JP6843120B2 - (4s)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの調製方法および電気化学的方法による(4s)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの回収 - Google Patents

(4s)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの調製方法および電気化学的方法による(4s)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの回収 Download PDF

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Description

本発明は、式(I)の(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドを調製する新規な方法、および式(I)の(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドを回収する新規な方法であって、
式ent−(I)の(4R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド
から進行する方法に関する。
式(I)の化合物は、ミネラルコルチコイド受容体の非ステロイドアンタゴニストとして作用し、例えば、心不全および糖尿病性腎症などの心血管および腎障害を予防および/または治療するための薬剤として使用することができる。
式(I)の化合物およびその調製方法は、国際公開第2008/104306号パンフレットおよびChemMedChem 2012、7、1385に記載されており、両公報は研究合成の詳細な議論を開示している。その中に記載されている合成の欠点は、多くのステップが非常に高い希釈度で、非常に多過剰の試薬を用いて進行するので、比較的低い全体収率をもたらすために、この合成が大規模プロセスに適していないという事実である。さらに、技術的に一般的には非常に手間がかかり、高い溶媒消費を伴い、費用がかかるので、可能であれば避けるべきである多くの中間体クロマトグラフィー精製が必要である。安全性およびプロセス技術の難しさのために達成できない段階がある。
そのため、有効成分の臨床試験を提供し、後の規制当局への提出に使用するために、式(I)の化合物を高い全体収率、低い製造コストおよび高純度で再現可能な様式で提供し、全ての規制要件を満たす工業的に実行可能な合成の必要性が存在していた。
上記の要件を満たすことができる非常に効率的な合成が見出された。
式(I)の化合物の研究規模の合成を開示する刊行物ChemMedChem 2012、7、1385において、式(I)の化合物はバニリンから出発して10段階で調製され、全体収率は理論値の3.76%である。式(I)の化合物は、クロマトグラフィー分画を蒸発させることによって非晶質固体として得られた;多形性調整のための最終段階の定義される結晶化プロセスは現在まで記載されていない。
以下のスキーム1は、式(I)の化合物を調製するための公知の方法を示している。
スキーム1:式(I)の化合物の研究規模の合成
3つのクロマトグラフィー精製を利用し、式(XIII)のラセミ体のエナンチオマーを分離するためにキラルクロマトグラフィー段階も利用する。段階のうちのいくつかは非常に高い希釈度で非常に多量の試薬を使用して進行する。
例えば、特に、この合成において中心的な役割を果たすニトリル−アルデヒド中間体(VI)の調製の順序は、原子経済の観点から受け入れられない。
さらに、まず第一に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物[(III)⇒(IV)]および過剰のtert−ブチルアクリレートなどの非常に高価な試薬を使用するので、この方法は工業規模に移行することができない。Heck反応(IV)⇒(V)をスケールアップすると、過剰に使用されるtert−ブチルアクリレートの重合に起因する、プラスチックに類似の残渣がタンク内に形成される。これは、撹拌器の破損を引き起こし、除去するのが難しい撹拌機構内の残留物をもたらす危険が存在するため、工業的手順では受け入れられない。
記載される実験条件下で、反応の遅延が起こり、強い発熱を引き起こすので、暴走反応につながるため、過ヨウ素酸ナトリウムおよび高度毒性の四酸化オスミウムによる二重結合のその後の開裂もまた回避すべきである。
スキーム2は、中間体のクロマトグラフィー精製を行わずに理論値の27.7%の全体収率で式(I)の化合物を9段階で得る新規な方法を示す。
スキーム2:式(I)の化合物を調製する新規な方法
メチルエステル(XV)およびアルデヒド(XVI)は単離しないが、溶液中で直接さらに反応させて、7段階のみを単離する。分取キラルHPLC法(例えば、SMB Technology、Varicol)をエナンチオマー分離のために使用する。
アルデヒド(VI)は文献(J.Med.Chem.2007、50、2468〜2485)から公知であり、この合成において重要な中間体を構成する。ここで化合物を商業的に購入することも可能である。
4−シアノ−2−メトキシトルエン(VIa)から出発して、ジブロミド(VIb)をNBSで調製し、エタノール中で硝酸銀(水中)2.46当量と反応させて、標的アルデヒド(VI)を得る。文献に記載されるこの合成および研究規模合成に記載される方法は、マルチトン(multi−tonne)スケールまでスケールアップするのに完全に不適当であるので、結果として新規でより効率的かつ経済的により実行可能な合成が大いに必要とされている。
ハロ安息香酸(XIV)および(XIVa)
は比較的大量に商業的に入手可能である。中間体(XV)および(XVI)
を単離しないで、溶液に溶解してさらに反応させる、非常に効率的かつ安価な方法が開発されている。各反応の収率および純度が非常に高い(理論値の95%超)ためにこれが可能であるに過ぎない。メチルエーテルエステル(XV)は文献(Journal of Medicinal Chemistry、1992、第35巻、734〜740頁)から公知であり、非常に揮発性で、健康に有害で高価であるヨウ化メチルとの反応によって調製される。
新規な方法を用いて、不揮発性で安価な硫酸ジメチルを同様に使用することができることを示すことが可能であった。酸(XIV)から出発して、前記酸を、アセトン、2−ブタノン、THF、2−メチル−THF、DMF、DMAまたはNMPなどの溶媒中、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸リチウム、N−メチルイミダゾール、トリエチルアミン、ピリジンまたは2,6−ルチジンなどの補助塩基を用いて、50〜100℃の温度で硫酸ジメチルと反応させて、メチルエーテルエステル(XV)を得る。これは、酸のエステル化およびフェノールのエーテル化のための当業者に公知の方法である(Tetrahedron、2013、第69巻、2807〜2815頁、Journal of the American Chemical Society、2013、第135巻、5656〜5668頁)。硫酸ジメチルおよび炭酸カリウムを用いる還流下(56℃)のアセトン中の反応が特に好ましいことが分かっている。この場合、硫酸ジメチルを沸騰している反応混合物に4時間にわたって添加する。アセトンを留去し、トルエンで置換する(再蒸留)。後処理のために、水を添加し(過剰な硫酸ジメチルを分解する)、トルエン相を分離し、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、その後、トルエン溶液を一定の体積まで留去する(共沸乾燥、すなわち後の段階のための水の除去として働く)。溶液含量の測定は、事実上完全な変換(理論値の96%超)を示す。臭素化合物の代わりに、達成された変換が臭素化合物と同一である塩素化合物を同様に使用することができる。
アルデヒド(XVI)の調製は文献に記載されており、その例としては以下が挙げられる:Glaxo Group Limitedの米国特許出願第2008/312209号明細書、2008年、European Journal of Medicinal Chemistry、1986、第21巻、397〜402頁、Journal of Medicinal Chemistry、1992、第35巻、734〜740頁、Journal of Materials Chemistry、2011、第21巻、9523〜9531頁。しかしながら、反応に使用される出発材料が非常に高価であり、多量には得られないので、メチルエーテルエステル(XV)から出発する新しい方法が開発された。N−メチルピペラジンの添加によってトルエン中REDAL(ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムジヒドリド)を用いて、(XV)のアルデヒド(XVI)への変換が可能である。この方法は、文献(Synthesis 2003、第6号、823〜828およびTetrahedron 57(2001)2701〜2710)に記載されている。文献に記載される化学量論と同様に反応を行う場合、アルデヒドに加えて混合物中にさらなる化合物が見出される。これは、最大10%の過還元により形成される対応するベンジルアルコールであることが示された。REDALおよびN−メチルピペラジンの化学量論を正確に1.21当量のREDAL+1.28当量のN−メチルピペラジンに調整することが重要であることが示された;この場合、その後の結晶化段階で破壊的であるこの副産物のレベルを1%未満まで低下させることが可能である。この目的のために、0〜5℃でトルエン中65%REDAL溶液を装入し(好ましくは1.21当量)、1.28当量のN−メチルピペラジンを計り入れる。このようにして得られたN−メチルピペラジンを含むREDALの溶液をトルエンに装入したブロモメチルエステル溶液(XIV)に約30分間にわたって添加し、その後、混合物を0℃で1時間撹拌する。反応溶液を水/酸、好ましくは硫酸水溶液中でクエンチし、トルエン相を分離し、水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄する。トルエンを留去し、DMF(後の段階の溶媒)中で再蒸留する。反応収率は一般に理論値の94%超である。クロロ化合物との対応する反応も同様に進行し、収率は同等である。DMF溶液を後の反応に直接使用する。
合成中の後ほど、ブロモアルデヒド(XVI)を、当業者によく知られている方法(Synth.Commun.1994、887〜890、Angew.Chemie 2003、1700〜1703、Tetrahedron Lett.2007、2555〜2557、Tetrahedron Lett.2004、1441〜1444、JACS 2003、125、2890〜2891、Journal of Organometallic Chemistry 689(2004)、4576〜4583)によってそれ自体公知の様式でニトリルに変換する;これにより、ニトリルアルデヒド(VI)が得られる。ブロモ化合物の場合には、シアン化物源としてヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム*3H2Oを用いてパラジウム触媒反応を行うことが特に有利であることが判明した(Tetrahedron Lett.48(2007)、1087〜1090)。この目的のために、ブロモアルデヒド(XVI)を最初にDMF(8〜10倍量)に装入し、0.22当量のヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム*3H2Oおよび1当量の炭酸ナトリウムを最初に装入し、次いで、0.005当量の酢酸パラジウムを添加する。混合物を3時間120℃に加熱する。溶液を20℃に冷却し、次いで、水および酢酸エチルを添加する。酢酸エチル相を分離し、水相を再び酢酸エチルで洗浄し、次いで、合わせた酢酸エチル相をイソプロパノール中で再蒸留する。生成物が沸騰温度での水沈殿によって沈殿する。単離後、生成物を真空下で乾燥させる。ある場合には、生成物をDMFへの水の添加によって直接沈殿させ、単離および乾燥後に後の段階に直接使用した。この反応の収率は一般に理論値の85%超である。酢酸パラジウムは、塩素化合物の変換には不十分である;Tetrahedron Lett.48(2007)、1087〜1090に記載されているように、当業者によく知られているパラジウム触媒を使用することが有利であることがここで分かった;収率は臭素化合物の場合よりも幾分低く、一般に理論値の80〜85%である。
桂皮酸エステル(VIIIa、b)はシアノエステル(III)とのKnoevenagel反応により式(VI)のアルデヒドから出発してE/Z混合物として得られる:
研究方法では、混合物を水分離器で16.6倍量のジクロロメタンおよび0.2当量のピペリジン/0.2当量の氷酢酸中20時間加熱した。水性後処理の後、溶媒の蒸発後に生成物をメタノールから結晶化させると、標的化合物が理論値の52%で得られる。
この反応は、好ましくは水分離器中、5〜20mol%、好ましくは10mol%のピペリジンおよび5〜20mol%、好ましくは5〜10mol%の氷酢酸を添加することにより、沸騰ジクロロメタン(10倍量)中で進行する。反応時間は4〜12時間、好ましくは5〜6時間、特に好ましくは6時間である。シアノエステル(VII)を、1.0〜1.5当量、好ましくは1.1〜1.35当量、特に好ましくは1.1当量添加する。シアノエステル(VII)の調製は、Pharmazie、2000、第55巻、747〜750頁およびBioorg.Med.Chem.Lett.16、798〜802(2006)に記載されている。完了後、反応物を20℃に冷却し、有機相を水で2回洗浄する。有機洗浄物を2−ブタノール中で再蒸留し、E/Z桂皮酸エステル混合物(VIIIa+b)を、中間体を単離することなく直接その後の複素環(IX)との反応に使用して、ジヒドロピリジン(X)を得る:
研究規模の合成におけるさらなる反応のために、混合物を還流下でイソプロパノール中複素環(IX)と40時間加熱した。
この反応は、好ましくはイソプロパノール、イソブタノール、2−アミルアルコールまたはシクロヘキサノールなどの二級アルコール中、80〜160℃の温度で、大気圧で、またオートクレーブ(2〜10bar)で、8〜40時間の反応時間行うことができるが、好ましくは沸騰2−ブタノール中大気圧で20〜25時間、またはイソプロパノール中オートクレーブ(100℃、2〜10bar、好ましくは3〜5bar、8〜24時間)行うことができることが分かった。後処理のために、混合物を0℃〜20℃に冷却し、結晶を濾別し、イソプロパノールで洗浄し、次いで、乾燥させる(真空中、60℃)。
環境経済学的理由からジクロロメタンの使用を省くべきである場合、イソプロパノール中で桂皮酸エステル(VIIIa、b)を調製することが有利であることが判明しており、この場合、アルデヒド(VI)をイソプロパノール(3〜9倍量、好ましくは5〜7倍量)に装入し、5〜20mol%、好ましくは5〜10mol%のピペリジン、および5〜20mol%、好ましくは5〜10mol%の氷酢酸を添加する。30℃で、場合により少量のイソプロパノールに溶解した、1.0〜1.5当量、好ましくは1.1〜1.35当量、特に好ましくは1.1当量のシアノエステル(VII)を3時間にわたって計り入れ、混合物30℃で1時間撹拌する。桂皮酸エステル(VIIIa、b)は反応中に結晶化する。その後、場合により冷却後、好ましくは0℃で生成物を濾別し、少量のイソプロパノール(0℃に冷却)で洗浄し、上記のようにその後の反応で湿った状態で使用する。収率は理論値の96%超である。その後の反応を、好ましくは、圧力下100℃で20〜24時間、10〜15倍量(アルデヒド(VI)に対して)、好ましくは11〜12倍量のイソプロパノール中で行う。反応および冷却の終了後、生成物を濾過または遠心分離によって単離する。その後、生成物を真空下40〜90℃で乾燥させる。桂皮酸エステルへの変換は事実上定量的に進行するため、生成物をイソプロパノールで湿った状態で使用することができるので、後の段階のためのプロセスを各場合で複素環(IX)の量を調整する必要なく容易に標準化することができる。収率は理論値の87%超である。複素環(IX)は、例えばSynthesis 1984、765〜766に記載されているような公知の文献の方法によって調製することができる。
ジヒドロピリジン(X)から出発して、エチルエーテル(XI)を、オルトエステル(Rは−Hまたは−メチルである)との酸性触媒作用下での反応によって得る:
研究規模の合成では、この目的のために、25倍量のDMF中、20.2当量のオルトギ酸トリエチルおよび触媒量の濃硫酸を用いて135℃で反応を行った。混合物を濃縮乾固し、残渣をクロマトグラフィーによって精製すると、理論値の86%の収率が得られた。この方法は、高希釈、および非常に大過剰で使用される低温で可燃性の高いオルトギ酸トリエチルの使用、およびその後のクロマトグラフィーのために、技術的手順として適さない。
驚くべきことに、反応をジメチルアセトアミド、NMP(1−メチル−2−ピロリドン)またはDMF(ジメチルホルムアミド)などの溶媒中で高度に濃縮して(反応物質1g当たり最大溶媒1.5g)で、4〜10重量%濃度、好ましくは6〜8重量%濃度の濃塩酸を添加することによって行うことができることが分かった。次いで、この反応は、驚くべきことにわずか2.5〜5当量のオルトエステルで進行する。一方で、はるかにきれいに反応し、可燃性が非常に低く、技術的手順に特に適しているために、反応に対応するトリエチルオルトアセテートを使用する方がはるかに便利であることが分かった。この反応は、好ましくはDMA(ジメチルアセトアミド)およびNMP(1−メチル−2−ピロリドン)中、100〜120℃、好ましくは115℃の温度で行う。実際の反応を開始する前に、望ましくない副産物が生じるので前駆体から存在するイソプロパノールの残渣を除去するために、溶媒(DMDまたはNMP)のいくらかを高温(真空下で100〜120℃)で留去することが有利であることが判明した。反応:1.5〜3時間、好ましくは2時間撹拌する。後処理のために、水を混合物に直接添加し、そこで生成物が晶出する。特に安定で再現性のある方法を得るために、水の一部(例えば1/3)を最初に添加し、次いで種結晶を添加し、残りの量の水を添加する。この手順は、最適な単離特性を示す同じ結晶多形が常に得られることを保証する。生成物を水で洗浄し、乾燥させる。収率は理論値の92%超である。
エチルエーテル(XI)から出発して、酸(XII)を、アルカリけん化およびその後の酸性後処理によって得る:
研究規模の合成において、けん化を、DME/水3:1の混合物中で高希釈(33.9倍量)で行った。ここでは、主にスループットを高め、引火点が非常に低く、そのため大規模用途にとって特に重要であると考えられている使用されるDME(ジメトキシエタン)を置換することが不可欠であった。驚くべきことに、この反応はTHF/水の混合物中で非常に容易に高濃度で行うこともできることが分かった。この目的のために、反応を好ましくはTHF/水2:1の混合物(9倍量)中で行い、水酸化ナトリウム水溶液を0〜5℃で添加し、次いで、混合物を0〜5℃で1〜2時間撹拌する。水酸化カリウム水溶液も使用することができるが、好ましくはNaOHを使用する。後処理のために、混合物をMTBE(メチルtert−ブチルエーテル)および酢酸エチルで抽出し、単離のために、pHを塩酸、硫酸またはリン酸などの鉱酸、好ましくは塩酸で、pH6.5〜7.0に調整する。次いで、混合物を対応する酸の飽和アンモニウム塩溶液、好ましくは塩化アンモニウム溶液と混合し、生成物が定量的に晶出する。単離後、生成物を水および酢酸エチルまたはアセトニトリルまたはアセトン、好ましくはアセトニトリルで洗浄し、真空下40〜50℃で乾燥させる。収率は事実上定量的である(99%)。代替の好ましい後処理:代替の後処理として、トルエンを混合物に添加し、酢酸ナトリウムを添加し、混合物を20℃で撹拌し、次いで、相を分離し、水相を10%塩酸水溶液を用いて0℃でpH6.5〜7.0に調整する(場合によりpH9.5〜10で播種することができる)。混合物を短時間撹拌し、生成物を濾別し、少量の水およびトルエンで洗浄し、真空下40〜50℃で乾燥させる。達成される収率は、この場合も定量的である。
その後の酸のアミド(XIII)への変換を、以下のように研究段階で行った:酸(XII)を約10倍量のDMFに溶解し、1.25当量の1,1’−カルボジイミダゾールおよび0.1当量のDMAP(4−(ジメチルアミノ)ピリジン)を添加し、混合物を室温で4時間撹拌した。その後、20当量のアンモニアを25%水溶液の形態で添加し、この混合物を110℃に予熱した油浴に移した。この手順では、比較的大量のアンモニアガスが瞬間的に形成し、系から逃げ出し、さらに圧力の急激な上昇を確実にする。この混合物を約90倍量の水に添加し、酢酸ナトリウムの添加によりpH7に調整した。沈殿した生成物を濾別し、乾燥させた(収率:理論値の59%)。徹底的な抽出(約100倍量の酢酸エチル)により母液からさらなる部分を単離し、これを高可燃性ジエチルエーテルと共に撹拌し、これは約14%のDMFを含有していた。このような方法は、操作上の枠組みにおいてこのような方法で達成することができず、そのため、代替手順に対する高い要求があることは明らかである。この部分の分離に必要な努力は、この場合、分離される量に不相応である。
驚くべきことに、THF中の酸(XII)の反応において、アミド(XIII)が溶液から直接晶出し、高収率および高純度で得ることができることが分かった。この目的のために、カルボン酸(XII)を、THF中1.1〜1.6当量、好ましくは1.3〜1.4当量の1,1’−カルボジイミダゾールとDMAP触媒作用下(5〜15mol%、好ましくは10mol%)で反応させてイミダゾリドを得る、これは20〜50℃の温度で行われ、好ましいアプローチは最初に20℃で開始し、次いでこの温度で1〜2時間撹拌し、次いで、50℃で2〜3時間さらに撹拌することであると分かった。活性化が終了した後、3〜8当量、好ましくは4.5当量のヘキサメチルジシラザンを添加し、混合物を16〜24時間、好ましくは16時間、還流下で沸騰させる。得られるジシリルアミド化合物をここで場合により単離することができるが、ワンポット反応を続けることが有利であることが判明した。そのため、反応が完了したら、混合物を0〜3℃に冷却し、水の混合物または水とTHFの混合物を添加する。0.5〜0.7倍量の水(反応物質に対して)を使用することが有利であると判明し、0.52倍量の水の量が特に有利である。水は、直接またはほぼ最大2倍体積量のTHFとの混合物として添加することができる。クエンチが完了した後、混合物を合計1〜3時間、好ましくは1時間加熱還流する。混合物を0℃に冷却し、この温度で1〜5時間、好ましくは3時間撹拌し、次いで、生成物を濾過または遠心分離により単離する。生成物をTHFおよび水で洗浄し、真空下高温(30〜100℃、好ましくは60℃〜90℃)で乾燥させる。収率は非常に高く、一般に理論値の93%超である。純度は一般に99%超である(HPLC、100%方法)。化合物(XIII)を、オートクレーブ(約25〜30bar)中アンモニアガスと反応させることによって直接得ることもできる。この目的のために、上記の予備活性化を行い、次いで、反応混合物を気体アンモニア下圧力下で加熱する。反応が完了したら、これを冷却し、生成物を濾別する。このようにして得られた収率および純度は同等である。
式(I)の化合物を得るためには、式(XIII)のアミドのラセミ混合物を対掌体に分離しなければならない。公開された研究規模の合成では、キラル選択剤としてN−(ジシクロプロピルメチル)−N2−メタクリロイル−D−ロイシンアミドを含む、特別に合成されたキラル相がこの目的のために使用された(社内で調製)。この選択剤は、多段階プロセスで調製され、次いで、特別なシリカゲル上で重合された。メタノール/酢酸エチルが溶離液として役立った。この方法の主な欠点は、500*63mmクロマトグラフィーカラムで30mg/分離の非常に低い充填量であったので、結果として対掌体の分離をマルチトン範囲で行うことを可能にする可能な限り有効な分離方法を見出す必要性が高かった。驚くべきことに、容易に商業的に入手可能な相で分離を行うこともできることが分かった。これは、相Chiralpak AS−V、20μmの形態をとる。使用された溶離液は、メタノール/アセトニトリル60:40の混合物であった。この混合物は、同一の組成(60:40、共沸混合物に相当する)を有して、蒸留後処理後に溶出液として回収することができるという大きな利点を有する。このようにして、分離の収率が理論値の47%超である(理論的には50%が可能である)非常に効率的なプロセスが達成される。ここでの光学純度は93%e.e.超であるが、好ましくは98.5%e.e.超である。この場合、クロマトグラフィーを慣用的なクロマトグラフィーカラムで行うことができるが、好ましくは、SMBまたはVaricolなどの当業者に公知の技術(Computers and Chemical Engineering 27(2003)1883〜1901)を使用する。例えば、SMBシステムを使用して式(XIII)のラセミ体アミド約500kgを分離したところ、48%の収率が達成された。生成物は、メタノール/アセトニトリル60:40の混合物中3〜8%、好ましくは5〜7%の溶液として得られ、「最終処理」に直接使用することができる。アセトニトリルとメタノールの他の溶媒混合比もまた考えられる(90:10〜10:90)。あるいは、SMB分離のために、10:90〜90:10の混合比のアセトニトリル/エタノールなどの他の溶媒混合物を使用することもできる。特定の溶媒比は、部分的にはSMBシステムの技術的特性に依存し、適宜(例えば、流速の変化、薄膜蒸発器での溶媒のリサイクル)調節しなければならない。
式(I)の標的化合物と同様に、式ent−(I)のエナンチオマー化合物も事実上同じ収率で得られる。経済的理由から、式ent−(I)のこのエナンチオマーを破壊する必要はないが、SMBによって別のエナンチオマー分離に供するために、式ent−(I)の化合物の式(XIII)のラセミ混合物への変換を可能にする方法を発明する必要があった。
国際公開第2008/104306号パンフレット 米国特許出願第2008/312209号明細書
ChemMedChem 2012、7、1385 J.Med.Chem.2007、50、2468〜2485 Journal of Medicinal Chemistry、1992、第35巻、734〜740頁 Tetrahedron、2013、第69巻、2807〜2815頁 Journal of the American Chemical Society、2013、第135巻、5656〜5668頁 European Journal of Medicinal Chemistry、1986、第21巻、397〜402頁 Journal of Materials Chemistry、2011、第21巻、9523〜9531頁 Synthesis 2003、第6号、823〜828 Tetrahedron 57(2001)2701〜2710 Synth.Commun.1994、887〜890 Angew.Chemie 2003、1700〜1703 Tetrahedron Lett.2007、2555〜2557 Tetrahedron Lett.2004、1441〜1444 JACS 2003、125、2890〜2891 Journal of Organometallic Chemistry 689(2004)、4576〜4583 Tetrahedron Lett. 48(2007)、1087〜1090 Pharmazie、2000、第55巻、747〜750頁 Bioorg.Med.Chem.Lett.16、798〜802(2006) Synthesis 1984、765〜766 Computers and Chemical Engineering 27(2003)1883〜1901
この目的は、式(A)の1,4−ジヒドロピリジン誘導体を式(B)のピリジン類似体に酸化するための本発明による間接電気化学的方法の使用
およびその後の還元を通して達成された。
医薬品有効成分を合成するために、式(A)で記載される1,4−ジヒドロピリジン誘導体のピリジン類似体(B)への酸化
(R1〜R5はそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、カルボン酸エステル、ヒドロキシル、ヒドロキシエーテル、シアノ、ニトロ、置換および非置換アミド、(C1〜C6)−アルキル、ハロ(C1〜C6)−アルキル、ホルミル、置換および非置換フェニル、置換および非置換ベンジル、置換および非置換ナフチル、N、S、Oの群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する置換および非置換5員または6員複素環、ベンゾ縮合5員または6員複素環である)
を化学酸化剤の使用によって行った。
Hanら[Org.Lett.2014、16、4142〜4145]は、1.2当量のDDQ[2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン]を用いて、1,4−ジヒドロピリジン誘導体(C)[4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−7,7−ジメチル−5−オキソ−2−(プロパン−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロキノリン−3−カルボン酸メチルエステル]を酸化するステップを記載している。これにより、93.5重量%の単離収率のピリジン誘導体(D)[4−(3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イル)−7,7−ジメチル−5−オキソ−2−(プロパン−2−イル)−5,6,7,8−テトラヒドロキノリン−3−カルボン酸メチルエステル]が得られた。
この方法の欠点は、基質からの2つ個プロトンと2個の電子の引き抜きに必要な多量の酸化剤(DDQ)である。最良の場合、化学量論的量の化学酸化剤が反応を完了するために必要とされる。ほとんどの場合、完全な変換と最大収率を保証するために過剰の化学試薬が使用される。よって、多量の廃棄物が得られ、さらに、多量の酸化剤の使用はまた、製造コストを増加させる。
Hanらの研究と同様に、この方法は式Aの全ての1,4−ジヒドロピリジン(DHP)誘導体および式(B)の対応するピリジン(PYR)に当てはまると推測できる。
上記の酸化方法の対応する応用は、化合物(I)を調製する方法で得られる式ent−(I)のエナンチオマーからの再利用法によって、(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)を調製する新規な方法である。
これは、最初に式ent−(I)の誤ったエナンチオマーを式(XVII)のピリジンに酸化(芳香族化)し、次いで、これを電気化学的還元に供することによって可能である:
以下の説明は、本発明の新規な方法を明らかにする:
第1のステップで、式ent−(I)の化合物を酸化(芳香族化)する:
使用される酸化剤は、ピペリジンおよびジヒドロピリジンの芳香族化のための当業者によく知られた酸化剤であり得る;これらは、例として、本:Pyridines:From Lab to Production;Eric F.V.Scriven編、Elsevier Verlag 2013、第8章、116〜144頁に記載されている。言及される例としては、ジクロロメタン中DDQ、ジクロロメタン中クロラニル、ジクロロメタン中二酸化マンガン、アセトン中過マンガン酸カリウム、氷酢酸中酢酸マンガン(III)、アセトニトリル中酢酸セリウムアンモニウム、ジクロロメタン中クロロクロム酸ピリジニウム、ジクロロメタン中濃硝酸、メタノール中ヨウ素が挙げられる。ジクロロメタン中DDQまたは濃硝酸が特に好ましい。収率は一般に非常に高く、一般に理論値の86%超である。
以前の研究(A.Straub、Tetrahedron Asymmetry 12(2001)341〜345)は、酸化されたジヒドロピリジン、すなわちピリジルアリールが回転障害性を示すという指針を与えた。回転障壁は、室温で対掌体を分離することができるほど高い(軸不斉→アトロプ異性)。そのため、ラセミ体から進行して、これらを対掌体に分離するために分取キラルクロマトグラフィー法を開発した。これは驚くほど現時点でも可能であった。
生じる2つのアトロプ異性体は、式(I)の化合物の投与後にインビボで観察される主要な代謝産物(式M1a(S)およびM1b(R)の化合物)でもある。X線結晶構造解析(実施例の節を参照)により、その絶対配置を決定することが可能であった。
驚くべきことは、S配置を有する式(I)の光学活性標記化合物が、げっ歯類および哺乳類ならびにヒト(イヌ、ラット、マウス、ヒト)においても主にM1a(S)に代謝されるという事実である。式ent−(I)のRエナンチオマーを提供する場合、
主に式M1b(R)の代謝産物が形成される。
例えば、化学酸化剤による酸化を行う場合、形成されるのは主に他の系列の代謝産物である;式(I)の標記化合物(S配置)は、主に式M1b(R)の化合物を生じる;式ent−(I)の化合物(R配置)は、主に式M1a(S)の化合物を生じる。
式ent−(I)の光学活性化合物を当業者によく知られている種々の酸化剤と反応させる場合、以下の結果が得られる:
溶媒を指定しない場合、ジクロロメタンが使用される標準的な溶媒であった。比は、キラルHPLC法を用いて測定した;M1a(S)/M1b(R)を100%に正規化した。収率は、HPLC(アキラル法)による変換として測定した。
使用した試薬を以下の表に示す:
個々の対掌体も熱ラセミ化することができることが示されている;この目的のために、混合物を70℃超の高い沸点を有する溶媒中で加熱するが、低沸点溶媒中で行うことも可能であり、但しその場合、圧力下で行う必要がある。有用な溶媒には、エタノール、メタノール、プロパノール、イソプロパノール、THF、ジオキサン、塩化メチレン(圧力下)、DMF、DMA、NMP、酢酸エチル、2−Me−THFなどの全ての標準溶媒が含まれる。1−ブタノールおよびエタノール中での作業が好ましい。
例として、1−ブタノール(約20倍量で溶解)中の熱ラセミ化に言及する。この目的のために、式M1a(S)の化合物のエナンチオマー過剰e.e.%を3つの異なる温度で測定した(図1参照)。105℃で1時間以内に完全なラセミ化が起こることは明らかである。ラセミ化速度は、酸(触媒量の1−ブタノール中メタンスルホン酸)を添加することによって加速することができる(図2参照)。
触媒量の酸を添加することにより、より低温でも熱ラセミ化を行うことが可能になる。有用な酸には、メタンスルホン酸、硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸および最も芳香族のスルホン酸が含まれる。しかしながら、スルホン酸、より好ましくはメタンスルホン酸を使用することが好ましい。
上記の酸化方法の大きな欠点は、化学量論的または超化学量論的(superstoichiometric)量の酸化剤を使用しなければならず、このようにして大量の廃棄物が生成されることである。そのため、酸化剤廃棄物の量を可能な限り少なく保つことが望まれていた。これは、本発明によって達成される。触媒量のDDQの使用は、廃棄物の量を有意に最小限に減少させ、このことが本発明の新規な方法のかなりの利点を構成する。
化学的酸化の最良の代替は、電子による化学酸化剤の置換による電気化学的酸化であろう。電気化学の使用は、酸化電位を微調整し、化学試薬の使用を不要にすることを可能にする。Arguelloら[Electrochemica Acta 49(2004)4849〜4856頁]およびLopez−Alarconら[Electrochimica Acta 48(2003)2505〜2516頁]は、プロトン性および非プロトン性媒体中でのボルタンメトリーによるHantzsch1,4−ジヒドロピリジンの酸化を記載している。しかしながら、彼らは、非プロトン性媒体中のAg/AgCl参照電極に対して+915mV〜+1093mVの間で変化する高い酸化電位を報告した。この高い酸化電位では、官能基、例えばアミノ基またはフェノール基の酸化が起こることが周知である[a)Handbook of Electrochemistry、Elsevier、編者:C.G.Zoski、2007;b)Fundamentals and Applications of Organic Electrochemistry;Fuchigamiら、2015 John Wiley&Sons、Ltd;c)Davidら、Tetrahedron 51(1995)3181〜3196]。したがって、ジヒドロピリジン誘導体の直接電気化学的酸化は、限られた適用性のものに過ぎない。
直接電気化学的酸化の代替として、FranckeおよびLittleは、一般的に種々のタイプのメディエーターを用いた間接電気化学的反応の使用を記載している[Chem.Soc.43(8)2014 2492〜2521頁]。ジヒドロピリジンをそれらのピリジン類似体に首尾よく酸化することが可能であった例は述べられていない。間接電気化学的合成におけるDDQの使用については言及されているが、著者の解説によればまだ完全には研究されていない。例はベンジル酸化、すなわち水性酢酸中の側鎖官能化に制限される。無水非プロトン性溶媒を使用する場合、反応はうまく進行しなかった。
本発明により対処される1つの課題は、ジヒドロピリジン(A)をピリジン類似体(B)に酸化する方法であって、
(R1〜R5はそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、カルボン酸エステル、ヒドロキシル、ヒドロキシエーテル、シアノ、ニトロ、置換および非置換アミド、(C1〜C6)−アルキル、ハロ(C1〜C6)−アルキル、ホルミル、置換および非置換フェニル、置換および非置換ベンジル、置換および非置換ナフチル、N、S、Oの群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する置換および非置換5員または6員複素環、ベンゾ縮合5員または6員複素環である)
i)準化学量論的酸化試薬を使用し、
ii)穏和な条件下で側鎖およびいくつかの置換基にとって耐えられる
ことを特徴とする方法を開発するというものであった。
驚くべきことに、この課題を解決するために、ジヒドロピリジン誘導体を、準化学量論的量のメディエーターを用いた間接電気化学的酸化を用いて、そのピリジン類似体に高収率で首尾よく酸化することができることが分かった。
本発明による方法の最適な反応条件は、標準圧力およびAg/Ag参照電極(10mmol/l)に対して−0.1V〜+0.6V、好ましくはAg/Ag参照電極(10mmol/l)に対して0.0V〜+0.5V、より好ましくは0.1V〜0.4Vの酸化電位で、1〜100℃、好ましくは10〜50℃、より好ましくは20〜30℃の温度である。
直接電気化学的酸化(Ag/Ag10mmol/lに対して+1V超)と比較して、非常に穏和な条件、すなわち室温(25℃)および標準圧力および小さな酸化電位(Ag/Ag10mmol/lに対して+0.4V)下で、高収率のピリジン誘導体が達成された。側鎖酸化の兆候はなく、非プロトン性溶媒中で反応を行うことも可能であった。本発明者らが知る限り、このことがこれまでに文献で報告されたことはない。文献からの最も近い例は、ベンジル酸化である。これは酢酸水溶液中では成功したが、無水非プロトン性溶媒(本発明者らが使用したものなど)を使用するとすぐに失敗した[Chem.Soc.Rev.Plant Biol.、8、2014、2492〜2521頁]。
メディエーター、例えばDDQの量を10mol%未満(理想的には生成物収率95%超を保持して約2%)に減少させることが可能であり、高い転化率、高い収率および高い電力効率のためにAg/Ag参照電極に対してわずか0.3〜0.4Vの酸化電位で十分であった。
反応が制限されないはずである適切なメディエーターは、Chem.Soc.Rev.43(8)2014 2492〜2521頁に言及されるトリアリールアミン(Ar3N型)、TEMPOおよび他のN−オキシル基、ハロゲン塩(X=Cl、Br、IのHX型)、金属塩(Cr(VI)/Cr(III)、Fe(III)/Fe(II)、V(IV)/V(III)、Ce(IV)/Ce(III)、Co(III)Co(II)、Ru(VIII)/Ru(IV)、Os(VIII)/Os(VI)、Mn(III)/Mn(II))、ヨードベンゼンおよびヨードベンゼン誘導体、硝酸塩およびトリアリールイミダゾールである。
有機合成のために、「三電極系」と呼ばれる当業者に知られている電気分解装置が使用される[Handbook of Electrochemistry;編者:C.G.Zoski;2007 Elsevier B.V.&Fundamentals and Applications of Organic Electrochemistry:Synthesis,Materials,Devices、第1版、T.Fuchigami、M.AtobeおよびS.Inagi;2015 John Wiley&Sons,Ltd]。この場合、作用電極、対極および参照電極という3つの電極が使用される。多数の参照電極が存在するが、その安定性および非水性電解質、すなわち有機溶媒についての測定の再現性が高いために、銀/銀カチオン(Ag/Ag)参照電極を使用することが好ましい。この場合、銀線を10mMまたは0.1M AgNO3溶液に浸漬する。使用される溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドであり得る。使用される標準的な導電性塩は、テトラブチルアンモニウムペルクロラート(BuN4ClO4)である。しかしながらあるいは、他の導電性塩:Et4NBF4、Bu4NBF4、Bu4NPF6、Bu4NX(X=I、Br)または過塩素酸塩(NaClO4、LiClO4、Et4NClO4)を使用することも可能である。
作用電極と対極との間、すなわち2つの「半電池」の間の空間的分離は、反応物質と生成される標的生成物の両方が対極に到達し、そこで収率の損失をもたらす望ましくない副反応を引き起こすことを防ぐために、ほとんどの場合で有利である。
作用電極と対極との空間的分離のために、限定された多孔性および/またはそれらの化学構造もしくは機能により、2つの半電池間の自由交換を防止するセパレータが使用される。公知のセパレータは、焼結ガラスフリット、PTFEフィルタ膜、陽イオン交換膜、ポリフッ化ビニリデンまたはポリプロピレンフィルタ膜、ならびに以下に列挙されない、有機溶媒に安定で、他の半電池への反応物質および生成物の移動を制限するまたは完全に防止するのに十分小さい孔径を有する材料である。
ジヒドロピリジン(A)の電気化学的酸化のために、作用電極はアノードとして、対極はカソードとして接続される。カソードでは、水素の発生が予想され、観察される。
白金、パラジウム、金、グラファイト、ガラス状炭素、ホウ素ドープダイヤモンド、亜鉛、銅、ニッケル、スズ、サマリウム、鋼、水銀、鉛または青銅と呼ばれる銅、スズおよび鉛からなる合金が公知の電極材料である。ドーピング形態または合金でも使用されるさらなる金属および金属酸化物電極:Ru/RuO2、Ti/TiO2、RuO2/TiO2、Ir/IrO2、Pt/Ti、白金/イリジウムも当業者に知られている。
特に、気体水素のカソード形成が競合反応として当業者に知られている。そのため、水素形成に関して高い過電圧を有するカソード材料が好ましい。例えば、H2形成についての過電圧は以下の順序で増加する:Pd<Au<Pt<Ni<Cu<Sn<Pb<Zn<Hg。
同様に有機電解合成について記載されている典型的な溶媒は、アセトニトリル、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホラミド([(CH3)2N]3PO;CAS:680−31−9)である。当業者に一般的に知られている溶媒はまた、NMP、N,N−ジメチルアセトアミド、プロパノール、イソプロパノール、塩化メチレン、酢酸エチルである。
導電性を増加させるために有機溶媒に添加される導電性塩は、Et4NBF4、Bu4NBF4、Bu4NPF6、Bu4NX(X=I、Br)または過塩素酸塩(NaClO4、LiClO4、Et4NClO4、Bu4NClO4)である。
詳細に記載されている広範な「三電極系」は、ビーカーガラスセル、Hセルまたは当業者に知られている他の容器で一般に使用されている。マグネチックスターラーによって、反応混合物を連続的に撹拌することが可能である。大多数の実験は、溶媒/導電性塩混合物を最初に両方の半電池に装入するバッチ実験である。反応物質は、電気化学的に変換される半電池にのみ導入される。
循環ポンプによって反応混合物を連続的に循環させることによって、フローセルなどのセルを操作することも可能である。さらに、文献がフローセルについての非常に具体的な幾何学を記載している[Handbook of Electrochemistry;編者:C.G.Zoski;2007 Elsevier B.V.&Fundamentals and Applications of Organic Electrochemistry:Synthesis,Materials,Devices、第1版、T.Fuchigami、M.AtobeおよびS.Inagi;2015 John Wiley&Sons,Ltd]。図3を参照されたい。合成のスケールアップを考慮して、フィルタープレス設計のフローセルが特に好ましい。非常に小さい断面積(10cm2)から進行して、スケールアップは、最初に断面積を1モジュールあたり最大0.4m2(Electrocellから商業的に入手可能、モデルMFC最大0.001m2、モデルMPC0.01〜0.2m2、モデルESC0.04〜1.04m2、モデルEPC0.4〜16.0m2)増加させ、第2にナンバリングアップする、すなわち1つのスタック内にいくつかの同一モジュールを連結することによって達成することができる。他の幾何学的寸法、例えば電極分離、電極材料(アノードおよびカソードについて)および動作パラメータ(特に電流密度)を変更する必要がないので、このようなスケールアッププロセスのリスクは管理しやすい。
調節可能な流速によって、セル内の滞留時間を制御することが可能である。典型的な滞留時間は、1通過当たり0.1〜100秒の範囲である。電気化学的還元にフローセルを使用する本発明による方法では、滞留時間は好ましくは0.5〜50秒であり、特に好ましくは1通過当たりの滞留時間が1〜10秒である。
電流密度の選択は、滞留時間と標的反応の反応速度の両方、および望ましくない副反応にも依存する。電流密度が高すぎ、同時に滞留時間が長くかつ気体形成(例えば、H2)があると、セル内にガスクッションが形成された結果、電極面積が遮蔽される。メディエーターとしてDDQを用いた(XIII)から(XVII)への電気化学的酸化のために、1〜100mA/cm2の電流密度が考えられる。しかしながら、十分な空時収率で最大の選択性を達成するためには、5〜50mA/cm2の範囲、より好ましくは10〜30mA/cm2の範囲の電流密度が好ましい。上記リストとは異なる溶媒の使用が原則可能である。好ましい溶媒はDMF、DMA、NMP、アセトニトリルおよびこれらの混合物である。
化合物ent−(I)の場合における本発明による方法の実施のために、以下の手順が有用であることが分かった:
メディエーターとしてDDQを用いた化合物ent−(I)の対応する誘導体(XVII)への酸化は、電圧および電気の印加によって、図4の以下のスキーム、すなわちent−(I)→(XVII)+H2に従って進行する(図4参照)。
試験のためおよび系のより良い理解のために、サイクリックボルタンメトリーを、外側にPtケージ電極(作用電極)および中央にPtワイヤ電極(対極)を有する直径5cmの分割していないビーカー型セル中で行った。作用電極の近くに、Ag/Ag参照電極(アセトニトリル中10mmol/l)を配置した。セルに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をDDQ22.7mg(0.1mmol)および式ent−(I)の化合物378.4mg(1mmol)と一緒に溶解したアセトニトリル100mlを充填した。式ent−(I)の化合物を含まず、DDQも含まないサイクリックボルタンメトリートレースについては、適切な量を加えなかった。Gamry Interface 1000設計のポテンシオスタットを使用して、参照電極に対して−0.5〜+1Vの間で10サイクルにわたって250mV/sおよび100mV/sの走査速度でサイクリックボルタンメトリートレースを記録した。最初と最後のサイクルを除いた後、結果を平均した。サイクリックボルタンメトリーは、電極表面での電気化学的反応を研究する手段として、当業者に知られている。
サイクリックボルタンメトリー試験の結果を図5に報告する。基質ent−(I)を含まないDDQの場合−点線−2つのピークがはっきりと明らかになっていることは明らかである。反応DDQ→H2DDQに関連するAg/Agに対して約+0.1Vでの還元ピーク(陰性)、および反応H2DDQ→DDQに関連するAg/Agに対して約+0.3Vでの酸化ピーク(陽性)。さらに、サイクリックボルタモグラムは完全に対称であり、これは反応が完全に可逆的であることを意味する。
DDQを用いない(破線)、すなわち直接酸化様式での基質ent−(I)のサイクリックボルタモグラムを考慮すると、ent−(I)はAg/Agに対して0.6Vより上でのみ酸化され得るので、許容される転化率を得るために少なくとも1Vが必要である(図5参照)。Ag/Agに対して+1.0Vで1時間電気分解した後、溶液の変色およびHPLCにおけるいくつかの二次成分の存在が認められた。正確な同定および定量的測定は不可能であった。文献[a)Handbook of Electrochemistry、Elsevier、編者:C.G.Zoski、2007;b)Fundamentals and Applications of organic Electrochemistry;Fuchigamiら、2015 John Wiley&Sons,Ltd.]がアミンおよびアミド(例えば、分子中に存在する)がSCEに対して+0.5〜+1.0Vの間で酸化され得る(Handbook of Electrochemistry、819頁)ことを開示しているので、これは予想されることであった。
媒介電気分解、すなわち基質+10mol%のDDQ(実線)と比較して、非常に有効な電荷移動複合体の形成が明らかであり、基質はDDQによって同じ電位(約0.3V)で酸化可能であり、プロセスは非常に有効であり、よって最高の電流を示す。さらに、DDQは今や基質としか反応することができず、もはや電極に利用可能でないので、逆反応(還元ピーク)が完全に消失したことが明らかである。
系を2時間にわたってAg/Agに対して+0.4Vの電位で反応させた後、約98%の基質の転化率が達成され、二次成分は観察されず、所望の成分のみが観察されたことを指摘すべきである。例も参照されたい。これは、低い選択性しか達成されなかった直接転化に匹敵する。
したがって、DDQの再生(すなわち、酸化H2DDQ→DDQ)が最大(0.3V超)であり、基質と電極の直接の非選択的反応(0.5V未満)が完全に回避される理想的な操作窓(0.3〜0.5Vの間の電位)を定義することが可能である。これは最大の収率および選択性を可能にする理想的な操作窓である。
このような条件(すなわち、参照としてのAg/Agに対して+0.4Vを用いる)下で、65mAの高電流、したがって1.2mmol/hという高い反応速度を達成することが可能であったことも指摘しておくべきである。非媒介直接電気化学システムにおいて同じ速度を得るためには、+1.0Vの電圧を印加しなければならず、これは分子を損傷するだろう。
サイクリックボルタンメトリーと同様に、同じ溶液および構成を有する同じバッチセルにおいて、製造試験を行う。この試験では、溶液を+0.4Vの一定電位で2時間電気分解し、試料を15分ごとに採取し、HPLCによって分析した。2時間が経過した後、驚くべきことに転化率が98%に達し、生成物収率は97.5%超(選択率99%超)であり、さらに驚くべきことに、わずか2.1Fの電荷が流れた。要求される電力の化学量論的(最小)量が2Fであるという事実に照らして、電力効率は95%を超えた。低電力効率が非選択的反応の兆候でない場合、選択的反応が高電力効率のために必要な条件である。このことから、HPLC分析と合わせて、(I)から(XVII)、またはより一般的には(A)から(B)への媒介酸化が選択性および収率の点で化学的および直接電気化学的酸化よりもはるかに好ましい方法であることが明らかである(図6参照)。
化合物(XIII)は、(I)およびent−(I)の2つのエナンチオマー形態で存在する。生成物(XVII)は、M1a(S)およびM1b(R)として知られる軸不斉を有する2つの形態で存在する。驚くべきことに、上記の記載による媒介された電気化学的還元による変換によって、式(I)の化合物はM1b(R)に優先的に変換され、ここではM1a(S):M1b(R)比が13:87(実施例27)であり、ent−(I)がM1a(S)に優先的に変換され、ここではM1a(S):M1b(R)比が90:10(実施例26)である。これらの結果は、化学量論的量のDDQによる化学的酸化によって得られた結果(実施例11aおよび11b)に匹敵する。驚くべきことに、式(I)の化合物は、動物細胞(ヒト細胞を含む)において式M1a(S)の化合物に優先的に代謝されるが、式ent−(I)の化合物は式M1b(R)の化合物に代謝される。
式(I)の化合物のラセミ混合物、すなわち式(XIII)の化合物を使用する場合、電気化学的酸化は予想通りにM1a(S):M1b(R)比が50:50(実施例28)である(XVII)のラセミ混合物をもたらす。
観察される高い選択性および電力効率の観点から、上記のタイプのフローセル(例えばElectrocell製)において特に問題なく上記の手順を行うことも可能であろう。これにより、より高い空時収量および工業規模でのより大きな生産が可能になる。
(XVII)の単離:電気化学的変換を行った後(反応物質(I)が一般に1%未満)、反応溶液を後処理する。転化は高収率(98%超)で実質的に不純物がなく驚くほどクリーンに進行する。溶媒を最初に実質的に留去し、次いで、生成物を水沈殿(水の添加)により沈殿させ、濾別し、乾燥させることが有利であると分かった。このようにして得られた生成物を、エタノールまたはイソプロパノールまたは1−ブタノールまたは2−ブタノールから再結晶することができる。
次のステップで、式(XVII)のピリジンのジヒドロピリジンへの電気化学的還元を行う:
ピリジンの(電気)化学的還元のための先行技術
StraubおよびGoehrt[Alexander Straub and Axel Goehrt、Angew.Chem.、108(1996)、2832〜2834(表題:酸化および電解還元による光学活性ジヒドロピリジンの転化)]は、とりわけ、水銀電極での、全てエステル基(−CO2Et)の存在によって特徴付けられるピリジン誘導体の電気化学的還元を記載している。Kitaら[Yoshio Kita、Hirofumi Maekawa、Yasuhiro YamasakiおよびIkuzo Nishiguchi、Tetrahedron Letters 40(1999)8587〜8590(表題:ジヒドロ−およびテトラヒドロピリジンジカルボン酸誘導体の選択的かつ容易な電解還元合成);Yoshio Kita、Hirofumi Maekawa、Yasuhiro YamasakiおよびIkuzo Nishiguchi、Tetrahedron 57(2001)2095〜2102(表題:主要段階として電解還元を用いたジヒドロ−およびテトラヒドロピリジンジカルボン酸誘導体の高度に選択的かつ容易な合成)]によって使用されたピリジンも実際に2個のエステル置換基(−CO2Me)を有している。StraubおよびGoehrtは、0.72mmolのピリジン誘導体という非常に小さな実験室バッチについて83%の収率を報告している。
Kitaらは、1,2−ジヒドロピリジンと1,4−ジヒドロピリジンの両方を生成物として記載している。CおよびPb電極に対する実験は、0%の収率を与えた。Ptカソードでは、36%の収率が達成された。塩化アンモニウムを使用し、室温をはるかに下回る温度(5〜10℃)の場合にのみ、Ptカソードで83%を超える収率を達成することが可能であった。
EisnerおよびKuthan[Ulli EisnerおよびJosef Kuthan、Chem.Rev.(1972)、72、1〜42(表題:ジヒドロピリジン類の化学)]は、NaBH4または接触水素化によるピリジンの化学的還元を記載している。両方の場合において、置換基の非選択的還元(例えばエステル基のアルコールへの)の結果として、またはニトリル基の還元の結果としての収率損失が存在する。さらに、1,2−ジヒドロピリジンも主生成物としてここで観察された。
したがって、先行技術は、ピリジン誘導体の選択的還元の一般的な方法、特にメチルエステル置換基もエチルエステル置換基も全く有さないピリジン誘導体の一般的な方法を開示していない。水銀電極は、その毒性のために、医薬品有効成分の合成にさらに不適当である。さらに、先行技術に記載される1,2−ジヒドロピリジン誘導体の形成もまた収率損失をもたらすために、回避されるべきである。
以下の説明は、本発明の方法の第2のステップ、ピリジン(XVII)のアミド(XIII)への電気化学的還元を明らかにする:
有機合成のために、「三電極系」と呼ばれる当業者に知られている電気分解装置が使用される[Handbook of Electrochemistry;C.G.Zoski編;2007 Elsevier B.V.&Fundamentals and Applications of Organic Electrochemistry:Synthesis,Materials,Devices、第1版、T.Fuchigami、M.AtobeおよびS.Inagi;2015 John Wiley&Sons,Ltd]。この場合、作用電極、対極および参照電極という3つの電極が使用される。多数の参照電極が存在するが[Handbook of Electrochemistry;C.G.Zoski編;2007 Elsevier B.V.]、その安定性および非水性電解質、すなわち有機溶媒についての測定の再現性が高いために、銀/銀カチオン(Ag/Ag)参照電極を使用することが好ましい。この場合、銀線を10mMまたは0.1M AgNO3溶液に浸漬する。使用される溶媒は、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドであり得る。使用される標準的な導電性塩は、テトラブチルアンモニウムペルクロラート(BuN4ClO4)である。しかしながらあるいは、他の導電性塩:Et4NBF4、Bu4NBF4、Bu4NPF6、Bu4NX(X=I、Br)または過塩素酸塩(NaClO4、LiClO4、Et4NClO4)を使用することも可能である。
作用電極と対極との間、すなわち2つの「半電池」の間の空間的分離は、反応物質と生成される標的生成物の両方が対極に到達し、そこで収率の損失をもたらす望ましくない副反応を引き起こすことを防ぐために、ほとんどの場合で有利である。
作用電極と対極との空間的分離のために、限定された多孔性および/またはそれらの化学構造もしくは機能により、2つの半電池間の自由交換を防止するセパレータが使用される。公知のセパレータは、焼結ガラスフリット、PTFEフィルタ膜、陽イオン交換膜、ポリフッ化ビニリデンまたはポリプロピレンフィルタ膜、ならびに以下に列挙されない、有機溶媒に安定で、他の半電池への反応物質および生成物の移動を制限するまたは完全に防止するのに十分小さい孔径を有する材料である。
ピリジン(XVII)の電気化学的還元のために、作用電極はカソードとして、対極はアノードとして接続される。
白金、パラジウム、金、グラファイト、ガラス状炭素、ホウ素ドープダイヤモンド、亜鉛、銅、ニッケル、スズ、サマリウム、鋼、水銀、鉛または青銅と呼ばれる銅、スズおよび鉛からなる合金が公知の電極材料である。ドーピング形態または合金でも使用されるさらなる金属および金属酸化物電極:Ru/RuO2、Ti/TiO2、RuO2/TiO2、Ir/IrO2、Pt/Ti、白金/イリジウムも当業者に知られている。
特に、水性電解質では、気体水素のカソード形成が競合反応として当業者に知られている。そのため、水素形成に関して高い過電圧を有するカソード材料が好ましい。例えば、H2形成についての過電圧は以下の順序で増加する:Pd<Au<Pt<Ni<Cu<Sn<Pb<Zn<Hg。
非水電解質では、溶媒と導電性塩の電気化学的安定性により、電極で副反応が起こるかどうかおよびどの程度起こるかが決定される。
電気化学窓と呼ばれるものが、選択された溶媒/導電性塩混合物について作表される[Handbook of Electrochemistry;C.G.Zoski編;2007 Elsevier B.V.&Fundamentals and Applications of Organic Electrochemistry:Synthesis,Materials,Devices、第1版、T.Fuchigami、M.AtobeおよびS.Inagi;2015 John Wiley&Sons,Ltd]。例えば、アセトニトリル/0.1M Bu4NPF6、テトラヒドロフラン/0.1M Bu4NPF6、アセトニトリル/0.1M Et4NBF4、DMF/0.1M Bu4NClO4の組み合わせが言及されているが、これらは(飽和カロメル電極に対して)−2.0Vよりも負の電位でさえもなお電気化学的に安定であると考えられている。これは、他の溶媒の使用を制限も根本的に排除もしない。
同様に有機電解合成について記載されている典型的な溶媒は、アセトニトリル、エタノール、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、メタノール、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルホスホラミド([(CH3)2N]3PO;CAS:680−31−9)である。当業者に一般的に知られている溶媒はまた、NMP、N,N−ジメチルアセトアミド、プロパノール、イソプロパノール、塩化メチレン、酢酸エチルである。
導電性を増加させるために有機溶媒に添加される導電性塩は、Et4NBF4、Bu4NBF4、Bu4NPF6、Bu4NX(X=I、Br)または過塩素酸塩(NaClO4、LiClO4、Et4NClO4、Bu4NClO4)である。
詳細に記載されている広範な「三電極系」は、ビーカーガラスセル、Hセルまたは当業者に知られている他の容器で一般に使用されている。マグネチックスターラーによって、反応混合物を連続的に撹拌することが可能である。大多数の実験は、溶媒/導電性塩混合物を最初に両方の半電池に装入するバッチ実験である。反応物質は、電気化学的に変換される半電池にのみ導入される。
循環ポンプによって反応混合物を連続的に循環させることによって、フローセルなどのセルを操作することも可能である。さらに、文献は、フローセルについての非常に具体的な幾何学を記載している[Handbook of Electrochemistry;C.G.Zoski編;2007 Elsevier B.V.]。合成のスケールアップを考慮して、フィルタープレス設計のフローセルが特に好ましい。非常に小さい断面積(10cm2)から進行して、スケールアップは、最初に断面積を(Electrocellから商業的に入手可能な「Electro Prod Cell」のモジュール単位として)1モジュールあたり最大0.4m2増加させ、第2にナンバリングアップする、すなわちスタック内にいくつかの同一モジュールを連結することによって達成することができる。他の幾何学的寸法、例えば電極分離、電極材料(アノードおよびカソードについて)および動作パラメータ(特に電流密度)を変更する必要がないので、このようなスケールアッププロセスのリスクは管理しやすい。本発明による方法ならびに単純なビーカーガラスセルの場合、10cm2のマイクロフローセルおよびElectrocell製の100cm2の活性電極断面積を有する多目的セルなどのフローセルが首尾よく使用されている。
調節可能な流速によって、セル内の滞留時間を制御することが可能である。典型的な滞留時間は、1通過当たり0.1〜100秒の範囲である。電気化学的還元にフローセルを使用する本発明による方法では、滞留時間は好ましくは0.5〜50秒であり、特に好ましくは1通過当たりの滞留時間が1〜10秒である。
電流密度の選択は、滞留時間と標的反応の反応速度の両方、および望ましくない副反応に依存する。電流密度が高すぎ、同時に滞留時間が長くかつ気体形成(例えば、H2)があると、セル内にガスクッションが形成された結果、電極面積が遮蔽される。ラセミ体M1の電気化学的還元のために、1〜100mA/cm2の電流密度が考えられる。しかしながら、驚くべきことに、過度に高い電流密度は、望ましくない副反応をもたらし、したがって、収率が低下することが分かったので、十分な空時収率で最大の選択性を達成するためには、5〜50mA/cm2の範囲、より好ましくは10〜30mA/cm2の範囲の電流密度が好ましい。
上記リストとは異なる溶媒の使用が原則可能である。好ましい溶媒はメタノール、DMF、DMA、NMP、アセトニトリルおよびこれらの混合物である。
驚くべきことに、ビーカーセルにおける溶媒としてのメタノールの使用が、97%を超える標的生成物収率を可能にすることが分かった。驚くべきことに、フローセル中の非プロトン性溶媒とプロトン性溶媒の組み合わせが、純粋なメタノールと比較して改善された電力効率を示すことが分かった。2つの半電池が陽イオン交換膜によって互いに分離されたフローセルでは94%を超える転化率および収率が達成可能であった。ビーカーセルからフローセルへの式(XVII)のピリジンの式(XIII)のアミドへの電気化学的還元の成功した移動は、プロセスのスケーラビリティを可能にし、したがって経済的利用を可能にする。
等しいまたより大きい割合の非プロトン性溶媒および等しいまたはより小さい割合のプロトン性溶媒を有する混合物が特に好ましい。非プロトン性溶媒は、当業者にとって一般的な知識である。DMF、DMAおよびアセトニトリルが特に好ましい。プロトン性溶媒も同様に当業者にとって一般的な知識である。好ましいプロトン性溶媒はメタノール、ギ酸、エタノールおよび酢酸である。メタノールとDMFとの組み合わせが特に好ましい。ここでのメタノール含量は、0.1重量%〜50重量%であるべきである。0.5重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%のメタノール含量が好ましい。この混合物中には、エタノールもメタノールと同様に存在することが好ましい。エタノールとDMFとの組み合わせも同様に好ましい。ここでのエタノール含量は、0.1重量%〜50重量%であるべきである。0.5重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%のエタノール含量が好ましい。エタノールの使用は、エチルエーテルをメチルエーテルにエーテル交換する(transetherified)ことができるエーテル交換(transetherification)反応を防止する。
実施例は、式(XVII)のラセミピリジンから出発して、標的生成物、すなわち式(XIII)のラセミアミドを電気化学的還元、したがって次のステップ(例えば、SMBシステムにおける式(I)およびent−(I)の2種のエナンチオマーの分離)を含む本発明による方法によって得て、式(I)の純粋な標的化合物を得る文献を以下で提示する。驚くべきことに、純粋なアトロプ異性体M1b(R)およびM1a(S)を使用する場合、白金−イリジウムメッシュ電極でのビーカーセルにおける電気化学的還元は、式(XIII)のラセミ生成物をもたらさないことがさらに分かった。式M1b(R)の化合物を還元する場合、約78:22[(I):ent−(I)]の比で式(I)の所望のエナンチオマー(標的生成物)が優先的に形成する。式M1a(S)のアトロプ異性体から進行すると、式ent−(I)の誤ったエナンチオマーが比[(I):ent−(I)]=22:78の過剰量で得られる。この知見は、式ent−(I)の化合物の式M1b(R)の化合物への選択的酸化による、1サイクル(酸化−還元−キラルHPLC)当たりの式(I)の標的生成物のリサイクル収率をさらに増加させる選択肢を開く。
式(XIII)の化合物の単離:電気化学的変換を行った後(式(XVII)の反応物質が一般に1%未満)、反応溶液を後処理する。転化は高収率(98%超)で実質的に不純物がなく驚くほどクリーンに進行する。溶媒を最初に実質的に留去し、次いで、生成物を水沈殿(水の添加)により沈殿させ、濾別し、乾燥させることが有利であると分かった。このようにして得られた生成物をエタノールまたはTHFから再結晶し、SMBによる別のエナンチオマー分離に供することができる。
要約すると、この方法は以下の通り進行する:まず、式ent−(I)の誤ったエナンチオマーを酸化して、過剰の式M1a(S)の化合物を得る;後処理の過程で、熱ラセミ化(場合により酸触媒)を行う。その後、単離された式(XVII)のラセミ化合物を電気化学的還元に供する。後処理後、式(XIII)のラセミ化合物を単離し、再結晶する。こうして得られた式(XIII)の生成物は高純度であり、これをSMBプロセスに供給する。
ここに記載される酸化/還元プロセスは、連続して数回行うことができ、したがって、準連続モードでの製造において、式ent−(I)の誤ったエナンチオマーを式(I)の正しい生成物に変換する選択肢を開き、これはコスト面で大きな利点を提供する。数回のプロセスサイクルの後、式ent−(I)の誤ったエナンチオマーのほぼ完全な中和が達成される。
式(XIII)の化合物を回収する新規な方法の特に重要な利点は、その高い化学純度であると考えられる。医薬品有効成分が関与しているので、全ての操作はGMP下で行われ、高純度の中間体を要する。
新規な合成により、式(I)の化合物を非常に効率的に調製することが可能である。この方法は、スケーラビリティおよび技術的性能に関して、先行技術と比較してかなりの利点を提供する。全収率は公表されたデータと比較して有意に高く、有効成分の優れた純度も達成される。新規な方法は、式(I)の定義された化合物の再現可能で経済的な調製を可能にする。ここに提示される方法を使用して、材料200kgが既に臨床試験のためにうまく調製されている。
本発明は、式(B)の化合物
を調製する方法であって、
式(A)
(R1〜R5はそれぞれ独立に、水素、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、カルボキシル、カルボン酸エステル、ヒドロキシル、ヒドロキシエーテル、シアノ、ニトロ、置換および非置換アミド、(C1〜C6)−アルキル、ハロ(C1〜C6)−アルキル、ホルミル、置換および非置換フェニル、置換および非置換ベンジル、置換および非置換ナフチル、N、S、Oの群から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を有する置換および非置換5員または6員複素環、ベンゾ縮合5員または6員複素環である)
の化合物を間接電気化学的酸化を介して電気化学的に酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜100℃の温度および標準圧力で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をAg/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をメディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜110℃の温度および標準圧力で、Ag/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で、メディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、式(XVII)の化合物
を調製する方法であって、
式ent−(I)の化合物
を間接電気化学的酸化によって電気化学的に酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜100℃の温度および標準圧力で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をAg/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をメディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜110℃の温度および標準圧力で、Ag/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で、メディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、式(XVII)の化合物
を調製する方法であって、
式(XIII)の化合物
を間接電気化学的酸化によって電気化学的に酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜100℃の温度および標準圧力で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をAg/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をメディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜110℃の温度および標準圧力で、Ag/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で、メディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、式(XVII)の化合物
を調製する方法であって、
式(I)の化合物
を間接電気化学的酸化によって電気化学的に酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜100℃の温度および標準圧力で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をAg/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化をメディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明はさらに、間接電気化学的酸化を1〜110℃の温度および標準圧力で、Ag/Ag参照電極に対して−0.1V〜+0.6Vの酸化電位で、メディエーターとしてDDQを用いて行うことを特徴とする上に提示される方法を提供する。
本発明は、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
を調製する方法であって、
式ent−(I)の化合物
を酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明は、酸化を化学酸化剤で行うことを特徴とする、上記の式M1a(s)および式M1b(R)の化合物を調製する方法を提供する。
本発明はさらに、式(XVII)のラセミ化合物
を調製する方法であって、
式M1a(S)の化合物と式M1b(R)の化合物の混合物
を熱ラセミ化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明は、式M1a(S)の化合物と式M1b(R)の化合物の混合物を、酸を添加してまたは添加しないで70〜110℃の温度でラセミ化することを特徴とする、上記の式(XVII)の化合物を調製する方法を提供する。
本発明はさらに、式(I)および式ent−(I)の化合物
を調製する方法であって、
式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の混合物
を電気化学的に還元する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明は、電気化学的還元をメタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で行うことを特徴とする、上記の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物を調製する方法を提供する。
本発明は、電気化学的還元をエタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で行うことを特徴とする、上記の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物を調製する方法を提供する。
本発明はさらに、上記の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物を調製する方法であって、
式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の混合物
を電気化学的に還元する
ことを特徴とし、
式(XVII)、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
の熱異性化によって得ることを特徴とし、
式ent−(I)の化合物
を酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明は、上記の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物
を調製する方法であって、
式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の混合物
をメタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で電気化学的に還元する
ことを特徴とし、
式(XVII)、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
の熱異性化によって得ることを特徴とし、
式ent−(I)の化合物
を化学酸化剤で酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
本発明は、上記の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物
を調製する方法であって、
式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の混合物
をエタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で電気化学的に還元する
ことを特徴とし、
式(XVII)、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
の熱異性化によって得ることを特徴とし、
式ent−(I)の化合物
を化学酸化剤で酸化する
ことを特徴とする
方法を提供する。
触媒量の酸を添加しない1−ブタノール中での式ent−(I)の化合物の熱ラセミ化を示す図である。 触媒量の酸を添加するおよび添加しない1−ブタノール中での式ent−(I)の化合物の熱ラセミ化を示す図である。 電気化学セルの標準タイプを示す図である。ビーカーセル、「H」セルおよびフィルタープレスフローセル。 DDQによるent−(I)から(XVII)への媒介電気化学的酸化の反応スキームを示す図である。 実施例24および実施例25によるDDQ、DHPおよび式ent−(I)の化合物およびDDQ:DHP(V)1:10混合物のサイクリックボルタンメトリーを示す図である。 実施例26による時間の関数としてのHPLCによって測定した、DHP ent−(I)反応物質およびPYR生成物(XVII)の発展を示す図である。線は電子流と100%電力効率のみに基づいて計算された値を表す。 (アセトニトリル中)式M1b(R)の化合物のCDスペクトルを示す図である。 式M1b(R):(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの化合物の結晶構造を示す図である。 式M1b(R):(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの化合物の結晶構造を示す図である。
実験
略語および頭字語:
MS:質量分析からの質量
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
DMF:ジメチルホルムアミド
トルエン中Red−Al溶液:トルエン中ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムジヒドリド
THF:テトラヒドロフラン
Aqu.HCl:塩酸水溶液
DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン
実施例
実施例1
メチル4−ブロモ−2−メトキシベンゾエート(XV)
炭酸カリウム3.06kg(22.12mol)を最初にアセトン3.6lに装入し、加熱還流した。この懸濁液に4−ブロモ−2−ヒドロキシ安息香酸(5.53mol)1.2kgを添加し、アセトン7.8lに懸濁し、後者をアセトン0.6lですすぎ入れた。懸濁液を還流下で1時間加熱した(ガスの激しい発生)。次いで、沸騰させながら、硫酸ジメチル2.65kg(21.01mol)を4時間にわたって添加した。その後、混合物を還流下で2.5時間撹拌した。溶媒を十分に留去し(撹拌可能な点まで)、トルエン12lを添加し、次いで、残留アセトンを110℃で留去した。蒸留物約3lを留去し、これにトルエンさらに3lを添加して補充した。混合物を20℃に冷却させ、水10.8lを添加し、激しく撹拌した。有機相を分離し、水相をトルエン6.1lでもう一度抽出した。合わせた有機相を飽和塩化ナトリウム溶液3lで洗浄し、トルエン相を約4lに濃縮した。一部の蒸発による含量の測定の結果、1.306kgの変換収率(理論値の96.4%)が得られた。この溶液をその後の段階に直接使用した。
HPLC−方法A:RT約11,9分。
MS(EIpos):m/z=245[M+H]
1H NMR(400 MHz,CD2Cl2):δ=3.84(s,3H),3.90(s,3H),7.12−7.20(m,2H),7.62(d,1H).
実施例2
4−ブロモ−2−メトキシベンズアルデヒド(XVI)
トルエン中65%Red−Al溶液1.936kg(6.22mol)に、−5℃でトルエン1.25lを装入した。この溶液に1−メチルピペラジン0.66kg(6.59mol)を添加し、これをトルエン150mlですすぎ入れ、温度を−7℃と−5℃の間に保った。次いで、混合物を0℃で30分間撹拌したままにした。次いで、この溶液を、トルエン4lに溶解したメチル4−ブロモ−2−メトキシベンゾエート(XV)1.261kg(5.147mol)の溶液に添加し、温度を−8〜0℃に保った。トルエン0.7lで2回すすぎ入れた後、次いで、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。後処理のために、溶液を0℃の冷硫酸水溶液(水12.5l+濃硫酸1.4kg)に添加した。温度は最大でも10℃で上昇しなければならなかった(遅い添加)。必要に応じてさらなる硫酸を添加してpHをpH1に調整した。有機相を分離し、水相をトルエン7.6lで抽出した。合わせた有機相を水5.1lで洗浄し、次いで、実質的に濃縮し、残渣をDMF 10lに溶解した。溶液を再度約5lの体積まで濃縮した。一部の蒸発による含量の測定の結果、1.041kgの変換収率(理論値の94.1%)が得られた。この溶液をその後の段階に直接使用した。
HPLC−方法A:RT約12,1分。
MS(EIpos):m/z=162[M+H]
1H−NMR(CDCl3,400MHz):δ=3.93(3H,s),7.17(2H,m),7.68(1H,d),10.40(1H,s)
実施例3
4−ホルミル−3−メトキシベンゾニトリル(VI)
DMF 4.5l中溶液としての4−ブロモ−2−メトキシベンズアルデヒド(XVI)719g(3.34mol)に、ヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム(K4[Fe(CN)6])313g(0.74mol)および炭酸ナトリウム354g(3.34mol)を装入し、さらにDMF 1.2lおよび酢酸パラジウム3.8g(0.017mol)を添加した。混合物を120℃で3時間撹拌した。混合物を20℃に冷却しておき、水5.7lを混合物に添加した。混合物を酢酸エチル17lで抽出し、水相を酢酸エチル17lでもう一度洗浄した。有機相を合わせ、実質的に濃縮し、イソプロパノール5lに溶解し、約2lに濃縮した。混合物を加熱して沸騰させ、水2lを滴加した。混合物を50℃に冷却させ、水さらに2lを添加した。混合物を3℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾別し、水(2×1.2L)で洗浄した。生成物を真空下40℃で乾燥させた。
収量:ベージュ色固体469g(理論値の87%)。
HPLC−方法A:RT約8,3分。
MS(EIpos):m/z=162[M+H]+
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=3.98(s,3H),7.53(d,1H),7.80(s,1H),7.81(d,1H),10.37(s,1H).
実施例4
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−2,8−ジメチル−5−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(X)
変形A
4−ホルミル−3−メトキシベンゾニトリル(VI)1.035kg(6.422mol)、2−シアノエチル3−オキソブタノエート1.246kg(8.028mol)、ピペリジン54.6g(0.642mol)および氷酢酸38.5g(0.642mol)を、水分離器においてジクロロメタン10l中還流下で6.5時間加熱した。混合物を室温まで冷却させ、有機相をそれぞれ水5lで2回洗浄した。次いで、ジクロロメタン相を大気圧で濃縮し、まだ撹拌可能な残渣を2−ブタノール15.47kgに溶解し、4−アミノ−5−メチルピリドン0.717kg(5.78mol)を添加した。残留ジクロロメタンを、98℃の内部温度に達するまで留去した。その後、混合物を還流下で20時間撹拌した。混合物を0℃に冷却し、この温度で4時間撹拌したままにし、生成物を濾別した。生成物を巻込みガス下真空下40℃で乾燥させた。
収量:淡黄色固体2.049kg(この成分を準化学量論的に使用するので、4−アミノ−5−メチルピリドンに基づく理論値の87.6%)。
HPLC−方法A:RT約9,7分。
MS(EIpos):m/z=405[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=2.03(s,3H),2.35(s,3H),2.80(m,2H),3.74(s,3H),4.04(m,1H),4.11(m,1H),5.20(s,1H),6.95(s,1H),7.23(dd,1H),7.28−7.33(m,2H),8.18(s,1H),10.76(s,1H).
変形B
4−ホルミル−3−メトキシベンゾニトリル(VI)1.344kg(8.34mol)、ピペリジン71g(0.834mol)および氷酢酸50.1g(0.834mol)をイソプロパノール6lに装入し、30℃で、2−シアノエチル3−オキソブタノエート1.747kg(11.26mol)のイソプロパノール670ml中溶液を3時間にわたって添加した。次いで、混合物を30℃で1時間撹拌した。混合物を0〜3℃に冷却し、0.5時間撹拌した。生成物を濾別し、それぞれ冷イソプロパノール450mlで2回洗浄した。収量を測定するために、生成物を真空下50℃で乾燥させた(2.413kg、理論値の97%);しかしながら、高収率のために、イソプロパノール−湿潤生成物を、一般にさらに直接処理した。この目的のために、生成物をイソプロパノール29lに溶解し、4−アミノ−5−メチルピリドン1.277kg(7.92mol)を添加し、次いで、混合物を密閉容器内で約1.4barの正圧下24時間100℃の内部温度に加熱した。次いで、混合物を5時間にわたって勾配によって0℃に冷却し、0℃で3時間撹拌した。次いで、生成物を濾別し、冷イソプロパノール2.1lで洗浄した。生成物を真空下60℃で乾燥させた。
収量:淡黄色固体2.819kg(この成分を準化学量論的に使用するので、4−アミノ−5−メチルピリドンに基づく理論値の88%)。
HPLC−方法A:RT約9,7分。
MS(EIpos):m/z=405[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=2.03(s,3H),2.35(s,3H),2.80(m,2H),3.74(s,3H),4.04(m,1H),4.11(m,1H),5.20(s,1H),6.95(s,1H),7.23(dd,1H),7.28−7.33(m,2H),8.18(s,1H),10.76(s,1H).
実施例5
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(XI)
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−2,8−ジメチル−5−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(X)2.142kg(5.3mol)およびトリエチルオルトアセテート4.70kg(29mol)をジメチルアセトアミド12.15lに溶解し、濃硫酸157.5gを添加した。混合物を115℃で1.5時間加熱し、次いで、50℃に冷却した。50℃で、水12.15lを30分間にわたって滴加した。添加終了後、混合物に標記化合物(XI)10gをまき、水さらに12.15lを50℃で30分間にわたって滴加した。混合物を0℃(勾配、2時間)に冷却し、次いで、0℃で2時間撹拌した。生成物を濾別し、それぞれ水7.7lで2回洗浄し、真空下50℃で乾燥させた。
収量:淡黄色固体2114.2g(理論値の92.2%)。
HPLC−方法B:RT約10,2分。
MS(EIpos):m/z=433[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.11(t,3H),2.16(s,3H),2.42(s,3H),2.78(m,2H),3.77(s,3H),4.01−4.13(m,4H),5.37(s,1H),7.25(d,1H),7.28−7.33(m,2H),7.60(s,1H),8.35(s,1H).
あるいは、反応を、NMP(1−メチル−2−ピロリドン)中で行うことができる
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(XI)
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−2,8−ジメチル−5−オキソ−1,4,5,6−テトラヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(X)2.142kg(5.3mol)およびトリエチルオルトアセテート2.35kg(14.5mol)をNMP(1−メチル−2−ピロリドン)3.21kgに溶解し、濃硫酸157.5gを添加した。混合物を115℃で1.5時間加熱し、次いで、50℃に冷却した。50℃で、水2.2lを30分間にわたって滴加した。添加終了後、混合物に標記化合物(XI)10gをまき、水さらに4.4lを50℃で30分間にわたって滴加した。混合物を0℃(勾配、2時間)に冷却し、次いで、0℃で2時間撹拌した。生成物を濾別し、それぞれ水4lで2回洗浄し、真空下50℃で乾燥させた。
収量:淡黄色固体2180.7g(理論値の95.1%)。
HPLC方法B:RT約10.2分。
実施例6
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボン酸(XII)
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(XI)2.00kg(4.624mol)をTHF12lと水6lの混合物に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、0℃で、15分間にわたって、水酸化ナトリウム水溶液(45%NaOH水溶液0.82kg(9.248mol)および水4.23lから調製)を滴加し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。混合物をそれぞれメチルtert−ブチルエーテル4.8lで2回および酢酸エチル4.8lで1回抽出した。0℃の水溶液を、希塩酸(37%HCl 0.371kgおよび水1.51lから調製)でpH7に調整した。溶液を20℃に加温させ、塩化アンモニウム2.05kgの水5.54l中水溶液を添加した。溶液を20℃で1時間撹拌し、生成物を濾過し、それぞれ水1.5lで2回およびアセトニトリル4lで1回洗浄した。生成物を巻込みガス下真空下40℃で乾燥させた。
収量:ほぼ無色の粉末(非常にわずかな黄色の色合い)1736.9g(理論値の99%)。
HPLC−方法C:RT:約6,8分。
MS(EIpos):m/z=380[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.14(t,3H),2.14(s,3H),2.37(s,3H),3.73(s,3H),4.04(m,2H),5.33(s,1H),7.26(m,2H),7.32(s,1H),7.57(s,1H),8.16(s,1H),11.43(br.s,1H).
抽出のためにトルエンを用いる代替後処理:
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボン酸(XII)
2−シアノエチル4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキシレート(XI)2.00kg(4.624mol)をTHF12lと水6lの混合物に溶解し、0℃に冷却した。この溶液に、0℃で、15分間にわたって、水酸化ナトリウム水溶液(45%NaOH水溶液0.82kg(9.248mol)および水4.23lから調製)を滴加し、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。トルエン5lおよび酢酸ナトリウム381.3gを添加し、混合物を激しく撹拌した。相を沈降させ、有機相を分離した。水相を10%塩酸でpH6.9に調整した(約pH9.5で溶液に標記化合物10gを播種した)。生成物の沈殿が完了した後、混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、濾過し、それぞれ水4lで2回およびそれぞれトルエン153mlで2回洗浄した。生成物を巻込みガス下(窒素、200mbar)真空下40℃で乾燥させた。収量:ほぼ無色の粉末(非常にわずかな黄色の色合い)1719.5g(理論値の98%)。
HPLC方法C:RT:約6.8分。
実施例7
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(XIII)
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボン酸(XII)1.60kg(4.22mol)および1,1−カルボジイミダゾール958g(5.91mol)をTHF8lに装入し、DMAP51g(0.417mol)を20℃で添加した。混合物を20℃(気体の発生!)で1時間撹拌し、次いで、2.5時間50℃に加熱した。ヘキサメチルジシラザン2.973kg(18.42mol)をこの溶液に添加し、これを還流下で22時間沸騰させた。THFさらに1.8lを添加し、混合物を5℃に冷却した。THF1.17lと水835gの混合物を、温度が5〜20℃のままになるように3時間にわたって添加した。その後、混合物を還流下で1時間沸騰させ、次いで、勾配(3時間)を介して0℃に冷却し、この温度で1時間撹拌した。生成物を濾別し、それぞれTHF2.4lで2回およびそれぞれ水3.2lで2回洗浄した。生成物を巻込みガス下真空下70℃で乾燥させた。
収量:ほぼ無色の粉末(非常にわずかな黄色の色合い)1.501kg(理論値の94%)。
HPLC−方法B:RT約6,7分。
MS(EIpos):m/z=379[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.05(t,3H),2.12(s,3H),2.18(s,3H),3.82(s,3H),3.99−4.07(m,2H),5.37(s,1H),6.60−6.84(m,2H),7.14(d,1H),7.28(dd,1H),7.37(d,1H),7.55(s,1H),7.69(s,1H).
実施例8
40:60アセトニトリル/メタノール中溶液としての(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)
SMBシステムでのエナンチオマー分離
供給溶液は、60:40メタノール/アセトニトリルの混合物1lに溶解したラセミ体の4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(XIII)50gからなる濃度に相当する溶液であった。
この溶液を、固定相:Chiralpak AS−V、20μm上SMBシステムによってクロマトグラフィーにかけた。圧力は30barであり、メタノール/アセトニトリル60:40の混合物を溶離液として使用した。
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(XII)9.00kgをメタノール/アセトニトリル60:40からなる混合物180lに溶解し、SMBによってクロマトグラフィーにかけた。生成物含有分画を濃縮した後、6.2%溶液69.68l(アセトニトリル/メタノール40:60中溶液としての(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)4.32kgに相当)を得た。
収量:アセトニトリル/メタノール40:60 69.68lに溶解した無色の画分としての(S)エナンチオマー4.32kg(理論値の48%)。
エナンチオマー純度:>98.5%e.e(HPLC、方法D)
試料を真空下で濃縮すると、以下が得られる:MS(EIpos):m/z=379[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.05(t,3H),2.12(s,3H),2.18(s,3H),3.82(s,3H),3.99−4.07(m,2H),5.37(s,1H),6.60−6.84(m,2H),7.14(d,1H),7.28(dd,1H),7.37(d,1H),7.55(s,1H),7.69(s,1H).
(R)エナンチオマーent−(I)を同様に単離した。
収量:アセトニトリル/メタノール40:60 71.00lに溶解した無色の画分としての(R)エナンチオマー4.41kg(理論値の48%)。
エナンチオマー純度:>98.5%e.e(HPLC、方法D)
試料を真空下で濃縮すると、以下が得られる:MS(EIpos):m/z=379[M+H]+
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.05(t,3H),2.12(s,3H),2.18(s,3H),3.82(s,3H),3.99−4.07(m,2H),5.37(s,1H),6.60−6.84(m,2H),7.14(d,1H),7.28(dd,1H),7.37(d,1H),7.55(s,1H),7.69(s,1H).
実施例9
(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)
結晶化および多形調整
アセトニトリル/メタノール40:60の混合物中の実施例8の6.2%溶液64.52l(化合物I 4.00kgに相当)をフィルターカートリッジ(1.2um)を通して濾過し、その後、溶液がまだ撹拌可能なように250mbarで十分に濃縮した。トルエンで変性したエタノール48lを添加し、撹拌性の限界まで250mbarで再度蒸留した(エタノール中再蒸留)。トルエンで変性したエタノールさらに48lを添加し、次いで、大気圧で約14lの総体積(ジャケット温度98℃)まで留去した。混合物を勾配(4時間)により0℃に冷却し、0℃で2時間撹拌し、生成物を濾別した。生成物をそれぞれ冷エタノール4lで2回洗浄し、次いで、真空下50℃で乾燥させた。
収量:無色結晶性粉末3.64kg(理論値の91%)。
エナンチオマー純度:>>99%e.e.(HPLC方法D);保持時間/RRT:(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(1)約11分。RRT:1.00;(4R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)約9分。RRT:0.82
純度:>99.8%(HPLC方法B)、RT:約6.7分。
含量:99.9%(外部標準に対して)
比旋光度(クロロホルム、589nm、19.7℃、c=0.38600g/100ml):−148.8°。
MS(EIpos):m/z=379[M+H]
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):δ=1.05(t,3H),2.12(s,3H),2.18(s,3H),3.82(s,3H),3.99−4.07(m,2H),5.37(s,1H),6.60−6.84(m,2H),7.14(d,1H),7.28(dd,1H),7.37(d,1H),7.55(s,1H),7.69(s,1H).
融点:252℃(多形Iの結晶形の式ent−(I)の化合物)
(R)エナンチオマーent−(I)を同様に単離する。しかしながら、収率損失を最小限にするために、さらなる濃縮を行う:
アセトニトリル/メタノール40:60の混合物中の実施例8の約6.2%溶液71.00l(化合物ent−(I)4.00kgに相当)をフィルターカートリッジ(1.2um)を通して濾過し、その後、溶液がまだ撹拌可能なように250mbarで十分に濃縮した。トルエンで変性したエタノール48lを添加し、撹拌性の限界まで250mbarで再度蒸留した(エタノール中再蒸留)。トルエンで変性したエタノールさらに48lを添加し、次いで、大気圧で約10lの総体積(ジャケット温度98℃)まで留去した。混合物を勾配(4時間)により0℃に冷却し、0℃で2時間撹拌し、生成物を濾別した。生成物をそれぞれ冷エタノール2lで2回洗浄し、次いで、真空下50℃で乾燥させた。
収量:無色結晶性粉末3.88kg(理論値の97%)。
エナンチオマー純度:>>99%e.e.(HPLC方法D);保持時間/RRT:(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(1)約11分。RRT:1.00;(4R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)約9分。RRT:0.82
純度:>99.8%(HPLC方法B)、RT:約6.7分。
含量:99.9%(外部標準に対して)
比旋光度(クロロホルム、589nm、19.7℃、c=0.38600g/100ml):+148.8°。
MS(EIpos):m/z=379[M+H]+
1H−NMR(300 MHz,DMSO−d6):=1.05(t,3H),2.12(s,3H),2.18(s,3H),3.82(s,3H),3.99−4.07(m,2H),5.37(s,1H),6.60−6.84(m,2H),7.14(d,1H),7.28(dd,1H),7.37(d,1H),7.55(s,1H),7.69(s,1H).
融点:252℃
化学的酸化
実施例10
化学的方法によるラセミ体(XIII)からのラセミ体(XVII)の調製
rac 4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド
4(R,S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(XIII)100.00g(264.25mmol)を最初にジクロロメタン4kgに装入し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)68.98g(303.88mmol)を20℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。沈殿した固体を濾別し、ジクロロメタンそれぞれ400gで2回洗浄した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、残渣をエタノール1200gに溶解した。混合物を加熱還流し、エタノール約800gを留去した。混合物を室温に冷却させ、20℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾別し、少量のエタノール(約80g)で洗浄し、減圧下で一晩(50℃)乾燥させた。
収量:ベージュ色固体87.30g(理論値の87.54%)。
MS(EIpos):m/z=378[M+H]+
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ=0.72(t,3H),2.50(s,3H),2.70(s,3H),3.65(s,1H),4.00(m(broad),2H),7.30(d,1H),7.45(d,1H),7.50(s,2H),7.69(s,1H),8.05(s,1H)
実施例11a
化学的方法によるent−(I)からのM1a(S)の調製
(S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(M1a(S))
4(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(ent−(I))100.00g(264.25mmol)を最初にジクロロメタン4kgに装入し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)68.98g(303.88mmol)を20℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。沈殿した固体を濾別し、ジクロロメタンそれぞれ400gで2回洗浄した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、残渣をエタノール1200gに溶解した。混合物を加熱還流し、エタノール約800gを留去した。混合物を室温に冷却させ、20℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾別し、少量のエタノール(約80g)で洗浄し、減圧下で一晩(50℃)乾燥させた。
収量:ベージュ色固体85.80g(理論値の86.04%)。
HPLC:RT約6.08分。(キラル相:Chiralpak AS−H(250×4mm)、溶離液:i−ヘキサン:エタノール=50:50)。
MS(EIpos):m/z=378[M+H]+
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ=0.72(t,3H),2.50(s,3H),2.70(s,3H),3.65(s,1H),4.00(m(broad),2H),7.30(d,1H),7.45(d,1H),7.50(s,2H),7.69(s,1H),8.05(s,1H)
実施例11b
(I)からのM1b(R)の調製
(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(M1b(R))
4(S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)100.00g(264.25mmol)を最初にジクロロメタン4kgに装入し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)68.98g(303.88mmol)を20℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。沈殿した固体を濾別し、ジクロロメタンそれぞれ400gで2回洗浄した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、残渣をエタノール1200gに溶解した。混合物を加熱還流し、エタノール約800gを留去した。混合物を室温に冷却させ、20℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾別し、少量のエタノール(約80g)で洗浄し、減圧下で一晩(50℃)乾燥させた。
収量:ベージュ色固体85.80g(理論値の86.04%)。
HPLC:RT約9.03分。(キラル相:Chiralpak AS−H(250×4mm)、溶離液:i−ヘキサン:エタノール=50:50)。
MS(EIpos):m/z=378[M+H]+
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ=0.72(t,3H),2.50(s,3H),2.70(s,3H),3.65(s,1H),4.00(m(broad),2H),7.30(d,1H),7.45(d,1H),7.50(s,2H),7.69(s,1H),8.05(s,1H)
実施例12a
ent−(I)からのラセミ体(XVII)の調製
4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド
4(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(ent−(I))100.00g(264.25mmol)を最初にジクロロメタン4kgに装入し、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)68.98g(303.88mmol)を20℃で添加した。混合物を20℃で1時間撹拌した。沈殿した固体を濾別し、ジクロロメタンそれぞれ400gで2回洗浄した。混合物を減圧下で濃縮乾固し、残渣をエタノール1200gに溶解した。混合物をオートクレーブ中、減圧下120℃で3時間加熱し、次いで、エタノール約900gを留去した。混合物を室温に冷却させ、20℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾別し、少量のエタノール(約40g)で洗浄し、減圧下で一晩(50℃)乾燥させた。
収量:ベージュ色固体92.47g(理論値の92.73%)。
MS(EIpos):m/z=378[M+H]+
1H NMR(500 MHz,DMSO−d6):δ=0.72(t,3H),2.50(s,3H),2.70(s,3H),3.65(s,1H),4.00(m(broad),2H),7.30(d,1H),7.45(d,1H),7.50(s,2H),7.69(s,1H),8.05(s,1H)
実施例12b
HNO3酸化によるent−(I)からのM1a(S)の合成
窒素下で反応を行う。4(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(ent(I))75.0gをアセトニトリル1000gに懸濁し、9℃に冷却した。次いで、発煙HNO3 12.68gを10分で添加した。化合物はまもなく塊になったが、後で容易に溶解した。溶液を室温に加温すると(1時間)、淡黄色透明溶液が得られた。溶液を室温で4時間撹拌すると、30分後に橙色溶液が得られ、引き続いて黄色懸濁液が得られた。4時間後、混合物を10℃に冷却し、次いで、水50mlでクエンチした。次いで、pHがpH7.2(黄色懸濁液)に達するまで、NaHCO3飽和水溶液80mlを添加した。結晶を単離し(第1の収穫物)、水で洗浄した。濾液をロータリーエバポレーターを用いて40℃で最初の体積の1/3まで減少させ、次いで、氷浴(5℃)中で1.5時間撹拌し、再び結晶を単離し(第2の収穫物)、冷水100mlで洗浄した。結晶を真空中で一晩乾燥させた。
収量:59.7g=理論値の86.7%。
分析:第1の収穫物
EE:M1a:83.6%M1b:16.4%
アッセイ:98.9%
分析:第2の収穫物
EE:M1a:77.4%M1b:22.6%
純度:99.2面積%
アッセイ:94.5%
濃縮M1a(S)からのラセミM1(XVII)の合成
濃縮M1a(EE:M1a:83.6%M1b:16.4%)100gをn−ブタノール1000mlに懸濁し、135℃の浴温に加熱した。これを還流下で6時間撹拌した(薄黄色懸濁液)。これを室温に冷却し、一晩撹拌した。溶液を50℃でロータリーエバポレーターにより減少させ(撹拌可能な懸濁液に)、次いで、5℃で1時間撹拌した。結晶を少量の冷ブタノールで洗浄し、次いで、真空中40℃<200mbarで一晩乾燥させた。
収量:85.9g=理論値の85.9%。(抽出物のアッセイで補正:理論値の90.9%)
EE:50.5%M1a、49.5%M1b
電気化学的酸化
実施例24
2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)の非存在下での(I)のサイクリックボルタンメトリー
テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をアセトニトリル100mlに溶解する。次いで、(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(I)378.4mg(1mmol)を添加する。
サイクリックボルタンメトリーを、作用電極としてPtケージおよび対極としてPt線および参照電極としてアセトニトリル中Ag/Ag(10mmol/l)を用いて、走査速度250または100mV/sで10サイクルにわたって行う。
実施例25
DDQの存在下での(VI)のサイクリックボルタンメトリー
テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をアセトニトリル100mlに溶解する。次いで、DDQ 22.7mg(0.1mmol)および式(I)の化合物378.4mg(1mmol)を添加する。したがって、モルDDQ:DHP比は1:10である。
サイクリックボルタンメトリーを、作用電極としてPtケージおよび対極としてPt線および参照電極としてアセトニトリル中Ag/Ag(10mmol/l)を用いて、走査速度250または100mV/sで10サイクルにわたって行う。
実施例26:
DDQ(10mol%)の存在下でのent−(I)の酸化
テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をアセトニトリル100mlに溶解する。次いで、DDQ22.7mg(0.1mmol)および式ent−(I)の化合物378.4mg(1mmol)(10mmol)を添加する。したがって、モルDDQ:ent−(I)比は1:10である。
次いで、溶液を一定電位で電解し、アノード(作用電極)をAg/Ag(10mmol/l)に対して+300mVの電位に維持する。180Cの電荷(2.1Fに相当)の通過後(約2時間にわたって)、反応を停止する。この時点で、(XVII)の収率はアトロプ異性体比M1a(S):M1b(R)=90:10で94%であった。
反応プロファイルを試料の頻繁な回収およびHPLCによる分析によって監視した。プロファイルを図6に示す。生成物(XVII)および反応物質は時間と共に増加および減少する。生成物の形成は電荷の移動に従うものであり、高い電力効率を示す。
実施例27:
DDQ(1mol%)の存在下での(I)の酸化
テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をアセトニトリル100mlに溶解する。次いで、DDQ 2.3mg(0.01mmol)および式(I)の化合物378.4mg(1mmol)を添加する。したがって、モルDDQ:(I)比は1:100である。
次いで、溶液を一定電位で電解し、アノード(作用電極)をAg/Ag(10mmol/l)に対して+300mVの電位に維持する。180Cの電荷(2.1F)の通過後(約4時間にわたって)、反応を停止する。この時点で、HPLC分析によるM1の収率は89%であった(M1a:M1b=13:87)。DDQ2.3mg(0.01mmol)(したがって2mol%へのその割合の増加)のその後の添加および1時間にわたるその後の電気分解により、HPLC分析による収率は、96%の式(XVII)の化合物まで上昇した(M1a(S):M1b(R)=13:87)。
実施例28:
(XIII)の直接電気化学的酸化
テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート(Et4NBF4)2.17g(10mmol)をアセトニトリル100mlに溶解する。次いで、式(XIII)の化合物378.4mg(1mmol)を添加する。
次いで、溶液を一定電位で電解し、アノード(作用電極)をAg/Ag(10mmol/l)に対して+1000mVの電位に維持する。180Cの電荷(2.1F)の通過後(約2時間にわたって)、反応を停止する。この時点で、(XVII)の収率は50%未満であった。
実施例29:
媒介電気化学的酸化後の(XVII)のラセミ化および単離
実施例26からの溶液をエタノール200gに通す。混合物をオートクレーブ中、減圧下120℃で3時間加熱し、エタノール約150gを留去した。混合物を室温に冷却させ、20℃でさらに1時間撹拌した。生成物を濾別し、少量のエタノール(約80g)で洗浄し、減圧下で一晩(50℃)乾燥させた。
電気化学的還元
電気化学的還元に使用した反応物質は、式ent−Iの化合物、式(XIII)の化合物の酸化によって、または比較により、式(I)の化合物から得られた、化合物4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドのアトロプ異性体、すなわち化合物M1a(S)もしくはM1b(R)またはその混合物(rac.M1)であった。
これらの反応物質の転化率および標的生成物の収率を、電気化学的還元中の連続サンプリングおよびその後のHPLC分析[HPLC方法E]によって決定した。100に正規化されたエナンチオマー比I:ent−(I)を、実験の最後に1回、さらに、キラルHPLC法[HPLC方法F]によって決定した。
実施例13
化合物M1b(R)の還元(バッチ0.2g)
使用した構成は、作用電極[白金/イリジウム90%/10%(225メッシュ/cm2、線径=0.12mm、シリンダー幾何学)からなるWinklerメッシュ電極]、対極[ALS製:白金線、コイル状、長さ23cm、線径0.5mm]および参照電極[ALS製:Ag/Ag型;アセトニトリル中0.01M AgNO3および0.1Mテトラブチルアンモニウムペルクロラートを含む非水性参照電極]からなる三電極系であった。対極は、基部の膜によって閉じられたガラス管内に配置した。使用した膜は、0.45μmの孔径を有するPTFEフィルタ[Sartorius Stedim Biotech GmbH製]であった。使用した電流および電圧源は、Gamry[タイプ:インターフェース1000]製のポテンシオスタットであった。
実施例11bから得られた化合物M1b(R)0.2g(0.53mmol)をメタノール75gに溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩3.2g(14.74mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.16Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
2時間、電流を−30mAのレベルに調節した。その後、電流を−180mAに調整した。さらに4時間後、99%超の転化率および97%超のその場収率を測定した。エナンチオマー比(I):ent−(I)は79:21と決定された。
実施例14
化合物M1b(R)の還元(バッチ1.0g)
使用した構成は、再び実施例13に記載される三電極系であった。
実施例11bから得られた化合物M1b(R)1.0g(2.66mmol)をメタノール80gに懸濁し、基質を事実上完全に溶解させた。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩4.5g(20.73mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.21Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
この実験は定電圧条件下で行ったが、参照電極に対して−3Vの標的電位は達成されなかった。実験の全期間にわたって、インターフェース1000によって確立され得る最大可能セル電圧を印加した(製造業者のコンプライアンス電圧:22V)。6時間の実験期間および2650クーロンの電荷流(122mAの平均電流に相当)の後、99%超の転化率およびその場標的生成物収率97%超を測定した。エナンチオマー比I:ent−(I)は76:24と決定された。
実施例15
化合物M1b(R)の還元(バッチ1.0g)
使用した構成は、再び実施例13に記載される三電極系であった。
実施例11bから得られた化合物M1b(R)1.0g(2.66mmol)をメタノール80gに懸濁し、基質を事実上完全に溶解させた。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩3.5g(16.12mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.16Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
この実験は、実施例14と同様に定電圧条件下で行った。
4時間の実験期間および2193クーロンの電荷流(152mAの平均電流に相当)の後、実験を終了した。この時の転化率は79%であり、その場標的生成物収率は79%と決定された。エナンチオマー比(I):ent−(I)は78:22と決定された。
実施例16
化合物M1a(S)の還元(バッチ0.5g)
使用した構成は、再び実施例13に記載される三電極系であった。
実施例11aから得られた化合物M1a(S)0.5g(1.33mmol)をメタノール80gに溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩3.5g(16.12mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.16Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
この実験は、実施例14と同様に定電圧条件下で行った。
5時間の実験期間および2132クーロンの電荷流(118mAの平均電流に相当)の後、実験を終了した。この時の転化率は73%であり、その場標的生成物収率は73%と決定された。エナンチオマー比(I):ent−(I)は22:78と決定された。
実施例17
ラセミ体M1(XVII)からのラセミ体(XIII)の調製:50重量%のM1b(R)および50重量%のM1a(S)からなるアトロプ異性体混合物の還元(ラセミ体バッチ0.5g)。
使用した構成は、再び実施例13に記載される三電極系であった。
実施例12から得られたM1a(S)/M1b(R)ラセミ体0.5g(1.33mmol)をメタノール80gに溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩3.5g(16.12mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.16Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
この実験は、実施例14と同様に定電圧条件下で行った。
4.5時間の実験期間および2500クーロンの電荷流(154mAの平均電流に相当)の後、実験を終了した。この時の転化率は79%であり、その場標的生成物収率は79%と決定された。エナンチオマー比I:ent−(I)は50:50と決定された。
実施例18
化合物M1b(R)の還元(バッチ0.6g)
使用した構成は、再び実施例13に記載される三電極系であった。
実施例11bから得られた化合物M1b(R)0.6g(1.59mmol)を、メタノール50gおよびN,N−ジメチルホルムアミド50gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩6g(27.64mmol)を添加した。ビーカーにこの溶液を充填した。メタノール中0.24Mテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレートからなる基質を含まない溶液を対極チャンバに添加し、これを膜によって分割した。
この実験は、実施例14と同様に定電圧条件下で行った。
4.5時間の実験期間および1187クーロンの電荷流(73mAの平均電流に相当)の後、転化率は98%であり、その場標的生成物収率は95%と決定された。エナンチオマー比(I):ent−(I)は83:17と決定された。
実施例19
化合物M1b(R)の還元(バッチ0.6g)
構築および実験条件は、使用した作用電極が多孔質炭素電極(ALS製)であったことを除いて、実施例18と同様に選択した。
この実験は、実施例14と同様に定電圧条件下で行った。
3時間10分の実験期間および494クーロンの電荷流(43mAの平均電流に相当)の後、転化率は100%であり、その場標的生成物収率は97%と決定された。エナンチオマー比I:ent−(I)は52:48と決定された。
実施例20
化合物M1b(R)の還元(フローセル)
さらなる実施例では、ビーカーセルの代わりに、Electrocell製のフローセル(マイクロフローセル)を使用した。使用した作用電極は白金被覆チタン電極であった。使用した対極はグラファイトであった。陽イオン交換膜(Fumatech社のfumapem F−9100−PK型)によってアノード液室とカソード液室を互いに分離した。膜を予め脱塩水に浸漬し、湿った状態で設置した。セルの組み立てが完了したら、これをメタノールでパージした。蠕動ポンプ[型:Sci−Q 323;会社:Watson Marlow]によって、最初にメタノールパージおよびその後に反応溶液を2つの半電池(それぞれ6l/h)を通して連続的に搬送することが可能であった。
使用した電流および電圧源は、Gamry[タイプ:Reference 3000]製のポテンシオスタットであった。
実施例11bから得られた化合物M1b(R)1g(2.66mmol)を、メタノール4gおよびDMF190gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩4.5g(20.73mmol)を添加した。この溶液を使用して回路内に一体化された貯蔵容器を介してカソート液回路を充填した。化合物M1b(R)を含まない類似の溶液をアノード液回路に導入した。
実験では、電流を最大300mAに制限した。約1000Cの電荷流(4Fに相当)の後、転化率は63%であり、合計3000C(12F)の後、転化率は94%超であった。有意な副生成物は観察されなかった。
実施例21
ラセミ体M1(XVII)からのラセミ体(XIII)の調製
使用した電解セルもまた、実施例20に記載されるElectrocell製のマイクロフローセルであった。この場合、実施例20から出発して、実施例12から得られた化合物rac.M1 10g(26.6mmol)を、メタノール4gおよびDMF190gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩4.5g(20.73mmol)を添加した。この溶液を使用してカソード液回路を充填した。反応物質を含まない類似の溶液をアノード液回路に導入した。
30000C(12F)の電化流の後、電気化学的還元を停止した。HPLC(方法E)によってその場で測定したrac.(XIII)の収率は95%であった。その後、カソード液を後処理に送った。
rac−(XIII)の単離:溶媒を最初に実質的に留去し、次いで、生成物を水沈殿(水の添加)により沈殿させ、濾別し、乾燥させた。このようにして得られた粗生成物をエタノールまたはTHFから再結晶し、SMBによる別のエナンチオマー分離に供することができる。
実施例30
ラセミ体M1(XVII)からのラセミ体(XIII)の合成:50重量%のM1b(R)および50重量%のM1a(S)で構成されたアトロプ異性体混合物の還元(バッチ10g)
さらなる実施例では、ビーカーセルの代わりに、Electrocell製のフローセル(マイクロフローセル10cm2電極表面)を使用した。使用した作用電極は白金被覆チタン電極であった。使用した対極はグラファイトであった。陽イオン交換膜(Dupont製のNafion(登録商標)N−424)によってアノード液室とカソード液室を互いに分離した。膜を予め脱塩水に浸漬し、湿った状態で設置した。セルの組み立てが完了したら、これを20重量%のメタノールと80重量%のDMFで構成される混合物でパージした。蠕動ポンプ[型:Sci−Q 323;会社:Watson Marlow]によって、最初にメタノール/DMFパージおよびその後に反応溶液を2つの半電池(それぞれ5kg/h)を通して連続的に搬送することが可能であった。別個の冷却回路を介して、両電解質溶液(アノード液およびカソード液)を20℃に維持する。電流および電圧源として、ポテンシオスタットを使用する(Gamry製のReference 3000)。
実施例12bから得られた化合物rac.M1 10g(26.6mmol)を、メタノール21.4gおよびDMF85.6gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩1.25g(5.76mmol)および氷酢酸1.45g(24.17mmol)を添加した。この溶液を使用して回路内に一体化された貯蔵容器を介してカソート液回路を充填した。化合物rac.M1を含まない類似の溶液をアノード液回路に導入した(実験開始時のアノード液量358.7g)。
この実験では、ガルバノスタット制御を使用した。定電流を350mAに設定した。20時間後、実験を停止し、両半電池から電解質を空にした。化合物rac.M1の転化率は99%であった。標的化合物(XIII)のその場収率は20時間後に98%超であった。有意な量の副成分は観察されなかった。(XIIIに対する)生成物選択性は約99%であった。実験終了時の生成物濃度は約37mg/gであった。希釈はアノード液からカソード液への溶媒の移動に起因する(セルを空にした後のカソード液およびアノード液の総質量はそれぞれ264gおよび214gであった)。rac−(XIII)の単離:溶媒(DMF/MeOH)および導電性塩を除去した後、生成物が高収率および高純度で得られた。
実施例31
ラセミ体M1(XVII)からのラセミ体(XIII)の合成:50重量%のM1b(R)および50重量%のM1a(S)で構成されたアトロプ異性体混合物の還元(バッチ10g)
実施例30に記載されるのと同じ装置および手順を使用した。
違って、実施例12bから得られた化合物rac.M1 10g(26.6mmol)を、メタノール16.6gおよびDMF66.4gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩0.97g(4.47mmol)および氷酢酸1.09g(18.1mmol)を添加した。この溶液を使用して回路内に一体化された貯蔵容器を介してカソート液回路を充填した。化合物rac.M1を含まない類似の溶液をアノード液回路に導入した(実験開始時のアノード液量282g)。
この実験では、ガルバノスタット制御を使用した。定電流を400mAに設定した。約6時間後、カソード液が濁り、液体貯蔵容器に白色沈殿が観察された。10時間後、実験を停止した。沈殿を濾過し(1.7g)、さらに精製することなく、HPLCで分析した。これが99.6%を超える面積%を有するラセミ体(XIII)であることが分かった。残っている母液中で、89:10面積%の標的生成物(XIII)と出発材料(rac.M1(XVII))の比が観察された(HPLC分析)。有意な量の副成分は観察されなかった。(XIIIに対する)生成物選択性は約99%であった。実験終了時の母液中の生成物濃度は約43mg/gであった。セルを空にした後のカソード液およびアノード液の総質量は、それぞれ174gおよび197gであった。
実施例32
ラセミ体M1(XVII)からのラセミ体(XIII)の合成:50重量%のM1b(R)および50重量%のM1a(S)で構成されたアトロプ異性体混合物の還元(バッチ36g)
この実施例では、Electrocell製の多目的セル(MPC100cm2電極表面)を使用した。使用した作用電極は白金被覆チタン電極であった。使用した対極はグラファイトであった。陽イオン交換膜(Dupont製のNafion(登録商標)N−424)によってアノード液室とカソード液室を互いに分離した。膜を予め脱塩水に浸漬し、湿った状態で設置した。セルの組み立てが完了したら、これを20重量%のメタノールと80重量%のDMFで構成される混合物でパージした。遠心ポンプ[型:Labor−Reaktionsmischer HMR 050;会社:Fink]およびCoriflow Massflow Controller(会社:Bronkhorst)によって、最初にメタノール/DMFパージおよびその後に反応溶液を2つの半電池(いずれの場合も50kg/h)を通して連続的に搬送することが可能であった。クライオスタット(Julabo製のFP45型)に接続した別個の冷却回路を介して、両電解質溶液(アノード液およびカソード液)を22℃に維持する。電流および電圧源として、Delta Elektronika社製の整流器(ES030−10型)を使用する。
アノード液およびカソード液循環を少なくとも15分間パージした後、以下の溶液を貯蔵容器に充填する:
カソード液:実施例12bから得られた化合物rac.M1(XVII)36g(95.7mmol)を、メタノール100gおよびDMF400gからなる溶媒混合物に溶解した。さらに、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート導電性塩6g(27.64mmol)および氷酢酸5g(83.3mmol)を添加した。
アノード液:ここでは、メタノール250g、DMF1000g、導電性塩(Et4NBF4)15g(69.1mmol)および酢酸12.5g(208.3mmol)で構成される基質を含まない溶液を使用する。
この実験では、ガルバノスタット制御を使用した。定電流を3Aに設定した。10時間後、実験を停止し、両半電池から電解質を空にした。化合物rac.M1の転化率は95.7%(HPLC面積%)であった。標的化合物(XIII)のその場収率は10時間後に95.3%(HPLC面積%)であった。有意な量の副成分は観察されなかった。(XIIIに対する)生成物選択性は99.5%超であった。実験終了時の生成物濃度は2.6重量%超であった。希釈は、アノード液からカソード液への溶媒の移動に起因する(セルを空にした後のカソード液およびアノード液の総質量はそれぞれ1296gおよび482gであった)。
rac−(XIII)の単離:溶媒(DMF/MeOH)および導電性塩を除去した後、生成物が高収率および高純度で得られた。回収した粗生成物を、エタノールまたはTHF中でさらに再結晶化し、SMBを介したエナンチオマー分離を行うことができる。
実施例22
式M1b(R):(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの化合物の単結晶X線構造解析
解析方法:単結晶X線構造解析
解析した結晶:無色ブロック、0.40×0.20×0.20mm3
実験:
結晶構造決定を、CCDエリア検出器(Rubyモデル)、CuKa線を有する密閉x線管、モノクロメーターとしてのオスミウムリフレクターおよび低温測定(T=100K)のためのCryojet冷却装置を備えた回折計(Oxford Diffraction、XCaliburシリーズ)を用いて行った。
360°データ収集、ωおよびφスキャン。使用したプログラム:Crysalis(Oxford Diffraction 2007)によるデータの記録および削減。結晶構造解明を、SHELXTLバージョン6.10(Sheldrick、University of Gottingen(ドイツ)、2000)で実施されている直接法によって行い、XPプログラムによって視覚化した。その後、欠落原子を、差フーリエ合成を用いて局在化し、原子リストに追加した。F2への最小平均二乗法による精密化を、測定した全ての強度で行い、プログラムSHELXTLバージョン6.10(Sheldrick、University of Gottingen(ドイツ)、2000年)を用いて行った。異方性偏向パラメータを含む、全ての非水素原子を精密化した。
式M1b(R):(R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミドの化合物の結晶データおよび構造精密化
識別コード:M1b
実験式:C21H20N4O3
分子質量:376.41
温度:100K
波長:1.54178Å
結晶系:斜方晶系
空間群:P2(1)2(1)2(1)
格子定数:a=9.70950(10)Å格子
b=10.67390(10)Å=90°。
c=18.9480(2)Å=90°。
体積=1963.74(3)Å3
Z 4
比重(計算値):1.273Mg/m3
吸収係数=0.714mm−1
F(000)792
結晶寸法:0.40×0.20×0.20mm3
データ記録のためのθ範囲:4.67〜65.66°。
インデックス範囲:−11≦h≦9、−12≦k≦12、−19≦l≦22
記録した反射:15493
独立反射:3367[R(int)=0.0230]
θでの完全性=65.66°99.5%
吸収補正:Crysalis
精密化方法:F2に対する最小二乗平均の完全行列法
データ/制限/パラメータ:3367/0/257
F2への適合品質:1.048
最終R値:[I>2σ(I)]R1=0.0242、wR2=0.0636
R値(全データ):R1=0.0249、wR2=0.0641
絶対構造パラメータ:−0.18(13)
最大差および最小差密度:0.142および−0.139e.Å−3
X線構造解析:
X線構造分析は、1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド環系が紙面にある場合、4−シアノ−2−メトキシフェニル置換基がそれに直角であり、この場合メトキシ基が紙面の後ろにあることを示した。
H.D.Flack、Acta Cryst.、1983、A39、876〜881
H.D.Flack、G.Bernardinelli、Acta Cryst.、1999、A55、908〜915
H.D.Flack、G.Bernardinelli、J.Appl.Cryst.、2000、33、1143〜1148。
したがって、式M1b(R)の化合物は絶対配置R(Ra)を有する。
絶対配置の命名は、軸不斉を有する化合物に関するカーン・インゴルド・プレローグ順位則に従う。
実施例23
CDスペクトルの相関によるMb系列の絶対配置の決定
(図7参照)
多形Iの結晶形の式(I)の化合物の物理化学的特徴付け
多形Iの結晶形の式(I)の化合物は、252℃、ΔH=95〜113Jg−1(加熱速度20K分−1)で融解する。
加熱速度に応じて融点の低下が観察された。
分解が起こるので、融点はより低い加熱速度(例えば2K分−1)で低下する。
他の相転移は観察されなかった。最大175℃の温度まで、約0.1%の質量損失が観察された。
安定性および吸湿
多形Iの結晶形の式(I)の化合物の試料を相対湿度85%および97%(25℃)で貯蔵した。試料を、DSC、TGAおよびXRPDにより12ヶ月後に評価した。12ヶ月後、両方の場合で0.1%未満の質量変化が観察された。これは、多形Iの結晶形の式(I)の化合物が、これらの貯蔵条件下で水の有意な吸収を示さないことを意味する。DSC、TGAおよびXRPDによると、多形Iの結晶形の式(I)の化合物には差が存在しない。
HPLC条件/方法
方法A
YMC Hydrosphere C18
150*4.6mm、3.0μm
25℃、1ml/分、270nm、4nm
0’:70%TFA0.1%*;30%アセトニトリル
17’:20%TFA0.1%*;80%アセトニトリル
18’:70%TFA0.1%*;30%アセトニトリル
*:水中TFA
方法B
YMC Hydrosphere C18
150*4.6mm、3.0μm
25℃、1ml/分、255nm、6nm
0’:90%TFA0.1%*;10%アセトニトリル
20’:10%TFA0.1%*;90%アセトニトリル
18’:10%TFA0.1%*;90%アセトニトリル
方法C:
Nucleodur Gravity C18
150*2mm、3.0μm
35℃、0.22ml/分、255nm、6nm
溶液A:水1l中リン酸水素アンモニウム0.58gおよびリン酸二水素アンモニウム0.66g(リン酸アンモニウム緩衝液pH7.2)
溶液B:アセトニトリル
0’:30%B;70%A
15’:80%B;20%A
25’:80%B;20%A
方法D
カラム長:25cm
内径:4.6mm
充填:Chiralpak IA、5μm
試薬:1.アセトニトリルHPLCグレード
2.メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、p.a.
試験溶液 試料をアセトニトリルに1.0mg/mlの濃度で溶解する。
(例えば、試料約25mgを正確に秤量し、アセトニトリル中25.0mlに溶解)。
溶離液A.アセトニトリル
B.メチルtert−ブチルエーテル(MTBE)、p.a.
流量0.8ml/分
カラムオーブン温度25℃
検出測定波長:255nm
範囲:6nm
注入体積5μl
溶離剤AおよびBの混合組成90:10の体積比
クロマトグラム実行時間30分
保持時間/RRT:
(4S)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(1)約11分。RRT:1.00
(4R)−4−(4−シアノ−2−メトキシフェニル)−5−エトキシ−2,8−ジメチル−1,4−ジヒドロ−1,6−ナフチリジン−3−カルボキサミド(1)約9分。RRT:0.82
方法E
YMC Hydrosphere C18
150*4.6mm、粒径3μm
25℃、1ml/分、典型的な開始圧力:約160bar
測定波長:255nm、範囲:6nm
勾配:
0’:90%ギ酸0.1%*;10%アセトニトリル
20’:10%ギ酸0.1%*;90%アセトニトリル
25’:90%ギ酸0.1%*;10%アセトニトリル
*:水中ギ酸
保持時間:
化合物Iまたはent−(I):約9.9分
化合物M1aまたはM1b:約15.5分
方法F
Chiralpak IA
150*4.6mm、粒径5μm
25℃、0.8ml/分
測定波長:255nm、範囲:6nm
移動相:90:10の体積比で混合されたアセトニトリル+tert−ブチルメチルエーテル(MTBE)
保持時間:
式M1b(R)の化合物:約5.1分
式M1a(S)の化合物:約5.5分
式(I)の化合物:約8.6分
式ent−(I)の化合物:約10.8分

Claims (8)

  1. 式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
    を調製する方法であって、
    式ent−(I)の化合物
    を酸化することを特徴とする、方法。
  2. 前記酸化を化学酸化剤で行うことを特徴とする、請求項1に記載の式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を調製する方法。
  3. 式(XVII)のラセミ化合物
    を調製する方法であって、
    式M1a(S)の化合物と式M1b(R)の化合物の混合物
    を熱ラセミ化することを特徴とする、方法。
  4. 式M1a(S)の化合物と式M1b(R)の化合物の混合物を、酸を添加してまたは添加しないで70〜110℃の温度でラセミ化することを特徴とする、請求項3に記載の式(XVII)の化合物を調製する方法。
  5. 式(I)および式ent−(I)の化合物
    を調製する方法であって、
    式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の化合物の混合物
    を電気化学的に還元することを特徴とする、方法。
  6. 前記電気化学的還元をメタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で行うことを特徴とする、請求項5に記載の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物を調製する方法。
  7. 請求項5に記載の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物
    を調製する方法であって、
    式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の化合物の混合物
    を電気化学的に還元し、
    式(XVII)、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
    の熱異性化によって得て、
    式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を式ent−(I)の化合物
    酸化によって得ることを特徴とする、方法。
  8. 請求項5から7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物および式ent−(I)の化合物
    を調製する方法であって、
    式(XVII)もしくは式M1a(S)もしくは式M1b(R)の化合物または式M1a(S)と式M1b(R)の化合物の混合物
    をメタノールの存在下、ビーカーセルまたはフローセル中で電気化学的に還元し、
    式(XVII)、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を、式M1a(S)および式M1b(R)の化合物
    の熱異性化によって得て、
    式M1a(S)および式M1b(R)の化合物を、式ent−(I)の化合物
    を化学酸化剤で酸化することによって得ることを特徴とする、方法。
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