JP6822346B2 - 車両後部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両後部構造に関し、特に、車両後部にラゲージルームが設けられた車両後部構造に関するものである。
車両後部に設けられたラゲージルームは、当該ラゲージルーム上方の車体に回動可能に取付けられたヒンジアームと接続されるラゲージドアによって、その開口部が開閉されるのが一般的である。かかるラゲージルームの開口部には、通常、その全周に亘ってウェザーストリップが設けられていて、ラゲージドアを閉じた場合、ラゲージドアのインナーパネルの外周縁部(フランジ部)がウェザーストリップに当たることで、ラゲージルームのシール性が確保されるようになっている。
例えば特許文献1には、一端側が車両に設けられたヒンジ軸に回動可能に連結されたドアヒンジ(ヒンジアーム)の他端部が、ラゲージドアのインナーパネルに形成された環状ビードにおける車両前後方向に延びている部分に、ボルトを介して固定される構造が開示されている。
特開2012−232665号公報
上記特許文献1のもののように、インナーパネルに形成されたビードにヒンジアームを取り付ける構造では、ヒンジアーム取付け部の見栄えを良くするために、ビードの下端部を略平坦に形成して、ヒンジアームの取付け面とビードの取付け面との間に隙間(凹凸)が生じないようにするのが一般的である。
また、このような構造では、例えば、インナーパネルのビード(仮に第1ビードという。)と同様に車両前後方向に延びるビード(仮に第2ビードという。)が形成されたヒンジリインフォース(補強部材)を、第2ビードの略平坦な下端部が第1ビードの略平坦な下端部に重なるようにインナーパネルの上側に取り付けることで、ヒンジアーム取付け部を補強することが多い。
ところで、ラゲージドアの閉じ動作は、下方に降ろしたラゲージドアのフランジ部がウェザーストリップを介して車体に当たり(以下、閉じ衝撃時ともいう)、ラゲージドアの上方への揺り戻しを経て完了するが、閉じ衝撃時には慣性力でフランジ部が下方に変位する一方、揺り戻し時にはウェザーストリップの反力でフランジ部が上方に変位する。
しかしながら、ヒンジアーム取付け部周辺はかかるフランジ部の上下の変位に追従しないため、インナーパネルとヒンジリインフォースとに相対変位が生じ、両者のボルト締結部に剥離変形が発生する場合がある。その結果、ボルト締結部に応力が集中するが、略平坦な第2ビードで補強された略平坦な第1ビードにヒンジアームを取り付ける構造では、曲げ剛性が不足するため、ボルト締結部を起点として亀裂が発生するおそれがある。なお、かかる亀裂は、ボルト締結部のみならず、スポット溶接部等を含む結合部一般に発生し得るものである。
そこで、例えばインナーパネルの板厚を厚くすることが考えられるが、インナーパネルの板厚を厚くすると、車体重量が増大し、燃費の悪化を招くという問題がある。また、略平坦な第1および第2ビードを折り曲げたり、補強部材を追加したりすることも考えられるが、これらの対処方では車両後部の外観が損なわれるという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ヒンジアームを介してラゲージドアが車体に取り付けられる車両後部構造において、外観を損なうことなく、ラゲージドアの閉じ時にヒンジアーム取付け部が損傷するのを抑える技術を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る車両後部構造では、車両外側から見えない態様で、ラゲージドアにおけるヒンジアーム取付け部に、車幅方向の曲げ剛性を高めるビード部を設定するようにしている。
具体的には、本発明は、ラゲージドアによって開口部が開閉されるラゲージルームが車両後部に設けられた車両後部構造を対象としている。
そして、上記車両後部構造は、車幅方向両側部に車両前後方向に延びる下側に凸の第1縦ビード部が形成された、上記ラゲージドアの一部を構成するインナーパネルと、車両前後方向に延びる下側に凸の第2縦ビード部が形成され、当該第2縦ビード部の下端部が上記第1縦ビード部の略平坦に形成された下端部に重なるように上記インナーパネルの上側に取り付けられる補強部材と、一端部が上記ラゲージルーム上方の車体に回動可能に取付けられ、且つ、他端部が上記第1および第2縦ビード部に下方から取り付けられるヒンジアームと、を備え、上記第1および第2縦ビード部の下端部における上記ヒンジアームが取り付けられる部位には、当該第1縦ビード部の下端部における車幅方向外側の縁部が平坦なまま残るような態様で、車幅方向に延びる上側に凸の横ビード部がそれぞれ形成されていることを特徴とするものである。
この構成によれば、車両前後方向に延びる下側に凸の第1および第2縦ビード部におけるヒンジアームが取り付けられる部位(以下、ヒンジアーム取付け部ともいう。)には、車幅方向に延びる上側に凸の横ビード部がそれぞれ形成されているので、ヒンジアーム取付け部における車幅方向の曲げ剛性を向上させることができる。
それ故、閉じ衝撃時の慣性力や揺り戻し時のウェザーストリップ反力によって、ヒンジアーム取付け部近傍の側縁部(フランジ部)が上下に変位しても、インナーパネルとヒンジリインフォースとの相対変位が生じ難くなり、ボルト締結部やスポット溶接部等の結合部に剥離変形が発生するのを抑えることができる。これにより、インナーパネルおよびヒンジリインフォースにおけるヒンジアームとの結合部に発生する応力が緩和されることから、かかる結合部を起点とする亀裂の発生を確実に抑制することができる。
しかも、これらの横ビードは、例えば第1および第2縦ビード部と直交するように形成された当該横ビード部が、第1縦ビード部の車幅方向外側端まで延びていない(第1縦ビード部の車幅方向の幅の途中までしか延びていない)こと等により、第1縦ビード部の下端部における車幅方向外側の縁部が平坦なまま残るような態様で形成されている。それ故、車両側方からヒンジアーム取付け部を見た場合、ヒンジアームの取付け面と第1縦ビード部の取付け面との間に隙間(凹凸)が生じず、両者がぴったり接触するので、ヒンジアーム取付け部の見栄えを保つことができる。
また、上記車両後部構造では、上記第1および第2縦ビード部の下端部における上記ヒンジアームが取り付けられる部位には、上記横ビード部が、車両前後方向に互いに間隔をあけて、それぞれ複数形成されていてもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両後部構造によれば、外観を損なうことなく、ラゲージドアの閉じ時にヒンジアーム取付け部が損傷するのを抑えることができる。
本発明の実施形態に係る車両後部構造を備えた車両を模式的に示す斜視図である。 ラゲージドアを模式的に示す斜視図である。 同図(a)はラゲージドアを模式的に示す側面図であり、同図(b)はインナーパネルを下方から見た図である。 インナーパネルにおけるヒンジアーム取付け部およびヒンジリインフォースを模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の矢視断面図である。 インナーパネルにおけるヒンジアーム取付け部を模式的に示す斜視図である。 インナーパネルにおけるヒンジアーム取付け部を下方から見た応力分布図である。 ヒンジアーム取付け部を車両側方から見た図である。 従来のインナーパネルおよびヒンジリインフォースを模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の矢視断面図である。 従来のインナーパネルおよびヒンジリインフォースを模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図である。 従来のインナーパネルおよびヒンジリインフォースの閉じ衝撃時の状態を模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図である。 従来のインナーパネルおよびヒンジリインフォースの揺り戻し時の状態を模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図である。 従来のインナーパネルにおけるヒンジアーム取付け部を下方から見た応力分布図である。 横ビード部を第1縦ビード部の全幅に亘って形成した場合における、ヒンジアーム取付け部を車両側方から見た図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。なお、図中の矢印Upは上側を、矢印Rrは車両前後方向後側を、矢印Frは車両前後方向前側を、矢印Rhは車幅方向右側をそれぞれ示している。
−全体構成−
図1は、本実施形態に係る車両後部構造を備えた車両1を模式的に示す斜視図である。この車両1は、例えばセダン型の自動車であって、図1に示すように、車両後部1aにラゲージルーム(荷室)2が設けられている。ラゲージルーム2は、その開口部2aがラゲージドア3によって開閉されるようになっている。ラゲージドア3は、ヒンジアーム7を介して車体に取り付けられている。
ヒンジアーム7は、一端部7aが、ラゲージルーム2上方の車体に設けられたヒンジ軸(図示せず)に連結されることで、車体に対し回動可能に取付けられているとともに、他端部7bが、ラゲージドア3にボルト30(図4(b)参照)を介して下方から取り付けられている。また、ヒンジアーム7には、車両1に設けられたスプリング(図示せず)によって、ラゲージドア3を開く方向(ラゲージドア3を前方かつ上方へ回動させる方向)に常時付勢力が作用している。
ラゲージドア3の後壁部3b(図3(a)参照)の下端部における車幅方向中央部にはロックアッセンブル8が設けられている一方、ラゲージルーム2の開口部2aの後端部における車幅方向中央部には、ロックアッセンブル8と係合するストライカ9が取り付けられている。ロックアッセンブル8をストライカ9に係合させると、スプリングの付勢力に抗してラゲージドア3を閉じた状態が維持される一方、ロックアッセンブル8とストライカ9との係合を解除すると、スプリングの付勢力によってラゲージドア3が開くようになっている。
これらにより、ラゲージドア3は、ロックアッセンブル8とストライカ9との係合を解除することで、ヒンジアーム7を介してヒンジ軸回りに前方かつ上方へ回動して、ラゲージルーム2の開口部2aを開放する開放状態と、開放状態からラゲージドア3を押し下げて、ロックアッセンブル8をストライカ9に係合させることで、ラゲージルーム2の開口部2aを閉鎖する閉鎖状態と、を採ることが可能となっている。
なお、ラゲージルーム2の開口部2aには、その全周に亘ってウェザーストリップ(図示せず)が設けられていて、ラゲージドア3を閉じた場合、ラゲージドア3のインナーパネル5の外周縁部5a(図5参照。以下、フランジ部5aともいう)がウェザーストリップに当たることで、ラゲージルーム2のシール性が確保され、雨水等が浸入しないようになっている。
−ラゲージドア−
図2は、ラゲージドア3を模式的に示す斜視図である。また、図3(a)は、ラゲージドア3を模式的に示す側面図であり、同図(b)は、インナーパネル5を下方から見た図である。図2および図3(a)に示すように、ラゲージドア3は、ラゲージルーム2の上方覆う上壁部3aと、上壁部3aの後端部から下方に延びてラゲージルーム2の後方を覆う後壁部3bとを備えていて、車両側面視で略L字状に形成されている。
このラゲージドア3は、例えば鋼板等の金属板をプレス成形したアウターパネル4およびインナーパネル5と、インナーパネル5におけるヒンジアーム7の取付け部を補強するヒンジリインフォース6と、を有していて、両者4,5の間にヒンジリインフォース6を挟むようにアウターパネル4とインナーパネル5とを重ね合わせて、これらをスポット溶接等で接合することで構成されている。
車両1の外装の一部を構成するアウターパネル4は、その外表面が曲率の大きい屈曲部分がほとんどない平面または曲面に形成されている一方、強度部材としてのインナーパネル5には、図3(b)に示すように、複数の凹凸部やビード部が形成されている。インナーパネル5には、例えば、後述する第1縦ビード部11を含む、当該インナーパネル5の外周部全周に亘って形成された環状ビード部10や、当該インナーパネル5の車幅方向中央部で車両前後方向に延びる縦ビード部31や、環状ビード部10と縦ビード部31とを繋ぐように斜めに延びる斜めビード部32等が設けられている。
第1縦ビード部11は、インナーパネル5における上壁部3aに対応する部位の車幅方向両側部で車両前後方向に延びている。第1縦ビード部11は、ラゲージドア3を閉じた状態でラゲージルーム2側に突出するように下側に凸に形成されていて、その下端部11aが略平坦に形成されている。この第1縦ビード部11の下端部11aにおける前側部分(図3(a)のB部および図3(b)のC部)には、上記ヒンジアーム7の他端部7bがボルト30を介して締結されている(図4(b)参照)。なお、以下の説明では、ボルト30を介してヒンジアーム7が締結される第1縦ビード部11の前側部分を、ヒンジアーム取付け部15とも称する。
図4は、インナーパネル5におけるヒンジアーム取付け部15およびヒンジリインフォース6を模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の矢視断面図である。図4(a)は、図2のA部に対応しており、図を見易くするために、アウターパネル4を図示省略している。ヒンジリインフォース6は、例えば鋼板等の金属板をプレス成形することで形成されている。このヒンジリインフォース6には、車両前後方向に延びる下側に凸の第2縦ビード部21が形成されている。ヒンジリインフォース6は、第2縦ビード部21の下端部21aが第1縦ビード部11の下端部11aに重なるようにインナーパネル5の上側に溶接等で取り付けられるとともに、ヒンジアーム7を取り付けるボルト30によってインナーパネル5と共締めされることで、ヒンジアーム取付け部15を補強するようになっている。なお、本実施形態では、ボルト30の頭部30aが、ヒンジアーム7の他端部7bに形成された円形凹部7cに嵌るようになっているが、ボルト30の頭部30aがヒンジアーム7の下端部から突出していてもよい。
−従来のヒンジアーム取付け部−
本発明を理解し易くするために、本実施形態のヒンジアーム取付け部15の説明に先立ち、従来のラゲージドア103(図13参照)におけるヒンジアーム取付け部115について説明する。
図8は、従来のインナーパネル105およびヒンジリインフォース106を模式的に示す図であり、同図(a)は斜視図であり、同図(b)は同図(a)のb−b線の矢視断面図である。また、図9は、従来のインナーパネル105およびヒンジリインフォース106を模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図である。図(a)は、従来のラゲージドア103における図2のA部と同じ箇所に対応しており、図を見易くするために、アウターパネル104を図示省略している。
図8および図9に示すように、従来のインナーパネル105にも、当該インナーパネル105における車幅方向両側部で車両前後方向に延び、且つ、下側に凸に形成されていて、その下端部111aが略平坦な縦ビード部111が設けられている。また、ヒンジリインフォース106にも、車両前後方向に延び、且つ、下側に凸に形成されていて、その下端部121aが略平坦な縦ビード部121が設けられている。ヒンジリインフォース106は、縦ビード部121の下端部121aが縦ビード部111の下端部111aに重なるようにインナーパネル105の上側に取り付けられるとともに、ボルト130によってインナーパネル105と共締めされることで、ヒンジアーム取付け部115を補強している。
ところで、ラゲージドア103の閉じ動作は、下方に降ろしたラゲージドア103のインナーパネル105のフランジ部105aがウェザーストリップを介して車体に当たり(以下、閉じ衝撃時ともいう)、ラゲージドア103の上方への揺り戻しを経て完了する。図10は、従来のインナーパネル105およびヒンジリインフォース106の閉じ衝撃時の状態を模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図であり、図11は、従来のインナーパネル105およびヒンジリインフォース106の揺り戻し時の状態を模式的に示す、図8(a)のX−X線に相当する図である。
開放状態からラゲージドア103を押し下げると、ラゲージドア103の慣性力により、図10の白抜き矢印で示すように、インナーパネル105のフランジ部105aが下方に変位する。この場合、ヒンジアーム取付け部115はフランジ部105aの変位に追従しないため、図10で示すように、インナーパネル105とヒンジリインフォース106とが相対変位する。また、揺り戻し時にはウェザーストリップの反力により、図11の黒塗り矢印で示すように、インナーパネル105のフランジ部105aが上方に変位する。この場合にも、ヒンジアーム取付け部115はフランジ部105aの変位に追従しないため、図11で示すように、インナーパネル105とヒンジリインフォース106とが相対変位する。
ここで、ヒンジアーム取付け部115におけるボルト締結部を構成する、縦ビード部111の下端部111aおよび縦ビード部121の下端部121aが共に略平坦であるため、車幅方向の曲げ剛性が相対的に小さいことから、インナーパネル105とヒンジリインフォース106とが相対変位すると、ボルト締結部に剥離変形が生じる場合がある。
図12は、従来のインナーパネル105におけるヒンジアーム取付け部115を下方から見た応力分布図である。なお、図12では、応力発生部を、黒塗り(相対的に応力が大きい部位)およびハッチング(相対的に応力が小さい部位)で示している。上述の如く、ラゲージドア103の閉じ動作に伴い、ボルト締結部に剥離変形が生じると、図12に示すように、ボルト締結部(ボルト孔113を区画する縁部)に応力が集中するため、ボルト締結部を起点として亀裂が発生するおそれがある。
そこで、インナーパネル105の板厚を厚くすることが考えられるが、インナーパネル105の板厚を厚くすると、車体重量が増大し、燃費の悪化を招くという問題がある。また、縦ビード部111,121の略平坦な下端部111a,121aを折り曲げたり、補強部材を追加したりすることも考えられるが、これらの対処方では車両後部の外観が損なわれるという問題がある。例えば、縦ビード部111,121の略平坦な下端部111a,121aを単に折り曲げると、図13に示すように、ヒンジアーム107の上面と縦ビード部111の下端部111aとの間に隙間(凹凸)が生じてしまい、ヒンジアーム取付け部115の外観が損なわれるという問題がある。
−ヒンジアーム取付け部−
そこで、本実施形態では、インナーパネル5の第1縦ビード部11の下端部11aにおけるヒンジアーム取付け部15に、車幅方向に延びる第1横ビード部12を形成するとともに、ヒンジリインフォース6の第2縦ビード部21の下端部21aにおけるヒンジアーム取付け部15に、車幅方向に延びる第2横ビード部22を形成するようにしている。しかも、第1横ビード部12については、第1縦ビード部11の下端部11aにおける車幅方向外側の縁部11bが平坦なまま残るような態様で形成するようにしている。
具体的には、図4(a)に示すように、ヒンジリインフォース6の第2縦ビード部21の下端部21aには、車幅方向に延びる上側に凸の第2横ビード部22が、下端部21aの車幅方向の全幅に亘って複数形成されている。このように、第2縦ビード部21に直交するように第2横ビード部22を形成することで、ヒンジアーム取付け部15におけるヒンジリインフォース6の車幅方向の曲げ剛性を向上させることができる。なお、ボルト30が挿通されるボルト孔23は、第2縦ビード部21の下端部21aにおける第2横ビード部22が形成されていない部位に設けられている。
図5は、インナーパネル5におけるヒンジアーム取付け部15を模式的に示す斜視図である。図5は、図2のA部に対応しており、図を見易くするために、アウターパネル4およびヒンジリインフォース6を図示省略している。図5に示すように、インナーパネル5の第1縦ビード部11の下端部11aには、車幅方向に延びる上側に凸の第1横ビード部12が、第1縦ビード部11の下端部11aの車幅方向外側端まで延びない態様で複数形成されている。それ故、各第1横ビード部12の車幅方向外側には、下端部11aにおける平坦な部位14が残っており、これにより、第1縦ビード部11の下端部11aにおける車幅方向外側の縁部11bが平坦なまま残るようになっている。
このように、第1縦ビード部11に直交するように第1横ビード部12を形成することで、ヒンジアーム取付け部15におけるインナーパネル5の車幅方向の曲げ剛性を向上させることができる。なお、ボルト30が挿通されるボルト孔13は、第1縦ビード部11の下端部11aにおける第1横ビード部12が形成されていない部位に設けられている。
そうして、図4(b)に示すように、第2縦ビード部21の下端部21aが第1縦ビード部11の下端部11aに重なり、且つ、複数の第2横ビード部22が複数の第1横ビード部12に嵌るように、ヒンジリインフォース6をインナーパネル5の上側に取り付けるとともに、ヒンジアーム7を取り付けるボルト30によってインナーパネル5とヒンジリインフォース6とを共締めすることで、ヒンジアーム取付け部15の車幅方向の曲げ剛性が向上することになる。それ故、閉じ衝撃時の慣性力や揺り戻し時のウェザーストリップ反力によって、ヒンジアーム取付け部15近傍のフランジ部5aが上下に変位しても、インナーパネル5とヒンジリインフォース6との相対変位が生じ難くなり、ボルト締結部に剥離変形が発生するのを抑えることができる。
図6は、インナーパネル5におけるヒンジアーム取付け部15を下方から見た応力分布図である。上述の如く、第1および第2横ビード部12,22を形成した本実施形態では、ラゲージドア3の閉じ動作に伴う、ボルト締結部における剥離変形の発生が抑えられることから、図6に示すように、ボルト締結部(ボルト孔13を区画する縁部)に応力が集中するのを確実に抑えることができる。これにより、インナーパネル5およびヒンジリインフォース6におけるヒンジアーム7とのボルト締結部に発生する応力が緩和されることから、かかるボルト締結部を起点とする亀裂の発生を確実に抑制することができる。
しかも、第1横ビード部12は、第1縦ビード部11の車幅方向外側端まで延びないことにより、第1縦ビード部11の下端部11aにおける車幅方向外側の縁部11bが平坦なまま残るような態様で形成されている。それ故、図7に示すように、車両側方からヒンジアーム取付け部15を見た場合、ヒンジアーム7の上面と第1縦ビード部11の下端部11aとの間に隙間(凹凸)が生じず、両者がぴったり接触するので、ヒンジアーム取付け部15の見栄えを保つことができる。
(その他の実施形態)
本発明は、実施形態に限定されず、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく他の色々な形で実施することができる。
上記実施形態では、インナーパネル5およびヒンジリインフォース6とヒンジアーム7とをボルト締結する場合に本発明を適用したが、これに限らず、インナーパネル5およびヒンジリインフォース6とヒンジアーム7とをスポット溶接する場合にも、本発明を適用することができる。この場合には、第1および第2縦ビード部11,21の下端部11a,21aにおけるスポット溶接部以外の箇所に、第1および第2横ビード部12,22を形成するのが好ましい。
このように、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
本発明によると、外観を損なうことなく、ラゲージドアの閉じ時にヒンジアーム取付け部が損傷するのを抑えることができるので、ラゲージドアによって開閉されるラゲージルームが車両後部に設けられた車両後部構造に適用して極めて有益である。
2 ラゲージルーム
2a 開口部
3 ラゲージドア
5 インナーパネル
6 ヒンジリインフォース(補強部材)
7 ヒンジアーム
11 第1縦ビード部
11a 下端部
11b 縁部
12 第1横ビード部
21 第2縦ビード部
21a 下端部
22 第2横ビード部

Claims (2)

  1. ラゲージドアによって開口部が開閉されるラゲージルームが車両後部に設けられた車両後部構造であって、
    車幅方向両側部に車両前後方向に延びる下側に凸の第1縦ビード部が形成された、上記ラゲージドアの一部を構成するインナーパネルと、
    車両前後方向に延びる下側に凸の第2縦ビード部が形成され、当該第2縦ビード部の下端部が上記第1縦ビード部の略平坦に形成された下端部に重なるように上記インナーパネルの上側に取り付けられる補強部材と、
    一端部が上記ラゲージルーム上方の車体に回動可能に取付けられ、且つ、他端部が上記第1および第2縦ビード部に下方から取り付けられるヒンジアームと、を備え、
    上記第1および第2縦ビード部の下端部における上記ヒンジアームが取り付けられる部位には、当該第1縦ビード部の下端部における車幅方向外側の縁部が平坦なまま残るような態様で、車幅方向に延びる上側に凸の横ビード部がそれぞれ形成されていることを特徴とする車両後部構造。
  2. 上記請求項1に記載の車両後部構造において、
    上記第1および第2縦ビード部の下端部における上記ヒンジアームが取り付けられる部位には、上記横ビード部が、車両前後方向に互いに間隔をあけて、それぞれ複数形成されていることを特徴とする車両後部構造。
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