JP6859127B2 - 搬送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ウェブを搬送する搬送装置に関する。
長尺状のウェブを印刷媒体として搬送しつつウェブに印刷する印刷装置が知られている。このような印刷装置において、ウェブの蛇行が発生すると、印刷画像が乱れるおそれがある。このため、ウェブの蛇行が発生すると、蛇行を補正する必要がある。
印刷媒体の蛇行を補正する技術として、印刷媒体をニップする一対のローラにおける幅方向(ローラの軸方向)における一方側と他方側とのニップ圧バランスを調整することで、印刷媒体の蛇行を補正する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この技術では、ニップ圧の低い方向に印刷媒体が流れる力を利用して、蛇行を補正することができる。
特開平7−69487号公報
しかしながら、特許文献1の技術によりウェブの蛇行補正を行う場合、特に、高速でウェブを搬送する装置においては、ウェブの種類や幅によって、蛇行補正応答感度が大きく異なる。このため、同じようにニップ圧バランスを調整しても、搬送中のウェブの種類や幅によっては、蛇行補正が終了するまでに要する時間が異なることがある。すなわち、ウェブの蛇行補正性能にばらつきが生じる。このため、例えば、蛇行補正の遅れが生じ、印刷画像の乱れを抑えることができないおそれがある。
本発明は上記に鑑みてなされたもので、ウェブの蛇行補正性能のばらつきを低減できる搬送装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る搬送装置の第1の特徴は、搬送されるウェブをニップする一対のローラと、前記一対のローラにおけるウェブの幅方向のニップ圧バランスを調整する調整部と、ウェブの蛇行発生時において、搬送されるウェブの前記ニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度に応じて、ウェブの蛇行量が規定時間以内に解消するよう前記ニップ圧バランスを調整してウェブの蛇行を補正するよう前記調整部を制御する制御部とを備えることにある。
本発明に係る搬送装置の第2の特徴は、ウェブの幅方向における位置を検出する検出部をさらに備え、前記制御部は、ウェブに対する印刷開始前のウェブの加速期間において、前記調整部により前記ニップ圧バランスを複数通りに変化させつつ、それぞれの前記ニップ圧バランスの設定時において、ウェブの搬送量と、前記検出部により検出されるウェブの幅方向における位置の移動量との比を算出し、算出したそれぞれの前記ニップ圧バランスにおけるウェブの搬送量と幅方向における位置の移動量との比に基づき、搬送されるウェブの前記ニップ圧バランスによる前記蛇行補正応答感度を設定することにある。
本発明に係る搬送装置の第3の特徴は、前記一対のローラは、一方のローラにブレーキが接続され、前記ブレーキのブレーキ力によりウェブに張力を付与するものであることにある。
本発明に係る搬送装置の第1の特徴によれば、制御部は、搬送されるウェブのニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度に応じて、ウェブの蛇行量が規定時間以内に解消するようニップ圧バランスを調整してウェブの蛇行を補正するよう調整部を制御する。これにより、ウェブの種類や幅等によってニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度が異なることに起因する蛇行補正の遅れ等の、蛇行補正の不具合が低減する。この結果、ウェブの蛇行補正性能のばらつきを低減できる。
本発明に係る搬送装置の第2の特徴によれば、制御部は、ウェブに対する印刷開始前のウェブの加速期間において、調整部によりニップ圧バランスを複数通りに変化させつつ、それぞれのニップ圧バランスの設定時において、ウェブの搬送量と、検出部により検出されるウェブの幅方向における位置の移動量との比を算出する。そして、制御部は、算出したそれぞれのニップ圧バランスにおけるウェブの搬送量と幅方向における位置の移動量との比に基づき、搬送されるウェブのニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度を設定する。これにより、実際に搬送されるウェブを使用して、当該ウェブに対応する蛇行補正応答感度が自動的に設定されるので、蛇行補正応答感度の誤設定が回避される。また、任意の種類、幅等のウェブに対応する蛇行補正応答感度を設定できる。この結果、ウェブの蛇行補正性能のばらつきをより低減できる。
本発明に係る搬送装置の第3の特徴によれば、一対のローラは、一方のローラにブレーキが接続され、ブレーキのブレーキ力によりウェブに張力を付与するものである。これにより、ウェブに張力を付与するための機構を利用して、ウェブの蛇行補正を行うことができる。この結果、専用の蛇行補正機構を設置する必要がないので、装置の大型化を抑えることができる。
実施の形態に係る印刷装置の概略構成図である。 図1に示す印刷装置のブレーキユニットの斜視図である。 図1に示す印刷装置のブレーキユニットの部分拡大斜視図である。 図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。 印刷装置の動作を説明するためのフローチャートである。 補正比曲線の一例を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。
以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る搬送装置を備えた印刷装置の概略構成図である。図2は、図1に示す印刷装置のブレーキユニットの斜視図である。図3は、ブレーキユニットの部分拡大斜視図である。図4は、図1に示す印刷装置の制御ブロック図である。なお、以下の説明において、図1の紙面に直交する方向を前後方向とし、紙面表方向を前方とする。また、図1における紙面の上下左右を上下左右方向とする。
図1、図4に示すように、本実施の形態に係る印刷装置1は、巻出部2と、搬送部3と、印刷部4A,4Bと、巻取部5と、制御部6とを備える。なお、搬送部3と制御部6とが搬送装置を構成する。
巻出部2は、搬送部3へ巻き出されるウェブWを保持する。ウェブWは、フィルム、紙等からなる長尺状の印刷媒体である。巻出部2は、ウェブロール支持軸11を備える。
ウェブロール支持軸11は、ウェブロール12を回転可能に支持する。ウェブロール12は、ウェブWがロール状に巻かれたものである。ウェブロール支持軸11は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
搬送部3は、巻出部2から巻き出されたウェブWを搬送する。搬送部3は、ガイドローラ21〜29と、20本のヘッド下支持部材30と、一対の搬送ローラ31と、搬送モータ32と、エンコーダ33と、ウェブ端センサ(検出部)34と、ブレーキユニット35とを備える。
ガイドローラ21〜29は、搬送部3において搬送されるウェブWをガイドする。ガイドローラ21〜29は、搬送されるウェブWに従動回転する。ガイドローラ21〜29は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
ガイドローラ21は、巻出部2とブレーキユニット35との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ21は、巻出部2の右側近傍に配置されている。
ガイドローラ22〜28は、ブレーキユニット35と搬送ローラ31との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ22は、ガイドローラ21の右下方に配置されている。ガイドローラ23は、ガイドローラ23の左上方でガイドローラ21より高い位置に配置されている。ガイドローラ24は、ガイドローラ23の上方に配置されている。ガイドローラ25は、ガイドローラ24とほぼ同じ高さで、ガイドローラ24の右方に配置されている。ガイドローラ26は、ガイドローラ25の下方であって、ガイドローラ23より高い位置に配置されている。ガイドローラ27は、ガイドローラ26の左方であって、ガイドローラ23,24間のウェブWの右側近傍であり、ガイドローラ26とほぼ同じ高さである位置に配置されている。ガイドローラ28は、ガイドローラ27の右下方に配置されている。
ガイドローラ29は、搬送ローラ31と巻取部5との間でウェブWをガイドする。ガイドローラ29は、巻取部5の左側近傍に配置されている。
ヘッド下支持部材30は、ガイドローラ24,25間およびガイドローラ26,27間において、後述するヘッドユニット61の下でウェブWを支持する。ヘッド下支持部材30は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。ガイドローラ24,25間およびガイドローラ26,27間に、それぞれ10本ずつのヘッド下支持部材30が配置されている。そして、ヘッド下支持部材30は、各ヘッドユニット61の直下に2本ずつ配置されている。ガイドローラ24,25間およびガイドローラ26,27間において、それぞれ10本のヘッド下支持部材30は、ウェブWが上に凸のアーチを描くように配置されている。
一対の搬送ローラ31は、ウェブWをニップしつつ、巻取部5へ向けてウェブWを搬送する。一対の搬送ローラ31は、ガイドローラ28,29間に配置されている。
搬送モータ32は、搬送ローラ31を回転駆動させる。
エンコーダ33は、ガイドローラ24に接続され、ガイドローラ24の所定の回転角度ごとにパルス信号を出力する。
ウェブ端センサ34は、ウェブWの幅方向(前後方向)における位置を検出する。具体的には、ウェブ端センサ34は、ウェブWの前側の端の位置を検出する。ウェブ端センサ34は、ウェブWの搬送方向におけるブレーキユニット35の下流側近傍に配置されている。ウェブ端センサ34は、例えば、発光部および受光部を有する光学式センサからなる。なお、ウェブ端センサ34は、ウェブWの後側の端の位置を検出するものでもよい。
ブレーキユニット35は、搬送ローラ31との間のウェブWに張力を付与する。また、ブレーキユニット35は、ウェブWの蛇行を補正する。ブレーキユニット35は、ガイドローラ21,22間に配置されている。図2、図3に示すように、ブレーキユニット35は、ブレーキローラ41と、加圧ローラ42と、ブレーキ43と、ブレーキベルト44と、加圧バネ45,46と、加圧アーム47,48と、調整部49とを備える。
ブレーキローラ41と加圧ローラ42とは、ウェブWをニップし、ブレーキ43のブレーキ力により、搬送されるウェブWに張力を付与するための一対のローラを構成する。ブレーキローラ41および加圧ローラ42は、前後方向に細長い円柱形状に形成されている。
ブレーキ43は、ウェブWに張力を付与するためのブレーキ力を発生する。ブレーキ43は、ブレーキベルト44を介して、ブレーキユニット35の一対のローラのうちの一方のローラであるブレーキローラ41に接続されている。ブレーキ43は、ブレーキ力を出力する出力軸43aを有する。ブレーキ43は、例えば、パウダーブレーキからなる。
ブレーキベルト44は、ブレーキ43のブレーキ力をブレーキローラ41に伝達する。ブレーキベルト44は、ブレーキ43の出力軸43aに取り付けられたプーリ51と、ブレーキローラ41の回転軸41aに取り付けられたプーリ52との間に掛け渡されている。
加圧バネ45,46は、それぞれ加圧アーム47,48の一端部を引っ張ることで、加圧ローラ42をブレーキローラ41に圧接させる。
加圧バネ45は、一端が後側の加圧アーム47の一端部に掛けられ、他端が印刷装置1内に固定された引掛け部材53に掛けられている。加圧バネ45は、一定のバネ力で加圧アーム47を引っ張る。これにより、ブレーキローラ41および加圧ローラ42の後端部におけるニップ圧は一定となっている。
加圧バネ46は、一端が前側の加圧アーム48の一端部に掛けられ、他端が後述する調整アーム56の一端部に掛けられている。これにより、加圧バネ46は、調整アーム56の回動に応じてバネ力が変化する。この加圧バネ46のバネ力の変化により、ブレーキローラ41および加圧ローラ42の前端部におけるニップ圧が可変になっている。
加圧アーム47,48は、それぞれ加圧バネ45,46のバネ力により加圧ローラ42をブレーキローラ41側に押圧する。
加圧アーム47は、加圧ローラ42の後方において回転軸42aに取り付けられたベアリング(図示せず)を押圧することで、加圧ローラ42の後端部をブレーキローラ41側に押圧する。加圧アーム47は、一端部に加圧バネ45が掛けられ、他端部は回動軸(図示せず)により回動可能に支持されている。
加圧アーム48は、加圧ローラ42の前方において回転軸42aに取り付けられたベアリング54を押圧することで、加圧ローラ42の前端部をブレーキローラ41側に押圧する。加圧アーム48は、一端部に加圧バネ46が掛けられ、他端部は回動軸48aにより回動可能に支持されている。
調整部49は、ウェブWの蛇行補正のために、ブレーキローラ41および加圧ローラ42における前後方向(ウェブWの幅方向)のニップ圧バランスを調整する。このニップ圧バランスは、ブレーキローラ41および加圧ローラ42による前側におけるニップ圧と後側におけるニップ圧とのバランスである。調整部49は、前側の加圧バネ46のバネ力を調整することにより、ニップ圧バランスを調整する。
調整部49は、調整アーム56と、調整アーム駆動軸57と、調整モータ58と、ウォーム59と、斜歯ギア60とを備える。
調整アーム56は、加圧バネ46を伸縮させる。調整アーム56の一端部に、加圧バネ46が掛けられている。調整アーム56の他端部には、調整アーム駆動軸57が接続されている。調整アーム駆動軸57の回転により、調整アーム駆動軸57を中心に調整アーム56が回動することで、加圧バネ46が伸縮し、加圧バネ46のバネ力が変化する。
調整アーム駆動軸57は、調整アーム56を回動させる。調整アーム駆動軸57の一端部は調整アーム56に接続され、他端部は斜歯ギア60に接続されている。
調整モータ58は、調整アーム56を回動させるための駆動力を発生する。調整モータ58は、ステッピングモータからなる。
ウォーム59は、調整モータ58の駆動力により斜歯ギア60を回転させる。ウォーム59は、調整モータ58の出力軸に固定されている。
斜歯ギア60は、ウォーム59に噛合し、ウォーム59の回転に応じて回転することで、調整アーム駆動軸57を回転させる。
印刷部4A,4Bは、それぞれウェブWのおもて面、うら面に画像を印刷する。印刷部4Aは、ガイドローラ24,25間のウェブWの上方近傍に配置されている。印刷部4Bは、ガイドローラ26,27間のウェブWの上方近傍に配置されている。印刷部4A,4Bは、それぞれ5つのヘッドユニット61を備える。
ヘッドユニット61は、インクジェットヘッド(図示せず)を有し、インクジェットヘッドのノズルからウェブWにインクを吐出して画像を印刷する。印刷部4A,4Bのそれぞれにおいて、5つのヘッドユニット61は、相互に異なる色のインクを吐出する。
巻取部5は、印刷部4A,4Bにより印刷されたウェブWを巻き取る。巻取部5は、巻取軸66と、巻取モータ67とを備える。
巻取軸66は、ウェブWを巻き取って保持する。巻取軸66は、前後方向に延びる長尺状に形成されている。
巻取モータ67は、巻取軸66を図1における時計回りに回転させる。巻取軸66の回転により、ウェブWが巻取軸66に巻き取られる。
制御部6は、印刷装置1全体の動作を制御する。制御部6は、CPU、RAM、ROM、ハードディスク等を備えて構成される。
制御部6は、印刷動作を行う際、搬送モータ32および巻取モータ67を駆動させてウェブWを搬送させつつ印刷部4A,4Bのヘッドユニット61を駆動させてウェブWに画像を印刷させる。
また、制御部6は、印刷動作中におけるウェブWの蛇行発生時において、調整部49を制御してウェブWの蛇行を補正する。具体的には、制御部6は、搬送中のウェブWの前後方向のニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度に応じて、調整部49を制御して、ウェブWの蛇行量が規定時間Tk以内に解消するようブレーキローラ41および加圧ローラ42によるニップ圧バランスを調整する。
ここで、ニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度は、ニップ圧バランスに対するウェブWの蛇行補正の応答速度(ウェブWの幅方向への移動速度)を示すものである。ニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度は、ウェブWの種類(紙質等)、幅等によって異なるものである。印刷装置1では、後述するように、ウェブWの搬送速度が所定の印刷搬送速度Vgに到達するまでの、印刷開始前のウェブWの加速期間において、現在搬送中のウェブWに対応する蛇行補正応答感度を取得して設定する。印刷搬送速度Vgは、印刷部4A,4Bによる印刷時におけるウェブWの搬送速度として予め設定された速度である。
規定時間Tkは、ウェブWの蛇行による印刷画質の低下を抑えるための蛇行補正処理の制限時間として予め設定されたものである。規定時間Tkとしては、例えば、ウェブWを印刷搬送速度Vgで、隣接するヘッドユニット61間の距離だけ搬送するのに要する時間が設定される。これにより、ウェブWの蛇行によるインク色間の着弾位置ずれを抑え、印刷画質の低下を抑えることができる。
次に、印刷装置1の動作について説明する。
図5は、印刷装置1の動作を説明するためのフローチャートである。図5のフローチャートの処理は、印刷装置1がパーソナルコンピュータ等の外部装置から印刷ジョブを受信することにより開始となる。
図5のステップS1において、制御部6は、搬送モータ32および巻取モータ67を制御してウェブWの搬送を開始させる。搬送開始後、ウェブWの搬送速度は加速されていく。
次いで、ステップS2において、制御部6は、蛇行補正応答感度設定処理を実行する。蛇行補正応答感度設定処理は、現在搬送中のウェブWに対応する、ブレーキユニット35における前後方向のニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度を取得して設定する処理である。蛇行補正応答感度設定処理は、ウェブWの搬送開始から搬送速度が印刷搬送速度Vgになるまでの、印刷開始前のウェブWの加速期間において行われる。
蛇行補正応答感度設定処理において、制御部6は、まず、調整部49を制御して、ブレーキユニット35におけるニップ圧バランスを示す値である圧バランス差Δfを所定値に設定する。
圧バランス差Δfは、後側の加圧バネ45による加圧ローラ42の押圧力と前側の加圧バネ46による加圧ローラ42の押圧力との差である。制御部6は、初期状態からの調整モータ58の駆動パルス数に基づき、圧バランス差Δfを調整できる。
ここで、本実施の形態では、前側の加圧バネ46による加圧ローラ42の押圧力が後側の加圧バネ45による加圧ローラ42の押圧力より小さい場合に、圧バランス差Δfが負の値になるものとする。換言すれば、ブレーキローラ41および加圧ローラ42の前側より後側の方が、ニップ圧が大きくなるニップ圧バランスである場合に、圧バランス差Δfが負の値になるものとする。
圧バランス差Δfを所定値に設定してから所定の区間時間(例えば1秒間)が経過すると、制御部6は、当該区間時間におけるウェブWの搬送量である区間搬送量Δyを算出する。また、制御部6は、当該区間時間におけるウェブWの前後方向(幅方向)における位置の移動量である区間FR移動量Δxとを算出する。ここで、制御部6は、エンコーダ33の出力パルス数に基づき、区間搬送量Δyを算出する。また、制御部6は、当該区間時間の開始時点および終了時点における、ウェブ端センサ34により検出されたウェブWの前後方向における位置に基づき、区間FR移動量Δxを算出する。
そして、制御部6は、区間搬送量Δyと区間FR移動量Δxとの比である補正比Rc=Δx/Δyを算出する。
制御部6は、区間時間ごとに圧バランス差Δfを変化させつつ、それぞれの区間時間に応じた補正比Rcを算出する。
このようにして、制御部6は、圧バランス差Δfを複数通りに変化させつつ、それぞれの圧バランス差Δfに応じた補正比Rcを算出する。具体的には、制御部6は、複数通りの正の値の圧バランス差Δf、および複数通りの負の値の圧バランス差Δfのそれぞれについて、補正比Rcを算出する。
そして、制御部6は、それぞれの圧バランス差Δfの値に応じて算出した補正比Rcの値に基づき、図6に示すような補正比曲線71を求める。なお、図6の例の補正比曲線71は、それぞれ2つずつの正の値、負の値の圧バランス差Δfに対応する補正比Rcの値に基づいて得られたものである。
ここで、補正比Rcは、上述のように、ウェブWの搬送量に対する前後方向の移動量の比である。すなわち、補正比Rcの絶対値が大きいほど、ウェブWの単位搬送量あたりの前後方向(幅方向)への移動量が大きい。
ところで、ウェブWが定速搬送されている場合、ウェブWの搬送量は時間に比例する。したがって、ウェブWが定速搬送されている場合、補正比Rcの絶対値が大きいほど、ウェブWの前後方向(幅方向)への移動速度が速い。
このため、補正比曲線71は、ウェブWが定速搬送されている場合においては、圧バランス差Δfと、ウェブWの前後方向への移動速度との関係を示すものである。
ここで、ウェブWの蛇行補正が行われるのは、ウェブWが印刷搬送速度Vgで定速搬送されているときである。したがって、補正比曲線71は、ニップ圧バランス(圧バランス差Δf)による蛇行補正応答感度を示すものといえる。
そこで、制御部6は、補正比曲線71を、搬送中のウェブWのニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度として設定する。これにより、蛇行補正応答感度設定処理が終了となる。この際、圧バランス差Δfは「0」に設定されている。
図5に戻り、ステップS3において、制御部6は、ウェブWの搬送速度が印刷搬送速度Vgに到達したか否かを判断する。ウェブWの搬送速度が印刷搬送速度Vgに到達していないと判断した場合(ステップS3:NO)、制御部6は、ステップS3を繰り返す。
ウェブWの搬送速度が印刷搬送速度Vgに到達したと判断した場合(ステップS3:YES)、ステップS4において、制御部6は、搬送モータ32、巻取モータ67を制御して、印刷搬送速度VgでのウェブWの定速搬送を開始させる。この際、制御部6は、ブレーキ43を起動させる。また、制御部6は、印刷部4A,4Bのヘッドユニット61を制御して、印刷ジョブに基づくウェブWへの印刷を開始させる。
次いで、ステップS5において、制御部6は、ウェブ端センサ34により検出されたウェブWの前後方向における位置に基づき、ウェブWの蛇行が発生しているか否かを判断する。ここで、制御部6は、ウェブ端センサ34により検出されたウェブWの位置の、正規の位置からのずれ量である蛇行量Xaが閾値以上である場合、ウェブWの蛇行が発生していると判断する。
ウェブWの蛇行が発生していると判断した場合(ステップS5:YES)、ステップS6において、制御部6は、ウェブWの蛇行補正処理を実行する。
蛇行補正処理において、制御部6は、上述した蛇行補正応答感度設定処理で設定した蛇行補正応答感度(補正比曲線71)に応じて、蛇行量Xaが規定時間Tk以内に解消するようニップ圧バランスを調整することで、ウェブWの蛇行を補正する。
具体的には、制御部6は、下記の式(1)により、補正比Rc1を算出する。Rc1は、規定時間Tkで蛇行量Xaを解消するために必要な補正比Rcの値である。
Rc1=Xa/(Tk×Vg) …(1)
次いで、制御部6は、補正比曲線71を参照して、補正比Rc1に対応する圧バランス差Δf1の値を取得する。
そして、制御部6は、圧バランス差Δfが、補正比Rc1に対応するΔf1の値と正負が同じで絶対値がΔf1の絶対値以上の値となるように、調整部49を制御する。
ここで、圧バランス差Δf(絶対値)を大きくしすぎると、ウェブWの挙動が不安定になり、蛇行が解消できないおそれがある。そこで、制御部6は、圧バランス差Δfを、補正比Rc1に対応するΔf1の値と正負が同じで絶対値がΔf1の絶対値以上の値となる範囲において、過度に絶対値が大きな値にはしないように調整部49を制御する。
調整部49により上述のように圧バランス差Δfが調整されると、ブレーキローラ41および加圧ローラ42によるニップ圧の低い方向へウェブWが流れることで、蛇行が補正される。ウェブWの蛇行が解消されると、制御部6は、圧バランス差Δfを「0」とするよう調整部49を制御する。これにより、蛇行補正処理が終了となる。この後、制御部6は、ステップS5に戻る。
ステップS5において、ウェブWの蛇行は発生していないと判断した場合(ステップS5:NO)、ステップS7において、制御部6は、印刷ジョブに基づく印刷が終了したか否かを判断する。印刷ジョブに基づく印刷が終了していないと判断した場合(ステップS7:NO)、制御部6は、ステップS5に戻る。
印刷ジョブに基づく印刷が終了したと判断した場合(ステップS7:YES)、ステップS8において、制御部6は、ブレーキ43を停止させるとともに、搬送モータ32および巻取モータ67を制御してウェブWの搬送を終了させる。これにより、一連の動作が終了となる。
以上説明したように、印刷装置1では、制御部6は、搬送中のウェブWのニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度に応じて、ウェブWの蛇行量が規定時間Tk以内に解消するようブレーキローラ41および加圧ローラ42によるニップ圧バランスを調整してウェブWの蛇行を補正するよう調整部49を制御する。これにより、ウェブWの種類(紙質等)や幅等によってニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度が異なることに起因する蛇行補正の遅れ等の、蛇行補正の不具合が低減する。この結果、印刷装置1によれば、ウェブWの蛇行補正性能のばらつきを低減できる。
また、印刷装置1では、制御部6は、印刷開始前のウェブWの加速期間において、蛇行補正応答感度設定処理を実行する。具体的には、制御部6は、ニップ圧バランスを複数通りに変化させつつ、それぞれのニップ圧バランスの設定時において、ウェブWの搬送量(区間搬送量Δy)と、ウェブWの前後方向における移動量(区間FR移動量Δx)との比(補正比Rc)を算出する。そして、制御部6は、それぞれのニップ圧バランスにおける補正比Rcに基づき、搬送中のウェブWのニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度(補正比曲線71)を設定する。
これにより、実際に搬送されるウェブWを使用して、当該ウェブWの蛇行補正応答感度が自動的に設定されるので、蛇行補正応答感度の誤設定が回避される。また、任意の種類、幅等のウェブWに対応する蛇行補正応答感度を設定できる。この結果、ウェブWの蛇行補正性能のばらつきをより低減できる。
ここで、印刷装置1において、ウェブWの種類や幅等の、ウェブWに関する要因以外の外因により、ニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度が変化する場合がある。例えば、ウェブロール支持軸11によるウェブロール12の保持状態が正常でないことでウェブロール12の回転軸が前後方向において揺動するような場合、正常な場合に対して、ニップ圧バランスによる蛇行補正応答感度が変化する場合がある。このような場合にも、本実施の形態の蛇行補正応答感度設定処理により蛇行補正応答感度を設定することで、外因にも対応した蛇行補正応答感度が自動的に設定される。
また、印刷装置1では、ブレーキユニット35において調整部49を設けることで、ブレーキローラ41および加圧ローラ42におけるニップ圧バランスの調整によりウェブWの蛇行補正を行っている。これにより、ウェブWに張力を付与するための機構を利用して、ウェブWの蛇行補正を行うことができるようになっている。この結果、専用の蛇行補正機構を設置する必要がないので、装置の大型化を抑えることができる。
なお、上述した実施の形態では、蛇行補正応答感度設定処理により蛇行補正応答感度を設定した。しかし、制御部6は、印刷装置1で使用可能なウェブの種類および幅に応じた蛇行補正応答感度(補正比曲線)を予めテーブルとして保持しておき、そのテーブルを参照して、ニップ圧バランスの調整によるウェブWの蛇行補正を行うようにしてもよい。この場合、例えば、ユーザが操作パネルを操作して、今回の印刷動作において搬送されるウェブWに対応する蛇行補正応答感度を選択して設定する。制御部6は、選択された蛇行補正応答感度のテーブルを参照して蛇行補正を行う。
また、上述した実施の形態では、ブレーキユニット35のブレーキローラ41および加圧ローラ42におけるニップ圧バランスの調整によりウェブWの蛇行補正を行った。しかし、他の部分にウェブWをニップする一対のローラを設け、その一対のローラにおけるニップ圧バランスの調整によりウェブWの蛇行補正を行うようにしてもよい。
上述した実施の形態では、印刷装置が巻出部および巻取部を備える構成として説明したが、印刷装置に対して外部装置として巻取装置および巻出装置が接続された構成でもよい。
本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1 印刷装置
2 巻出部
3 搬送部
4A,4B 印刷部
5 巻取部
6 制御部
34 ウェブ端センサ
35 ブレーキユニット
41 ブレーキローラ
42 加圧ローラ
43 ブレーキ
44 ブレーキベルト
45,46 加圧バネ
47,48 加圧アーム
49 調整部
56 調整アーム
57 調整アーム駆動軸
58 調整モータ
59 ウォーム
60 斜歯ギア
W ウェブ

Claims (4)

  1. 搬送されるウェブをニップする一対のローラと、
    前記一対のローラにおけるウェブの幅方向の一方の端部におけるニップ圧と他方の端部におけるニップ圧との差である圧バランス差を調整する調整部と、
    ウェブの定速搬送時における蛇行発生時において、搬送されるウェブの前記圧バランス差による蛇行補正応答感度に応じ規定時間でのウェブの搬送量と蛇行量との比に対応する前記圧バランス差に基づき、前記圧バランス差を調整してウェブの蛇行を補正するよう前記調整部を制御する制御部と
    を備えることを特徴とする搬送装置。
  2. 前記制御部は、前記規定時間でのウェブの搬送量と蛇行量との比に対応する前記圧バランス差と正負が同じで、絶対値が前記規定時間でのウェブの搬送量と蛇行量との比に対応する前記圧バランス差以上の値となるように前記圧バランス差を調整してウェブの蛇行を補正するよう前記調整部を制御することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. ウェブの幅方向における位置を検出する検出部をさらに備え、
    前記制御部は、
    ウェブに対する印刷開始前のウェブの加速期間において、前記調整部により前記圧バランス差所定の区間時間ごとに変化させつつ、
    それぞれの前記区間時間において、ウェブの搬送量と、前記検出部により検出されるウェブの幅方向における位置の移動量との比を算出し、
    算出したそれぞれの前記区間時間の前記圧バランス差におけるウェブの搬送量と幅方向における位置の移動量との比に基づき、搬送されるウェブの前記圧バランス差による前記蛇行補正応答感度を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の搬送装置。
  4. 前記一対のローラは、一方のローラにブレーキが接続され、前記ブレーキのブレーキ力によりウェブに張力を付与するものであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の搬送装置。
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