JP6887575B1 - 電磁界センサ - Google Patents

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Abstract

電磁界センサ(1)は、一枚の導体板(2)と、導体板(2)との間の電位差を出力する信号出力端子(4)と、第1の端部が導体板(2)の板面に電気的に接続され、第1の端部とは反対側の第2の端部に信号出力端子(4)が設けられた線路導体(3)とを備え、導体板(2)と線路導体(3)とによって形成され、側方からみて導体板(3)の板面に直交するループ面(21)を有する。

Description

本開示は、電磁界センサに関する。
電波または電磁ノイズの測定に用いられる電磁界センサとして、例えば、特許文献1に記載される電界センサがある。この電界センサは、測定対象の表面形状に倣って変形するシート状アンテナを用いて、測定対象から放射された電磁波の強度を測定する。
特開平10−104295号公報
特許文献1に記載された電界センサは、シート状アンテナ(センサまたはプローブと同義)と基準電位(グラウンド電位)との電位差を検出するものである。しかしながら、シート状アンテナが測定対象の表面形状に倣って変形して、シート状アンテナと測定対象との間の距離が変化すると、シート状アンテナとグラウンド電位との間に生じる電位差が変化するため、広帯域での測定対象の信号を正しく測定できないという課題があった。
さらに、電界アンテナは、アンテナエレメントの大きさによって測定対象の信号が共振する場合にのみ高い感度を有する。このため、特許文献1に記載された電界アンテナは、電磁ノイズのように広帯域で微弱な交流電流を検出できないという課題があった。
例えば、様々な周波数のf(Hz)に対して光の速度をc(m/s)とし、波長をλ(m)とした場合に、λ=c/fによって算出されるλにおいて、アンテナエレメントは、波長のn倍の寸法を有すると、測定対象の信号に共振を発生させ、受信感度を向上させることができる。このとき、比誘電率εが1ではないプリント基板または比透磁率μが1でない磁性体を用いた場合、波長短縮が起こり、λは、λ/√(ε×μ)になる。メタマテリアルなどの特殊な材料または構造を除いては、εおよびμは1以上の値を持つため、波長λは、通常短縮される。
本開示は上記課題を解決するものであり、広帯域での交流電流の検出感度を向上させることができる電磁界センサを得ることを目的とする。
本開示に係る電磁界センサは、一枚の導体板と、一方の端部が導体板の一方の面に電気的な回路部品を介さず接続され、他方の端部に信号出力端子が設けられ、導体板と信号出力端子との間を結ぶ1本の線状導体とを備え、導体板および線状導体によって形成され、側方からみて導体板に直交した面のみで構成された1つのループ面を有する。
本開示によれば、一枚の導体板と、一方の端部が導体板の一方の面に電気的に接続され、他方の端部に信号出力端子が設けられた線状導体を備え、導体板および線状導体によって形成され、側方からみて導体板に直交しているループ面を有する。測定対象物の周囲に発生した磁束がループ面を貫くことによりループ面に誘導起電力が生じ、この誘導起電力によって測定対象物に生じる交流電流が、共振現象を用いなくても感度よく測定されるので、本開示に係る電磁界センサは、広帯域での交流電流の検出感度を向上させることが可能である。
図1Aは、実施の形態1に係る電磁界センサを示す斜視図であり、図1Bは、実施の形態1に係る電磁界センサを示す側面図である。 実施の形態1に係る電磁界センサの変形例を示す斜視図である。 図2の電磁界センサの構成を示す分解斜視図である。 図2の電磁界センサを示す側面図である。 コネクタが取り付けられた図2の電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態1に係る電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 電気影像法を適用した実施の形態1に係る電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 実施の形態2に係る電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態2に係る電磁界センサの変形例の構成を示す分解斜視図である。 コネクタが取り付けられた図9の電磁界センサを示す斜視図である。 図10の電磁界センサによる高周波信号の検出の概要を示す説明図である。 図10の電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 導体板がない仮想の電磁界センサとケーブルを示す斜視図である。 図13の電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 図12(図15の線A)と図13(図15の線B)の電磁界センサにおける検出信号の周波数と結合量との関係を示すグラフである。 電磁界センサにおける検出信号の周波数および結合量についての3次元電磁界シミュレーション結果と理論値との関係を示すグラフである。 同軸ケーブルが接続された図13の電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 コネクタに同軸ケーブルが接続された図10の電磁界センサとケーブルとの位置関係を示す説明図である。 実施の形態3に係る電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態3に係る電磁界センサの内部構造を示す断面図である。 実施の形態3に係る電磁界センサの変形例Aの内部構造を示す断面図である。 実施の形態3に係る電磁界センサの変形例Bを示す斜視図である。 実施の形態3に係る電磁界センサの変形例Cを示す斜視図である。 実施の形態4に係る電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態4に係る電磁界センサの変形例Aを示す斜視図である。 実施の形態4に係る電磁界センサの変形例Bを示す斜視図である。 実施の形態5に係る電磁界センサおよびケーブルを示す斜視図である。 実施の形態5に係る電磁界センサの変形例Aおよびケーブルを示す斜視図である。 実施の形態6に係る電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態7に係る電磁界センサを示す斜視図である。 実施の形態8に係る電磁界センサを示す斜視図である。
実施の形態1.
図1Aは、実施の形態1に係る電磁界センサ1を示す斜視図であり、図1Bは、電磁界センサ1を示す側面図である。電磁界センサ1は、例えば、ケーブルに流れる交流電流を検出するセンサであり、図1Aおよび図1Bに示すように、導体板2および線状導体3を備えて構成される。導体板2は、導電性材料で形成されており、特に説明をしない限り、穴のない一枚の板である。導体板2の厚さは、例えば、10(μm)から3(mm)程度である。
線状導体3は、線状の長手方向における一方の端部3aが、導体板2の一方の面に接続される。線状導体3において導体板2に接続される箇所は端部3aのみであり、それ以外の箇所では導通していない。線状導体3における、端部3aとは反対側の端部3bには、信号出力端子4が設けられる。線状導体3は、導体が露出してもよいし、被覆線であってもよいし、絶縁膜で被覆されていてもよい。
導体板2および線状導体3は、図1Bに示すように、側方からみて、線状導体3の開放端である端部3bから、線状導体3および導体板2を介して線状導体3の端部3bの側に戻る最短経路で囲まれた面である、ループ面21を形成する。ループ面21は、側方からみたとき導体板2の板面に直交している。電磁界センサ1では、導体板2と信号出力端子4との間の電位差が測定され、測定された電位差に基づいて測定対象の交流電流が算出される。
電磁界センサ1は、個体差によらず一定(例えば、±10%)の出力であることが望ましい。例えば、電磁界センサ1は、公差が小さいプリント基板あるいは薄膜によって構成される。また、電磁界センサ1は、例えば、他の集積回路が搭載されたプリント基板内、あるいは、集積回路(IC)のチップ内部に構成されてもよい。この構造により、電磁界センサに信号および電力を注入または検出することで、信号および電力を送受信できるため、電磁界センサに対向する回路または周囲の回路との通信または電力伝送に用いることが可能である。これにより、プリント基板上の配線を介さないIC間の通信および電力伝送が、実施の形態1における導体板であることによってIC自体に影響を与えることなく実現できる。個体差が小さい電磁界センサ1が構成されるので、互いに異なる複数の電磁界センサ1を用いて共通の測定対象を測定することにより、電磁界センサの出力特性のばらつきが抑制される。
図2は、電磁界センサ1の変形例である電磁界センサ1Aを示す斜視図である。図2において、電磁界センサ1Aは、導体板2A、線状導体3Aおよびビア5を備える。線状導体3Aのうち、少なくとも長手方向は、導体板2Aと平行に配置されている。ビア5は、導体板2Aと線状導体3Aの端部とを電気的に接続する第1の柱状導体である。導体板2Aおよび線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aの一方の開放端から、線状導体3A、ビア5および導体板2Aを介して線状導体3Aの一方の開放端の側に戻る最短経路で囲まれたループ面21を形成する。
実施の形態1に係る電磁界センサは、このループ面21が導体板2Aの板面に直交していることが特徴である。なお、電磁界センサ1Aにおいて、ビア5は、必ずしも、線状導体3Aの端部でなくてもよい。例えば、線状導体3Aを半分の長さに分けたときの一方の部分にビア5が設けられ、他方の部分に信号出力端子4が設けられていればよい。
図3は、電磁界センサ1Aの構成を示す分解斜視図であり、導体板2Aと線状導体3Aとの間に誘電体6が設けられた電磁界センサ1Aを示している。図4は、図3の電磁界センサ1Aを示す側面図である。誘電体6には空気層または真空層も含まれる。すなわち、線状導体3Aが丈夫な構造であれば、誘電体6は、必ずしも物理的な構造を有していなくてもよい。なお、物理的な構造を有した誘電体6の材料としては、ガラスエポキシまたは紙フェノールといった樹脂、あるいは、ポリイミドのような高分子材料がある。さらに、測定対象が意図的に磁場を発生させるコイルでない場合、誘電体の代わりにフェライトに代表される磁性体を用いることができる。絶縁性能が高いフェライトの場合には、誘電体の代わりになるが、絶縁性能が高くないものは誘電体と組み合わせて用いても構わない。これにより、測定対象の磁場が磁性体に集まるので、ループ面21を貫く磁束を多くすることができる。その結果、信号出力端子において発生する電圧を大きくすることができる。すなわち、電磁界センサの受信感度を上げることができる。
物理的な構造を有した誘電体6には、図3および図4に示すように、貫通穴6aが形成される。貫通穴6aは、ビア5が通るクリアランスを形成する第1の貫通穴である。導体板2Aと線状導体3Aとは、誘電体6の貫通穴6aを通るビア5によって電気的に接続されている。ただし、誘電体6が空気層または真空層である場合、貫通穴6aは不要である。また、ビア5は、単数であってもよいし、複数であってもよい。
図3および図4に示す導体板2Aにおける信号出力端子4側の辺には、突出部2A1が形成されている。この突出部2A1に対してコネクタを装着するか、信号線をはんだ付けすることで、導体板2Aと信号出力端子4との電位差の測定が容易になる。
導体板2Aは、アルミニウム、銅、鉄または複数の金属の合金といった無機物の材料によって構成される。また、導体板2Aは、導電性のある有機物の材料によって構成されてもよい。導体板2Aは、導電率が高い方が望ましいので、銅またはアルミニウムが適切である。また、導体板2Aの表面は、酸化防止および測定対象との短絡を防ぐ目的で絶縁体の膜によって被覆されてもよい。
実施の形態1における導体板2Aには、貫通穴が設けられておらず、一枚の板状部材である。ただし、例えば、線状導体3Aの端部がボルトとナットで接続される場合、ボルトを通すための貫通穴が導体板2Aに形成される。線状導体3Aの配線幅は、測定対象物の寸法または測定する周波数帯域、線状導体に流れる電流に依存する。例えば、線状導体3Aの配線幅は、0.1(mm)から10(mm)程度であり、1A以下の電流しか流れないのであれば望ましくは1(mm)程度である。ただし、半導体の内部に配置するなど、微細加工が容易な場合には、0.1mm以下であっても構わない。線状導体に流れる電流I(A)は、受信電圧V(V)と両方の受信端に取り付けられる測定器の抵抗値R(Ω)(通常は50(Ω))により、I=V/Rで算出される値である。
プリント基板で構成された電磁界センサ1Aにおいては、例えば、プリント基板の一方の主面に形成された導体のベタパターンが導体板2Aであり、プリント基板のもう一方の主面に形成された導体線路が線状導体3Aである。線状導体3Aの断面は長方形である。また、線状導体3Aが単線またはヨリ線の被覆線である場合、線状導体3Aの断面は楕円形である。
図5は、コネクタ7が取り付けられた電磁界センサ1Aを示す斜視図であり、プリント基板で構成された電磁界センサ1Aを示している。コネクタ7は、同軸コネクタであり、同軸コネクタには、SMA、SMBまたはBNCといった系列がある。なお、コネクタ7は、同軸コネクタでなくてもよく、ファストン端子またははんだ付けした被覆線を用いてもよい。
電磁界センサ1または1Aと測定装置との間は、様々な構造によって接続可能である。ただし、10(MHz)以上の周波数の信号を測定する場合には、電磁界センサ1または1Aと測定装置との間の接続には同軸ケーブルを用いることが望ましい。電磁界センサ1または1Aと測定装置との間の接続に被覆線を用いる場合、ツイストペアケーブルにすることが望ましい。また、電磁界センサ1または1Aと測定装置との間を接続するケーブルは、できるかぎり短いことが望ましい。
測定装置は、例えば、オシロスコープ、スペクトラムアナライザあるいはリアルタイムスペクトラムアナライザであり、導体板2と信号出力端子4との間の電位差を測定する。ただし、目的の交流信号を検出できる測定装置であれば、どのようなものでも構わない。さらに、コネクタ7と測定装置との間には、信号を増幅するアンプ、特定の周波数のみを抽出するバンドパスフィルタ、バンドリジェクトフィルタ、ローパスフィルタまたはハイパスフィルタといったフィルタ、および、信号を減衰させるアッテネータが設けられてもよい。さらに、同軸ケーブルまたはツイストペアケーブルがセンサとなって測定対象が発生する信号を検出しないように、コネクタ直近のケーブルにフェライトコアを取り付けても構わない。このフェライトコアは、コモンモード信号を減衰させるが、実施の形態1に係る電磁界センサの出力であるノーマルモードの信号は減衰させないので、測定結果に影響を与えない。なお、コモンモード信号自体は測定器の測定信号に影響を与えないが、コモンモード信号から、一般的には測定結果に影響を与えるノーマルモード信号への変換(Sパラメータのうち、ミックスドモードSパラメータで表現する場合はSdc21成分)が、ケーブルとコネクタの接続部などの構造が変化する箇所に発生しやすい。その結果、電磁界センサの受信信号ではない成分の信号を受信することになる。フェライトコアは、この成分を除去する効果がある。
電磁界センサ1または1Aを用いて交流電流を測定する測定対象物は、例えば、一方向に電流が流れるケーブルなどが望ましい。測定対象物は、磁束を一方向に発生させるものが望ましく、例えば、ケーブル以外に、マイクロストリップ線路、回路部品が実装されたプリント基板あるいは任意の形状のアンテナ(広義に、交流電圧がかかった全ての導体はアンテナになる)であってもよい。測定対象は、マイクロストリップ線路が組み合わされて構成された基板またはIC部品の内部のワイヤハーネスに流れるノイズ(電流)であってもよい。
電磁界センサ1または1Aは、測定対象物を流れる電流の向きに対する検出感度(指向性)が高い。例えば、測定対象物を流れる電流の向きは、測定対象に対する電磁界センサ1または1Aの角度を変えて測定することにより把握可能である。以下、説明の簡単のために、電磁界センサ1または1Aを用いた測定対象は、ケーブルに流れる交流信号であるものとする。
ケーブルに交流電流が流れると、ビオサバールの法則によってケーブルの周囲に磁束が発生する。この磁束が貫く方向に、両端が開放された導体の経路で囲まれたループ面が配置されると、レンツの法則によって導体の経路に誘導起電力が生じる。この誘導起電力によって生じる電流は、導体の経路の両端における電圧を抵抗にかけて、この抵抗の両端に生じた電圧を測定装置によって測定することにより、ケーブル周囲の磁束として検出することができる。すなわち、ケーブル周囲の磁束が、ケーブルに流れる交流電流として検出される。
電磁界センサ1または1Aは、測定対象物のケーブルに近接させて使用され、例えば、ケーブルから0.1(mm)程度から30(cm)程度の間隔を空けて配置される。この間隔は、電磁界センサ1または1Aとケーブルとの間で絶縁耐圧を保つことができる距離のうち、最小の距離が望ましい。なお、空気の絶縁耐圧は、おおよそ1(kV/mm)である。例えば、200(V)で15(A)を流すケーブルが測定対象物である場合には、電磁界センサ1または1Aは、ケーブルの被覆(ビニール)に貼り付けられるか、望ましくはケーブルから1(mm)以下の距離に配置される。電磁界センサ1または1Aとケーブルとの距離が近いほど、S/N比を向上させることができ、測定装置による交流電流の測定感度が向上する。
交流信号の測定周波数は、主に、電磁界センサの寸法、すなわち、ループ面21の面積および測定装置によるノイズフロアのレベルによって決定され、例えば、100(kHz)から2(GHz)程度の帯域である。ノイズフロアが低いスペクトラムアナライザまたは量子化ビット数の大きい(例えば、16(bit))のオシロスコープなどの測定装置は、10(kHz)よりも低い周波数帯の交流信号を測定することができる。なお、16(bit)のオシロスコープのダイナミックレンジは、20×log10(216)≒96(dB)である。
また、電波暗室またはシールドルームといった外乱ノイズが小さい環境またはノイズ源そのものの振幅が外乱ノイズに比べて大きい場合、電磁界センサ1または1Aを用いて、測定装置は、1(kHz)から3(GHz)までのより広い周波数帯域の磁束を測定することができる。
電磁界センサ1または1Aの寸法が小さくなるにつれてケーブル周囲の磁束の検出感度は低下するが、長さに依存した共振が発生しなくなるので、より高い周波数帯の交流信号が測定可能となる。このように電磁界センサには、測定対象に応じて適切な大きさがあるが、理論的には全ての周波数帯域の交流信号を検出することができる。
特に、線状導体3または3Aの長さは、測定周波数の上限値をfmax(Hz)、光速をc(m/s)とし、誘電体6の比誘電率をεとした場合には、c/(8×fmax×√ε)以下であることが望ましい。さらに、比透磁率μが1より大きい部材、例えばフェライト基板を用いた場合においては、比誘電率εの値をε×μに置き換えればよい。この長さの線状導体を備えた電磁界センサを用いることで、検出感度が低下する共振周波数以下の帯域の交流信号を測定することができる。共振周波数以下の帯域の交流信号を測定する場合、導体板2において電位分布が発生することがある。この場合、導体板2が、ケーブル周囲の磁界の周波数の波長に対し、10分の1波長程度の大きさであると、電位分布の発生が回避される。
測定周波数の上限値fmax(Hz)、光速c(m/s)、誘電体6の比誘電率εとした場合に、線状導体3または3Aの長さがc/(fmax×√ε)以上であると、電磁界センサ1または1Aを用いて共振周波数よりも高い周波数で測定することができる。このため、測定装置は、検出感度を低下させずに測定することが可能である。ただし、線状導体3または3Aの長さがc/(fmax×√ε)以上であると、周期的に共振する周波数帯が発生する。このため、電磁界センサ1または1Aを用いた共振周波数の交流信号の測定を避けるか、線状導体3または3Aの長さを短くすることが望ましい。
電磁界センサ1または1Aにおいて、導体板2または2Aに磁束が印加されて渦電流が発生する。ケーブルに発生した磁束は、導体板2または2Aに沿った磁束に変化することにより、線状導体3または3Aを経由する磁束が増加する。これは、後述されるように、電気影像法を用いて説明される。電磁界センサ1または1Aは、ループ面21を通る磁束密度を増加させることができるので、検出感度が高い。
また、電磁界センサ1または1Aにおいて、測定対象から発生した電気力線の総量は、導体板2または2Aと線状導体3または3Aで異なる。導体板2または2Aは、線状導体3または3Aと近接している。このため、多くの電気力線は、面積が大きい導体板2または2Aにかかる。その結果、導体板2または2Aと線状導体3または3Aとの電位差が増加する。ただし、測定対象物が電位を生じにくいケーブルである場合、ケーブルと電磁界センサとの間の電気力線は生じにくくなる。
図6は、電磁界センサ1とケーブル100との位置関係を示す説明図であって、電磁界センサ1とケーブル100とを側方からみた様子を概略的に示している。図6において、測定対象物であるケーブル100は断面積が0のケーブルである。ケーブル100に形成される磁界Hは、下記式(1)に従って算出することができる。下記式(1)において、I(A)は、ケーブル100に流れる電流である。図6において、d(m)は、線状導体3とケーブル100との最近接距離である。P(x,y)は、ループ面21内の位置座標である。また、誘電体6は、真空層であるものとする。
Figure 0006887575
誘電体6が真空層ではない場合、誘電体6の比誘電率をεとし、真空の誘電率をεとした場合に、導体板2と線状導体3との間の誘電率は、ε×εである。線状導体3は、図6に示すように、側方からみて(−z方向にみて)長方形であり、x軸方向にa/2(m)であり、y軸方向にb(m)であるものとする。
図7は、電気影像法を適用した電磁界センサ1とケーブル100との位置関係を示す説明図である。導体板2が、線状導体3に対して十分に大きい(おおよそ3倍以上)と仮定すると、導体板2は導体平面となり、図7に示すような電気影像法が成り立つ。導体板2と線状導体3が形成する鎖交磁束Φは、下記式(2)で表すことができる。なお、導体板2が線状導体3に対して「十分に大きい」とは、測定対象信号の周波数によって変化するため、一様に定義することはできないが、測定対象信号の周波数が上がると、表皮効果によって線状導体3の直下の導体板2のみに電流が流れるようになる。その結果、測定対象信号の周波数が高い場合には、導体板2の大きさは小さくても、電気影像法で考えると、十分に大きいとみなせる。また、上述した「おおよそ3倍以上」は、10(MHz)程度での条件であり、より低い周波数の測定対象信号である場合は、導体板2をさらに大きくすることが望ましい。
Figure 0006887575
上記式(2)を計算することによって、鎖交磁束Φは、下記式(3)で表される。
Figure 0006887575
相互インダクタンスMnewは、Φ=Mnew・Iで表すことができるので、下記式(4)によって表される。
Figure 0006887575
電磁界センサ1と比較するため、導体板2が設けられておらず、ループ面の面積が電磁界センサ1と等しい従来の電磁界センサにおける相互インダクタンスMoldは、下記式(5)で表すことができる。
Figure 0006887575
上記式(4)および上記式(5)において、d>0かつa>0である場合(これは、物理的な大きさを持つ場合、必ず成立する)、Mnew>Moldとなる。導体板2と信号出力端子4の間の電圧Vは、相互インダクタンスをM(H)とした場合、下記式(6)で表すことができる。なお、|・|は、絶対値を意味する。
Figure 0006887575
上記式(6)から明らかなように、Mが大きくなるにつれて、導体板2と信号出力端子4の間の電圧Vも大きくなる。従って、電磁界センサ1は、導体板2を備えていない従来の電磁界センサに比べて検出感度を上げることができる。
測定装置がオシロスコープまたはスペクトラムアナライザである場合、50Ω系で信号を受信することが一般的である。同軸コネクタおよび同軸ケーブルについても50Ω系で構成される。このため、コネクタ7に同軸コネクタを用い、電磁界センサ1側の特性インピーダンスを、同軸コネクタおよび同軸ケーブルと同じ50(Ω)とすることで、同軸コネクタ、同軸ケーブルおよび測定装置におけるインピーダンス不整合による信号の反射を防ぐことができる。信号の反射を防ぐことで、電磁界センサ1によって検出された全てのエネルギーを測定装置に出力することができ、検出感度が向上する。
例えば、導体板2Aに対する線状導体3Aの特性インピーダンスが50(Ω)であることが望ましい。特性インピーダンスを50Ωとするためには、導体板2Aの厚さ、線状導体3Aの厚さ、誘電体6の厚さおよび比誘電率を把握した上で、線状導体3Aの幅を調整する必要がある。例えば、誘電体6の材料に比誘電率が約4〜4.3であるFR−4を用いる場合、線状導体3Aの幅は、誘電体6の厚さの2倍程度であることが望ましい。この特性インピーダンスの調整値は、理論式または公知の電磁界シミュレータを用いて容易に算出することができる。
電磁界センサ1の信号出力端子4に交流信号を入力することにより、電磁界センサ1の周囲に形成される磁束に信号成分を持たせて、電磁界センサ1とは別に用意された電磁界センサ1によって、その磁束で得られる交流信号を検出してもよい。これにより、電磁界センサ1間で情報を伝達することが可能である。なお、必ずしも両方に電磁界センサ1を使用する必要はなく、少なくとも一方のみに電磁界センサ1を使用しても構わない。
また、電磁界センサ1は、機器のノイズ耐性を確かめる試験(EMCの分野においては、イミュニティー試験またはEMS試験と呼ばれる)において、ノイズとなる信号を局所的に印加する際に利用可能である。例えば、電磁界センサ1の信号出力端子4にノイズ信号を入力し、この電磁界センサ1を測定対象物に近づけて、ノイズ信号によって測定対象物の誤動作または破壊が発生するか否かを確認する。この場合、印加するノイズ信号が測定対象物に生じさせる電流が大きい場合には、線状導体3Aの断面積を広くし、配線の最大電流容量を超えないようにする必要がある。また、印加する信号の電圧が大きい場合には、電圧がかかる導体間の距離を離して、絶縁耐圧を超えないようにする必要がある。
ただし、実施の形態1に係る電磁界センサ1では、導体板2があることによって、ノイズが印加される装置側の線状導体3のみに磁場をかけることができる。通常の導体板2のないセンサにおいては、センサの周囲に磁場を作るため、測定対象外の装置が誤動作または破損する可能性がある。それに対して、実施の形態1に係る電磁界センサ1では、測定対象外の装置が誤動作または破損する可能性を低減できる。
以上のように、実施の形態1に係る電磁界センサ1は、一枚の導体板2と、一方の端部3aが導体板2の一方の面に接続され、他方の端部3bに信号出力端子4が設けられた線状導体3を備え、導体板2および線状導体3によって形成され、側方からみて導体板2に直交しているループ面21を有する。ケーブル100の周囲に生じた磁束がループ面21を貫くことにより、ループ面21に誘導起電力が生じ、この誘導起電力によってケーブル100に生じる交流電流が感度よく測定される。これにより、電磁界センサ1は、交流電流の検出感度を向上させることが可能である。
実施の形態1に係る電磁界センサ1Aは、導体板2Aと線状導体3Aとの間に設けられた誘電体6を通るビア5を備え、ビア5は、導体板2Aの面と線状導体3Aとを電気的に接続する。ケーブル100の周囲に生じた磁束がループ面21を貫くことにより、ループ面21に誘導起電力が生じ、この誘導起電力によってケーブル100に生じる交流電流が感度よく測定される。これにより、電磁界センサ1Aは、交流電流の検出感度を向上させることが可能である。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係る電磁界センサ1Bを示す斜視図である。図8において、電磁界センサ1Bは、例えば、ケーブルに流れる交流電流を検出するセンサであり、導体板2、線状導体3A、ビア5aおよびビア5bを備える。線状導体3Aは、導体板2と平行に配置されている。ビア5aは、導体板2と線状導体3Aの一方の開放端を電気的に接続する第1の柱状導体である。ビア5bは、線状導体3Aの他方の開放端と電気的に接続されており、導体板2に設けられた貫通穴2aを通して線状導体3Aとは反対側に突出した第2の柱状導体である。
導体板2および線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aの一方の開放端から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3Aの上記一方の開放端の側に戻る最短経路で囲まれたループ面を形成する。ループ面は、導体板2の板面に直交している。ビア5bは、線状導体3Aの上記一方の開放端に設けられている。
図9は、電磁界センサ1Bの変形例である電磁界センサ1Cの構成を示す分解斜視図であり、導体板2と線状導体3Aとの間に誘電体6が設けられている。誘電体6には、図9に示すように、貫通穴6aおよび貫通穴6bが形成されている。貫通穴6aは、ビア5aが通るクリアランスを形成する第1の貫通穴である。導体板2と線状導体3Aは、誘電体6の貫通穴6aを通ったビア5aによって電気的に接続されている。貫通穴6bは、ビア5bが通るクリアランスを形成する第2の貫通穴である。線状導体3Aの端部に電気的に接続されたビア5bは、誘電体6の貫通穴6bおよび導体板2の貫通穴2aを通って導体板2から突出している。すなわち、電磁界センサ1Bおよび1Cにおいて信号出力端子4に相当する部分はビア5bである。
図10は、コネクタ7が取り付けられた電磁界センサ1Cを示す斜視図である。図10において、コネクタ7は、同軸コネクタである。図10に示す電磁界センサ1Cでは、コネクタ7が測定対象物とは反対側に配置されている。電磁界センサ1Cにおいては、ビア5bがコネクタ7の芯線に電気的に接続され、コネクタ7の外導体が導体板2に電気的に接続されている。接続方法は、はんだ付けが望ましい。また、図10においては、コネクタ7の外導体に4つの支柱があり、支柱経由で導体板2に接続している様子を示しているが、支柱を用いず、コネクタ7の外導体の導体面(支柱が取り付けられた面)を、直接、導体板2にはんだ付けなどで電気的に接続しても構わない。このようにコネクタ7の導体面を、直接、導体板2に接続することにより、外部からのノイズがビア5に重畳することを抑制でき、特性インピーダンスが変化しやすいビアを短くでき、電磁界センサとコネクタとの接続部における反射を減らすことができる。特に、10(MHz)以上の高い周波数帯域を測定する場合は、感度の高い電磁界センサ1を実現できる。ただし、電磁界センサ1Cは、この構造に限定されるものではない。
導体板2によってノイズがシールドされるので、電磁界センサ1Cは、コネクタ7が測定対象物からの電磁界の影響を受けず、すなわち、コネクタ7自体が電磁界センサの一部となることなしに交流電流を検出できる。このため、電磁界センサ1Cは、電磁界センサ1または1Aに比べて測定対象物からの電磁界の影響を抑制できる。また、電磁界センサ1Cは、コネクタ7が誘電体6の側面部にないので、測定対象物の近くに線状導体3Aを配置できる。このため、電磁界センサ1Cは、検出感度が向上し、S/N比(ノイズに対する信号の比)が向上する。
図11は、図10の電磁界センサ1Cによる高周波信号の検出の概要を示す説明図であり、測定対象物がケーブル100である場合を示している。図12は、図10の電磁界センサ1Cとケーブル100との位置関係を示す説明図である。図11および図12に示すように、電磁界センサ1Cは、線状導体3Aを、ケーブル100側に向けて配置される。さらに、電磁界センサ1Cは、線状導体3Aの長手方向とケーブル100の長手方向とが同じ向きになるように配置される。電流が流れる向きが既知である測定対象物には、その方向に線状導体3Aの長手方向を合わせることによって、電磁界センサ1Cの検出感度が最も高くなる。さらに、電磁界センサ1Cとケーブル100との間に、比誘電率などの材料定数および一定の厚さを有した誘電体を挟むことによって、ケーブル100から発生する磁場の検出感度を一定にすることができる。すなわち、ケーブル100と電磁界センサ1Cとの距離を一定にすることができるため、再現性のよい測定が可能となる。実施の形態2においては、この誘電体をプリント基板の誘電体層で構成することも可能である。
図13は、導体板がない仮想の電磁界センサ200とケーブル100とを示す斜視図である。図14は、図13の電磁界センサ200とケーブル100との位置関係を示す説明図である。電磁界センサ200は、線状導体201の一方の端部に設けられた端子202に同軸コネクタ204の芯線が電気的に接続され、他方の端部に設けられた端子203において同軸コネクタ204の外導体に接続される。
測定装置は、同軸ケーブルを介して、同軸コネクタ204の外導体である端子203と同軸コネクタ204の芯線である端子202との間の電位差を測定する。電磁界センサ200は、側方からみて線状導体201により囲まれたループ面205を貫く磁束が最大となり、その検出感度が最大となるように、線状導体201が、ケーブル100の長手方向に沿うように配置されている。
図15は、電磁界センサ1Cと電磁界センサ200における検出信号の周波数と結合量との関係を示すグラフである。図15において、符号Aを付した関係が、電磁界センサ1Cの検出信号の周波数と結合量との関係を示すシミュレーション計算結果であり、符号Bを付した関係が、電磁界センサ200の検出信号の周波数と結合量との関係を示すシミュレーション計算結果である。電磁界センサ1Cは、図12に示すように、ループ面21の長手方向の長さがLであり、誘電体6の厚さがTである。
図15に示す関係は、側方からみて電磁界センサ200が備える線状導体201により囲まれたループ面の面積と、側方からみて電磁界センサ1Cが備える導体板2と線状導体3Aにより囲まれたループ面21の面積が、ともに12(mm)(=誘電体6の厚さTが0.3(mm)×ループ面21の長手方向の長さLが40(mm))であるものとしてシミュレーション計算を行った結果である。シミュレーション計算には既存の解析ソフトウェア(例えば、AET社のCST Studio)が使用され、ケーブル注入に対する電磁界センサ出力の比(Sパラメータのうち透過特性S21、これが上記結合量に相当する)によって評価を行ったものである。
また、ケーブル100と線状導体3Aまたは201との最近接距離dは、1(mm)であり、線状導体3Aおよび201の幅は、1(mm)である。また、線状導体3Aおよび201には、銅箔が使用され、銅箔の厚みは18(μm)である。誘電体6は、比誘電率が4.0であるR−4で構成されている。測定対象であるケーブル100の太さは10(mm)であり、導体板2におけるケーブル100の長手方向に沿った長さが45(mm)であり、幅方向の寸法が20(mm)、すなわちケーブル100の太さの倍である。
図15に示す関係は、横軸が周波数、縦軸が透過特性(SパラメータにおけるS21)であり、電磁界センサの特性自体を比較するため、コネクタはないものとして計算されたものである。図15に示すグラフは、両対数グラフである。図15のグラフ中に矢印で示すように、透過特性は、その値が大きいほど、信号の検出感度が高いことを意味している(Good)。
図15から明らかなように、上記条件下において100(MHz)までは、電磁界センサ1Cおよび電磁界センサ200の透過特性はともに単調増加で変化しており、20(dB/dec)で増加している。なお、decは、decadeの略であり、10倍を意味する。電磁界センサ1Cの透過特性と、電磁界センサ200の透過特性との絶対値を比較すると、電磁界センサ1Cの検出感度が6(dB)程度高くなっている。これにより、電磁界センサ1Cは、電磁界センサ200比べて、真数で2倍程度、出力電圧、すなわち検出感度が大きくなっている。
図15のシミュレーション計算結果は、理論式である上記式(4)および上記式(5)を用いて予測可能である。図16は、電磁界センサ1Cおよび200における検出信号の周波数および結合量についての3次元電磁界シミュレーション結果と理論値との関係を示すグラフである。図16において、符号A1を付した関係が、電磁界センサ1Cの検出信号の周波数と結合量との関係を示すシミュレーション計算結果であり、符号B1を付した関係が、電磁界センサ200の検出信号の周波数と結合量との関係を示すシミュレーション計算結果である。符号A2を付した関係が、上記式(4)に従って算出された電磁界センサ1Cの周波数と結合量との関係の理論値であり、符号B2を付した関係が、上記式(5)に従って算出された電磁界センサ200の周波数と結合量との関係の理論値である。
符号A1を付した関係と、符号A2を付した関係を比較すると、図16に示すように、理論値の方が、100(MHz)において2(dB)程度大きくなり、100(MHz)程度まではほぼ一致している。100(MHz)以上の帯域においては、磁界結合以外の成分およびケーブル100と電磁界センサ1Cとの間の寄生容量が発生するため、特性は変化する。2(dB)程度の違いが生じた理由は、理論計算において導体板2の大きさが無限大、線状導体3Aの太さおよびケーブル100が無限小であることを仮定しており、実際の寸法と異なることにある。
符号B1を付した関係と符号B2を付した関係とを比較すると、図16に示すように、理論値の方が、2(dB)程度大きくなるが、100(MHz)以上ではほぼ一致する。電磁界センサ1Cと同様に、電磁界センサ200は、100(MHz)以上の帯域においてはケーブル100との電界結合によって差が生じている。
電磁界センサ1に導体板2を設ける効果としては、電磁界センサ1の作りやすさおよび使いやすさの向上がある。電磁界センサ200において、コネクタ7、コネクタ7に繋がる同軸ケーブルまたはツイストペアケーブルの一部は、電磁界センサとして機能し、測定対象物であるケーブル100の周囲の電磁界特性を乱していた。このため、コネクタ7の形状、ケーブル100への取り付け箇所および同軸ケーブルの引き回しを考慮して設計する必要があり、これらを設計しなければ使用者の使用方法によって測定結果が異なるため再現性のある測定を行うことが困難であった。
電磁界センサ1Cは、ケーブル100とコネクタ7との間に導体板2が設けられているので、ケーブル100からの電界成分および磁界成分が、コネクタ7と、このコネクタ7の先に接続された同軸ケーブルとに与える影響が抑制される。その結果、コネクタ7の形状、測定対象物への取り付け位置、および、同軸ケーブルの引き回しに依存することなく、同軸コネクタおよび同軸ケーブルを取り付けることができる。従って、コネクタ7の形状および測定対象物への取り付け箇所を考える場合に、再設計が不要となり、設計者が任意の同軸コネクタを用いることができる。
また、電磁界センサ200においては、測定対象物からの電磁界成分を除去するため、測定対象物と同軸コネクタ204との距離を離す必要があったが、電磁界センサ1Cにおいては、導体板2を有することで、測定対象物とコネクタ7との距離を離す必要がない。このため、測定対象物の近傍に電磁界センサ1Cを配置可能であるため、電磁界センサ1Cは小型化することができる。
図17は、同軸ケーブル206が接続された電磁界センサ200とケーブル100との位置関係を示す説明図であり、ケーブル100から発生する電磁界の測定の概要を示している。図17に示すように、同軸コネクタ204が取り付けられた電磁界センサ200では、同軸コネクタ204の外導体が電磁界センサ200と1点で接続される構造(ピグテール構造)である。このため、電磁界センサ200の特性は耐ノイズ性能が低下する。同軸コネクタ204および同軸ケーブル206は、ケーブル100の周囲に発生した電磁界に配置されるため、同軸コネクタ204および同軸ケーブル206を含む特性になる。
図18は、コネクタ7に同軸ケーブル22が接続された電磁界センサ1Cとケーブル100との位置関係を示す説明図であり、ケーブル100から発生する電磁界の測定の概要を示している。電磁界センサ1Cでは、同軸コネクタであるコネクタ7を導体板2に取り付けることができる。すなわち、線状導体3Aから延びたビア5bがコネクタ7の芯線に接続されており、コネクタ7の外導体が、導体板2に電気的に接続されている。このように、電磁界センサ1Cは、同軸コネクタの外導体を電磁界センサ1Cと面または複数の点で接続することができるので、耐ノイズ性能が向上する。
以上のように、実施の形態2に係る電磁界センサ1Cは、導体板2と線状導体3Aとの間に設けられた誘電体6を通るビア5aと、導体板2に設けられた貫通穴2aを通るビア5bを備える。ビア5aは、線状導体3Aに接続され、貫通穴2aを通って導体板2から突出する。ケーブル100の周囲に発生した電磁界は、導体板2によってシールドされるために、導体板2を介して線状導体3Aとは反対側にある同軸コネクタに影響を与えないか、その影響が低下する。同軸ケーブル22についても同軸コネクタと同様であり、ケーブル100の周囲に発生した電磁界が導体板2によってシールドされるため、同軸ケーブル22への電磁界結合も低減できる。これにより、電磁界センサ1Cは、同軸ケーブル22の引き回しの影響が低減する。さらに、同軸コネクタの外導体を導体板2の板面に接続することができるので、外力が、同軸コネクタよりも大きな導体板2に加わり易く、同軸コネクタに直接加わりにくい。このため、電磁界センサ1Cは、外力による壊れとゆがみに対して強い構造を有する。特に、コネクタとケーブルの取り付けまたは取り外しの際、あるいは、車内などの振動が加わる環境においては、電磁界センサまたはコネクタに力が加わって壊れまたは測定再現性を低下させる歪みが発生する原因となるが、実施の形態2に係る電磁界センサ1Cは、そのような外力に対して強い構造を有する。
実施の形態3.
図19は、実施の形態3に係る電磁界センサ1Dを示す斜視図である。電磁界センサ1Dは、例えば、ケーブルに流れる交流電流を検出するセンサであって、導体板2、線状導体3A、ビア5a、ビア5b、ビア5c、検出回路8および配線8aを備える。線状導体3Aは、導体板2と平行に配置されている。
ビア5aは、導体板2と線状導体3Aの一方の開放端とを電気的に接続する第1の柱状導体である。ビア5bは、線状導体3Aの他方の開放端と電気的に接続されており、導体板2に設けられた貫通穴2aを通して線状導体3Aとは反対側に突出した第2の柱状導体である。ビア5cは、検出回路8のグラウンドと導体板2とを電気的に接続する柱状導体(グラウンドビアとも呼ばれる)である。
検出回路8は、図19に示すように導体板2における線状導体3Aとは反対側の板面に設けられ、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を検出する回路である。配線8aは、導体板2から突出したビア5bに一方の端部が接続され、他方の端部が検出回路8に接続されている。例えば、配線8aは、ビア5bと検出回路8とを電気的に接続するマイクロストリップ線路またはストリップ線路である。
図20は、電磁界センサ1Dの内部構造を示す断面図である。図20において、電磁界センサ1Dは、3層のプリント基板によって構成されており、第1層には線状導体3Aが設けられ、内層にある第2層には導体板2が設けられ、第3層には検出回路8が設けられている。検出回路8の入力ポートは、配線8aによってビア5bと電気的に接続されており、検出回路8のグラウンドは、ビア5cによって導体板2に電気的に接続されている。なお、図20には3層のプリント基板を示したが、少なくとも3層以上の導体層を含むプリント基板であればよい。
導体板2および線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aにおけるビア5bと接続した一方の端部から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3Aの上記端部の側に戻る最短経路で囲まれたループ面21を形成する。ループ面21は、導体板2の板面に直交している。
図21は、実施の形態3に係る電磁界センサ1Dの変形例Aである電磁界センサ1Eの内部構造を示す断面図である。図21において、電磁界センサ1Eは、2層のプリント基板によって構成されており、第1層には線状導体3Aが設けられ、第2層には導体板2が設けられ、第2層における導体板2が除去された部分には検出回路8が設けられている。検出回路8の入力ポートは、配線8bによってビア5bと電気的に接続されている。
導体板2および線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aにおけるビア5bと接続した一方の端部から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3Aの上記端部の側に戻る最短経路で囲まれたループ面21を形成する。ループ面21は、導体板2の板面に直交している。電磁界センサ1Eは、図20に示した電磁界センサ1Dよりも層数が少なく薄いプリント基板で構成されている。そのため、安価で、多層基板に比べて受信感度を変えずに基板全体を薄くできること、意図的に誘電体層の厚みを大きくしてループ面の面積を大きくすることで受信感度を向上させる効果が得られる。
電磁界センサ1Eは、測定対象物からの電磁界が検出回路8に与える影響が少ない場合に利用可能である。例えば、測定対象物の寸法が小さい場合、測定対象物からの磁束が大きい場合、あるいは、誘電体が厚く測定対象物と検出回路8との距離を離せる場合には、測定対象物からの電磁界が検出回路8に与える影響が少なく、電磁界センサ1Eの構造を活用することができる。ただし、使用方法は、上記の例に限定されるものではない。
図22は、実施の形態3に係る電磁界センサ1Dの変形例Bである電磁界センサ1Fを示す斜視図である。図22において、電磁界センサ1Fは、導体板2、線状導体3A、ビア5a、ビア5b、検出回路8Aおよび配線8aを備える。検出回路8Aは、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を検出する回路であり、複数の部品である、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続されて構成される。検出回路8AにおけるIC8(3)の入力ポートは、配線8bによってビア5bと電気的に接続されている。
図22において記載を省略したが、導体板2および線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aにおけるビア5bと接続した一方の端部から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3Aの上記端部の側に戻る最短経路で囲まれたループ面21を形成する。ループ面21は、導体板2に直交している。図22に示すように、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続された検出回路8Aは、ループ面21を含む平面と同一または平行な平面上に配置される。
電磁界センサ1Fは、ケーブル100を流れる交流電流を検出する際に、線状導体3Aの長手方向がケーブル100の長手方向に沿って配置される。このようにすることで、幅の狭い導体板2を用いることができる。それ以外にも、配線間の電界結合または磁界結合を防ぐことができ、表皮効果の影響で電磁界が変化しやすい導体板外周部からの影響を小さくすることができる。また、IC間を接続する配線に角(コーナー部)があることにより、特性インピーダンスが変化するが、線状導体3Aを、その長手方向がケーブル100の長手方向に沿って直線状に配置することで、特性インピーダンスの変化分を小さくすることができる。
検出回路8AにおけるIC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)は、導体板2の板面上に、例えば、はんだ付けによって接続されている。IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続された検出回路8Aは、ループ面21を含む平面と同一または平行な平面上に配置される。このため、導体板2が線状導体3Aの長手方向と直交する方向に撓んだ場合であっても、撓みの応力は、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)に加わりにくく、ICのはんだ接続部の剥がれが低減される。
図23は、実施の形態3に係る電磁界センサ1Dの変形例Cである電磁界センサ1Gを示す斜視図である。電磁界センサ1Fでは、検出回路8Aにおける部品間を接続する配線がループ面21と同一平面に配置されている。これに対して、電磁界センサ1Gにおいては、検出回路8Aにおける部品間を接続する配線が、ループ面21を含む平面とは平行に間隔を空けた平面に配置されている。
測定対象物に生じる磁界の周波数が高くなるにつれて、表皮効果によって、導体板2における線状導体3Aと対向した部分にリターン電流が流れやすくなる。このリターン電流の影響を受けないようにするために、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続された検出回路8Aは、導体板2における、線状導体3Aと対向した部分から離れた位置にあり、かつループ面21を含む平面とは平行な平面に配置される。
例えば、検出回路8Aは、導体板2における線状導体3Aと対向した部分から、線状導体3Aの幅の10倍以上の間隔を空けた位置に配置される。導体板2において、検出回路8Aを配置する部分の導体は除去される。測定対象物に生じる磁界の周波数が高くなるにつれて、表皮効果によって、導体板2Aにおける線状導体3Aと対向した部分周辺のみにリターン電流が流れるようになる。この場合、導体板2における線状導体3Aと対向した部分と検出回路8Aを配置する部分との間隔は、線状導体3Aの幅の3倍程度であってもよい。また、電磁界センサ1Gにおいては、電磁界センサ1Eと同様に、導体板2の一部を除去して検出回路8Aを配置しても構わない。
以上のように、実施の形態3に係る電磁界センサ1D〜1Gは、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を検出する検出回路8または8Aを備える。検出回路8または8Aは、導体板2における線状導体3Aに接続された板面とは反対側の板面に配置される。外部の測定装置を用いることなく、検出回路8または8Aが、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を検出することができる。
また、検出回路8または8Aが、導体板2における線状導体3Aに接続された板面とは反対側の板面に配置されているので、電磁界センサ1D〜1Gは、線状導体3Aを測定対象物に向けて配置することが可能である。このように配置された電磁界センサ1D〜1Gにおいて、測定対象物に生じた磁束がループ面21を貫くことによって、ループ面21に誘導起電力が生じ、この誘導起電力によって測定対象物に生じる交流電流が感度よく測定される。これにより、電磁界センサ1D〜1Gは、交流電流の検出感度を向上させることが可能である。
さらに、測定対象物に発生した電磁界は、導体板2によってシールドされるので、導体板2を介して線状導体3Aとは反対側にある検出回路8または8Aに影響を与えないか、その影響が低下する。検出回路8または8Aには、信号を増幅するオペアンプを設けることが望ましい。オペアンプは、同軸ケーブルで減衰しやすい微弱な高周波信号を増幅するので、当該信号が検出しやすくなる。また、高周波の信号になるほど、配線長またはコネクタによって信号が減衰しやすくなるため、実施の形態3に示すように、電磁界センサの直近(ビア5bの直後)にオペアンプを実装することは望ましい使い方である。
実施の形態3に係る電磁界センサ1Fおよび1Gにおいて、検出回路8Aは、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続されて構成される。IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)が直列に接続された検出回路8Aは、ループ面21を含む平面と同一または平行な平面上に配置される。導体板2が線状導体3Aの長手方向と直交する方向に撓んだ場合であっても、IC8(1)、IC8(2)およびIC8(3)に加わる撓みの応力が軽減される。これにより、電磁界センサ1Fおよび1Gは、導体板2からのICの剥がれを低減できる。
実施の形態4.
図24は、実施の形態4に係る電磁界センサ1Hを示す斜視図である。図24に示すように、電磁界センサ1Hは、例えば、複数のケーブルのそれぞれに流れる交流電流を検出するセンサであって、一枚の導体板2Aに対して複数の線状導体3Aが設けられている。電磁界センサ1Hは、導体板2、複数の線状導体3A、複数のビア5aおよび複数のビア5bを備える。ビア5aは、導体板2と線状導体3Aの一方の開放端を電気的に接続する第1の柱状導体である。ビア5bは、線状導体3Aの他方の開放端と電気的に接続されており、導体板2に設けられた貫通穴2aを通して線状導体3Aとは反対側に突出した第2の柱状導体である。
導体板2Aに対して複数の線状導体3Aは、図24に示すように、一方向に並んで配置されている。導体板2Aと個々の線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aの一方の開放端から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して線状導体3Aの一方の開放端の側に戻る最短経路で囲まれたループ面を形成する。ループ面は、導体板2の板面に直交している。ビア5bは、線状導体3Aの一方の開放端に設けられている。電磁界センサ1Hは、個々の線状導体3Aの長手方向と測定対象物における電流が流れる向きとが同じになるように配置される。
例えば、4ペアの差動線路が一つの線にまとめられたケーブルが測定対象物である場合に、第1のペアの差動線路に対応して配置された線状導体3Aが、第1のペアの差動線路から発生した電磁界を検出し、同様に、第2から第4のペアの差動線路のそれぞれに対応して配置された線状導体3Aが、第2から第4のペアの差動線路のそれぞれから発生した電磁界を検出する。これにより、電磁界センサ1Hは、どのペアの差動線路で、どの値の交流電流が流れているかを検出することができる。また、各線状導体に取り付けるコネクタおよび同軸ケーブルの電気的な性能(インピーダンス、電気長など)を等しくし、多ポートのオシロスコープを接続して、振幅と時間差を観測することにより、振幅が大きく、時間差が大きいほど近くにいることが分かり、信号発生源の位置を特定することが可能である。また、各線状導体の向きは、同一方向でなくてもよく、測定対象および用途に合わせて変更しても構わない。
電磁界センサ1Hは、導体板2Aと個々の線状導体3Aとの間の電位差を入力する論理和回路を備えてもよい。例えば、4ペアの差動線路が一つの線にまとめられたケーブルが測定対象物である場合に、論理和回路は、全てのペアの差動線路からの検出信号の論理和信号を算出し、算出した論理和信号の値に基づいて、いずれかのペアの差動線路に流れる電流値が目的値から外れているか否かを判定する。ケーブルにおけるどのペアの差動線路に流れる電流値が目的値から外れているかを特定することはできないが、高価な検出回路を用いることなく、ケーブルの状態を判定することができる。論理和回路には、オペアンプを用いてもよいし、ダイオードおよび抵抗を用いたものであってもよい。線状導体3Aと論理和回路との間に、信号を増幅するためのオペアンプが挿入されてもよい。
図25は、電磁界センサ1Hの変形例Aである電磁界センサ1Iを示す斜視図である。電磁界センサ1Iは、一枚の導体板2に対して複数の線状導体3Aを備え、線状導体3Aごとに設けられたビア5aおよびビア5b、検出回路8、および配線8dを備える。複数の線状導体3Aは、ループ面を貫く磁束が同一の方向となり、かつ導体板2に対して端部が互い違いな方向に配置される。例えば、図25に示す電磁界センサ1Iは、2つの線状導体3Aを備えており、一方の線状導体3Aと他方の線状導体3Aにおいて、ビア5aに接続した端部とビア5bに接続した端部は、互い違いな方向になっている。
個々の線状導体3Aに接続したビア5bは、配線8dによって検出回路8の入力ポートに接続されている。一方の線状導体3Aと他方の線状導体3Aにおいて、導体板2に対してビア5bに接続した端部が反対側にあり、一方の線状導体3Aと導体板2との間の電圧は、他方の線状導体3Aと導体板2との間の電圧の逆相になる。検出回路8が、両者間の電位差を差動入力することで、2倍の電圧を検出することができる。差動入力するためには、差動のオペアンプまたは差動レシーバを利用することができる。また、オシロスコープを用いて差動入力するためには、各信号をシングルエンドで測定し、その測定値を引き算することにより所望の信号が得られる。
図26は、電磁界センサ1Hの変形例Bである電磁界センサ1Jを示す斜視図である。電磁界センサ1Jは、一枚の導体板2Bに対して複数の線状導体3Aを備えており、線状導体3Aごとに設けられたビア5aおよびビア5bを備える。例えば、図25に示す電磁界センサ1Iは、2つの線状導体3Aを備えており、これらは、一方の線状導体3Aにおけるビア5bと接続した端部と、他方の線状導体3Aにおけるビア5bと接続した端部が向き合うように配置される。すなわち、導体板2Bの長手方向に沿って、2つの線状導体3Aの端部が互い違いに配置されている。線状導体3Aと導体板2Bとの間の電圧が逆相になるので、検出回路8は、両者間の電位差を差動入力して2倍の電圧を検出することができる。
以上のように、実施の形態4に係る電磁界センサ1H〜1Jにおいて、複数の線状導体3Aが、ループ面を貫く磁束が同一の方向となり、かつ導体板に対して端部が互い違いな方向に配置される。検出回路8は、個々の線状導体3Aと導体板との間の電位差を差動信号として検出する。これにより、電磁界センサ1H〜1Jは、個々の線状導体3Aと導体板との間の電位差が増幅された信号を検出対象とすることができる。また、各電磁界センサにおいて、各線状導体の向きは、必ずしも同一方向でなくてもよく、測定対象または用途に合わせて変更しても構わない。
実施の形態5.
図27は、実施の形態5に係る電磁界センサ1Kおよびケーブル100を示す斜視図である。図27において、電磁界センサ1Kにおける導体板2Cおよび線状導体3は、フレキシブル基板(FPC)によって構成されている。フレキシブル基板は、例えば、ポリアミド樹脂を用いた基板である。電磁界センサ1Kにおいて、フレキシブル基板が誘電体6として機能し、導体板2Cおよび線状導体3は、フレキシブル基板に対して導体膜をパターニングして構成される。また、電磁界センサ1Kにおける導体板2Cおよび線状導体3は、誘電体6の薄膜上に形成された薄膜であってもよい。
電磁界センサ1Kは、測定対象物であるケーブル100に対して、ケーブル100から発生された磁束が、導体板2Cに平行な向きになるように配置される。これにより、ケーブル100から発生された磁束が、導体板2Cと線状導体3によって形成されるループ面21を貫通するので、電磁界センサ1Kの検出感度が向上する。
導体板を有していない従来の電磁界センサにおいて、前述のようなケーブル100から発生された磁束は、検出不可能な成分である。これに対して、電磁界センサ1Kは、導体板2Cによってケーブル100の周囲を覆うことにより、ケーブル100から発生された磁束を検出することができる。導体板2Cは、ケーブル100の外周全体に巻き付けてもよい。また、導体板2Cをケーブル100に巻き付けたときに、導体板2Cの端部同士をオーバーラップさせてもよい。
電磁界センサ1Kの測定対象物への取り付けには、例えば粘着性の糊または両面テープが用いられる。ただし、糊または両面テープは可能な限り薄く、均一にすることが望ましく、可能であれば、比誘電率および比透磁率が1に近いものを用いることが望ましい。また、導体板2Cは、形状記憶合金で構成されてもよいし、導体板2Cには、測定対象物への取り付け構造を設けてもよい。
図28は、実施の形態5に係る電磁界センサ1Kの変形例Aである、電磁界センサ1Lおよびケーブル100を示す斜視図である。図28において、電磁界センサ1Lは、電磁界センサ1Kの構成に加えて、検出回路8Bおよび配線8aを備える。検出回路8Bは、IC8(1)およびIC8(2)が直列に接続されて構成される。
IC8(1)およびIC8(2)が直列に接続された検出回路8Bは、ループ面21を含む平面と同一または平行な平面上に配置される。例えば、検出回路8Bは、導体板2Cにおいて、ケーブル100の長手方向、すなわち測定対象物で電流が流れる向きに沿って配置される。導体板2Cがケーブル100の長手方向と直交する方向に撓んでも、撓みの応力は、IC8(1)およびIC8(2)に加わりにくく、ICのはんだ接続部の剥がれおよびはんだにクラックが入る可能性が低減される。
検出回路8Bを構成するICのピンのうち、導体板2Cまたは線状導体3に接続されるピンは、ケーブル100の長手方向のみに配置されていることが望ましい。また、ICの寸法も小さい方が望ましい。
以上のように、実施の形態5に係る電磁界センサ1Kおよび1Lにおいて、導体板2C、線状導体3および誘電体6が、フレキシブル基板または薄膜によって構成されている。導体板2Cによって測定対象物であるケーブル100を覆うことができるので、ケーブル100の周囲に生じた磁束がループ面21を貫くことで、ループ面21に誘導起電力が生じ、この誘導起電力によりケーブル100に生じる交流電流が感度よく測定される。これにより、電磁界センサ1Kおよび1Lは、交流電流の検出感度を向上させることが可能である。
実施の形態6.
図29は、実施の形態6に係る電磁界センサ1Mを示す斜視図である。図29において、電磁界センサ1Mは、導体板2の周囲に設けられた複数のGNDビア23によって構成されたシールド構造を備える。個々のGNDビア23は、導体板2に電気的に接続されており、導体板2から線状導体3Aを含む底面側へ延びた柱状導体である。GNDビア23の底面側の端部は開放となっている。導体板2を測定対象物にできるだけ近づけるため、GNDビア23は、底面に至るまでの長さであるか、底面に到達しない程度に短いことが望ましい。
以上のように、実施の形態6に係る電磁界センサ1Mは、導体板2の外周を囲むシールド構造を備える。シールド構造によって電磁界センサ1Mの側方からの外乱ノイズが除去されるので、電磁界センサ1Mは、測定対象物であるケーブルを伝搬する高周波信号のみを検出できる。特に、GNDビア23のシールド効果によって測定対象物以外で発生した電界成分(電気力線)を除去することができる。また、GNDビア23を導体板2に対して2周以上設け、GNDビア23間の隙間を埋めることにより、シールドを強化しても構わない。
実施の形態7.
図30は、実施の形態7に係る電磁界センサ1Nを示す斜視図である。図30において、電磁界センサ1Nは、非接触通信を行うカードに収容されており、カードの一方の面に形成された導体板2、カードの内部に形成された線状導体3、ビア5a、ビア5b、検出回路8および配線8aを備える。線状導体3は、導体板2と平行に配置されている。ビア5aは、導体板2と線状導体3の一方の開放端を電気的に接続する第1の柱状導体である。ビア5bは、線状導体3の他方の開放端と電気的に接続され、導体板2に設けられた貫通穴2aを通して線状導体3とは反対側に突出した第2の柱状導体である。
導体板2および線状導体3は、側方からみて、線状導体3の一方の開放端から、線状導体3、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3の一方の開放端の側に戻る最短経路で囲まれたループ面を形成する。ループ面は、導体板2の板面に直交している。ビア5bは、線状導体3Aの一方の開放端に設けられている。検出回路8は、導体板2における線状導体3とは反対側の板面に設けられ、導体板2と線状導体3との間の電位差を検出する回路である。検出回路8の入力ポートは、配線8aによってビア5bと電気的に接続される。検出回路8は、例えば、カードのICタグである。電磁界センサ1Nは、非接触通信を行うカードシステムに利用可能である。
以上のように、実施の形態7に係る電磁界センサ1Nは、ICタグである検出回路8を有したカードに収容されている。例えば、複数枚のカードを重ねて使用する場合、カード間の干渉で信号が検出できない場合があり、また、複数のカードが同時に応答する不具合が発生する。これに対して、電磁界センサ1Nでは、導体板2によって、線状導体3とは反対側にあるカードの誤った読み取りが防止される。これにより、カードの裏面に磁性体または他のカードといった電磁波妨害を起こす物体が存在してもカードの読み書きに影響を与えないカードシステムを提供することができる。
実施の形態8.
図31は、実施の形態8に係る電磁界センサ1Oを示す斜視図である。図31において、電磁界センサ1Oは、導体板2、線状導体3A、ビア5a、ビア5b、検出回路8C、蓄電池24、E/O変換回路25および通信機器26を備える。線状導体3Aは、導体板2と平行に配置されている。ビア5aは、導体板2と線状導体3の一方の開放端を電気的に接続する第1の柱状導体である。ビア5bは、線状導体3の他方の開放端と電気的に接続され、導体板2に設けられた貫通穴2aを通して検出回路8C側に突出した第2の柱状導体である。
導体板2および線状導体3Aは、側方からみて、線状導体3Aにおけるビア5bと接続した一方の端部から、線状導体3A、ビア5aおよび導体板2を介して、線状導体3Aの上記端部の側に戻る最短経路で囲まれたループ面を形成する。ループ面は、導体板2の板面に直交している。電磁界センサ1Oは、誘電体6によって導体板2が上下から挟まれた構造を有する。
検出回路8Cは、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を検出する。検出回路8Cにより検出された電位差を示す電気信号は、検出回路8Cの内部に設けられたメモリに保存される。また、検出回路8Cは、蓄電池24から供給される電力によって駆動するE/O変換回路25を備える。E/O変換回路25は、検出回路8Cによって検出された導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を示す電気信号を光信号に変換し、変換した光信号を、光ファイバを介して外部装置へ送信する。E/O変換回路25は、発光ダイオードまたは赤外線素子を用いた回路であってもよい。
通信機器26は、蓄電池24から供給される電力によって駆動する。通信機器26は、検出回路8Cによって検出された導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を示す電気信号を、無線通信によって外部装置へ送信する。通信機器26は、導体板2と線状導体3Aとの間の電位差を示す電気信号を、超音波信号として送信する機器であってもよい。
蓄電池24は、誘電体6に実装され、検出回路8Cに電力を供給する蓄電装置である。電磁界センサ1Oは、外部装置との電気的な接続がなく、蓄電池24からの電力によって検出回路8Cおよび通信機器26を駆動させる。これにより、電磁界センサ1Oは、外部装置の電位から電気的に浮いた状態になっている。
なお、蓄電装置は、蓄電池24に限定されるものではない。例えば、蓄電装置は、ケーブル100から検出された電磁界をエネルギーに変換して電力を供給する回路であってもよいし、太陽光パネルを用いて発電することで電力を供給する装置であってもよい。
例えば、大電流が流れる送電線が測定対象物である場合に、電磁界センサと外部装置が電気的に接続されていると、絶縁破壊された際に、外部装置の地絡事故または漏洩電流の増加が懸念される。これに対し、電磁界センサ1Oは、光通信または無線通信によって、電気的な導通がない外部装置との間で信号をやり取りし、蓄電池24からの電力によって検出回路8Cおよび通信機器26を駆動させる。これにより、測定対象物と電磁界センサ1Oとの間に放電が発生しても外部装置に電流が流れないため、地絡事故が発生しない。
一般に、多数の電磁界センサの短絡保護を長期間に渡って管理することは困難である。これに対して、電磁界センサ1Oは、外部装置の電位から電気的に浮いた状態であることから、個々の電磁界センサ1Oで短絡対策がなされている。このため、電磁界センサ1Oは、短絡保護の管理が不要である。
検出回路8Cには、例えば、コッククロフトウォルトン回路、A/Dコンバータおよびコンパレータが用いられる。例えば、1段のコッククロフトウォルトン回路であっても、交流信号を、直流信号に近づけることができる。このため、検出回路8Cを構成するICは、消費電力の小さい低速なICであっても、高速な交流信号を検出することができる。A/Dコンバータは、消費電力および情報量が多くなる傾向にある。このため、A/Dコンバータを用いた検出回路8Cは、数時間から数日監視するような目的で使用される環境が最適である。また、コンパレータを用いることで、閾値を上回った電圧を検出する検出回路8Cを容易に構成できる。閾値を上回った電圧を検出する検出回路8Cは、数日から数年単位の長期間で電圧を監視する目的に向いている。通信機器26には、マイクロコンピュータを使用してもよい。通信機器26は、電磁界センサ1Oによる検出結果を、常に送信してもよいし、異常があったときに検出結果を送信してもよい。検出回路8Cには、異常電圧または異常電流によって回路が破損しないように保護素子を設けてもよい。
以上のように、実施の形態8に係る電磁界センサ1Oは、外部装置と電気的な接続がなく、蓄電池24からの電力により検出回路8Cおよび通信機器26を駆動させることで、外部装置の電位から電気的に浮いた状態である。測定対象物と電磁界センサ1Oとの間に放電が発生しても外部装置に電流が流れないため、地絡事故が発生しない。
実施の形態9.
実施の形態9に係る電磁界センサは、意図的に特定の周波数に共振させて特定の周波数における感度を向上させるために、線状導体3を複数に分割し、線状導体3の分割部分間に直列、または並列、または直並列に部品を配置するか、線状導体3と導体板2との間に部品を配置したものである。
例えば、部品としては、インピーダンスの低い抵抗(100(Ω)以下が望ましい)、チップインダクタ、積層セラミックコンデンサおよびフェライトビーズの他、空芯コイルまたは磁性体を用いたコイルあるいはダイオードを用いてもよい。特に、磁性体を用いたフェライトビーズまたは磁性体を用いたコイル、または、空芯コイルなどの部品に関しては、電気影像法において受信感度が2倍になるため、測定対象が作る磁束の向きと、部品内部の配線の向きによっては共振周波数を作る以外にも効果を得ることができる。
また、線状導体3と導体板2との間に配置される部品としては、コンデンサまたはインピーダンスが高い抵抗(100k(Ω)以上が望ましい)を用いることができる。これらの部品を組み合わせることで、電磁界センサの寸法を変更することなく、任意の周波数の信号の受信感度を高めることができる。
なお、各実施の形態の組み合わせまたは実施の形態のそれぞれの任意の構成要素の変形もしくは実施の形態のそれぞれにおいて任意の構成要素の省略が可能である。
本開示に係る電磁界センサは、例えば、ケーブルに流れる交流電流の検出または注入に利用可能である。
1,1A〜1O 電磁界センサ、2,2A〜2C 導体板、2A1 突出部、2a,6a,6b 貫通穴、3,3A 線状導体、3a,3b 端部、4 信号出力端子、5,5a〜5c ビア、6 誘電体、7 コネクタ、8,8A〜8C 検出回路、8a,8b,8d 配線、21 ループ面、22 同軸ケーブル、23 GNDビア、24 蓄電池、25 E/O変換回路、26 通信機器、100 ケーブル、200 電磁界センサ、201 線状導体、202,203 端子、204 コネクタ、205 ループ面、206 同軸ケーブル。

Claims (17)

  1. 一枚の導体板と、
    一方の端部が前記導体板の一方の面に電気的な回路部品を介さず接続され、他方の端部に信号出力端子が設けられ、前記導体板と前記信号出力端子との間を結ぶ1本の線状導体と、
    を備え、
    前記導体板および前記線状導体によって形成され、側方からみて前記導体板に直交した面のみで構成された1つのループ面を有すること
    を特徴とする電磁界センサ。
  2. 電磁界の測定対象物は、磁束を一方向に発生させる導体であり、
    前記導体板および前記線状導体は、前記測定対象物から発生した磁束が前記ループ面を貫く位置に配置されること
    を特徴とする請求項1記載の電磁界センサ。
  3. 前記導体板と前記線状導体との間に設けられた誘電体に設けられた第1の貫通穴を通る第1の柱状導体を備え、
    前記第1の柱状導体は、前記導体板の面と前記線状導体とを電気的に接続すること
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁界センサ。
  4. 前記導体板に設けられた貫通穴と前記誘電体に設けられた第2の貫通穴とを通る第2の柱状導体を備え、
    前記第2の柱状導体は、前記線状導体に接続され、前記貫通穴および前記第2の貫通穴を通って前記導体板から突出し、前記信号出力端子に接続されること
    を特徴とする請求項3記載の電磁界センサ。
  5. 前記導体板と前記線状導体との間の電位差を検出する検出回路を備え、
    前記検出回路は、前記導体板における前記線状導体に接続された板面とは反対側の面に配置されること
    を特徴とする請求項4記載の電磁界センサ。
  6. 前記検出回路は、複数の部品が直列に接続されて構成され、
    前記部品間が直列に接続された前記検出回路は、前記ループ面を含む平面と同一または平行な平面上に配置されていること
    を特徴とする請求項5記載の電磁界センサ。
  7. 測定周波数の上限値fmax、光速cおよび前記誘電体の比誘電率εである場合、前記線状導体の長さは、c/(8×fmax×√ε)以下の長さであること
    を特徴とする請求項3記載の電磁界センサ。
  8. 測定周波数の上限値fmax、光速cおよび前記誘電体の比誘電率εである場合、前記線状導体の長さは、c/(fmax×√ε)以上の長さであること
    を特徴とする請求項3記載の電磁界センサ。
  9. 前記導体板、前記線状導体および前記誘電体は、フレキシブル基板または薄膜によって構成されていること
    を特徴とする請求項3記載の電磁界センサ。
  10. 蓄電装置を備え、
    外部装置と電気的な接続がなく、前記蓄電装置からの電力によって前記検出回路を駆動させることにより、前記外部装置の電位から電気的に浮いた状態であること
    を特徴とする請求項5記載の電磁界センサ。
  11. 一枚の前記導体板に対して複数の前記線状導体を備えたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁界センサ。
  12. 前記導体板と個々の前記線状導体との間の電位差を入力する論理和回路を備えたこと
    を特徴とする請求項11記載の電磁界センサ。
  13. 複数の前記線状導体は、前記ループ面を貫く磁束が同一の方向となり、かつ前記導体板に対して端部が互い違いな方向に配置され、
    個々の前記線状導体と前記導体板との間の電位差を差動信号として検出する検出回路を備えたこと
    を特徴とする請求項11記載の電磁界センサ。
  14. 前記導体板から前記線状導体を含む底面側へそれぞれ延びた複数の柱状導体からなり、複数の前記柱状導体が前記線状導体を囲むように前記導体板の外周縁に沿って設けられ、外乱ノイズをシールドするシールド構造を備えたこと
    を特徴とする請求項1または請求項2記載の電磁界センサ。
  15. ICタグを有したカードに収容されたこと
    を特徴とする請求項1記載の電磁界センサ。
  16. 前記第1の柱状導体は、前記線状導体の一方の端部に取り付けられ、前記第2の柱状導体は、前記線状導体の他方の端部に取り付けられていること
    を特徴とする請求項4記載の電磁界センサ。
  17. 前記導体板と前記線状導体との間、または、前記線状導体の一部に、直列、または並列、または直並列に部品が配置されていること
    を特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項記載の電磁界センサ。
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