JP6851515B2 - 基板処理装置および基板処理方法 - Google Patents

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Description

開示の実施形態は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
従来、基板処理システムにおいて、リン酸水溶液とシリコン溶液とを含んだエッチング液に基板を浸漬することで、かかる基板にエッチング処理を行うことが知られている(特許文献1参照)。
特開2017−118092号公報
本開示は、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液によるエッチング処理を適切に実施することができる技術を提供する。
本開示の一態様による基板処理装置は、処理槽と、混合装置と、送液路と、シリコン溶液供給部とを備える。処理槽は、基板を浸漬して処理する。混合装置は、リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤とを混合して混合液を生成する。送液路は、前記混合装置から前記処理槽に前記混合液を送る。シリコン溶液供給部は、前記送液路および前記処理槽の少なくとも一方に接続され、前記混合装置から供給される前記混合液にシリコン含有化合物水溶液を供給する。
本開示によれば、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液によるエッチング処理を適切に実施することができる。
図1は、実施形態に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図2は、実施形態に係る処理槽に混合液を初回に送液する際の各種処理における基板処理システムの各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。 図3は、実施形態に係る処理槽のエッチング液のシリコン濃度を調整する際の各種処理における基板処理システムの各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。 図4は、実施形態の変形例1に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図5は、実施形態の変形例2に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図6は、実施形態の変形例3に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図7は、実施形態の変形例3に係る処理槽に混合液を初回に送液する際の各種処理における基板処理システムの各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。 図8は、実施形態の変形例3に係る処理槽のエッチング液のシリコン濃度を調整する際の各種処理における基板処理システムの各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。 図9は、実施形態の変形例4に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図10は、実施形態の変形例4に係る複数のエッチング液供給部の処理フローの具体例を示す図である。 図11は、実施形態の変形例5に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図12は、実施形態の変形例5に係る複数のエッチング液供給部の処理フローの具体例を示す図である。 図13は、実施形態の変形例6に係る基板処理システムの構成を示す概略ブロック図である。 図14は、実施形態の変形例6に係る複数のエッチング液供給部の処理フローの具体例を示す図である。 図15は、実施形態に係る混合処理および基板処理の処理手順を示すフローチャートである。 図16は、実施形態の変形例3に係る混合処理および基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理装置、混合方法および基板処理方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
従来、基板処理システムにおいて、リン酸水溶液とシリコン溶液とを含んだエッチング液に基板を浸漬することで、かかる基板にエッチング処理を行うことが知られている。
たとえば、リン酸(HPO)水溶液に基板を浸漬することで、基板上に積層されたシリコン窒化膜(SiN)およびシリコン酸化膜(SiO)のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングすることができる。
さらに、リン酸水溶液にシリコン溶液(シリコン含有化合物水溶液)を追加することにより、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチングの選択比を向上させることができる。
一方で、シリコン窒化膜がエッチングされると、かかるシリコン窒化膜に含まれるシリコンがエッチング液内に溶出することから、リン酸水溶液のシリコン濃度が過剰になる場合がある。
そして、リン酸水溶液のシリコン濃度が過剰になると、シリコン酸化膜上にシリコン酸化物(SiO)が析出し、かかる析出したシリコン酸化物によって基板のエッチング処理が阻害される恐れがある。
そこで、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液によるエッチング処理を適切に実施することができる技術が期待されている。
<基板処理システムの構成>
まず、実施形態に係る基板処理システム1の構成について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。基板処理システム1は、基板処理装置の一例である。
基板処理システム1は、混合装置10と、シリコン溶液供給部25と、基板処理部30とを備える。混合装置10は、リン酸水溶液と、シリコン酸化物の析出を抑制する析出抑制剤とを混合して、混合液Mを生成する。析出抑制剤は添加剤の一例である。
シリコン溶液供給部25は、混合装置10で生成された混合液Mにシリコン含有化合物水溶液(以下、シリコン溶液とも呼称する。)を供給して、エッチング液Eを生成する。すなわち、実施形態に係るエッチング液Eは、リン酸水溶液と、析出抑制剤と、シリコン溶液とを含有する。
基板処理部30は、生成されたエッチング液EにウェハWを処理槽31で浸漬して、かかるウェハWにエッチング処理を施す。ウェハWは、基板の一例である。実施形態では、たとえば、ウェハW上に形成されたシリコン窒化膜(SiN)およびシリコン酸化膜(SiO)のうち、シリコン窒化膜を選択的にエッチングすることができる。
混合装置10は、リン酸水溶液供給部11と、析出抑制剤供給部12と、タンク14と、循環路15とを備える。
リン酸水溶液供給部11は、リン酸水溶液をタンク14に供給する。かかるリン酸水溶液供給部11は、リン酸水溶液供給源11aと、リン酸水溶液供給路11bと、流量調整器11cとを有する。
リン酸水溶液供給源11aは、たとえば、リン酸水溶液を貯留するタンクである。リン酸水溶液供給路11bは、リン酸水溶液供給源11aとタンク14とを接続し、リン酸水溶液供給源11aからタンク14にリン酸水溶液を供給する。
流量調整器11cは、リン酸水溶液供給路11bに設けられ、タンク14に供給されるリン酸水溶液の流量を調整する。流量調整器11cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
析出抑制剤供給部12は、析出抑制剤をタンク14に供給する。かかる析出抑制剤供給部12は、析出抑制剤供給源12aと、析出抑制剤供給路12bと、流量調整器12cとを有する。
析出抑制剤供給源12aは、たとえば、析出抑制剤を貯留するタンクである。析出抑制剤供給路12bは、析出抑制剤供給源12aとタンク14とを接続し、析出抑制剤供給源12aからタンク14に析出抑制剤を供給する。
流量調整器12cは、析出抑制剤供給路12bに設けられ、タンク14に供給される析出抑制剤の流量を調整する。流量調整器12cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
実施形態に係る析出抑制剤は、シリコン酸化物の析出を抑止する成分を含むものであればよい。たとえば、リン酸水溶液に溶解したシリコンイオンを溶解した状態で安定化させてシリコン酸化物の析出を抑制するような成分を含んでもよい。また、その他の公知の方法でシリコン酸化物の析出を抑制するような成分を含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤には、たとえば、フッ素成分を含むヘキサフルオロケイ酸(HSiF)水溶液を用いることができる。また、水溶液中のヘキサフルオロケイ酸を安定化させるため、アンモニアなどの添加物を含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤としては、たとえば、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム(NHSiFや、ヘキサフルオロケイ酸ナトリウム(NaSiF)などを用いることができる。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、イオン半径が0.2Åから0.9Åの陽イオンである元素を含む化合物であってもよい。ここで、「イオン半径」とは、結晶格子の格子定数から得られる陰イオンと陽イオンの半径の和から経験に求められたイオンの半径である。
実施形態に係る析出抑制剤は、たとえば、アルミニウム、カリウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、モリブデン、ハフニウム、ニッケルおよびクロムのいずれかの元素の酸化物を含んでもよい。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、上述のいずれかの元素の酸化物に代えてまたは加えて、上述のいずれかの元素の窒化物、塩化物、臭化物、水酸化物および硝酸塩のうち少なくとも1つを含んでもよい。
実施形態に係る析出抑制剤は、たとえば、Al(OH)、AlCl、AlBr、Al(NO、Al(SO、AlPOおよびAlのうち少なくとも1つを含んでもよい。
また、実施形態に係る析出抑制剤は、KCl、KBr、KOHおよびKNOのうち少なくとも1つを含んでもよい。さらに、実施形態に係る析出抑制剤は、LiCl、NaCl、MgCl、CaClおよびZrClのうち少なくとも1つを含んでもよい。
タンク14は、リン酸水溶液供給部11から供給されるリン酸水溶液と、析出抑制剤供給部12から供給される析出抑制剤とを貯留する。また、タンク14は、リン酸水溶液と析出抑制剤とが混ぜられて生成される混合液Mを貯留する。
タンク14には、上から順に第1液面センサS1および第2液面センサS2が設けられる。これにより、タンク14に貯留されるリン酸水溶液や混合液Mの液面の高さを制御している。さらに、実施形態では、かかる第1液面センサS1および第2液面センサS2を用いることにより、リン酸水溶液や析出抑制剤の液量を秤量することができる。
循環路15は、タンク14から出て、かかるタンク14に戻る循環ラインである。循環路15は、タンク14の底部に設けられる入口15aと、タンク14の上部に設けられる出口15bとを有し、かかる入口15aから出口15bに向かって流れる循環流を形成する。なお、実施形態では、タンク14に貯留される混合液Mの液面の上方に出口15bが配置される。
循環路15には、タンク14を基準として、上流側から順にポンプ16と、ヒータ17と、開閉弁18と、フィルタ19と、分岐部15cとが設けられる。また、分岐部15cからは、基板処理部30の処理槽31に混合液Mを送る送液路22が分岐している。
なお、送液路22は、分岐部15cから処理槽31の内槽31aおよび外槽31bに接続され、流量調整器23を有する。かかる流量調整器23は、処理槽31に供給される混合液Mの流量を調整する。流量調整器23は、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
ポンプ16は、タンク14から出て、循環路15を通り、タンク14に戻る混合液Mの循環流を形成する。
ヒータ17は、循環路15内を循環する混合液Mを加温する。実施形態では、かかるヒータ17で混合液Mを加温することによって、タンク14に貯留される混合液Mを加温する。
フィルタ19は、循環路15内を循環する混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質を除去する。なお、循環路15には、かかるフィルタ19をバイパスするバイパス流路20が設けられ、かかるバイパス流路20には開閉弁21が設けられる。
そして、循環路15に設けられる開閉弁18とバイパス流路20に設けられる開閉弁21とを互い違いに開閉することにより、フィルタ19を流れる循環流と、フィルタ19をバイパスする循環流とのいずれかを形成することができる。
シリコン溶液供給部25は、混合装置10で生成された混合液Mにシリコン溶液を供給する。実施形態に係るシリコン溶液は、たとえば、コロイダルシリコンを分散させた溶液である。シリコン溶液供給部25は、シリコン溶液供給源25aと、シリコン溶液供給路25bと、流量調整器25cとを有する。
シリコン溶液供給源25aは、たとえば、シリコン溶液を貯留するタンクである。流量調整器25cは、シリコン溶液供給路25bに設けられ、シリコン溶液供給路25bを流れるシリコン溶液の流量を調整する。流量調整器25cは、開閉弁や、流量制御弁や、流量計などから構成される。
ここで、実施形態では、シリコン溶液供給部25のシリコン溶液供給路25bが、送液路22に設けられる合流部22aに接続される。すなわち、実施形態では、混合装置10で混合液Mが生成された後、生成された混合液Mに個別にシリコン溶液を供給して、エッチング液Eを生成することができる。
これにより、基板処理部30に供給される混合液Mのシリコン濃度を広い範囲で調整することができる。つづいては、かかる混合液Mのシリコン濃度の調整方法について、図2および図3を参照しながら説明する。
図2は、実施形態に係る処理槽31に混合液Mを初回に送液する際の各種処理における基板処理システム1の各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。なお、かかる基板処理システム1の各部は、基板処理システム1に設けられる制御部(図示せず)により制御される。
かかる制御部は、図1に示した基板処理システム1の各部(混合装置10、基板処理部30など)の動作を制御する。制御部は、スイッチや各種センサなどからの信号に基づいて、基板処理システム1の各部の動作を制御する。
この制御部は、たとえばコンピュータであり、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(図示せず)を有する。かかる記憶媒体には、基板処理システム1において実行される各種の処理を制御するプログラムが格納される。
制御部は、記憶媒体に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板処理システム1の動作を制御する。なお、プログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されていたものであって、他の記憶媒体から制御部の記憶媒体にインストールされたものであってもよい。
コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
図2に示すように、実施形態では、混合処理と、加温処理と、フィルトレーション処理と、送液処理とが順に実施される。まず、制御部は、時間T0からリン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給することにより、混合処理を開始する。
なお、かかる時間T0の時点では、析出抑制剤供給部12と、シリコン溶液供給部25と、ポンプ16と、ヒータ17とは動作していない(OFF状態である)。また、時間T0の時点では、開閉弁18が閉状態であるとともに開閉弁21が開状態であることから、フィルタ19がバイパス流路20でバイパスされている状態(フィルタバイパスがON状態)である。
さらに、時間T0の時点では、流量調整器23は閉状態(OFF状態)であり、タンク14には何も貯留されていないことから、第1液面センサS1および第2液面センサS2からはOFF信号が出力される。
そして、タンク14に貯留されるリン酸水溶液の液面が徐々に上昇し、時間T1で液面が所定の第2高さ以上になると、第2液面センサS2からON信号が出力される。
すると、制御部は、時間T1から析出抑制剤供給部12を動作させて(ON状態にして)、タンク14に析出抑制剤を供給する。さらに、制御部は、時間T1からポンプ16を動作させて(ON状態にして)、循環路15に循環流を形成する。
次に、析出抑制剤がタンク14に所定の量供給された時間T2で、制御部は、析出抑制剤供給部12を停止する(OFF状態にする)。
次に、時間T3で混合液Mの液面が所定の第1高さ以上になると、第1液面センサS1からON信号が出力される。すると、制御部は、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給されたとみなし、時間T3でリン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。これにより、混合処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T3からヒータ17を動作させて(ON状態にして)、循環路15内を循環する混合液Mを加温することにより、加温処理を開始する。制御部は、かかるヒータ17で混合液Mを加温することによって、タンク14に貯留される混合液Mを加温する。
なお、実施形態では、第1液面センサS1などを用いてリン酸水溶液などの液量を秤量しているが、貯留される混合液Mの温度変化は秤量の精度に悪影響を与える場合がある。
そこで、実施形態では、リン酸水溶液などの秤量が完了し、混合処理が完了した時点(時間T3)から加温処理を開始する。これにより、リン酸水溶液などの秤量精度を良好に維持することができる。
次に、タンク14内の混合液Mが所定の温度(たとえば、100℃未満)まで加温された時間T4で、加温処理が完了する。このように、実施形態では、加温処理を実施するヒータ17を混合装置10に設けることにより、加温された混合液Mを基板処理部30に供給することができる。
また、実施形態では、ヒータ17を混合装置10の循環路15に設けることにより、混合液Mを効率的に加温することができる。
なお、実施形態に係る基板処理では、混合処理が完了した後に加温処理を開始している。これは、加温されて温度が上昇したリン酸水溶液に有機溶剤を含んだ析出抑制剤を供給すると、かかる析出抑制剤が突沸してしまう恐れがあるからである。
すなわち、実施形態によれば、混合処理が完了した後に加温処理を開始することにより、供給の際に析出抑制剤が突沸することを抑制することができる。
つづいて、制御部は、時間T4からフィルタバイパスをOFF状態にすることにより、フィルトレーション処理を開始する。すなわち、制御部は、時間T4から開閉弁18を開状態に変更するとともに開閉弁21を閉状態に変更して、フィルタ19を流れる循環流を循環路15に形成する。これにより、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が除去される。
そして、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が十分に除去された時間T5で、フィルトレーション処理が完了する。
なお、実施形態に係る基板処理では、混合処理および加温処理でフィルタバイパスをON状態にしている。これにより、循環路15において、フィルタ19で発生する圧力損失を低減することができることから、タンク14に貯留された混合液Mを効率よく循環させることができる。
なお、加温処理が完了するまでは、フィルタ19で混合液Mを濾過する必要はないことから、バイパス流路20を介して循環させたとしても特に問題はない。
つづいて、制御部は、時間T5から送液処理を開始する。具体的には、制御部は、時間T5からシリコン溶液供給部25を動作させる(ON状態にする)ことにより、送液路22を介して基板処理部30の処理槽31にシリコン溶液を送液する。
なお、制御部は、シリコン溶液の送液開始と同じタイミング(時間T5)で、ポンプ16を停止させる(OFF状態にする)。これにより、ポンプ16からの大きな圧力によって、混合液Mが送液路22からシリコン溶液供給部25に逆流することを抑制することができる。
さらに、制御部は、シリコン溶液の送液開始と同じタイミング(時間T5)で、ヒータ17を停止させる(OFF状態にする)。これにより、混合液Mが所定の温度(たとえば、100℃未満)よりさらに高温になることを抑制することができる。
次に、シリコン溶液が処理槽31に所定の量供給された時間T6で、制御部は、シリコン溶液供給部25を停止する(OFF状態にする)。そして、制御部は、シリコン溶液の送液停止と同じタイミング(時間T6)で、ポンプ16を動作させる(ON状態にする)とともに、流量調整器23を開状態にする(ON状態にする)。
これにより、制御部は、循環路15および送液路22を介して、混合装置10から基板処理部30の処理槽31に混合液Mを送液する。すると、タンク14内の混合液Mが減少して、時間T7で液面が所定の第1高さより低くなる。
これにより、第1液面センサS1からOFF信号が出力される。そして、混合液Mが所定の量送液された時間T8で、送液処理が完了する。
ここまで説明した処理によって、制御部は、処理槽31に混合液Mを初回に送液する際に、所望のシリコン濃度を有するエッチング液Eを処理槽31に貯留することができる。したがって、実施形態によれば、ウェハWに対するエッチング処理の開始時点から、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチングの選択比を向上させることができる。
図3は、実施形態に係る処理槽31のエッチング液Eのシリコン濃度を調整する際の各種処理における基板処理システム1の各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。
この図3では、処理槽31でウェハWに対するエッチング処理が開始され、エッチング液EにウェハWからシリコンが溶出される際に送液される混合液Mの混合処理から送液処理までについて説明する。
まず、制御部は、時間T10からリン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給することにより、混合処理を開始する。
なお、かかる時間T10の時点では、析出抑制剤供給部12と、シリコン溶液供給部25と、ポンプ16と、ヒータ17とは動作していない(OFF状態である)。また、時間T10の時点では、開閉弁18が閉状態であるとともに開閉弁21が開状態であることから、フィルタ19がバイパス流路20でバイパスされている状態(フィルタバイパスがON状態)である。
さらに、時間T10の時点では、流量調整器23は閉状態(OFF状態)であり、前回の送液処理でタンク14内における混合液Mの量が少なくなっていることから、第1液面センサS1および第2液面センサS2からはOFF信号が出力される。
そして、タンク14に貯留されるリン酸水溶液の液面が徐々に上昇し、時間T11で液面が所定の第2高さ以上になると、第2液面センサS2からON信号が出力される。
すると、制御部は、時間T11から析出抑制剤供給部12を動作させて(ON状態にして)、タンク14に析出抑制剤を供給する。さらに、制御部は、時間T11からポンプ16を動作させて(ON状態にして)、循環路15に循環流を形成する。
次に、析出抑制剤がタンク14に所定の量供給された時間T12で、制御部は、析出抑制剤供給部12を停止する(OFF状態にする)。
次に、時間T13で混合液Mの液面が所定の第1高さ以上になると、第1液面センサS1からON信号が出力される。すると、制御部は、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給されたとみなし、時間T13でリン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。
つづいて、制御部は、時間T13からヒータ17を動作させて(ON状態にして)、循環路15内を循環する混合液Mを加温することにより、加温処理を開始する。制御部は、かかるヒータ17で混合液Mを加温することによって、タンク14に貯留される混合液Mを加温する。
次に、タンク14内の混合液Mが所定の温度(たとえば、165℃程度)まで加温された時間T14で、加温処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T14からフィルタバイパスをOFF状態にすることにより、フィルトレーション処理を開始する。これにより、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が除去される。
そして、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が十分に除去された時間T15で、フィルトレーション処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T15から送液処理を開始する。具体的には、制御部は、時間T15で、流量調整器23を開状態にする(ON状態にする)。
これにより、制御部は、循環路15および送液路22を介して、混合装置10から基板処理部30の処理槽31に混合液Mを送液する。すると、タンク14内の混合液Mが減少して、時間T16で液面が所定の第1高さより低くなる。
これにより、第1液面センサS1からOFF信号が出力される。そして、混合液Mが所定の量送液された時間T17で、送液処理が完了する。
ここまで説明した処理によって、制御部は、シリコン溶液が含まれない混合液Mを処理槽31に供給することができる。これにより、ウェハW内のシリコン窒化膜からシリコンが溶出してエッチング液Eのシリコン濃度が過剰になる際に、エッチング液Eのシリコン濃度を速やかに所定の濃度に抑えることができる。
ここまで説明したように、実施形態では、生成された混合液Mに個別にシリコン溶液を供給してエッチング液Eを生成することにより、基板処理部30に供給される混合液Mのシリコン濃度を広い範囲で調整することができる。
すなわち、混合液Mに所定のシリコン濃度が必要な場合(たとえば、初回送液時)には、シリコン溶液供給部25を動作させることにより、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31に供給することができる。
一方で、混合液Mに所定のシリコン濃度が必要ない場合(たとえば、シリコン濃度の調整時)には、シリコン溶液供給部25を動作させないことにより、シリコン溶液が含まれない混合液Mを処理槽31に供給することができる。
また、実施形態では、送液路22が循環路15から分岐して設けられる。これにより、混合処理や加温処理の際に用いられるポンプ16によって混合液Mを処理槽31に送液することができる。すなわち、実施形態では、混合液Mの送液処理のために別途送液路22にポンプを備える必要がなくなることから、低コストで混合液Mを送液することができる。
また、実施形態では、ヒータ17を制御して、混合液Mへのシリコン溶液の供給の有無に基づいて混合液Mの温度を設定するとよい。たとえば、混合液Mへシリコン溶液を供給する場合(たとえば、初回送液時)には、混合液Mの温度を100℃未満に加温する一方、混合液Mへシリコン溶液を供給しない場合(たとえば、シリコン濃度の調整時)には、混合液Mの温度を165℃程度に加温する。
これにより、混合液Mへシリコン溶液を供給する場合には、水分を含んだシリコン溶液が高温にさらされて突沸することを抑制することができる。また、混合液Mへシリコン溶液を供給しない場合には、処理中のエッチング液Eが混合液Mの供給により温度低下することを抑制することができる。
図1に戻り、基板処理システム1のその他の部位の説明を続ける。基板処理部30は、混合装置10で生成されたエッチング液EにウェハWを浸漬して、かかるウェハWにエッチング処理を施す。
基板処理部30は、処理槽31と、循環路32と、DIW供給部33と、エッチング液排出部34とを備える。処理槽31は、内槽31aと外槽31bとを有する。
内槽31aは、上部が開放され、エッチング液Eが上部付近まで供給される。かかる内槽31aでは、基板昇降機構35で複数のウェハWがエッチング液Eに浸漬され、ウェハWにエッチング処理が行われる。かかる基板昇降機構35は、昇降可能に構成され、複数のウェハWを垂直姿勢で前後に並べて保持する。
外槽31bは、内槽31aの上部周囲に設けられるとともに、上部が開放される。外槽31bには、内槽31aからオーバーフローしたエッチング液Eが流入する。
また、内槽31aおよび外槽31bには、混合装置10から混合液Mが送液路22を介して供給され、シリコン溶液供給部25からシリコン溶液が送液路22を介して供給される。さらに、外槽31bには、DIW供給部33からDIW(DeIonized Water:脱イオン水)が供給される。
DIW供給部33は、DIW供給源33aと、DIW供給路33bと、流量調整器33cとを有する。DIW供給部33は、加温されたエッチング液Eから蒸発した水分を補給するため、外槽31bにDIWを供給する。
DIW供給路33bは、DIW供給源33aと外槽31bとを接続し、DIW供給源33aから外槽31bに所定温度のDIWを供給する。
流量調整器33cは、DIW供給路33bに設けられ、外槽31bへ供給されるDIWの供給量を調整する。流量調整器33cは、開閉弁や流量制御弁、流量計などで構成される。流量調整器33cによってDIWの供給量が調整されることで、エッチング液Eの温度、リン酸濃度、シリコン濃度および析出抑制剤濃度が調整される。
また、外槽31bには、温度センサ36とリン酸濃度センサ37とが設けられる。温度センサ36は、エッチング液Eの温度を検出し、リン酸濃度センサ37は、エッチング液Eのリン酸濃度を検出する。温度センサ36およびリン酸濃度センサ37で生成された信号は、上述の制御部に送信される。
外槽31bと内槽31aとは、循環路32によって接続される。循環路32の一端は外槽31bの底部に接続され、循環路32の他端は内槽31a内に設置される処理液供給ノズル38に接続される。
循環路32には、外槽31b側から順に、ポンプ39と、ヒータ40と、フィルタ41と、シリコン濃度センサ42とが設けられる。
ポンプ39は、外槽31bから循環路32を経て内槽31aに送られるエッチング液Eの循環流を形成する。また、エッチング液Eは、内槽31aからオーバーフローすることで、再び外槽31bへと流出する。このようにして、基板処理部30内にエッチング液Eの循環流が形成される。すなわち、かかる循環流は、外槽31b、循環路32および内槽31aにおいて形成される。
ヒータ40は、循環路32を循環するエッチング液Eの温度を調整する。フィルタ41は、循環路32を循環するエッチング液Eを濾過する。シリコン濃度センサ42は、循環路32を循環するエッチング液Eのシリコン濃度を検出する。シリコン濃度センサ42で生成された信号は、制御部に送信される。
エッチング液排出部34は、エッチング処理で使用されたエッチング液Eの全部、または一部を入れ替える際に、シリコン溶液が含まれるエッチング液EをドレインDRに排出する。エッチング液排出部34は、排出路34aと、流量調整器34bと、冷却タンク34cとを有する。
排出路34aは、循環路32に接続される。流量調整器34bは、排出路34aに設けられ、排出されるエッチング液Eの排出量を調整する。流量調整器34bは、開閉弁や流量制御弁、流量計などから構成される。
冷却タンク34cは、排出路34aを流れてきたエッチング液Eを一時的に貯留するとともに冷却する。冷却タンク34cでは、流量調整器34bによってエッチング液Eの排出量が調整される。
<変形例>
つづいて、実施形態に係る基板処理システム1の各種変形例について、図4〜図14を参照しながら説明する。図4は、実施形態の変形例1に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。なお、以下の各種変形例では、実施形態と同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
図4に示すように、変形例1に係る基板処理システム1では、シリコン溶液供給部25の構成が実施形態と異なる。具体的には、シリコン溶液供給部25のシリコン溶液供給路25bが、送液路22ではなく処理槽31に接続される。たとえば、シリコン溶液供給路25bは、処理槽31の外槽31bに接続される。
かかる変形例1でも、混合装置10で生成された混合液Mに個別にシリコン溶液を供給して、エッチング液Eを生成することができる。
図5は、実施形態の変形例2に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。図5に示すように、変形例2に係る基板処理システム1では、シリコン溶液供給部25のシリコン溶液供給路25bが、送液路22および処理槽31の両方に接続される。
たとえば、シリコン溶液供給路25bは、送液路22の合流部22aに接続されるとともに、処理槽31の外槽31bにも接続される。
また、送液路22の合流部22aに接続されるシリコン溶液供給路25bには、流量調整器25dが設けられ、処理槽31に接続されるシリコン溶液供給路25bには、流量調整器25eが設けられる。
そして、かかる流量調整器25d、25eを制御することにより、混合装置10で生成された混合液Mの各部に個別にシリコン溶液を供給して、エッチング液Eを生成することができる。
図6は、実施形態の変形例3に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。変形例3に係る基板処理システム1には、処理槽31でウェハWに対するエッチング処理が開始され、エッチング液EにウェハWからシリコンが溶出される際、処理槽31内のエッチング液Eのシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つための機能が付与されている。
そして、かかる機能を付与するために、一部の構成が上述の変形例1と異なる。具体的な構成の違いについて以下に説明する。
図6に示すように、変形例3では、循環路15における分岐部15cよりも下流側に背圧弁51が設けられる。背圧弁51は、循環路15における背圧弁51よりも上流側(たとえば、分岐部15c)の圧力を調整する。
送液路22における分岐部22bよりも上流側には、温度計52が設けられる。かかる温度計52は、送液路22を流れる混合液Mの温度を測定する。なお、分岐部22bとは、送液路22において、内槽31aに接続される送液路22cと外槽31bに接続される送液路22dとが分岐する部位である。すなわち、送液路22cおよび送液路22dは、送液路22の一部である。
送液路22cにはバルブ53が設けられ、送液路22dには、上流側から順にバルブ54と、流量計55と、定圧弁56と、絞り弁57と、分岐部22eと、バルブ58とが設けられる。また、分岐部22eからは、タンク14に混合液Mを戻す帰還路24が分岐している。かかる帰還路24は、バルブ59を有する。
また、シリコン溶液供給部25のシリコン溶液供給路25bは、処理槽31の内槽31aに接続される。
制御部は、バルブ53とバルブ54とを互い違いに開閉する。これにより、制御部は、混合液Mを内槽31aまたは外槽31bに切り替えて送液することができる。
流量計55は、送液路22dを流れる混合液Mの流量を測定する。ここで、変形例3では、流量計55が、温度計52で測定される混合液Mの温度に基づいて、混合液Mの流量を補正するとよい。たとえば、制御部は、温度計52から得られた混合液Mの温度情報に基づいて、流量計55から得られた混合液Mの流量情報を補正するとよい。
これにより、変形例3では、混合液Mの温度が室温から高温までの範囲で大きく変化した場合でも、流量計55を流れる混合液Mの流量を精度よく測定することができる。
定圧弁56は、送液路22dにおける定圧弁56よりも下流側の圧力を調整する。絞り弁57は、送液路22dを流れる混合液Mの流量を調整する。
制御部は、バルブ58とバルブ59とを互い違いに開閉する。これにより、制御部は、混合液Mを外槽31bまたはタンク14に切り替えて送液することができる。
つづいては、変形例3における混合液Mのシリコン濃度の調整方法について、図7および図8を参照しながら説明する。図7は、実施形態の変形例3に係る処理槽31に混合液Mを初回に送液する際の各種処理における基板処理システム1の各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。
図7に示すように、変形例3では、混合処理と、加温処理と、フィルトレーション処理と、送液処理とが順に実施される。まず、制御部は、時間T20からリン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給することにより、混合処理を開始する。
なお、かかる時間T20の時点では、析出抑制剤供給部12と、シリコン溶液供給部25と、ポンプ16と、ヒータ17とは動作していない(OFF状態である)。また、時間T20の時点では、開閉弁18が閉状態であるとともに開閉弁21が開状態であることから、フィルタ19がバイパス流路20でバイパスされている状態(フィルタバイパスがON状態)であり、背圧弁51は全開状態である。
さらに、時間T20の時点では、流量調整器23は閉状態(OFF状態)であり、タンク14には何も貯留されていないことから、第1液面センサS1および第2液面センサS2からはOFF信号が出力される。
そして、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給された時間T21で、制御部は、ポンプ16を動作させて(ON状態にして)、循環路15に循環流を形成する。
次に、タンク14に貯留されるリン酸水溶液の液面が徐々に上昇し、時間T22で液面が所定の第2高さ以上になると、第2液面センサS2からON信号が出力される。すると、制御部は、時間T22から析出抑制剤供給部12を動作させて(ON状態にして)、タンク14に析出抑制剤を供給するとともに、リン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。
次に、析出抑制剤がタンク14に所定の量供給された時間T23で、制御部は、析出抑制剤供給部12を停止する(OFF状態にする)とともに、リン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給する。
次に、時間T24で混合液Mの液面が所定の第1高さ以上になると、第1液面センサS1からON信号が出力される。すると、制御部は、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給されたとみなし、時間T24でリン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。これにより、混合処理が完了する。
このように、変形例3において、制御部は、析出抑制剤をタンク14に供給する前に、ポンプ16を動作させる。これにより、析出抑制剤が供給される前に循環路15に循環流を形成することができることから、リン酸水溶液と析出抑制剤との混合性を向上させることができる。
また、変形例3において、制御部は、リン酸水溶液と析出抑制剤とを同時にタンク14に供給せず、それぞれ個別にタンク14に供給する。これにより、析出抑制剤が所定の量供給される前に、第1液面センサS1からON信号が出力されることを抑制することができる。したがって、変形例3によれば、析出抑制剤をタンク14に確実に所定の量供給することができる。
つづいて、制御部は、時間T24からヒータ17を動作させて(ON状態にして)、循環路15内を循環する混合液Mを加温することにより、加温処理を開始する。制御部は、かかるヒータ17で混合液Mを加温することによって、タンク14に貯留される混合液Mを加温する。
次に、タンク14内の混合液Mが所定の温度(たとえば、100℃未満)まで加温された時間T25で、加温処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T25からフィルタバイパスをOFF状態にすることにより、フィルトレーション処理を開始する。すなわち、制御部は、時間T25から開閉弁18を開状態に変更するとともに開閉弁21を閉状態に変更して、フィルタ19を流れる循環流を循環路15に形成する。これにより、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が除去される。
そして、混合液Mに含まれるパーティクルなどの汚染物質が十分に除去された時間T26で、フィルトレーション処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T26から送液処理を開始する。具体的には、制御部は、時間T26から流量調整器23を開状態にする(ON状態にする)。また、図7には示していないが、制御部は、バルブ53を開状態に変更するとともにバルブ54を閉状態に変更する。
これにより、制御部は、循環路15、送液路22および送液路22cを介して、混合装置10から基板処理部30の内槽31aに混合液Mを送液する。
すると、タンク14内の混合液Mが減少して、時間T27で液面が所定の第1高さより低くなる。これにより、第1液面センサS1からOFF信号が出力される。
なお、制御部は、混合液Mの送液開始と同じタイミング(時間T26)で、ヒータ17を停止させる(OFF状態にする)。これにより、混合液Mが所定の温度(たとえば、100℃未満)よりさらに高温になることを抑制することができる。
次に、混合液Mが処理槽31に所定の量供給された時間T28で、制御部は、シリコン溶液供給部25を動作させる(ON状態にする)とともに、流量調整器23を閉状態にする(OFF状態にする)。これにより、制御部は、シリコン溶液供給路25bを介して基板処理部30の内槽31aにシリコン溶液を送液する。
なお、制御部は、シリコン溶液の送液開始と同じタイミング(時間T28)で、ポンプ16を停止させる(OFF状態にする)。そして、シリコン溶液が所定の量送液された時間T29で、送液処理が完了する。
ここまで説明した処理によって、制御部は、処理槽31に混合液Mを初回に送液する際に、所望のシリコン濃度を有するエッチング液Eを処理槽31に貯留することができる。したがって、変形例3によれば、ウェハWに対するエッチング処理の開始時点から、シリコン酸化膜に対するシリコン窒化膜のエッチングの選択比を向上させることができる。
また、変形例3において、制御部は、混合液Mとシリコン溶液とをいずれも処理槽31の内槽31aに供給する。これにより、変形例3では、内槽31aから外槽31bにオーバーフローさせながら混合液Mとシリコン溶液と混合させることができることから、混合液Mとシリコン溶液との混合性を向上させることができる。
図8は、実施形態の変形例3に係る処理槽31のエッチング液Eのシリコン濃度を調整する際の各種処理における基板処理システム1の各部の挙動パターンの具体例を示すタイミングチャートである。
この図8では、処理槽31でウェハWに対するエッチング処理が開始され、エッチング液EにウェハWからシリコンが溶出される際に送液される混合液Mの混合処理から送液処理までについて説明する。
まず、制御部は、時間T30からリン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給することにより、混合処理を開始する。
なお、かかる時間T30の時点では、析出抑制剤供給部12と、シリコン溶液供給部25と、ポンプ16と、ヒータ17とは動作していない(OFF状態である)。また、時間T30の時点では、開閉弁18が閉状態であるとともに開閉弁21が開状態であることから、フィルタ19がバイパス流路20でバイパスされている状態(フィルタバイパスがON状態)であり、背圧弁51は全開状態である。
さらに、時間T30の時点では、流量調整器23は閉状態(OFF状態)であり、タンク14には何も貯留されていないことから、第1液面センサS1および第2液面センサS2からはOFF信号が出力される。
そして、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給された時間T31で、制御部は、ポンプ16を動作させて(ON状態にして)、循環路15に循環流を形成する。
次に、タンク14に貯留されるリン酸水溶液の液面が徐々に上昇し、時間T32で液面が所定の第2高さ以上になると、第2液面センサS2からON信号が出力される。すると、制御部は、時間T32から析出抑制剤供給部12を動作させて(ON状態にして)、タンク14に析出抑制剤を供給するとともに、リン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。
次に、析出抑制剤がタンク14に所定の量供給された時間T33で、制御部は、析出抑制剤供給部12を停止する(OFF状態にする)とともに、リン酸水溶液供給部11を動作させて(ON状態にして)、タンク14にリン酸水溶液を供給する。
次に、時間T34で混合液Mの液面が所定の第1高さ以上になると、第1液面センサS1からON信号が出力される。すると、制御部は、リン酸水溶液がタンク14に所定の量供給されたとみなし、時間T34でリン酸水溶液供給部11を停止する(OFF状態にする)。これにより、混合処理が完了する。
つづいて、制御部は、時間T34から送液処理を開始する。具体的には、制御部は、時間T15で、流量調整器23を開状態にする(ON状態にする)とともに、背圧弁51を絞り状態にする。また、図8には示していないが、制御部は、バルブ53を閉状態に変更するとともに、バルブ54を開状態に変更する。
これにより、制御部は、循環路15、送液路22および送液路22dを介して、混合装置10から基板処理部30の外槽31bに混合液Mを送液する。すると、タンク14内の混合液Mが減少して、時間T35で液面が所定の第1高さより低くなる。これにより、第1液面センサS1からOFF信号が出力される。
ここで、変形例3では、制御部が、シリコン濃度センサ42から得られる処理槽31内のエッチング液Eのシリコン濃度に基づいて、処理槽31内のシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つ制御を実施する。
たとえば、処理槽31内のエッチング液Eのシリコン濃度が所与のしきい値よりも高くなった場合、制御部は、流量調整器34bを開状態にして高いシリコン濃度のエッチング液Eを排出するとともに、排出されたエッチング液Eと同じ量の混合液Mを供給する。
ここで、変形例3では、混合液Mの混合処理が混合装置10で完了していることから、シリコン溶液が含まれない混合液Mを必要な際に処理槽31に供給することができる。
これにより、制御部は、処理槽31内のエッチング液Eの貯留量を一定に保つとともに、処理槽31内のエッチング液Eのシリコン濃度を低下させることができる。したがって、変形例3によれば、処理槽31内のシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つことができる。
また、変形例3では、制御部が、処理槽31において混合液Mの供給が不要である場合に、送液路22dを流れる混合液Mを帰還路24からタンク14に戻すとよい。
すなわち、制御部は、処理槽31において混合液Mの供給が不要である場合に、バルブ58を閉状態に変更するとともにバルブ59を開状態に変更して、混合液Mを循環路15、送液路22、送液路22dおよび帰還路24を用いて循環させるとよい。
これにより、送液路22dから混合液Mが外槽31bに吐出されている状態(すなわち、混合液Mの供給が必要な状態)と、送液路22dから混合液Mが外槽31bに吐出されていない状態(すなわち、混合液Mの供給が不要な状態)とを揃えることができる。
したがって、変形例3によれば、混合液Mをより精度よく吐出することができることから、処理槽31内のシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つ処理をより精度よく実施することができる。
また、変形例3では、制御部が、混合液Mの送液処理の際に、背圧弁51を絞り状態にするとよい。これにより、制御部は、循環路15における分岐部15cの圧力を高めることができることから、分岐部15cから送液路22、送液路22dおよび帰還路24を介して混合液Mをタンク14に戻すために必要な圧力を確保することができる。
なお、変形例3では、送液路22dから外槽31bに吐出される混合液Mの流量を調整する場合に、絞り弁57を用いて流量の粗調整を行ない、流量計55および定圧弁56を用いて流量の微調整を行っている。
ここで、変形例3では、定圧弁56で流量計55内の混合液Mの圧力をフィードバック制御することにより、流量計55内の混合液Mの流量を一定に保つとよい。これにより、混合液Mをより正確な量吐出することができることから、処理槽31内のシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つ処理をより正確に実施することができる。
また、変形例3では、制御部が、エッチング液Eのシリコン濃度を調整する際に、混合液Mを内槽31aではなく外槽31bに供給するとよい。これにより、ウェハWが処理されている内槽31aに直接混合液Mを供給する場合に比べて、内槽31aのエッチング液Eのシリコン濃度が急激に変化することを抑制することができる。
したがって、変形例3によれば、ウェハWのエッチング処理を安定して実施することができる。
また、変形例3では、エッチング液Eのシリコン濃度を調整する際に、室温の混合液Mを処理槽31に供給してもよい。これにより、加温処理を省略することができることから、混合液Mの送液処理までの時間を短くすることができる。したがって、変形例3によれば、シリコン濃度の調整処理を素早く実施することができる。
なお、エッチング液Eのシリコン濃度を調整する際に、混合液Mは外槽31bに供給されることから、内槽31aに届くまでの間に混合液Mはヒータ40で加温されるため、混合液Mを生成する際の加温処理を省略したとしても特に問題はない。
また、変形例3では、エッチング液Eのシリコン濃度を調整する際に、混合液Mのフィルトレーション処理を省略するとよい。これにより、混合液Mの送液処理までの時間を短くすることができることから、シリコン濃度の調整処理を素早く実施することができる。
なお、エッチング液Eのシリコン濃度を調整する際に、混合液Mは外槽31bに供給されることから、内槽31aに届くまでの間に混合液Mはフィルタ41で濾過されるため、混合液Mを生成する際のフィルトレーション処理を省略したとしても特に問題はない。
図9は、実施形態の変形例4に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。以降の変形例では、基板処理システム1に3つの処理槽31A〜31Cが設けられる場合について示す。
また、変形例4に係る基板処理システム1には、3つのキャビネット101〜103が設けられる。キャビネット101には、混合装置10Aおよびシリコン溶液供給部25Aで構成されるエッチング液供給部2Aが収容される。そして、かかるエッチング液供給部2Aから送液路22Aを介して処理槽31Aに混合液M(図1参照)などが供給される。
また、キャビネット102には、混合装置10Bおよびシリコン溶液供給部25Bで構成されるエッチング液供給部2Bが収容される。そして、かかるエッチング液供給部2Bから送液路22Bを介して処理槽31Bに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
さらに、キャビネット103には、混合装置10Cおよびシリコン溶液供給部25Cで構成されるエッチング液供給部2Cが収容される。そして、かかるエッチング液供給部2Cから送液路22Cを介して処理槽31Cに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
なお、以降の説明では、複数のエッチング液供給部2A〜2Cを総称して「エッチング液供給部2」とも呼称し、複数の混合装置10A〜10Cを総称して「混合装置10」とも呼称し、複数の処理槽31A〜31Cを総称して「処理槽31」とも呼称する。
図10は、実施形態の変形例4に係る複数のエッチング液供給部2A〜2Cの処理フローの具体例を示す図である。図10に示すように、各処理槽31A〜31Cでエッチング液Eの液交換処理を実施する際(以下、「液交換段階」とも呼称する。)、エッチング液供給部2Aは、まず、混合装置10Aで混合液Mを生成する。
つづいて、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aからの混合液Mと、シリコン溶液供給部25Aからのシリコン溶液とを送液路22Aを介して処理槽31Aに供給し、かかる処理槽31Aの液交換処理を実施する。
同様に、液交換段階において、エッチング液供給部2Bは、まず、混合装置10Bで混合液Mを生成する。つづいて、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bからの混合液Mと、シリコン溶液供給部25Bからのシリコン溶液とを送液路22Bを介して処理槽31Bに供給し、かかる処理槽31Bの液交換処理を実施する。
また同様に、液交換段階において、エッチング液供給部2Cは、まず、混合装置10Cで混合液Mを生成する。つづいて、エッチング液供給部2Cは、混合装置10Cからの混合液Mと、シリコン溶液供給部25Cからのシリコン溶液とを送液路22Cを介して処理槽31Cに供給し、かかる処理槽31Cの液交換処理を実施する。
すなわち、処理槽31でウェハWが浸漬されていない液交換段階では、エッチング液供給部2は、処理槽31に混合液Mとシリコン溶液とを供給する。
図10に示すように、液交換段階につづいて、各処理槽31A〜31Cでは、ウェハWの1回目のプロセス(以下、「プロセス1回目段階」とも呼称する。)が実施される。かかるプロセス1回目段階において、処理槽31Aには、ウェハWが浸漬されていることから、かかるウェハWからシリコンが溶出される。
したがって、かかる処理槽31Aのシリコン濃度を調整するため、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aで混合液Mを生成しながら、生成された混合液Mを処理槽31Aに供給する。さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34(図1参照)を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
すなわち、処理槽31でウェハWが浸漬されているプロセス1回目段階では、シリコン溶液を含まない混合液Mを処理槽31に供給するとともに、シリコン溶液が含まれる混合液M(すなわち、エッチング液E)を処理槽31から排出する。
同様に、プロセス1回目段階において、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bで混合液Mを生成しながら、生成された混合液Mを処理槽31Bに供給する。さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Bからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Bの濃度調整処理を実施する。
また同様に、プロセス1回目段階において、エッチング液供給部2Cは、混合装置10Cで混合液Mを生成しながら、生成された混合液Mを処理槽31Cに供給する。さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Cからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Cの濃度調整処理を実施する。
そして、プロセス1回目段階につづいて行われるウェハWの2回目のプロセス(以下、「プロセス2回目段階」とも呼称する。)においても、エッチング液供給部2A〜2Cでは、プロセス1回目段階と同様の処理が行われる。
ここまで説明したように、変形例4では、1つの処理槽31に1つのエッチング液供給部2が接続される。これにより、処理槽31ごとに複数のエッチング液供給部2を設ける必要がないことから、基板処理システム1を低コストで構成することができる。
なお、変形例4では、混合装置10で混合液Mを生成しながら、生成された混合液Mを処理槽31に供給している。すなわち、濃度調整のため処理槽31から排出される混合液Mの排出量と、混合装置10で生成可能な混合液Mの生成量とが等しい場合には、図10に示す処理フローを実施することができる。
図11は、実施形態の変形例5に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。変形例5に係る基板処理システム1には、3つのキャビネット101〜103が設けられる。
キャビネット101には、混合装置10Aおよびシリコン溶液供給部25Aで構成されるエッチング液供給部2Aと、混合装置10Bおよびシリコン溶液供給部25Bで構成されるエッチング液供給部2Bとが収容される。
そして、エッチング液供給部2Aから送液路22Aを介して処理槽31Aに混合液M(図1参照)などが供給され、エッチング液供給部2Bから送液路22Bを介して処理槽31Aに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
また、キャビネット102には、混合装置10Cおよびシリコン溶液供給部25Cで構成されるエッチング液供給部2Cと、混合装置10Dおよびシリコン溶液供給部25Dで構成されるエッチング液供給部2Dとが収容される。
そして、エッチング液供給部2Cから送液路22Cを介して処理槽31Bに混合液Mおよびシリコン溶液が供給され、エッチング液供給部2Dから送液路22Dを介して処理槽31Bに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
さらに、キャビネット103には、混合装置10Eおよびシリコン溶液供給部25Eで構成されるエッチング液供給部2Eと、混合装置10Fおよびシリコン溶液供給部25Fで構成されるエッチング液供給部2Fとが収容される。
そして、エッチング液供給部2Eから送液路22Eを介して処理槽31Cに混合液Mおよびシリコン溶液が供給され、エッチング液供給部2Fから送液路22Fを介して処理槽31Cに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
図12は、実施形態の変形例5に係る複数のエッチング液供給部2A〜2Fの処理フローの具体例を示す図である。図12に示すように、液交換段階において、エッチング液供給部2Aは、まず、混合装置10Aで混合液Mを生成する。
つづいて、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aからの混合液Mと、シリコン溶液供給部25Aからのシリコン溶液とを送液路22Aを介して処理槽31Aに供給し、かかる処理槽31Aの液交換処理を実施する。
このエッチング液供給部2Aによる液交換処理と並行して、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bで混合液Mを生成する。
そして、液交換段階につづいて行われるプロセス1回目段階では、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bで生成された混合液Mを処理槽31Aに供給する。さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
このエッチング液供給部2Bによる濃度調整処理と並行して、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aで混合液Mを生成する。
なお、変形例5では、1回のエッチング処理にかかるプロセス時間よりも、混合装置10での混合液生成時間のほうが短い。したがって、変形例5において、エッチング液供給部2Aは、所定の量の混合液Mが生成された後には、次のプロセス2回目段階まで待機する。
そして、プロセス1回目段階につづいて行われるプロセス2回目段階では、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aで生成された混合液Mを処理槽31Aに供給する。さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
このエッチング液供給部2Aによる濃度調整処理と並行して、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bで混合液Mを生成する。そして、エッチング液供給部2Bは、所定の量の混合液Mが生成された後には、次のプロセス3回目段階まで待機する。
なお、図12に示すように、エッチング液供給部2C、2Dと、エッチング液供給部2E、2Fとでは、上述したエッチング液供給部2A、2Bにおける処理と同様の処理が行われる。
ここまで説明したように、変形例5では、1つの処理槽31に2つのエッチング液供給部2が接続され、かかる2つのエッチング液供給部2から1回のプロセスごとに排他的に混合液Mが供給される。
これにより、所望の濃度や温度に精度よく作り込まれた混合液Mを処理槽31に供給することができる。したがって、変形例5によれば、精度の高いエッチング処理を実施することができる。
図13は、実施形態の変形例6に係る基板処理システム1の構成を示す概略ブロック図である。変形例6に係る基板処理システム1には、5つのキャビネット101〜105が設けられる。
なお、変形例6に係る基板処理システム1において、キャビネット101〜103の構成は上述の変形例5と同様であることから、詳細な説明は省略する。
キャビネット104には、混合装置10Gおよびシリコン溶液供給部25Gで構成されるエッチング液供給部2Gと、混合装置10Hおよびシリコン溶液供給部25Hで構成されるエッチング液供給部2Hとが収容される。
そして、エッチング液供給部2Gから送液路22Gを介して処理槽31Aに混合液Mおよびシリコン溶液が供給され、エッチング液供給部2Hから送液路22Hを介して処理槽31Bに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
また、キャビネット105には、混合装置10Iおよびシリコン溶液供給部25Iで構成されるエッチング液供給部2Iが収容される。そして、エッチング液供給部2Iから送液路22Iを介して処理槽31Cに混合液Mおよびシリコン溶液が供給される。
図14は、実施形態の変形例6に係る複数のエッチング液供給部2A〜2Iの処理フローの具体例を示す図である。図14に示すように、プロセス1回目段階において、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aで生成された混合液Mを処理槽31Aに供給する。
さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
このエッチング液供給部2Aによる濃度調整処理と並行して、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bで混合液Mを生成し、エッチング液供給部2Gは、混合装置10Gで混合液Mを生成する。
なお、変形例6では、1回のエッチング処理にかかるプロセス時間よりも、混合装置10での混合液生成時間のほうが長い。したがって、プロセス1回目段階につづいて行われるプロセス2回目段階では、エッチング液供給部2Bによる混合液生成処理は間に合わない。
そこで、変形例6では、プロセス2回目段階に間に合うタイミングで混合液Mが生成されるエッチング液供給部2Gから、混合液Mを処理槽31Aに供給する。
さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
このエッチング液供給部2Gによる濃度調整処理と並行して、エッチング液供給部2Bは、混合装置10Bでの混合液Mの生成を継続し、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aで混合液Mを生成する。なお、エッチング液供給部2Bは、所定の量の混合液Mが生成された後には、次のプロセス3回目段階まで待機する。
そして、プロセス2回目段階につづいて行われるプロセス3回目段階では、混合液Mの生成が完了したエッチング液供給部2Bから、混合液Mを処理槽31Aに供給する。
さらに、基板処理システム1は、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31Aからエッチング液排出部34を介して排出することにより、処理槽31Aの濃度調整処理を実施する。
このエッチング液供給部2Bによる濃度調整処理と並行して、エッチング液供給部2Aは、混合装置10Aでの混合液Mの生成を継続し、エッチング液供給部2Gは、混合装置10Gで混合液Mを生成する。なお、エッチング液供給部2Aは、所定の量の混合液Mが生成された後には、次のプロセス4回目段階まで待機する。
なお、図14に示すように、エッチング液供給部2C、2D、2Hと、エッチング液供給部2E、2F、2Iとでは、上述したエッチング液供給部2A、2B、2Gにおける処理と同様の処理が行われる。
ここまで説明したように、変形例6では、1つの処理槽31に3つのエッチング液供給部2が接続され、かかる3つのエッチング液供給部2から混合液Mが生成された順番に、混合液Mが供給される。
これにより、1回のエッチング処理にかかるプロセス時間より混合装置10での混合液生成時間のほうが長い場合であっても、所望の濃度や温度に精度よく作り込まれた混合液Mを処理槽31に供給することができる。
したがって、変形例6によれば、1回のエッチング処理にかかるプロセス時間より混合装置10での混合液生成時間のほうが長い場合であっても、精度の高いエッチング処理を実施することができる。
なお、変形例5および変形例6では、各送液路22A〜22Iごとに個別にシリコン溶液供給部25A〜25Iが接続された例について示した。一方で、シリコン溶液供給部25は、各送液路22A〜22Iごとに接続される場合に限られず、各処理槽31A〜31Cごとにシリコン溶液供給部25が1つずつ設けられてもよい。
なお、変形例5および変形例6では、基板処理システム1に3つの処理槽31A〜31Cが設けられた例について示したが、基板処理システム1に設けられる処理槽31の数は3つに限られない。
実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、処理槽31と、混合装置10と、送液路22と、シリコン溶液供給部25とを備える。処理槽31は、基板(ウェハW)を浸漬して処理する。混合装置10は、リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤とを混合して混合液Mを生成する。送液路22は、混合装置10から処理槽31に混合液Mを送る。シリコン溶液供給部25は、送液路22および処理槽31の少なくとも一方に接続され、混合装置10から供給される混合液Mにシリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)を供給する。これにより、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液Eによるエッチング処理を適切に実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、混合装置10は、タンク14と、タンク14から出てタンク14に戻る循環路15とを有し、送液路22は、循環路15から分岐して設けられる。これにより、混合液Mの送液処理のために別途送液路22にポンプを備える必要がなくなることから、低コストで混合液Mを送液することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)において、循環路15は、混合液Mを濾過するフィルタ19と、フィルタ19をバイパスするバイパス流路20とを有する。これにより、循環路15において、フィルタ19で発生する圧力損失を低減することができることから、タンク14に貯留された混合液Mを効率よく循環させることができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、循環路15において送液路22との分岐部15cよりも下流側に設けられる背圧弁51をさらに備える。これにより、分岐部15cから送液路22、送液路22dおよび帰還路24を介して混合液Mをタンク14に戻すために必要な圧力を確保することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、送液路22に設けられる流量計55および温度計52をさらに備える。また、流量計55は、温度計52で測定される混合液Mの温度に基づいて混合液Mの流量を補正する。これにより、混合液Mの温度が室温から高温までの範囲で大きく変化した場合でも、流量計55を流れる混合液Mの流量を正しく評価することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、送液路22において流量計55よりも下流側から分岐し、タンク14に戻る帰還路24をさらに備える。これにより、処理槽31内のシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つ処理をより正確に実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、処理槽31と、混合装置10と、送液路22と、シリコン溶液供給部25とを制御する制御部をさらに備える。
また、制御部は、混合液Mを循環路15で循環させて混合液Mを生成する際には背圧弁51を全開にし、混合液Mを送液路22に送液する際には背圧弁51を絞る。これにより、分岐部15cから送液路22、送液路22dおよび帰還路24を介して混合液Mをタンク14に戻すために必要な圧力を確保することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、処理槽31と、混合装置10と、送液路22と、シリコン溶液供給部25とを制御する制御部をさらに備える。また、混合装置10は、混合液Mを加温するヒータ17を有し、制御部は、ヒータ17を制御して、混合液Mへのシリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)の供給の有無に基づいて混合液Mの温度を設定する。これにより、混合液Mへシリコン溶液を供給する場合には、水分を含んだシリコン溶液が高温にさらされて突沸することを抑制することができる。また、混合液Mへシリコン溶液を供給しない場合には、処理中のエッチング液Eが混合液Mの供給により温度低下することを抑制することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、1つの処理槽31に対して複数の混合装置10が設けられ、複数の混合装置10は、1つの処理槽31に対して排他的に混合液Mを供給する。これにより、所望の濃度や温度に精度よく作り込まれた混合液Mを処理槽31に供給することができる。
また、実施形態に係る基板処理装置(基板処理システム1)は、複数の処理槽31に対して複数の混合装置10が設けられ、混合液Mの供給が必要な処理槽31に対して混合液Mの生成が完了した混合装置10から順に混合液Mを供給する。これにより、1回のエッチング処理にかかるプロセス時間より混合装置10での混合液生成時間のほうが長い場合であっても、所望の濃度や温度に精度よく作り込まれた混合液Mを処理槽31に供給することができる。
<混合処理および基板処理の詳細>
つづいて、図15および図16を参照しながら、実施形態および変形例3に係る基板処理システム1が実行する混合処理および基板処理の詳細について説明する。図15は、実施形態に係る混合処理および基板処理の処理手順を示すフローチャートである。
最初に、制御部は、処理槽31でウェハWが浸漬されているか否かを判定する(ステップS101)。そして、処理槽31でウェハWが浸漬されていない場合(ステップS101,No)、たとえば、処理槽31で液交換処理を実施する場合、制御部は、混合装置10で混合液Mを生成する混合液生成処理を実施する(ステップS102)。
次に、制御部は、ヒータ17を制御することにより、生成された混合液Mを加温する加温処理を実施する(ステップS103)。かかるステップS103において、制御部は、たとえば、混合液Mを100℃未満の所定の温度に加温する。
次に、制御部は、シリコン溶液供給部25を制御して、処理槽31にシリコン溶液を供給するシリコン溶液供給処理を実施する(ステップS104)。そして、制御部は、混合装置10および送液路22を制御して、処理槽31に混合液Mを送液する混合液送液処理を実施する(ステップS105)。
なお、ステップS104のシリコン溶液供給処理とステップS105の混合液送液処理とは、順番が逆であってもよいし、並行して処理が実施されてもよい。
次に、制御部は、基板処理部30を制御して、シリコン溶液が供給された混合液Mを加温する加温処理を実施する(ステップS106)。かかるステップS106において、制御部は、たとえば、シリコン溶液が供給された混合液Mを165℃程度の温度に加温する。
最後に、制御部は、基板処理部30を制御して、シリコン溶液が供給された混合液MにウェハWを浸漬する浸漬処理を実施し(ステップS107)、処理を完了する。
一方、処理槽31でウェハWが浸漬されている場合(ステップS101,Yes)、たとえば、処理槽31でウェハWがエッチング処理されている場合、制御部は、混合装置10で混合液Mを生成する混合液生成処理を実施する(ステップS108)。
次に、制御部は、ヒータ17を制御することにより、生成された混合液Mを加温する加温処理を実施する(ステップS109)。かかるステップS109において、制御部は、たとえば、混合液Mを165℃程度の温度に加温する。
次に、制御部は、混合装置10および送液路22を制御して、処理槽31に混合液Mを送液する混合液送液処理を実施する(ステップS110)。また、制御部は、かかる混合液送液処理と並行して、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31から排出する混合液排出処理を実施する(ステップS111)。
これにより、ウェハW内のシリコン窒化膜からシリコンが溶出してエッチング液Eのシリコン濃度が過剰になる際に、エッチング液Eのシリコン濃度を速やかに所定の濃度に抑えることができる。そして、ステップS110およびステップS111が終わると、処理が完了する。
図16は、実施形態の変形例3に係る混合処理および基板処理の処理手順を示すフローチャートである。最初に、制御部は、処理槽31でウェハWが浸漬されているか否かを判定する(ステップS201)。
そして、処理槽31でウェハWが浸漬されていない場合(ステップS201,No)、たとえば、処理槽31で液交換処理を実施する場合、制御部は、混合装置10で混合液Mを生成する混合液生成処理を実施する(ステップS202)。
次に、制御部は、ヒータ17を制御することにより、生成された混合液Mを加温する加温処理を実施する(ステップS203)。かかるステップS203において、制御部は、たとえば、混合液Mを100℃未満の所定の温度に加温する。
次に、制御部は、混合装置10および送液路22を制御して、処理槽31に混合液Mを送液する混合液送液処理を実施する(ステップS204)。そして、制御部は、シリコン溶液供給部25を制御して、処理槽31にシリコン溶液を供給するシリコン溶液供給処理を実施する(ステップS205)。
次に、制御部は、基板処理部30を制御して、シリコン溶液が供給された混合液Mを加温する加温処理を実施する(ステップS206)。かかるステップS206において、制御部は、たとえば、シリコン溶液が供給された混合液Mを165℃程度の温度に加温する。
最後に、制御部は、基板処理部30を制御して、シリコン溶液が供給された混合液MにウェハWを浸漬する浸漬処理を実施し(ステップS207)、処理を完了する。
一方、処理槽31でウェハWが浸漬されている場合(ステップS201,Yes)、たとえば、処理槽31でウェハWがエッチング処理されている場合、制御部は、混合装置10で混合液Mを生成する混合液生成処理を実施する(ステップS208)。
次に、制御部は、背圧弁51を制御することにより、背圧弁51を全開状態から絞り状態に変更する背圧弁絞り処理を実施する(ステップS209)。
次に、制御部は、混合装置10、送液路22および帰還路24を制御して、処理槽31に混合液Mを送液する混合液送液処理を実施する(ステップS210)。また、制御部は、かかる混合液送液処理と並行して、シリコン溶液が含まれる混合液Mを処理槽31から排出する混合液排出処理を実施する(ステップS211)。
これにより、処理槽31内のエッチング液Eのシリコン濃度を常に一定または一定以下に保つことができる。そして、ステップS210およびステップS211が終わると、処理が完了する。
実施形態に係る混合方法は、混合液生成工程(ステップS102)と、シリコン溶液供給工程(ステップS104)とを含む。混合液生成工程(ステップS102)は、リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤(析出抑制剤)とを混合して混合液Mを生成する。シリコン溶液供給工程(ステップS104)は、生成された混合液Mにシリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)を供給する。これにより、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液Eによるエッチング処理を適切に実施することができる。
実施形態に係る基板処理方法は、混合液生成工程(ステップS102)と、シリコン溶液供給工程(ステップS104)と、浸漬工程(ステップS107)とを含む。混合液生成工程(ステップS102)は、リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤(析出抑制剤)とを混合して混合液Mを生成する。シリコン溶液供給工程(ステップS104)は、生成された混合液Mにシリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)を供給する。浸漬工程(ステップS107)は、シリコン溶液が供給された混合液Mに基板(ウェハW)を浸漬する。これにより、リン酸水溶液およびシリコン溶液を含んだエッチング液Eによるエッチング処理を適切に実施することができる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、処理槽31で基板が浸漬されているときには、シリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)を含まない混合液Mを処理槽31に供給する(ステップS110)。また、かかるステップS110と共に、シリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)が含まれる混合液Mを処理槽31から排出する(ステップS111)。これにより、ウェハW内のシリコン窒化膜からシリコンが溶出してエッチング液Eのシリコン濃度が過剰になる際に、エッチング液Eのシリコン濃度を速やかに所定の濃度に抑えることができる。
また、実施形態に係る基板処理方法は、シリコン溶液供給工程(ステップS104)の後に、シリコン含有化合物水溶液(シリコン溶液)が供給された混合液Mを加温する加温工程(ステップS106)をさらに含む。これにより、所定の温度に加温されたエッチング液EでウェハWをエッチング処理することができる。
また、実施形態に係る基板処理方法において、混合液生成工程(ステップS102)は、タンク14と、タンク14から出てタンク14に戻る循環路15とを有する混合装置10で、混合液Mを循環路15で循環させる。また、シリコン溶液供給工程(ステップS104)は、循環路15から分岐して設けられる送液路22から処理槽31に混合液Mを送る。また、混合液生成工程(ステップS102)では、循環路15において送液路22との分岐部15cよりも下流側に設けられる背圧弁51を全開にし、シリコン溶液供給工程(ステップS104)では、背圧弁51を絞る。これにより、分岐部15cから送液路22、送液路22dおよび帰還路24を介して混合液Mをタンク14に戻すために必要な圧力を確保することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 基板処理システム(基板処理装置の一例)
2A〜2I エッチング液供給部
10、10A〜10I 混合装置
11 リン酸水溶液供給部
12 析出抑制剤供給部
14 タンク
15 循環路
15c 分岐部
16 ポンプ
17 ヒータ
22、22d 送液路
24 帰還路
25、25A〜25I シリコン溶液供給部
30 基板処理部
31、31A〜31C 処理槽
51 背圧弁
52 温度計
55 流量計
W ウェハ(基板の一例)
M 混合液
E エッチング液

Claims (8)

  1. 基板を浸漬して処理する処理槽と、
    リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤とを混合して混合液を生成する混合装置と、
    前記混合装置から前記処理槽に前記混合液を送る送液路と、
    前記送液路および前記処理槽の少なくとも一方に接続され、前記混合装置から供給される前記混合液にシリコン含有化合物水溶液を供給するシリコン溶液供給部と、
    を備え、
    前記混合装置は、タンクと、前記タンクから出て前記タンクに戻る循環路とを有し、
    前記送液路は、前記循環路から分岐して設けられ、
    前記送液路には流量計が設けられ、前記送液路において前記流量計よりも下流側から分岐し、前記タンクに戻る帰還路をさらに備える
    基板処理装置。
  2. 前記循環路は、前記混合液を濾過するフィルタと、前記フィルタをバイパスするバイパス流路とを有する
    請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記循環路において前記送液路との分岐部よりも下流側に設けられる背圧弁をさらに備える
    請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 前記送液路に設けられる温度計をさらに備え、
    前記流量計は、前記温度計で測定される前記混合液の温度に基づいて前記混合液の流量を補正する
    請求項1〜3のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  5. 前記処理槽と、前記混合装置と、前記送液路と、前記シリコン溶液供給部とを制御する制御部をさらに備え、
    前記混合装置は、前記混合液を加温するヒータを有し、
    前記制御部は、前記ヒータを制御して、前記混合液への前記シリコン含有化合物水溶液の供給の有無に基づいて前記混合液の温度を設定する
    請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  6. 1つの前記処理槽に対して複数の前記混合装置が設けられ、
    複数の前記混合装置は、1つの前記処理槽に対して排他的に前記混合液を供給する
    請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  7. 複数の前記処理槽に対して複数の前記混合装置が設けられ、
    前記混合液の供給が必要な前記処理槽に対して前記混合液の生成が完了した前記混合装置から順に前記混合液を供給する
    請求項1〜のいずれか一つに記載の基板処理装置。
  8. リン酸水溶液とシリコン酸化物の析出を抑制する添加剤とを混合して混合液を生成する混合液生成工程と、
    生成された前記混合液にシリコン含有化合物水溶液を供給するシリコン溶液供給工程と、
    前記シリコン含有化合物水溶液が供給された前記混合液に基板を浸漬する浸漬工程と、
    を含み、
    前記混合液生成工程は、タンクと、前記タンクから出て前記タンクに戻る循環路とを有する混合装置で、前記混合液を前記循環路で循環させ、
    前記シリコン溶液供給工程は、前記循環路から分岐して設けられる送液路から処理槽に前記混合液を送るとともに、前記送液路に設けられる流量計よりも下流側から分岐し、前記タンクに戻る帰還路から前記混合液を前記タンクに戻す
    基板処理方法。
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