JP2003207531A - 近傍磁界プローブ - Google Patents

近傍磁界プローブ

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JP2003207531A
JP2003207531A JP2002004996A JP2002004996A JP2003207531A JP 2003207531 A JP2003207531 A JP 2003207531A JP 2002004996 A JP2002004996 A JP 2002004996A JP 2002004996 A JP2002004996 A JP 2002004996A JP 2003207531 A JP2003207531 A JP 2003207531A
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JP
Japan
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transmission circuit
dielectric
magnetic field
loop coil
signal conductor
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JP2002004996A
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Satoru Takenouchi
悟 竹之内
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Kyocera Corp
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】伝送回路部とループコイル部との間のインピー
ダンスの不連続点で発生する共振による検出電圧の低下
を抑制して、マイクロ波の領域まで安定して使用できる
近傍磁界プローブを提供する。 【解決手段】誘電体1、23、35、41と、該誘電体
1、23、35、41上に形成され、導電性薄膜により
構成されてなるループコイル部3と、該ループコイル部
3により検出された誘起起電力を伝送する伝送回路部
5、21、31により構成されてなる近傍磁界プローブ
において、該伝送回路部5、21、31のインピーダン
スが伝送方向に漸次変化してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近傍磁界プローブ
に関し、特に、マイクロ波領域までの広帯域まで安定し
て測定できる近傍磁界プローブに関する。
【0002】
【従来技術】現在、情報通信の発達に伴い、パソコン等
の電子機器に搭載されているマイクロプロセッサの動作
周波数や携帯電話の通信周波数は100MHz〜数GH
zに及んでいる。このような高い動作周波数を用いた電
子機器では、不要な電磁輻射が発生しやすいことから電
子機器の誤動作の原因となることが知られている。
【0003】このため法的に不要電磁輻射の規制がなさ
れており遵守が義務付けられているが、この不要電磁輻
射の防止策として、輻射性の近傍ノイズを計測し、遠方
界(3m法、10m法)を推定することや、電子機器に
搭載されているマイクロプロセッサ等の素子部における
高周波電流ループを直接的に推定することが有効な手段
として注目され、高周波電流ループを推定するための近
傍磁界プローブの開発が行われている。
【0004】このような近傍磁界プローブとして、例え
ば、図8に示すようなものが知られている。この近傍磁
界プローブは、導電性薄膜により形成されるループコイ
ル部103と、このループコイル部103が検出した誘
起起電力を伝送する伝送回路部105とから構成される
ものであり、伝送回路部105は信号導体107と、そ
の両サイドの平面導体109とから構成されており、信
号導体107の幅w10 0およびその両サイドの形成され
ている平面導体109との間隔d100が伝送方向に均一
とされている。そして、この近傍磁界プローブではルー
プコイル部103の長さL100や幅w101を変えることに
より、ループコイル部103と測定系(図示せず)や伝
送回路部105とのインピーダンス整合を図ることが記
載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
近傍磁界プローブでは、ループコイル部103の長さL
100や幅w101を変えることによりループコイル部103
と伝送回路部105および測定系とのインピーダンス整
合を試みているが、上記公報に記載されているように、
ループコイル部103を形成している導電性薄膜の幅w
101や厚みに制限があることから、ループコイル部10
3と伝送回路部105のインピーダンスを測定系のイン
ピーダンスと整合させること、例えば、マイクロ波帯ま
での広帯域で整合させることが困難であるという問題が
あった。
【0006】特に、マイクロ波帯のような高周波領域で
はループコイル部のインダクタンスが増大し、伝送回路
部105とループコイル部103との間にインピーダン
スの不連続点が生じ、このインピーダンスの不連続点で
発生する多重反射と伝送回路部105の寄生容量により
共振が発生するため、プローブの出力電圧の低下により
測定系までの磁界信号の伝送できず、近傍磁界プローブ
を広い周波数帯において使えないという問題があった。
【0007】また、上記のようなループコイル部103
では、それを構成している導電性薄膜の幅や厚みに制限
があるため、ループコイル部103の形状と寸法を任意
に変更し難く、このためループコイル部103の形状に
合わないような被測定回路では検出感度が低くなるとい
う問題があった。
【0008】従って、本発明は、ループコイル部と伝送
回路部との間のインピーダンスの不連続点で発生する共
振による出力電圧の低下を抑制して、マイクロ波の領域
まで安定して使用できる近傍磁界プローブを提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の近傍磁界プロー
ブは、誘電体と、該誘電体に形成され、導電性薄膜によ
り構成されてなるループコイル部と、該ループコイル部
により検出された誘起起電力を伝送する伝送回路部によ
り構成されてなる近傍磁界プローブにおいて、該伝送回
路部のインピーダンスが伝送方向に漸次変化してなるこ
とを特徴とする。
【0010】このような構成によれば、ループコイル部
と測定系とのインピーダンスの差を、伝送回路部におい
て次第に近づけることができることから、ループコイル
部と伝送回路部とのインピーダンスの不連続点で発生す
る多重反射を低減することができ、ループコイル部と測
定系とのインピーダンス差が大きい場合であっても、ル
ープコイル部で検出された磁界を効率よく測定系まで伝
送することができる。
【0011】例えば、ループコイル部のインピーダンス
が数Ωで、測定系のインピーダンスが50Ωの場合、伝
送回路部のインピーダンスを測定系に向けて次第に大き
くすることにより伝送効率を高めることができる。
【0012】また、上記のように、ループコイル部と伝
送回路部とのインピーダンスの不連続点での多重反射が
低減されることから、この多重反射と伝送回路部の寄生
容量との共振により引き起こるループコイル部の電圧低
下を抑制でき、検出された誘起起電力をマイクロ波帯ま
での広い周波数帯において安定して測定することができ
る。
【0013】さらに、本発明の近傍磁界プローブでは、
インピーダンス整合を伝送回路部において行うことか
ら、インピーダンス整合をループコイル部において行う
必要が無く、このためループコイル部の形状と寸法を被
測定回路の形状やサイズに任意に合わせることができる
ことから検出感度を高めることができる。
【0014】上記近傍磁界プローブでは、伝送回路部が
誘電体の一方主面上に形成された信号導体と該信号導体
に離間して形成された平面導体からなり、かつ、前記信
号導体の幅および前記信号導体と平面導体との間の間隔
を伝送方向に漸次変化してなることが望ましい。このよ
うに伝送方向に対して信号導体並びに平面導体の寸法を
漸次変化させることにより、インピーダンスが任意の変
化率で次第に変化する伝送回路部を容易に形成できる。
また、ループコイル部と伝送回路部とのインピーダンス
の不連続点で発生する多重反射をさらに低減することが
できるとともに、伝送回路部の寄生容量をさらに低減で
き、マイクロ波帯までさらに安定して磁界を検出でき
る。
【0015】上記近傍磁界プローブでは、伝送回路部が
誘電体の一方主面上に形成された信号導体と該信号導体
の対向する他方主面に形成された平面導体とからなると
ともに、前記誘電体の厚みが伝送方向に変化してなるこ
とが望ましく、また、伝送回路部が、誘電体の内部に形
成された信号導体と、該信号導体に対向した前記誘電体
の外側の両面に形成された平面導体とからなるととも
に、前記誘電体の厚みが伝送方向に変化してなることが
望ましい。
【0016】このように伝送回路部を構成する誘電体の
厚みを伝送方向に次第に変化する構造とすることにより
誘電体中に分散される電束の密度を次第に変化させるこ
とができ、このため伝送回路部のインピーダンスを次第
に変化させることができる上記近傍磁界プローブでは、
伝送回路部が誘電体の一方主面上に形成された信号導体
と該信号導体の対向する他方主面に形成された平面導体
とからなるとともに、前記誘電体の比誘電率が伝送方向
に変化してなることが望ましく、また、伝送回路部が、
誘電体の内部に形成された信号導体と、該信号導体に対
向した前記誘電体の外側の両面に形成された平面導体と
からなるとともに、前記誘電体の比誘電率が伝送方向に
変化してなることが望ましい。
【0017】また、伝送方向に対して比誘電率を次第に
変化させる構造であれば、形状を変更することなく伝送
回路部のインピーダンスを漸次変更することができる。
【0018】上記近傍磁界プローブは30MHz〜15
GHzの周波数領域で用いられることが望ましい。本発
明の近傍磁界プローブでは、ループコイル部と伝送回路
部との間で発生するインピーダンスの不連続点での多重
反射を抑制し、この多重反射と伝送回路部の寄生容量と
の共振により引き起こるループコイル部の電圧低下が抑
えられることから、共振周波数を含むマイクロ波帯まで
の広い周波数帯においても安定して測定することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の近傍磁界プローブの一形
態について、図1の概略斜視図をもとに詳細に説明す
る。
【0020】本発明の近傍磁界プローブAは、図1に示
すように、誘電体1上に形成され、高周波電流等による
磁界を検知するループコイル部3と、このループコイル
部3に誘起された起電力を伝送する伝送回路部5と、測
定系(図示せず)に接続された同軸ケーブル(図示せ
ず)を電気的に接続するための接続部7とから構成さ
れ、伝送回路部5のインピーダンスが伝送方向に漸次変
化するように形成されていることを特徴とする。
【0021】伝送回路部5は、ループコイル部3や伝送
回路部5の導体を基板に容易に形成できること、および
測定系の同軸ケーブルともバラン(変換冶具)等を介す
ることなく接続ができるという理由から、図1に示すよ
うなコプレーナ型が好適に用いられる。
【0022】また、伝送回路部5は、誘電体1の一方主
面上の中央部に信号導体13が形成され、その信号導体
13の両サイドに信号導体13と同方向に伸びるように
平面導体15が形成されている。そして、ループコイル
部3の端部17が信号導体13に接続され、他方の端部
19は信号導体13の両サイドに配置された平面導体1
5のいずれか一方に接続されている。
【0023】また、信号導体13の形状は、例えば、ル
ープコイル部3のインピーダンスが測定系のインピーダ
ンスに比較して小さい場合には、ループコイル部3側お
よび測定系側ともに同じ幅w2で形成され、この信号導
体13の両サイドに形成されている平面導体15の幅w
1はループコイル部3側の幅w1を広く、測定系側に向か
って漸次細くなるように形成されている。
【0024】一方、平面導体15の幅w1を伝送方向に
向かって一定とし、信号導体13の幅w2を伝送方向に
狭くしても同様な効果が得られる。
【0025】このように信号導体13の幅w2や平面導
体15の幅w1および信号導体13とその両サイドの平
面導体15との間隔dを次第に変化させることにより、
インピーダンスの異なるループコイル部3と測定系との
間のインピーダンスを伝送方向に対して漸次変化させる
ことができる。
【0026】さらに、本発明の近傍磁界プローブAで
は、例えば、測定系のインピーダンスが50Ω、ループ
コイル部3のインピーダンスが30〜100Ωの範囲で
ある場合には、伝送回路部5のインピーダンス変化量
は、10Ω/mm以下であることが望ましく、インピー
ダンスを漸次変化させるという理由から5Ω/mm以下
が特に望ましい。
【0027】そして、本発明の近傍磁界プローブAを好
適に用いることができる周波数帯として、30MHz〜
15GHzが望ましく、特に、高周波電流を安定して高
出力で検知するという理由から2GHz〜10GHzが
より望ましい。
【0028】本発明の近傍磁界プローブAでは、誘電体
1として低誘電率、高強度という理由からガラスエポキ
シ基板が好適に用いられ、ガラスエポキシ基板上に形成
された銅箔をエッチングを用いて加工することにより、
上記のループコイル部3、伝送回路部5および接続部7
を高寸法精度で形成できる。
【0029】ループコイル部3は伝送回路部5と接続さ
れる端部17、19を除き略正方形の矩形状をなし、寸
法はおおよそ1辺の長さが1mm、線幅が0.15mm
に形成されるものであるが、このループコイル部3の形
状は上記の略正方形のみではなく、円形であってもよ
い。また、寸法は、検知する電子機器の部位の面積や電
磁界の周波数に応じて変更することができる。
【0030】また、ループコイル部3のインピーダンス
は、一般に測定系のインピーダンス値である50Ωに近
い値であるほうが望ましいが、本発明の近傍磁界プロー
ブAでは、ループコイル部3のインピーダンスは30〜
100Ωであれば好適に適用でき、特に、ループコイル
部3のインピーダンスが測定系のインピーダンスよりも
低い場合に好適に用いることができる。
【0031】また、パターン加工により形成された伝送
回路部5およびループコイル部3の表面はガラスエポキ
シ基板上に形成された銅箔のままでも用いることができ
るが、これらの表面抵抗を低減し、表面腐食を防止する
という理由から、金メッキ膜等の保護膜を形成すること
が望ましい。
【0032】次に、本発明の近傍磁界プローブAでは、
上記のコプレーナ型の伝送回路部5の他に、図2
(a)、(b)に示すようなマイクロストリップ型の構
造を有する伝送回路部21を使用することができる。
【0033】図2(a)に示したマイクロストリップ型
の伝送回路部21では、誘電体23の一方主面上に形成
された信号導体25とこの信号導体25の対向する主面
に形成された平面導体27が形成されており、信号導体
25と平面導体27とは誘電体23に形成されたバイア
導体24により接続されている。
【0034】また、図2(b)に示したように、マイク
ロストリップ型の伝送回路部21では、伝送回路部21
の信号導体25の幅が漸次変化するように形成されてい
る。また、信号導体25の幅w2に加えて、信号導体2
5と平面導体27に挟まれた誘電体23の厚みt1を変
更することにより、マイクロストリップ型の伝送回路部
21のインピーダンスを漸次変化させることもできる。
【0035】このような信号導体25および平面導体2
7に挟まれた誘電体23の厚みt1は、ループコイル部
3のインピーダンスが30〜100Ωの範囲である場合
には、伝送回路部21のインピーダンス変化量は10Ω
/mm以下で変化するように誘電体23の比誘電率およ
び導体の幅から調整してあることが望ましく、特に、イ
ンピーダンスを漸次変化させるという理由から5Ω/m
m以下で変化するように誘電体23の厚さを漸次変化さ
せることが望ましい。
【0036】また、誘電体23の比誘電率は伝送回路部
21の寄生容量を小さくするとともに、共振周波数を高
周波側に設定するという理由から10以下であることが
望ましい。
【0037】さらに、上記のようなマイクロストリップ
型の伝送回路部21の伝送をさらに安定させるための構
造として、図3に示すようなストリップ型の伝送回路部
31が好適に用いられる。この場合、信号導体33は誘
電体35内に形成され、さらに、この誘電体35の両主
面に平面導体37が形成されている。この場合、信号導
体33は平面導体37が両面に形成され、誘電体35の
厚みt2方向の1/2の位置に配置されていることが望
ましく、ループコイル部3は信号導体33と同一平面上
に形成され、マイクロストリップ型の伝送回路部21と
同様、バイア導体39によって平面導体35と接続され
ている。
【0038】また、このストリップ型の伝送回路部31
においても、マイクロストリップ型の伝送回路部21と
同様、信号導体33の幅w4や誘電体35の厚みt2およ
び誘電体35の比誘電率を伝送方向に漸次変化させるこ
とができる。こうして、ループコイル部3と伝送回路部
31とのインピーダンスの不連続点で発生する多重反射
を低減でき、共振周波数においてもループコイル部3が
検知した誘起起電力を電圧低下を抑制して安定に測定系
に伝送することができる。
【0039】上記に示したように、信号導体33が誘電
体35の内部に形成されたストリップ型の伝送回路部3
1では、ループコイル部3を被測定物により近づけるた
めにループコイル部3近傍の誘電体35の厚みt2を薄
くすることが必要な場合には、図4に示すように、誘電
体41の厚みt4を伝送方向に変更せず、この方向に異
なる比誘電率ε1、ε2、ε3、ε4を有する誘電体41を
直列状に配置させて構成することも可能である。この場
合、比誘電率の変化は、ループコイル部3のインピーダ
ンスが、30〜100Ωの範囲である場合には、伝送回
路部31のインピーダンス変化量は、10Ω/mm以下
で変化するように回路の幅から比誘電率を調整してある
ことが望ましく、特に、インピーダンスを漸次変化させ
るという理由から5Ω/mm以下で変化するように誘電
体41の比誘電率ε1、ε2、ε3、ε4を漸次変化させる
ことが望ましい。
【0040】さらには、上記の実施形態において、伝送
回路部5、21、31のインピーダンスを漸次変化させ
る構造としては、信号導体13、25、33や平面導体
15、27、37の幅w1、w2、w4、信号導体13と
平面導体15との間隔d、誘電体1、23、35、41
の厚さt1、t2、t4および異なる比誘電率ε1、ε2
ε3、ε4を有する誘電体1、23、35、41の接続等
を種々組み合わせることにより、伝送回路部部5、2
1、31のインピーダンスをさらに効率的に漸次変化さ
せることもできる。
【0041】
【実施例】まず、図5に示すコプレーナ型の伝送回路部
を有する近傍磁界プローブを作製した。厚さ50μmの
銅箔を有する片面銅箔ガラスエポキシ基板(基体の誘電
率4.8)を用意し、この銅箔の表面に感光性レジスト
膜を貼り、さらに、この表面に、図5に示したループコ
イル部、伝送回路部(信号導体、平面導体)および接続
部となる形状を有するマスクを載置し、露光、現像、エ
ッチングによりパタ−ンを形成した。
【0042】ループコイル部は伝送回路部との接続部が
形成された1辺を除き、他の3辺については1辺の長さ
を1mm、線幅を0.15mmとした。このときのルー
プコイル部のインピーダンスは10GHzで35Ω、測
定系のインピーダンスは同周波数で50Ωであった。伝
送回路部はガラスエポキシ基板からなる基体の誘電率
4.8を考慮して以下の表1に示すように各寸法を設定
した。
【0043】
【表1】
【0044】次に、作製したコプレーナ型の伝送回路部
を有する近傍磁界プローブについて、高周波回路の動作
周波数である周波数10MHz〜14GHzの範囲にお
ける反射係数(S11)と出力電圧変化を測定した。こ
の測定には、標準磁界発生源として50Ωにインピーダ
ンス整合されたマイクロストリップ回路を使用し、近傍
磁界プローブのループコイル部面がマイクロストリップ
回路の回路方向と平行になるように設置し、近傍磁界プ
ローブの先端とマイクロストリップ回路との距離を0.
2mmとした。その測定結果である反射係数の周波数依
存性を図6に、プローブの出力電圧の周波数依存性を図
7に示した。
【0045】図6および図7の結果から明らかなよう
に、インピーダンスが伝送方向に不連続である伝送回路
部を備えた本発明の近傍磁界プローブである試料No.
1では、信号導体の幅、および信号導体と平面導体との
間隔を伝送方向に一定とし、ループコイル部の寸法のみ
を調整して作製した従来の近傍磁界プローブNo.2に
比較して、共振周波数である9〜12GHz付近におけ
る反射係数(S11)が−12dBから−7dBに低減
するとともに、この周波数帯における共振が抑制された
ためプローブの出力電圧が66dBμVから76dBμ
Vまで高まり、2〜14GHzの広帯域において安定し
た出力電圧が得られた。
【0046】
【発明の効果】上述した通り、本発明によれば、近傍磁
界プローブを構成する伝送回路部のインピーダンスを伝
送方向に対して漸次変化させる構造とすることにより、
ループコイル部で検出された誘起起電力を効率よく測定
系に伝送することができ、マイクロ波帯までの広帯域で
安定した出力を得ることが可能な近傍磁界プローブを得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コプレーナ型の伝送回路部を有する本発明の近
傍磁界プローブを示す概略斜視図である。
【図2】(a)はマイクロストリップ型の伝送回路部を
有する本発明の近傍磁界プローブを示す概略斜視図、
(b)はループコイル部に接続された信号導体の拡大図
である。
【図3】ストリップ型の伝送回路部を有する本発明の近
傍磁界プローブを示す概略斜視図である。
【図4】比誘電率の異なる誘電体が直列に配列されたス
トリップ型の伝送回路部を有する本発明の近傍磁界プロ
ーブを示す概略斜視図である。
【図5】コプレーナ型の伝送回路部を有する実施例の近
傍磁界プローブを示す概略斜視図である。
【図6】近傍磁界プローブの反射係数(S11)の周波
数依存性を示すグラフである。
【図7】近傍磁界プローブの出力電圧の周波数依存性を
示すグラフである。
【図8】伝送回路部のインピーダンスが漸次変化しない
従来の近傍磁界プローブを示す概略斜視図である。
【符号の説明】
A・・・・・・・・・・近傍磁界プローブ 1、23、35、41・誘電体 3・・・・・・・・・・ループコイル部 5、21、31・・・・伝送回路部 13、25、33・・・信号導体 15、27、37・・・平面導体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘電体と、該誘電体に設けられ、導電性薄
    膜により構成されてなるループコイル部と、該ループコ
    イル部により検出された誘起起電力を伝送する伝送回路
    部とを具備してなる近傍磁界プローブにおいて、前記伝
    送回路部のインピーダンスが伝送方向に漸次変化してな
    ることを特徴とする近傍磁界プローブ。
  2. 【請求項2】伝送回路部が、誘電体の一方主面上に形成
    された信号導体と、該信号導体に離間して形成された平
    面導体からなり、かつ、前記信号導体の幅および前記信
    号導体と前記平面導体との間の間隔を伝送方向に漸次変
    化してなることを特徴とする請求項1に記載の近傍磁界
    プローブ。
  3. 【請求項3】伝送回路部が、誘電体の一方主面上に形成
    された信号導体と、該信号導体の対向する他方主面に形
    成された平面導体とからなるとともに、前記誘電体の厚
    みが伝送方向に漸次変化してなることを特徴とする請求
    項1に記載の近傍磁界プローブ。
  4. 【請求項4】伝送回路部が、誘電体の内部に形成された
    信号導体と、該信号導体に対向する前記誘電体の外側の
    両面に形成された平面導体とからなるとともに、前記誘
    電体の厚みが伝送方向に漸次変化してなることを特徴と
    する請求項1に記載の近傍磁界プローブ。
  5. 【請求項5】伝送回路部が、誘電体の一方主面上に形成
    された信号導体と、該信号導体の対向する他方主面に形
    成された平面導体とからなるとともに、前記誘電体の比
    誘電率が伝送方向に漸次変化してなることを特徴とする
    請求項1に記載の近傍磁界プローブ。
  6. 【請求項6】伝送回路部が、誘電体の内部に形成された
    信号導体と、該信号導体に対向する前記誘電体の外側の
    両面に形成された平面導体とからなるとともに、前記誘
    電体の比誘電率が伝送方向に漸次変化してなることを特
    徴とする請求項1に記載の近傍磁界プローブ。
JP2002004996A 2002-01-11 2002-01-11 近傍磁界プローブ Pending JP2003207531A (ja)

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