JP2011024168A - ループアンテナおよび磁界プローブ - Google Patents
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Abstract
【課題】 2つの軸方向の磁界を同程度の感度で測定し、測定時間を短くする。
【解決手段】 磁界プローブ1のループアンテナ3は、多層基板5の表面と平行に設けられた第1のループパターン10と、多層基板5の厚さ方向と平行に設けられた第2のループパターン15とによって構成する。第1のループパターン10は、多層基板5の厚さ方向の中間位置に配置されたコ字形ループパターン11,12によって形成する。また、コ字形ループパターン11,12の間には第2のループパターン15を直列に接続し、1本の導体線路CLを形成する。そして、第1,第2のループパターン10,15は、中心軸Oを中心として回転対称な形状に形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】 磁界プローブ1のループアンテナ3は、多層基板5の表面と平行に設けられた第1のループパターン10と、多層基板5の厚さ方向と平行に設けられた第2のループパターン15とによって構成する。第1のループパターン10は、多層基板5の厚さ方向の中間位置に配置されたコ字形ループパターン11,12によって形成する。また、コ字形ループパターン11,12の間には第2のループパターン15を直列に接続し、1本の導体線路CLを形成する。そして、第1,第2のループパターン10,15は、中心軸Oを中心として回転対称な形状に形成する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、互いに交差した2つのループパターンを備えたループアンテナおよび該ループアンテナを用いた磁界プローブに関する。
従来技術によるループアンテナとして、例えば多層基板に互いに直交した3軸(X軸、Y軸、Z軸)に直交した3つのループパターンを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この場合、各ループパターンは互いに独立して設け、3軸方向の磁界を3つのループパターンを用いてそれぞれ独立して検出する構成となっている。また、他の従来技術として、互いに直交した3軸(X軸、Y軸、Z軸)に直交した3つのコイルを設けると共に、これら3つのコイルを1本の巻線を用いて互いに接続して形成したものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
ところで、特許文献1によるループアンテナでは、各軸に独立したループパターンを形成して、3軸方向の磁界をそれぞれ独立して検出している。しかし、ループアンテナで磁界を検出する場合には、磁界強度の最大値が得られるように、ループアンテナが取り付けられたプローブを回転させる必要がある。このとき、3軸方向に対してそれぞれ同様な回転操作を行う必要があるから、測定時間が長くなる。
また、3つのループパターンが重ならないように配置するから、非接触な状態で各ループパターンを交差させるために、基板の端面から各ループパターンまでの距離は互いに異なる。このため、被測定物を基板の端面近傍に配置したときには、被測定物と各ループパターンとの間の距離が互いに異なり、磁界を検出する軸方向に応じて測定値が異なるという問題がある。この結果、異なる軸方向の磁界を同時に測定しても、各ループパターンの感度等を考慮して各軸方向毎の検出結果を換算して評価する必要があり、装置が複雑化するという問題もある。
特許文献2によるループアンテナでは、1本の巻線を用いて3つのコイルを形成しているから、巻線が重なり合う位置では、巻線の間が絶縁を確保する必要がある。この結果、上述と同様に、被測定物と各コイルとの間の距離が互いに異なり、軸方向毎に測定感度が異なるという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、2つの軸方向の磁界を同程度の感度で測定し、測定時間を短くすることができるループアンテナおよび磁界プローブを提供することにある。
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、基板と、該基板に設けられ該基板の表面と平行な開口面を有する第1のループパターンと、該基板に設けられ該基板の表面と垂直な開口面を有する第2のループパターンとを備えたループアンテナにおいて、前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、互いに接続されて1本の導体線路を形成し、前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、前記基板の端面近傍に位置して、該端面までの距離寸法が互いに同じ位置に配置したことを特徴としている。
請求項2の発明では、前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、その開口面積が互いに同じで中心軸の位置で互いに交差し、該中心軸に関してそれぞれ線対称な形状に形成している。
請求項3の発明では、本発明のループアンテナを用いて磁界プローブを構成している。
請求項1の発明によれば、第1のループパターンおよび第2のループパターンは、互いに接続されて1本の導体線路を形成するから、2つのループパターンの出力信号を1本の導体線路を用いて一緒に検出することができる。このため、2つの軸方向の磁界を単一の出力信号を用いて検出することができ、軸方向毎に独立して磁界を検出した場合に比べて、磁界の検出時間を短くすることができる。
また、第1のループパターンおよび第2のループパターンは基板の端面までの距離寸法が互いに同じ位置に配置したから、例えば被測定物を基板の端面近傍に配置したときには、被測定物と2つのループパターンとの間の距離を同じ値にすることができる。このとき、互いに直交する2つのループパターンは、同程度の感度をもって被測定物の磁界を検出することができるから、例えば2つのループパターンのうちいずれか一方で最大磁界を検出すればよい。このため、2つのループパターンのうちいずれか一方を磁界と直交させればよいから、例えばループアンテナの回転角度を減少させて、磁界の検出時間を短縮することができる。
請求項2の発明によれば、第1のループパターンおよび第2のループパターンは、その開口面積が互いに同じで中心軸の位置で互いに交差し、該中心軸に関してそれぞれ線対称な形状に形成した。このため、中心軸を中心として2つのループパターンを最大90°回転させることによって、中心軸に直交する方向の最大磁界を検出することができる。この結果、ループアンテナの回転角度を小さくして、測定時間を短くすることができる。
請求項3の発明によれば、本発明によるループアンテナを用いて磁界プローブを形成するから、磁界の検出時間を短縮して、検出作業の効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態によるループアンテナを磁界プローブに適用した場合を例に挙げて、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1ないし図7は実施の形態による磁界プローブ1を示している。この磁界プローブ1は、筒状のケース2と、該ケース2の先端部分に収容された後述するループアンテナ3とによって大略構成されている。このとき、ケース2は、必ずしもループアンテナ3の全体を覆う必要はなく、例えば測定対象となる被測定基板S側が開口した構成としてもよい。
また、ループアンテナ3は、信号処理回路4に電気的に接続されている。この信号処理回路4は、ループアンテナ3に発生する電圧、電流等の検出信号に基づいて磁界の検出を行う。これにより、磁界プローブ1は、被測定基板Sの表面近傍に発生する磁界を測定する。
ループアンテナ3は、後述する絶縁層6〜9を備えた多層基板5および該多層基板5に設けられた第1,第2のループパターン10,15によって構成されている。そして、ループアンテナ3は、磁界プローブ1の先端側に配置されている。
多層基板5は、互いに直交するX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向のうち例えばX軸方向およびZ軸方向に対して平行に広がる平板状に形成されると共に、例えば4層の絶縁層6〜9を厚さ方向となるY軸方向に積層することによって構成されている。このとき、多層基板5は、幅方向となるX軸方向に対して例えば数mm程度の幅寸法を有すると共に、長さ方向となるZ軸方向に沿って延びている。
また、各絶縁層6〜9は、例えば絶縁性の樹脂材料を用いて層状に形成されている。そして、多層基板5の先端面5Aは、例えば四角形状の端面によって形成されると共に、磁界プローブ1の検出端となる先端部分(Z軸方向の一端部分)に配置されている。一方、多層基板5の基端部分(Z軸方向の他端部分)は磁界プローブ1の内部に向けて延びている。
また、多層基板5は、Y軸方向に対して例えば数百μm〜数mmの厚さ寸法Tを有している。このとき、第1,第4の絶縁層6,9は厚さ方向(Y軸方向)の両端側に位置し、第1,第4の絶縁層6,9の厚さ寸法は、第2,第3の絶縁層7,8の厚さ寸法よりも大きな値に設定されている。
第1のループパターン10は、図2ないし図4に示すように、例えば導電性金属材料を用いた細長い薄膜の電極パターンによって形成され、多層基板5の厚さ方向の中間位置として、第2の絶縁層7と第3の絶縁層8の間に配置されている。また、第1のループパターン10は、例えば略コ字状に屈曲した2つのコ字形ループ線路11,12によって構成されている。このコ字形ループ線路11,12の基端側には、多層基板5の基端側に向けてZ軸方向に沿って延びる配線部13,14がそれぞれ接続されている。そして、第1のループパターン10は、配線部13,14を通じて信号処理回路4に接続されている。
ここで、コ字形ループ線路11,12は、図4に示すように、中心線Oを挟んでX軸方向の両側に互いに離間した状態でそれぞれ配置されると共に、中心線Oに関して線対称な形状に形成されている。また、コ字形ループ線路11は、Z軸方向の基端側に位置してX軸方向に沿って延びる第1のX方向線路部11Aと、該第1のX方向線路部11Aの先端に接続されZ軸方向に沿って先端側に向けて延びるZ方向線路部11Bと、該Z方向線路部11Bの先端に接続されX軸方向に沿って延びる第2のX方向線路部11Cとを備えている。さらに、第2のX方向線路部11Cの先端部分は、後述する第1の接続パターン16に接続されている。
コ字形ループ線路12も、コ字形ループ線路11とほぼ同様に、第1,第2のX方向線路部12A,12Cと、これら第1,第2のX方向線路部12A,12C間を接続するZ方向線路部12Bとによって構成されている。また、第2のX方向線路部12Cの先端部分は、後述する第2の接続パターン17に接続されている。
このとき、Z方向線路部11BとZ方向線路部12Bとの間の離間寸法L1は、多層基板5の厚さ寸法Tとほぼ同じ値となっている。また、Z方向線路部11B,12Bの長さ寸法L2は、第1のX方向線路部11A,12Aと第2のX方向線路部11C,12Cとの間の離間寸法となり、例えば離間寸法L1と同じ値に設定されている。そして、第1のループパターン10は、2つのコ字形ループ線路11,12によって略四角形(例えば正方形)の開口面Saを有すると共に、この開口面Saは多層基板5の表面(XZ面)と平行に配置されている。
第2のループパターン15は、図2、図3および図5に示すように、導電性金属材料を用いて細長い薄膜の電極パターンおよびビアホールを用いて形成され、多層基板5を貫通して多層基板5の厚さ方向(Y軸方向)に平行に設けられている。また、ループパターン15は、例えば多層基板5の厚さ方向の両側にそれぞれ設けられた直線状の電極パターンからなる第1,第2のZ方向線路部15A,15Bと、第1,第2のZ方向線路部15A,15Bの基端側に設けられ多層基板5を貫通するビアホールからなる第1のY方向線路部15Cと、第1,第2のZ方向線路部15A,15Bの先端側に設けられ多層基板5の途中位置まで延びるビアホールからなる第2,第3のY方向線路部15D,15Eとによって構成されている。
ここで、第1のZ方向線路部15Aは、第1の絶縁層6の表面に設けられZ軸方向に沿って延びている。これに対し、第2のZ方向線路部15Bは、第4の絶縁層9の裏面に設けられ、第1のZ方向線路部15Aと対向してZ軸方向に沿って延びている。
一方、第1のY方向線路部15Cは、Z方向線路部15A,15Bの基端側に位置して多層基板5を貫通して設けられ、Z方向線路部15A,15Bの間を電気的に接続している。また、第2のY方向線路部15Dは、Z方向線路部15Aの先端側に位置して第1の絶縁層6を貫通して設けられ、Z方向線路部15Aの先端側に電気的に接続されている。さらに、第3のY方向線路部15Eは、Z方向線路部15Bの先端側に位置して第4の絶縁層9を貫通して設けられ、Z方向線路部15Bの先端側に電気的に接続されている。
このとき、第1のY方向線路部15Cは、図5および図6に示すように、第1のX方向線路部11A,12Aの間に位置して、中心軸Oを横切ってY軸方向に延びると共に、Z軸方向に対して第1のX方向線路部11A,12Aと同じ位置に配置されている。一方、第2,第3のY方向線路部15D,15Eは、図5および図7に示すように、中心軸Oを横切ってY軸方向に延びる直線に沿って設けられると共に、Z軸方向に対して第2のX方向線路部11C,12Cと同じ位置に配置されている。これにより、第1のループパターン10および第2のループパターン15は、多層基板5の先端面5Aの近傍に位置して、それぞれの開口面Sa,Sbから先端面5Aまでの距離寸法L3,L4が互いに同じ値となる位置に配置されている。
なお、第1,第2のループパターン10,15は、先端面5Aに近付くに従って、被測定基板Sの近傍磁界に対する感度が高くなる。このため、距離寸法L3,L4は、例えば第2のX方向線路部11C,12Cの線路幅寸法と同程度(例えば数十μm〜数百μm)の値に設定されている。
また、第1のZ方向線路部15Aと第2のZ方向線路部15Bとの間の離間寸法は、多層基板5の厚さ寸法Tと同じ値となると共に、Z方向線路部11BとZ方向線路部12Bとの間の離間寸法とほぼ同じ値となっている。そして、第2のループパターン15は、第1,第2のZ方向線路部15A,15Bおよび第1〜第3のY方向線路部15C〜15Eによって囲まれた略四角形の開口面Sbを有すると共に、この開口面Sbは多層基板5の厚さ方向(YZ面)と平行に配置されている。
また、第2のループパターン15は、中心軸Oを通って第1のループパターン10と交差している。さらに、第1,第2のループパターン10,15の開口面Sa,Sbは、いずれも中心軸Oに関して線対称な形状に形成されると、互いにほぼ同じ形状となっている。このため、開口面Sa,Sbは、中心軸Oを中心として互いに回転対称な形状となっている。
第1の接続パターン16は、図2、図3および図7に示すように、第2の絶縁層7に設けられ、第2のY方向線路部15Dと第2のX方向線路部11Cとの間を電気的に接続している。また、第1の接続パターン16は、第1の絶縁層6と第2の絶縁層7との間に設けられX軸方向に沿って延びた導電性の電極パターンからなるX方向接続部16Aと、第2の絶縁層7を貫通して設けられたビアホールからなるY方向接続部16Bとによって構成されている。
ここで、X方向接続部16Aの基端側は、第2のループパターン15の第2のY方向線路部15Dに接続されている。一方、X方向接続部16Aの先端側は、コ字形ループ線路11が位置するX軸方向の一側に向けて延び、Y方向接続部16Bを介して第1のループパターン10の第2のX方向線路部11Cに接続されている。また、第1の接続パターン16は、Z軸方向に対して第2のX方向線路部11Cおよび第2のY方向線路部15Dと同じ位置に配置され、中心軸Oの位置を回避して第2のX方向線路部11Cと第2のY方向線路部15Dとの間を接続している。
第2の接続パターン17は、第3の絶縁層8に設けられ、第3のY方向線路部15Eと第2のX方向線路部12Cとの間を電気的に接続している。また、第2の接続パターン17は、第3の絶縁層8と第4の絶縁層9との間に設けられX軸方向に沿って延びた導電性の電極パターンからなるX方向接続部17Aと、第3の絶縁層8を貫通して設けられたビアホールからなるY方向接続部17Bとによって構成されている。
ここで、X方向接続部17Aの基端側は、第2のループパターン15の第3のY方向線路部15Eに接続されている。一方、X方向接続部17Aの先端側は、コ字形ループ線路12が位置するX軸方向の他側に向けて延び、Y方向接続部17Bを介して第1のループパターン10の第2のX方向線路部12Cに接続されている。また、第2の接続パターン17は、Z軸方向に対して第2のX方向線路部12Cおよび第3のY方向線路部15Eと同じ位置に配置され、中心軸Oの位置を回避して第2のX方向線路部12Cと第3のY方向線路部15Eとの間を接続している。
そして、第1,第2の接続パターン16,17は、中心軸Oを中心として互いに180°回転した形状となっている。また、第1,第2の接続パターン16,17は、第1のループパターン10のコ字形ループ線路11とコ字形ループ線路12との間に第2のループパターン15を直列に接続している。これにより、第1,第2のループパターン10,15は、互いに接続されて1本の導体線路CLを形成している。
本実施の形態による磁界プローブ1は上述の如き構成を有するもので、次にその作動について説明する。
まず、磁界プローブ1の先端部分を、測定対象となる被測定基板Sの表面に近接した状態で配置する。そして、磁界プローブ1を被測定基板Sの表面のうち任意の測定位置に固定し、中心軸Oを中心として回転させる。ここで、磁界プローブ1の近傍に位置して被測定基板Sの表面(XY平面)に平行な磁界が発生すると、この磁界はループアンテナ3の第1,第2のループパターン10,15の内部を通過する。これにより、例えば第1,第2のループパターン10,15に電圧、電流等の検出信号が生じるため、この検出信号によって被測定基板Sの表面と平行な磁界を検出することができる。
然るに、第1,第2のループパターン10,15の開口面Sa,Sbのうちいずれか一方に対して磁界が垂直方向に入射したときに、ループアンテナ3は最大感度となる。このとき、第1,第2のループパターン10,15は、中心軸Oを中心として互いに直交した状態で設けられている。また、第1,第2のループパターン10,15は、その開口面Sa,Sbの面積が互いに等しく、かつ被測定基板Sからの離間寸法を決める先端面5Aまでの距離寸法L3,L4が互いに等しくなっている。このため、第1,第2のループパターン10,15は、磁界の検出感度が互いに等しくなっている。従って、ループアンテナ3は、第1,第2のループパターン10,15の開口面Sa,Sbと直交する2つの方向の磁界を、互いに同じ感度で同時に検出することができる。
この結果、被測定基板Sの表面の磁界に対して、第1,第2のループパターン10,15の開口面Sa,Sbのうちいずれか一方が直交すればよいから、例えば1つのループパターンを用いて磁界を測定した場合に比べて、中心軸Oを中心とする磁界プローブ1の回転角度を小さくすることができる。これにより、最大磁界の測定時間を短縮することができるから、例えば被測定基板Sの複数箇所で最大磁界を測定する場合でも、短時間で効率的な測定が可能となる。
かくして、本実施の形態では、第1のループパターン10および第2のループパターン15は、互いに接続されて1本の導体線路CLを形成するから、2つのループパターン10,15の出力信号を1本の導体線路CLを用いて一緒に検出することができる。このため、2つの軸方向の磁界を単一の出力信号(検出信号)を用いて検出することができ、従来技術のように軸方向毎に独立して磁界を検出した場合に比べて、磁界の検出時間を短縮することができると共に、信号処理回路4等の構成を簡略化することができる。
また、第1のループパターン10および第2のループパターン15は多層基板5の先端面5Aまでの距離寸法L3,L4が互いに同じ値となる位置に配置したから、例えば被測定基板Sを多層基板5の先端面5Aの近傍に配置したときには、被測定基板Sと2つのループパターン10,15との間の距離を同じ値にすることができる。このとき、互いに直交する2つのループパターン10,15は、同程度の感度をもって被測定基板Sの磁界を検出することができるから、例えば2つのループパターン10,15のうちいずれか一方で最大磁界を検出すればよい。このため、2つのループパターン10,15のうちいずれか一方を磁界と直交させればよいから、例えばループアンテナ3の回転角度を減少させて、磁界の検出時間を短縮することができる。
また、第1のループパターン10および第2のループパターン15は、その開口面Sa,Sbの面積が互いに同じで中心軸Oの位置で互いに交差し、該中心軸Oに関してそれぞれ線対称な形状に形成した。このため、中心軸Oを中心として2つのループパターン10,15を最大90°回転させることによって、中心軸Oに直交する方向の最大磁界を検出することができる。この結果、ループアンテナ3の回転角度を小さくして、測定時間を短くすることができる。
さらに、本実施の形態では、第1,第2のループパターン10,15を備えたループアンテナ3を用いて磁界プローブ1を形成するから、磁界の検出時間を短縮して、検出作業の効率を高めることができる。
なお、前記実施の形態では、第1,第2のループパターン10,15は略四角形に形成したが、例えば三角形、五角形等の他の多角形状としてもよく、円形、半円形、楕円形等に形成してもよい。
また、前記実施の形態では、4層の絶縁層6〜9を備えた多層基板5を用いてループアンテナ3を形成する構成としたが、5層以上の絶縁層を備えた多層基板を用いる構成としてもよい。
さらに、前記実施の形態では、ループアンテナ3を被測定基板Sの表面磁界を検出する磁界プローブ1に適用した場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、被測定基板Sのように平坦なものに限らず、他の立体的な形状の表面に生じる磁界を検出する構成としてもよい。
1 磁界プローブ
3 ループアンテナ
5 多層基板(基板)
5A 先端面(端面)
10 第1のループパターン
15 第2のループパターン
3 ループアンテナ
5 多層基板(基板)
5A 先端面(端面)
10 第1のループパターン
15 第2のループパターン
Claims (3)
- 基板と、該基板に設けられ該基板の表面と平行な開口面を有する第1のループパターンと、該基板に設けられ該基板の表面と垂直な開口面を有する第2のループパターンとを備えたループアンテナにおいて、
前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、互いに接続されて1本の導体線路を形成し、
前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、前記基板の端面近傍に位置して、該端面までの距離寸法が互いに同じ位置に配置したことを特徴とするループアンテナ。 - 前記第1のループパターンおよび第2のループパターンは、その開口面積が互いに同じで中心軸の位置で互いに交差し、該中心軸に関してそれぞれ線対称な形状に形成してなる請求項1に記載のループアンテナ。
- 前記請求項1または2に記載のループアンテナを用いた磁界プローブ。
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