JP2016170403A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】突入電流により発生するフリッカを低減する。【解決手段】所定の加熱対象物を加熱するヒータと、上記ヒータに対する交流電力の供給を制御する通電制御手段とを有する加熱装置において、上記ヒータに対して交流半波を単位とする通電を行い、通電開始時の第1期間は第1通電制御パターンで通電を行い(S12)、通電停止時の第3期間は第3通電制御パターンで通電を行い(S15)、上記第1期間と上記第3期間との間の第2期間は第2通電制御パターンで通電を行う(S13)、というように、各期間と対応する通電制御パターンに従って上記ヒータに対する電力の供給を制御する【選択図】図5

Description

この発明は、加熱装置及び画像形成装置に関する。
従来から、画像形成装置に備えられた定着器に急に電流を流すと、突入電流が流れ電圧変動が生じ、これにより画像形成装置と商用電源を共通にする照明機器にフリッカ(照明光のちらつき)が生じる場合があることが知られている。また、突入電流を防ぐための位相制御や、フリッカの影響を低減するために、電圧変動の周波数を人間が感じやすいフリッカの周波数帯から遠ざけるための不連続な通電制御を行うという技術が知られている。
例えば、特許文献1では、定着用ヒータに通電される電流(ランプ電流)の通電開始時に突入電流と呼ばれる大きな電流が流れ、画像形成装置と商用電源を共通にする照明機器にフリッカが生じることを防ぐために、パルス状の不連続な通電を行うことが開示されている。これにより、フリッカの発生をある程度抑制することができる。
また、特許文献2では、複数のヒータを有する定着装置において、複数のヒータの点灯タイミングを一致させないようにすることが開示されている。
しかし、特許文献1及び特許文献2に開示された技術では、フリッカの低減は必ずしも十分とは言えなかった。また、上述したフリッカの問題は、画像形成装置の定着器に電流を流す場合に限らず、ヒータ等、消費電力の大きな回路に電流を流そうとする場合には、同様に発生するものである。
この発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、突入電流により発生するフリッカを低減することを目的とする。
以上の目的を達成するため、この発明による加熱装置は、所定の加熱対象物を加熱するヒータと、上記ヒータに対する交流電力の供給を制御する通電制御手段とを有する加熱装置において、上記通電制御手段が、上記ヒータに対して交流半波を単位とする通電を行い、通電開始時の第1期間、通電停止時の第3期間及び上記第1期間と上記第3期間との間の第2期間についてそれぞれその各期間と対応する通電制御パターンに従って上記ヒータに対する電力の供給を制御するようにしたものである。
上記の構成によれば、突入電流により発生するフリッカを低減することができる。
この発明の第1実施形態である画像形成装置のハードウェア構成図である。 ヒータの通電制御に用いる交流半波制御の波形の一例を示す図である。 人間の視覚系の応答を模擬した伝達関数の例を示す図である。 バンドパスフィルタへの入力と出力について説明するための図である。 図3Aに示した伝達関数を持つバンドパスフィルタに単位インパルスを入力した場合の出力応答波形を示す図である。 2半波制御、3半波制御及び4半波制御の通電時に出力されるインパルス応答出力信号を重ね合わせた波形を示す図である。 図1に示した画像形成装置が行うハロゲンヒータへの通電制御の第1例の処理を示すフローチャートである。 同じく通電制御の第2例の処理を示すフローチャートである。 画像形成装置のハロゲンヒータが経時劣化している場合に第2期間の通電時間を調整する処理を説明するためのフローチャートである。 画像形成装置の雰囲気温度に応じてハロゲンヒータの第2期間の通電時間を調整する処理を説明するためのフローチャートである。 商用電源の周波数が50Hzの場合に好適な第1通電制御パターン波形を示す図である。 商用電源の周波数が60Hzの場合に好適な第1通電制御パターン波形を示す図である。 2半波制御で通電を行ったシミュレーション結果の出力信号波形を示す図である。 4半波制御で通電を行ったシミュレーション結果の出力信号波形を示す図である。 商用電源が50Hzの場合のフリッカ感度のシミュレーション結果の例を示す図である。 商用電源が60Hzの場合のフリッカ感度のシミュレーション結果の例を示す図である。 商用電源の周波数に応じて第1通電制御パターンを選択する処理を説明するための処理を示すフローチャートである。 2半波制御の波形を示す図である。 第3通電制御パターンの波形を示す図である。 2半波制御と第3通電制御パターンのそれぞれの出力信号を対比して示す図である。 この発明の第2実施形態である画像形成装置のハードウェア構成図である。 画像形成装置の2のハロゲンヒータのうちの1のハロゲンヒータに通電する場合の突入電流の推移を示す図である。 画像形成装置の2のハロゲンヒータのうち残りの1のハロゲンヒータに通電する場合の突入電流の推移を示す図である。 画像形成装置の2のハロゲンヒータを同じ通電タイミングで通電する場合の突入電流の推移を示す図である。 第2実施形態の画像形成装置における、第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60bに対する通電制御の一例及び、その通電制御を行った場合の、ハロゲンヒータ60全体に対する突入電流の推移を示す図である。 第2実施形態の画像形成装置における通電制御の、図18と別の例を示す図である。 図16に示した画像形成装置が行う通電制御処理のフローチャートである。 第3実施形態の画像形成装置が実行する、通電制御用テーブルを作成する処理を示すフローチャートである。 第3実施形態の画像形成装置が実行する、通電制御用テーブルに基づく通電制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態の画像形成装置が実行する、通電順を決定する処理を示すフローチャートである。 図23の処理で生成される通電制御用テーブルと、当該テーブルを用いて通電制御を行った場合の突入電流の推移を示す、図18と対応する図である。
〔第1実施形態:図1乃至図15〕
以下、この発明の第1実施形態について、図1乃至図15を用いて説明する。
まず、図1にこの発明の第1実施形態である画像形成装置Aのハードウェア構成を示す。なお、図1には、この発明の特徴に関連する部分を中心に示している。なお、図1に示す部分の構成は、この発明の加熱装置の実施形態でもある。
図1に示す画像形成装置Aは、入力する画像データに基づき用紙に画像を形成する画像形成装置であり、PSU(Power Supply Unit)10、制御基板20、定着器30、電源スイッチ40、トライアック50、ハロゲンヒータ60及び温度湿度センサ70を備えている。
PSU10は、電力供給元である商用電源80から電力を供給するための電力供給装置であり、フィルタ101、リレー102、整流ダイオード103、平滑コンデンサ104、DCDC(スイッチング方式のDC−DCコンバータ)105、ゼロクロス検知回路106を備える。
電源スイッチ40は、画像形成装置Aの電源スイッチであり、電源スイッチ40がオンになると、PSU10に商用電源80からの電力が供給される。
制御基板20は、画像形成装置Aを制御するための機能を備えた基板であり、制御手段としてのCPU201と記憶手段としてのROM202を少なくとも備える。ROM202には、ヒータ制御を行うためのプログラム202a及び通電パターンテーブル202b等が記憶される。
定着器30は、画像形成装置Aが画像形成時に、記録媒体に形成した画像を定着させるための装置であり、定着加熱ローラ301、加熱中央サーモパイル302、加熱端部サーミスタ303、定着加圧ローラ304、加圧中央サーミスタ305、加圧端部サーミスタ306を備える。なお、定着加熱ローラ301は、記録媒体上に形成した画像に熱を加えて定着させる機能を有しており、定着手段として機能する。
また、定着加熱ローラ301は、定着器30に近接するようにして配置されたハロゲンヒータ60によって加熱されることで、定着に必要な温度を維持することが可能となっている。
トライアック50は、半導体スイッチング素子の一種で、双方向に電流を流せることができ、交流電源の半波長毎にオン期間を変化させることで電流供給を制御する機能を有する。制御基板20と定着器30との間に設けられ、制御基板20のROM202に記憶されている通電パターンテーブル202bに従って、ハロゲンヒータ60への通電を制御している。
ハロゲンヒータ60は、定着器30の定着加熱ローラ301に接着するように配置され、加熱対象物である定着加熱ローラ301を加熱する。加熱中央サーモパイル302及び加熱端部サーミスタ303は、定着加熱ローラ301の温度検出素子として機能し、定着加熱ローラ301の温度を検出する。
一方、加圧中央サーミスタ305及び加圧端部サーミスタ306は、定着加圧ローラ304の温度検出素子として機能し、定着加圧ローラ304の温度を検出する。
温度湿度センサ70は画像形成装置Aの内部の雰囲気温度を検出するセンサであり、雰囲気温度検出手段として機能する。
上記の構成からなる画像形成装置Aが、どのようにしてハロゲンヒータ60の温度制御を行っているか、説明する。
まず、画像形成装置Aの電源スイッチ40がオンになると、商用電源80から供給された電流は、先ずPSU10に設けられたフィルタ101でノイズ除去され、その後、整流ダイオード103及び平滑コンデンサ104で平滑化されて、DCDC105に供給される。DCDC105は、低電圧Vccを制御基板20に供給する。
一方、ゼロクロス検知回路106には交流電流が供給される。交流電流は半波長毎に電圧がゼロに近くなるため、ゼロクロス検知回路106のトランジスタがオンで電圧を保持することができない
そこで、ゼロクロス検知回路106は、このトランジスタの状態を検知して、即ち、商用電源80のゼロクロス点を検出して、ゼロクロス信号を制御基板20に出力する。制御基板20は、そのゼロクロス信号に応じてトライアック50のオン/オフを制御する。
画像形成装置Aは、これを利用して、通電パターンテーブル202bに記憶された通電パターンに従って、ハロゲンヒータに対する交流電力の供給を制御する通電制御を実行することで、ハロゲンヒータ60の温度を制御することが可能となる。
以上の画像形成装置Aにおいて特徴的な点の1つは、定着器30が備えるハロゲンヒータ60への、交流半波を単位とする通電制御(交流半波制御)の手法である。
そこで、まず、この交流半波制御について、図2を用いて説明する。
図2には、交流半波制御に用いる波形の例として、上から順に2半波制御、3半波制御、4半波制御の波形を示した。ここでは、黒く塗りつぶした部分がヒータがオン、即ち通電している部分を示す。塗りつぶしていない部分(点線部分)はヒータがオフ、即ち通電していない部分である。以後の波形もオンの部分とオフの部分を同様に区別して示すものとする。
図2に示すように、2半波制御は、2半波長のうち、1半波長分の時間だけヒータを通電し、次の1半波長分の時間はヒータの通電を停止するものである。3半波制御は、3半波長のうち、1半波長分の時間だけヒータを通電し、次の2半波長分の時間はヒータの通電を停止するものである。同様に、N半波制御は、N半波長のうち、1半波長分の時間だけヒータを通電し、次のN−1半波長分の時間はヒータの通電を停止するものである。
このとき、商用電源80の周波数が50Hzであれば、半波長にかかる時間は10ms(ミリ秒)、商用電源80の周波数が60Hzであれば、半波長にかかる時間は8.35msとなる。
PSU10は、このような交流半波制御を利用して不連続な通電を行い、ヒータへの通電制御を行っている。しかし、通電開始時の突入電流により、フリッカが発生するという問題がある。
フリッカとは、照明機器と加熱装置の電源が共通である場合、通電開始時の突入電流によって照明の電圧が変動して生じる照明のちらつき等のことである。
次に、図3A乃至図3Cを用いて、このフリッカが人の目にどの程度強く認識されるかを評価する手法について説明する。
まず、人間の視覚系の応答を模擬した伝達関数として、図3Aに示すものが知られている。そして、図3Bに示すように、図3Aの伝達関数を持つバンドパスフィルタにフリッカの原因となる電圧変動を示す入力信号を加えて得られる出力信号が、人の目に認識されるフリッカの度合い(フリッカ感度)を示す信号となる。
参考例として、図3Aに示した伝達関数を持つバンドパスフィルタに単位インパルスを入力した場合の出力応答波形は、図3Cのようになる。
この出力信号の振幅が大きいほど、人の目に認識されるフリッカの度合いが大きくなるため、この出力信号の振幅が小さくなるような制御を行うことが望ましいと言える。
ここで、図2で説明した2半波制御、3半波制御、および4半波制御を用いてヒータの通電を行った場合のフリッカ感度について、図3Aの伝達関数を用いてシミュレーションした。この結果を示したものが図4である。なお、電源は50Hzであり、通電開始から一定時間経過後に通電を停止する場合を想定してシミュレーションした。
まず、実線で示したのは、2半波制御(20ms毎通電)に合わせての20ms間隔のインパルスを図3Aの伝達関数に与えた場合に得られるインパルス応答の重ね合わせの波形である。
点線で示したのは、同じく3半波制御(30ms毎通電)に合わせて30ms間隔のインパルスを与えた場合に得られる波形である。
2点差線で示したのは、4半波制御(40ms毎通電)に合わせて40ms間隔のインパルスを与えた場合に得られる波形である。
グラフの波形は、その形から大きく3つの期間に分けられる。この期間をそれぞれ、ヒータ通電開始時(第1期間)、ヒータ通電定常時(第2期間)、ヒータ通電停止時(第3期間)とする。
期間毎に各半波制御を比較すると、ヒータ通電開始時及びヒータ通電停止時では2半波制御において出力信号の絶対値が大きく、ヒータ通電定常時では4半波制御において出力信号の絶対値が大きくなっていることがわかる。逆に、ヒータ通電開始時及びヒータ通電停止時では4半波制御において出力信号の絶対値が小さく、ヒータ通電定常時では2半波制御において出力信号の絶対値が小さくなっていることがわかる。
そこで、図4のシミュレーション結果から、上述した3つの区間毎に、インパルス応答の出力信号の絶対値が小さくなるような交流半波の通電制御パターンを用いて、通電制御を行えば、フリッカを低減させることができることがわかる。
以上より、本発明では、3つの区間毎に最適と思われる半波制御を用いて、ヒータを通電することとした。図4の例で言えば、第1期間及び第3期間には4半波制御、第2期間には2半波制御を行うことが考えられる。
以下、この考え方に従ったハロゲンヒータ60への通電制御のいくつかの例について説明する。画像形成装置Aにおいては、これらの制御のうち1つのみを採用してもよいし、いくつかを切り替え可能としてもよい。
まず、通電制御の第1例について説明する。
図5に、この第1例においてCPU201が実行する通電制御処理のフローチャートを示す。なお、図5のフローチャートに示す「・・・通電制御パターンで通電を行う」とは、ゼロクロス検知回路106の結果に従って、該当の通電制御パターンに従ったタイミングでハロゲンヒータ60への通電ができるようにトライアック50のオンオフを切り替える処理を指す。以下のフローチャートに示す処理においても同様とする。
CPU201は、画像形成装置Aの電源がオンになったとき、或いは画像形成装置Aがスリープ状態から復帰したときなど、定着器30を画像形成に使用できる状態にすべき場合に、図5のフローチャートに示す処理を開始する。
そしてまず、定着加熱ローラ301の温度を検出し、その温度が予め設定したT1℃(加熱開始温度)未満か否かを判断する(S11)。ここでは、定着器30の温度として加熱中央サーモパイル302が検出する温度を用いるが、他のセンサが検出する温度や、複数のセンサが検出する温度の平均あるいは重み付け平均等を用いてもよい。
なお、T1は、一旦定着加熱ローラ301を十分に加熱した後、T1まで温度が下がった時点で再加熱を開始するという意味での加熱開始温度であり、図5の処理を開始した際には、通常は、T1より低い温度から加熱を開始することになると考えられる。
そして、ステップS11でT1℃以上である場合は、T1℃未満になるまで待機するが、T1℃未満である場合、CPU201は、第1通電制御パターンで、ハロゲンヒータ60への通電を行う(S12)。第1通電制御パターンは、通電開始時の第1期間に用いる通電制御パターンであり、図4の条件で言えば4半波制御のパターンである。この第1通電制御パターンに従った制御は、予め規定された時間で終了する。パターン自体に、継続時間あるいは継続半波数を規定しておくとよい。
ステップS12の通電を行った後、CPU201は、引き続き第2通電制御パターンで、ハロゲンヒータ60への通電を行う(S13)。この第2通電制御パターンは、通電定常時の第2期間に用いる通電制御パターンであり、図4の条件で言えば2半波制御のパターンである。第2通電制御パターンに従った制御に特に時間の制限はない。
そして、CPU201は、定着加熱ローラ301の温度がT2℃に達するまで、第2通電制御パターンでの通電を継続する。T2は、通電停止の制御に移行する閾値となる目標温度を示し、定着加熱ローラ301の加熱目標温度である後述のT3と同じか、少し低い値に設定するとよい。
そして、定着加熱ローラ301の温度がT2℃に達すると(S14のYes)、CPU201は通電制御パターンを第3通電制御パターンに切り替えてハロゲンヒータ60への通電を行う(S15)。第3通電制御パターンは、通電停止時の第3期間に用いる通電制御パターンであり、図4の条件で言えば4半波制御のパターンである。この第3通電制御パターンに従った制御も、第1通電制御パターンに従った制御と同様、予め規定された時間で終了する。パターン自体に、継続時間あるいは継続半波数を規定しておくとよい。
ステップS15の通電を行った後、CPU201は定着加熱ローラ301の温度がT3℃に達したか否かを判断する(S16)。T3は、温度T2の時点から第3通電制御パターンの通電を行うことにより通常到達できる温度である(所望のT3をもとにこのような基準でT2を設定する)ので、通常はステップS16の判断はYesになる。しかし、何らかの理由で加熱が十分でなく、Noとなった場合、再度ステップS12に戻って処理をくり返し、ハロゲンヒータ60へさらに通電して定着加熱ローラ301を追加加熱する。
T3℃に達している場合(S16のYes)、CPU201はハロゲンヒータ60への通電を停止し(S17)、ステップS11に戻る。そして、定着加熱ローラ301の温度がT1まで下がった時点で、再度加熱を開始する。
CPU201は、省電力モードに移行するなど、定着器30を画像形成に使用できる状態に保つ必要がなくなるまで、図5の処理を続け、定着器30を画像形成に使用できる状態に保つ必要がなくなると、適当な時点で図5の処理を中止する。
なお、T1〜T3の各目標温度については、予め実験、シミュレーション等により算出しておき、ROM202等の記憶領域に記憶させておく。画像形成に使用する設定(用紙の種類、サイズ、画像形成速度等)に応じて異なる値としてもよい。
図5の処理において、CPU201は通電制御手段として機能する。
なお、図5の処理においては、ステップS16の判断は省略可能であり、ステップS15の後でただちにステップS17に進むようにしてもよい。
図5の処理において、CPU201は、ハロゲンヒータ60に対して交流半波を単位とする通電を行い、通電開始時の第1期間、通電停止時の第3期間及び第1期間と第3期間との間の第2期間についてそれぞれその各期間と対応する通電制御パターンに従ってハロゲンヒータ60に対する電力の供給を制御している。そして、このことにより、全通電期間において一律の通電制御パターンに従って電力の供給を制御する場合に比べ、人の目に認識されるフリッカの度合いを低減させることができる。
また、CPU201は、定着加熱ローラ301が目標温度T2に達した場合に第2期間の通電制御を終了させて第3期間の通電制御に移行するので、通電停止時のフリッカ低減を見越した温度制御を容易に行うことができる。
また、CPU201は、定着加熱ローラ301が目標温度T3よりも低い加熱開始温度T1になった場合にハロゲンヒータ60への通電を開始するので、いわゆる温度ヒステリシスを利用して半波制御の実施回数を減らし、これによりフリッカを抑制できる。
次に、通電制御の第2例について説明する。
図6に、この第2例においてCPU201が実行する通電制御処理の、図5と対応するフローチャートを示す。
この図6の処理は、第2通電制御パターンで通電を行う時間を通電前に予め定めている点が図5と異なるので、この点を中心に説明する。
まず、処理の開始条件及びステップS21は、図5のステップS11の場合と同様であり、CPU201は、定着加熱ローラ301の温度がT1℃未満の場合に、まず第1通電制御パターンで、ハロゲンヒータ60への通電を開始する(S22)。
次に、CPU201は、第2通電制御パターンでハロゲンヒータ60へ通電する時間を決定する(S23)。この時間は、例えば、定着加熱ローラ301の現在温度と、目標温度T3との差分に基づき、定着加熱ローラ301を目標温度T3まで加熱するために与えるべき熱量を求め、この熱量を、第2通電制御パターンでの通電により単位時間当たりに与えることができる熱量で除して求めることが考えられる。また、この求めた時間から、第3通電制御パターンでハロゲンヒータ60へ通電する時間を差し引くとよい。熱量の段階で、第3通電制御パターンでの通電で定着加熱ローラ301に与えられる熱量を差し引いてもよい。
いずれにせよ、CPU201は、ステップS23で決定した時間だけ、第2通電制御パターンでハロゲンヒータ60へ通電を行う(S24)。その後、第3通電制御パターンでハロゲンヒータ60へ通電を行う(S25)。
そして、CPU201は、ここまでの通電により定着加熱ローラ301の温度がT3℃に達したか否かを判断する(S26)。T3℃に達している場合、CPU201はハロゲンヒータ60への通電を停止し(S27)、ステップS21に戻る。そして、定着加熱ローラ301の温度がT1まで下がった時点で、再度加熱を開始する。逆に、T3℃に達していない場合、再度ステップS22に戻って処理をくり返し、ハロゲンヒータ60へさらに通電して定着加熱ローラ301を追加加熱する
以上の図6の処理によっても、CPU201は、図5の処理の場合と同様に人の目に認識されるフリッカの度合いを低減させることができる。
次に、この第2例の変形例として、第2通電制御パターンでの通電時間(第2期間の通電時間)の調整処理について、図7及び図8を用いて説明する。図7及び図8に示す処理は、図6のステップS23の後、ステップS24の前に実行されるものである。
まず、図7の処理は、画像形成装置Aの累積印刷枚数が任意のM枚を超えた場合は(S31のYes)、第2通電制御パターンでの通電時間をステップS23で決定した時間よりも長く設定する(S32)ものである。一方、ステップS31でNoの場合は、第2期間の通電時間を変更することなく処理を終了する。
一般に、ハロゲンヒータ60が使用により経時劣化すると、同じ出力で一定時間当たりに定着器30に供給できる熱量が減少する。このため、経時劣化に伴い、通電時間を増加させる必要がある。
ここでは、画像形成装置Aが行う累積印刷枚数を基準にハロゲンヒータ60の経時劣化の度合いを推定し、その推定結果に基づき第2通電制御パターンでの通電時間を調整するようにしている。そして、累積印刷枚数M枚を閾値とし、それを超えた場合に通電時間を長くするようにしたものである。このことにより、ハロゲンヒータ60が経時劣化しても、図6のステップS26がNoになって通電のオンオフが繰り返されることがなくなり、フリッカを適切に低減することができる。
次に、図8の処理は、第2通電制御パターンでの通電時間を、画像形成装置Aの雰囲気温度に応じて変更するものである。この雰囲気温度は、温度湿度センサ70により検知することができる。
図8の処理において、CPU201は、雰囲気温度が予め設定してある温度T4℃以下である場合は(S41のYes)、第2通電制御パターンでの通電時間をステップS23で決定した通電時間よりも長く設定し(S42)、この処理を終了する。
ステップS41でNoの場合、CPU201は、雰囲気温度がT5℃以下であれば(S43のYes)、第2通電制御パターンでの通電時間を変更することなく図8の処理を終了する。
一方、ステップS43でNoの場合は、第2通電制御パターンでの通電時間をステップS23で決定した通電時間よりも短く設定し(S44)、図8の処理を終了する。
ここで、一般に、画像形成装置A内の雰囲気温度が低ければ、ハロゲンヒータ60が定着器30に必要な熱量を供給するまでの時間は長くなる。一方、雰囲気温度が高ければ、その時間は短くなる。
そこで、図6のステップS23では、雰囲気温度の標準的な温度(例えば、25℃位)のときに、ハロゲンヒータ60に与えるべき熱量を前提として通電時間を決定し、この通電時間を、雰囲気温度に応じて調整するとよい。
このことにより、雰囲気温度が低くても、図6のステップS26がNoになって通電のオンオフが繰り返されることがなくなり、フリッカを適切に低減することができる。また、雰囲気温度が高くても加熱し過ぎることがない。
なお、図8のような3段階ではなく、雰囲気温度と、ステップS23で求めた通電時間の調整量との関係を適宜ROM202等に記憶しておき、雰囲気温度と対応する調整量を読み出して適用できるようにしてもよい。
次に、図9〜図14を用いて、第1期間、第2期間、第3期間のそれぞれと対応する、上述の例と異なる通電制御パターンについて説明をする。以下に説明する通電制御パターンは、通電制御の第1例と第2例のいずれにも適用可能である。
まず、図9に示すように、第1期間の第1通電制御パターンについては、商用電源80の周波数毎に第1通電制御パターンを用意し、画像形成装置Aが接続される商用電源80の周波数に応じてそのいずれかを選択して使用することが考えられる。
図9Aに、50Hzの場合に好適なパターンを、図9Bに、60Hzの場合に好適なパターンを示した。図9Aに示すパターンは、4半波制御を実施した後、3半波制御を実施する通電制御パターンであり、図9Bに示すパターンは、5半波制御を実施した後、3半波制御を実施するパターンである。
これらのパターンは、各周波数の条件で種々の数の半波制御パターンの組み合わせと対応するインパルス応答を図3Bのフィルタを用いて生成し、通電開始時のフリッカ感度の振幅が小さいものを選択して得られたものである。
まず、図10に、2半波制御で通電する場合に得られるフリッカ感度の例を示す。
図10の例では、50Hzで2半波制御を行うものとし、これに対応して0ms及び20msのタイミングで図3Bのフィルタに入力された仮想インパルスに対するインパルス応答の出力結果を示したものである。
0msのタイミングで入力された信号に対するインパルス応答の出力信号の波形が点線、20msのタイミングで入力された信号に対するインパルス応答の出力信号の波形が一点鎖線、それらを重ね合わせた波形が実線で示されている。そして、図中Aで示すように20ms〜30msの区間で、2つのインパルス応答が加算されて増幅され絶対値が大きくなることで、フリッカ感度が大きくなっていることがわかる。
次に、図11に、4半波制御で通電する場合に得られるフリッカ感度の例を示す。
図11の例では、50Hzで4半波制御を行うものとし、これに対応して0ms及び40msのタイミングで図3Bのフィルタに入力された仮想インパルスに対するインパルス応答の出力結果を示したものである。
0msのタイミングで入力された信号に対するインパルス応答の出力信号の波形が点線、40msのタイミングで入力された信号に対するインパルス応答の出力信号の波形が一点鎖線、それらを重ね合わせた波形が実線で示されている。そして、図中Bで示すように40ms〜50msの区間で、2つのインパルス応答が打ち消し合って絶対値が小さくなり、フリッカ感度が小さくなっていることがわかる。
このように、半波制御の半波数に応じて、複数回の通電に応じたフリッカ感度の合成値が変化する。そして、各周波数の条件に応じて種々の半波数の組み合わせと対応するインパルス応答を求め、通電開始時のフリッカ感度の振幅が小さいものを選択して通電制御に用いることができる。このことにより、商用電源80の周波数に応じて最適な条件でフリッカを低減することができる。
図12Aに、商用電源80が50Hzの場合における、図9Aの第1通電制御パターンに従った通電時のフリッカ感度と、2半波制御を行った場合のフリッカ感度とを示す。いずれも、図3Bのフィルタを用いた計算値である。この図に示すように、図9Aの第1通電制御パターンを用いることにより、点線C1で囲った部分にあるように、2半波制御の場合と比べて通電開始時のフリッカ感度を低減できることがわかる。
また、図12Bに、商用電源80が60Hzの場合における、図9Bの第1通電制御パターンに従った通電時のフリッカ感度と、2半波制御を行った場合のフリッカ感度とを示す。これらも、図3Bのフィルタを用いた計算値である。この図に示すように、図9Bの第1通電制御パターンを用いることにより、点線C2で囲った部分にあるように、2半波制御の場合と比べて通電開始時のフリッカ感度を低減できることがわかる。
なお、日本国では商用電源80の周波数には50Hzと60Hzが用いられており、地域によって商用電源80の周波数が異なる。そこで、上述のように、第1通電制御パターンを50Hzの場合と60Hzの場合の2つ用意した。
そして、例えば、図13のフローチャートに示すステップS51乃至S53の処理を、CPU201が電源投入時等に実行することにより、第1通電制御パターンとして、商用電源80の周波数に対応したパターンを選択することができる。
なお、フリッカ規格を満足できるのであれば、第1通電制御パターンは、商用電源80の周波数に関わらず、同じパターンとしてもよい。
次に、第2期間の通電に用いる第2通電制御パターンであるが、このパターンは2半波制御とする。
というのも、図4のシミュレーション結果からもわかるように、第2期間における2半波制御、3半波制御、4半波制御の波形は、その大きさと昇温時間が異なる以外は、ほぼ同じ形である。
したがって、この期間における通電制御パターンを選択する際は、フリッカを抑制するためには、出力信号の絶対値が小さく、且つ昇温時間が最も短いものに着目すればよいことになる。そして、この条件に該当する2半波制御を第2通電制御パターンとすることが望ましい。
最後に、第3期間の第3通電制御パターンであるが、これも、第1通電制御パターンの場合と同様なシミュレーションに基づき決定することができる。ただし、第3通電制御パターンについては、第2通電制御パターンとして採用する2半波制御(波形は図14A参照)の後に用いた場合にフリッカ感度の小さくなる半波制御(複数の半波制御の組み合わせも含む)パターンを探索する。
その結果、図14Bに示す、3半波制御を実施した後2半波制御を実施する通電制御パターンを第3通電制御パターンとして用いると、通電終了時のフリッカ感度を低減できることを見いだした。
図15に、商用電源が50Hzの場合における、最後まで2半波制御を行って通電を終了した場合のフリッカ感度と、最後に図14Bに示した第3通電制御パターンを用いた通電を行って通電を終了した場合のフリッカ感度とを示す。これらを比較すると、点線Dで囲った部分にあるように、第3通電制御パターンを用いた場合のほうが2半波制御のみの場合よりも通電終了時のフリッカ感度を低減できることがわかる。
〔第2実施形態:図16乃至図20〕
次に、この発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態の画像形成装置Aは、複数の発熱素子からなるハロゲンヒータ60を備え、該複数の発電素子に対する通電制御を、後述する通電規則に基づいて行うものである。また、この点以外は第1実施形態の画像形成装置Aと同じであるので、上記の点に関連する事項についてのみ説明する。また、第1実施形態と共通のまたは対応する箇所には、第1実施形態と同じ符号を付す。この点は、以降の説明する実施形態でも同様とする。
まず、図16に、この発明の第2実施形態である画像形成装置Aのハードウェア構成を示す。
第2実施形態の画像形成装置Aのハードウェア構成は基本的には、第1実施形態と共通である。但し、この実施形態では、画像形成装置Aはハロゲンヒータ60内に発熱素子として第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bを備えている点が第1実施形態の画像形成装置と異なる。そして、この第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bには、それぞれ第1トライアック51,第2トライアック52が接続される。第1トライアック51は第1ハロゲンヒータ60aへの通電のオン/オフを、第2トライアック52は第2ハロゲンヒータ60bへの通電のオン/オフを制御する。これらにより、第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bは、個別に通電オンオフを制御することができる。
なお、第2実施形態においては、第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bは、同じ特性をもつヒータであり、性能に差はないものとする。
次に、図17A乃至図17Cに、第1ハロゲンヒータ60aに通電(交流電力の供給)した場合の突入電流の波形、第2ハロゲンヒータ60bに通電した場合の突入電流の波形、全通電期間中の各通電タイミングで第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bに同時に通電した場合の突入電流の波形を比較例として示した。
なお、半波制御を行う場合における、1半波分の通電期間のことを(1つの)通電タイミングと呼ぶ。また、各通電タイミングにおける通電開始時点を通電開始タイミングという。
図17A乃至図17Cのグラフは、縦軸に突入電流〔A〕、横軸に時間〔t〕をとっている。また、半周期を10ms(商用電源50Hz)として、第1実施形態の場合と同様に第1乃至第3通電制御パターンに従った半波制御により決定した通電タイミングに通電を行った場合の突入電流を、黒く塗りつぶした領域により示している。破線部は、実際には通電を行っていない期間を示す。
また、図中のXは、第1ハロゲンヒータ60aへの通電を行うn回目の通電タイミングを示す。Yは、第2ハロゲンヒータ60bへの通電を行うn回目の通電タイミングを示す。X+Yは、第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bに同時に通電する場合の通電タイミングを示し、このタイミングが第1ハロゲンヒータ60aへの通電を行うn回目の通電タイミングであってかつ第2ハロゲンヒータ60bへの通電を行うn回目の通電タイミングであるとする。
図17A及び17Bに示すように、第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bの一方のみに対し通電を行う場合、初めの方の通電タイミングでは大きな突入電流が発生するものの、第1実施形態の場合と同様に、第1乃至第3通電制御パターンを用いて通電を行うタイミングを制御することにより、フリッカを低減させることができる。
しかし、図17Cに示すように、同じタイミングで第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bに同時に通電すると、通電箇所X+Yの突入電流の値は、第1ハロゲンヒータ60aの通電箇所Xの突入電流の値と,第2ハロゲンヒータ60bの通電箇所Yの突入電流の値とを足し合わせたものとなる。
このため、図17A及び図17Bの場合と同じように通電制御しても、ヒータの数が増えた分だけ突入電流が大きくなってしまう。このため、その分だけフリッカも大きくなってしまう。
次に、図18に、第2実施形態の画像形成装置Aにおける、第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60bに対する通電制御の一例及び、その通電制御を行った場合の、ハロゲンヒータ60全体に対する突入電流の推移を示す。
なお、図の下側に示した通電制御用テーブルは、通電開始からk番目の半波の期間において第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bのそれぞれに通電を行うか否かを示すものである。「0」が非通電、「1」が通電を示す。第1ヒータ、第2ヒータはそれぞれ第1ハロゲンヒータ60a、第2ハロゲンヒータ60bのことである。
図18の例において、グラフ中で黒く塗りつぶした箇所が通電タイミングである。この通電タイミングは、第1実施形態の場合と同様に第1乃至第3通電制御パターンに従った半波制御により決定する。そして、その決定した各通電タイミングにおいて、第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bに交互に通電を行う。すなわち、1番目の通電タイミング(k=1)では第1ハロゲンヒータ60aに1回目の通電を行い(X)、2番目の通電タイミング(k=5)では第2ハロゲンヒータ60bに1回目の通電を行い(Y)、3番目の通電タイミング(k=8)では第1ハロゲンヒータ60aに2回目の通電を行い(X)、・・・、という具合である。なお、ここではk=1,5,8,・・・が通電タイミングとなっているが、どの箇所が通電タイミングとなるかは、使用する通電制御パターンによって異なるものである。
このようにすれば、ハロゲンヒータ60全体で見た突入電流は、1本のみのハロゲンヒータに通電する場合と変わらない低い値に抑えられるため、第1実施形態の場合と同様、フリッカを低減することができる。この効果は、図17Cに示した比較例の場合と比べ、同時に通電するハロゲンヒータの数が少ないことにより得られるものである。
ただし、図18に示す制御を行うと、図17Cに示した比較例の場合と比べ、ハロゲンヒータ60により単位時間当たりに定着加熱ローラ301に与えられる熱量が少ないため、定着加熱ローラ301を目標温度まで加熱するために要する時間が長くなることが考えられる。
そこで、図19に、第2実施形態の画像形成装置Aにおける通電制御の別の例を示す。図の書式は図18と共通である。
図19に示す例は、通電開始から所定時間経過後(図19の例ではk=21以降)は、各通電タイミングにおいて、第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bの双方に通電を行う点が、図18の例と異なる。
図18及び図19からわかるように、通電開始直後は突入電流が大きいものの、(半波単位の)通電回数を重ねるにつれて、徐々に突入電流は減少していく。したがって、ある程度の期間を経過すれば、その後は、通電タイミングX+Yのように第1ハロゲンヒータ60a分と第2ハロゲンヒータ60b分の合算の突入電流が発生しても、さほどおおきなフリッカは発生しないと考えられる。
このため、通電開始から所定時間経過後は、各通電タイミングにおいて、第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bの双方に通電を行うことにより、ハロゲンヒータ60により単位時間当たりに定着加熱ローラ301に与えられる熱量を増加させ、定着加熱ローラ301を目標温度まで加熱するために要する時間を短縮することができる。
例えば、図18の制御では目標温度までの加熱にk=120、すなわち1200msかかっていたところ、図19の制御ではk=80、すなわち800msで済む、という具合である。
なお、図18の制御と図19の制御のどちらを適用するかは、固定でもよいし、ユーザが手動であるいは何らかの条件に従って自動で選択できるようにしてもよい。いずれにせよ、図18の制御を行う場合、「各通電タイミングで第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bに交互に通電を行う」といった通電順規則を予め画像形成装置Aに記憶させておく。また、図19の制御を行う場合、「通電開始から所定期間の各通電タイミングで第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bに交互に通電を行い、その後の各通電タイミングで第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bの両方に通電を行う」といった通電順規則を予め画像形成装置Aに記憶させておく。「交互」の通電をいずれのハロゲンヒータから開始するかは、ランダムでも、予め定めてあっても、何らかの基準に従って決定してもよい。
次に、図20に、上記の通電順規則に従った通電制御の処理を示す。この処理は、CPU201が、所要のプログラムを実行することにより行うものである。
第2実施形態においても、CPU201は第1実施形態の場合と同様図5の処理を実行しており、図20の処理は、図5の処理で第1〜第3通電制御パターンに従って定められた各通電タイミング(半波制御で通電を行う半波の期間)における、各ハロゲンヒータへの通電オンオフを切り替えるための処理である。
図5のステップS11において、CPU201は制御周期600ms毎に加熱中央サーモパイル302が検出する定着加熱ローラ301の現在温度を参照し、当該温度がT1℃を下回ったときにステップS12以降の処理に進むと同時に、図20の処理を開始する。
図20の処理においてまず、CPU201は、ゼロクロス検知回路106からゼロクロス信号が出力されるまで、すなわち、交流の商用電源80の電圧の次の半波が開始するタイミングまで待機する(S51)。
そして、ステップS51でYesとなると、CPU201は、図5の通電制御パターンのうち、今回適用する通電制御パターンで通電開始タイミングにあるか否かを判断する(S52)。
通電開始タイミングでない場合は(S52のNo)、CPU201は、第1及び第2トライアック51,52をオフにし(S54)、第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60bへの通電を停止して、ステップS51に戻る。なお、ステップS54の処理前からオフのトライアックについては、オフの状態を維持すればよい。この点は、以降のトライアックのオン/オフの処理でも同様である。
一方、ステップS52で通電開始タイミングの場合は(S52のYes)、CPU201は、上述した通電順規則を参照し(S53)、今回の通電開始タイミングから始まる通電開始タイミングにおいて第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bのどちらに又は両方に通電を行うかを決定する。例えば、「各通電タイミングで第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bに交互に通電を行う」という通電順規則が設定されており、前回の通電タイミングで第1ハロゲンヒータ60aに通電を行ったのであれば、今回の通電タイミングでは第2ハロゲンヒータ60bに通電を行う、等である。
次に、CPU201は、ステップS53での決定に従い、第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60bのいずれにあるいは両方に通電するかに基づき、第1トライアック51及び第2トライアック52のオンオフを切り替える(S55乃至S60)。
CPU201は次に、図5のステップS17で通電停止が指示されたかを判断し(S61)、Yesの場合は、第1及び第2トライアック51,52をオフにし(S62)、この処理は終了する。一方、Noの場合は、ステップS51に戻って処理をくり返す。
すなわち、図20の処理は、図5の処理に従って第1乃至第3通電制御パターンで順次通電し、加熱中央サーモパイル302が検出する定着加熱ローラ301の表面温度が目標温度T3℃に達すると、終了することになる。
以上で、第2実施形態における2本のハロゲンヒータを用いた通電制御処理についての説明を終了するが、上述したように、通電順規則に基づき、第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bに通電する箇所を同じ通電タイミングにしないようにすることで、突入電流を小さくすることができ、フリッカが低減できる。また、突入電流が大きくなる通電開始から所定期間内では、同じ通電タイミングにおいて第1ハロゲンヒータ60aと第2ハロゲンヒータ60bとを同時に通電することはせず、その後は同じ通電タイミングにおいて第1、第2ハロゲンヒータ60a,60b同時に通電させることで、定着加熱ローラ301を所定の温度まで昇温させるための時間を短縮させつつ、フリッカを低減することが可能となる。
なお、図20の処理で用いる通電順規則は、より一般的には、発電素子として複数のハロゲンヒータがある場合に、第1乃至第3通電制御パターンによる各通電タイミングにおいて、各ハロゲンヒータに通電する順番、複数本の同時通電可否等を定めた規則である。
ここではヒータが2本の例について説明したが、3本以上の(M本とする)場合でも、上記と同様な考え方でフリッカを低減させるための通電順規則を作成することができる。すなわち、通電開始から初めの所定期間にある通電タイミングでは、複数の発熱素子の一部のみに交流電力を供給するようにすればよい。M本のうちM−1本の通電を行う場合も「一部のみ」に含まれ、全部の発熱素子に同時に通電する場合よりもフリッカを低減することができる。
また、所定期間より後にある通電タイミングでは、全ての発電素子に通電しても、フリッカへの影響は小さく、一方で昇温時間短縮の効果を得ることができる。
また、初めの所定期間にある通電タイミングでは、各通電タイミングで各発熱素子に順次通電するようにするとよい。このようにすることで、フリッカを低減しつつ、各発熱素子に均等に発熱させることができるからである。なお、「順次」とは、通電先が周期的に変化するように、という意味である。
〔第3実施形態:図21及び図22〕
次に、この発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の画像形成装置Aは、通電制御用テーブルを作成し、そのテーブルに基づいて、複数の発熱素子に通電を行う点が第2実施形態と異なるものである。この点以外は第2実施形態と同じであるので、この点に関連する事項についてのみ説明する。なお、通電制御用テーブルとは、図18及び図19の下側に示したように、ハロゲンヒータ60の通電開始から半波単位で、k番目の半波の期間に各発熱素子(第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60b)に通電を行うか否かを規定するテーブルである。
図21に、第3実施形態の画像形成装置AにおいてCPUが実行する、通電制御用テーブルを作成する処理のフローチャートを示す。この処理は、第1実施形態における図6の処理と対応するものであり、開始条件は図6と同様である。
図21の処理においてまず、CPU201は定着加熱ローラ301の温度がT1℃以上になるまで待機する(S61)。定着加熱ローラ301の温度とは、第2実施形態で述べた通り、加熱中央サーモパイル302が検出する現在温度のことである。
ステップS61でYesになると、CPU201は、第2実施形態でも説明した通電順規則を取得し(S62)、以後の処理において参照できるようにする。
次に、CPU201は、ステップS62で取得した通電順規則に基づき、通電制御用テーブルの、第1通電制御パターンを適用する期間の部分を作成する(S63)。すなわち、第1通電制御パターンに従って、何番目の半波の期間を通電タイミングとするかが決まるので、その各通電タイミングに、通電順規則に従って定められる発熱素子に通電を行うよう、通電制御用テーブルを生成する。どの期間まで第1通電制御パターンに従った制御を行うかは、第1実施形態の場合と同様に決定すればよい。
次に、CPU201は、第2通電制御パターンで通電する時間を決定し(S64)、ステップS62で取得した通電順規則に基づき、通電制御用テーブルの、第2通電制御パターンを適用する期間の部分を作成する(S65)。ステップS64の決定方法は図6のステップS23と同様であり、ステップS65の作成方法は、使用する通電制御パターンが異なる点以外はステップS63と同様である。
次に、CPU201は、ステップS62で取得した通電順規則に基づき、通電制御用テーブルの第3通電制御パターンを適用する期間の部分を作成する(S66)。第3通電制御パターンで通電する期間の長さは、図5及び図6の場合と同様であり、ステップS66の作成方法は、使用する通電制御パターンが異なる点以外はステップS63と同様である。
ここまでの処理が完了すると通電制御用テーブルが完成するので、CPU201は図22の処理を実行する(S67)。図22の処理が終了すると、定着加熱ローラ301の現在温度がT3℃に達したか否かを判断し(S68)、達していない場合は(S68のNo)、ステップS63に戻って処理をくり返す。これは、図6においてステップS26でNoの場合と対応する処理である。一方、S68でYesであれば、ステップS61に戻る。これは、図6のステップS26でYesの場合と対応する処理である。図6のステップS27に相当する処理は図22の処理に含まれるので、図21の処理には含まれない。
次に、図22に、上記通電制御用テーブルを用いた通電制御処理のフローチャートを示す。
図22の処理は、上記のように図21のステップS67で実行されるものであり、この処理において、CPU201はまず、カウンタkを0にリセットする(S71)。その後、図20のステップS51と同様、ゼロクロス検知回路106からゼロクロス信号が出力されるまで待機する(S72)。
ステップS72でYesになると、CPUはkをインクリメントし(S73)、図21の処理で作成した通電制御用テーブルのk番目の半波の期間のデータを参照する(S74)。そして、そのデータに基づいて、第1トライアック51及び第2トライアック52のオンオフを切り替えることにより(S75乃至S80)、第1ハロゲンヒータ60a及び第2ハロゲンヒータ60bへの通電オンオフを制御する。
ステップS79或いはS80の処理が終わると、CPU201は、通電制御用テーブルの末尾まで処理が終わったかを判断する(S81)。ここで、Yesの場合は、第1及び第2トライアックをオフにし、この処理は終了する。
一方、Noの場合は、ステップS72に戻り、ステップS81でYesになるまで、この処理を繰り返す。
以上の第3実施形態によっても、第2実施形態の場合と同様な効果を得ることができる。なお、図21の処理では、初めに加熱終了までの通電制御用テーブルを作成しているが、通電の進行に応じて定着加熱ローラ301の温度等に基づき通電制御用テーブルに随時データを追加していくことも考えられる。
〔第4実施形態:図23及び図24〕
次に、この発明の第4実施形態について説明する。
第4実施形態の画像形成装置Aでは、定着加熱ローラ301を目標温度まで昇温させるために各発熱素子に発熱させる必要がある熱量に応じて、各発熱素子への通電回数を変える点が第3実施形態と異なる。この点以外は第3実施形態と同じであるので、この点に関連する事項についてのみ説明する。
まず、第4実施形態の画像形成装置Aは、基本的な構成は第3実施形態と共通であるが、定着加熱ローラ301の中央部を第1ハロゲンヒータ60aが、端部を第2ハロゲンヒータ60bが加熱するよう、各発熱素子が主に熱を与える部分が異なる構成としている。また、その定着加熱ローラ301の中央部の表面温度は加熱中央サーモパイル302が、端部の表面温度は加熱端部サーミスタ303が検出する。
ところで、画像形成装置Aが画像形成を行う場合、定着加熱ローラ301の表面のうち、画像形成時に記録媒体が接触し通過する中央付近の部分では、表面から熱が奪われ、端部付近よりも大きく温度が低下する。このため、画像形成後の表面温度は、中央付近の表面温度が、端部の表面温度と比して、低くなることが考えられる。もちろん、他の原因で温度差が生じることも考えられる。
したがって、定着加熱ローラ301の全体を均一な目標温度T3℃まで加熱しようとする場合、中央付近と端部とで、与えるべき熱量が異なる場合がある。
そこで、第4実施形態では、定着加熱ローラ301の中央付近と端部を加熱するためにそれぞれ必要な熱量に応じて、第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bに通電する通電タイミングの数を変えるようにしたものである。このことにより、中央付近と端部とで、与えるべき熱量が異なる場合でも、中央付近と端部を、同じタイミングで、同じ目標温度にすることができる。すなわち、一方の加熱が終了した後で他方の加熱が終了するまで待つようなことがなく、短時間で定着加熱ローラ301の全体を均一な温度に加熱することができる。
図23に、CPU201が実行する、この必要な熱量に応じて通電順規則を決定する処理のフローチャートを示す。
CPU201は、図21のステップS61でYesとなった場合、ステップS62の前に、図23の処理を実行する。図23の処理において、CPU201はまず、加熱中央サーモパイル302が検出する検出温度である定着加熱ローラ301の中央部の現在温度と定着加熱ローラ301の目標温度との差分から、定着加熱ローラ301の中央部を目標温度まで昇温させるのに必要な熱量を算出する(S91)。
ここで、必要な熱量Q1は、目標温度までの差分をΔT1、定着加熱ローラ301の中央部の熱容量をc1として、近似的にQ1=c1×ΔT1で算出することが考えられる。もちろん、熱伝導時の熱の放射等による損失分や温度検出時の雰囲気温度等による誤差等を考慮してもよい。
次に、ステップS91で求めた熱量を用いて、第1ハロゲンヒータ60aの通電時間を算出する(S92)。ここで、求める通電時間は、加熱の最初から最後までに通電する必要がある合計時間のことを意味する。通電時間を通電タイミング1つ当たりの時間で割れば、通電を行うべき通電タイミングの数を求めることができる。
そして、通電時間t1は、第1ハロゲンヒータ60aが通電の単位時間あたりに定着加熱ローラ301の中央部に与えることができる熱量をq1とすると、近似的にt1=Q1/q1で算出することができる。なお、ここでは第1ハロゲンヒータ60aは定着加熱ローラ301の中央部にのみ熱を与えると仮定しているが、この仮定が妥当でない場合には、端部の加熱も考慮して計算式を変更すればよい。
次に、CPU201は、加熱端部サーミスタ303の検出温度と定着加熱ローラ301の目標温度との差分から、定着加熱ローラ301の端部を目標温度まで昇温させるのに必要な熱量を算出する(S93)。そして、ステップS93で求めた熱量を用いて、第2ハロゲンヒータ60bの通電時間を算出する(S94)。必要な熱量及び通電時間の算出は、ステップS91及びS92の場合と同様にして行うことができる。
すなわち、必要な熱量Q2は、目標温度までの差分をΔT2、定着加熱ローラ301の端部の熱容量をc2として、近似的にQ2=c2×ΔT2で算出することができる。通電時間t2は、第2ハロゲンヒータ60bが通電の単位時間あたりに定着加熱ローラ301の端部に与えることができる熱量をq2とすると、近似的にt2=Q2/q2で算出することができる。
次に、CPU201は、ステップS92及びS94で算出した各通電時間の比を算出し、その比に基づいて、第1ハロゲンヒータ60aに通電する通電タイミングの数と第2ハロゲンヒータ60bに通電する通電タイミングの数の比が、当該比に近くなるように通電順規則を生成して(S95)、図23の処理を終了する。そして、図21のステップS63以降では、ここで生成した通電順規則に従って通電制御用テーブルが生成される。
例えば、t1:t2=2:1であれば、「第1ハロゲンヒータ60aに2回通電する毎に第2ハロゲンヒータ60bに1回通電する」といった通電順規則を生成することが考えられる。そして、この通電順規則に従った通電制御は、例えば、各通電制御パターンに従って定められる通電タイミングにおいて、「第1」、「第1」、「第2」、「第1」、「第1」、「第2」、・・・の順で通電を行うものとなる。また、単位時間内で各発熱素子に通電する回数の比が、t1:t2の値に近くなれば、必ずしもこの順でなくてよい。
図24に、図23の処理に基づいて生成した通電順規則に従って、生成される通電制御用テーブルの例と、その通電制御用テーブルに従って通電を制御した場合の突入電流の推移を示す。図24の書式は、図18と同様である。
図24の例において、使用する通電制御パターンは図18の場合と同じであり、また、各通電タイミングで第1及び第2ハロゲンヒータ60a,60bいずれか一方のみに通電する点も共通であるので、突入電流の推移は図18の場合と同じである。
しかし、第1ハロゲンヒータ60aへの通電回数と第2ハロゲンヒータ60bへの通電回数との比が2:1になるようにしている。従って、単位時間当たりでは定着加熱ローラ301の中央部により多くの熱を与えることができる。従って、中央部の方が端部より温度が低い状態からスタートしても、中央部と端部を、同時に同じ目標温度とすることができる。
以上の通電制御は、要するに、各発熱素子に発生させるべき熱量に基づき、各発熱素子に電力を供給する通電タイミングの数を定め、その数に従って、単位時間内の各通電タイミングにおいて各発熱素子のうちいずれに交流電力を供給するかを決定するものである。そして、このことにより、各発熱素子に発熱させるべき熱量が異なる場合でも、フリッカを抑えつつ、所望の熱量での加熱が可能となる。
なお、図23のステップS95で決定する通電順規則について、通電タイミングの数の比として、3:1、5:2、2:1、3:2、1:1等、いくつかの候補を用意し、各候補毎に、各発熱素子への通電順を予め用意しておいてもよい。
また、図23の処理により生成した通電順規則は、第2実施形態の図20の処理に適用することももちろん可能である。この場合、ステップS52でYesになった後、ステップS53の前に、図23の処理を実行すればよい。
以上で本発明の第1乃至第4実施形態の説明を終了するが、この発明において、装置の具体的な構成、定着器の具体的な構成、具体的な通電制御パターンの構成、具体的な処理の手順等は、実施形態で説明したものに限るものではない。
また、本発明を、ハロゲンヒータ60等の電力供給対象を構成要件としない加熱制御装置として実施することもできるし、電力供給対象がヒータでない通電制御装置として実施することもできる。
本発明における画像形成装置Aが行うハロゲンヒータ60への通電制御に関するプログラムは、ROM202に記憶しておく他、外部の記憶媒体等に記憶しておいてもよい。また、メモリカード、CD、DVD、ブルーレイディスク等の任意の不揮発性記録媒体に記録して提供することもできる。それらの記録媒体に記録されたプログラムを他の画像形成装置にインストールして実行させることにより、上述した各手順を実行させることができる。
さらに、ネットワークに接続され、プログラムを記録した記録媒体を備える外部装置あるいはプログラムを記憶手段に記憶した外部装置からダウンロードし、コンピュータにインストールして実行させることも可能である。
また、以上説明してきた実施形態及び変形例の構成は、相互に矛盾しない限り任意に組み合わせて実施可能であることは勿論である。
A:画像形成装置、30:定着器、50:トライアック、51:第1トライアック、52:第2トライアック、60:ハロゲンヒータ、60a:第1ハロゲンヒータ、60b:第2ハロゲンヒータ、70:温度湿度センサ、80:商用電源、106:ゼロクロス検知回路、201:CPU、202:ROM、202b:通電パターンテーブル、301:定着加熱ローラ、302:加熱中央サーモパイル、303:加熱端部サーミスタ
特開平11−95606号公報 特開2008−287143号公報

Claims (15)

  1. 所定の加熱対象物を加熱するヒータと、
    前記ヒータに対する交流電力の供給を制御する通電制御手段とを有する加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記ヒータに対して交流半波を単位とする通電を行い、通電開始時の第1期間、通電停止時の第3期間及び前記第1期間と前記第3期間との間の第2期間についてそれぞれ該各期間と対応する通電制御パターンに従って前記ヒータに対する電力の供給を制御する
    ことを特徴とする加熱装置。
  2. 請求項1に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、少なくとも前記第1期間と対応する通電制御パターンを、商用電源の周波数毎に備え、前記第1期間には、電力供給元の商用電源の周波数に応じた通電制御パターンに従って前記ヒータに対する電力の供給を制御することを特徴とする加熱装置。
  3. 請求項1又は2に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記加熱対象物に与えるべき熱量に応じて、前記第2期間の通電時間を変更することを特徴とする加熱装置。
  4. 請求項3に記載の加熱装置であって、
    前記ヒータの経時劣化の度合いを推定する推定手段を備え、
    前記通電制御手段は、前記推定手段が推定した経時劣化の度合いが大きくなるに従って前記第2期間の通電時間を増加させることを特徴とする加熱装置。
  5. 請求項3又は4に記載の加熱装置であって、
    雰囲気温度を検出する雰囲気温度検出手段を備え、
    前記通電制御手段は、前記雰囲気温度検出した雰囲気温度に応じて、前記第2期間の通電時間を調整することを特徴とする加熱装置。
  6. 請求項1又は2に記載の加熱装置であって、
    前記加熱対象物の温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記通電制御手段は、前記加熱対象物が所定の目標温度に達した場合に前記第2期間の通電制御を終了させて前記第3期間の通電制御に移行することを特徴とする加熱装置。
  7. 請求項6に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記加熱対象物が前記目標温度よりも低い加熱開始温度になった場合に前記ヒータへの通電を開始することを特徴とする加熱装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記第1期間と対応する通電制御パターンとして、5半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う5半波制御と3半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う3半波制御とを組み合わせた通電制御パターンと、4半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う4半波制御と3半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う3半波制御とを組み合わせた通電制御パターンとを備え、これらのうち電力供給元の商用電源の周波数に応じた通電制御パターンに従って前記ヒータに対する電力の供給を制御することを特徴とする加熱装置。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記第2期間と対応する通電制御パターンとして、2半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う2半波制御を用いることを特徴とする加熱装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一項に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記第3期間と対応する通電制御パターンとして、3半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う3半波制御と2半波長のうち1半波長分の時間だけ通電を行う2半波制御とを組み合わせた通電制御パターンを用いることを特徴とする加熱装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の加熱装置であって、
    前記ヒータは、個別に通電を制御可能な複数の発熱素子を備え、
    前記通電制御手段は、前記発熱素子毎に交流電力の供給を制御し、前記通電制御パターンに従って前記ヒータに対する電力を供給する通電タイミングのうち、初めの所定期間にある通電タイミングでは、前記複数の発熱素子の一部のみに交流電力を供給することを特徴とする加熱装置。
  12. 請求項11に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記初めの所定期間にある各通電タイミングにおいて、前記各発熱素子に順次交流電力を供給することを特徴とする加熱装置。
  13. 請求項11又は12に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記初めの所定期間より後にある各通電タイミングにおいて、前記複数の発熱素子の全てに交流電力を供給することを特徴とする加熱装置。
  14. 請求項11乃至13のいずれか一項に記載の加熱装置であって、
    前記通電制御手段は、前記各発熱素子に発生させるべき熱量に基づき、各発熱素子に交流電力を供給する通電タイミングの数を定め、その数に従って、単位時間内の各通電タイミングにおいて前記各発熱素子のうちいずれに交流電力を供給するかを決定することを特徴とする加熱装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項に記載の加熱装置を備える画像形成装置。
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