以下、本発明の実施の形態を穀物乾燥機について説明する。
箱体1の内部には上部から下部に穀物を貯留する貯留室2と、穀物を乾燥する乾燥室3と、集穀室4を設ける。
箱体1の前側には穀物を揚穀する昇降機5と、バーナケース6を設け、バーナケース6内に熱風を生成する燃焼バーナ7を設ける。箱体1の後側には排風室8と連通する排風ダクト9を設け、排風ダクト9の後側面に排風ファン10を設ける。排風ファン10の上面には排風戻しダクト11の一端始端側を連結し、排風戻しダクト11の他端終端側を箱体1に連結する。排風戻しダクト11の排風流入口12を排風ファン10の内部と連通し、終端側の排風供給口13を熱風室14の上部後ろ側部に連通している。
箱体1の上部には昇降機5で揚穀された穀物を横搬送する上部ラセン15を設ける。
乾燥室3の左右中央部には熱風室14を設け、熱風室14内部には遠赤外線放射体16を前後方向に沿うように設けている。熱風室14の左右両側には穀物が流下する穀物流下通路19,19を設け、穀物流下通路19,19の左右外側には排風室8,8を設ける。
穀物流下通路19の下端部には穀物を繰り出すロータリバルブ17を設け、ロータリバルブ17の下方には穀物を昇降機5へ搬送する下部ラセン18を設ける。
バーナケース6は外気取り入れ用の外気取り入れスリットを多数形成している。燃焼バーナ7は本実施形態では間欠燃焼型のガンタイプのバーナを搭載している。
排風ファン10は、外筒24内に前後方向に沿った横軸心の回転軸20aにより回転する回転翼20と、回転翼20から排出された排風を整流する固定翼21,…と、回転翼20を軸支する内筒25と、回転翼20により排出された排風を排風戻しダクト11側に案内する排風案内板22とにより構成している。
固定翼21は回転翼20の排風側後方に位置し、捻れ形状の排風整流面を左右両側に備え、背面視で放射状に設定間隔毎に多数設けている。固定翼21の外端は外筒24に取り付け、固定翼21の内端は内筒25に取り付けている。内筒25と固定翼21は、回転翼20により発生する風に圧力をかけることで、熱風の吸引能力を向上させるためのものである。
排風案内板22,…は隣接する固定翼21,…の間に、後上がり傾斜姿勢に設ける。排風案内板22,…の前端は排風流入口12の下方に位置する構成とし、排風案内板22,…の後端は排風流入口12の後端よりも後方に位置する構成である。排風案内板22,…の一端を固定翼21,…の一方の整流面に取り付け、他端を隣接する固定翼21,…の対向面に取り付ける。すなわち、排風案内板22と固定翼21とは交差する方向に取り付ける構成である。排風案内板22は上部の固定翼21に取り付けている。そして、排風戻しダクト11の左右幅の範囲内の固定翼21,…に取り付けている。排風案内板22,…は固定翼21,…の上下方向の略中間よりも上方に位置するように取り付けている。そのため、隣り合う排風案内板22,…の取り付け位置の上下位相が順次異なる。
排風案内板22,…には排風通過孔(実施例では多数のスリット22a,…)を形成している。スリット22a,…は他にも丸孔や角孔等、形状はいろいろ選択できる。
排風戻しダクト11内には排風戻しダクト11内に流入する排風量を増減調節する排風調節弁26を設ける。排風調節弁26は排風調節弁モータ27で左右方向の横軸心回りに回動可能に構成している。排風戻しダクト11は、排風ファン10の上面から上方向に延びる第一ダクト部11aと、第一ダクト部11aの上端部と箱体1の背面とを接続する前後方向に延びる第二ダクト部11bとから構成し、第一ダクト部11a内に排風調節弁26を設ける。第二ダクト部11bは前広がり状に開口面積を順次大きくする構成としている。
遠赤外線放射体16は図11〜図13に示すように、大径の第一円筒部30と、小径の第二円筒部31とで構成している。第一円筒部30の後部を狭窄部30aに構成し、該狭窄部に始端側屈曲部を介して接続して第二円筒部31を上方へ導き、前側に折り返し接続している。第一円筒部30と第二円筒部31は共に中空状で、第一円筒部30の上方に所定空間を介して第二円筒鯛31を前後方向平行状に上方に配置している。
第一円筒部30の前端開口部を燃焼バーナ7の燃焼部と対向配置し、第二円筒部31の前端を板体31bで閉鎖し、第二円筒部31の終端側である前側下部に左右両側に向けて開口する開口部31a,…を所定間隔毎に設けている。
次に、操作盤Uについて説明する。
バーナケース6には制御部Sを内蔵し、バーナケース6の前側面には操作パネルUを設けている。操作パネルUの正面側には、図9に示すように張込スイッチ32・通風スイッチ33・乾燥スイッチ34・排出スイッチ35・停止スイッチ36の運転スイッチを設けている。また、乾燥運転中の熱風温度・測定水分値・乾燥運転の終了までの残時間を順次切換え表示する運転表示パネル45を設けている。
また、張込量を設定するための張込量スイッチ37・到達目標水分値を設定する水分設定スイッチ38・張込量スイッチ37及び水分設定スイッチ38の設定数値を表示する設定表示パネル39、設定表示パネル39の設定値を変更する数値増減スイッチ40を設けている。また、乾燥対象の穀物種類を設定する穀物設定スイッチ41・乾燥速度を設定する乾燥速度設定スイッチ42を設けている。
熱風室14内の温度を検出する熱風温度検出センサ43、外気温度を検出する外気温度センサ44を設けている。
図8に示すように、制御部Sの入力側には入力手段を経由して各種スイッチ,センサが接続され、出力側には駆動手段を経由して各種モータ,表示手段が接続されている。
次に、燃焼制御と排風調節弁26による乾燥制御について説明する。
本実施の形態の燃焼バーナ7はいわゆるガンタイプバーナであり、図11に示すように、バーナ用送風ファン52で燃焼風を供給し、燃料タンク49から燃料ポンプ50で繰り出した燃料をノズル(図示せず)から噴霧し、イグナイタ51で発火し燃焼させる。
該バーナの燃焼能力は一定であり、連続して常時燃焼すると乾燥温度は高温で一定となる。しかしながら、穀物乾燥機は穀物の張込量や外気温度によって必要な乾燥温度を変更制御する必要があるので、燃焼工程と燃焼停止工程を設定時間(例えば1分)周期で間欠燃焼することにより乾燥温度を高低に制御する。すなわち、図7に示すように、目標とする乾燥温度が低い程、1周期における燃焼工程時間を短くし(例えば30秒)、1周期における燃焼停止工程時間を長く(例えば30秒)する。また、目標とする乾燥温度が高い程、1周期における燃焼工程時間を長く(例えば45秒)し、燃焼停止工程時間を短く(
例えば15秒)する。
次に、穀物の乾燥運転について説明する。
オペレータが張込スイッチ32を操作すると、昇降機5及び上部ラセン15が駆動されて張込穀物を順次貯留室2内に張込む。そして、張込運転が終了すると、オペレータは張込量スイッチ37で張込穀粒量を設定し、水分設定スイッチ38で到達目標水分値(例えば14%)を設定し、穀物設定スイッチ41で対象穀物を設定し、乾燥速度設定スイッチ42で乾燥速度を設定する。
次いで、乾燥スイッチ34を操作すると乾燥運転が開始され、ロータリバルブ17、下部ラセン18、昇降機5、上部ラセン15の循環系が駆動を開始すると共に、燃焼バーナ7が燃焼を開始する。燃焼バーナ7で生成される熱風は排風ファン10の吸引作用で遠赤外線放射体16の内部を通過し、第二円筒部31の終端側前側部の開口部31a,…から熱風室14に流入する。そして、熱風室14から網体で形成される穀物流下通路19内に流入し、穀物に作用する。そして、穀物から水分を奪った熱風は排風室8へ流入し、次いで排風ダクト9を経て排風ファン10により機外へ排風として排出される。
熱と水分を帯びた排風の一部は排風戻しダクト11を経て熱風室14に供給され、乾燥作業に再利用される。穀物は熱風と、遠赤外線放射体16から発生する遠赤外線の作用と、排風戻しダクト11から戻された排風により乾燥される。
排風調節弁26は設定された張込穀物量及び乾燥速度と、水分計53で測定される穀物水分値、外気温度等の条件に基づいて調節動作がなされる。例えば、乾燥初期には穀温を上昇させるべく機外排風の排風戻しダクト11側へ戻す割合を高くし、乾燥運転の継続により、水分計53で測定される水分値が低下するにつれて排風戻しダクト11側へ戻す割合を徐々に低下させ、到達目標水分値に近づくとほとんど全ての排風を機外に排出するように排風調節弁26を制御する。
本実施の形態では、排風調節弁26が全開の場合、すなわち、最も多くの排風量を排風戻しダクト11を経て熱風室14に供給した場合でも、排風が排風案内板22のスリット22aを通過したり、排風案内板22を取り付けていない部分の固定翼21の間を通過するため、熱風室14に供給される戻り排風の割合は全機外排風量の約4割程度である。
燃焼バーナ7は、前述の通り燃焼工程と燃焼停止工程を設定時間毎の周期(1分)で行う。
乾燥運転中に燃焼工程から燃焼停止工程に移行すると、熱風室14に戻す排風量を増加補正するよう排風調節弁26を制御する。そして、当該燃焼停止工程の終了までに排風調節弁26を前回の燃焼工程開始時の調節位置に戻す制御を行う。
本実施の形態の乾燥制御は、戻り排風に含まれる乾燥熱量と水分を穀物に供給することにより穀粒表面からの水分蒸発を抑止し、供給される熱量が穀粒内部に作用することで、穀温が急激に上昇し穀粒中の水分移行が促進されても水分勾配が急激に高くならず、穀物の胴割れが抑制される。そのため、燃焼停止工程中の急激な穀温の低下による胴割れの発生を防止するため、燃焼工程停止中は熱風室14への戻り排風量を増加させ、乾燥熱量と水分を更に付与することで穀温を維持し、胴割れを防止することができる。
なお、本実施の形態の燃料ポンプ50は繰り出し能力が一定のポンプを1つ備える構成であるが、別実施例として2つの燃料ポンプを設け、2つの燃料ポンプの使い分けで高温と低温に調節することもできる。すなわち、目標とする乾燥温度が高温域の場合には2つの燃料ポンプを使用し、目標とする乾燥温度が低温域の場合には1つの燃料ポンプを使用する。
本実施の形態の排風ファン10及び排風戻しダクト11は排風ダクト9の左右中央部から左右一側に偏倚する構成とし、そして、排風供給口13が箱体1の左右中央部に形成される構成である。このため、組み立て時に排風ダクト9の組付け方向を上下反対にすることで排風ファン10を左右他側に偏倚させること、すなわちオフセットすることも可能である。これにより、穀物乾燥機の設置場所に応じて排風ファン10を所望の位置に設置することができる。
以下、本実施の形態の穀物乾燥機の奏する効果について説明する。
図10に示すように本実施の形態の排風案内板22により、簡単な構成で回転翼20から機外排出された排風の一部を排風戻しダクト11に案内することができる。また、箱体1の後方に突出する排風ファン10の長さが長くならなく穀物乾燥機の設置が容易になる。
また、排風案内板22,…の左右両端部を隣接する固定翼21,…の左右側面、すなわち排風の整流面に取り付けることで、排風案内板22の取り付け構成を強固にすることができる。
また、排風案内板22,…は上方に設けている固定翼21に取り付けることで、排風を集中的に上方の排風戻しダクト11に案内することができ、また、排風調節弁26を全閉にして排風を排風戻しダクト11に案内しないときには、排風案内板22を設けていない下部の固定翼21間からも排風が機外へ排出され排風の機外排出作用を円滑にすることができる。
また、排風案内板22,…には多数のスリット22a,…を形成することで、機外排風の一部を排風戻しダクト11に案内しながら、排風による排風案内板22への圧力が低減し、騒音を小さくすることができる。また、排風調節弁26を全閉にして排風を排風戻しダクト11に案内しない場合には、排風を円滑に機外に排出することができる。
排風案内板22,…は隣接する固定翼21,…の間に、後上がり傾斜姿勢に軸支して設け、排風案内板22,…の前端を排風流入口12の下方に位置する構成とし、排風案内板22,…の後端を排風流入口12の後端よりも後方に位置させることで、排風を効率良く排風戻しダクト11へ案内すると共に、排風による排風案内板22,…への圧力が低減し、騒音を小さくすることができる。
次に、図3に基づき遠赤外線放射体16の具体構成について説明する。
貯留室2,乾燥室3,集穀室4を上から下に順次配設している循環式穀物乾燥機において、機体の前側に配設されている燃焼バーナ7と,乾燥室3内の熱風室14に配設されている遠赤外線塗料の塗布されている遠赤外線放射体16と,機体の後側に配設されている排風フアン10と,該排風フアン10から機外へ排出した排風を乾燥室3の熱風室14の後側部に戻り供給する排風戻しダクト11とを備え、前記遠赤外線放射体16を機体の前側から後側に延び且つ前側部が前記燃焼バーナ7に対向している空洞大径の第一円筒部30と、該第一円筒部30の後部から屈曲部を経て第一放射体30に沿って平行状に前部に向かって延びる空洞小径の第二放射体31とで構成し、該第二放射体31の前側部左右下側に複数の熱風吹き出し口31a,…を前後方向に開口し、該第二放射体31を熱風吹き出し口31a,…を介して前記熱風室14に熱風を吹き出すようにしている。
前記構成によると、遠赤外線放射体16の遠赤外線塗料の塗布されている第一放射体30,第二放射体31内を通過した熱風が前後方向の熱風吹き出し口31a,…から熱風室14の左右両側下部に供給され、排風戻しダクト9からの戻り排風と良好に混合される。
そして、第二放射体31の左右下側部に前後方向に複数の熱風吹き出し口31a,…を開口するにあたり、第二放射体31における熱風室14の前後方向前側寄りの半分程度の範囲にわり開口している。
従って、熱風室14の後側上部から前側に向けて戻り供給される排風に混じっている塵埃と熱風吹き出し口31a,…から熱風室14の下部に吹き出す熱風とが合流しにくく、塵埃の発火を防止し安全性を高めることができる。
また、前記第二放射体31を第一放射体30の上方に所定間隔を開けて平行状に配設し、第二放射体31の下側部左右両側から真横よりも下方に向けて熱風を吹き出すようにしている。
従って、第二放射体31の熱風吹き出し部31a,…から吹き出す熱風に混じっている塵埃(燃焼バーナ7で生成される熱風に混じっている塵埃)が第一放射体30に落下するのを防止することができる。また、熱風室14の前側部の第一円筒部30で熱風を生成する際に機外から流入した外部空気と混じり比較的低い温度の熱風を生成し熱風吹き出し口31a,…から吹き出し、排風戻しダクト11からの戻り排風と混合することにより、塵埃の発火を防止し安全性を高めることができる。
また、小径円筒の第二放射体31の終端側である熱風室14の前側部に熱風吹き出し口31a,…を設けることにより、熱風が第二放射体31の終端側まで急速に流れ中途部での塵埃の停滞を防止し、仮に第二円筒部31の下部に塵埃が溜まっていても熱風吹き出し口31a,…に向かって急速に流れる熱風により清掃され、塵埃の停滞を防止することができる。
また、前記排風戻しダクト11の始端部に多数のスリット22a,…の形成されている排風案内板22,…を配設し、熱風室3に戻される戻り排風に大きなわら屑などの異物の混じるのを防止し、良好な熱風を生成することができる。
また、排風戻りダクト9の終端側を熱風室14における第二円筒部31の始端側後側部上方部位に臨ませて戻り排気を前下がり傾斜状に熱風室14に送り込むので、湿度の高い重い戻り排風と生成熱風とを良好に混合させることができる。
次に、穀物乾燥機の燃焼制御について説明する。
循環式穀物乾燥機において、燃焼バーナ7には燃料に着火するイグナイタ51と、着火を検出する炎検出センサ55と、バーナに送風するバーナ送風フアン52を備え、燃料タンク49の燃料を燃焼バーナ7に供給する燃料ポンプ50と、燃焼バーナ7への燃料送り量を検出する燃料流量センサ57と、穀物の乾燥運転を開始する乾燥スイッチ34とを備えている。
制御部Sには、前記乾燥スイッチ34がオンされると、バーナ送風フアン52,燃料ポンプ50,イグナイタ51,排風フアン10,昇降機5などの穀物循環機構を駆動して乾燥運転を開始する乾燥運転開始手段と、設定燃料流量と燃料流量センサ57の検出燃料流量値を比較して燃焼量制御をするバーナ燃焼制御手段と、乾燥運転終了時において炎検出センサ56の炎検出により機体の駆動を停止する際には、バーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構の駆動を所定時間継続した後に停止する乾燥作業終了時の運転停止手段を備え、乾燥運転以外の運転状態及び運転停止中において燃料流量センサ57の検出値が所定値(例えば3パルス)以上の場合には、燃料漏れと判定し、異常報知をすると共に機体の運転を停止する乾燥運転移行停止手段を備えている。
なお、前記乾燥運転移行停止手段により穀物乾燥機を停止する場合には、乾燥作業終了時の運転停止手段におけるバーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構の駆動時間よりも短い駆動時間とし、機体を迅速に停止できるようにしている。
穀物乾燥機において、乾燥運転以外の穀物張り込み運転,燃焼バーナ7を停止しての通風乾燥運転および運転停止中に燃料流量センサ57の燃料流出検出がある場合は、燃料ポンプ50などの故障で燃料が燃料タンク49から送り出されており、このまま燃焼バーナ7を燃焼し乾燥運転を開始すると火災発生の怖れがある。
しかし、前記構成によると、穀物乾燥機の待機中あるいは停止中において燃料漏れ異常がある場合には、乾燥運転に入らないので火災を防止し、乾燥穀物の品質劣化を防止しながら乾燥運転を事前に停止することができる。
また、前記燃料ポンプ50は燃料タンク49から燃料を汲み出す汲み出し用燃料ポンプ50aと、該汲み出し用燃料ポンプで汲み出した燃料を燃焼バーナ7に送り出す送り出し用ポンプ50bとで構成し、前記汲み出し用燃料ポンプ50aと送り出し用燃料ポンプ50bとの間の燃料通路56に前記燃料流量センサ57を配設している。
前記制御部Sには、燃焼バーナ7の燃焼開始時にはイグナイタ51を起動した後に汲み出し用燃料ポンプ50aを起動し、次いで、燃料流量センサ57が燃料無し検出し且つ炎検出センサ55が燃焼炎無し検出をすると、送り出し用燃料ポンプ50bを起動しイグナイタ51を着火駆動するバーナ燃焼着火手段を備えている。
前記構成によると、燃料流量センサ57による燃料漏れ検出を乾燥運転開始前の適切なタイミングで行うことができ、失火を防止することができる。
また、燃焼バーナ7は所定の設定時間周期で燃焼工程と停止工程を交互に繰り返すガンタイプ型燃焼バーナ7とし、制御部Sには、燃焼バーナ7の燃焼停止工程終了時に燃料流量センサ57が燃料無し検出で且つ炎検出センサ55が燃焼炎無し検出をすると、繰り出し用燃料ポンプ50aを起動しイグナイタ51で着火するバーナ燃焼開始手段を備えている。
前記構成によると、燃料流量センサ57による燃料漏れ検出を乾燥運転中の適切なタイミングで行うことができ、ガンタイプ型燃焼バーナ7の所定時間周期における燃焼工程と停止工程を適切なタイミングで実行することができる。
また、制御部Sには、燃焼バーナ7の燃焼工程中に炎検出センサ55が炎検出をすると、汲み出し用燃料ポンプ50a及び送り出し用燃料ポンプ50bの駆動を停止し、燃焼バーナ7の次期設定周期における燃焼工程の開始時にイグナイタ51を駆動して点火するバーナ燃焼再開手段を備えている。
前記構成によると、燃焼バーナ7の所定時間周期の燃焼再開時における燃焼工程と燃焼停止工程を適正に維持することができ、安定した燃焼運転をすることができる。
次に、ガンタイプ型燃焼バーナ7の燃焼制御の他の実施形態について説明する。
ガンタイプ型燃焼バーナ7を備え、燃料ポンプ50を第一燃料ポンプと第二燃料ポンプの二連により構成し、第一燃料ポンプの間欠駆動あるいは第一燃料ポンプを連続してオンしたままの状態で第二燃料ポンプを間欠駆動し燃焼制御をする穀物乾燥機において、所定時間周期(例えば1分)で燃焼工程と停止工程とを繰り返しながら燃焼バーナ7を燃焼させるようにする。そして、燃焼工程中に炎検出センサ55が失火検出した場合には、二連の第一燃料ポンプ及び第二燃料ポンプの駆動を停止し、次の所定時間周期における間欠燃焼タイミングで前記失火検出時の燃料流量検出値及び熱風温度算出値などのデータを基にして再点火させるように構成する。
前記構成によると、ガンタイプ型燃焼バーナ7の失火検出後の再点火処理を安定させながら且つ乾燥運転の持続性を維持しながら実行することができる。
設定燃料流量と燃料流量センサ57からの燃料流量検出値を比較して燃焼バーナ7の燃焼量制御をする穀物乾燥機において、燃料流量センサ57の燃料流量検出値が設定燃料流量の所定範囲内にない場合には、燃料流量センサ57の異常と判定し、異常報知及び異常処置を促す制御部Sを設ける。なお、所定時間内の燃料流量センサ57の検出パルス数が所定範囲の場合も同様に処理する。
前記構成によると、ガンタイプ型燃焼バーナ7の燃焼制御において、燃料流量センサ57の異常判定を迅速にし、燃焼制御の安全性を向上させることができる。
また、次のように構成してもよい。設定燃料流量と燃料流量センサ57の検出燃料流量を比較して燃焼バーナ7の燃焼量制御をする穀物乾燥機において、毎回の所定時間周期において燃料の流量差分比率により燃料ポンプ50のオン時間を加算あるいは減算補正して燃焼量制御を行うように構成する。前記構成によると、迅速な燃焼量制御をすることができる。
なお、算出方法として、例えば、「設定燃料流量−算出燃料流量」/「設定燃料流量」*N+Nとし、Nは設定燃料流量に対する燃料ポンプ50の基本オン時間である。
また、燃料流量センサ57の検出燃料流量が設定燃料流量に対して所定値以上多い場合には、下げ側に燃焼量の補正を行うようにし、そしてその補正が所定回数(例えば5回)連続すると、燃料ポンプ50あるいは燃料流量センサ57の異常と判定し、異常報知及び点検整備などの異常処置を促すようにする。
特に燃料ポンプ50の吐き出し口が開き気味とか吐き出し圧力が高くなった場合には、燃料流量センサ57の燃料流量検出値により燃焼量を下げ調節しても、吐き出し燃料が多いままの場合には遠赤外線放射体16が異常高温となり、穀物の品質劣化となり、火災に及ぶ恐れがある。
しかし、前記構成によると、燃焼量制御において燃焼量を下げ側に補正することで、前記不具合を解決することができる。
設定燃料流量と燃料流量センサ57の燃料流量検出値を比較して燃焼量制御をする穀物乾燥機において、燃料流量センサ57の検出燃料流量が設定燃料流量に対して所定値以上少ない場合には、上げ側に燃焼量の補正を行うようにし、その補正が所定回数(例えば5回)継続すると、燃料ポンプ50あるいは燃料流量センサ57の異常と判定し、異常報知及び点検整備などの異常処置を促すようにする。
特に燃料流量センサ57の検出不良やパルス欠けが発生した場合に、燃料流量センサ57の燃料流量検出値より燃焼量を上げ調節しても、燃料の吐き出し量が少ない場合には、上げ補正制御により遠赤外線放射体16の温度が異常高温となり、穀物の品質劣化や火災の怖れがある。しかし、前記構成によると、燃焼量の上げ側補正に規制を設けることで、前記不具合を解決することができる。
設定燃料流量と燃料流量センサ57の検出値とを比較して燃焼量制御をする穀物乾燥機において、燃料流量センサ57の燃料流量検出値により所定時間周期(例えば1分)で燃料ポンプ50のオン時間を加減補正するように構成し、燃料流量の差分比率により燃料ポンプ50のオン時間を算出し燃焼量制御をするように構成する。そして、燃料流量センサ57の燃料流量を検出するにあたり所定時間周期(例えば1分)における初期所定時間の非検出時間(例えば2秒)を設け、その後に残存している58秒間の燃料流量センサ57の検出パルス数から燃料流量を検出するようにする。
燃焼バーナ7における燃焼工程と停止工程の断続燃焼での点火初期には燃料流量がオーバーシュートし、平均燃焼流量よりも多くなるのが通常である。そのままの検出値で燃焼量制御をすると、燃焼量が少ない側で推移する。
しかし、前記構成によると、燃焼量制御における燃料流量センサ57からの燃焼初期の燃料流量検出値の精度を向上させ、燃焼量制御の精度を向上させることができる。
燃料ポンプ50を第一燃料ポンプと第二燃料ポンプの二連により構成し、第一燃料ポンプの間欠あるいは連続オンした状態で第二燃料ポンプを間欠駆動し、所定時間周期で燃焼バーナ7を燃焼行程と停止工程を繰り返しながら燃焼制御をする穀物乾燥機において、所定時間周期で燃焼バーナ7をオンオフする断続燃焼に対して、一定時間毎に燃焼バーナ7のオンオフを含めて熱風温度を積算し且つ総平均し、設定熱風温度と総平均熱風温度の比較により、燃焼バーナ7のオン時間及び第一燃料ポンプ,第二燃料ポンプのオン時間を切り替え制御をするように構成する。
また、前記燃焼制御において、燃焼量を補正制御した後に所定時間経過しても総平均熱風温度が補正側に変化しない場合には、異常燃焼と判定し、異常報知し異常箇所点検措置を促すように構成する。
前記構成により、ガンタイプ型燃焼バーナ7の安定燃焼を図ることができる。
また、前記燃焼制御において、低い燃焼側あるいは高い燃焼側への切り替え補正を一定時間(例えば10分間)は抑制するようにすると、燃焼制御のハンチングを抑制し、安定燃焼を図ることができる。
次に、図12及び図13に基づき乾燥運転制御について説明する。
乾燥スイッチ34がオペレータによりオンされると、バーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構の駆動を開始する。次いで、風圧センサ46が風圧有り検出をしたか否かを判定し、Noであると、異常と判定し乾燥運転を停止する。また、Yesであると、イグナイタ51をオンし、汲み上げ用燃料ポンプ50aの駆動を開始する。
次いで、燃料流量センサ57が燃料有り検出をしたか否かを判定し、Yesであると、バーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構を所定時間(例えば3分)駆動した後に停止し制御を終了する。
また、Noの場合には、次いで炎検出センサ55が炎有り検出をしたか否かを判定し、Yesであると前記バーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構を所定時間(例えば3分)駆動した後に停止し制御を終了し、Noであると、送り出し(繰り出し)用燃料ポンプ50bの駆動を開始し、イグナイタ51を駆動し燃焼バーナ7を着火燃焼させる。
次いで、炎検出センサ55が燃焼炎を検出したか否かを判定し、Noであると、燃焼バーナ7は非燃焼と判定し、バーナ送風フアン52,排風フアン10,穀物循環機構を所定時間(例えば10分)駆動した後に停止する。
また、Yesであると燃焼バーナ7は燃焼と判定し、乾燥運転を開始し、図12のBから図13のBに移行し、所定時間周期で燃焼工程と停止工程を実行し、停止工程が終了すると燃料流量センサ57が燃料有り検出をしたか否かを判定し、Noであると、燃料切れと判定し停止工程を終了する。
次いで、燃料流量センサ57が燃料有り検出をしたか否かを判定し、Yesであると、バーナ送風フアン52,排風フアン10を所定時間(例えば20分)駆動した後に停止し、Noであると、炎検出センサ55が燃焼炎を検出したか否かを判定し、Yesであると、バーナ送風フアン52,排風フアン10を所定時間(例えば20分)駆動した後に停止し、Noであると、送り出し(繰り出し)用燃料ポンプ50bの駆動を開始する。
次いで、炎検出センサ55が燃焼炎を検出したか否かを判定し、Yesであると、燃焼工程を実行する。次いで、乾燥穀物の検出水分値が目標標水分値に到達したか否かを判定し、Yesであると、燃焼停止工程に移行し、次いで、バーナ用送風フアン52及び排風フアン10を所定時間(例えば20分)駆動した後に停止し穀物乾燥作業を終了する。