以下、本発明による電子メール仕分け装置、電子メール仕分け方法および電子メール仕分けプログラムの好適な実施形態について添付図を参照して説明する。なお、以下の説明においては、本発明による電子メール仕分け装置および電子メール仕分け方法について説明するが、かかる電子メール仕分け方法をコンピュータにより実行可能な電子メール仕分けプログラムとして実施するようにしても良いし、あるいは、電子メール仕分けプログラムをコンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録するようにしても良いことは言うまでもない。また、本発明は、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、スマートフォン、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末装置を始めとして、パーソナルコンピュータ、ゲーム機等、電子メールの送受信が可能な端末装置であれば、如何なる端末装置であっても好適に適用することが可能である。
(本発明の特徴)
本発明の実施形態の説明に先立って、本発明の特徴についてその概要をまず説明する。本発明は、受信ボックスにたまった電子メールをメールアドレス、件名の文字列等、ユーザが任意に設定した設定データ(設定基準)に基づいて、電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを自動的に作成するとともに、作成したメール仕分けルールに優先順位を自動的に付与することにより、電子メールを効率良く整理する仕組みを実現していることを主要な特徴としている。さらには、例えば、ユーザがメール仕分けルールを誤って削除してしまった場合であっても、ユーザがあらかじめ指定した起動条件が成立した時点(例えばあらかじめ指定した起動時刻に達した時点)で、自動的に、メール仕分けルールを再度作成することができるので、ユーザの意図にしたがって、自動的に電子メールを整理することが可能である。
つまり、本発明においては、前記特許文献1のような電子メールの受信時ではなく、ユーザが任意に設定した起動条件例えば起動時刻ごとに定期的に起動して、メール仕分けルールおよび該メール仕分けルールの優先順位付けを自動的に設定登録し、また、該メール仕分けルールによる受信ボックスの電子メールの整理を実施する。さらに、新着の電子メールを受信したタイミングにおいても、作成済みの該メール仕分けルールに基づいて新着電子メールの仕分けも自動的に実施されることになる。
したがって、例えば、ユーザが夜間等の任意の時刻を起動条件として指定することにより、メール仕分けルールおよび優先順位付けを自動的に設定登録することも、また、受信ボックス内の電子メールの自動的な整理を行うことも可能である。さらには、電子メールの受信時には、夜間に作成されていた該メール仕分けルールに基づいて受信した電子メールの仕分けを直ちに実施することも可能であり、受信した電子メールを見ようとするユーザに対してストレスを与えることはない。さらに、ユーザが指定した優先順位に応じて、電子メールの仕分けを行うメール仕分けルールを順番に設定登録して、該メール仕分けルールに基づく電子メールの整理を行うので、ユーザの意向にフィットした態様で、電子メールの整理が可能になるのみならず、前記特許文献1のように、電子メールの受信の都度、メール仕分けルールの作成を行う処理が繰り返されることもなく、効率的な運用が可能になる。
また、前記特許文献2とは異なり、電子メールの受信時においてユーザが特別に意識することも必要ではなく、ユーザが起動条件として任意にあらかじめ設定登録した時刻例えば夜間等の任意の時刻において、メール仕分けルールおよび優先順位付けを自動的に設定登録することも、また、該メール仕分けルールに基づく受信ボックス内の電子メールの整理を行うことも可能である。また、前記特許文献2のような電子メールの件名の完全一致のみによる仕分け処理とは異なり、電子メールの件名に含まれる部分的な文字列に基づいて、同一のフォルダに仕分けるべき電子メールを抽出するメール仕分けルールを設定登録することも、さらに、電子メールの送信元を示すメールアドレス(「Fromアドレス」)や宛先を示すメールアドレス(「Toアドレス」)等の他の仕分け対象項目をも含めて、優先順位を付与した状態で、それぞれの仕分け対象項目に基づくメール仕分けルールを設定登録することも可能であるので、電子メールの仕分け用として、不必要なフォルダが作成されてしまうこともなく、電子メールを効率的に整理することができる。
(実施形態の構成例)
次に、本発明による電子メール仕分け装置の装置構成の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本発明による電子メール仕分け装置の装置構成の一例を示すブロック構成図である。なお、図1には、電子メール仕分け装置を構成する各部位が、ハードウェア論理やファームウェア論理から構成されている例として説明しているが、電子メール仕分け装置そのものや1ないし複数の部位を、コンピュータによって実行可能なプログラム論理によって実現するようにしても良く、かかる場合には、図1に示す各部位のうち該当する部位は、それぞれの機能を実行するプログラムモジュールとして構成されることになる。
図1に示す電子メール仕分け装置10は、通常のメールクライアントとしてのメール作成、メール送信、メール受信、メール閲覧や削除等を行う通常メールクライアント部11と、受信ボックス内の電子メールや受信した電子メールを自動的に仕分けるメール仕分けルールを自動的に作成し、作成したメール仕分けルールに基づいて電子メールの仕分け処理を実行する電子メール仕分け実行部21とを、少なくとも備えて構成されている。なお、通常メールクライアント部11は、後述するように、電子メールを自動的に仕分ける仕組みとして本発明に特有の機能をも含んで構成されているが、自動的なメール仕分けルールの設定登録処理、電子メール仕分け処理が実行されていない状態においては、通常のメール機能が実行されることになる。
通常メールクライアント部11は、通常のメール機能として、送信処理部12、受信処理部13、アドレス帳18を備えている他、電子メールを自動的に仕分ける仕組みとして、メール仕分け処理部14、メール仕分けルール15、仕分けルール設定処理部16、フォルダ作成処理部17を少なくとも含んで構成されている。
送信処理部12は、メールサーバを介して宛先に送信しようとする電子メールの作成および送信を行う部位であり、受信処理部13は、メールサーバを介した送信元からの電子メールの受信を行い、画面に表示したり、受信ボックスに保存したりする部位である。メール仕分け処理部14は、電子メール受信時に、メール仕分けルール15にしたがって、受信した電子メールの仕分け先のフォルダへの移動等を行う部位であり、メール仕分けルール15は、電子メールを自動的に仕分けるための1ないし複数のルールを優先順位付けされた状態で設定登録している記憶部である。
また、仕分けルール設定処理部16は、受信した電子メールを仕分けるルールを作成するために、ユーザ自身が手動で作成したメール仕分けルールや電子メール仕分け実行部21において自動的に作成されたメール仕分けルールを、メール仕分けルール15に設定登録する部位である。フォルダ作成処理部17は、メール仕分け処理部14や電子メール仕分け実行部21においてメール仕分けルール15に基づいて仕分けられた電子メールそれぞれの格納場所となるフォルダを自動的に作成する部位であり、アドレス帳18は、電子メールの送信元や宛先等のメールアドレスを登録している部位である。
一方、電子メール仕分け実行部21は、ユーザによりあらかじめ指定された、電子メールを仕分けるための基準となる設定基準や、電子メールの仕分け動作を起動する起動条件等を受け取って、ユーザが指定した起動条件が成立した際に(例えば、起動時刻として指定した時刻に達した際に)、ユーザが指定した該設定基準に基づいて受信ボックス内の電子メールや受信した電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを作成したり、作成したメール仕分けルールにしたがって受信ボックス内の電子メールを仕分ける処理を実行したりするものであり、ルール設定&仕分け実行処理部21A、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25、仕分けルール優先順位付与部26、タイマ処理部27、設定データ保存部28、情報設定処理部29を少なくとも含んで構成されている。
ルール設定&仕分け実行処理部21Aは、ユーザによって任意に指定された設定基準に基づいて、受信ボックス内の電子メールや受信した電子メールを仕分けるための1ないし複数のメール仕分けルールを作成し、さらに、作成したメール仕分けルールに基づいて受信ボックス内の電子メールを振り分ける仕分け先のフォルダをフォルダ作成処理部17によって作成させ、さらに、受信ボックス内の電子メールのうち、メール仕分けルールそれぞれに基づいて仕分けられた電子メールを、作成されたそれぞれの仕分け先のフォルダに振り分ける処理を実行する部位であり、本実施形態においては、図1に示すように、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22、Toアドレス用作業テーブル22a、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23、Fromアドレス用作業テーブル23a、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24、件名文字列用作業テーブル24aを少なくとも含んで構成されている。
Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22は、電子メールの宛先を示す「To:アドレス」に基づくメール仕分けルールを作成し、メール仕分けルール15に設定登録するとともに、作成したメール仕分けルールによる電子メール仕分け先のフォルダをフォルダ作成処理部17において作成させるとともに、作成したメール仕分けルールに基づいて、仕分け先のフォルダに受信ボックス内の電子メールを振り分ける部位であり、ルール設定&仕分け実行処理部21Aを介して、後述するルール設定&仕分け実行処理起動処理部25によって起動される。
ルール設定&仕分け実行処理部21Aには、起動元のルール設定&仕分け実行処理起動処理部25からの引数であるパラメータとして仕分け対象項目、件数閾値および優先順位が入力される。ルール設定&仕分け実行処理部21Aは、パラメータの仕分け対象項目として電子メールの宛先を示す「Toアドレス」が有効であった場合に、入力された優先順位(つまり、電子メールの宛先の検索に関する優先順位)にしたがって、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22を起動して、入力されたパラメータの件数閾値(つまり、同一宛先を有する電子メールの件数に関する閾値すなわち同一Toアドレス件数閾値)を引き継ぐ。
Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22が起動されると、受信ボックス内の電子メールを検索して、宛先として、パラメータで指定された同一Toアドレス件数閾値以上の件数が存在していた場合には、該当する電子メールのToアドレス(宛先)に基づく電子メールの仕分けを行うためのメール仕分けルールを作成して、仕分け対象項目中における優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録する。さらに、フォルダ作成処理部17を駆動して、当該メール仕分けルールに基づく電子メールの仕分け先となるフォルダを作成させた後、メール仕分けルール15に設定登録した当該メール仕分けルールに基づいて、受信ボックス内の該当する電子メールを、対応して作成されたフォルダに振り分ける処理を行う。
つまり、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22においては、受信ボックス内の全電子メールのToアドレス(宛先)を1件ずつ確認し、同じToアドレス(宛先)の出現回数をカウントすることにより、パラメータで指定された件数閾値すなわち同一Toアドレス件数閾値以上に達していた場合には、当該Toアドレス(宛先)を有する電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを作成する。なお、かかる処理の実行過程において、Toアドレス用作業テーブル22aを、受信ボックス内の全電子メールに設定されているToアドレス(宛先)のうち、互いに異なるToアドレス(宛先)を保存するとともに、その出現回数をカウントするための作業領域として利用する。
さらに、仕分け先となるフォルダのフォルダ名を決定するために、当該Toアドレスがアドレス帳18に存在するか否かを確認し、存在していた場合には、アドレス帳18に登録されている表示名をフォルダ名として決定し、存在していなかった場合には、Toアドレス(つまり宛先を示すメールアドレス)の文字列そのものをフォルダ名として決定して、フォルダ作成処理部17によって、決定したフォルダ名を付した仕分け先のフォルダを新規に作成する。さらに、作成した当該Toアドレス(同一Toアドレス件数閾値以上の件数に達しているToアドレス(宛先))に基づく新規メール仕分けルールを、優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録するとともに、受信ボックス内の電子メールのうち、該当するToアドレス(宛先)を有する電子メールをすべて新規作成した仕分け先のフォルダへそれぞれ移動する。
また、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23は、電子メールの送信元を示す「From:アドレス」に基づくメール仕分けルールを作成し、メール仕分けルール15に設定登録するとともに、作成したメール仕分けルールによる電子メール仕分け先のフォルダをフォルダ作成処理部17において作成させるとともに、作成したメール仕分けルールに基づいて、仕分け先のフォルダに受信ボックス内の電子メールを振り分ける部位であり、ルール設定&仕分け実行処理部21Aを介して、後述するルール設定&仕分け実行処理起動処理部25によって起動される。
ルール設定&仕分け実行処理部21Aには、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合と同様、起動元のルール設定&仕分け実行処理起動処理部25からの引数であるパラメータとして仕分け対象項目、件数閾値および優先順位が入力される。ルール設定&仕分け実行処理部21Aは、パラメータの仕分け対象項目として電子メールの送信元を示す「Fromアドレス」が有効であった場合に、入力された優先順位(つまり、電子メールの送信元の検索に関する優先順位)にしたがって、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23を起動して、入力されたパラメータの件数閾値(つまり、同一送信元を有する電子メールの件数に関する閾値すなわち同一Fromアドレス件数閾値)を引き継ぐ。
Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23が起動されると、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合と同様、受信ボックス内の電子メールを検索して、送信元として、パラメータで指定された同一Fromアドレス件数閾値以上の件数が存在していた場合には、該当する電子メールのFromアドレス(送信元)に基づく電子メールの仕分けを行うためのメール仕分けルールを作成して、仕分け対象項目中における優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録する。さらに、フォルダ作成処理部17を駆動して、当該メール仕分けルールによる電子メールの仕分け先となるフォルダを作成させた後、メール仕分けルール15に設定登録した当該メール仕分けルールに基づいて、受信ボックスの該当する電子メールを、対応して作成されたフォルダに振り分ける処理を行う。
つまり、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23においては、受信ボックス内の全電子メールのFromアドレス(送信元)を1件ずつ確認し、同じFromアドレス(送信元)の出現回数をカウントすることにより、パラメータで指定された件数閾値すなわち同一Fromアドレス件数閾値以上に達していた場合には、当該Fromアドレス(送信元)を有する電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを作成する。なお、かかる処理の実行過程において、Fromアドレス用作業テーブル23aを、受信ボックス内の全電子メールに設定されているFromアドレス(送信元)のうち、互いに異なるFromアドレス(送信元)を保存するとともに、その出現回数をカウントするための作業領域として利用する。
さらに、仕分け先となるフォルダのフォルダ名を決定するために、当該Fromアドレスがアドレス帳18に存在するか否かを確認し、存在していた場合には、アドレス帳18に登録されている表示名をフォルダ名として決定し、存在していなかった場合には、Fromアドレス(つまり送信元を示すメールアドレス)の文字列そのものをフォルダ名として決定して、フォルダ作成処理部17によって、決定したフォルダ名を付した仕分け先のフォルダを新規に作成する。さらに、作成した当該Fromアドレス(同一Fromアドレス件数閾値以上の件数に達しているFromアドレス(送信元))に基づく新規メール仕分けルールを、優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録するとともに、受信ボックス内の電子メールのうち、該当するFromアドレス(送信元)を有する電子メールをすべて新規作成した仕分け先のフォルダへそれぞれ移動する。
また、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24は、電子メールの件名に含まれる文字列(件名の全てまたは一部の文字列)に基づくメール仕分けルールを作成し、メール仕分けルール15に設定登録するとともに、作成したメール仕分けルールによる電子メール仕分け先のフォルダをフォルダ作成処理部17において作成させるとともに、作成したメール仕分けルールに基づいて、仕分け先のフォルダに受信ボックス内の電子メールを振り分ける部位であり、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合と同様、ルール設定&仕分け実行処理部21Aを介して、後述するルール設定&仕分け実行処理起動処理部25によって起動される。
ルール設定&仕分け実行処理部21Aには、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合と同様、起動元のルール設定&仕分け実行処理起動処理部25からの引数であるパラメータとして仕分け対象項目、件数閾値および優先順位が入力される。ルール設定&仕分け実行処理部21Aは、パラメータの仕分け対象項目として電子メールの件名文字列が有効であった場合に、入力された優先順位(つまり、電子メールの件名文字列の検索に関する優先順位)にしたがって、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24を起動して、入力されたパラメータの件数閾値(つまり、件名に同一文字列を有する電子メールの件数に関する閾値すなわち同一件名文字列件数閾値)を引き継ぐ。
件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24が起動されると、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合と同様、受信ボックス内の電子メールを検索して、件名の文字列として、パラメータで指定された同一件名文字列件数閾値以上の件数が存在していた場合には、該当する電子メールの件名文字列に基づく電子メールの仕分けを行うためのメール仕分けルールを作成して、仕分け対象項目中における優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録する。さらに、フォルダ作成処理部17を駆動して、当該メール仕分けルールによる電子メールの仕分け先となるフォルダを作成させた後、メール仕分けルール15に設定登録した当該メール仕分けルールに基づいて、受信ボックスの該当する電子メールを、対応して作成されたフォルダに振り分ける処理を行う。
つまり、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24においては、受信ボックス内の全電子メールの件名に含まれている1ないし複数の文字列を1件ずつ確認し、各電子メールのうち件名に同じ文字列が含まれている電子メールの出現回数をカウントすることにより、パラメータで指定された件数閾値すなわち同一件名文字列件数閾値以上に達していた場合には、当該文字列が含まれている件名を有する電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを作成する。なお、かかる処理の実行過程において、件名文字列用作業テーブル24aを、受信ボックス内の全電子メールに設定されている件名に含まれている文字列のうち、互いに異なる文字列を保存するとともに、それぞれの文字列を件名に含む電子メールの出現回数をカウントするための作業領域として利用する。
さらに、同一件名文字列件数閾値以上に達していた文字列そのものを仕分け先となるフォルダのフォルダ名として決定して、フォルダ作成処理部17によって、決定したフォルダ名を付した仕分け先のフォルダを新規に作成する。さらに、作成した当該文字列(同一件名文字列件数閾値以上の件数に達している文字列)に基づく新規メール仕分けルールを、優先順位を付与した状態でメール仕分けルール15に設定登録するとともに、受信ボックス内の電子メールのうち、該当する文字列を含む件名を有する電子メールをすべて新規作成した仕分け先のフォルダへそれぞれ移動する。
なお、本実施形態においては、ルール設定&仕分け実行処理部21Aにおける仕分け対象項目として、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの項目を設定している場合について示しているが、本発明は、かかる場合のみに限るものではなく、ユーザに好適に利用される項目であれば、如何なる項目であっても設定することができる。例えば、Senderアドレス(実際の送信元を示すメールアドレス)を設定するようにしても良いし、電子メールの本文中の文字列を設定するようにしても良いし、添付ファイルの有無や添付ファイルのファイル形式、添付ファイルのファイル名に含まれる文字列や添付ファイルが文書ファイルであった場合の該文書ファイル中に含まれている文字列を設定するようにしても良い。さらには、電子メールの送信時刻範囲や受信時間範囲を設定するようにしても良いし、メールマガジンや返信メール、転送メール等の電子メール種別や電子メールアプリケーションであるメールクライアントプログラムの種別を設定するようにしても良いし、あるいは、送信メールサーバアドレス(送信メールアドレスのドメイン名)、受信メールサーバアドレス(受信メールアドレスのドメイン名)を設定するようにしても良い。つまり、かくのごとき各種の項目のうち、いずれか1ないし複数の項目を適宜選択して、有効な仕分け対象項目として設定するようにすれば良い。さらには、各種の項目のうち、いずれか複数の項目の組合せ(例えば、「Toアドレス」と「送信時間範囲」との組合せあるいは「送信元」と「電子メール種別」や「メールクライアントプログラム種別」との組合せ等)を、仕分け対象項目として設定するようにしても良い。
次に、図1の情報設定処理部29は、ユーザインタフェースを有しており、ユーザによって入力された情報を設定データとして取り込んで、設定データ保存部28に保存する部位である。ユーザから指定される設定データとしては、電子メールを仕分けるための基準となる設定基準や仕分ける動作を起動する起動条件等がある。
情報設定処理部29においてユーザが設定する具体的な設定データとしては、受信ボックス内の電子メールの仕分け対象項目(本実施形態においては、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの項目)それぞれについて、その優先順位、自動仕分け処理の実施の是非(有効/無効)、自動仕分け処理を起動するタイミング、自動仕分けルールを作成する作成条件となる件数閾値等がある。例えば、仕分け対象項目が「Toアドレス(宛先)」であった場合、「Toアドレス」に基づく仕分け処理を仕分け対象項目中の何番目に実行する優先順位にするか、受信ボックス内の電子メールとして同じ「Toアドレス」のものがあった場合にメール仕分けルール作成を有効とするか、メール仕分けルールを作成する場合は同じ「Toアドレス」のものが何件あった場合にメール仕分けルール作成の条件とするか、をユーザは任意に指定することができる。
同様に、仕分け対象項目が「Fromアドレス(送信元)」であった場合、「Fromアドレス」に基づく仕分け処理を仕分け対象項目中の何番目に実行する優先順位にするか、受信ボックス内の電子メールとして同じ「Fromアドレス」のものがあった場合にメール仕分けルール作成を有効とするか、メール仕分けルールを作成する場合は同じ「Fromアドレス」のものが何件あった場合にメール仕分けルール作成の条件とするか、をユーザは任意に指定することができる。また、仕分け対象項目が「件名文字列」であった場合、「件名文字列」に基づく仕分け処理を仕分け対象項目中の何番目に実行する優先順位にするか、受信ボックス内の電子メールとして件名の中に同じ「文字列」があった場合にメール仕分けルール作成を有効とするか、メール仕分けルールを作成する場合は同じ「文字列」のものが何件あった場合にメール仕分けルール作成の条件とするか、をユーザは任意に指定することができる。さらには、それぞれの仕分け対象項目をいつ起動するかという起動条件についても、ユーザは任意に指定することができる。
すなわち、設定基準としては、ルール設定&仕分け実行処理部21Aにおける仕分け対象項目(本実施形態においては、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの項目)のうち、いずれを有効にし、いずれを無効にするかを指示する項目指定データ、それぞれのルール設定&仕分けを実行する際の優先順位を指定する優先順位データ、および、メール仕分けルールとして作成するか否かを識別する基準としてあらかじめユーザが任意に設定した件数閾値データ(同一の仕分け先とすべき電子メールの件数として、該件数閾値以上の件数が受信ボックス内に存在しているか否かを判別するためのデータ)を少なくとも含んでいる。なお、場合によっては、さらに、比較対象文字数データとして、受信ボックス内の電子メールが同一の仕分け先とすべき電子メールとして分類するか否かを判定する際に、比較対象とすべき文字数を指定することができるようにしても良い。
一方、起動条件は、ルール設定&仕分け実行処理部21Aの動作を起動するタイミングを指定するものであり、例えば、毎日深夜の時刻や毎週日曜日の特定時刻や毎月の月末や月初めの特定時刻等、年月日・時刻の時計情報により定期的に起動するようなタイミング値を指定したり、ユーザが指示した際に直ちに起動するように指定したり、あるいは、電子メール仕分け装置10の電源の投入操作時や切断操作時等の動作モードの変化時点を指定したりすることができる。
設定データ保存部28は、前述のように、情報設定処理部29がユーザから受け取った設定基準や起動条件等の入力情報を設定データとして保存する部位であり、前述したように、仕分け処理の実行が有効か否かを示す項目指定データ、仕分け処理の優先順を示す優先順位データ、メール仕分けルールを作成すべき同一属性の電子メールの件数を示す件数閾値データ等の設定基準に関するデータ、自動仕分け処理を実行するルール設定&仕分け実行処理部21Aを起動するタイミングを示す起動条件に関するデータ、を設定データとして少なくとも保存している。
設定データ保存部28に保存されている設定データのうち、設定基準中の優先順位データは、後述するルール優先順位付与部26において参照され、その他の設定基準に関するデータは、後述するルール設定&仕分け実行処理起動処理部25において参照される。一方、起動条件に関するデータは、後述するタイマ処理部27において参照される。
タイマ処理部27は、時刻を計数する部位であり、設定データ保存部28に保存されている起動条件に指定された時刻に達した際に、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を起動する。なお、タイマ処理部27は、時刻を計数するのみならず、電子メール仕分け装置10の電源の投入時や切断時等の動作モードの変化時点を定期的に監視し、設定データ保存部28に保存されている起動条件に指定された動作モードの変化を検出した際に、同様に、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を起動する。つまり、ユーザによって任意に指定されたタイミングや条件の成立時に、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を起動する。
ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25は、ルール設定&仕分け実行処理部21Aを起動する部位であり、タイマ処理部27によって起動される。ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25が起動されると、設定データ保存部28に保存されている設定基準に関するデータを参照して、仕分け処理の実行が有効か否かを示す項目指定データ、メール仕分けルールを作成すべき同一属性の受信メール件数を示す件数閾値データ等の設定基準に関するデータ、を取得するとともに、後述するルール優先順位付与部26から得られる実行優先順位に関するデータを取得して、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25に対してパラメータ(引数)として引き継ぐ。つまり、ユーザによって任意に指定された設定基準に基づいてルール設定処理や電子メールの仕分け処理を実行させるためのパラメータ(引数)としてルール設定&仕分け実行処理起動処理部25に引き継ぐ。
ルール優先順位付与部26は、設定データ保存部28に保存されている優先順位に関する設定データを取り出して、ルール設定&仕分け実行処理部21Aにおけるメール仕分けルールの作成処理の優先順位および受信した電子メールの仕分け処理の優先順位を指定するデータを、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25に引き渡す部位である。なお、本実施形態においては、本発明の特徴の一つである1ないし複数の仕分け対象項目を用いた電子メール仕分け処理の優先順位付けのイメージをより明確にするために、ルール優先順位付与部26を、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25と別個に設けているが、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25に含むように構成しても構わない。
(実施形態の動作例の説明)
次に、図1に示した電子メール仕分け装置10の動作の一例を詳細に説明する。本実施形態においては、前述したように、ルール設定&仕分け実行処理部21Aにおける仕分け対象項目として、「Toアドレス(宛先を示すメールアドレス)」、「Fromアドレス(送信元を示すメールアドレス)」、「件名文字列(件名に含まれる文字列)」の3つの項目を用いる場合について、設定基準、起動条件としてユーザが任意に設定した設定内容に応じて、受信ボックスに蓄積されている電子メールや受信した電子メールを仕分けるためのメール仕分けルールを自動的に作成し、作成したメール仕分けルールにより受信ボックス内の電子メールを自動的に整理する動作について説明する。しかし、仕分け対象項目は、前述したように、かかる3つの場合のみに限るものではなく、適宜設定することが可能であることは言うまでもない。
図2は、図1に示す電子メール仕分け装置10の情報設定処理部29においてユーザインタフェース用として画面表示される条件設定画面の画面構成例を示す画面図であり、設定データ保存部28に設定される設定データを構成する設定基準および起動条件をユーザが任意に設定するためのユーザインタフェースの一例を示している。
図2に示す条件設定画面30は、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの仕分け対象項目に対応した形式で、設定基準となるToアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33の各入力欄および起動条件となる処理実行時刻34の入力欄が表示されており、さらに、条件設定画面30の入力情報を取り込むことを指示する「OK」ボタン、条件設定画面30の入力情報の取消しを指示する「CANCEL」ボタンが表示されている。
Toアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33のそれぞれには、それぞれによるメール仕分けルールの作成を有効にするか無効にするかを指定する有効ボタン31a,32a,33aとして、「Toアドレスを仕分け条件とする。」、「Fromアドレスを仕分け条件とする。」、「件名の文字列を仕分け条件とする。」のそれぞれのラジオボタンを画面表示しており、有効ボタン31a,32a,33aにより選択した仕分け対象項目が有効になる。
また、Toアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33のそれぞれの有効ボタン31a,32a,33aの表示に続く件数31b,32b,33bの入力欄は、有効ボタン31a,32a,33aを有効にした場合に有効になる。件数31b,32b,33bの「条件とする件数:」の後のテキストボックスに入力される件数が、それぞれの仕分け対象項目に基づくメール仕分けルールを作成するか否かを判別するための件数閾値となり、受信ボックス内の電子メールの検索結果として、それぞれの仕分け対象項目について同一仕分け先とされる電子メールの件数が、前記件数閾値以上に達している場合に、該当する同一仕分け先の電子メールに関するメール仕分けルールを作成することになる。
また、Toアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33のそれぞれの件数31b,32b,33bの表示に続く優先順位31c,32c,33cの入力欄には、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの仕分け対象項目について、メール仕分けルールを作成する順番および電子メールの仕分けを実行する順番を示す優先順位を設定する。優先順位31c,32c,33cの「優先順位:」の後のテキストボックスに"1"〜"3"の数値として入力する。
また、処理実行時刻34の「処理実行時刻:」後のテキストボックスには、仕分け処理を起動するタイミングを示す○○時××分を、「○○:××」の形式で入力する。
それぞれの該当する入力欄に入力し終った際に、ユーザが「OK」ボタンを選択することにより、条件設定画面30に画面表示されている設定内容が、情報設定処理部29によって取り込まれて、設定基準、起動条件を示す設定データとして、設定データ保存部28に設定される。一方、「CANCEL」ボタンを選択した場合は、条件設定画面30に入力されていた設定内容は無効になり、情報設定処理部29に取り込まれることなく、条件設定画面30の表示も消えて、設定データ保存部28の更新は行われない。
なお、図2に示すToアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33の入力欄に、さらに、場合によっては、比較対象文字数の入力欄を追加して設けるようにしても良い。かかる場合において、比較対象文字数の入力欄に文字数を示す数値が入力された場合には、比較対象文字数が入力されたToアドレス31、Fromアドレス32、件名文字列33について、同一仕分け先とする電子メールとするか否かを判別する際の文字数が指定されていることになる。比較対象文字数を指定した場合、比較対象とする文字列の先頭位置を指定しない任意の位置としても良いし、比較対象とする文字列の先頭位置を指定するようにしても良い。
また、起動条件として処理実行時刻34(○○時××分)という時刻情報のみならず、年月や週や日を指定する入力欄を追加して設けても良いし、あるいは、場合によっては、電子メール仕分け装置10の動作モードの変化を指定する入力欄を設けるようにしても良い。
次に、図2の条件設定画面30によってユーザから入力された設定基準や起動条件を設定データとして、設定データ保存部28に設定した様子を、図3を用いて説明する。図3は、図1に示す電子メール仕分け装置10の設定データ保存部28に設定した設定データの具体的な設定内容の一例を示す説明図であり、図2の条件設定画面30の各入力欄を用いてユーザにより入力された設定情報を、情報設定処理部29を介して、設定データ保存部28に設定した具体例を示している。
図3に示す設定データ保存部28の設定データ40においては、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの仕分け対象項目のうち、「Toアドレス(宛先)」、「件名文字列」については、Toアドレス41a、件名文字列43aに示すように、"有効"であり、仕分けの対象とすべき旨を設定しているが、「Fromアドレス(送信元)」については、Fromアドレス42aに示すように、"無効"であり、仕分け対象としては指定していない。
"有効"に設定された「Toアドレス(宛先)」、「件名文字列」それぞれの件数閾値は、件数41b,43bに示すように、それぞれ、"5件"、"3件"であり、仕分け処理を行う優先順位は、優先順位41c,43cに示すように、それぞれ、"1"、"2"である。なお、"無効"に設定された「Fromアドレス(送信元)」の変数閾値、優先順位として、図3の件数42bに示す例では、"10件"と設定されているが、無効なデータであり、また、優先順位42cには"FF"と優先順位としては無効な値が設定されている例を示している。
また、図3の起動条件に関する設定例においては、"有効"に設定された「Toアドレス(宛先)」、「件名文字列」の仕分け処理を起動する起動時刻として、処理実行時刻44に示すように、深夜帯の02:00(2時00分)が設定されていて、毎日深夜の2時に達する都度、定期的に、仕分け処理が起動されるように設定している例を示している。
次に、図3の設定データ保存部28の設定データ40の設定例に示すような条件下において、仕分け対象項目の各仕分け処理を実行した場合の作業テーブルの記憶状態について、図3において優先順位"1"に設定された「Toアドレス」を例にとって説明する。すなわち、図3のような設定データの場合、図1のルール設定&仕分け実行処理部21Aは、まず、優先順位"1"のToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22を起動して、受信ボックス内の電子メールの「Toアドレス(宛先)」の検索処理を実行するが、その際に、Toアドレス用作業テーブル22aに記憶される「Toアドレス(宛先)」に関する検索件数の具体例を、図4を用いて説明する。図4は、図1のToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の検索結果としてToアドレス用作業テーブル22aに記憶された「Toアドレス(宛先)」に関する検索件数の具体例を説明するための説明図であり、受信ボックス内の全電子メールの「Toアドレス(宛先)」を検索した結果を記憶しており、情報要素テーブル一覧50として、異なる「Toアドレス(宛先)」ごとに検索されたそれぞれの出現件数が記憶されている。
つまり、図4に示す情報要素テーブル一覧50においては、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の受信ボックス内の電子メールの検索結果として、異なる「Toアドレス(宛先)」が検索される都度、第1要素51、第2要素52、第3要素53、…として、検索された「Toアドレス(宛先)」を順次Toアドレス用作業テーブル22aに記憶していき、Toアドレス用作業テーブル22aに既に記憶済みの「Toアドレス(宛先)」が検索される都度、その検索回数を、該「Toアドレス(宛先)」の件数として、Toアドレス用作業テーブル22aに記憶している。
Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22によって、受信ボックス内の全ての電子メールに関する検索処理が終了した段階で、例えば、図4に示す情報要素テーブル一覧50に示すような検索結果が得られた場合には、図3の設定データ40に示したように、「Toアドレス(宛先)」に関するメール仕分けルールの作成を行う件数閾値として"5"とユーザによって指定されているので、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22は、図4の情報要素テーブル一覧50において件数閾値"5"以上である第2要素52(すなわち、受信ボックス内にToアドレスとして同じメールアドレスが"5件"蓄積されていた電子メール)に関するメール仕分けルールを作成することになる。
なお、以上の図4の説明においては、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の場合について説明したが、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23や件名文字列設定&仕分け実行処理部24の場合についても、設定データ保存部28に保存されている設定データが"有効"であれば、全く同様の動作を行うものであり、それぞれ、「Fromアドレス」、「件名文字列」を検索する動作を行い、検索結果が、図4に示すような情報要素テーブル一覧50として、Toアドレス用作業テーブル22aの代わりに、Fromアドレス用作業テーブル23a、件名文字列用作業テーブル24aに記憶される。
次に、図1に示す電子メール仕分け装置10のタイマ処理部27の動作の一例を、図5のフローチャートを用いて説明する。図5は、図1に示す電子メール仕分け装置10のタイマ処理部27の動作の一例を説明するためのフローチャートである。
図5のフローチャートにおいて、まず、仕分け処理を起動するための起動条件が設定データとして保存されている設定データ保存部28から、起動条件を示す設定値(図3の設定データ40に示す処理実行時刻44)を取得して(ステップS11)、現在時刻が、取得した起動条件を示す設定値(すなわち処理実行時刻)に達したか否かを確認する(ステップS12)。現在時刻が、設定値(すなわち処理実行時刻)に達していない場合は(ステップS12のN)、あらかじめ定めた一定時間の間休止し(ステップS14)、一定時間が経過した時点で、ステップS12の処理に復帰して、再度、現在時刻が、取得した起動条件を示す設定値(すなわち処理実行時刻)に達したか否かを確認するという動作を繰り返す。
ここで、現在時刻が、設定値(すなわち処理実行時刻)に達した場合は(ステップS12のY)、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を起動し(ステップS13)、しかる後、ステップS14に移行して、あらかじめ定めた一定時間の間休止する(ステップS14)。かかる動作を行うことによって、ユーザが設定した起動条件が成立する都度、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を起動して、仕分け処理を実行させることになる。
次に、図1に示す電子メール仕分け装置10のルール設定&仕分け実行処理部21Aの動作の一例を、図6のフローチャートを用いて説明する。図6は、図1に示す電子メール仕分け装置10のルール設定&仕分け実行処理部21Aの動作の一例を説明するためのフローチャートである。電子メール仕分け装置10のルール設定&仕分け実行処理部21Aは、図5のフローチャートにて説明したように、ユーザが設定した起動条件が成立した際にタイム処理部27によって起動されるルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を介して起動される。
ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25においては、ルール設定&仕分け実行処理部21Aを起動する際に、設定データ保存部28に設定されている設定基準を示す設定データのうち仕分け処理を実行する順番を示す優先順位に関する設定値以外の設定データ(つまり、仕分け処理の実行を有効としているか否かを示す設定値、メール仕分けルールを作成すべき件数閾値を示す設定値)を取得するとともに、ルール優先順位付与部26から仕分け処理を実行する優先順位を示す設定値を取得して、ルール設定&仕分け実行処理部21Aに引数となるパラメータとして引き継ぐ。なお、ルール優先順位付与部26は、設定データ保存部28に設定されている設定規準を示す設定データのうち仕分け処理を実行する優先順位を示す設定値を取得して、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25に引き継いでいる例を示しているが、前述したように、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25内に含まれるように構成しても良い。
図6のフローチャートにおいて、設定データ保存部28に保存されていて、ルール設定&仕分け実行処理起動処理部25を介して引き継がれてきた、仕分け処理の実行を有効としているか否かを示す設定値(図3の設定データ40に示すToアドレス41a、Fromアドレス42a、件名文字列43a)、メール仕分けルールを作成すべき件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数41b,42b,43b)、および、仕分け処理を実行する優先順位を示す設定値(図3の設定データ40に示す優先順位41c,42c,43c)のそれぞれを取得して(ステップS21)、まず、優先順位が"1"に設定されている仕分け対象項目を調べる(ステップS22)。なお、優先順位"1"に設定されている仕分け対象項目が存在しない場合は、優先順位"1"の処理を飛ばして、次の優先順位"2"の処理に移る。
優先順位が"1"に設定されている仕分け対象項目が「Toアドレス(宛先)」であった場合(ステップS22の「Toアドレス」の場合)、取得した「Toアドレス」に関する"有効"/"無効"を示す設定値((図3の設定データ40に示すToアドレス41a)を参照して、「Toアドレス(宛先)」の仕分け処理の実行が"有効"に設定されているか否かを確認する(ステップS23)。"有効"に設定されていなかった場合は(ステップS23のN)、何も処理しないで、次の優先順位が"2"の仕分け対象項目を処理するステップS29に移行するが、"有効"に設定されていた場合は(ステップS23のY)、「Toアドレス」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数41b)を引数となるパラメータとして設定して、Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22を起動する(ステップS24)。
同様に、優先順位が"1"に設定されている仕分け対象項目が「Fromアドレス(送信元)」であった場合(ステップS22の「Fromアドレス」の場合)、取得した「Fromアドレス」に関する"有効"/"無効"を示す設定値((図3の設定データ40に示すFromアドレス42a)を参照して、「Fromアドレス(送信元)」の仕分け処理の実行が"有効"に設定されているか否かを確認する(ステップS25)。"有効"に設定されていなかった場合は(ステップS25のN)、何も処理しないで、次の優先順位が"2"の仕分け対象項目を処理するステップS29に移行するが、"有効"に設定されていた場合は(ステップS25のY)、「Fromアドレス」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数42b)を引数となるパラメータとして設定して、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23を起動する(ステップS26)。
また、優先順位が"1"に設定されている仕分け対象項目が「件名文字列」であった場合(ステップS22の「件名文字列」の場合)、同様に、取得した「Fromアドレス」に関する"有効"/"無効"を示す設定値((図3の設定データ40に示す件名文字列43a)を参照して、「件名文字列」の仕分け処理の実行が"有効"に設定されているか否かを確認する(ステップS27)。"有効"に設定されていなかった場合は(ステップS27のN)、何も処理しないで、次の優先順位が"2"の仕分け対象項目を処理するステップS29に移行するが、"有効"に設定されていた場合は(ステップS27のY)、「件名文字列」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数43b)を引数となるパラメータとして設定して、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24を起動する(ステップS28)。
優先順位が"1"に設定されている仕分け対象項目に関する起動処理が終了すると、ステップS29に移行して、優先順位が"2"に設定されている仕分け対象項目を調べる(ステップS29)。なお、優先順位"2"に設定されている仕分け対象項目が存在しない場合は、優先順位"2"の処理を飛ばして、次の優先順位"3"の処理に移る。優先順位"2"に設定されている仕分け対象項目が存在する場合は、優先順位"2"について、優先順位"1"の場合と同様の処理を実行する。
すなわち、「Toアドレス」、「Fromアドレス」、「件名文字列」のうち、優先順位が"2"に設定されていた仕分け対象項目を調べて(ステップS29の「Toアドレス」または「Fromアドレス」または「件名文字列」)、"有効"に設定されていなかった場合は(ステップS30のN、または、ステップS32のN、または、ステップS34のN)、何も処理しないで、次の優先順位が"3"の仕分け対象項目を処理するステップS36に移行するが、"有効"に設定されていた場合は(ステップS30のY、または、ステップS32のY、または、ステップS34のY)、該当する仕分け対象項目に関する件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数41b,42b,43b)を引数となるパラメータに設定して、該当するToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22、または、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23、または、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24を起動する(ステップS31、または、ステップS33、または、ステップS35)。
優先順位が"2"に設定されている仕分け対象項目に関する起動処理が終了すると、ステップS36に移行して、優先順位が"3"に設定されている仕分け対象項目を調べる(ステップS36)。優先順位"3"に設定されている仕分け対象項目が存在しない場合は、優先順位"3"の処理を飛ばして、処理を終了する。優先順位"3"に設定されている仕分け対象項目が存在する場合は、優先順位"3"についても、優先順位"1"の場合と同様の処理を実行する。
すなわち、「Toアドレス」、「Fromアドレス」、「件名文字列」のうち、優先順位が"3"に設定されていた仕分け対象項目を調べて(ステップS36の「Toアドレス」または「Fromアドレス」または「件名文字列」)、"有効"に設定されていなかった場合は(ステップS37のN、または、ステップS39のN、または、ステップS41のN)、何も処理しないで、処理を終了するが、"有効"に設定されていた場合は(ステップS37のY、または、ステップS39のY、または、ステップS41のY)、該当する仕分け対象項目に関する件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数41b,42b,43b)を引数となるパラメータに設定して、該当するToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22、または、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23、または、件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24を起動して(ステップS38、または、ステップS40、または、ステップS42)、処理を終了する。
次に、図1に示す電子メール仕分け装置10のToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の動作の一例を、図7のフローチャートを用いて説明する。図7は、図1に示す電子メール仕分け装置10のToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の動作の一例を説明するためのフローチャートである。Toアドレスルール設定&仕分け実行処理部22は、図6において説明したように、ルール設定&仕分け実行処理部21Aによって起動され、起動時に、引数となるパラメータとして「Toアドレス」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数41b)が引き継がれる。
図7のフローチャートにおいて、まず、最初に、受信ボックス内の電子メールに出現する異なるToアドレス(宛先)を保存するとともにその出現回数をカウントするための作業領域として利用されるToアドレス用作業テーブル22aの内容を、全領域に亘って、"0"に初期化する(ステップS51)。次いで、受信ボックス内の電子メールのうち、第1通目の電子メールからToアドレス(宛先を示すメールアドレス)を取得する(ステップS52)。
次に、取得したToアドレスがToアドレス用作業テーブル22aに既に存在しているか否かを確認し(ステップS53)、存在していない場合は(ステップS53のN)、取得した当該Toアドレスを新たな要素としてToアドレス用作業テーブル22aに登録し、件数として"1"を設定した後(ステップS54)、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS63に移行する。
一方、取得したToアドレスがToアドレス用作業テーブル22aに既に存在している場合には(ステップS53のY)、Toアドレス用作業テーブル22a内の当該Toアドレスの件数を+1加算する(ステップS55)。そして、加算結果として、当該Toアドレスの件数がパラメータとして引き継がれてきた件数閾値に達したか否かを確認する(ステップS56)。件数閾値に達していなかった場合は(ステップS56のN)、メール仕分けルールの作成基準を満たしていないToアドレスであるので、何も処理することなく、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS63に移行する。
これに対して、当該Toアドレスの件数が件数閾値に達した場合は(ステップS56のY)、当該Toアドレスに関するメール仕分けルールの登録と受信ボックス内の当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け処理を実行する。
まず、当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け先となるフォルダのフォルダ名を決定するために、アドレス帳18を参照して、アドレス帳18に当該Toアドレスと同じメールアドレスが存在しているか否かを確認する(ステップS57)。アドレス帳18に同じメールアドレスが存在していた場合には(ステップS57のY)、当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け先のフォルダのフォルダ名として、アドレス帳18に存在していたメールアドレスに対応する表示名を設定し(ステップS58)、アドレス帳18に同じメールアドレスが存在していなかった場合は(ステップS57のN)当該Toアドレスのメールアドレスそのものの文字列をフォルダ名に設定して(ステップS59)、当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け先となる新規のフォルダを作成する(ステップS60)。
しかる後、受信ボックス内の当該Toアドレスが設定されている全電子メールを、当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動する(ステップS61)。
さらに、受信処理部13における電子メールの受信時に、当該Toアドレスが設定されている電子メールは、当該Toアドレスを有する電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動するという新規のメール仕分けルールを作成して、Toアドレスに基づく仕分け処理の優先順位を付した状態で仕分けルール設定処理部16を介してメール仕分けルール15に登録する(ステップS62)。そして、次の電子メールを処理するために、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認する(ステップS63)。
受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了していない場合は(ステップS63のN)、受信ボックス内の電子メールのうち、次の順番の電子メールからToアドレスを取得して(ステップS64)、取得したToアドレスがToアドレス用作業テーブル22aに既に存在しているか否かを確認するステップS53の処理に復帰するが、受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了した場合は(ステップS63のY)、処理を終了する。
次に、図1に示す電子メール仕分け装置10のFromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23の動作の一例を、図8のフローチャートを用いて説明する。図8は、図1に示す電子メール仕分け装置10のFromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23の動作の一例を説明するためのフローチャートである。Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23も、図6において説明したように、図7に示したToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22と同様、ルール設定&仕分け実行処理部21Aによって起動され、起動時に、引数となるパラメータとして「Fromアドレス」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数42b)が引き継がれる。なお、Fromアドレスルール設定&仕分け実行処理部23の動作は、図7に示したToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22の動作と略同様であるが、以下に、図8のフローチャートにしたがって順次説明する。
図8のフローチャートにおいて、まず、最初に、受信ボックス内の電子メールに出現する異なるFromアドレス(送信元)を保存するとともにその出現回数をカウントするための作業領域として利用されるFromアドレス用作業テーブル23aの内容を、全領域に亘って、"0"に初期化する(ステップS71)。次いで、受信ボックス内の電子メールのうち、第1通目の電子メールからFromアドレス(送信元を示すメールアドレス)を取得する(ステップS72)。
次に、取得したFromアドレスが自分のメールアドレスか否かを確認する(ステップS73)。取得したFromアドレスが自分のメールアドレスであった場合には(ステップS73のY)、何も処理することなく、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS84に移行する。取得したFromアドレスが自分のメールアドレスではなかった場合には(ステップS73のN)、取得したFromアドレスが、Fromアドレス用作業テーブル23aに既に存在しているか否かを確認し(ステップS74)、存在していない場合は(ステップS74のN)、取得した当該Fromアドレスを新たな要素としてFromアドレス用作業テーブル23aに登録し、件数として"1"を設定した後(ステップS75)、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS84に移行する。
一方、取得したFromアドレスがFromアドレス用作業テーブル23aに既に存在している場合には(ステップS74のY)、Fromアドレス用作業テーブル23a内の当該Fromアドレスの件数を+1加算する(ステップS76)。そして、加算結果として、当該Fromアドレスの件数がパラメータとして引き継がれてきた件数閾値に達したか否かを確認する(ステップS77)。件数閾値に達していなかった場合は(ステップS77のN)、メール仕分けルールの作成基準を満たしていないFromアドレスであるので、何も処理することなく、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS84に移行する。
これに対して、当該Fromアドレスの件数が件数閾値に達した場合は(ステップS77のY)、当該Fromアドレスに関するメール仕分けルールの登録と受信ボックス内の当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け処理を実行する。
まず、当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け先となるフォルダのフォルダ名を決定するために、アドレス帳18を参照して、アドレス帳18に当該Fromアドレスと同じメールアドレスが存在しているか否かを確認する(ステップS78)。アドレス帳18に同じメールアドレスが存在していた場合には(ステップS78のY)、当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け先のフォルダのフォルダ名として、アドレス帳18に存在していたメールアドレスに対応する表示名を設定し(ステップS79)、アドレス帳18に同じメールアドレスが存在していなかった場合は(ステップS78のN)当該Fromアドレスのメールアドレスそのものの文字列をフォルダ名に設定して(ステップS80)、当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け先となる新規のフォルダを作成する(ステップS81)。
しかる後、受信ボックス内の当該Fromアドレスが設定されている全電子メールを、当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動する(ステップS82)。
さらに、受信処理部13における電子メールの受信時に、当該Fromアドレスが設定されている電子メールは、当該Fromアドレスを有する電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動するという新規のメール仕分けルールを作成して、Fromアドレスに基づく仕分け処理の優先順位を付した状態で仕分けルール設定処理部16を介してメール仕分けルール15に登録する(ステップS83)。そして、次の電子メールを処理するために、受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認する(ステップS84)。
受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了していない場合は(ステップS84のN)、受信ボックス内の電子メールのうち、次の順番の電子メールからFromアドレスを取得して(ステップS85)、取得したFromアドレスが自分のメールアドレスであるか否かを確認するステップS73の処理に復帰するが、受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了した場合は(ステップS84のY)、処理を終了する。
最後に、図1に示す電子メール仕分け装置10の件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24の動作の一例を、図9のフローチャートを用いて説明する。図9は、図1に示す電子メール仕分け装置10の件名文字列ルール設定&仕分け実行処理部24の動作の一例を説明するためのフローチャートである。件名文字列アドレスルール設定&仕分け実行処理部24も、図6において説明したように、図7に示したToアドレスルール設定&仕分け実行処理部22と同様、ルール設定&仕分け実行処理部21Aによって起動され、起動時に、引数となるパラメータとして「件名文字列」の件数閾値を示す設定値(図3の設定データ40に示す件数43b)が引き継がれる。
図9のフローチャートにおいて、まず、最初に、受信ボックス内の電子メールの件名に出現する異なる文字列を保存するとともにその出現回数をカウントするための作業領域として利用される件名文字列用作業テーブル24aの内容を、全領域に亘って、"0"に初期化する(ステップS91)。次いで、件名文字列の比較元として、受信ボックス内の電子メールのうち、第1通目の電子メールの件名に含まれている文字列を取得する(ステップS92)。さらに、該比較元の文字列との比較を行う比較先の件名文字列として、該比較元の電子メールの次の電子メールの件名に含まれている文字列を取得して、比較元の件名文字列と比較する(ステップS93)。
両者の件名文字列の比較結果、合致する文字列が1つ以上存在していたか否かを確認する(ステップS94)。合致する文字列が全く存在していなかった場合には(ステップS94のN)、何も処理することなく、比較先の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認するステップS96に移行する。
一方、合致する文字列が1つ以上存在していた場合は(ステップS94のY)、1つ以上の合致する文字列それぞれについて、件名文字列用作業テーブル24aに要素として既に存在しているか否かを確認して、既に存在している文字列についてはここでは何も処理を行うことはないが、件名文字列用作業テーブル24aに要素として存在していない文字列については、異なる文字列をすべて新規の文字列を示す要素として件名文字列用作業テーブル24aに登録する(ステップS95)。つまり、要素として件名文字列用作業テーブル24aに登録した文字列については、受信ボックス内の電子メールの件名に含まれる文字列として少なくとも2通以上の電子メールに存在していることになる。しかる後、比較先の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認する(ステップS96)。
比較先の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了していない場合は(ステップS96のN)、受信ボックス内の電子メールのうち、比較先の電子メールとして次の順番の電子メールから件名の文字列を取得して、比較元の件名文字列と比較するステップS93の処理に復帰する。
一方、比較先の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了した場合は(ステップS96のY)、次に、比較元の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対して処理が完了したか否かを確認する(ステップS97)。比較元の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了していない場合は(ステップS97のN)、受信ボックス内の電子メールのうち、比較元の電子メールとして次の順番の電子メールから件名の文字列を取得した後(ステップS98)、該比較元の件名文字列との比較を行う比較先の件名文字列として、該比較元の電子メールの次の電子メールから、件名の文字列を取得して、比較元の件名文字列と比較するステップS93の処理に復帰する。
また、比較元の電子メールとして受信ボックス内の全電子メールに対する処理が完了していた場合は(ステップS97のY)、受信ボックス内の全電子メールの件名文字列の比較照合が終了し、比較照合結果として、少なくとも2通以上の電子メールの件名に文字列として同じ文字列が存在している場合には、その文字列が、件名文字列用作業テーブル24aの要素として登録されている状態になっている。そこで、まず、比較照合結果として、件名文字列用作業テーブル24aの要素として文字列が登録されているか否かを確認し(ステップS99)、登録されていなかった場合には(ステップS99のN)、処理を終了する。
一方、件名文字列用作業テーブル24aの要素として文字列が登録されていた場合には(ステップS99のY)、要素として登録されている各文字列それぞれが件名に文字列として含まれている電子メールの件数をカウントする処理に移行し、件名文字列用作業テーブル24aの先頭の要素として登録されている文字列を取り出す(ステップS100)。次に、受信ボックス内の第1通目の電子メールから開始して1つずつ順次、その件名を取り出して、件名文字列用作業テーブル24aから取り出した文字列と合致する文字列を含んでいるか否かを判定する。判定結果として、合致する文字列を件名に含んでいる電子メールであった場合には、件名文字列用作業テーブル24aの当該文字列に対応する件数を+1加算するという処理を、受信ボックス内の全電子メールについて繰り返すことによって、件名に当該文字列を含む電子メールの件数を件名文字列用作業テーブル24aの当該文字列に対応付けて登録する(ステップS101)。
次いで、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列に対して処理が完了したか否かを確認し(ステップS102)、完了していない場合には(ステップS102のN)、件名文字列用作業テーブル24aに登録されている次の要素の文字列を取り出して(ステップS103)、当該文字列を含む電子メールの件数を件名文字列用作業テーブル24aに登録するステップS101の処理に復帰する。かかる処理を繰り返すことによって、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列について、それぞれの文字列を件名に含んでいる電子メールの件数を、件名文字列用作業テーブル24aにそれぞれの文字列に対応付けて登録することができる。
一方、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列に対して処理が完了した場合には(ステップS102のY)、要素として登録されている各文字列それぞれについて、受信ボックス内の電子メールの検索処理を行い、メール仕分けルールとして登録すべき文字列であるか否かを判別する処理に移行する。
ここで、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列について、それぞれの文字列が件名に含まれている電子メールの件数が件名文字列用作業テーブル24aの件数として既に登録されているので、まず、件名文字列用作業テーブル24aの先頭の要素として登録されている文字列の件数を取り出す(ステップS104)。次いで、取り出した件数が、ルール設定&仕分け実行処理部21Aからパラメータとして引き継がれてきた「件名文字列」に関する件数閾値に達しているか否かを確認する(ステップS105)。件数閾値に達していなかった場合は(ステップS105のN)、メール仕分けルールの作成基準を満たしていない文字列であるので、何も処理することなく、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列について処理が完了したか否かを確認するステップS109に移行する。
これに対して、取り出した件数が、件数閾値に達していた場合には(ステップS105のY)、当該文字列を含む件名文字列に関するメール仕分けルールの登録と受信ボックス内の当該文字列が件名に含まれている電子メールの仕分け処理を実行する。
まず、当該文字列が件名に含まれている電子メールの仕分け先となるフォルダのフォルダ名として、当該文字列そのものを設定して、当該文字列が件名に含まれている電子メールの仕分け先となる新規のフォルダを作成する(ステップS106)。しかる後、受信ボックス内の当該文字列が件名に含まれている全電子メールを、当該文字列が件名に含まれている電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動する(ステップS107)。
さらに、受信処理部13における電子メールの受信時に、当該文字列が件名に含まれている電子メールは、当該文字列が件名に含まれている電子メールの仕分け先として新規に作成したフォルダへ移動するという新規のメール仕分けルールを作成して、件名文字列に基づく仕分け処理の優先順位を付した状態で仕分けルール設定処理部16を介してメール仕分けルール15に登録する(ステップS108)。そして、件名文字列用作業テーブル24aに次の要素として登録されている文字列を処理するために、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列に対して処理が完了したか否かを確認する(ステップS109)。
件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列に対する処理が完了していない場合は(ステップS109のN)、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されている文字列のうち、次の順番の文字列の件数を取り出して(ステップS110)、取り出した件数が、件数閾値に達しているか否かを確認するステップS105の処理に復帰するが、件名文字列用作業テーブル24aに要素として登録されているすべての文字列に対する処理が完了した場合は(ステップS109のY)、処理を終了する。
なお、以上の図1の電子メール仕分け装置10の動作例の説明においては、情報の漏洩を防止するためのセキュリティ機能に関する説明を行っていないが、例えば、パスワードや暗号化キー等のセキュリティ機能を用いて、電子メールに関する仕分け処理に関する設定データの設定動作が可能なユーザを特定することにしたり、あるいは、整理された電子メールのみならず登録されたメール仕分けルール等が第三者に漏洩しないようにしたりするようにしても勿論構わない。
また、仕分け対象項目として、「Toアドレス(宛先)」、「Fromアドレス(送信元)」、「件名文字列」の3つの項目を設定している場合について説明したが、前述したように、本発明は、かかる場合のみに限るものではない。例えば、Senderアドレス(実際の送信元を示すメールアドレス)を設定するようにしても良いし、電子メールの本文中に含まれている文字列を設定するようにしても良いし、添付ファイルの有無や添付ファイルのファイル形式、添付ファイルのファイル名に含まれる文字列や添付ファイルが文書ファイルであった場合の該文書ファイル中に含まれている文字列を設定するようにしても良い。さらには、電子メールの送信時刻範囲や受信時間範囲を設定するようにしても良いし、メールマガジン、返信メール、転送メール等の電子メール種別や電子メールアプリケーションであるメールクライアントプログラムの種別を設定するようにしても良いし、あるいは、送信メールサーバアドレス(送信メールアドレスのドメイン名)、受信メールサーバアドレス(受信メールアドレスのドメイン名)を設定するようにしても良い。つまり、かくのごとき各種の項目のうち、いずれか1ないし複数の項目を適宜選択して、有効な仕分け対象項目として設定するようにしても良い。さらには、各種の項目のうち、いずれか複数の項目の組合せ(例えば、「Toアドレス」と「送信時間範囲」との組合せあるいは「送信元」と「電子メール種別」や「メールクライアントプログラム種別」との組合せ等)を、仕分け対象項目として設定するようにしても良い。
また、ユーザによって起動条件として設定される仕分け処理の起動タイミングについても、指定した時刻のみならず、年月日を含む時刻を指定するようにしても良いし、ユーザが指示した時点で直ちに起動するように指定しても良いし、また、電子メール仕分け装置10の電源オン/オフ操作等の動作モードの変化時点に起動するように指定しても良い。
(実施形の効果の説明)
以上に詳細に説明したように、本実施形態においては、次のような効果が得られる。
ユーザが、受信ボックス内の電子メールを整理するための細かなメール仕分けルールを一々登録する必要はなく、ユーザが任意に指定した起動条件が成立した時点で、ユーザが指定した仕分け対象項目(例えば、Toアドレス(電子メールの宛先)、Fromアドレス(電子メールの送信元)、件名文字列(電子メールの件名に含まれる文字列)等)に関する設定データに基づいて、自動的に、メール仕分けルールの登録と受信ボックス内の電子メールの整理を行うことが可能になる。さらに、ユーザが指定した仕分け対象項目の優先順位に応じて、電子メールの仕分け処理が実行されるので、ユーザの意向にフィットした態様で、ユーザが意図した通りに、メール仕分けルールの登録と受信ボックス内の電子メールの整理を行うことができる。
また、前記特許文献1に記載の技術の場合、電子メールの受信時に、受信した電子メールの傾向を分析した上で、電子メールの仕分け等の処理を行うため、電子メールの受信動作に大きな負荷が掛かり、ユーザにストレスを与える可能性があったが、本実施形態においては、かくのごとき電子メールの仕分けを行う処理は、ユーザが任意に起動条件として設定した起動時刻(例えば夜間等の時刻)や動作モードの変化時点(例えば電源のオン/オフ操作時点)にて自動的に起動することができるので、ユーザは、電子メールの受信時にストレスを感じることもなく、かつ、特別な意識をすることもなく、自動的に、メール仕分けルールの登録と受信ボックス内の電子メールの整理を行うことができる。
以上、本発明の好適な実施形態の構成を説明した。しかし、かかる実施形態は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。本発明の要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが、当業者には容易に理解できよう。