<第1実施形態>
図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムとしてのデータ管理システムについて説明する。図1には、第1実施形態に係るデータ管理システムの一例が示されている。
第1実施形態に係るデータ管理システムは、一例として、情報処理装置としての画像形成装置10と、外部装置の一例としてのサーバ12と、端末装置14と、を含む。例えば、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14は、ネットワーク等の通信経路Nを介して他の装置と通信する機能を備えている。もちろん、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14は、通信経路Nを利用せずに、それぞれ異なる通信経路を介して他の装置と通信する機能を有してもよい。なお、データ管理システムは、複数の画像形成装置10、複数のサーバ12及び複数の端末装置14を含んでもよい。端末装置14はデータ管理システムに含まれていなくてもよい。
画像形成装置10は、少なくともファクシミリ機能とプリント機能を有する装置である。具体的には、画像形成装置10は、ファクシミリ通信によって受信したファクシミリデータ(例えば画像データ)を記録媒体としての用紙に印刷する機能、ファクシミリデータをサーバ12や端末装置14等の外部装置に転送する機能等を有する。また、画像形成装置10は、更に、スキャン機能及びコピー機能の中の少なくとも1つの機能を有してもよい。
サーバ12はデータを格納する装置であり、例えばFTPサーバ等である。画像形成装置10からサーバ12にファクシミリデータが転送された場合、サーバ12は、そのファクシミリデータを格納する。
端末装置14は、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、等の装置である。
第1実施形態においては、画像形成装置10が送信元からデータを受信し、当該データをサーバ12に転送してサーバ12に格納する場合、当該送信元を識別するための情報(識別情報)に紐付く格納場所(いわゆるフォルダ)に当該データが格納される。データは、例えば、ファクシミリデータ、電子メール、その他のデータ(例えば画像データや文書データ等)である。識別情報は、例えば、通信を行うために送信元に割り当てられた情報、送信元の名称、等である。通信を行うために送信元に割り当てられた情報は、例えば、ファクシミリ通信を行うために送信元に割り当てられたファクシミリ識別情報、電子メールアドレス、IPアドレス、等である。また、送信元のMACアドレスが識別情報として用いられてもよい。なお、データはサーバ12に格納されずに、画像形成装置10内に設けられたフォルダに格納されてもよいし、端末装置14に設けられたフォルダに格納されてもよい。
第1実施形態では、一例として、ファクシミリデータがファクシミリ通信によって送信元から画像形成装置10に送信され、当該ファクシミリデータが画像形成装置10からサーバ12に転送されてサーバ12に格納されるものとする。この場合、当該ファクシミリデータのファクシミリ識別情報に紐付くフォルダに当該ファクシミリデータが格納される。ファクシミリ識別情報は、ファクシミリデータの属性情報に含まれる情報の一例であり、ファクシミリ通信を行うためにファクシミリ通信の送信元に割り当てられた情報である。具体的には、ファクシミリ識別情報は、送信元のファクシミリ番号、ファクシミリ通信の規格に従った通信番号(G3規格が用いられる場合、G3ID)、ダイヤルイン番号、等であり、送信元を一意に示す情報である。その規格としてG3規格が用いられる場合、その規格に従った通信番号はG3IDである。もちろん、G3規格以外の規格(例えばG4規格)が用いられた場合、その規格に従った通信番号がファクシミリ識別情報として用いられてもよい。上記のファクシミリ番号、規格に従った通信番号、及び、ダイヤルイン番号の中の少なくとも1つを含む情報がフォルダに紐付けられ、そのフォルダにファクシミリデータが格納される。例えば、フォルダ名にファクシミリ識別情報が含まれるフォルダが作成され、そのフォルダにファクシミリデータが格納される。なお、ファクシミリデータはサーバ12に格納されずに、画像形成装置10に格納されてもよいし、端末装置14に格納されてもよい。以下では、サーバ12にファクシミリデータが格納されるものとして説明する。また、ファクシミリ識別情報を「FAXID」と称することとする。
以下、第1実施形態に係るデータ管理システムに含まれる各装置について詳しく説明する。
図2を参照して、画像形成装置10の構成について詳しく説明する。図2には、画像形成装置10の構成の一例が示されている。
通信部16は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部16は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。例えば、通信部16は、ファクシミリ通信によって画像形成装置10に送られてきたファクシミリデータを、通信経路Nを介してサーバ12等の外部装置に転送する。また、通信部16は、通信経路Nを介して送信元から画像形成装置10に送られてきた電子メールや他のデータ(例えば画像データや文書データ等)を受信し、当該電子メールや当該他のデータを、通信経路Nを介してサーバ12等の外部装置に転送してもよい。
ファクシミリ部18は、通信規格に従い、1又は複数のファクシミリ回線を利用してファクシミリ通信する機能を有する。ファクシミリ部18は、例えば、ファクシミリ通信を行うためのモデムによって構成されている。通信規格は一例としてG3規格である。もちろん、別の通信規格(例えばG4規格等)が用いられてもよい。以下では、G3規格に従ってファクシミリ通信が行われるものとする。ファクシミリ部18は、ファクシミリ機能を備えた他の装置(例えば、ファクシミリ装置や画像形成装置等)との間で、ファクシミリ通信によってファクシミリデータを送受信する。
プリント部20はプリント機能を有し、プリント対象の画像や文字列を用紙等の記録媒体上に形成する。スキャン部22はスキャン機能を有し、原稿を読み取ることでスキャンデータ(例えば画像データ)を生成する。プリント部20とスキャン部22とによってコピー機能が実現されてもよい。コピー機能が実行されることで、原稿が読み取られて記録媒体上に画像や文字列が形成される。また、スキャンによって生成されたスキャンデータが外部装置に送信されてもよい。なお、画像形成装置10は、プリント部20やスキャン部22を有していなくてもよい。
UI部24はユーザインターフェースであり、表示部と操作部とを含む。表示部は、例えば液晶ディスプレイ等の表示装置である。操作部は、例えばタッチパネルやキーボード等の入力装置である。もちろん、表示部と操作部を兼ねたユーザインターフェース(例えば、タッチ式のディスプレイや、ディスプレイ上に電子的にキーボード等を表示する装置等を含む)であってもよい。
記憶部26はハードディスクやメモリ等の記憶装置である。記憶部26には、例えば、アドレス帳データ、通信履歴情報、各種の制御データ(例えばジョブ情報等)、外部装置のアドレスを示すアドレス情報(例えばサーバ12や端末装置14のアドレス情報等)、各種のプログラム、各種のデータ等が記憶される。また、画像形成装置10に送られてきたデータ(例えば、ファクシミリデータ、電子メール、画像データ、文書データ等)が記憶部26に記憶されてもよい。ファクシミリデータ等のデータは、外部装置に転送されるまでの間、一時的に記憶部26に記憶されてもよいし、転送後も記憶されてもよい。上記の各情報は別々の記憶装置に記憶されてもよいし、1つの記憶装置に記憶されてもよい。
アドレス帳データは、通信相手を管理するためのデータであり、具体的には、通信相手のアドレス情報(例えば、ファクシミリ識別情報(FAXID)、電子メールアドレス、電話番号等)を含むデータである。アドレス帳データは、通信相手を管理するための管理情報の一例に相当し、少なくとも、通信相手毎に、通信相手の名称と当該通信相手のFAXIDとの対応付けを示す情報である。アドレス帳データには、通信相手の電話番号、電子メールアドレス、所属会社、所属部署、住所、その他の個人情報等が含まれてもよい。もちろん、画像形成装置10自身に割り当てられたFAXIDや電子メールアドレス等が、アドレス帳データに登録されてもよい。また、同一のFAXIDに複数の名称が割り当てられてもよい。アドレス帳の表示指示がユーザによって与えられた場合、アドレス帳データに登録された各種の情報がUI部24の表示部に表示される。ユーザがアドレス帳データの中から通信相手を選択してファクシミリ送信の指示を与えた場合、ファクシミリ部18は、選択された通信相手に対してファクシミリデータをファクシミリ通信によって送信する。なお、アドレス帳データは画像形成装置10に記憶されずに、又は、画像形成装置10に記憶されると共に、サーバ12等の外部装置に記憶されてもよい。この場合、アドレス帳データの表示時には、外部装置から画像形成装置10にアドレス帳データが送られて表示されてもよい。
通信履歴情報は、通信相手を管理するための管理情報の一例に相当し、通信相手との通信の履歴を示す情報であり、例えば、通信が行われた日時と通信の内容との対応付けを示す情報である。例えば、画像形成装置10が通信相手としての他の装置にファクシミリデータをファクシミリ通信によって送信した場合、その送信日時と通信相手のアドレス情報(FAXIDを含む)と通信相手の名称とが対応付けられて通信履歴情報に記録される。同様に、画像形成装置10が通信相手としての他の装置からファクシミリデータをファクシミリ通信によって受信した場合、その受信日時と通信相手のアドレス情報と通信相手の名称とが対応付けられて通信履歴情報に記録される。電子メールや他のデータ(例えば画像データや文書データ等)の送受信の履歴も通信履歴情報に記録される。なお、通信履歴情報は、画像形成装置10に記憶されずに、又は、画像形成装置10に記憶されると共に、サーバ12等の外部装置に記憶されてもよい。
また、ユーザ毎の管理情報や画像形成装置10毎の管理情報が作成されて、画像形成装置10や外部装置に記憶されてもよい。例えば、ユーザ用の管理情報には、当該ユーザを識別するための情報(例えばユーザIDや氏名等のユーザ識別情報)が紐付けられており、画像形成装置10用の管理情報には、当該画像形成装置10を識別するための情報(例えば、画像形成装置10のID、名称、FAXID、電子メールアドレス、IPアドレス、MACアドレス等のデバイス識別情報)が紐付けられている。
例えば、ユーザ毎のアドレス帳データが作成され、画像形成装置10や外部装置に記憶されてもよい。アドレス帳データの表示時には、例えば、画像形成装置10にログインしているユーザに紐付くアドレス帳データ(当該ユーザ用のアドレス帳データ)が表示される。また、画像形成装置10毎のアドレス帳データが作成され、画像形成装置10や外部装置に記憶されてもよい。例えば、画像形成装置10に紐付くアドレス帳データは、当該画像形成装置10において共用のアドレス帳データとして使用されるデータである。
また、ユーザ毎の通信履歴情報や画像形成装置10毎の通信履歴情報が作成されて、画像形成装置10や外部装置に記憶されてもよい。ユーザ用の通信履歴情報は、当該ユーザが行った通信の履歴を示す情報である。画像形成装置10用の通信履歴情報は、当該画像形成装置10が行った通信の履歴を示す情報である。
制御部28は、画像形成装置10の各部の動作を制御する機能を有する。制御部28は、例えば、各種の情報をUI部24の表示部に表示させたり、通信部16による通信を制御したり、ファクシミリ部18によるファクシミリ通信を制御したりする。また、制御部28は格納制御部30を含む。
格納制御部30は、送信元から画像形成装置10に送られてきたデータの格納を制御する機能を有する。第1実施形態では、格納制御部30は、ファクシミリ部18がファクシミリデータをファクシミリ受信した場合、当該ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダ(格納場所の一例に相当)に当該ファクシミリデータを格納する。FAXIDに紐付くフォルダは、当該フォルダの名称として当該FAXIDが付与されたフォルダである。送信元のFAXIDに紐付くフォルダが検知されない場合(つまり、そのフォルダが存在しない場合)、格納制御部30は、送信元のFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。
サーバ12にファクシミリデータが格納される場合、格納制御部30は、サーバ12において、当該ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダに当該ファクシミリデータを格納する。送信元のFAXIDに紐付くフォルダがサーバ12に存在しない場合、格納制御部30は、送信元のFAXIDに紐付くフォルダをサーバ12内に作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。
ファクシミリデータは画像形成装置10に格納されてもよい。この場合、格納制御部30は、画像形成装置10において、当該ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダに当該ファクシミリデータを格納する。当該フォルダが画像形成装置10に存在しない場合、格納制御部30は、送信元のFAXIDに紐付くフォルダを画像形成装置10内に作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。
なお、後述するように、サーバ12が格納制御部38を有してファクシミリデータの格納を制御する場合、画像形成装置10は格納制御部30を有していなくてよいし、格納制御部30は機能しなくてもよい。
以下、図3を参照して、サーバ12の構成について詳しく説明する。図3には、サーバ12の構成の一例が示されている。
通信部32は通信インターフェースであり、他の装置にデータを送信する機能、及び、他の装置からデータを受信する機能を有する。通信部32は、無線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよいし、有線通信機能を備えた通信インターフェースであってもよい。例えば、通信部32は、通信経路Nを介して画像形成装置10から転送されたファクシミリデータを受信する。また、通信部32は、通信経路Nを介して画像形成装置10から転送された電子メールや他のデータ(例えば画像データや文書データ等)を受信してもよい。
記憶部34はハードディスク等の記憶装置である。記憶部34は、データの格納場所(格納領域)の一例としてのフォルダを含む。記憶部34には、1又は複数のフォルダが含まれる。フォルダには、画像形成装置10から転送されてきたデータ(例えばファクシミリデータ)が格納(記憶)される。なお、記憶部34には、ファクシミリデータ以外の情報(例えばアドレス帳データ、通信履歴情報、その他のデータ等)が記憶されてもよい。
制御部36は、サーバ12の各部の動作を制御する機能を有する。制御部36は、例えば、通信部32による通信を制御する。また、制御部36は格納制御部38を含む。
格納制御部38は、画像形成装置10から転送されてきたデータの格納を制御する機能を有する。第1実施形態では、格納制御部38は、画像形成装置10からサーバ12にファクシミリデータが転送されてきた場合、当該ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダに当該ファクシミリデータを格納する。送信元のFAXIDに紐付くフォルダが検知されない場合(つまり、そのフォルダがサーバ12に存在しない場合)、格納制御部38は、送信元のFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。
なお、上述したように、画像形成装置10が格納制御部30を有している場合、サーバ12は格納制御部38を有していなくてもよい。もちろん、画像形成装置10とサーバ12の両方が格納制御部を有していてもよい。この場合、格納制御部30と格納制御部38の中のいずれかの一方の格納制御部が、ファクシミリデータの格納制御を行う。以下では、画像形成装置10に設けられた格納制御部30によってファクシミリデータの格納制御が行われるものとする。
以下、第1実施形態について更に詳しく説明する。
ファクシミリ受信時の動作設定について説明する。図4には、その動作設定画面の一例が示されている。例えば、ユーザが画像形成装置10のUI部24を用いて動作設定画面の表示指示を与えると、画像形成装置10の制御部28は、動作設定画面40をUI部24の表示部に表示させる。動作設定画面40には、名称欄42、転送先指定欄44,46、プリント指定欄48、通知先指定欄50、及び、ファイル名ルール指定欄52が表示される。名称欄42は、ユーザが動作設定の名称を入力する欄である。
転送先指定欄44,46はそれぞれ、ユーザがファクシミリデータの転送先を指定するための欄である。図4に示す例では、転送先指定欄44にて、転送先1としてFTP転送(サーバ12への転送)が指定されている。転送先指定欄46にて、転送先2として電子メールが指定されており、その転送先の電子メールアドレスが入力されている。転送先指定欄44,46のそれぞれにはチェックボックスが設けられている。そのチェックボックスがチェックされると指定が有効となり、チェックが外されると指定が無効となる。もちろん、チェックボックス以外の手法によって、指定の有効と無効とが切り替えられてもよい。他の指定欄についても同様である。図4に示す例では、転送先指定欄44のチェックボックスがチェックされており、転送先指定欄44における指定が有効となっている。この場合、画像形成装置10の通信部16は、ファクシミリ部18がファクシミリデータをファクシミリ受信した場合、そのファクシミリデータをサーバ12に転送する。また、転送先指定欄46のチェックボックスがチェックされておらず、転送先指定欄46における指定が無効となっている。この場合、画像形成装置10の通信部16は、指定されたアドレス宛にファクシミリデータを電子メールによって転送しない。転送先指定欄46のチェックボックスがチェックされた場合、画像形成装置10の通信部16は、指定されたアドレス宛にファクシミリデータを電子メールによって転送する。
なお、図4に示す例では、2つの転送先の指定が可能となっているが、1つの転送先の指定が可能であってもよいし、3つ以上の転送先の指定が可能であってもよい。また、サーバ12への転送及び電子メール転送以外の転送が指定されてもよい。例えば、電子メール以外の転送手法による端末装置14への転送、その他の外部装置(例えばクラウド上に設けられた画像サーバ等)への転送、画像形成装置10自体に設けられた格納場所への格納等が指定されてもよい。
プリント指定欄48は、ファクシミリデータのプリントの有無をユーザが指定するための欄である。また、プリントされた用紙の排出先もプリント指定欄48にて指定される。図4に示す例では、プリント指定欄48のチェックボックスがチェックされておらず、プリント指定欄48における指定が無効となっている。この場合、画像形成装置10のプリント部20は、ファクシミリデータを用紙に印刷しない。プリント指定欄48のチェックボックスがチェックされた場合、画像形成装置10のプリント部20は、ファクシミリデータを用紙に印刷する。このとき、指定された排出先に印刷後の用紙が排出される。
通知先指定欄50は、ユーザがファクシミリ受信の通知先を指定するための欄である。また、通知先としての電子メールアドレスも通知先指定欄50にて指定される。図4に示す例では、通知先指定欄50のチェックボックスがチェックされておらず、通知先指定欄50における指定が無効となっている。この場合、画像形成装置10の通信部16は、ファクシミリ部18がファクシミリデータをファクシミリ受信した場合であっても、そのファクシミリ受信が発生した旨を示す情報を通知先に通知しない。通知先指定欄50のチェックボックスがチェックされた場合においてファクシミリ部18がファクシミリデータをファクシミリ受信した場合、画像形成装置10の通信部16は、ファクシミリ受信が発生した旨を示す情報を通知先(指定された電子メールアドレス宛)に通知する。
ファイル名ルール指定欄52は、ファクシミリデータの名称(ファイル名)の作成に関するルール(規則)をユーザが指定するための欄である。そのルールに従ってファクシミリデータにファイル名が付与される。ファイル名の付与は、画像形成装置10にて行われてもよいし、ファクシミリデータの格納先(例えばサーバ12)によって行われてもよい。ファイル名作成のルールについては後で詳しく説明する。
ファクシミリ回線毎に、動作設定画面40にて動作内容が設定されてもよい。例えば、複数のファクシミリ回線が利用される場合、ファクシミリ回線毎に異なる動作内容が設定されてもよいし、複数のファクシミリ回線に対して同一の動作内容が設定されてもよい。
以下、転送先の設定画面について詳しく説明する。図5には、転送先の設定画面の一例が示されている。例えば、ユーザが、図4に示されている動作設定画面40上にて、転送先1に対応する転送先指定欄44を指定した場合、画像形成装置10の制御部28は、転送の詳細を設定するための設定画面54をUI部24に表示させる。設定画面54には、転送先指定欄56、フォルダ指定欄58、仕分け設定欄60、及び、ファイル形式指定欄62が表示される。
転送先指定欄56は、ユーザがファクシミリデータの転送先を指定するための欄である。図5に示す例では、「SMB/FTP」(サーバ12への転送)がユーザによって選択されている。
フォルダ指定欄58は、ファクシミリデータが格納されるフォルダをユーザが指定するための欄である。具体的には、格納先としてのフォルダのアドレスが指定される。ここで指定されたフォルダにファクシミリデータが格納される。なお、フォルダ指定欄58にてフォルダがユーザによって指定されなくてもよい。この場合、格納制御部30又は格納制御部38による格納制御によって、ファクシミリデータが、そのファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダに格納される。
仕分け設定欄60は、ユーザがファクシミリデータの仕分けの有無を指定するための欄である。図5に示す例では、「仕分けしない」が指定されている。この場合、ファクシミリデータは、予め定められたフォルダ(例えば未分類フォルダ)に格納される。「仕分けする」が指定された場合、仕分けルール(規則)に従って、ファクシミリデータが仕分けされて特定のフォルダに格納される。
ファイル形式指定欄62は、ユーザがファクシミリデータのファイル形式を指定するための欄である。画像形成装置10の制御部28は、ファクシミリ部18が受信したファクシミリデータに基づいて、指定されたファイル形式を有するファクシミリデータを生成する。そのファイル形式を有するファクシミリデータが、格納や転送される。
図6には、別の設定例が示されている。図6に示す例では、転送先指定欄56にて、電子メール転送がユーザによって指定されている。この場合、アドレス指定欄64が設定画面54に表示される。アドレス指定欄64は、ファクシミリデータの転送先の電子メールアドレスをユーザが指定する欄である。ここで指定された電子メールアドレス宛に、ファクシミリデータが電子メールに添付されて転送される。図5に示す例と同様に、ファイル形式指定欄62にて指定されたファイル形式を有するファクシミリデータが、電子メールアドレス宛に転送される。
以下、図7を参照して、ファクシミリデータの転送ルール(規則)の設定画面について説明する。図7には、その設定画面の一例が示されている。例えば、ユーザが、図5に示されている設定画面54中の仕分け設定欄60にて「仕分けする」を指定した場合、画像形成装置10の制御部28は、転送ルールの詳細を設定するための設定画面66をUI部24に表示させる。設定画面66には、仕分けルール指定欄68、仕分け属性指定欄70、及び、ファイル名ルール指定欄72が表示される。
仕分けルール指定欄68は、ファクシミリデータの自動仕分け又は手動仕分けのいずれかをユーザが指定するための欄である。自動仕分けが指定された場合において、ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダが存在しない場合、格納制御部30又は格納制御部38は、そのFAXIDに紐付くフォルダを自動的に作成する。手動仕分けが指定された場合、フォルダはユーザによって作成される。
仕分け属性指定欄70は、ファクシミリデータの仕分けに用いられるFAXIDの種類(属性)をユーザが指定するための欄である。例えば、ファクシミリ番号、G3ID及びダイヤルイン番号の中から、FAXIDの種類(属性)がユーザによって選択される。ユーザが仕分け属性指定欄70を指定した場合、画像形成装置10の制御部28は、種類(属性)としてのファクシミリ番号、G3ID及びダイヤルイン番号をプルダウン形式やポップアップ形式に従って設定画面66上に表示させ、ユーザは、その表示の中からFAXIDの種類(属性)を選択してよい。図7に示す例では、FAXIDの種類(属性)としてG3IDが指定されている。この場合、G3IDを用いてファクシミリデータの仕分けが行われる。例えば、ファクシミリデータの送信元のG3IDに紐付くフォルダが作成され、当該フォルダに当該ファクシミリデータが格納される。なお、デフォルトの種類(属性)が定められてもよい。この場合、そのデフォルトの種類(属性)のFAXIDに紐付くフォルダが作成される。例えば、デフォルトの種類としてダイヤルイン番号が定められてもよい。この場合、ファクシミリデータの送信元のダイヤルイン番号に紐付くフォルダが作成され、当該ファクシミリデータが当該フォルダに格納される。
ファイル名ルール指定欄72は、図4に示されているファイル名ルール指定欄52と同様に、ファクシミリデータの名称(ファイル名)の作成に関するルール(規則)をユーザが指定する欄である。
なお、図4に示されている動作設定画面40、図5,6に示されている設定画面54、及び、図7に示されている設定画面66において、各指定欄にて指定される内容が予め定められていてもよい。つまり、デフォルトの内容が定められていてもよい。この場合においても、各指定欄にて予め定められている内容がユーザによって変更された場合、その変更後の内容に従って処理が行われる。
以下、図8を参照して、ファイル名ルールの設定画面について説明する。図8には、その設定画面74が示されている。例えば、図4に示されているファイル名ルール指定欄52や図7に示されているファイル名ルール指定欄72がユーザによって指定された場合、画像形成装置10の制御部28は、設定画面74をUI部24に表示させる。
ファイル名のルールは、例えば、ファクシミリ受信の日時、登録名(例えばアドレス帳データに登録された通信相手(送信元)の名称等)、発信者番号(通信相手(送信元)のファクシミリ番号)、G3ID、及び、画像形成装置10を識別するためのデバイス識別情報の中から選択されたファイル名構成要素をファイル名に含めるというルールである。デバイス識別情報は、個々の画像形成装置10を一意に識別するための各画像形成装置10に固有の識別情報であり、例えば、画像形成装置10のシリアル番号である。なお、個々の画像形成装置10を一意に識別するための識別情報であれば、シリアル番号以外の情報がデバイス識別情報として用いられてもよい。
設定画面74には、ファイル名構成要素を選択するためのボタン群76が表示されている。例えば、受信日時ボタン、登録名ボタン、発信者番号ボタン、G3IDボタン、及び、シリアル番号ボタンが表示されている。受信日時ボタンがユーザによって押されると、ファクシミリ受信の日時がファイル名構成要素として選択される。登録名ボタンがユーザによって押されると、送信元を示す登録名がファイル名構成要素として選択される。発信者番号ボタンがユーザによって押されると、送信元の発信者番号がファイル名構成要素として選択される。G3IDボタンがユーザによって押されると、送信元のG3IDがファイル名構成要素として選択される。シリアル番号ボタンがユーザによって選択されると、ファクシミリ受信した画像形成装置10のシリアル番号がファイル名構成要素として選択される。ユーザによって選択されたファイル名構成要素によってファイル名が作成され、そのファイル名がファクシミリデータに付与される。
図8に示す例では、受信日時ボタン、登録名ボタン、及び、シリアル番号ボタンがユーザによって押されており、ファクシミリ受信の日時を示す文字列、送信元の登録名を示す文字列、及び、画像形成装置10のシリアル番号を示す文字列を含むファイル名が、ファクシミリデータに付与される。ユーザによって選択されたファイル名構成要素が、構成要素表示欄78に表示される。その他、受信日時の表現形式がユーザによって指定されてもよいし、ファイル名に含まれる任意の文字列がユーザによって入力されてもよい。
画像形成装置10に固有のシリアル番号をファクシミリデータのファイル名に含めることで、シリアル番号に基づいてファクシミリデータが識別される。例えば、複数の画像形成装置10のそれぞれからサーバ12にファクシミリデータが転送されるものとする。このとき、各画像形成装置10からサーバ12に転送されるファクシミリデータのファイル名には、各画像形成装置10のシリアル番号が含まれる。こうすることで、仮に、複数の画像形成装置10にて、同じ送信元から同じ時刻にファクシミリ通信によってファクシミリデータが受信され、当該複数の画像形成装置10のそれぞれからサーバ12にファクシミリデータが転送された場合であっても、サーバ12において、シリアル番号に基づいて各ファクシミリデータが識別される。シリアル番号を用いずに、送信元の名称、受信日時及びFAXIDを用いてファイル名を作成した場合、複数の画像形成装置10において同じ送信元から同じ時刻に受信された複数のファクシミリデータは互いに識別されず、例えば、サーバ12において、あるファクシミリデータが、そのファクシミリデータと同じ送信元から同じ時刻に受信された他のファクシミリデータによって上書きされてしまうことがある。上記のようにシリアル番号を用いてファイル名を作成することで、このような問題の発生が防止される。
なお、ファイル名構成要素が予め定められていてもよい。つまり、デフォルトのファイル名構成要素が定められていてもよい。この場合においても、ユーザによってファイル名構成要素が選択された場合、ユーザによって選択されたファイル名構成要素を含むファイル名が作成される。
以下、図9を参照して、第1実施形態に係るデータ管理システムの動作について詳しく説明する。図9には、データ管理システムの動作内容が示されている。一例として、3つのファクシミリ回線(ファクシミリ回線1,2,3)の利用が可能であるものとする。なお、複数のファクシミリ回線が利用される場合、各ファクシミリ回線に対して互いに異なるFAXID(画像形成装置10に割り当てられたFAXID)が割り当てられてもよいし、同一のFAXID(画像形成装置10に割り当てられたFAXID)が割り当てられてもよい。以下では、一例として、ファクシミリ回線毎に異なるFAXIDが割り当てられているものとする。
ファクシミリ部18は、ファクシミリ回線1を介してファクシミリデータを受信した場合、そのファクシミリデータを、記憶部26においてファクシミリ回線1用の格納場所(記憶領域)26aに格納する。その格納は、そのファクシミリデータが転送や印刷されるまでの間の一時的な格納であってもよいし、転送や印刷された後においても継続的に行われる格納であってもよい。ファクシミリデータには属性情報が付帯されている。その属性情報には、送信元のFAXID(例えば、ファクシミリ番号、G3ID、ダイヤルイン番号)が含まれる。属性情報には、FAXID以外の情報として、送信元の名称、ID、局名等が含まれてもよい。
ファクシミリ回線1に対する動作内容として、サーバ12への転送、電子メールによる転送、及び、印刷が設定されている。この場合、画像形成装置10の通信部16は、格納場所26aからファクシミリデータを取得し、符号80で示すように、そのファクシミリデータをサーバ12へ転送し、更に、符号82で示すように、電子メールにファクシミリデータを添付し、予め登録された宛先(電子メールアドレス宛)にその電子メールを送信する。また、画像形成装置10のプリント部20は、格納場所26aからファクシミリデータを取得し、符号84で示すように、そのファクシミリデータを記録媒体として用紙に印刷する。サーバ12においては、図7に示されている設定画面66にて指定された転送ルール(規則)に従って、ファクシミリデータが仕分けられてフォルダに格納される。その格納制御は、画像形成装置10の格納制御部30によって行われてもよいし、サーバ12の格納制御部38によって行われてもよい。この格納制御については後で詳しく説明する。
ファクシミリ部18は、ファクシミリ回線2を介してファクシミリデータを受信した場合、そのファクシミリデータを、記憶部26においてファクシミリ回線2用の格納場所(記憶領域)26bに格納する。上記の通り、その格納は一時的な格納であってもよいし継続的な格納であってもよい。
ファクシミリ回線2に対する動作内容として、外部装置(例えばサーバ12以外の画像サーバ等)への転送が設定されている。この場合、画像形成装置10の通信部16は、格納場所26bからファクシミリデータを取得し、符号86で示すように、そのファクシミリデータを当該外部装置に転送する。なお、その外部装置において、図7に示されている設定画面66にて指定された転送ルール(規則)に従って、ファクシミリデータが仕分けられてフォルダに格納されてもよい。
ファクシミリ部18は、ファクシミリ回線3を介してファクシミリデータを受信した場合、そのファクシミリデータを、記憶部26においてファクシミリ回線3用の格納場所(記憶領域)26cに格納する。上記の通り、その格納は一時的な格納であってもよいし継続的な格納であってもよい。
ファクシミリ回線3に対する動作内容として、印刷が設定されている。この場合、画像形成装置10のプリント部20は、格納場所26cからファクシミリデータを取得し、符号88で示すように、そのファクシミリデータを用紙に印刷する。
以下、図10を参照して、ファクシミリデータの格納処理について詳しく説明する。図10には、格納処理の一例が示されている。ここでは、図9中の符号80で示す格納処理について説明する。図9を参照して説明したように、ファクシミリ回線1を介してファクシミリ受信されたファクシミリデータは、通信経路Nを介してサーバ12に転送される。サーバ12の通信部32は、通信経路Nを介して、画像形成装置10から転送されてきたファクシミリデータを受信する。また、画像形成装置10の格納制御部30は、転送ルール(規則)として設定された仕分けルールと仕分け属性とに従って、サーバ12に形成されたフォルダにファクシミリデータを格納する。以下、格納制御部30による処理について詳しく説明する。なお、上述したように、この格納処理は、サーバ12の格納制御部38によって行われてもよい。
格納制御部30は、サーバ12の記憶部34において、ファクシミリデータの属性情報に含まれるFAXIDを検索キーとして用いて、そのFAXIDに紐付くフォルダを検索し、そのフォルダに当該ファクシミリデータを格納する。つまり、格納制御部30は、フォルダ名にそのFAXIDが含まれるフォルダを検索し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。例えば、仕分け属性として「ファクシミリ番号」が指定されているものとする。この場合、格納制御部30は、ファクシミリデータのファクシミリ番号を検索キーとして用いて、フォルダ名にそのファクシミリ番号が含まれるフォルダを検索し、そのフォルダに当該ファクシミリデータを格納する。
仕分けルールとして「自動仕分け」が指定されている場合において、フォルダ名にそのファクシミリ番号が含まれるフォルダが記憶部34に存在しない場合(検索されない場合)、格納制御部30は、フォルダ名にそのファクシミリ番号が含まれるフォルダを新たに作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。仕分けルールとして「手動仕分け」が指定されている場合において、フォルダ名にそのファクシミリ番号が含まれるフォルダが記憶部34に存在しない場合(検索されない場合)、格納制御部30は、予め定められたフォルダ(例えば「未分類フォルダ」)にファクシミリデータを格納する。
具体例を挙げて格納制御部30による処理について説明する。画像形成装置10からサーバ12に転送されてきたファクシミリデータのファクシミリ番号が「FAX番号1」である場合、格納制御部30は、文字列「FAX番号1」を検索キーとして用いて、フォルダ名に文字列「FAX番号1」が含まれるフォルダ90を検索し、そのフォルダ90に当該ファクシミリデータを格納する。例えば、そのファクシミリデータとしてのファイル92が、フォルダ90に格納される。ファイル名の付与の仕方については後で詳しく説明する。
仕分けルールとして「自動仕分け」が指定されている場合において、フォルダ90が記憶部34に存在しない場合(フォルダ90が検索されない場合)、格納制御部30は、フォルダ名に文字列「FAX番号1」が含まれるフォルダ90を新たに作成し、そのフォルダ90に当該ファクシミリデータを格納する。
また、格納制御部30は、アドレス帳データにおいて「FAX番号1」を検索し、アドレス帳データに「FAX番号1」が登録されている場合、「FAX番号1」に紐付いてアドレス帳データに登録されている通信相手(送信元)の「名称」(例えば「名称1」)を、フォルダ90のフォルダ名に含める。つまり、格納制御部38は、「名称1」と「FAX番号1」との組み合わせに紐付くフォルダ90、より具体的には、フォルダ名に文字列「名称1」と文字列「FAX番号1」とが含まれるフォルダ90を作成する。例えば、フォルダ90のフォルダ名は、「名称1@FAX番号1」である。フォルダ名中の区切り情報「@」は、フォルダ名中においてFAXIDとその他の情報(例えば送信元の名称)とを区分けするための情報である。その区切り情報「@」の後の部分に記述された情報がFAXIDであり、その区切り情報「@」の前の部分に記述された情報が送信元の名称である。このようにフォルダ名に区切り情報を含めることで、フォルダ名においてFAXIDが特定される。もちろん、FAXIDとその他の情報の記述の順番は、上記の例に限定されず、区切り情報「@」の前の部分にFAXIDが記述され、区切り情報「@」の後の部分に名称が記述されてもよい。また、「@」以外の区切り情報が用いられてもよい。
格納制御部30は、アドレス帳データに「FAX番号1」が登録されていない場合、通信相手(送信元)の「名称」を含まないフォルダ名を作成し、そのフォルダ名をフォルダ90に付与する。この場合であっても、そのフォルダ名には「FAX番号1」が含まれるので、ファクシミリ番号を検索キーとして用いてフォルダ90が検索され、ファクシミリ番号として「FAX番号1」を有するファクシミリデータは、フォルダ90に格納される。
アドレス帳データが画像形成装置10に記憶されている場合、格納制御部30は、画像形成装置10に記憶されているアドレス帳データを対象としてFAXIDを検索し、そのFAXIDに紐付く名称を取得する。また、アドレス帳データがサーバ12に記憶されている場合、格納制御部30は、サーバ12に記憶されているアドレス帳データを対象としてFAXIDを検索し、そのFAXIDに紐付く名称を取得する。
なお、フォルダ名に文字列「FAX番号1」が含まれるフォルダ90が記憶部34に既に存在する場合(フォルダ90が検索された場合)において、そのフォルダ名に含まれる文字列「名称」(「@」の前の部分の文字列)と、アドレス帳データに登録されている「FAX番号1」に紐付く「名称」とが異なる場合、格納制御部38は、フォルダ90のフォルダ名に既に含まれている文字列「名称」を、アドレス帳データに登録されている「名称」に変更してもよい。もちろん、この場合であっても、格納制御部30は、フォルダ90のフォルダ名に既に含まれている文字列「名称」を変更しなくてもよい。
仕分けルールとして「手動仕分け」が指定されている場合において、フォルダ90が記憶部34に存在しない場合、格納制御部30は、ファクシミリデータを未分類フォルダ94に格納する。
また、迷惑フォルダ96が設けられてもよい。例えば、迷惑FAXIDが予め登録されており、格納制御部30は、迷惑FAXIDとして登録されたFAXIDに紐付くファクシミリデータを迷惑フォルダ96に格納する。格納制御部30は、迷惑フォルダ96内に迷惑FAXID毎にフォルダを作成し、迷惑ファクシミリデータを仕分けして格納してよい。
画像形成装置10から転送されてきたファクシミリデータのファクシミリ番号が「FAX番号2」である場合も、ファクシミリ番号が「FAX番号1」である場合と同様に、フォルダ名に文字列「FAX番号2」が含まれるフォルダ98が検索され、フォルダ98に当該ファクシミリデータが格納される。
以下、ファクシミリデータへのファイル名の付与の仕方について詳しく説明する。格納制御部30は、ファイル名ルールに従ってファイル名を作成し、そのファイル名をファクシミリデータに紐付ける。例えば、「受信日時」及び「登録名」がファイル名構成要素として選択されている場合、格納制御部30は、ファクシミリデータがファクシミリ受信された日時を示す文字列と、送信元の名称を示す文字列と、を含むファイル名を作成し、そのファイル名をファクシミリデータに紐付ける。図10に示されているファイル92には、そのルールに従ってファイル名が付与されている。そのファイル名は、文字列「名称1」と文字列「受信日時」とを含む。また、図8に示すように、シリアル番号がファイル名構成要素として選択されている場合、ファイル名に、画像形成装置10のシリアル番号を示す文字列が含まれる。その他のファイル名構成要素についても同様である。ファイル名にシリアル番号を含めることで、複数の画像形成装置10のそれぞれにおいて同じ送信元から同じ時刻にファクシミリデータがファクシミリ受信された場合であっても、サーバ12において、各ファクシミリデータが他のファクシミリデータから区別して識別される。
上記の例では、アドレス帳データに登録されている名称を用いてフォルダ名が作成されているが、通信履歴情報に含まれている名称を用いてフォルダ名が作成されてもよい。この場合、格納制御部30は、画像形成装置10に記憶されている通信履歴情報を対象としてFAXIDを検索し、そのFAXIDに紐付く通信相手(送信元)の名称を、フォルダ名に含める。
第1実施形態によれば、ファクシミリデータが格納されるフォルダの名称として、当該ファクシミリデータのFAXID、つまり、送信元に割り当てられたFAXIDが用いられ、ファクシミリデータは、そのファクシミリデータのFAXIDがファイル名に含まれるフォルダに格納される。こうすることで、例えば、アドレス帳データに登録された通信相手の名称が変更された場合であっても、同一の送信元から送られてきたファクシミリデータは同一のフォルダに格納される。例えば、送信元のFAXIDを用いずに、アドレス帳データに登録された通信相手の名称をフォルダ名に用いた場合において、アドレス帳データに登録された通信相手の名称が変更されると、その変更後に転送されてきたファクシミリデータは、変更前の名称が付与されたフォルダに格納されず、変更後の名称が付与されたフォルダに格納される。名称が変更される前に転送されてきたファクシミリデータと、名称が変更された後に転送されてきたファクシミリデータは、それぞれ同一の送信元からファクシミリ送信されてきたデータであるにも関わらず、それぞれ別々のフォルダに格納される。第1実施形態によれば、送信元を一意に示すFAXIDを含む名称がフォルダに付与されるので、送信元の名称が変更された場合であっても、同一の送信元からファクシミリ送信されてきたファクシミリデータは、同一のフォルダに格納される。
(変形例)
以下、第1実施形態の変形例について説明する。図11には、動作設定画面の一例が示されている。動作設定画面100は、ファクシミリ回線毎に動作内容を設定するための画面であり、動作設定時に画像形成装置10のUI部24に表示される。図11に示す例では、ファクシミリ回線1,2の設定が可能となっているが、3つ以上のファクシミリ回線の設定が可能であってもよい。
動作設定画面100には、ファクシミリ回線毎に動作設定指定欄102が表示されており、その動作設定指定欄102にて、通常動作と例外動作が設定されるようになっている。例えば、ユーザが動作設定指定欄102を指定すると、例えば、プルダウン形式又はポップアップ形式に従って、通常動作と例外動作を設定するための情報が表示される。通常動作設定では、上記の第1実施形態と同様に、ファクシミリデータの出力先1(サーバ12への転送、電子メールによる転送、印刷等)が設定される。例外動作設定では、その出力先1が適用されない例外期間における出力先2が設定される。
動作設定指定欄102にて「出力先1」がユーザによって指定されると、画像形成装置10の制御部28は、図12に示すように、通常動作の出力先である「出力先1」を設定するための通常出力先設定画面104をUI部24に表示させる。この通常出力先設定画面104には、図4に示されている動作設定画面40と同様に、サーバ12へのファクシミリデータの転送の設定欄、電子メールによるファクシミリデータの転送の設定欄、ファクシミリデータのプリントの設定欄、及び、ファクシミリ受信の通知の設定欄が表示される。例えば、サーバ12へのファクシミリデータの転送の設定欄がユーザによって指定されると、画像形成装置10の制御部28は、図13に示すように、転送ルール(規則)を設定するための設定画面106をUI部24に表示させる。この設定画面106は、図7に示されている設定画面66と同じ画面である。この設定画面106にて、仕分け属性等が設定される。図12に示す例では、「出力先1」として、サーバ12への転送がユーザによって指定されている。この場合、通常動作として、画像形成装置10からサーバ12へファクシミリデータが転送され、そのファクシミリデータのFAXIDに紐付くフォルダにそのファクシミリデータが格納される。
図11に示されている動作設定指定欄102にて「切り替え設定」がユーザによって指定されると、画像形成装置10の制御部28は、図14に示すように、例外動作の出力先である出力先2を設定するための切り替え設定画面108をUI部24に表示させる。切り替え設定画面108には、切り替えの有無を指定する欄110、例外動作を行う曜日と時間帯を指定する欄112、例外動作を行う任意の期間を指定する欄114、及び、切り替え出力先を指定する欄116が表示される。
図14中の欄110において、ユーザによって「切り替えあり」が指定されると、例外動作が有効に設定され、「切り替えなし」が指定されると、例外動作が無効に設定される。例外動作が有効に設定された場合、例外動作を行う期間中においては、通常動作の出力先1として設定された出力動作は行われず、例外動作の出力先2として設定された出力動作が行われる。
図14中の欄112がユーザによって指定されると、画像形成装置10の制御部28は、図15に示すように、例外期間設定画面118をUI部24に表示させる。例外期間設定画面118においては、一例として、曜日毎に例外動作を行う時間帯が設定されるようになっている。図15に示す例では、月曜日から金曜日が指定されており、更に、時間帯として8:00から18:00が指定されている。この場合、月曜日から金曜日の8:00から18:00の間に例外動作(出力先2)が実行され、それ以外の曜日と時間帯では、通常動作(例えば図12,13にて設定された動作)(出力先1)が実行される。
図14中の欄114がユーザによって指定されると、画像形成装置10の制御部28は、例外期間設定画面をUI部24に表示させる。その例外期間設定画面においては、例外動作を行う月日や時間帯等が設定されるようになっている。
図14中の欄116が指定されると、画像形成装置10の制御部28は、図16に示すように、例外動作の出力先である「出力先2」を設定するための例外出力先設定画面120をUI部24に表示させる。この例外出力先設定画面120には、図12に示されている通常出力先設定画面104と同様に、サーバ12へのファクシミリデータの転送の設定欄、電子メールによるファクシミリデータの転送の設定欄、ファクシミリデータのプリントの設定欄、及び、ファクシミリ受信の通知の設定欄が表示される。図16に示す例では、「出力先2」として、プリントがユーザによって指定されている。この場合、例外動作として、ファクシミリデータがプリント部20によって用紙に出力される。
上記のように、通常動作では出力先1としてサーバ12への転送が設定されており、例外動作では出力先2としてプリントが設定されている。また、例外期間として、月曜日から金曜日の8:00から18:00が設定されている。この場合、例外期間中、つまり、月曜日から金曜日の8:00から18:00の期間においては、ファクシミリデータは、サーバ12へ転送されず、プリント部20によって用紙に印刷される。通常動作期間(例外期間以外の期間)中、つまり、土曜日と日曜日の0:00から24:00の期間、及び、月曜日から金曜日の8:00から18:00以外の期間においては、ファクシミリデータは印刷されずにサーバ12へ転送され、サーバ12において、そのファクシミリデータのFAXIDに紐付くフォルダに格納される。
上記の例では、通常動作としてサーバ12への転送が設定され、例外動作としてプリントが設定されているが、通常動作としてプリントが設定され、例外動作としてサーバ12への転送が設定されてもよい。また、電子メールによる転送やファクシミリ受信の通知が、通常動作や例外動作として設定されてもよい。更に、複数の出力先1が設定されてもよいし、複数の出力先2が設定されてもよい。また、デフォルトの通常動作(出力先1)が予め定められていてもよいし、デフォルトの例外期間や例外動作(出力先2)が予め定められていてもよい。この場合、そのデフォルトの設定に従ってファクシミリデータの出力が行われる。そのデフォルトの設定内容はユーザによって変更されてもよい。
変形例によれば、ユーザのおかれている状況やユーザの都合に合わせてファクシミリデータを出力することが可能となる。例えば、ユーザがオフィス等に滞在している期間中には、ファクシミリデータを用紙に印刷するよう設定しておき、ユーザが外出する期間中には、電子メールによる転送やサーバ12への転送が行われるように設定しておくことで、ユーザの予定に合わせた出力が可能となる。
なお、画像形成装置10の制御部28は、ユーザのスケジュールを示すデータを取得し、そのスケジュールに基づいて出力先、通常期間及び例外期間を設定してもよい。例えば、ユーザが外出している予定の時間帯に対しては、出力先としてサーバ12への格納や電子メールによるユーザの端末装置への転送等が設定され、ユーザがオフィスに滞在している予定の時間帯に対しては、出力先として印刷が設定されてもよい。
上記の第1実施形態では、格納処理の対象となるデータはファクシミリデータであるが、ファクシミリデータ以外のデータに対して第1実施形態に係る格納処理が適用されてもよい。例えば、画像形成装置10の通信部16が電子メールを受信した場合、格納制御部30は、その電子メールの送信元に割り当てられた電子メールアドレスに紐付くフォルダに当該電子メールを格納してもよい。なお、電子メールアドレスが送信元の識別情報の一例に相当する。送信元の電子メールアドレスに紐付くフォルダが検知されない場合、格納制御部30は、送信元の電子メールアドレスに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダに電子メールを格納する。格納制御部30は、電子メールに添付されていたデータ(例えば文書データや画像データ等)を、電子メールと共に当該フォルダに格納してもよい。フォルダは、画像形成装置10内に作成されてもよいし、サーバ12内に作成されてもよいし、他の装置(例えば端末装置14)内に作成されてもよい。また、サーバ12に電子メールを転送してサーバ12内に電子メールが格納される場合、サーバ12の格納制御部38によって、電子メールに対する格納処理が実行されてもよい。
また、電子メールに対する処理としてプリントが設定されている場合、プリント部20は、電子メールの内容を用紙に印刷する。電子メールに対する処理として電子メール転送が設定されている場合、通信部16は、その電子メールを転送先の電子メールアドレス宛てに転送する。
画像形成装置10の通信部16が、電子メール以外のデータとして画像データや文書データ等のデータを受信した場合も、上記と同様に、そのデータの送信元の識別情報(例えば、送信元のアドレスを示す情報(例えばIPアドレスやMACアドレス等))に紐付くフォルダに、画像データや文書データ等のデータが格納される。
また、画像データや文書データに対する処理としてプリントが設定されている場合、プリント部20は、画像や文書を用紙に印刷する。画像データや文書データに対する処理として電子メール転送が設定されている場合、通信部16は、その画像データや文書データを転送先に転送する。通信部16は、電子メールに画像データや文書データを添付し、その電子メールを転送先の電子メールアドレス宛てに送信してもよい。
また、端末装置14が格納制御部を有していてもよい。例えば、端末装置14が電子メールを受信した場合、端末装置14の格納制御部は、その電子メールの送信元の電子メールアドレスに紐付くフォルダに当該電子メールを格納する。そのフォルダは、端末装置14内のフォルダであってもよいし、サーバ12等の外部装置内のフォルダであってもよい。また、端末装置14が画像データや文書データ等のデータを受信した場合、端末装置14の格納制御部は、そのデータの送信元の識別情報に紐付くフォルダに当該データを格納してもよい。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係るデータ管理システムについて説明する。第2実施形態に係るデータ管理システムは、第1実施形態に係るデータ管理システムと同じ構成を有する。
第2実施形態では、画像形成装置10が送信元からデータを受信した場合において、その送信元に関する情報が管理情報(例えばアドレス帳データや通信履歴情報)に登録されている場合、格納制御部30は、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該フォルダに当該データを格納する。その送信元に関する情報が管理情報に登録されていない場合、格納制御部30は、予め定められた特定のフォルダ(例えば未分類フォルダ)に当該データを格納する。
上記の管理情報は、当該画像形成装置10に紐付く管理情報(当該画像形成装置10用のアドレス帳データや通信履歴情報)であってもよいし、当該画像形成装置10にログインしているユーザに紐付く管理情報(当該ユーザ用のアドレス帳データや通信履歴情報)であってもよい。
また、上記の管理情報が画像形成装置10に格納されている場合において、送信元に関する情報が当該管理情報に登録されている場合、つまり、送信元に関する情報が送信先としての画像形成装置10に格納されている場合、格納制御部30は、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該フォルダにデータを格納してもよい。送信元に関する情報が画像形成装置10に格納されていない場合、格納制御部30は、予め定められた特定のフォルダ(例えば未分類フォルダ)にデータを格納する。
上記のデータは、ファクシミリデータであってもよいし、電子メールであってもよいし、それら以外のデータ(例えば画像データや文書データ等)であってもよい。
送信元に関する情報は、例えば送信元の識別情報であり、具体的には、送信元の名称を示す情報、送信元のFAXID、送信元のアドレスを示す情報(例えば、電子メールアドレス、IPアドレス、MACアドレス等)等である。
例えば、画像形成装置10のファクシミリ部18がファクシミリ通信によって送信元からファクシミリデータを受信した場合において、その送信元に関する情報が管理情報(例えばアドレス帳データや履歴情報)に登録されている場合、格納制御部30は、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該ファクシミリデータを格納する。その送信元に関する情報が管理情報に登録されていない場合、格納制御部30は、当該ファクシミリデータを予め定められたフォルダ(例えば未分類フォルダ)に格納する。格納制御部30は、送信元に関する情報として送信元のFAXIDが管理情報に登録されている場合に、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該ファクシミリデータを格納し、送信元のFAXIDが管理情報に登録されていない場合、当該ファクシミリデータを予め定められたフォルダに格納してもよい。
また、画像形成装置10の通信部16が電子メールを送信元から受信した場合において、その送信元に関する情報が管理情報に登録されている場合、格納制御部30は、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該電子メールを格納する。その送信元に関する情報が管理情報に登録されていない場合、格納制御部30は、当該電子メールを予め定められたフォルダに格納する。格納制御部30は、送信元に関する情報として送信元の電子メールアドレスが管理情報に登録されている場合、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該電子メールを格納し、送信元の電子メールアドレスが管理情報に登録されていない場合、当該電子メールを予め定められたフォルダに格納してもよい。
また、画像形成装置10の通信部16が画像データや文書データ等のデータを送信元から受信した場合において、その送信元に関する情報が管理情報に登録されている場合、格納制御部30は、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該データを格納する。その送信元に関する情報が管理情報に登録されていない場合、格納制御部30は、当該データを予め定められたフォルダに格納する。格納制御部30は、送信元に関する情報として送信元のIPアドレスやMACアドレスが管理情報に登録されている場合、その送信元に紐付くフォルダを作成して当該データを格納し、送信元のIPアドレスやMACアドレスが管理情報に登録されていない場合、当該データを予め定められたフォルダに格納してもよい。
格納制御部30は、例えば、送信元に紐付くフォルダとして、送信元の識別情報(例えば名称、FAXID、電子メールアドレス、IPアドレス、MACアドレス等)に紐付くフォルダを作成する。送信元の名称、送信元のFAXID、送信元の電子メールアドレス、送信元のIPアドレス、及び、送信元のMACアドレスの中の少なくとも1つの情報が、送信元の識別情報として、フォルダに紐付けられる。
格納制御部30は、ファクシミリデータが受信された場合、送信元のFAXIDに紐付くフォルダを作成し、電子メールが受信された場合、送信元の電子メールアドレスに紐付くフォルダを作成し、画像データや文書データ等のデータが受信された場合、送信元のIPアドレスやMACアドレスに紐付くフォルダを作成してもよい。
上記のフォルダは、画像形成装置10内に作成されてもよいし、サーバ12内に作成されてもよいし、端末装置14内に作成されてもよいし、他の装置内に作成されてもよい。サーバ12にデータが転送されてサーバ12内にデータが格納される場合、サーバ12の格納制御部38によって、データに対する格納処理が実行されてもよい。
以下、図17を参照して、第2実施形態に係るデータ管理システムの動作について説明する。図17には、その動作を示すフローチャートが示されている。以下では、画像形成装置10が、データの一例としてファクシミリデータをファクシミリ通信によって受信した場合について説明する。もちろん、上記の通り、ファクシミリデータは一例に過ぎず、他のデータ(例えば、電子メールや画像データや文書データ等)が画像形成装置10に送られてきた場合も、ファクシミリデータと同様の処理が実行される。
画像形成装置10は、他の装置(送信元)からファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信する(ステップS01)。このとき、第1実施形態と同様に、設定された動作内容に従ってファクシミリデータに処理が適用される。ここでは、その動作内容としてサーバ12への転送が設定されているものとする。この場合、画像形成装置10の通信部16はファクシミリデータをサーバ12に送信する(ステップS02)。
画像形成装置10の格納制御部30は、サーバ12内において、ファクシミリデータの属性情報に含まれる送信元のFAXID(例えば「FAX番号1」)を検索キーとして用いて、フォルダ名に送信元のFAXID(「FAX番号1」)が含まれるフォルダを検索する(ステップS03)。そのフォルダが検索された場合、つまり、サーバ12の記憶部34にそのフォルダが存在する場合(ステップS04,Yes)、格納制御部30は、ファクシミリデータをそのフォルダに格納する(ステップS05)。
フォルダ名に上記のFAXID(「FAX番号1」)が含まれるフォルダが検索されない場合、つまり、サーバ12の記憶部34にそのフォルダが存在しない場合(ステップS04,No)、格納制御部30は、アドレス帳データにおいて送信元の識別情報(例えばFAXID(「FAX番号1」))を検索する(ステップS06)。ここでは一例として、送信元の識別情報としてFAXIDが検索されているが、FAXID以外の識別情報が検索されてもよい。また、上記のアドレス帳データは、例えば、画像形成装置10に紐付くアドレス帳データであってもよいし、ログインユーザに紐付くアドレス帳データであってもよい。
アドレス帳データに送信元の識別情報(例えばFAXID(「FAX番号1」))が登録されている場合(ステップS07,Yes)、格納制御部30は、フォルダ名に送信元の識別情報(例えばそのFAXID(文字列「FAX番号1」))が含まれるフォルダを新たに作成し(ステップS08)、そのフォルダにファクシミリデータを格納する(ステップS09)。このとき、格納制御部38は、そのFAXID(「FAX番号1」)に紐付いてアドレス帳データに登録されている通信相手(送信元)の名称(例えば「名称1」)を、フォルダ名に含めてもよい。これにより、第1実施形態と同様に、文字列「名称1@FAX番号1」がフォルダ名として作成される。
アドレス帳データに送信元の識別情報(例えばFAXID(「FAX番号1」))が登録されていない場合(ステップS07,No)、格納制御部30は、予め定められたフォルダ(例えば未分類フォルダ)にファクシミリデータを格納する(ステップS10)。
第2実施形態によれば、ファクシミリデータの送信元の識別情報(例えばFAXID)に紐付くフォルダが存在しない場合において、その送信元の識別情報(例えばFAXID)がアドレス帳データに登録されている場合、その送信元の識別情報(例えばFAXID)に紐付くフォルダが作成されて、そのフォルダに当該ファクシミリデータが格納される。一般的に、アドレス帳データに識別情報(例えばFAXID)が登録されている通信相手と画像形成装置10との間で通信を行うことが予測又は期待される。例えば、画像形成装置10が、ファクシミリ通信によってファクシミリデータを当該通信相手に送信することが予測又は期待され、当該通信相手から、ファクシミリ通信によってファクシミリデータが画像形成装置10に送られてくると予測又は期待される。それ故、そのFAXIDに紐付くフォルダを作成してファクシミリデータを格納することで、画像形成装置10が通信すると想定される通信相手からのファクシミリデータが、その通信相手に紐付くフォルダに格納される。これにより、ユーザがフォルダを作成する場合と比べて、ユーザの手間が軽減される。一方、一般的に、アドレス帳データにFAXIDが登録されていない通信相手と画像形成装置10との間で通信を行うことは予測又は期待されていない。例えば、画像形成装置10が、ファクシミリ通信によってファクシミリデータを当該通信相手に送信することは予測又は期待されず、当該通信相手から、ファクシミリ通信によってファクシミリデータが画像形成装置10に送られてくると予測又は期待されない。それ故、そのFAXIDに紐付くフォルダを作成せずに、未分類フォルダにファクシミリデータを格納することで、ユーザの予測や期待に反して、ファクシミリデータに固有のフォルダが作成されることが防止される。
上記の例ではアドレス帳データが用いられているが、通信履歴情報が用いられてもよい。例えば、ファクシミリデータの送信元のFAXIDに紐付くフォルダが存在しない場合において、そのFAXIDが割り当てられている通信相手との間の通信の履歴(例えば、ファクシミリ通信の履歴や、電子メールの送受信履歴、その他のデータの送受信履歴等)が通信履歴情報に記録されている場合、格納制御部30は、そのFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。一方、そのFAXIDが割り当てられている通信相手との間の通信の履歴が通信履歴情報に記録されていない場合、格納制御部30は、ファクシミリデータを未分類フォルダに格納する。画像形成装置10との間で過去に通信を行ったことがない通信相手(送信元)からは、今後、ファクシミリ通信によってファクシミリデータが画像形成装置10に送られてこない、又は、ファクシミリ通信の頻度が低いと予測される。それ故、画像形成装置10との間で過去に通信を行ったことのない通信相手のFAXIDに紐付くフォルダを作成しないことで、使用の頻度が低いと予測されるフォルダが作成されることが防止される。また、画像形成装置10との間で過去に通信を行ったことがない通信相手から送られてくるファクシミリデータは、迷惑ファクシミリデータに該当することもあると予測される。第2実施形態によれば、迷惑ファクシミリデータと予測されるデータに固有のフォルダを作成せずに済む。
また、通信相手との間の通信の履歴が通信履歴情報に記録されておらず、かつ、その通信相手がアドレス帳データに登録されていない場合に、格納制御部30は、その通信相手からファクシミリ通信によって送られてきたファクシミリデータを未分類フォルダに格納し、それ以外の場合には、その通信相手に割り当てられたFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納してもよい。
また、送信元(通信相手)が、予め定められた特定期間内に画像形成装置10との間で通信を行ったことのある相手に該当する場合、格納制御部30は、その送信元に割り当てられているFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納してもよい。それ以外の場合、格納制御部30は、ファクシミリデータを未分類フォルダに格納する。特定期間は、例えば、現時点から予め定められた時間を遡った時点までの期間である。例えば、過去1年の間に画像形成装置10との間で通信を行ったことのある通信相手が、特定期間内に通信を行った相手に該当する。こうすることで、直近又はそれに近い期間において、画像形成装置10との間で通信を行ったことのある通信相手からのファクシミリデータが、その通信相手に固有のフォルダに格納され、それ以外の場合には、未分類フォルダに格納される。
また、画像形成装置10に対してファクシミリ通信によってファクシミリデータを送信した通信相手(例えば通信相手A)が、過去において、画像形成装置10がファクシミリ通信によってファクシミリデータを送信したことのある通信相手に該当する場合、格納制御部30は、その通信相手Aに割り当てられているFAXIDに紐付くフォルダを作成し、その通信相手Aからのファクシミリデータをそのフォルダに格納してもよい。それ以外の場合、格納制御部30は、ファクシミリデータを未分類フォルダに格納する。こうすることで、画像形成装置10のユーザが今後もファクシミリ通信によってファクシミリデータを送るであろうと予測される通信相手に固有のフォルダが作成され、それ以外の場合は、通信相手に固有のフォルダが作成されないので、それ以外の場合も固有のフォルダを作成する場合と比べて、ユーザの利便性が向上する。なお、処理対象のデータが電子メールの場合も同様に、画像形成装置10に対して電子メールを送信した通信相手が、過去において、画像形成装置10が電子メールを送信したことのある通信相手に該当する場合、格納制御部30は、その通信相手の識別情報(例えば電子メールアドレス等)に紐付くフォルダを作成し、その通信相手からの電子メールをそのフォルダに格納する。それ以外の場合、格納制御部30は、電子メールを未分類フォルダに格納する。画像データや文書データ等が画像形成装置10に送信されてきた場合も同様である。
また、画像形成装置10に対してファクシミリ通信によってファクシミリデータを送信した通信相手(例えば通信相手B)が、過去において、画像形成装置10がファクシミリ通信によるファクシミリデータの送信に失敗した通信相手に該当する場合、格納制御部30は、その通信相手Bに割り当てられているFAXIDに紐付くフォルダを作成せずに、そのファクシミリデータを未分類フォルダに格納してもよい。それ以外の場合、格納制御部30は、そのFAXIDに紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにファクシミリデータを格納する。ファクシミリ送信が失敗した通信相手に固有のフォルダが作成されずに済むため、ユーザにとって不必要なフォルダが作成され難くなる。なお、処理対象のデータが電子メールの場合も同様に、画像形成装置10に対して電子メールを送信した通信相手が、過去において、画像形成装置10が電子メールの送信に失敗した通信相手に該当する場合、格納制御部30は、その通信相手の識別情報(例えば電子メールアドレス等)に紐付くフォルダを作成せずに、その電子メールを未分類フォルダに格納する。それ以外の場合、格納制御部30は、その通信相手に紐付くフォルダを作成し、そのフォルダに電子メールを格納する。画像データや文書データ等が画像形成装置10に送信されてきた場合も同様である。
なお、第1実施形態の変形例が第2実施形態に適用されてもよい。この場合、例えば、通常動作の期間中は、ファクシミリデータがサーバ12に転送され、例外期間中は、印刷や電子メールによる転送が行われる。
上記の第2実施形態では、格納処理の対象となるデータはファクシミリデータであるが、上述したように、ファクシミリデータ以外のデータに対して第2実施形態に係る格納処理が適用されてもよい。
また、端末装置14が格納制御部を有していてもよい。例えば、端末装置14が電子メールを受信した場合、端末装置14の格納制御部は、管理情報(アドレス帳データや通信履歴情報)において送信元の識別情報を検索する。端末装置14の格納制御部は、管理情報に送信元の識別情報が登録されている場合、その送信元の識別情報に紐付くフォルダを作成し、そのフォルダに電子メールを格納し、管理情報に送信元の識別情報が登録されていない場合、予め定められた特定のフォルダ(例えば未分類フォルダ)に電子メールを格納する。フォルダは、端末装置14内に作成されてもよいし、サーバ12等の外部装置内に作成されてもよい。管理情報は、端末装置14に格納されていてもよいし、サーバ12等の外部装置に格納されていてもよい。また、端末装置14が画像データや文書データ等のデータを受信した場合において、そのデータの送信元の識別情報が管理情報に登録されている場合、端末装置14の格納制御部は、その送信元の識別情報に紐付くフォルダを作成し、そのフォルダにデータを格納する。その送信元の識別情報が管理情報に登録されていない場合、端末装置14の格納制御部は、予め定められた特定のフォルダ(例えば未分類フォルダ)にデータを格納する。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態に係るデータ管理システムについて説明する。第3実施形態に係るデータ管理システムは、第1実施形態に係るデータ管理システムと同じ構成を有する。
第3実施形態では、画像形成装置10の通信部16は、電子メールにファクシミリデータを添付し、その電子メールを予め定められた電子メールアドレス宛てに送信する。このようにして、ファクシミリデータが電子メールによって宛先に転送される。その転送先のアドレス等は、図4に示されている動作設定画面40、図6に示されている設定画面54、図12に示されている設定画面104等において設定される。
画像形成装置10の制御部28は、転送条件に応じて、電子メールによるファクシミリデータの転送、又は、その他の処理(例えば、用紙へのファクシミリデータの印刷)のいずれかの実行を制御してもよい。以下では、その他の処理として、用紙へのファクシミリデータの印刷が実行されるものとして説明するが、印刷以外の処理として、例えば、ファクシミリ受信の通知やサーバ12への転送等が行われてもよい。以下、転送条件について詳しく説明する。
(転送条件:時間帯)
一例として、転送条件は時間帯に関する条件である。例えば、画像形成装置10の制御部28は、転送時間帯に、電子メールによるファクシミリデータの転送の実行を制御し、その転送時間帯以外の時間帯に、用紙へのファクシミリデータの印刷の実行を制御する。その転送時間帯は、例えば、図15に示されている設定画面118等において設定される。転送時間帯は、曜日毎に設定されてもよいし、日時毎に設定されてもよいし、月日毎に設定されてもよいし、その他、転送時間帯として任意の時間帯が設定されてもよい。
時間帯に応じた制御について更に詳しく説明する。画像形成装置10のファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信した時間(日時や曜日等を含む概念)が、上記の転送時間帯に含まれる場合、制御部28は、そのファクシミリデータを電子メールに添付し、通信部16を制御することで、その電子メールを予め定められた転送先に送信する。一方、ファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信した時間が、上記の転送時間帯に含まれない場合、制御部28は、プリント部20を制御することで、そのファクシミリデータを用紙に印刷する。
転送時間帯に応じて電子メールによるファクシミリデータの転送を制御することで、ユーザの都合や状況に応じて、ファクシミリデータの出力が行われる。例えば、画像形成装置10がオフィスに設置されている場合、ユーザがオフィスに滞在していない時間帯が上記の転送時間帯として設定される。この場合、ユーザがオフィスに滞在している時間帯には、ファクシミリデータが用紙に印刷されるので、ユーザは用紙に印刷されたファクシミリデータの内容を参照することができる。このように、ユーザが用紙を参照することができる状況であるため、ファクシミリデータは電子メールによって転送されなくてもよい。一方、ユーザがオフィスに滞在していない時間帯には、ファクシミリデータは電子メールによって転送先に送られる。その転送先として、ユーザが所持する端末装置(例えばPCやタブレットPCやスマートフォン等)の電子メールアドレスを設定しておくことで、ユーザにファクシミリデータが送られる。それ故、ユーザがオフィスに滞在してない場合であってもファクシミリデータの内容を参照することができる。
なお、複数の転送時間帯が定められてもよいし、ファクシミリデータが添付された電子メールの送信先として、複数の電子メールアドレスが登録されてもよい。
(転送条件:データ容量)
別の例として、転送条件はファクシミリデータの容量に関する条件である。例えば、画像形成装置10の制御部28は、ファクシミリ部18によって受信されたファクシミリデータの容量が予め定められた閾値未満の場合、電子メールによるファクシミリデータの転送の実行を制御し、ファクシミリデータの容量が閾値以上の場合、用紙へのファクシミリデータの印刷の実行を制御する。その閾値は、例えば画像形成装置10のUI部24に表示される設定画面にて設定される。また、デフォルトの閾値が設定されていてもよい。
データ容量に応じた制御について更に詳しく説明する。画像形成装置10のファクシミリ部18によってファクシミリ受信されたファクシミリデータの容量が閾値未満の場合、制御部28は、そのファクシミリデータを電子メールに添付し、通信部16を制御することで、その電子メールを予め定められた転送先に送信する。一方、ファクシミリ受信されたファクシミリデータの容量が閾値以上の場合、制御部28は、プリント部20を制御することで、そのファクシミリデータを用紙に印刷する。
データ容量に応じた転送処理を行うことで、電子メールの受信側(例えばユーザの端末装置)における通信負荷が軽減される。上記の閾値は、転送先として登録された電子メールアドレス毎に定められてもよい。こうすることで、個々の転送先毎に、通信能力(例えばダウンロードの容量制限等)や通信状況(使用される通信経路の通信速度等)に応じた転送処理が行われる。
また、ファクシミリデータの容量が閾値以上の場合、画像形成装置10の制御部28は、そのファクシミリデータを複数に分割し、その分割によって生成されたデータ群に含まれる1又は複数のデータを、個別的に電子メールによって転送先に送信してもよい。制御部28は、1つの電子メールに1つのデータを添付して電子メールを送信してもよいし、1つの電子メールに複数のデータを添付して電子メールを送信してもよい。例えば、予め定められた許容容量以下の範囲で、複数のデータが1つの電子メールに添付されてもよい。
また、ファクシミリデータの容量が閾値以上の場合、画像形成装置10の制御部28は、そのファクシミリデータを圧縮し、圧縮後のデータを電子メールに添付して電子メールを送信してもよい。この場合、制御部28は、ファクシミリデータを複数のデータに分割した上で、分割によって生成された複数のデータを圧縮してもよい。
更に別の例として、電子メールの転送先と画像形成装置10との間の通信経路における通信状況に応じて、電子メールによる転送又は用紙への印刷のいずれかが実行されてもよい。例えば、その通信経路における通信速度が閾値以上の場合、電子メールによる転送が実行され、通信速度が閾値未満の場合、用紙への印刷が実行される。また、転送先の装置のスペックに応じて、電子メールによる転送又は用紙への印刷のいずれかが実行されてもよい。
(転送条件:位置関係)
更に別の例として、転送条件は、電子メールの転送先として登録されたユーザ(ユーザが所持する端末装置)の位置に関する条件である。例えば、画像形成装置10の制御部28は、転送先として登録されたユーザの位置に応じて、電子メールによるファクシミリデータの転送、又は、用紙へのファクシミリデータの出力のいずれかの実行を制御する。
より具体的には、転送条件は、転送先として登録されたユーザと、ファクシミリデータが出力される用紙の排出先(例えば画像形成装置10)と、の位置関係である。画像形成装置10のファクシミリ部18がファクシミリデータをファクシミリ通信によって受信した時点において、ユーザと画像形成装置10との間の距離が、予め定められた閾値未満の場合、画像形成装置10の制御部28は、プリント部20を制御することで、ファクシミリデータを用紙に印刷する。ユーザと画像形成装置10との間の距離が閾値以上の場合、制御部28は、ファクシミリデータを電子メールに添付し、通信部16を制御することで、その電子メールを転送先として登録されたユーザの端末装置に送信する。こうすることで、ユーザが画像形成装置10に対して比較的に近い位置にいる場合、ファクシミリデータが用紙に印刷され、ユーザが画像形成装置10に対して比較的に遠い位置にいる場合、ファクシミリデータが電子メールによってユーザに転送される。
例えば、画像形成装置10の制御部28は、GPS(Global Positioning System)を利用することで、画像形成装置10自身の位置を示す情報と、転送先として登録されたユーザが所持する端末装置の位置を示す情報を取得する。制御部28は、このようにして取得された位置情報を用いて、ユーザと画像形成装置10との位置関係を特定する。
また、制御部28は、転送先として登録されたユーザが、用紙の排出先(例えば画像形成装置10)を含む特定エリア内に存在する場合、プリント部20を制御することで、ファクシミリデータを用紙に印刷し、ユーザが特定エリア内に存在しない場合、ファクシミリデータを電子メールに添付し、通信部16を制御することで、その電子メールを転送先として登録されたユーザの端末装置に送信してもよい。
例えば、制御部28は、GPSを利用することで、転送先として登録されたユーザが所持する端末装置の位置を示す情報を取得し、その位置情報に基づいて、当該ユーザが特定エリア内に存在するか否かを判断する。
別の例として、特定エリアの出入口にゲートや扉が設けられており、そのゲートや扉に、ユーザの入退出を管理するための装置が設けられていてもよい。その装置は、例えば、NFC(Near Field Communication)等の近距離無線通信を利用して通信を行う通信器である。ユーザが、IDカード(例えば、ICカードによって構成される社員証、登録証、入退室管理カード等)をその通信器にかざすことで、特定エリアへのユーザの入室、及び、特定エリアからのユーザの退室が管理される。その管理は、例えば、入退室管理サーバ等によって行われる。制御部28は、その入退室管理サーバから、転送先として登録されたユーザの入退室に関する情報を取得し、その情報に基づいて、ユーザが特定エリア内に存在するか否かを判断する。
上記の特定エリアは、例えば、オフィス、教室、店舗、図書館、等である。例えば、オフィス内に画像形成装置10が設置されているものとする。転送先として登録されたユーザがそのオフィス内にいるときに、ファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信した場合、そのファクシミリデータが用紙に印刷される。一方、転送先として登録されたユーザがそのオフィス内にいないときに、ファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信した場合、そのファクシミリデータは電子メールに添付され、その電子メールがユーザの端末装置に送信される。
以上のように、ユーザの位置や画像形成装置の位置を利用することで、ユーザの位置に関する状況に応じたファクシミリデータの出力が実現される。
(転送条件:ユーザのスケジュール)
更に別の例として、転送条件は、電子メールの転送先として登録されたユーザのスケジュールに関する条件である。例えば、画像形成装置10の制御部28は、転送先として登録されたユーザのスケジュール(予定)に応じて、電子メールによるファクシミリデータの転送、又は、用紙へのファクシミリデータの印刷のいずれかの実行を制御する。
ユーザのスケジュールを示す情報(以下、「スケジュール情報」と称する)は、例えば、ユーザが所持する端末装置に記憶されていてもよいし、管理サーバ等の装置に記憶されていてもよいし、画像形成装置10に記憶されていてもよい。例えば、年毎、月毎、週毎、日毎、時間毎等に、ユーザのスケジュールが定められ、スケジュール情報は、そのようにして定められたスケジュールを示す情報である。画像形成装置10の制御部28は、端末装置や管理サーバ等の装置から、電子メールの転送先として登録されたユーザのスケジュール情報を取得する。
一例として、画像形成装置10がオフィス内に設定されているものとする。ファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信した場合、制御部28は、転送先として登録されたユーザのスケジュール情報を取得し、そのスケジュール情報に基づいてユーザの所在を推測する。例えば、ファクシミリデータの受信時に、ユーザが外出する予定になっていた場合、ユーザはオフィス内や社内にはいないと推測されるので、制御部28は、ファクシミリデータを電子メールに添付し、その電子メールをユーザが所持する端末装置(転送先として登録された端末装置)に送信する。一方、ファクシミリデータの受信時に、ユーザがオフィス内や社内にいると推測される場合、制御部28は、ファクシミリデータを用紙に印刷する。また、ユーザが会議に出席している場合のように、ファクシミリデータが印刷された用紙をユーザが直ちに取りに行けない場合には、制御部28は、ファクシミリデータが添付された電子メールをユーザの端末装置に送信してもよい。
上記のようにユーザのスケジュールを利用することで、ユーザのスケジュールに応じたファクシミリデータの出力が実現される。
第3実施形態において、ファクシミリデータの送信元のFAXIDと、電子メールの転送先のユーザ(そのユーザの電子メールアドレス)と、が予め対応付けられ、その対応付けを示す情報が画像形成装置10に記憶されていてもよい。この場合、ファクシミリ部18がファクシミリ通信によってファクシミリデータを受信すると、制御部28は、その対応付けを示す情報を参照することで、送信元のFAXIDに対応付けられているユーザ(電子メールアドレス)を特定する。次に、制御部28は、そのユーザの電子メールアドレス宛てに、ファクシミリデータが添付された電子メールを送信する。こうすることで、ファクシミリデータの送信元毎に設定された転送先に、ファクシミリデータが個別的に送信される。
ファクシミリデータが添付されている電子メールを受信した端末装置にて当該電子メールが削除された場合、画像形成装置10の制御部28は、そのファクシミリデータの送信元からの新たなファクシミリデータの受信を拒否(禁止)してもよいし、新たなファクシミリデータの電子メールによる転送を禁止してもよい。この処理について詳しく説明する。上記のように、転送先の端末装置において電子メールが削除された場合、端末装置は、サーバ12を介して、又は、画像形成装置10に対して直接的に、その削除を示す情報を送信する。その削除を示す情報には、削除された電子メールに添付されていたファクシミリデータのFAXIDが含まれている。画像形成装置10の制御部28は、その削除を示す情報を受信すると、その削除を示す情報に含まれるFAXIDが割り当てられている通信相手からの新たなファクシミリデータの受信を拒否する。この場合、ファクシミリ部18は、そのFAXIDが割り当てられている通信相手からファクシミリ通信によって送られてきたファクシミリデータを受信しない。また、その通信相手から新たなファクシミリデータがファクシミリ通信によって送られてきた場合、制御部28は、電子メール転送が有効に設定されている場合であっても、その新たなファクシミリデータが添付された電子メールを、転送先として登録されているユーザの端末装置に送信しない。電子メールを削除したということは、その電子メールに添付されているファクシミリデータがユーザにとって有用なデータではないと想定される。それ故、上記の制御を行うことで、ユーザにとって有用ではない送信元からのファクシミリデータが、電子メールによってそのユーザの端末装置に送られることが防止される。
別の例として、ファクシミリデータが添付されている電子メールを受信した端末装置にて当該電子メールが削除された場合、サーバ12の格納制御部38は、そのファクシミリデータの送信元からの新たなファクシミリデータを、送信元に依存しない特定のフォルダに格納してもよい。その特定のフォルダは、例えば、未分類フォルダや迷惑フォルダである。こうすることで、ユーザにとって有用ではないと想定される送信元からのファクシミリデータが、その送信元に固有のフォルダに格納されることが防止される。
<その他の実施形態>
上記の実施形態において、フォルダに格納されたファクシミリデータに対してセキュリティ処理が適用されてもよい。このセキュリティ処理は、画像形成装置10の制御部28又はサーバ12の制御部36によって行われる。例えば、フォルダやファクシミリデータにパスワードが設定されてもよいし、特定のユーザ(例えば管理権限を有するユーザや、特定のグループに属するユーザ等)のみにフォルダやファクシミリデータの閲覧が許可されてもよい。また、ファクシミリデータの送信元毎にセキュリティレベルが定められ、そのセキュリティレベルに応じた処理がフォルダやファクシミリデータに適用されてもよい。例えば、セキュリティレベルに応じて、フォルダやファクシミリデータの閲覧が許可されるユーザの権限が定められてもよい。また、ファクシミリデータが表す文書の内容(キーワード)に応じてセキュリティレベルが定められてもよい。例えば、文書に対してOCR処理等の文字認識処理が適用され、文書に含まれるキーワードに応じたセキュリティレベルが定められる。
サーバ12の記憶部34においてフォルダが既に作成されている場合、格納制御部38は、そのフォルダの名称(フォルダ名)に含まれる特定の文字列を検索キーとして用いて、ファクシミリデータに対して文字認識処理を適用してもよい。そのファクシミリデータに検索キーが含まれている場合、格納制御部38は、そのファクシミリデータを、その検索キーとして用いられた特定の文字列がフォルダ名に含まれるフォルダに格納する。そのファクシミリデータに検索キーが含まれていない場合、格納制御部38は、そのファクシミリデータを未分類フォルダに格納する。例えば、フォルダ名に区切り情報「@」が含まれている場合、その区切り情報「@」の後の部分又は前の部分に記述された文字列が検索キーとして用いられる。例えば、フォルダ名に文字列「請求書」が含まれている場合、その文字列「請求書」が検索キーとして用いられ、文字列「請求書」を含む文書を表すファクシミリデータが、フォルダ名に文字列「請求書」が含まれるフォルダに格納される(図9参照)。こうすることで、フォルダ名を利用してファクシミリデータが分類される。
上記の画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14のそれぞれは、一例としてハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される。具体的には、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14のそれぞれは、図示しないCPU等の1又は複数のプロセッサを備えている。当該1又は複数のプロセッサが、図示しない記憶装置に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14の各部の機能が実現される。上記プログラムは、CDやDVD等の記録媒体を経由して、又は、ネットワーク等の通信経路を経由して、記憶装置に記憶される。別の例として、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14のそれぞれの各部は、例えばプロセッサや電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア資源により実現されてもよい。その実現においてメモリ等のデバイスが利用されてもよい。更に別の例として、画像形成装置10、サーバ12及び端末装置14のそれぞれの各部は、DSP(Digital Signal Processor)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現されてもよい。