JP2009229101A - 微小コイルおよび微小装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】向きに依らずに効率よく電力を伝送することの可能な微小コイルを提供する。
【解決手段】棒状の微小基体11の周面に3つのコイル(第1、第2および第3のコイル12,13,14)が形成されている。第1のコイル12は少なくとも微小基体11の延在方向(少なくともX軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。第2のコイル13は少なくとも微小基体11の延在方向と直交する一の方向(少なくともY軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。第3のコイル14は少なくとも微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(少なくともZ軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。
【選択図】図2
【解決手段】棒状の微小基体11の周面に3つのコイル(第1、第2および第3のコイル12,13,14)が形成されている。第1のコイル12は少なくとも微小基体11の延在方向(少なくともX軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。第2のコイル13は少なくとも微小基体11の延在方向と直交する一の方向(少なくともY軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。第3のコイル14は少なくとも微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(少なくともZ軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。
【選択図】図2
Description
本発明は、微小コイルおよびこれを備えた微小装置に係り、例えば、実験に供される動物の体内においてその動物の生理状態を常時監視する微小装置の電力受信用および信号送受信用のコイルとして、または、物流における移動物体と一体となって移動し、かつその移動物体についての情報を有する微小装置の電力受信用および信号送受信用のコイルとして好適に用いられる微小コイルおよびこれを備えた微小装置に関する。
病理や病気の発生メカニズムを解明するための動物実験として遺伝子改変マウスが利用されている。実験中にマウスの識別子や生理状態を効率的に検出するために、マウスの体内に超小型のカプセルを埋め込むことが計画されている。このカプセルには、マウスの識別子や生理状態を検出するためのセンサと、そのセンサが検出した信号を処理するための集積回路と、これらに電力を供給するために外部の電力送信用コイルから電力を受信したり、外部と信号の送受信を行ったりする微小コイルとが搭載されている(非特許文献1〜3参照)。
Y.Kaneko、K.Hashimoto、T.Horiuchi、Microelectronic Engineering Vol.83 pp.1249-1252、2006
H.Mekaru、S.Kusumi、N.Sato、M.Shimizu、M.Yamashita、O.Shimada、T.Hattori、JJAP Vol.44、No.7B、pp.5749-5754、2005
Xiao-Yu Gao、Ying Cao、Yong Zhou、Wen Ding、ChongLei、Ji-An Chen、Journal of Magnetism and Magnetic Materials Vol.305、pp.207-211、2006
ところで、このようなカプセルでは、一般的に、微小コイルは一方向の磁界変化しか感じることのできない構成となっていることから、例えば、外部に設けられた電力送信用コイルから効率よくカプセル内の微小コイルに電力を伝送したり、外部に設けられた信号送受信用コイルに効率よくカプセル内の微小コイルからの信号を伝送したりするためには、外部のコイルとカプセル内の微小コイルとの位置関係を所定の範囲内に固定しておくことが必要となる。しかし、カプセル内の微小コイルはマウスに埋め込まれており、マウスの動きに応じてその向きが変化してしまうので、効率よく電力や信号を伝送することができないという問題があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、向きに依らずに効率よく電力や信号を伝送することの可能な微小コイルおよびこれを備えた微小装置を提供することにある。
本発明の微小コイルは、微小基体の表面に3つのコイル(第1、第2および第3のコイル)が形成されたものである。第1のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有している。第2のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有している。第3のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有している。
本発明の微小装置は、センサ素子と、そのセンサ素子が検出した信号を処理するための集積回路と、少なくとも前記集積回路に接続された微小コイルとが保護部材によって覆われたものである。本発明の微小装置に含まれる微小コイルは、上記した微小コイルと同一の構成となっている。
本発明の微小コイルおよび微小装置では、3つのコイルによって、コイルの指向性が弱められて(または、なくなって)いる。これにより、XYZ三次元直交座標系におけるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のいずれの磁界についても検出することができる。
ここで、微小基体が棒状となっている場合には、第1、第2および第3のコイルを、微小基体の周面に形成することが好ましい。また、このとき、第1、第2および第3のコイルをそれぞれ、単層で形成することが好ましい。
また、微小基体が六面体状の形状をなしている場合には、第1、第2および第3のコイルを、互いに対向しない面に形成することが好ましい。
本発明の微小コイルおよび微小装置によれば、3つのコイルによってあらゆる方向の磁界を検出するようにしたので、例えば、外部に設けられた電力送信用コイルからの電力がどの向きから送信されてきたとしても効率よく微小コイルに伝送することができ、また、微小コイルが外部の信号送受信用コイルとの関係でどの向きに配置されているとしても微小コイルからの信号を効率よく信号送受信用コイルに伝送することができる。従って、向きに依らずに効率よく電力や信号を伝送することができる。
以下、本発明の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係る微小検出装置1(微小装置)の分解斜視図であり、図2、図3は微小検出装置1内の微小コイル10の種々の具体例を拡大して表したものである。この微小検出装置1は、病理や病気の発生メカニズムを解明するための動物実験に用いられる遺伝子改変マウスなどの体内に埋め込むことの可能なものである。この微小検出装置1は、全長が約50mmで、直径が約10mmの棒状(または筒形の形状)の物体よりも小さなサイズとなっており、例えば、図1に示したように、全長が約5mmで、直径が約1mmの微小な砲弾形状となっている。
微小検出装置1は、例えば、基板40上に形成されたセンサ素子30と、集積回路20と、微小コイル10とをカプセル50(保護部材)で覆って構成したものである。センサ素子30は、マウス(図示せず)の識別子や生理状態を検出するためのものである。集積回路20は、センサ素子30が検出した、マウスの識別子や生理状態についての信号を処理するためのものである。微小コイル10は、例えば、外部に設けられた電力送信用コイル(図示せず)から電力を受信したり、外部に設けられた信号送受信用コイル(図示せず)に信号を伝送したりするためのものである。また、微小コイル10は、受信した電力をセンサ素子30および集積回路20のうち少なくとも集積回路20に出力するためのものでもある。
微小コイル10は微小基体11の表面に第1、第2および第3のコイル12,13,14が形成されたものであり、これら第1、第2および第3のコイル12,13,14がセンサ素子30や集積回路20の前段に設けられた整流平滑回路(図示せず)の入力端および集積回路20の信号入力端に互いに並列に接続して構成されている。
ここで、微小基体11は、例えば磁性体からなり、図2、図3に例示したような棒状(または筒形の形状)をなしている。第1のコイル12は、例えば銅からなり、微小基体11の周面に形成されている。第1のコイル12は、少なくとも微小基体11の延在方向(図2のXYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有しており、例えば、円環状もしくは楕円環状となっている。具体的には、第1のコイル12は、X軸方向と交差する方向に巻回された巻線(第1の巻線)を含んで構成されており、X軸方向の磁界を通過させることの可能な開口12A(第1の開口)を有している。
第2のコイル13は、例えば銅からなり、微小基体11の周面に形成されている。第2のコイル13は、少なくとも微小基体11の延在方向と直交する一の方向(図2、図3のXYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。具体的には、第2のコイル13は、Y軸方向と交差する方向に延在する巻線(第2の巻線)と、X軸方向と交差する方向に延在する巻線(第3の巻線)とが交互に、かつ直列に繋がった巻線を含んで構成されており、Y軸方向の磁界を通過させることの可能な開口13A(第2の開口)を有している。例えば、図2に示したように、第2のコイル13は、微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図2のXYZ三次元直交座標系におけるZ軸方向)から見たときに、クランク形状となっている。また、例えば、図3に示したように、第2のコイル13は、微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図3のXYZ三次元直交座標系におけるZ軸方向)から見たときに、H形状となっており、いわゆる鞍型の形状となっている。
第3のコイル14は、例えば銅からなり、微小基体11の周面に形成されている。第3のコイル14は、少なくとも微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図2、図3のXYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有している。具体的には、第3のコイル14は、Z軸方向と交差する方向に延在する巻線(第4の巻線)と、X軸方向と交差する方向に延在する巻線(第5の巻線)とが交互に、かつ直列に繋がった巻線を含んで構成されており、Z軸方向の磁界を通過させることの可能な開口14A(第3の開口)を有している。例えば、図2に示したように、第3のコイル14は、微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図2のXYZ三次元直交座標系におけるZ軸方向)から見たときに、クランク形状となっている。また、例えば、図3に示したように、第3のコイル14は、微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図3のXYZ三次元直交座標系におけるZ軸方向)から見たときに、H形状となっており、いわゆる鞍型の形状となっている。
これら第1ないし第3のコイル12,13,14は、細い導線を手巻きなどによって微小基体11の表面(周面)に巻き付けて形成されていてもよいが、出力電圧を大きくするために多くの巻数を必要とする場合には、例えば、リソグラフィ技術を用いて形成されていることが好ましい。なお、コイルの形成にリソグラフィ技術を用いる場合には、第1のコイル12、第2のコイル13および第3のコイル14はそれぞれ、単層で構成されていることが好ましい。このように、コイルを単層で構成した場合には、コイルを構成する巻線がコイル内において交差することがないので、一度の露光および現像によって、コイルを形成することが可能である。なお、第2のコイル13および第3のコイル14を図2に示したような構造とした場合には、第2のコイル13および第3のコイル14のぞれぞれの巻き数を増やしたとしても、コイルを単層で構成することが可能である。
第1ないし第3のコイル12,13,14を、リソグラフィ技術を用いて形成する際に、例えば、図4に示したような露光装置100を用いることが可能である(Japanese Journal of Applied Physics Vol.43,No.6B,2004,pp.4031-4035参照)。この露光装置100には、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向および各軸の回転方向に変位することの可能なリニアステージ110上に、棒状(または筒形の形状)の試料10Aを、試料10Aの延在方向を中心軸として回転させるための回転ステージ120と、回転させる試料10Aの一端を支持するための支持台130が形成されている。また、この露光装置100には、これら回転ステージ120および支持台130によって支持された試料10Aに対してパターニングを行う際にレーザビームLを照射するためのレーザ150およびレンズ140が設けられている。ここで、試料10Aは、例えば、微小基体11の表面が金属薄膜で覆われた筒状の試料をレジスト材料の入った容器に浸して金属薄膜上にレジスト層を付着させたものである。この露光装置100では、回転ステージ120によって試料10Aを回転させながら試料10Aの表面にレーザビームLを照射してレジスト層を露光(線露光)し、露光したレジスト層を現像して金属薄膜の所定の領域を露出させたのち、その露出部分をウエットエッチングなどにより除去し、続いて残りのレジスト層も除去する。このようにして、微小基体11の表面(周面)に第1ないし第3のコイル12,13,14が形成される。
また、第1ないし第3のコイル12,13,14を、リソグラフィ技術を用いて形成する際に、例えば、図5に示したような露光装置200を用いることも可能である。この露光装置200には、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向および各軸の回転方向に変位することの可能なリニアステージ210上に、棒状(筒状)の試料10Aを、試料10Aの延在方向を中心軸として回転させるための回転ステージ220と、試料10Aの軸合わせに用いられる軸合わせ用カメラ230とが形成されている。また、この露光装置200には、回転ステージ220によって支持された試料10Aに対してパターニングを行う際に投影光Lを照射するためのプロジェクタ240およびテレセントリックレンズ250が設けられている。さらに、この露光装置100には、プロジェクタ240とテレセントリックレンズ250との間にビームスプリッタ260が設けられており、このビームスプリッタ260によってスプリットされた光束を利用してフォーカス合わせを行うフォーカス合わせ用カメラ270が設けられている。また、プロジェクタ240はX軸方向、Y軸方向、Z軸方向および各軸の回転方向に変位することの可能なリニアステージ280上に設けられている。なお、この露光装置200では、図6に例示したように、プロジェクタ240を青表示したときの投影光Lのスペクトラムと黒表示したときの投影光Lのスペクトラムに大きな差異が存在することを利用して、例えば436nmおよびその近傍において感光するフォトレジストを試料10Aのレジスト層に用いることにより、パターニングを可能にしている。
この露光装置200では、例えば図7に示したように、回転ステージ120によって、試料10Aを所定の時間(露光時間)が経過する度に所定の角度θ(一度に露光可能な露光面に対応する角度)だけ回転させながら試料10Aが静止している間に試料10Aの表面に投影光Lを照射してレジスト層を露光(面露光)し、露光したレジスト層を現像して金属薄膜の所定の領域を露出させたのち、その露出部分をウエットエッチングなどにより除去し、続いて残りのレジスト層も除去する。このようにして、微小基体11の表面(周面)に第1ないし第3のコイル12,13,14が形成される。
なお、第1のコイル12の巻線パターンをレジスト層に露光させる際には、図8に例示したように、プロジェクタ240から照射される投影光Lを、背景を黒表示とした上で、並列配置された線状の青表示領域Bを、露光する度に少しずつ変位させて照射する。なお、図8には、1ショットで露光される領域がR1,R2,R3…で表されている。また、第2または第3のコイル13,14の巻線パターンをレジスト層に露光させる際には、図9(A)〜(C)、図10(A)〜(C)に例示したように、背景を黒表示とした上で、線状の青表示領域Bを、露光する度に、所定のパターン形状に変更して照射する。なお、図9(A)〜(C)、図10(A)〜(C)には、角度θが60度のときの1ショットごとの露光画像の例が露光順に示されているが、角度θを60度よりも小さな角度(例えば4度)にし、1ショットあたりの露光面積を小さくすることも可能である。
このような構成の微小検出装置1では、微小コイル10を構成する3つのコイル(第1のコイル12、第2のコイル13および第3のコイル14)によって、コイルの指向性が弱められて(または、なくなって)いる。これにより、XYZ三次元直交座標系におけるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のいずれの磁界についても検出することができる。その結果、例えば、微小検出装置1がマウスの体内に埋め込まれ、マウスの動きに応じてその向きが変化する場合であっても、ある一の方向からマウスに向けて交流磁場を発生させることにより、3つのコイルのうちの少なくとも1つが外部の電力送信用コイルからの交流磁場を感じ、その交流磁場を感じた微小コイル10に電流が発生する。つまり、微小コイル10は電力送信用コイルからの電力がどの向きから送信されてきたとしても電力を効率よく受信することができる。従って、微小コイル10の電力送信用コイルに対する向きに依らずに効率よく電力を受信することができるので、実験中にマウスの識別子や生理状態を効率的に検出することができる。また、例えば、各々のコイルに接続された、集積回路20中の負荷(図示せず)の大きさを集積回路20の制御により切り替えることにより、外部に設けられた信号送受信用コイルの入力端から見たときの、3つのコイルのうちの少なくとも1つと、外部に設けられた信号送受信用コイルと、集積回路20中の負荷とにより構成される入力インピーダンスが変化し、その変化を検知することにより、集積回路20からの信号を読み出すことができる。つまり、マウスの向きに依らず微小コイル10からの信号を効率よく信号送受信用コイルに伝送することができる。従って、微小コイル10の信号送受信用コイルに対する向きに依らずに効率よく信号を伝送することができるので、実験中にマウスの識別子や生理状態を効率的に検出することができる。
また、本実施の形態では、3つのコイル(第1のコイル12、第2のコイル13および第3のコイル14)を用いることによって、コイルの指向性をなくすることができる。その結果、微小コイル10の電力送信用コイルまたは信号送受信用コイルに対する向きに依らずに効率よく信号を伝送することができる。
以上、実施の形態および変形例を挙げて本発明を説明したが、本発明は、これらに限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第2および第3のコイル13,14は、所定の方向から見たときにクランク形状またはH形状となっていたが、例えば、図11に示したように、所定の方向から見たときに平板状となっていてもよい。このとき、第2および第3のコイル13,14を、例えば、円環状もしくは楕円環状とすることが可能である。ここで、第2のコイル13は、微小基体10の延在方向と直交する一の方向(図11のXYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向)と交差する方向に巻回された巻線(第2の巻線)を含んで構成されており、Y軸方向の磁界を通過させることの可能な開口13A(第2の開口)を有している。また、第3のコイル14は、微小基体10の延在方向と直交する一の方向少なくとも微小基体11の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図11のXYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向)と交差する方向に巻回された巻線(第3の巻線)を含んで構成されており、Z軸方向の磁界を通過させることの可能な開口14A(第3の開口)を有している。
また、上記実施の形態では、棒状(または筒形の形状)をなす微小基体11を用いていたが、図12の微小コイル60に示したように、六面体形状をなす微小基体61を用いてもよい。このようにした場合には、微小コイル60を構成する3つのコイル(第1のコイル61、第2のコイル62および第3のコイル63)は、微小基体61の六面うち互いに対向しない面にそれぞれ形成されている。
第1のコイル62は、例えば銅からなり、微小基体61の一の面(図12ではX軸に垂直な面)に形成されている。この第1のコイル62は、少なくとも微小基体11の延在方向(図12のXYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有しており、例えば、円環状、楕円環状もしくは矩形環状となっている。具体的には、第1のコイル62は、X軸方向と交差する方向に巻回された巻線(第1の巻線)を含んで構成されており、X軸方向の磁界を通過させることの可能な開口62A(第1の開口)を有している。
第2のコイル63は、例えば銅からなり、微小基体61のうち第1のコイル62と非対向な面(図12ではY軸に垂直な面)に形成されている。第2のコイル63は、少なくとも微小基体61の延在方向と直交する一の方向(図12のXYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有しており、例えば、円環状、楕円環状もしくは矩形環状となっている。具体的には、第2のコイル63は、Y軸方向と交差する方向に巻回された巻線(第2の巻線)を含んで構成されており、Y軸方向の磁界を通過させることの可能な開口63A(第2の開口)を有している。
第3のコイル64は、例えば銅からなり、微小基体11のうち第1および第2のコイル62,63と非対向な面(図12ではZ軸に垂直な面)に形成されている。第3のコイル64は、少なくとも微小基体61の延在方向および上記一の方向の双方と直交する方向(図12のXYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向)の磁界を検出することの可能な構造を有しており、例えば、円環状、楕円環状もしくは矩形環状となっている。具体的には、第3のコイル64は、Z軸方向と交差する方向に巻回された巻線(第3の巻線)を含んで構成されており、Z軸方向の磁界を通過させることの可能な開口64A(第3の開口)を有している。
これにより、微小コイル60において、コイルの指向性を弱め(または、なくし)、XYZ三次元直交座標系におけるX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のいずれの磁界についても検出することが可能となるからである。
また、上記実施の形態およびその変形例では、微小コイル10,60を、電力受信用および信号送受信用のコイルとして用いた場合について説明したが、電力受信用および信号送受信用のいずれか一方のコイルとして用いてもよい。
また、上記実施の形態では、微小検出装置1を遺伝子改変マウスなどの体内に埋め込んだ場合について説明したが、他の動物や、人などの体内に埋め込むことも可能である。また、微小コイル10をカプセル50に内蔵した場合について説明したが、ICタグなど他の電子デバイスに内蔵することも可能である。また、微小検出装置1を、物流における移動物体内や表面に配置して、移動物体と一体となって移動するようにし、微小コイル10を、その移動物体についての情報を有する微小装置の電力受信用および信号送受信用のコイルとして用いることも可能である。
1…微小検出装置、10,60…電力受信用微小コイル、10A…試料、11,61…微小基体、12,62…第1のコイル、13,63…第2のコイル、14…第3のコイル、20…集積回路、30…センサ素子、40…基板、50…カプセル、100…露光装置、110…リニアステージ、120…回転ステージ、130…支持台、140…レンズ、150…レーザ。
Claims (12)
- 微小基体と、
前記微小基体の表面に形成された第1、第2および第3のコイルと
を備え、
前記第1のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有し、
前記第2のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有し、
前記第3のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有する
ことを特徴とする微小コイル。 - 前記第1のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向の磁界を通過させることの可能な第1の開口を有し、
前記第2のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向の磁界を通過させることの可能な第2の開口を有し、
前記第3のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向の磁界を通過させることの可能な第3の開口を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の微小コイル。 - 前記第1のコイルは、前記微小基体の延在方向と交差する方向に巻回された第1の巻線を含み、
前記第2のコイルは、前記微小基体の延在方向と直交する一の方向と交差する方向に延在する第2の巻線と、前記微小基体の延在方向と交差する方向に延在する第3の巻線とが交互に、かつ直列に繋がった巻線を含み、
前記第3のコイルは、前記微小基体の延在方向および前記一の方向の双方と直交する方向と交差する方向に延在する第4の巻線と、前記微小基体の延在方向と交差する方向に延在する第5の巻線とが交互に、かつ直列に繋がった巻線を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第2のコイルは、前記微小基体の延在方向、および前記微小基体の延在方向と直交する一の方向の双方と直交する方向から見たときに、クランク形状となっており、
前記第3のコイルは、前記微小基体の延在方向と直交する一の方向から見たときに、クランク形状となっている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第2のコイルは、前記微小基体の延在方向、および前記微小基体の延在方向と直交する一の方向の双方と直交する方向から見たときに、H形状となっており、
前記第3のコイルは、前記微小基体の延在方向と直交する一の方向から見たときに、H形状となっている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第1のコイルは、前記微小基体の延在方向と交差する方向に巻回された第1の巻線を含み、
前記第2のコイルは、前記微小基体の延在方向と直交する一の方向と交差する方向に巻回された第2の巻線を含み、
前記第3のコイルは、前記微小基体の延在方向および前記一の方向の双方と直交する方向と交差する方向に巻回された第3の巻線を含む
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第2および第3のコイルはそれぞれ、楕円形状となっている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記微小基体は棒状となっており、
前記第1、第2および第3のコイルは、前記微小基体の周面に形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第1、第2および第3のコイルはそれぞれ、単層で形成されている
ことを特徴とする請求項8に記載の微小コイル。 - 前記微小基体は六面体状の形状を有し、
前記第1のコイルは前記微小基体の一の面に形成され、
前記第2のコイルは前記微小基体の前記一の面以外の面であって、前記第1のコイルと非対向な面に形成され、
前記第3のコイルは前記微小基体の前記第1および第2のコイルの形成された面以外の面であって、前記第1および第2のコイルと非対向な面に形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - 前記第1、第2および第3のコイルはそれぞれ、リソグラフィ技術を用いて形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の微小コイル。 - センサ素子と、前記センサ素子が検出した信号を処理するための集積回路と、少なくとも前記集積回路に接続された微小コイルとが保護部材によって覆われた微小装置であって、
前記微小コイルは、
微小基体と、
前記微小基体の表面に形成された第1、第2および第3のコイルと
を備え、
前記第1のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともX軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有し、
前記第2のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともY軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有し、
前記第3のコイルは、XYZ三次元直交座標系において少なくともZ軸方向の磁界を検出することの可能な構造を有する
ことを特徴とする微小装置。
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2008
- 2008-03-19 JP JP2008071518A patent/JP2009229101A/ja active Pending
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