る定着装置の特徴部分の構成について説明する。
図6は、本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
図6に示すように、第1実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33を制御する制御手段35とを備える。
図6は、本発明の第1実施形態の構成を示す図である。
図6に示すように、第1実施形態では、図2に示す構成の定着装置14において、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33を制御する制御手段35とを備える。
ここで、発熱履歴とは、発熱体の累積発熱時間や発熱時の発熱量(出力)など、発熱体の劣化あるいは消耗度合いに関係する情報である。本実施形態では、各発熱体32の累積発熱時間に基づき、制御手段35が画像処理手段33を制御する。制御手段35は、例えば、画像形成装置に搭載されたマイクロコンピュータ、あるいは、ユーザー等のパソコンのドライバソフトウェアなどである。
図7は、発熱体ごとの累積発熱時間をグラフにした一例である。
上記のように、用紙上の画像パターンに応じて一部の発熱体を発熱させるように制御する構成では、画像領域が通過する頻度の多い発熱体は、当然に、累積発熱時間が多くなる。反対に、画像領域が通過する頻度の少ない発熱体は、累積発熱時間が少なくなる。図7に示す例では、横軸の左から5番目の発熱体の累積発熱時間が最も多く、左から6番目の発熱体の累積発熱時間が最も少なくなっている。そして、本実施形態では、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが、予め設定された基準値を超えた場合、制御手段35が、画像処理手段33の処理を変更するように制御する。具体的に、画像処理手段33は、制御手段35の指示により、用紙に形成する画像を用紙の幅方向(又はヒータ23の長手方向)に平行移動させ、画像の形成位置を変更する。
上記のように、用紙上の画像パターンに応じて一部の発熱体を発熱させるように制御する構成では、画像領域が通過する頻度の多い発熱体は、当然に、累積発熱時間が多くなる。反対に、画像領域が通過する頻度の少ない発熱体は、累積発熱時間が少なくなる。図7に示す例では、横軸の左から5番目の発熱体の累積発熱時間が最も多く、左から6番目の発熱体の累積発熱時間が最も少なくなっている。そして、本実施形態では、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが、予め設定された基準値を超えた場合、制御手段35が、画像処理手段33の処理を変更するように制御する。具体的に、画像処理手段33は、制御手段35の指示により、用紙に形成する画像を用紙の幅方向(又はヒータ23の長手方向)に平行移動させ、画像の形成位置を変更する。
例えば、図8(a)に示すような画像が形成された用紙を、複数枚連続的に定着処理する場合、複数の発熱体32a〜32gのうち、画像領域jに対応する2つの発熱体32e,32fのみを発熱させので、これらの累積発熱時間が増加する。その結果、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えた場合、それ以降の用紙に対して、図8(b)に示すように、画像を図の左方向へ平行移動させた位置に形成する。この場合、最多累積発熱時間となっているのは、図の右から2番目の発熱体32fであるので、この発熱体32fに対応する領域から画像領域jが外れるように、画像の形成位置を1つの発熱体の幅分だけ図の左方向へ移動させる。これにより、位置変更後の用紙に対しては、最多累積発熱時間となっている発熱体32fを発熱させる必要がなくなるので、その累積発熱時間が多くなるのを抑えることができ、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dを低減することができる。その結果、各発熱体の発熱履歴のばらつきが低減される。
画像形成位置を移動させる方向は、用紙の幅方向に沿った方向であれば、左右いずれの方向でもよい。また、移動距離は、最多累積発熱時間となった発熱体に対応する領域から少なくとも画像領域が外れる程度であれば、それ以上に移動させてもよい。ただし、この方法では、用紙に対する画像位置が、連続印刷途中でずれることになるので、画像のずれをなるべく目立たなくするには、移動距離は必要最低限に設定することが望ましい。
図9に、本発明の第2実施形態の構成を示す。
上記第1実施形態の構成の場合、用紙に対する画像形成位置が、連続印刷途中でずれることは先に述べたが、これに対し、第2実施形態では、用紙の位置も画像と同様にずらすことで対応している。図9に示すように、第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加え、さらに、制御手段35によって記録媒体供給手段36も制御するようにしている。すなわち、制御手段35は、各発熱体32の累積発熱時間に基づき、記録媒体供給手段36と画像処理手段33との両方を制御する。
上記第1実施形態の構成の場合、用紙に対する画像形成位置が、連続印刷途中でずれることは先に述べたが、これに対し、第2実施形態では、用紙の位置も画像と同様にずらすことで対応している。図9に示すように、第2実施形態では、上記第1実施形態の構成に加え、さらに、制御手段35によって記録媒体供給手段36も制御するようにしている。すなわち、制御手段35は、各発熱体32の累積発熱時間に基づき、記録媒体供給手段36と画像処理手段33との両方を制御する。
ここで、記録媒体供給手段36には、用紙を収容する給紙トレイ、給紙ローラ、レジストローラ、その他の搬送ローラ、搬送ガイド等の定着装置へ用紙を供給するための種々の手段が含まれる。例えば、定着装置の搬送方向上流側に設けられた搬送ガイドを可動式のガイドとすることで、定着装置への用紙の給紙位置を用紙幅方向に渡って変更することが可能である。
第2実施形態において、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えた場合、上記と同様に、画像領域jを図10(a)に示す位置から同図(b)に示す位置へと変更する。これに加え、第2実施形態では、用紙の給紙位置を画像形成位置の移動方向と同方向に同じ量だけ移動させる。これにより、印刷途中で、画像形成位置を変更しても、用紙に対して画像がずれるのを回避することが可能となる。
以下、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、図6に示す第1実施形態と同様に、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33を制御する制御手段35とを備える。ただし、第3実施形態では、画像処理手段33による画像形成位置の変更の仕方が異なる。
第3実施形態では、図6に示す第1実施形態と同様に、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33を制御する制御手段35とを備える。ただし、第3実施形態では、画像処理手段33による画像形成位置の変更の仕方が異なる。
具体的には、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えた場合、図11(a)に示す画像領域kを、同図(b)に示す位置へ反転させる。すなわち、画像を用紙Pの中央を通って用紙Pに垂直な軸心回りに180°反転させた位置に形成する。その結果、発熱させる必要のある発熱体を、図の右側の発熱体32e,32f,32gから、図の左側の発熱体32a,32b,32cに変更することができ、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dを低減することができる。また、この方法では、用紙の形状がその中心回りに点対称となっている限り、画像形成位置の変更前と変更後とで、見た目上、同じ印刷状態となるので、用紙の位置は変更しなくてもよい。
続いて、本発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態では、図9に示す第2実施形態と同様に、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33と記録媒体供給手段36との両方を制御する制御手段35とを備える。ただし、第4実施形態では、画像処理手段33による画像形成位置の変更の仕方と、記録媒体供給手段36による用紙の供給の仕方が異なる。
第4実施形態では、図9に示す第2実施形態と同様に、複数の発熱体32ごとの発熱履歴を記憶する記憶手段34と、記憶手段34によって記憶された発熱履歴に基づき画像処理手段33と記録媒体供給手段36との両方を制御する制御手段35とを備える。ただし、第4実施形態では、画像処理手段33による画像形成位置の変更の仕方と、記録媒体供給手段36による用紙の供給の仕方が異なる。
具体的には、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えた場合、図12(a)における範囲mと範囲nとが重なり合う位置の画像領域を図の位置から、同図(b)に示すように、90°回転させる。すなわち、画像を用紙Pの中央を通って用紙Pに垂直な軸心回りに90°反転させた位置に形成する。また、この画像形成位置の変更に合わせて、用紙Pの縦と横の向きを変更して用紙Pを供給する。その結果、発熱させる必要のある発熱体を、図の右側の発熱体32e,32f,32gから、図の左側の発熱体32a,32b,32cに変更することができ、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dを低減することができる。
また、用紙Pの縦と横の向きを変更して用紙Pを供給する方法としては、例えば、用紙を供給する給紙カセットを変える方法がある。すなわち、記録媒体収容器として、用紙を縦向きに収容する第1の給紙カセットと、用紙を横向きに収容する第2の給紙カセットがある場合、用紙を送り出す給紙カセットを変更することで容易に向きを変えて給紙することが可能である。なお、連続印刷時に、途中で給紙カセット内の用紙が無くなった場合、別の給紙カセットに切り換えて給紙する制御があるが、本発明はこれとは異なる。すなわち、本発明は、用紙の向きの変更(ヒータ23の加熱範囲の変更)を、発熱体32の発熱履歴に基づいて行うので、給紙カセット内の用紙が無くなったタイミングとは異なるタイミングで実行可能である。
以上のように、上記本発明の各実施形態によれば、各発熱体の発熱履歴のばらつきを低減し、平均化することが可能である。その結果、発熱体の寿命を延ばすことができるため、長期に亘ってヒータを使用することが可能となる。上記本発明の実施形態の説明では、各発熱体の発熱履歴のばらつきを低減する方法として、4つの方法(実施形態)を挙げたが、これらの4つの方法の中からいずれか1つを適宜選択して使い分けるようにしてもよい。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
上記各実施形態では、ヒータ23の加熱範囲の変更、画像形成位置の変更、又は用紙の向きの変更(以下、「加熱範囲の変更等」という)を、複数の用紙の連続供給中に行う場合を例に説明したが、本発明はこの場合に限られるものではない。例えば、印刷開始の時点で、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えている場合は、最初の用紙から画像形成位置の変更を行うようにしてもよい。また、加熱範囲の変更等は、1つの印刷ジョブの実行により複数の用紙が連続的に供給される場合に限らず、複数の印刷ジョブの実行によって用紙が供給される場合に行うことも可能である。また、同一画像の印刷が複数の印刷ジョブの実行によって行われる場合、加熱範囲の変更等をそのジョブ間で行ってもよい。
上記各実施形態では、ヒータ23の加熱範囲の変更、画像形成位置の変更、又は用紙の向きの変更(以下、「加熱範囲の変更等」という)を、複数の用紙の連続供給中に行う場合を例に説明したが、本発明はこの場合に限られるものではない。例えば、印刷開始の時点で、最多累積発熱時間と最少累積発熱時間との差分Dが基準値を超えている場合は、最初の用紙から画像形成位置の変更を行うようにしてもよい。また、加熱範囲の変更等は、1つの印刷ジョブの実行により複数の用紙が連続的に供給される場合に限らず、複数の印刷ジョブの実行によって用紙が供給される場合に行うことも可能である。また、同一画像の印刷が複数の印刷ジョブの実行によって行われる場合、加熱範囲の変更等をそのジョブ間で行ってもよい。
また、加熱範囲の変更等は、一度行ったら、用紙が所定枚数通紙されるまでは同じ定着処理を行い、用紙が所定枚数通紙された後に、再度、加熱範囲の変更等が必要か否かを判断するようにしてもよい。あるいは、用紙が通紙されるごとに毎回判断するようにしても構わない。
また、上記実施形態では、発熱体32ごとの発熱履歴に基づいて制御を行っているが、一部の発熱体32のみの発熱履歴を取得し、それに基づいて制御してもよい。また、発熱履歴の比較は、発熱体32ごとでなくてもよい。例えば、ヒータ23を構成する複数の発熱体32を、ヒータ23の左側と右側の2グループに分け、各グループにおける発熱体32の平均値を比較してもよい。
また、各発熱体32の発熱履歴は、形成される画像情報に応じて異なってくるため、加熱範囲の変更等を、形成された画像履歴に応じて行うようにしてもよい。
また、本発明は、同じ画像が形成された用紙を複数定着する場合に限らず、異なる画像が形成された用紙を定着する場合にも適用可能である。すなわち、異なる画像が形成された複数の用紙を定着処理する場合に、各画像情報から発熱体ごとの発熱履歴の増加を予測し、発熱履歴を平均化できるように、加熱範囲の変更等を行うことも可能である。
また、上記実施形態では、定着回転体として定着ベルト21を用い、加熱手段として定着ベルト21の内周側から加熱するヒータ23を用いた場合を例に説明したが、本発明を適用可能な定着装置はこれに限らない。
例えば、本発明は、図13に示すように、定着部材として定着ローラ60を用い、加熱手段として定着ローラ60の外周側から加熱するヒータ23を用いた構成にも適用可能である。この実施形態における定着ローラ60は、外径40mmで厚み1mmのアルミニウム製の芯金60aと、この芯金60aの外周面を被覆する断熱層60bと、この断熱層60bの外周面を被覆する熱伝導層60cと、この熱伝導層60cの外周面を被覆する離型層60dとで構成されている。
断熱層60bは、シリコーンゴムで形成されており、厚みは3mmである。また、断熱層60bの断熱機能をより高めるために、熱の逃げが少ない発泡シリコーンゴムで断熱層60bを形成してもよい。
熱伝導層60cは、ニッケルで形成されている。ただし、熱伝導層60cの材料は、ニッケルに限らず、ステンレスなどの鉄系合金、アルミニウムや銅などの金属系、グラファイトシートなど、熱伝導性が少なくとも断熱層60bよりも高い材料であればよい。このような熱伝導性の良い熱伝導層60cを設けることで、ヒータ23の発熱ムラによる定着ローラ60の表面温度の局部的な温度のばらつきを低減することができる。また、熱伝導層60cによって、ヒータ23を配設した領域よりもやや広い領域において温度上昇させることができるため、画像とのずれを補填することができるという利点もある。すなわち、熱伝導層60cを設けることにより、ヒータ23を構成する複数の発熱体の大きさや間隔等の設定の自由度を向上させることができる。
離型層60cは、PTFやPTFE等のフッ素系樹脂で形成されており、厚みが5〜30μmである。
さらに、図13に示す定着装置14は、ヒータ23に電力を供給する電源25、画像処理手段33から得られた情報に基づきヒータ23を制御する加熱制御手段26、ヒータ23の温度を検知する第1のサーミスタ27、定着ローラ60の温度を検知する第2のサーミスタ28等を備えているが、これらの構成は、基本的に上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
また、図13に示す構成では、ヒータ23を定着ローラ60の表面に接触させる構成としているが、コイルとインバータを用いたIH方式による非接触式の加熱手段を用いてもよい。IH方式とした場合、加熱用のコイルを定着ローラ60の軸方向に渡って複数配設したり、あるいは、磁束をキャンセルする部材を定着ローラ60の軸方向に渡って複数配設したりすることで、加熱領域や加熱量を制御できるようすることが可能である。
また、本発明を適用可能な画像形成装置は、図1に示すようなモノクロ画像形成装置に限らない。
本発明は、例えば、図14に示すようなカラー画像形成装置に搭載される定着装置にも適用可能である。
図14に示すカラー画像形成装置は、装置本体1に対して着脱可能な4つのプロセスユニット20Y,20M,20C,20Kを備えている。各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的に、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3と、現像ローラ6を備える現像手段7と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段10などを備える。
図14に示すカラー画像形成装置は、装置本体1に対して着脱可能な4つのプロセスユニット20Y,20M,20C,20Kを備えている。各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色の現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。具体的に、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kは、感光体2と、感光体2の表面を帯電させる帯電ローラ3と、現像ローラ6を備える現像手段7と、感光体2の表面をクリーニングするクリーニング手段10などを備える。
各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kの上方には、転写手段8として、中間転写ベルト16と、複数の一次転写ローラ17と、二次転写ローラ18とが設けられている。また、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kの下方には、露光装置19が設けられている。
以下、図14に示すカラー画像形成装置の基本的な作像動作について説明する。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kにおける各感光体2が回転駆動され、各感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体2の表面には、露光装置19からレーザー光がそれぞれ照射されて静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体2上に形成された静電潜像に、各現像手段7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
作像動作が開始されると、各プロセスユニット20Y,20M,20C,20Kにおける各感光体2が回転駆動され、各感光体2の表面が帯電ローラ3によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体2の表面には、露光装置19からレーザー光がそれぞれ照射されて静電潜像が形成される。このとき、各感光体2に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体2上に形成された静電潜像に、各現像手段7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、中間転写ベルト16が図の矢印で示す方向に回転駆動され、各一次転写ローラ17に所定の電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ17と各感光体2との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。その後、各感光体2の回転に伴い、感光体2上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体2上のトナー画像が中間転写ベルト16上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト16の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、各感光体2上の残留トナーは、クリーニング手段10によって除去される。そして、各感光体2の表面が図示しない除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
また、装置本体1の下部では、給紙ローラ12が回転駆動を開始し、給紙トレイ11から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ13によって搬送が一旦停止された後、所定のタイミングで二次転写ニップへ搬送される。このとき、二次転写ローラ18には所定の電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この転写電界によって、中間転写ベルト16上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。その後、用紙Pは定着装置14へと搬送され、定着装置14によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着された後、排紙ローラ15によって用紙Pが装置外へ排出される。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つのプロセスユニット20Y,20M,20C,20Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
また、本発明を適用可能な画像形成装置は、上記のものに限らず、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機等であってもよい。
14 定着装置
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ヒータ(加熱手段)
32 発熱体
60 定着ローラ(定着部材)
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
21 定着ベルト(定着部材)
22 加圧ローラ(対向部材)
23 ヒータ(加熱手段)
32 発熱体
60 定着ローラ(定着部材)
N ニップ部
P 用紙(記録媒体)
Claims (12)
- 定着部材と、前記定着部材に当接してニップ部を形成する対向部材と、前記定着部材を加熱する加熱手段とを備え、
前記加熱手段が、記録媒体上に形成される画像情報に基づいて、記録媒体の幅方向に渡って加熱範囲を変更可能に構成された定着装置において、
同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、前記加熱手段による加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成したことを特徴とする定着装置。 - 同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、前記加熱手段の発熱履歴に応じて、発熱させる部分を異ならせ、前記加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成した請求項1に記載の定着装置。
- 前記加熱手段は、記録媒体の幅方向に並んで配設されると共に、互いに独立して発熱可能な複数の発熱体を有し、
同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、前記各発熱体の発熱履歴に応じて、発熱させる発熱体を異ならせ、前記加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成した請求項2に記載の定着装置。 - 同じ画像が形成された記録媒体を複数定着する際に、形成された画像履歴に応じて、発熱させる部分を異ならせ、前記加熱範囲を記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成した請求項1に記載の定着装置。
- 前記加熱範囲の変更は、記録媒体収容器内の記録媒体が無くなったタイミングとは異なるタイミングで実行可能である請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記同じ画像が形成された複数の記録媒体は、1つの印刷ジョブの実行により連続的に供給されたものであり、
前記加熱範囲の変更を、前記複数の記録媒体の連続供給中に行うように構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記同じ画像が形成された複数の記録媒体は、複数の印刷ジョブの実行によって供給されたものであり、
前記加熱範囲の変更を、前記ジョブ間で行うように構成した請求項1から5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 同じ画像を複数の記録媒体に形成する際、当該画像の形成位置を、前記加熱手段に対して記録媒体の幅方向に渡って変更するように構成した請求項8に記載の画像形成装置。
- 同じ画像を複数の記録媒体に形成する際、当該画像の形成位置を、記録媒体の幅方向に平行移動させた位置に変更するように構成した請求項9に記載の画像形成装置。
- 同じ画像を複数の記録媒体に形成する際、当該画像の形成位置を、記録媒体の中央を通って垂直な軸心回りに180°反転させた位置に変更するように構成した請求項9に記載の画像形成装置。
- 同じ画像を複数の記録媒体に形成する際、縦と横の向きを変更して記録媒体を供給すると共に、当該向きを変更して供給する記録媒体に対して、画像の形成位置を、記録媒体の中央を通って垂直な軸心回りに90°回転させた位置に変更するように構成した請求項9に記載の画像形成装置。
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