JP6863331B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Description

本開示は、非水電解質二次電池に関する。
特開2002−164052号公報(特許文献1)は、導電パスを形成するために、負極が負極活物質と導電材とを備え、負極活物質は黒鉛と酸化ケイ素(SiO)とを含み、導電材はカーボンブラックと繊維状炭素の両方を含む非水電解質二次電池を開示する。
特開2002−164052号公報
SiOは充放電時の膨張収縮量が大きいため、負極活物質同士の接触によって形成される導電パスが切断されて電気的に孤立化した負極活物質粒子が増加し易く、使用(充放電サイクル)の初期に容量低下が大きい傾向がある。このため、特許文献1に開示される非水電解質二次電池(以下「電池」と略記され得る)では、負極合材中にカーボンブラックと繊維状炭素とを含む導電材を配合することで、使用による電池の容量低下を抑制することが提案されている。しかし、この場合、導電性材料である繊維状炭素にも電解液の還元分解等によって被膜が形成されるため、保存後の容量低下が大きく、保存特性が不十分であると考えられる。
本開示の目的は、黒鉛およびSiOを含む負極を備える非水電解質二次電池において、使用による容量低下を抑制しつつ、保存特性の低下を抑制することにある。
以下、本開示の技術的構成および作用効果が説明される。ただし本開示の作用メカニズムは推定を含んでいる。作用メカニズムの正否により、特許請求の範囲が限定されるべきではない。
〔1〕本開示は、負極を備える非水電解質二次電池に係る。
負極は、負極合材層を含む。
負極合材層は、負極活物質、カーボンブラック、フィラーおよびバインダを含む。
負極活物質は、黒鉛および酸化ケイ素を含む。
フィラーは、セラミックスまたはセルロースからなり、5μm以上10μm以下の長軸長を有し、かつ、16.7以上1000以下のアスペクト比を有する。
一般的に、SiOは充放電時の膨張収縮量が大きい。このため、負極活物質がSiOを含む場合、充放電によって負極活物質同士の導電ネットワークが切断されやすいと考えられる。これにより、負極活物質が負極合材層内で孤立化し、電池容量が低下すると考えられる。
これに対して、図1を参照して、本開示の電池では、負極合材層が負極活物質(黒鉛61およびSiO62)、カーボンブラック64、フィラー63およびバインダ65を含む。そして、フィラー63が、5μm以上10μm以下の長軸長を有し、かつ、16.7以上1000以下のアスペクト比を有するような形状(例えば、針状または繊維状)であることにより、充放電サイクルに伴うSiO62の膨張および収縮が起こる際でもフィラー63がその膨張および収縮に追随するため、負極活物質同士のカーボンブラック64、フィラー63およびバインダ65を介した接触が維持され易くなる。これにより、負極合材層内での負極活物質の孤立化が抑制され、使用による電池の容量低下が抑制される。なお、セラミックスまたはセルロースからなるフィラー63の導電性は低い(例えば、電気伝導率が10S/m以下)が、フィラー63の周囲に付着したカーボンブラック64(導電材)によって、導電パス(負極活物質同士の電気的接続)が維持されるものと考えられる。
また、フィラー63が導電性の低いセラミックスまたはセルロースからなることにより、電解液の還元分解等による被膜が形成され難いため、導電性の高い(被膜が形成され易い)繊維状炭素などを用いた場合に比べて、保存後の容量低下が抑制され、電池の保存特性の低下が抑制される。
したがって、本開示によれば、黒鉛およびSiOを含む負極を備える非水電解質二次電池において、使用による容量低下を抑制しつつ、保存特性の低下を抑制することができる。
本開示の効果を説明するための概念図である。 実施形態の非水電解質二次電池の構成の一例を示す概略図である。 実施形態の電極群の構成の一例を示す概略図である。 実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。 実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。
以下、本開示の実施形態(本明細書では「本実施形態」と記される)が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない。
<非水電解質二次電池の構成>
本開示の非水電解質二次電池は、本開示に係る負極活物質、導電材およびバインダを含む負極合材層を含む負極を備えていれば特に制限はなく、その他の構成、構造については従来公知の構成が採用できる。従来公知の構成とは、例えば正極と、負極と、正極と負極との間に配置されたセパレータとを有する電極群とを備え、この電極群がリチウムイオン伝導性を有する電解液と共に外装材に配置される構成などをいう。
図2は、本実施形態に係る電池の構成の一例を示す概略図である。
電池100は、外装材50を含む。外装材50は、例えばアルミラミネートフィルム製である。すなわち電池100は、ラミネート型電池である。ただし本実施形態において、電池100の型式および形式は特に限定されるべきではない。電池100は、例えば角形電池であってもよいし、円筒形電池であってもよい。正極タブ51および負極タブ52は、それぞれ外装材50の内外を連通している。正極タブ51は、例えばアルミニウム(Al)薄板である。負極タブ52は、例えば銅(Cu)薄板である。外装材50は、CID、ガス排出弁、注液孔等を備えていてもよい(いずれも、図示せず)。
<電極群>
図3は、本実施形態に係る電極群の構成の一例を示す概略図である。
外装材50は、電極群40および電解液(図示されず)を収納している。電極群40は、積層(スタック)型である。ただし電極群40は巻回型であってもよい。電極群40は、正極10、負極20およびセパレータ30を含む。すなわち電池100は、負極20を少なくとも含む。
<負極>
図4は、本実施形態の負極の構成の一例を示す概略図である。
電池100は、負極20を少なくとも含む。負極20は、帯状のシートであり得る。負極20は、負極集電体21および負極合材層22を含む。すなわち、負極20は、負極合材層22を含む。負極集電体21は、例えばCu箔等であってもよい。負極集電体21は、例えば5μm以上20μm以下の厚さを有してもよい。
《負極合材層》
負極合材層22は、負極集電体21の表面に形成されている。
負極合材層22は、負極集電体21の表裏両面に形成されていてもよい。負極合材層22は、例えば50μm以上150μm以下の厚さを有してもよい。負極合材層22は、負極活物質、導電材、フィラーおよびバインダを含む。負極合材層22は、例えば90質量%以上99質量%以下の負極活物質、0.5質量%以上5質量%以下の導電材、および、0.5質量%以上5質量%以下のバインダを含んでもよい。
(負極活物質)
負極活物質は、電荷担体(本実施形態ではリチウムイオン)を電気化学的に吸蔵し、放出する。負極活物質は、黒鉛および酸化ケイ素(SiO)を含む。負極活物質は、例えば、黒鉛とSiOとの混合物であり得る。負極活物質が黒鉛およびSiOを含むことにより、電池容量の増加が期待される。
黒鉛は、天然黒鉛でも人造黒鉛でもよく、球形化されたものでもよく、非晶質でコートされたものでもよい。黒鉛は、例えば10〜20μmの平均粒径を有してもよい。
SiOは、例えば1〜10μmの平均粒径を有してもよい。なお、本明細書において「平均粒径」とは、レーザ回折散乱法によって得られる体積基準の粒子径分布において微粒側からの積算粒子体積が全粒子体積の50%になる粒子径(D50)を示す。
SiOは、黒鉛およびSiOからなる負極活物質に対して1質量%以上30質量%以下含まれてもよく、該負極活物質に対して2質量%以上25質量%以下含まれることが好ましく、該負極活物質に対して5質量%以上20質量%以下含まれることがより好ましい。SiOが、負極活物質に対して1質量%未満の量で含まれる場合、電池容量が十分に増加しない可能性がある。SiOが、負極活物質に対して30質量%を超える量で含まれる場合、導電材を少量添加しても、使用における容量低下を十分に改善することはできない。一方、導電材を多量添加すると、使用における容量低下をある程度改善できるが、保存特性が低下する。
(カーボンブラック)
カーボンブラック64としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、ケッチェンブラック(登録商標)等が挙げられる。カーボンブラック64は、気相成長炭素繊維(VGCF)等であってもよい。カーボンブラック64の一次粒子(混合前の原料粉末)は、例えば10〜40nmの平均粒径を有してもよい。なお、カーボンブラック64は例えば導電材として機能し得る。
(フィラー)
フィラー63は、セラミックスまたはセルロースからなる。セラミックスとしては、特に限定されないが、例えば、ZnO、TiO、WO、NiO、Alなどが挙げられる。セルロースも特に限定されない。
フィラー63は、5μm以上10μm以下の長軸長を有する。また、フィラー63は、16.7以上1000以下のアスペクト比を有する。フィラー63の形状は、例えば、針状、繊維状などであってもよい。
(バインダ)
バインダ65は特に限定されるべきではない。バインダ65は例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアミド(PA)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)等であってもよい。負極20に1種のバインダが単独で含まれていてもよい。負極20に2種以上のバインダが含まれていてもよい。バインダの含量は、100質量部の負極活物質の総量(黒鉛およびSiOの合計量)に対して、例えば0.1質量部以上10質量部以下であってもよい。
<正極>
図5は、本実施形態の正極の構成の一例を示す概略図である。
電池100は、正極10を少なくとも含む。正極10は、帯状のシートであり得る。正極10は、正極合材層12および正極集電体11を含む。正極集電体11は、例えばAl箔等であってもよい。正極集電体11は、例えば10μm以上50μm以下の厚さを有してもよい。
《正極合材層》
正極合材層12は、正極集電体11の表面に形成されている。正極合材層12は正極集電体11の表裏両面に形成されていてもよい。正極合材層12は、例えば100μm以上200μm以下の厚さを有してもよい。正極合材層12は、正極活物質を少なくとも含む。正極合材層12は、例えば80質量%以上98質量%以下の正極活物質、1質量%以上10質量%以下の導電材、および1質量%以上10質量%以下のバインダを含んでもよい。
(正極活物質、導電材およびバインダ)
正極活物質、導電材およびバインダは特に限定されるべきではない。正極活物質は、例えばLiCoO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3(NCM)、LiMnO、LiMn、LiFePO等であってもよい。導電材は、例えばアセチレンブラック(AB)、ファーネスブラック、気相成長炭素繊維(VGCF)、黒鉛等であってもよい。バインダは、例えばポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等であってもよい。
<セパレータ>
図3に示すように、電池100はセパレータ30を含み得る。セパレータ30は、帯状のフィルムである。セパレータ30は、正極10および負極20の間に配置されている。セパレータ30は、電気絶縁性の多孔質膜である。セパレータ30は、例えば、5〜30μmの厚さを有してもよい。セパレータ30は、例えば、ポリエチレン(PE)製、ポリプロピレン(PP)製等であり得る。
セパレータ30は、積層構造を有してもよい。例えば、セパレータ30は、PP製の多孔質膜と、PE製の多孔質膜と、PP製の多孔質膜とがこの順序で積層されることにより、構成されていてもよい。セパレータ30は、その表面に耐熱層を有していてもよい。耐熱層は、例えば、アルミナ等の酸化物材料、ポリイミド等の樹脂材料を含み得る。
<電解液>
電解液は、溶媒および支持電解質塩を備える。溶媒は非プロトン性である。溶媒は、例えば、環状カーボネートおよび鎖状カーボネートの混合物でよい。混合比は、例えば、環状カーボネート:鎖状カーボネート=1:9〜5:5(体積比)でよい。環状カーボネートとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)およびブチレンカーボネート(BC)が挙げられる。鎖状カーボネートとしては、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。環状カーボネートおよび鎖状カーボネートは、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。支持電解質塩は、例えば、LiPF、LiBF、Li[N(FSO]等でよい。電解液60において、支持電解質塩は、例えば、0.5〜2.0mоl/lの濃度を有してもよい。支持電解質塩は、1種単独で使用されてもよいし、2種以上が組み合わされて使用されてもよい。
(その他の成分)
溶媒およびリチウム塩以外に、その他の成分がさらに含まれていてもよい。その他の成分としては、例えば、被膜形成剤等の添加剤が考えられる。被膜形成剤としては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、Li[B(C](通称「LiBOB」)、LiPO2、プロパンサルトン(PS)、エチレンサルファイト(ES)等が挙げられる。電解液は、例えば、0.1〜5質量%のその他の成分を含んでもよい
以下本開示の実施例が説明される。ただし以下の説明は特許請求の範囲を限定するものではない
<非水電解質二次電池の製造>
《参考例1,2,10、実施例3〜9,11〜14》
1.正極の製造
以下の材料が準備された。
正極活物質: NCM
導電材: AB
バインダ: PVdF
溶媒: N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
正極集電体: Al箔
正極活物質、導電材、バインダおよび溶媒が混合されることにより、正極合材スラリーが調製された。固形分の混合比は「正極活物質:導電材:バインダ=98:1:1(質量比)」である。正極合材スラリーが正極集電体11の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより正極合材層12が形成された。正極合材層12が圧延された。これにより正極10が製造された。正極10がシート状に裁断された。
2.負極の製造
以下の材料が準備された。
負極活物質: 黒鉛(非晶質コート球形化天然黒鉛、平均粒径:15μm)とSiO(平均粒径:5μm)との混合物[黒鉛/SiO=95/5(質量比)]
カーボンブラック(導電材): AB(一次粒子の平均粒径:35nm)
セラミックスフィラーまたはセルロースファイバー(参考例1,2,10、実施例3〜9,11〜14の各々において、表1に示すいずれかを使用した。)
バインダ: CMC
溶媒: 水
負極集電体: Cu箔
負極活物質、AB、セラミックスフィラーまたはセルロースファイバー、バインダおよび溶媒が混合されることにより、負極合材スラリーが調製された。固形分の混合比は「負極活物質:AB:セラミックスフィラーまたはセルロースファイバー:バインダ=97:1:1:1(質量比)」である。負極合材スラリーが負極集電体21の表面(表裏両面)に塗布され、乾燥された。これにより、負極合材層22が形成された。負極合材層22が圧延された。これにより負極20が製造された。負極20がシート状に裁断された。
3.組み立て
複数の負極20の各々と複数の正極10の各々とが、積層方向の両方の外縁に負極20が位置するように、セパレータ30を挟んで交互に積層され、積層型の電極群40が作製された。セパレータ30は、PP製の多孔質膜、PE製の多孔質膜、およびPP製の多孔質膜がこの順序で積層されることにより、構成されている。
電極群40がアルミラミネートフィルム製の角形の外装材50に収納された。外装材50に電解液が注入された。電解液は以下のLi塩および溶媒を含む。
Li塩: LiPF(1.0mоl/L)
溶媒: [EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]
外装材50が密封された。
以上より、参考例1,2,10、実施例3〜9,11〜14の電池(ラミネート型電池)100が製造された。
《比較例1〜7》
負極20の製造に導電材として用いられるフィラー63が、下記表1に示される繊維状のカーボンナノチューブ(CNT)に変更されたことを除いては、実施例1と同様にして比較例1〜7の電池100が製造された。
《比較例8》
負極20の製造にカーボンブラックおよびフィラー63を用いず、負極活物質、CMCおよび溶媒(水)を混合して得たスラリーに、SBRを添加して更に混合することにより負極合材スラリーが調製された。固形分の混合比は「負極活物質:CMC:SBR=98:1:1(質量比)」である。それ以外は実施例と同様にして比較例8の電池100が製造された。
<評価>
(初期容量測定)
25℃において、以下の定電圧−定電流(CV−CC)方式充電および定電圧−定電流(CV−CC)方式放電により、各実施例、参考例および比較例に係る電池の初期容量(放電容量)が確認された。
CV−CC方式充電:CV=4.2V、CC=12A(0.3C)、終止電流=2A
CV−CC方式放電:CV=2.5V、CC=12A(0.3C)、終止電流=2A
(充放電サイクル試験)
25℃において、各実施例、参考例および比較例に係る電池について、以下の定電圧−定電流方式充電(CV−CC充電)および定電流方式放電(CC放電)からなる充放電サイクルを50回繰り返した。
CV−CC方式充電:CV=4.2V、CC=20A(0.5C)、終止電流=2A
CC方式放電:電流=20A(0.5C)、終止電圧=2.5V
50サイクル後に、初期容量測定と同じ条件で電池の容量(放電容量)を測定し、サイクル後の放電容量を初期容量(初期の放電容量)で除することで、サイクル後の容量維持率を求めた。結果を表1の「サイクル容量維持率」の欄に示す。
(保存試験)
電池を満充電状態にし、60℃環境下において、14日間の保存試験(高温保存試験)を行った。保存試験後に、初期容量測定と同じ条件で、保存後の容量を測定し、保存後の放電容量を初期の放電容量で除して、保存後の容量維持率を求めた。結果を表1の「保存後容量維持率」の欄に示す。
(短軸長、長軸長、アスペクト比の測定)
SEMまたはTEM画像より、針状、繊維状の長軸長(長さに相当)と短軸長(径に相当)を測定した。この際、任意の20箇所について測定を行い、その平均値を測定値とした。長軸長/短軸長をアスペクト比とした。
Figure 0006863331
<結果>
表1の「サイクル容量維持率」の結果では、負極合材層の材料として、セラミックスフィラー(セラミックスからなるフィラー)またはセルロースファイバー(セルロースからなるフィラー)と、カーボンブラックであるABとを用いた実施例3〜9,11〜14では、フィラーおよび導電材を添加していない比較例8と比較して、サイクル容量維持率が高かった。また、負極合材層の材料として、CNTとABとを用いた比較例1〜7と比較して、同等のサイクル容量維持率を示した。
これらの結果から、針状、繊維状等のセラミックスフィラー(無機フィラー)またはセルロースファイバーと、導電性の高いカーボンブラックとを組合せることで、充放電サイクル後の容量維持率の低下が抑制され、サイクル特性の改善効果が得られることが分かる。また、CNTとABを添加した場合と同様のサイクル特性改善効果が得られることもわかる。
これは、針状、繊維状等のセラミックスフィラーまたはセルロースファイバーに、ABとバインダが付着してできた導電パスが、充放電サイクルに伴う負極活物質(特にSiO)の膨張および収縮が起こった際にも、活物質粒子間の集電性を確保しているためであると推定される。なお、電極のSEM観察からも負極活物質粒子間の導電パスを確認することができた。
ただし、フィラー63の長軸長が2μm以下で、アスペクト比が16.7より小さい参考例1および2の場合、サイクル特性の改善効果が小さくなった。これは、フィラーの長軸長が短いため、フィラーが充放電サイクルに伴う負極活物質の膨張および収縮に追随しにくかったことが原因であると推定される。一方、フィラーの長軸長が100μmで、アスペクト比が5000である参考例10の場合も、サイクル特性の改善効果が小さくなった。これは、フィラーの長軸長が長すぎて、負極活物質粒子間に存在する導電パスの割合が見かけ上少なくなったことが原因であると推定される。
以上より、針状、繊維状等のセラミックスフィラーまたはセルロースファイバーと、導電材(カーボンブラック)を用いて負極合材層を製造し、セラミックスフィラーまたはセルロースファイバーの長軸長が5〜10μmであり、アスペクト比が16.7〜1000であることにより、サイクル特性の改善効果が得られると考えられる。
さらに、表1の「保存後の容量維持率」の結果から、負極合材にCNTとABを添加した比較例1〜7では、保存後の容量維持率が76〜86%と低いのに対して、セラミックスフィラーまたはセルロースファイバーとAB(カーボンブラック)を用いた実施例1〜14では、高温保存後の容量維持率が90〜92%と高く、CNTや導電材を添加していない比較例8の94%に近い容量維持率を示した。
これは、比較例1〜7では、CNTの導電性が高いために電解液の還元分解等による被膜形成反応が起こり、容量が低下したのに対し、実施例3〜9,11〜14では、セラミックスフィラーまたはセルロースファイバーの導電性が低いため、これらからなるフィラーには被膜が形成されず、保存後容量維持率の低下が抑制されたと考えられる。
以上より、本開示によれば、黒鉛およびSiOを含む負極を備える非水電解質二次電池において、使用による容量低下を抑制しつつ、保存特性の低下を抑制することが出来ると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。特許請求の範囲の記載によって確定される技術的範囲は特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含む。
10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、30 セパレータ、40 電極群、50 外装材、51 正極タブ、52 負極タブ、61 黒鉛、62 SiO、63 フィラー、64 カーボンブラック、65 バインダ、100 電池(非水電解質二次電池)。

Claims (1)

  1. 負極を備える非水電解質二次電池であって、
    前記負極は、負極合材層を含み、
    前記負極合材層は、負極活物質、カーボンブラック、フィラーおよびバインダを含み、
    前記負極活物質は、黒鉛および酸化ケイ素を含み、前記酸化ケイ素の含有量は1質量%以上30質量%以下であり、前記黒鉛の平均粒径は10μm以上20μm以下であり、前記酸化ケイ素の平均粒径は1μm以上10μm以下であり、
    前記フィラーは、セラミックスからなり、5μm以上10μm以下の長軸長を有し、かつ、16.7以上1000以下のアスペクト比を有する、非水電解質二次電池。
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