JP6836049B2 - 積層剥離容器 - Google Patents

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Description

本発明は、積層剥離容器に関する。
従来、内容物の減少に伴って内層が外層から剥離し収縮することによって容器の内部に空気が入り込むことを抑制する積層剥離容器が知られている(例えば、特許文献1)。このような積層剥離容器は、内層によって構成される内袋と、外層によって構成される外殻を備える。
特許第3650175号公報
このような積層剥離容器として、内層にEVOH層が設けられているものがある。このような層構成の採用により、EVOH層が優れた酸素バリア性が有しているので、酸素バリア性に優れた積層剥離容器が得られる。
しかし、本発明者が検討を行ったところ、用途によっては、さらに高い酸素バリア性が求められる場合があることに気が付いた。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、酸素バリア性が向上した積層剥離容器を提供するものである。
本発明によれば、外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、前記内袋を構成する内層は、容器外面側から順に、外側層、接着層、及び内側層を備え、前記外側層は、EVOH層を含み、前記内側層の厚さが60〜200μmであり且つ曲げ弾性率が250MPa以下であり、(前記内側層の厚さ/前記EVOH層の厚さ)の値が1.1〜5であり、前記内層全体の厚さが100〜250μmである、積層剥離容器が提供される。
本発明者は、酸素バリア性を向上させるべく鋭意検討を行ったところ、容器に収容される内容物に含まれる水分が内側層及び接着層を透過してEVOH層にまで到達することによってEVOH層の酸素バリア性を低下させていることが分かった。
このような知見に基づいて、酸素バリア性の低下の問題を解決するために、最初は、従来よりもEVOH層を厚くしてみた。しかし、EVOH層は剛性が高いので、EVOH層を厚くすると内層の剛性が増大して内袋が収縮しにくくなるという問題が生じることが分かった。
次に、内容物に含まれる水分がEVOH層に到達しにくくするように、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンなどで構成される内側層を厚くしてみた。しかし、この場合でも、内層の剛性が増大して内袋が収縮しにくくなるという問題が生じた。
このような状況において、本発明者は、内側層の厚さ、内側層の曲げ弾性率、内側層とEVOH層の厚さの比、及び内層全体の厚さの全てを特定の数値範囲内にした場合には、内袋の収縮性の悪化を抑制しつつ酸素バリア性の低下を効果的に抑制することができることを見出し、本発明の完成に到った。
なお、本願明細書において、各層の厚さは、容器本体中の、肉厚が最も薄い箇所での厚さを意味する。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記内側層は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなる。
好ましくは、前記内側層は、70〜150μmであり且つ曲げ弾性率が200MPa以下であり、(前記内側層の厚さ/前記EVOH層の厚さ)の値が1.5〜4であり、前記内層全体の厚さが120〜200μmである。
本発明の一実施形態の積層剥離容器1の容器本体3の構造を示し、(a)は正面図、(b)は斜視図である。 図1(a)中のA−A断面図である。 図1の容器本体3に弁部材5を装着し、且つ底シール突出部27を折り曲げた状態を示す、図1(a)中のB−B断面に対応した断面図である。 図3の口部9を含む領域の拡大図である。 (a)は弁部材5の斜視図であり、(b)〜(c)は溝状リブ7c1,7c2を設けることによって内袋14に折れ部14aが形成されて内袋14が弁部材5を外殻12に押し付ける力が弱まることを説明するための模式的な断面図である。 図3の底面29を含む領域の拡大図であり、(a)は底シール突出部27が折り曲げられる前の状態を示し、(b)は、底シール突出部27が折り曲げられた後の状態を示す。 内層13の層構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
図1〜図4に示すように、本発明の一実施形態の積層剥離容器1は、容器本体3と、弁部材5を備える。容器本体3は、内容物を収容する収容部7と、収容部7から内容物を吐出する口部9を備える。
図3に示すように、 容器本体3は、収容部7及び口部9において、外層11と内層13を備えており、外層11によって外殻12が構成され、内層13によって内袋14が構成される。内容物の減少に伴って内層13が外層11から剥離することによって、内袋14が外殻12から剥離して収縮する。
図4に示すように、口部9は、雄ネジ部9dが設けられている。雄ネジ部9dには、雌ねじを有するキャップやポンプなどが取り付けられる。図4には、インナーリング25を有するキャップ23の一部を図示している。インナーリング25の外径は、口部9の内径と略同じであり、インナーリング25の外面が口部9の当接面9aに当接することによって内容物の漏れ出しが防がれる。本実施形態では、口部9の先端には拡径部9bが設けられており、拡径部9bでの内径は、当接部9eでの内径よりも大きくなっているため、インナーリング25の外面は、拡径部9bには接触しないようになっている。口部9に拡径部9bがない場合は、口部9の内径が製造時のバラツキによってわずかでも小さくなった場合にはインナーリング25が外層11と内層13の間に入り込んでしまうという不具合が生じる場合があったが、口部9に拡径部9bがある場合は、口部9の内径が若干ばらついてもそのような不具合が生じない。
また、口部9は、当接部9eよりも収容部7に近い位置に、内層13のズレ落ちを抑制する内層支持部9cを備える。内層支持部9cは、口部9にくびれを設けることによって形成される。口部9に拡径部9bを設けた場合であっても、インナーリング25と内層13との摩擦によって内層13が外層11から剥離してしまう場合がある。本実施形態では、このような場合でも、内層支持部9cによって内層13のズレ落ちが抑制されるので、内袋14が外殻12内に脱落してしまうことを抑制することができる。
収容部7は、口部9側から順に肩部7d、小径胴部7e、及び大径胴部7gを備える。小径胴部7e及び大径胴部7gは、略円筒状になっており、大径胴部7gは、小径胴部7eよりも断面積が大きい。肩部7dは、口部9と小径胴部7eを連結する部位であり、拡径部7fは、小径胴部7eと大径胴部7gを連結する部位である。
小径胴部7eには、傾斜した平面からなる弁部材取付凹部7aが設けられており、凹部7aに外気導入孔15が設けられている。外気導入孔15は、外殻12にのみ設けられた貫通孔であり、外殻12と内袋14の間の中間空間21と、容器本体3の外部空間Sとを連通する。本実施形態では、外気導入孔15には、中間空間21と外部空間Sとの間の空気の出入りを調節する弁部材5が装着されている。凹部7aは、収容部7をシュリンクフィルムで覆う際に弁部材5とシュリンクフィルムの干渉を避けるために設けられている。また、凹部7aがシュリンクフィルムで密閉されてしまわないように凹部7aから口部9の方向に延びる空気流通溝7bが設けられる。
また、小径胴部7eには、外気導入孔15を挟むように第1及び第2溝状リブ7c1,7c2が設けられている。溝状リブ7c1,7c2は、外気導入孔15(より具体的には凹部7a)を周方向の両側から挟むように設けられている。また、溝状リブ7c1,7c2は、口部9に向かって外気導入孔15から周方向に離れるように傾斜して延びるように形成されている。つまり、溝状リブ7c1,7c2は、略V字状に設けられている。溝状リブ7c1,7c2には、外気導入孔15よりも口部9から離れた位置から肩部7dにまで到達するように設けられている。また、溝状リブ7c1,7c2は、外気導入孔15の下方の中心角90度で広がる領域dの範囲外に設けられている。溝状リブ7c1,7c2は、正面図上での角度aが30〜100度(好ましくは45〜80度)になるように設けられている。また、溝状リブ7c1,7c2は、正面図上で、その延長線の交点Qと外気導入孔15の中心の間の距離bが5〜35mm(好ましくは10〜25mm)になるように設けられている。さらに、交点Qから肩部7dまでの正面図上での距離cが20〜60mm(好ましくは30〜45mm)となっている。b/cは、0.2〜0.8(好ましくは0.3〜0.6)となっている。本明細書において、正面図とは、図1(a)に示すように、口部9の縁によって形成される面αに垂直であり、且つ口部9の中心軸Cと外気導入孔15の中心を通る面βに垂直である面を、外気導入孔15側から見た図である。図2に示すように、外気導入孔15と溝状リブ7c1,7c2は、略同一平面上に設けられている。上記のように溝状リブ7c1,7c2を設けることによって、初回吐出時に内袋14が萎みやすくなるという効果が得られる。
図4〜図5に示すように、弁部材5は、外気導入孔15内に配置される軸部5aと、軸部5aの中間空間21側に設けられ且つ軸部5aよりも断面積が大きい蓋部5cと、軸部5aの外部空間S側に設けられ且つ弁部材5が中間空間21に入り込むことを防ぐ係止部5bを備える。弁部材5は、蓋部5cが外気導入孔15を押し広げながら、蓋部5cに中間空間21内に挿入することによって容器本体3に装着することができる。そのため、蓋部5cの先端は、先細り形状になっていることが好ましい。このような弁部材5は、容器本体3の外側から蓋部5cを中間空間21内に押し込むだけで装着可能なので、生産性に優れている。
蓋部5cは、外殻12を圧縮した際に外気導入孔15を実質的に閉塞させるように構成され、軸部5aに近づくにつれて断面積が小さくなる形状になっている。また、係止部5bは、外殻12が圧縮された後に復元する際に中間空間21に空気が導入可能なように構成される。外殻12を圧縮すると、中間空間21内の圧力が外圧よりも高くなって、中間空間21内の空気が外気導入孔15から外部に漏れ出す。この圧力差と空気の流れによって蓋部5cが外気導入孔15に向かって移動し、図5(b)に示すように、蓋部5cが外気導入孔15を閉塞する。蓋部5cが軸部5aに近づくにつれて断面積が小さくなる形状であるので、蓋部5cが容易に外気導入孔15に嵌って外気導入孔15を閉塞する。
この状態で外殻12をさらに圧縮すると、中間空間21内の圧力が高まり、その結果、内袋14が圧縮されて、内袋14内の内容物が吐出される。また、外殻12への圧縮力を解除すると、外殻12が自身の弾性によって復元しようとする。この際、図5(c)に示すように、蓋部5cが外気導入孔15から離れて、外気導入孔15の閉塞が解除されて、中間空間21内に外気が導入される。また、係止部5bが外気導入孔15を塞いでしまわないように、係止部5bには流通路5dが設けられており、係止部5bが外殻12に当接した状態でも、流通路5d及び外気導入孔15を通じて、外気が中間空間21内に導入可能になっている。
本実施形態では、図3に示すように、容器中心軸Cから大径胴部7gでの容器内面までの距離L2が、容器中心軸Cから小径胴部7eでの容器内面までの距離L1の1.5倍(好ましくは1.6,1.7,1.8,1.9又は2.0)以上となっている。本実施形態の積層剥離容器1は、ブロー成形によって形成されるものであり、L2/L1が大きいほど外気導入孔15が形成される部位である小径胴部7eでのブロー比が小さくなって肉厚が厚くなり、内袋14の剛性が高くなってしまい、内袋14が弁部材5を外殻12に押し付ける力が強くなる。従って、L2/L1が1.5以上である積層剥離容器において溝状リブを設けることによる効果が特に大きい。
また、本実施形態では、外気導入孔15の縁と弁部材5の間の隙間を弁部材5の移動によって開閉することによって、弁部材5が外気導入孔15を開閉するように構成されているが、弁部材自体に貫通孔と開閉可能な弁を設けて、この弁の働きによって貫通孔を開閉することによって、外気導入孔15を開閉するように構成してもよい。このような構成の弁部材を用いる場合には、内袋14が弁部材に密着して弁部材の通気孔を塞ぐことによって外気の導入が妨げられる場合があるという問題が存在しており、この問題は、本実施形態と同様に、外気導入孔15を挟むよう溝状リブを設けることによって解決可能である。
図1(b)に示すように、収容部7の底面29には、中央凹領域29aと、その周囲に設けられる周縁領域29bが設けられ、中央凹領域29aには、底面29から突出する底シール突出部27が設けられる。図6(a)〜(b)に示すように、底シール突出部27は、外層11と内層13を備える円筒状の積層パリソンを用いたブロー成形における、積層パリソンのシール部である。底シール突出部27は、底面29側から順にはベース部27dと、薄肉部27aと、薄肉部27aよりも肉厚が大きい厚肉部27bを備える。
ブロー成形の直後は、底シール突出部27は、図6(a)に示すように、周縁領域29bによって規定される面Pに対して略垂直に立っている状態であるが、この状態では、容器に衝撃が加わったときに、溶着部27cにおける内層13同士が分離されやすく、耐衝撃性が不十分である。そこで、本実施形態では、ブロー成形後に底シール突出部27に熱風を吹き付けることによって薄肉部27aを軟化させて図6(b)に示すように、薄肉部27aにおいて底シール突出部27を折り曲げている。このように、単に、底シール突出部27を折り曲げるという単純な工程によって底シール突出部27の耐衝撃性を向上させている。また、図6(b)に示すように、底シール突出部27は、折り曲げられた状態で周縁領域29bによって規定される面Pから突出しないようになっている。これによって、積層剥離容器1を立てた時に、底シール突出部27が面Pからはみ出して積層剥離容器1がグラグラすることが防止される。
なお、ベース部27dは、薄肉部27aよりも底面29側に設けられ且つ薄肉部27aよりも肉厚の部分であり、ベース部27dは、なくてもよいが、ベース部27d上に薄肉部27aを設けることによって底シール突出部27の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
また、図1(b)に示すように、底面29の凹領域は、底シール突出部27の長手方向において底面29全体を横切るように設けられる。つまり、中央凹領域29aと周縁凹領域29cがつながっている。このような構成によって、底シール突出部27を折り曲げやすくなっている。
次に、容器本体3の層構成についてさらに詳細に説明する。容器本体3は、外層11と内層13を備える。
外層11は、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などで構成される。外層11は、複数層構成であってもよい。例えば、リプロ層の両側をポリプロピレン層で挟んだ構成であってもよい。ここで、リプロ層とは、容器の成形時にでたバリをリサイクルして使用した層をいう。また、外層11は、復元性が高くなるように、内層13よりも肉厚に形成される。
本実施形態では、外層11は、プロピレンと別のモノマーとの間のランダム共重合体からなるランダム共重合体層を備える。外層11は、ランダム共重合体層の単層であってもよく、複数層構成であってもよい。例えば、リプロ層の両側をランダム共重合体層で挟んだ構成であってもよい。外層11を特定構成のランダム共重合体で構成することによって、外殻12の形状復元性・透明性・耐熱性を向上させることができる。
ランダム共重合体は、プロピレン以外のモノマーの含有量が、50mol%よりも小さいものであり、5〜35mol%が好ましい。この含有量は、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。プロピレンと共重合されるモノマーとしては、ポリプロピレンのホモポリマーに比べた場合のランダム共重合体の耐衝撃性を向上させるものであればよく、エチレンが特に好ましい。プロピレンとエチレンのランダム共重合体の場合、エチレンの含有量は、5〜30mol%が好ましく、具体的には例えば、5、10、15、20、25、30mol%であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。ランダム共重合体の重量平均分子量は、10〜50万が好ましく、10〜30万がさらに好ましい。この重量平均分子量は、具体的には例えば、10、15、20、25、30、35、40、45、50万であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、ランダム共重合体の引張弾性率は、400〜1600MPaが好ましく、1000〜1600MPaが好ましい。引張弾性率がこのような範囲の場合に、形状復元性が特に良好である。引張弾性率は、具体的には例えば、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600Mpaであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
尚、容器が過度に硬いと、容器の使用感が悪くなるため、ランダム共重合体に、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンなどの柔軟材料を混合して外層11を構成してもよい。ただし、ランダム共重合体に対して混合する材料は、ランダム共重合体の有効な特性を大きく阻害することのなきよう、混合物全体に対して50重量%未満となるように混合することが好ましい。例えば、ランダム共重合体と直鎖状低密度ポリエチレンとを85:15の重量割合で混合した材料により外層11を構成することができる。
内層13は、図7に示すように、容器外面側から順に、外側層13a、接着層13c、及び内側層13bを備える。外側層13aは、内層13のうち、接着層13cよりも容器外面側の層であり、単層であっても多層であってもよい。内側層13bは、内層13のうち、接着層13cよりも容器内面側の層であり、単層であっても多層であってもよい。接着層13cは、外側層13aと内側層13bを接着する層であり、単層であっても多層であってもよい。
外側層13aは、EVOH層を含み、EVOH層の単層であることが好ましい。EVOH層を設けることでガスバリア性、及び外層11からの剥離性を向上させることができる。
EVOH層は、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)樹脂からなる層であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。EVOH樹脂のエチレン含有量は、例えば25〜50mol%であり、酸素バリア性の観点から32mol%以下が好ましい。エチレン含有量の下限は、特に規定されないが、エチレン含有量が少ないほどEVOH層の柔軟性が低下しやすいので25mol%以上が好ましい。また、EVOH層は、酸素吸収剤を含有することが好ましい。酸素吸収剤をEVOH層に含有させることにより、EVOH層の酸素バリア性をさらに向上させることができる。EVOH層の厚さは、好ましくは10〜50μmであり、20〜40μmが好ましく、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。EVOH層が薄すぎる場合は、酸素バリア性がを十分に発揮されず、EVOH層が厚すぎる場合には内層13の剛性が大きくなりすぎて内袋14が萎みにくくなる。
接着層13cは、外側層13aと内側層13bとを接着する機能を有する層であり、例えば上述したポリオレフィンにカルボキシル基を導入した酸変性ポリオレフィン(例:無水マレイン酸変性ポリエチレン)を添加したものや、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)である。接着層13cの一例は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンと、酸変性ポリエチレンの混合物である。接着層13cの厚さは、好ましくは10〜50μmであり、20〜40μmが好ましく、具体的には例えば、20、25、30、35、40、45、50μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。接着層13cが薄すぎる場合は、外側層13aと内側層13bの接着が不十分になりやすく、接着層13cが厚すぎる場合には内層13の剛性が大きくなりすぎて内袋14が萎みにくくなる。
内側層13bは、例えば、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体及びその混合物などのポリオレフィンからなり、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなることが好ましい。内側層13bの厚さは、60〜200μmであり、70〜150μmが好ましく、具体的には例えば、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、200μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。内側層13bが薄すぎる場合は、EVOH層の劣化を十分に抑制できず、内側層13bが厚すぎる場合には内層13の剛性が大きくなりすぎて内袋14が萎みにくくなる。内側層13bの曲げ弾性率が250MPa以下であり、240、230、220、210、200、190、180、170、160、150、又は140MPa以下が好ましい。内側層13bの曲げ弾性率が大きすぎる場合には内層13の剛性が大きくなりすぎて内袋14が萎みにくくなる。
(内側層13bの厚さ/EVOH層の厚さ)の値は、1.1〜5であり、1.5〜4が好ましく、具体的には例えば、1.1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。この値がこの数値範囲内である場合には、酸素バリア性及び内層の収縮性の両方が良好になる。
内層13全体の厚さは、100〜250μmであり、120〜200μmが好ましく、具体的には例えば、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250μmであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。内層13全体の厚さが薄すぎる場合は、酸素バリア性又はEVOH層の劣化抑制が不十分となり、内層13全体の厚さが厚すぎる場合には内層13の剛性が大きくなりすぎて内袋14が萎みにくくなる。また、内層13全体の引張弾性率は、750MPa以下が好ましい。この場合、内層13の剛性が小さく、内袋14が萎みやすい。内層13全体の引張弾性率は、725MPa以下が好ましく、700MPa以下がさらに好ましい。
(比較例1)
外層がポリプロピレン層(厚さ500μm)からなり、内層が容器外面側から順にEVOH層(厚さ30μm、日本合成化学工業製:ソアノールSF7503B)、接着層(厚さ30μm、三菱化学製:モディックL522)、及び低密度ポリエチレン層(厚さ40μm、曲げ弾性率340MPa、旭化成ケミカルズ社製:サンテックF2206)からなり、内容量が200mLである積層剥離容器をブロー成形によって製造した。なお、各層の厚さは、積層剥離容器中の、最も肉厚が薄い箇所で測定した。
(比較例2)
EVOH層の厚さを60μmにした以外は比較例1と同様の方法で積層剥離容器を製造した。
(比較例3)
低密度ポリエチレン層の厚さを80μmにした以外は比較例1と同様の方法で積層剥離容器を製造した。
(実施例1)
低密度ポリエチレン層の厚さを80μmにし且つ曲げ弾性率が130MPaの低密度ポリエチレン(日本ポリエチレン株式会社ノバテックLD YF30)を使用した以外は比較例1と同様の方法で積層剥離容器を製造した。
比較例1〜3と実施例1の積層剥離容器について、吐出性試験及び酸素バリア性試験を行ったところ、以下の結果が得られた。吐出試験では、内容物の吐出性能が実施例1と同程度のものを○、実施例1よりも劣るものを×とした。酸素バリア性試験では、酸素バリア性が実施例1と同程度のものを○、実施例1よりも劣るものを×とした。表1に示すように、実施例1の積層剥離容器は、吐出試験及び酸素バリア性の両方に優れていることが分かった。
1:積層剥離容器、3:容器本体、5:弁部材、7:収容部、9:口部、11:外層、12:外殻、13:内層、14:内袋、15:外気導入孔、23:キャップ、27:底シール突出部

Claims (2)

  1. 外殻と内袋とを有し且つ内容物の減少に伴って前記内袋が前記外殻から剥離し収縮する容器本体を備える積層剥離容器であって、
    前記容器本体は、前記内容物を収容する収容部を備え、
    前記外殻は、前記収容部に外気導入孔を備え、 前記外気導入孔に弁部材が装着されており、
    前記内袋を構成する内層は、容器外面側から順に、外側層、接着層、及び内側層を備え、
    前記外側層は、EVOH層を含み、
    前記内側層の厚さが70〜90μmであり且つ曲げ弾性率が140MPa以下であり、
    (前記内側層の厚さ/前記EVOH層の厚さ)の値が2.5〜3.5であり、
    前記内層全体の厚さが120〜190μmであり、
    前記外気導入孔は、前記収容部に設けられた凹部に設けられている、積層剥離容器。
  2. 前記内側層は、低密度ポリエチレン又は直鎖状低密度ポリエチレンからなる、請求項1に記載の積層剥離容器。
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