JP6878334B2 - 携帯用切断機 - Google Patents

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Description

本発明は、作業者が手に持って移動操作することにより切断加工を行う携帯用の切断機に関する。
下記の特許文献には、この種の切断機に他部位への引き掛け用のフックを設けた技術が開示されている。このフック等の吊り下げ部を例えば作業場の足場や手摺等に引き掛けて切断機を吊り下げておくことができる。
特開2006−326753号公報 特開2015−178154号公報
しかしながら、上記フックは、両持ち梁型の水平に延在する棒材には吊るしやすかったが、片持ち梁型の上方向に飛び出た棒材に吊り下げるには、まだ改善の余地があった。その代わりとして、従来、テザーストラップ等の吊り下げ具を切断機に結合しておいて吊り下げることも行われている。従来、係る吊り下げ具の結合部について、長年の使用等により損傷を受け、その結果吊り下げ機能が十分に果たされなくなるおそれがあり、この場合に作業者がその事実を知らぬまま吊り下げ具を用いることがないようにするための十分な対策がなされていなかった。
本発明は、主として携帯用の切断機について、落下防止用の吊り下げ具を結合する結合部が損傷等を受けた場合に、これを作業者に報知して、吊り下げ具の本来の機能が確実に果たされるようにすることを目的とする。
上記した課題は以下の各発明により解決される。第1の発明は、電動モータを駆動源として回転する回転刃具を切断材に切り込ませて切断加工を行う携帯用切断機である。第1の発明では、携帯用切断機は、他部位に吊り下げておくための吊り下げ部を備えている。第1の発明では、吊り下げ部は、吊り下げ具と、吊り下げ具を結合する結合部と、結合部が外力により変形したことを報知する報知部材を備えた構成となっている。
第1の発明によれば、結合部が損傷等により変形するとその事実が報知部材により作業者若しくは使用者に報知される。このため、作業者はそのまま吊り下げ部を使用したのではその機能が確実には発揮されないおそれがあると認識することができる。そこで、作業者は、結合部の損傷等を補修したうえで引き続き吊り下げ部を利用してその落下防止機能を確実に発揮させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、回転刃具に沿って前後に延びるハンドル部を備えており、ハンドル部の後部に吊り下げ部を備えた携帯用切断機である。
第2の発明によれば、ハンドル部を把持する際に吊り下げ部が邪魔になることがなく、また吊り下げ具の存在により作業性が損なわれることがないようにすることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、結合部と報知部材の一方又は双方が吊り下げ具を挿通させる結合孔を有する構成とした携帯用切断機である。
第3の発明によれば、結合部と報知部材の一方又は双方の結合孔に吊り下げ具が挿通されて、当該吊り下げ具が結合部に結合され、若しくは報知部材に係合されている。
第4の発明は、第3の発明において、吊り下げ具を、報知部材の内周側を挿通させつつ、結合孔を挿通させて結合部に結合させた携帯用切断機である。
第4の発明によれば、吊り下げ具が報知部材の内周側(結合孔)に挿通されるとともに、結合部の周囲を取り巻いて当該結合部に結合されている。
第5の発明は、第3又は第4の発明において、円環形のワイヤを報知部材として用いる構成とした携帯用切断機である。
第5の発明によれば、吊り下げ具が報知部材(円環形のワイヤ)の内周側の挿通されて結合部に結合されている。
第6の発明は、第3又は第4の発明において、結合孔として結合部の周囲に沿ったU字形の結合孔を有し、この結合孔に吊り下げ具を挿通させて結合部に結合した携帯用切断機である。
第6の発明によれば、吊り下げ具が結合部の結合孔に挿通されて当該結合部に結合されている。
第7の発明は、第1〜第6の何れか一つの発明において、結合部が外力により変形すると、報知部材が吊り下げ具に引き掛けられて移動することにより結合部の変形を報知する構成とした携帯用切断機である。
第7の発明によれば、結合部が破損等により変形すると、吊り下げ具が引き掛けられた報知部材が移動することにより、結合部の変形が使用者等に報知される。使用者等は報知部材の位置が変化することを目視することにより、吊り下げ部が損傷等を受けていることを確認をすることができる。損傷等を受けた吊り下げ部は使用を中止することにより、その本来の機能が十分に発揮されない状態を回避することができる。
第1実施形態に係る携帯用切断機の右側面図である。 第1実施形態に係る携帯用切断機を図1中矢印(II)方向から見た前面図である。 第1実施形態に係る携帯用切断機を図1中矢印(III)方向から見た平面図である。 第1実施形態に係る携帯用切断機を図2中矢印(IV)方向から見た左側面図である。本図は、フックを格納位置に格納した状態を示している。 第1実施形態に係る携帯用切断機の左側面図である。本図は、フックを使用位置に取り出した状態を示している。 第1実施形態に係る携帯用切断機の左側面図である。本図は、左右半割構造のハンドルハウジングの左側を取り外した状態を示している。 第1実施形態に係る携帯用切断機の、図6中(VII)-(VII)線断面図である。 第1実施形態に係る携帯用切断機の、図6中(VIII)-(VIII)線断面図である。 ハンドル部の左側面図である。本図は、左右半割構造のハンドルハウジングの左側を取り外した状態を示している。本図は、吊り下げ部の結合部が損傷を受けていない正常な状態を示している。 ハンドル部の左側面図である。本図は、左右半割構造のハンドルハウジングの左側を取り外した状態を示している。本図は、吊り下げ部の結合部が損傷を受けて報知部材が移動した状態を示している。 第2実施形態に係る携帯用切断機の右側面図である。本図は、フックを格納位置に位置させた状態を示している。 第2実施形態に係る携帯用切断機を図11中矢印(XII)方向から見た前面図である。 第2実施形態に係る携帯用切断機を図11中矢印(XIII)方向から見た平面図である。 第2実施形態に係る携帯用切断機を図12中矢印(XIV)方向から見た左側面図である。 第2実施形態に係る携帯用切断機の平面図である。本図は、フックを前方使用位置に位置させた状態を示している。 第2実施形態に係る携帯用切断機の前面図である。本図は、フックを前方使用位置に位置させた状態を示している。 第2実施形態に係る携帯用切断機の平面図である。本図は、フックを側方使用位置に位置させた状態を示している。 第2実施形態に係る携帯用切断機の前面図である。本図は、フックを側方使用位置に位置させた状態を示している。 第2実施形態に係る吊り下げ部を図11中矢印(XIX)方向から見た後面図である。 第2実施形態に係る吊り下げ部の、図19中(XX)-(XX)線断面矢視図である。本図は、結合部が損傷を受けていない正常な状態を示している。 第2実施形態の吊り下げ部の斜視図である。本図は、結合部が損傷を受けていない正常な状態を示している。 第2実施形態に係る吊り下げ部の縦断面図である。本図は、結合部が損傷を受けて報知部材が移動した状態を示している。 第2実施形態に係る吊り下げ部の斜視図である。本図は、結合部が損傷を受けて報知部材が移動した状態を示している。 第2実施形態の吊り下げ部に係る報知部材の斜視図である。 第3実施形態に係る携帯用切断機の右側面図である。本図は、フックを前方位置に取り出した状態を示している。 第3実施形態に係る携帯用切断機を、図25中矢印(XXVI)方向から見た前面図である。 第3実施形態に係る携帯用切断機の右側面図である。本図は、フックを格納位置に格納した状態を示している。 第3実施形態に係る携帯用切断機を、図27中矢印(XXVIII)方向から見た前面図である。
次に、本発明の実施形態を図1〜図28に基づいて説明する。図1〜図10は、本発明の第1実施形態に係る携帯用切断機1を示している。第1実施形態に係る携帯用切断機1は、チップソーカッタと称される手持ち式の切断機で、切断材Wに当接するベース10と、ベース10の上面側に支持した切断機本体20を備えている。ベース10は矩形平板形状を有しており、切断材Wの上面に当接される。
図1〜4に示すように切断機本体20は、駆動源としての電動モータ21と、円形の回転刃具22と、ループ形のハンドル部23を備えている。回転刃具22には、鋼材切断用のチップソーが用いられている。回転刃具22の上側ほぼ半周の範囲(ベース10の上面側の範囲)の全体が防塵形の固定カバー24で覆われている。固定カバー24は、固定ねじ24aを緩めることにより、回転刃具22の周囲から取り外すことができる。固定カバー24の右側面には、回転刃具22の回転方向を示す矢印24bが表示されている。固定カバー24の後部には、集塵された切断粉を排出するための蓋部24cが設けられている。
図8に示すように固定カバー24の左側面には、減速ギヤ部25を介して電動モータ21が結合されている。減速ギヤ部25のほぼ円筒形状を有するギヤハウジング25aの前部には、支持アーム部25bが一体に設けられている。支持アーム部25bは前方へ延びている。支持アーム部25bの前部が上下揺動支軸26aを介してベース10の上面に結合されている。切断機本体20は、ベース10の前部上面に、上下揺動支軸26aを介して上下に揺動可能に支持されている。支持アーム部25bと上下揺動支軸26aにより、切断機本体20をベース10に対して上下に揺動可能に支持するための上下揺動支持部26が構成されている。
回転刃具22の下部側は、ベース10の窓部を経て下面側へ突き出されている。ベース10の下面側へ突き出された回転刃具22の下部側の周囲は、可動カバー12で覆われている。可動カバー12は、回転刃具22の周囲に沿って開閉可能に設けられている。図示するように可動カバー12は、その前端部を切断材Wに当接させた状態で携帯用切断機1を切断進行側に移動させることにより相対的に開かれていく。
ベース10の下面側へ突き出された部分が切断材Wに切り込まれて切断加工がなされる。回転刃具22のベース10の下面側への突き出し部分が、回転刃具22の切断材Wに対する切り込み深さに相当する。切断機本体20を上下揺動支軸26aを中心にして上下に揺動させることにより、回転刃具22の切断材Wに対する切り込み深さを調整することができる。
図3及び図8に示すように固定カバー24の後部側は、デプスガイド27を介してベース10の後部上面に結合されている。デプスガイド27のガイド溝には、固定カバー24の左側部に結合した固定ねじ軸29が挿通されている。固定レバー28の緩め操作により固定ねじ軸29に対して固定ナット29aを緩めことにより、切断機本体20を上下揺動支軸26aを中心にして上下に揺動させて切り込み深さを調整することができる。
減速ギヤ部25の上方にループ形のハンドル部23が設けられている。ハンドル部23の内周側にトリガ形式のスイッチレバー38が設けられている。スイッチレバー38を指先で上方へ引き操作するとメインスイッチ39がオンされる。メインスイッチ39がオンすると電動モータ21が起動する。スイッチレバー38の引き操作を解除すると、メインスイッチ39がオフして電動モータ21が停止する。
ハンドル部23の前部23aはギヤハウジング25aの上部に結合されている。ハンドル部23の前部23aは、ギヤハウジング25aの上部から上方へ起立している。前部23aの上部から後方斜め下方に向けてグリップ部23bが延びている。グリップ部23bの後部は、バッテリ取り付け部30を介してギヤハウジング25aの後面側に結合されている。バッテリ取り付け部30の下面側に一つのバッテリパック31が取り付けられている。駆動源としての電動モータ21はこのバッテリパック31を電源として動作する。バッテリパック31は、バッテリ取り付け部30から取り外して充電することにより繰り返し使用することができる。図3において白抜き矢印で示すようにバッテリパック31は、バッテリ取り付け部30に対して右方にスライドさせて取り付けることができ、左方にスライドさせて取り外すことができる。
減速ギヤ部25の前方であってハンドル部23の前部23aの下部には、照明具11が設けられている。照明具11により切断部位(切断材Wに対する回転刃具22の切り込み部位)が明るく照らされて、暗所等での切断作業の便宜が図られる。
図7および図8に示すように減速ギヤ部25のギヤハウジング25aに対して電動モータ21のモータハウジング21aがねじ結合されている。電動モータ21にはブラシレスモータが用いられている。モータハウジング21aの内周側に沿って円環形のステータ21bが固定され、ステータ21bの内周側にロータ21cが回転支持されている。ロータ21cに結合されたモータ軸21dには冷却ファン21eが取り付けられている。電動モータ21の起動により冷却ファン21eが回転することにより、モータハウジング21aの後部に設けた吸気孔21fから外気が導入される。吸気孔21fから導入された外気は、モータハウジング21a内を右方に流れることにより、ステータ21b及びロータ21c等の冷却がなされる。モータ軸21dの右端部が減速ギヤ部25のギヤ列に噛み合わされている。
図7に示すように電動モータ21の回転出力は、2段階の減速ギヤ列を経て出力軸32に伝達される。出力軸32は、固定カバー24の内側に進入している。固定カバー24内において、出力軸32の右端部に回転刃具22が取り付けられている。回転刃具22は、2つの取付フランジ33,34間に挟み込まれ、かつ刃具固定ねじ13の締め込みによりこの挟み込み状態で出力軸32の左端部に取り付けられている。
図8に示すように、電動モータ21の後部側であってバッテリ取り付け部30との間には、コントローラ収容部35が設けられている。コントローラ収容部35には、主として電動モータ21の動作制御を行うためのコントローラ36が収容されている。コントローラ36は矩形底浅のケースに制御基板を収容して樹脂モールドしたもので、図4〜図6において破線で示すようにその前側を上方とする方向に傾いた姿勢で収容されている。電動モータ21の冷却ファン21eによりモータハウジング21a内に導入されたモータ冷却風は、コントローラ収容部35内にも流入されてコントローラ36の冷却がなされるようになっている。
第1実施形態の携帯用切断機1には、当該携帯用切断機1を例えば作業現場の足場や手摺等に吊り下げておくためのテザーストラップ等の吊り下げ具41を結合するための結合部40と、足場や手摺等に直接引き掛けるための吊り下げフック50が設けられている。結合部40は、ハンドル部23の後部であって、グリップ部23bとバッテリ取り付け部30の結合部付近に設けられている。第1実施形態に係る結合部40の詳細が図9及び図10に示されている。結合部40は、概ね三角形の結合孔42を備えている。結合孔42は、グリップ部23bの後部側を左右に貫通している。
図2、図3、図9及び図10に示すようにハンドル部23は、左右半割構造の左ハンドルハウジング23Lと右ハンドルハウジング23Rを相互に突き合わせて結合した構成を有している。左ハンドルハウジング23Lと右ハンドルハウジング23Rは、合計4個所のねじ止め部37で相互に結合されている。図では、左ハンドルハウジング23Lと右ハンドルハウジング23Rの突き合わせ部に符合Jが付されている。また、図9及び図10では、左ハンドルハウジング23Lが省略された状態で示されている。結合孔42は、左右ハンドルハウジング23L、23Rを貫通している。
図9に示すように結合孔42の周囲には壁部42aが設けられている。壁部42aの内周側が結合孔42とされている。結合孔42には、一つのねじ止め部37が隣接して配置されている。結合孔42の壁部42aと、ねじ止め部37のボス部の双方に跨って報知部材43が装着されている。本実施形態では、報知部材43には、円環形の金属ワイヤが用いられている。報知部材43は、その内周側に結合孔42の壁部42aとねじ止め部37のボス部を位置させた状態で組み込まれている。報知部材43は、当該携帯用切断機1の組み立て段階でハンドル部23に組み込まれている。
図9に示すようにストラップ等の吊り下げ具41は、結合孔42に挿通してハンドル部23の端部23cに巻き付けるようにして結合部40に結合されている。このため吊り下げ具41は、結合孔42に挿通されるとともに、報知部材43の内周側にも挿通された状態で結合部40に結合されている。
係る結合部40によれば、図10に示すように吊り下げ具41の長年の使用等によりハンドル部23の端部23cに外力が付加され、その結果端部23cが損傷等して破断されると、吊り下げ具41は結合孔42への挿通状態が外れてしまう。しかしながら、上記したように吊り下げ具41は報知部材43の内周側にも挿通されている。このため、ハンドル部23の端部23cが破断して吊り下げ具41が結合孔42から外れても、報知部材43の内周側に挿通された状態が維持される。しかも、報知部材43は、ねじ止め部37のボス部を内周側に位置させて引き掛けられた状態が維持される。このため、吊り下げ具41は、報知部材43を介してハンドル部23に結合された状態に維持され、その結果当該吊り下げ具41の吊り下げ機能が維持される。
また、図10に示すようにハンドル部23の端部23cが破断して分離され、その結果吊り下げ具41が結合孔42から外れると、報知部材43がハンドル部23の内部から外側へ引き出される。結合部40の内部に組み込まれた報知部材43が外部へ引き出されるため、使用者等は引き出された報知部材43を容易に目視することができる。引き出された報知部材43を使用者等が目視することにより、使用者等は結合部40の内部が外力により変形若しくは損傷等を受けたことを確認することができる。このように報知部材43は、吊り下げ具41の結合部40が変形若しくは損傷等を受けた状態であることを使用者等に確実に報知する機能を有している。
図1〜図4に示すように本実施形態の携帯用切断機1には、上記した吊り下げ具41を結合するための結合部40に加えて、吊り下げフック50を備えている。吊り下げフック50は、切断機本体20の前部であって、固定カバー24よりも前方に設けられている。第1実施形態では、吊り下げフック50は、切断機本体20をベース10に対して揺動支持する支持アーム部25bの上面に設けられている。吊り下げフック50は、棒鋼材をU字形に折り曲げて製作したフックバー51と、フックバー51を支持アーム部25bの上面に支持するフック支持部52を備えている。
フックバー51は、左右方向に延びる下横部51aと、下横部51aの右端部から上方に延びる縦部51bと、縦部51bの上部から左方へ延びる上横部51cを有している。下横部51aは、フック支持部52から右方へ長く延びている。下横部51aの右端部から縦部51bがほぼ直角方向に延びている。縦部51bの上部から上横部51cが左方に延びている。上横部51cは、縦部51bの上部からやや鋭角方向に延びている。下横部51aには、位置決め突起51dが設けられている。上横部51cの先端側には、足場等の引き掛け対象部に係合させるための引き掛け突起51eが設けられている。
図3に示すようにフック支持部52は、2本の取り付けねじ52aで支持アーム部25bの上面にねじ結合されている。フック支持部52には、円筒形の支持筒部52bが設けられている。この支持筒部52bに、下横部51aが回転可能かつ軸方向に移動可能に挿入されている。これにより、フックバー51が回転刃具22の回転軸線に平行な下横部51a(左右横軸線)を中心にして上下に揺動可能かつ左右に変位可能に支持されている。図5に示すように支持筒部52bの左端部には、2つのV字形の係合溝部52c,52dが設けられている。2つの係合溝部52c,52dは、相互に一定の角度(本実施形態では約120°程度)をおいてそれぞれ支持筒部52bの中心を通る径方向に配置されている。
フックバー51の下横部51aの左端部は支持筒部52bの左端部から突き出されており、この突き出し部分に係合ピン51fが設けられている。係合ピン51fは、下横部51aの径方向両側に突き出されている。図では見えていないが支持筒部52bの内周側と下横部51aとの間には圧縮ばねが介装されている。この圧縮ばねにより下横部51aが軸方向右向きに付勢されている。この付勢力により、係合ピン51fが係合溝部52c又は係合溝部52dに嵌まり込んだ状態に保持されて、下横部51aの回転が規制される。下横部51aの回転が規制されることにより、フックバー51が上横部51cを上方に位置させた格納位置と、上横部51cを下方(前方)に位置させた使用位置に保持される。図1〜図4は、フックバー51を格納位置に格納した状態を示している。図5は、フックバー51を使用位置に取り出した状態を示している。
図1〜図4に示すようにフックバー51は格納位置に格納すると、その縦部51bをベース10の前端部付近から後方斜め上方に向けて傾かせた位置に位置する。これに対してフックバー51は使用位置に取り出すと、前端部付近からほぼ水平に前方へ大きく張り出した状態となる。フックバー51の上横部51cがベース10の前端から前方へ大きく離れた部位に取り出されることから、フックバー51を足場や手摺に引き掛け易くなり、この点で当該吊り下げフック50の使い勝手を高めることができる。図5に示すようにフックバー51の使用位置は、ベース10の下面側へ張り出さない位置であって、ベース10よりも上方となる位置に規制されている。これにより切断作業にフックバー51を不用意に使用位置に移動させてもフックバー51が切断材Wや回転刃具22に干渉しないようになっている。
図11〜図24には、第2実施形態に係る携帯用切断機60が示されている。第1実施形態の携帯用切断機1と同等の部材若しくは構成については同位の符合を用いてその説明を省略する。第2実施形態の携帯用切断機60は、主として木材等を切断加工するための手持ち式の切断機で、携帯マルノコとも称される。第2実施形態の携帯用切断機60では回転刃具61として、円形のマルノコ刃が用いられている点で、第1実施形態の携帯用切断機1とは異なっている。また、固定カバー62は、回転刃具61の上部周縁部に沿って設けられ、回転刃具61の中心側は側方へ露出されて、刃具交換時の便宜が図られるようになっている。この点、第1実施形態の携帯用切断機1では、ベース10の上面側において回転刃具22のほぼ全体が覆われて集塵性が高められている。第1実施形態では、固定カバー24を取り外し可能として、刃具交換時等の便宜が図られている。
第2実施形態の携帯用切断機60においても、切断機本体20は、上下揺動支持部63の上下揺動支軸63aを中心にしてベース10に対して上下に揺動可能に支持されており、第1実施形態の携帯用切断機1と同様回転刃具61の切断材Wに対する切り込み深さ調整機構を備えている。第2実施形態の携帯用切断機60は、ベース10の前部側に対する前側支持部64と後部側に対する後側支持部65を介して切断機本体20が左右に揺動可能に支持されている。切断機本体20を左右に傾斜させることによりいわゆる斜め切りをすることができる。第2実施形態の携帯用切断機60は、斜め切り機能を有する点で、第1実施形態の携帯用切断機1とは異なっている。
第2実施形態の携帯用切断機60では、ハンドル部23の前部にフロントグリップ部68が設けられている。使用者は、当該携帯用切断機60の後側に位置して、ハンドル部23を右手で把持し、フロントグリップ部68を左手で把持して、携帯用切断機60を安定した状態で移動操作することができ、この点で携帯用切断機60の操作性が高められている。
図14に示すように第2実施形態の携帯用切断機60では、電動モータ21の動作制御を行うためのコントローラ66は、電動モータ21の前側に設けたコントローラ収容部67に収容されている。第1実施形態とは異なってコントローラ収容部67を電動モータ21の前側に配置することにより、バッテリ取り付け部30をより電動モータ21に接近させて配置することでき、これにより切断機本体20の前後方向のコンパクト化が図られている。このため、図11、図13及び図14に示すように第2実施形態の携帯用切断機60では、切断機本体20がベース10の後端からはみ出さないようになっており、これにより携帯用切断機60の切断作業時の取り扱い性が高められ、また格納時のコンパクト性が確保されている。
第2実施形態の携帯用切断機60は、第1実施形態に係る結合部40と吊り下げフック50とは異なる構成の結合部70と吊り下げフック80を備えている。結合部70は、いわゆるテザーストラップ等の吊り下げ具71を結合するための部位で、第1実施形態と同じくハンドル部23の後面に設けられている。第2実施形態に係る結合部70の詳細が図19〜図24に示されている。
第2実施形態に係る結合部70は、結合孔72を備えている。結合孔72は、ハンドル部23の左右半割構造の左ハンドルハウジング23Lと右ハンドルハウジング23Rを相互に突き合わせて結合するねじ止め部37の周囲に沿ってU字形の経路で設けられている。このため、結合孔72の開口72a,72bは、ねじ止め部37の上側と下側の双方に設けられている。結合孔72は、ねじ止め部37の周囲に沿って設けた壁部72cにより、ハンドル部23の内部から区画されている。結合孔72は、壁部72cとねじ止め部37との間に沿ったU字形の経路に沿って設けられている。
結合孔72の内側に報知部材73が組み込まれている。図24には、報知部材73が単独で示されている。第2実施形態に係る報知部材73は、棒鋼材を曲げ加工して製作したもので、U字形に屈曲させた引き掛け部73aと、引き掛け部73aの一端部を左側へL字形に屈曲させた係合部73bと、引き掛け部73aの他端部を前側へ同じくL字形に屈曲させた脚部73cを備えている。脚部73cの前部には、円形に折り曲げた支持部73dが設けられている。図20〜図23に示すように報知部材73は、その引き掛け部73aを結合孔72内においてねじ止め部37の概ね下側に位置させた状態で組み込まれている。
報知部材73の係合部73bと脚部73c及び支持部73dは、結合孔72の壁部72cに設けた切り欠き部72dを経て壁部72cの外側に位置されている。図示するように右側の脚部73cは、右ハンドルハウジング23Rに設けた係合部74に支持部73dを引き掛けて結合されている。図では省略されているが、左側の係合部73bは、左ハンドルハウジング23Lの内面に設けた係合孔に挿入されている。このように左側の係合部73bと右側の脚部73cが左右ハンドルハウジング23L、23Rに結合されて、引き掛け部73aが切り欠き部72dの開口範囲内で上下に揺動可能に設けられている。
図20及び図21に示すように吊り下げ具71は、報知部材73の引き掛け部73aの内側を挿通させつつ、ねじ止め部37の周囲に巻き付けて結合されている。このように構成した結合部70によれば、吊り下げ具71の長年の使用等によりねじ止め部37に外力が付加され、その結果図22及び図23に示すようにねじ止め部37が損傷等を受けて欠落した場合であっても、吊り下げ具71は報知部材73の引き掛け部73aに引き掛けられた状態に維持される。報知部材73は、係合部73bと脚部73cを経てハンドル部23に結合された状態に維持される。このため、吊り下げ具71は、報知部材73を介してハンドル部23に結合された状態に維持され、その結果当該吊り下げ具71の吊り下げ機能が維持される。
また、ねじ止め部37が破断して結合部70から分離され、その結果吊り下げ具71が結合孔72から外れると、報知部材73が結合孔72の下側の開口72bから外部へ引き出される。結合部70の内部に組み込まれた報知部材73が外部へ引き出されるため、使用者等は引き出された報知部材73を容易に目視することができる。結合部70から外部へ引き出された報知部材73を使用者等が目視することにより、使用者等は結合部70の内部が外力により変形若しくは損傷等を受けたことを確認することができる。このように報知部材73は、吊り下げ具71の結合部70が変形若しくは損傷等を受けた状態であることを使用者に確実に報知する機能を有している。報知部材73の報知機能により、第1実施形態と同じく、当該携帯用切断機60の使用者に対して注意喚起することができる。
図11〜図14に示すように第2実施形態に係る吊り下げフック80は、固定カバー62の前部に支持されている。吊り下げフック80は、棒鋼材をU字形に折り曲げ加工して製作したフックバー81と、フックバー81を固定カバー62の前部に支持するフック支持部82を備えている。フックバー81は、フック支持部82から上方へ延びる縦部81aと、縦部81aの上部からほぼ直角方向に延びる横部81bと、横部81bの先端から下方へ鋭角方向に延びる引き掛け部81cを有している。引き掛け部81cの先端側には、足場等の引き掛け対象部に係合させるための引き掛け突起81dが設けられている。図11に示すように縦部81aは、その上部側ほど後方へ変位する後傾方向に傾斜している。
フック支持部82は、2本の取り付けねじ82aで固定カバー62の前部にねじ結合されている。フック支持部82には、円筒形の支持筒部82bが設けられている。この支持筒部82bに、縦部81aの下部側が回転可能かつ軸方向に移動可能に挿入されている。これにより、フックバー81が縦部81aを中心にして左右に揺動可能かつ上下に変位可能に支持されている。
フックバー81の縦部81aの下端部は、支持筒部82bの下端部から突き出されている。縦部81aの突き出し部には、径方向両側に突き出す係合ピン81eが設けられている。支持筒部82bの下端部には、その中心を通る2つのV字形の係合溝部が設けられている。第1実施形態と同じく、何れかの係合溝部に係合ピン81eが嵌まり込むことにより、縦部81aの回転動作が規制され、これによりフックバー81の位置がロックされる。第2実施形態では、フックバー81は、その縦部81a回りの4つの位置で位置保持される。第1実施形態と同じく、フックバー81の縦部81aは、支持筒部82bとの間に介装した圧縮ばねにより上方へ変位する方向に付勢されている。この圧縮ばねの付勢力により係合ピン81eが係合溝部に嵌まり込んだ状態に保持されて、フックバー81の縦部81a回りの位置が保持される。
図11〜図14は、引き掛け部81cをハンドル部23の前方(固定カバー62の左側方)に位置させた格納位置に位置保持した状態を示している。図15及び図16は、引き掛け部81cを固定カバー62の前方に位置させた前方使用位置に位置保持した状態を示している。図17及び図18は、引き掛け部81cを固定カバー62の右側方に位置させた側方使用位置に位置保持させた状態を示している。それぞれの位置において、係合ピン81eが対応する係合溝に弾性的に嵌まり込むことにより、フックバー81が位置保持される。なお、図示は省略されているが、フックバー81を上記前方使用位置から180°反転させて引き掛け部81cを固定カバー62の上方に位置させた格納位置に保持することもできる。このようにフックバー81は、引き掛け部81cを固定カバー62の前方、上方、左側方及び右側方に位置させた、合計4つの位置において、係合ピン81eが係合溝部に弾性的に嵌まり込むことによりそれぞれ位置保持される。
第2実施形態に係る吊り下げフック80によれば、不使用時には、フックバー81が邪魔にならない格納位置に格納しておくことにより、当該携帯用切断機60のコンパクト性を確保することができる。一方、作業現場の状況に応じて、フックバー81を、前方使用位置若しくは側方使用位置を選択して位置保持することにより当該携帯用切断機60を異なる姿勢で吊り下げておくことができ、この点で当該吊り下げフック80の機能を高めることができる。
第1実施形態の吊り下げフック50と、第2実施形態の吊り下げフック80については、フックバー51,81の位置を保持するために係合ピンを係合溝部に弾性的に嵌まり込ませる構成を例示したが、例えば固定ねじの締め付けによりフックバー51,81の位置をロックする構成としてもよい。
図25〜図28には、第3実施形態の携帯用切断機90が示されている。第3実施形態の携帯用切断機90は、第2実施形態の吊り下げフック80とは異なる吊り下げフック91を備える点で第2実施形態の携帯用切断機60とは異なっている。吊り下げフック91以外の部材及び構成については、第2実施形態の携帯用切断機60と同様であるので同位の符合を用いてその説明を省略する。第3実施形態における携帯用切断機90のハンドル部23の後部にも、第2実施形態と同様、テザーストラップ等の吊り下げ具71を結合するための結合部70が設けられている。
第3実施形態に係る吊り下げフック91は、第2実施形態と同じく固定カバー62の前部に支持されている。吊り下げフック91は、棒鋼材をU字形に折り曲げ加工して製作したフックバー92と、フックバー92を固定カバー62の前部に支持するフック支持部93を備えている。フックバー92は、フック支持部93から上方へ延びる縦部92aと、縦部92aの上部からほぼ直角方向に延びる横部92bと、横部92bの先端から下方へ鋭角方向に延びる引き掛け部92cを有している。引き掛け部92cの先端側には、足場等の引き掛け対象部に係合させるための引き掛け突起92dが設けられている。図25に示すように縦部92aは、その上部側ほど後方へ変位する後傾方向に傾斜しており、この点も第2実施形態に係る吊り下げフック80と同様に構成されている。
フックバー92の縦部92aには、より細径の支軸部92eが同軸に設けられている。支軸部92eは、縦部92aの下端から下方へ長く延びている。支軸部92eの下部は、支持筒部93aの下端から突き出されている。この突き出し部分に係合ピン95が径方向両側に突き出す状態で設けられている。
フック支持部93は、円筒形の支持筒部93aと、固定カバー62に対する取り付け部93fを有している。取り付け部93fを2本の取り付けねじ94で結合して、フック支持部93が固定カバー62の前部に取り付けられている。第3実施形態における支持筒部93aは、第2実施形態の支持筒部82bよりも長い円筒形を有している。支持筒部93aの内周側には、径が異なる2つの挿通孔が同軸に設けられている。上側の挿通孔93bは、下側の挿通孔93cよりも大径に形成されている。上側の挿通孔93bは、フックバー92の縦部92aを挿通可能な径で形成されている。下側の挿通孔93cは、フックバー92の支軸部92eを挿通可能で、より大径の縦部92aを挿通不能な径で形成されている。
フックバー92の支軸部92e回りであって縦部92aの下面と、挿通孔93bの底部との間に圧縮ばね96が介装されている。この圧縮ばね96の付勢力によって縦部92aが支持筒部93aの挿通孔93bから上方へ抜け出す方向に付勢され、これによりフックバー92が上側へ変位した上方位置側に付勢されている。図25及び図26は、フックバー92を上方位置に位置させた状態を示している。
支持筒部93aの下面には、長手方向の深さが異なる2つの係合溝部93d,93eが設けられている。係合溝部93dは深く形成され、係合溝部93eは浅く形成されている。支持筒部93aの下面視で(図25中矢印XXVで示す方向から見て)、深い係合溝部93dと浅い係合溝部93eは、それぞれ支持筒部93aの下面中心を通って径方向に設けられ、かつ相互に十字形に交差して配置されている。
図25に示すようにフックバー92を縦部92a回りに回転させて、係合ピン95を深い係合溝部93d内に位置させると、フックバー92は、圧縮ばね96の付勢力により係合ピン95を係合溝部93dの底部に当接させた上方位置に保持される。フックバー92を上方位置に位置させた状態では、横部92bが縦部92aの上部から前方斜め上方に向けて延びる状態(上方使用位置)、若しくは後方斜め下方に向けて延びる状態(上方格納位置)となる。横部92bが前方斜め上方に延びる上方使用位置では、引き掛け部92cがベース10の前部側上方に位置する状態となる。フックバー92の上方使用位置が、例えば足場等の他部位へ引き掛けるために好都合な使用位置に相当する。この上方使用位置から180°反転させた上方格納位置では、横部92b及び引き掛け部92cを固定カバー62の上方に位置させることができる。
上方位置からフックバー92を下方へ押し下げて係合ピン95を深い係合溝部93dから離脱させ、その後フックバー92を縦部92a回りに約90°回転させ、その後押し下げ操作を止めることにより、フックバー92が上方へ戻されて係合ピン95が浅い係合溝部93eに嵌まり込む。この状態が図27及び図28に示されている。係合ピン95を浅い係合溝部93eに嵌まり込ませた位置にフックバー92を位置させると、当該フックバー92は全体として上記使用位置よりも低い位置に保持される。この低い位置がフックバー92の格納位置に相当する。図示するようにフックバー92を格納位置に格納すると、その横部92bが縦部92aの上部から左方へ向けて延びる状態となり、その結果引き掛け部92cがハンドル部23の前方に位置する状態となる。このため、フックバー92は格納位置に格納すると、使用位置よりも低い位置でかつより後側に位置する状態となり、この点で携帯用切断機90のコンパクト化を図ることができる。フックバー92をコンパクトに格納した状態で切断作業を行うことができるので、当該携帯用切断機90の作業性を高めることができる。また、図27及び図28に示す格納位置からフックバー92を180°反転させた位置に保持することにより、横部92bが右方へ延びて引き掛け部92cを固定カバー62の右方に位置させた状態とすることができる。この位置でもフックバー92を他部位に引き掛けて当該携帯用切断機90を吊り下げておくことができる。
以上説明した第1実施形態の携帯用切断機1によれば、ハンドル部23の後部に、いわゆるテザーストラップ等の吊り下げ具41を結合するための結合部40を備えている。使用者は、吊り下げ具41の一端側を結合部40に結合し、他端側を例えば足場や手摺に引き掛けておき、この状態で携帯用切断機1を用いて切断加工を行うことにより、作業中における携帯用切断機1の落下を防止することができる。
第1実施形態では、結合部40に、当該結合部40が外力により損傷等を受けて変形したことを報知するための報知部材43が組み込まれた構成とされている。この報知部材43により結合部40が損傷等を受けて変形した事実が使用者に報知される。このため、使用者等は報知部材43の位置が変化することを目視することにより、結合部40が損傷等を受けていることを確認をすることができ、これにより使用者はそのまま吊り下げ具41を使用したのではその機能が確実には発揮されないおそれがあると認識することができる。そこで、使用者は、結合部40の損傷等を補修したうえで引き続き吊り下げ具41を利用してその落下防止機能を確実に発揮させることができる。また、損傷等を受けた吊り下げ部40を有する携帯用切断機1については使用を中止することにより、その本来の機能が十分に発揮されない状態を回避することができる。
また、第1実施形態の携帯用切断機1では、ハンドル部23の後部に吊り下げ具41を結合するための結合孔42を備えている。このため、使用者がハンドル部23を把持する際に吊り下げ具41が邪魔にならないようにして当該携帯用切断機1の作業性を維持することができる。
さらに、第1実施形態の携帯用切断機1では、吊り下げ具41が結合孔42と報知部材43の双方に挿通された状態で、ハンドル部23の端部23cに巻き付けられて結合される。このため、衝撃等の外力が付加されることにより端部23cが破断しても吊り下げ具41が報知部材43を介してハンドル部23の後部に結合された状態に維持されて、当該吊り下げ具41の吊り下げ機能が維持される。
以上説明した実施形態にはさらに変更を加えることができる。例えば、第1実施形態において、吊り下げ具41を結合する結合部40をハンドル部23の後部に設けた構成を例示したが、ハンドル部23の上部又は前部に結合する場合にも同様の報知部材を組み込むことにより同様の作用効果を得ることができる。
また、結合孔42を区画するリブとねじ止め部37とに跨って報知部材43を組み込む構成を例示したが、ねじ止め部37に代えて設けた引き掛け凸部と当該リブとに跨って報知部材を組み込む構成としてもよい。
さらに、吊り下げ具は、ハンドル部23以外の部位に結合する構成としてもよく、この場合であっても例示した結合部を適用することにより同様の作用効果を得ることができる。
また、第2実施形態において、棒鋼材を曲げ加工して製作した報知部材73を例示したが、これに代えて第1実施形態と同じく円環形のワイヤ材を組み込む構成としてもよい。
さらに、結合部40,70が損傷等を受けた場合に、組み込み位置から変位することで結合部40,70が損傷等を受けたことを報知する報知部材43,73を例示したが、結合部が損傷を受けると例えば光ったり、音を発することにより報知する報知手段を組み込む構成としてもよい。
W…切断材
1…携帯用切断機(第1実施形態)
10…ベース
11…照明具
12…可動カバー
13…刃具固定ねじ
20…切断機本体
21…電動モータ
21a…モータハウジング、21b…ステータ、21c…ロータ、21d…モータ軸
21e…冷却ファン、21f…吸気孔
22…回転刃具
23…ハンドル部
23L…左ハンドルハウジング、23R…右ハンドルハウジング、J…突き合わせ部
23a…前部、23b…グリップ部、23c…端部
24…固定カバー
24a…固定ねじ、24b…矢印(回転刃具22の回転方向)、24c…蓋部
25…減速ギヤ部
25a…ギヤハウジング、25b…支持アーム部
26…上下揺動支持部、26a…上下揺動支軸
27…デプスガイド
28…固定レバー
29…固定ねじ軸、29a…固定ナット
30…バッテリ取り付け部
31…バッテリパック
32…出力軸
33,34…取付フランジ
35…コントローラ収容部
36…コントローラ
37…ねじ止め部
38…スイッチレバー
39…メインスイッチ
40…結合部
41…吊り下げ具(第1実施形態)
42…結合孔、42a…壁部
43…報知部材
50…吊り下げフック(第1実施形態)
51…フックバー
51a…下横部、51b…縦部、51c…上横部
51d…位置決め突起、51e…引き掛け突起、51f…係合ピン
52…フック支持部
52a…取り付けねじ、52b…支持筒部、52c,52d…係合溝部
60…携帯用切断機(第2実施形態)
61…回転刃具
62…固定カバー
63…上下揺動支持部、63a…上下揺動支軸
64…前側支持部
65…後側支持部
66…コントローラ
67…コントローラ収容部
68…フロントグリップ部
70…結合部
71…吊り下げ具(第2実施形態)
72…結合孔
72a…開口(上側)、72b…開口(下側)、72c…壁部、72d…切り欠き部
73…報知部材
73a…引き掛け部、73b…係合部、73c…脚部、73d…支持部
74…係合部
80…吊り下げフック(第2実施形態)
81…フックバー
81a…縦部、81b…横部、81c…引き掛け部、81d…引き掛け突起
81e…係合ピン
82…フック支持部
82a…取り付けねじ、82b…支持筒部
90…携帯用切断機(第3実施形態)
91…吊り下げフック
92…フックバー
92a…縦部、92b…横部、92c…引き掛け部、92d…引き掛け突起
92e…支軸部
93…フック支持部
93a…支持筒部、93b…挿通孔(大径)、93c…挿通孔(小径)
93d…係合溝部(深い)、93e…係合溝部(浅い)、93f…取り付け部
94…取り付けねじ
95…係合ピン
96…圧縮ばね

Claims (6)

  1. 電動モータを駆動源として回転する回転刃具を切断材に切り込ませて切断加工を行う携帯用切断機であって、
    前記切断材の上面に当接させる平板形のベースと、
    前記ベースの上面に支持され、且つ前記電動モータと前記回転刃具を有する切断機本体と、
    前記切断機本体に設けられ、前記回転刃具に沿って前後に延びるハンドル部と、
    該ハンドル部の後部で、且つ前記電動モータに対して前記ベースの前部とは反対側の後部に設けられた結合部と報知部材を備えており、
    前記結合部は、前記携帯用切断機を吊り下げておくための吊り下げ具が結合される構成であり、
    前記報知部材は、一端部が前記ハンドル部に対して係止され、他端部に前記吊り下げ具が係止され、前記結合部が外力により変形して前記吊り下げ具が前記結合部から外れたときに、前記報知部材が前記吊り下げ具に対して前記切断機本体の吊り下げ状態を維持し、且つ前記報知部材は、前記一端部を中心にして回転又は変形して前記他端部が前記ハンドル部の内部から外部に移動して前記結合部の変形を視覚的に報知する携帯用切断機。
  2. 請求項に記載した携帯用切断機であって、
    前記報知部材は、円環形若しくはU字形であって、前記吊り下げ具が挿通される構成とした携帯用切断機。
  3. 請求項に記載した携帯用切断機であって、
    前記結合部と前記報知部材の双方が円環形を有し、前記吊り下げ具を、前記報知部材の内周側を挿通させつつ、前記結合部の内周側に挿通させて前記結合部に結合させた携帯用切断機。
  4. 請求項又はに記載した携帯用切断機であって、
    円環形のワイヤを前記報知部材として用いる構成とした携帯用切断機。
  5. 請求項に記載した携帯用切断機であって、
    前記結合部はU字形の経路を有する結合孔を有し、前記吊り下げ具を前記結合孔に沿って挿通させつつ、U字形を有する前記報知部材の内側に挿通させて前記結合部に結合した携帯用切断機。
  6. 請求項1〜記載の携帯用切断機であって、
    前記結合部が外力により変形すると、前記報知部材が前記吊り下げ具に引き掛けられて移動することにより前記結合部の変形を報知する構成とした携帯用切断機。
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