添付図面に示される代表的な実施形態を、ここで詳細に参照するものとする。以下の説明は、これらの実施形態を、1つの好ましい実施形態に限定することを意図するものではない点を理解されたい。それとは反対に、以下の説明は、添付の「特許請求の範囲」によって定義されるような、説明される実施形態の趣旨及び範囲内に含めることが可能であるような、代替形態、修正形態、及び等価物を対象とすることを意図するものである。
以下の開示は、ヒンジ式電子デバイスの1つ以上のケーブルを覆うための、カバーに関する。特定の実施形態では、それらのケーブルは、ヒンジによって接続されている電子デバイスの諸部分の間で信号を伝送するために適切な、フレックスケーブル及び/又はフレキシブルプリント回路板を含む。ポータブルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップコンピュータ)の場合には、その電子デバイスの1つの部分は、ディスプレイを有する蓋部分に相当し得るものであり、別の部分は、ケーブル(1つ以上)を介してディスプレイと通信する電子装置を含む、基体部分に相当し得る。これらのケーブル(1つ以上)は、蓋部分内部の構成要素と、基体部分内部の構成要素との間で信号を伝送するように、ヒンジ領域を通過させてルーティングすることができる。
一部の実施形態では、このケーブルは、マンドレルと称される、蓋部分の一区画の上に引き回される。このマンドレルは、ケーブルの経路を案内して、そのケーブルが所定の角度を超えて屈曲することを防ぐように、構成することができる。特定の実施形態では、このマンドレルは、ケーブルの円滑な移動をもたらすための湾曲面を有する。一部の実施形態では、このマンドレルは、一定の半径を有し、その半径の上でケーブルが引き回される。一部の実施形態では、この半径は、マンドレルの上でケーブルが引き回されるにつれて、変化するものであるが、他の実施形態では、その半径は一定である。
更なる実施形態では、電子デバイスのユーザに対してケーブルが直接露出されることを防ぐために、ケーブルの上にカバーが引き回される。一部の実施形態では、このカバーは、電子デバイスが開放位置と閉鎖位置との間で移動する際に、それらカバー及びケーブルの所定の移動を可能にする、特定の剛性及び弾性などの特定の物理的特性を有する、材料(1種以上)のシートである。このカバーはまた、電子デバイスの耐用年数の間、損耗及び断裂に耐えるように、十分な耐久性もあるべきである。このカバーは、これらの望ましい物理的特性、及び他の望ましい物理的特性を実現するために、複数の材料層を有し得る。このカバーは、そのカバーに横方向の剛性を付与する、ガラス繊維及びポリウレタンの層などの、構造層を含み得る。他の実施例では、このカバーは、ポリウレタン注入パラアラミド繊維、又はポリウレタン注入ガラス繊維を含み得る。このカバーの剛性により、蓋部分は、電子デバイスの基体部分によって画定された空洞部内に、そのカバーを駆動することが可能となる。一部の実施形態では、このカバーは、電子デバイスのユーザに対して可視である。それゆえ、このカバーの1つの層は、ユーザに提示するために好適な、装飾層とすることができる。
一部の実施形態では、このカバーの剛性により、屈曲に対してある程度の抵抗がもたらされることにより、そのカバーを元の形状に戻すための、復元力を提供することができる。この復元力は、電子デバイスが開放位置から閉鎖位置に移動される際に、その筐体の拘束要素と協働して、カバー及び/又はケーブルの褶曲若しくは皺に抵抗することができる。電子デバイスの基体部分内部の空洞部は、開放位置から閉鎖位置への電子デバイスの移動の間にカバーを拘束する、内側表面を画定し得る。これらカバーの剛性とカバーを拘束する力とが協働して、マンドレルの上で引き回される際のカバーの移動を制御することにより、カバーが座屈又は褶曲することを防ぐことができる。このカバーはまた、カバーがケーブルと接触している場所で、そのケーブルの移動を拘束及び制御することもできるため、屈曲又は捻転によりケーブルが損傷を受けることを防ぐことができる。
一部の実施形態では、ケーブルは、電子デバイスの基体部分内部の、電子構成要素に結合される。このケーブルは、ディスプレイアセンブリを駆動するために好適なタイミング制御部を有する、集積回路又はプリント回路板などの電子装置に取り付けることができる。このケーブルは、基体部分内部に配置された支持部材の周りに、巻き付け構成で周方向にルーティングすることができる。ガイド部材上に配置されたクリップが、そのケーブルを固定することにより、電子構成要素に取り付けられているケーブルの1つ以上の区画を隔離することができ、蓋部分が基体部分に対して回転される際に、ケーブルの諸部分の移動を防ぐことができる。ケーブルの他方の端部は、蓋部分内部の、ディスプレイアセンブリなどの電子構成要素に結合することができる。
以下の説明では、用語「マンドレル」とは、ヒンジ機構、ヒンジ機構用のカバー、ヒンジ機構用の層、ヒンジ機構用の蓋、円筒形シャフト、中空シャフト、枢動及び/又は旋回機構、あるいは滑動機構を指すものとすることができる。用語「マンドレル」は、用語「ヒンジ機構」、又は「ヒンジ機構用のカバー(又は、蓋)」と置き換え可能とすることができる。
本明細書で説明されるケーブルアセンブリ及びケーブル構造体は、家庭用製品内に組み込むために非常に適している。例えば、本明細書で説明されるケーブルアセンブリ及びケーブル構造体は、Cupertino,Californiaに拠点を置くApple Inc.製のものなどの、コンピュータ、ポータブル電子デバイス、ウェアラブル電子デバイスなどの電子デバイス、及び電子デバイスアクセサリ内で使用することができる。
以下の説明では、用語「第1部分」及び「上側筐体部分」とは、双方ともコンピューティングデバイスの蓋を指すものとすることができる。以下の説明では、用語「第2部分」及び「下側筐体部分」とは、双方ともコンピューティングデバイスの基体を指すものとすることができる。更には、以下の説明では、用語「下側筐体部分」は、用語「基体筐体」又は「主筐体」と置き換え可能とすることができる。
これらの実施形態及び他の実施形態が、図1〜図35を参照して以下で論じられる。しかしながら、これらの図に関して本明細書で与えられる詳細な説明は、単に説明を目的とするものであり、限定するものとして解釈するべきではないことが、当業者には容易に理解されるであろう。
フレックスケーブルカバー
図1は、一部の実施形態による、電子デバイス100の前向き斜視図を示す。電子デバイス100は、ラップトップコンピュータとすることができる。電子デバイス100は、ヒンジ領域106内部のヒンジアセンブリによって、蓋部分104に枢動可能に接続することが可能な、基体部分102を含み得る。蓋部分104及び基体部分102は、電子デバイス100の異なる区画として言及することができる。蓋部分104は、ヒンジ領域106内部のヒンジアセンブリの支援の下で、基体部分102に対して、閉鎖位置から枢動して開放位置に留まり、再び枢動して戻ることができる。蓋部分104は、ディスプレイ108及び背面カバー110を含み得る。基体部分102は、上部ケース114に締結された底部ケース112を含み得る。上部ケース114は、ユーザからのフィンガジェスチャ入力を受け取るように構成することが可能な、キーボード116及びタッチパッド118などの、様々なユーザ入力デバイスに適応するように構成することができる。基体部分102及び蓋部分104はそれぞれ、電子デバイス100の内部構成要素を収容する、内部チャンバ若しくは空洞部を画定し得る。それゆえ、蓋部分104及び基体部分102は、内部構成要素用の筐体として機能し得る。フレックスケーブルなどのケーブル(視界から隠されている)は、基体部分102及び蓋部分104内部の内部構成要素を、電気的に結合することができる。それらのケーブルは、基体部分102及び蓋部分104内部の内部構成要素間の通信を提供することができ、かつ/あるいは、基体部分102及び/又は蓋部分104内部の内部構成要素に、電力を提供することもできる。
本明細書では、電子デバイス100などのヒンジ式電子デバイスと共に使用することが可能な、ケーブルアセンブリが説明される。これらのケーブルアセンブリは、ヒンジ式電子デバイスの移動の間、ケーブルを保護及び案内する、カバーを含み得る。一部の実施形態では、それらのカバーは、電子デバイスのユーザに対して可視である。例示として、図2は、第1部分206及び第2部分208を有する電子デバイス200の一部分の、斜視図を示すものである。一部の実施形態では、第1部分206は、蓋部分に相当し、第2部分208は、ポータブルコンピュータの基体部分に相当する。第1部分206は、電子デバイス200のヒンジアセンブリの一部とすることが可能な、マンドレル204を含む。カバー202及びカバー210を使用して、第1部分206と第2部分208とを電気的に接続するフレックスケーブルなどの、下に存在するケーブルを覆うことができる。一部の実施形態では、カバー202及びカバー210は、材料又は積層材料のシートの形態である。カバー202及びカバー210、並びに下に存在するケーブルは、第1部分206が第2部分208に対して枢動する際に、マンドレル204の表面の上で引き回される。
カバー202及びカバー210は、電子デバイス200のユーザに対して可視であり、下に存在するケーブルを視界から隠すことができる。それゆえ、カバー202及びカバー210は、審美的に好ましいものにするべきであると同時に、外部環境条件に晒されることによる損耗、及び電子デバイス200の開閉による損耗に耐えるために、十分な耐久性があるべきである。一部の実施形態では、カバー202及びカバー210は、マンドレル204と同じ色であり、マンドレル204もまた、ユーザに対して可視となり得る。例えば、カバー202/210及びマンドレル204は、それらカバー202/210及びマンドレルが一体部品として見えるような、調和する黒色を有し得る。他の実施形態では、カバー202及びカバー210は、マンドレル204とは異なる色を有することにより、審美的に好ましい対比効果がもたらされる。設計要件に従って、任意の好適な色の組み合わせを使用することができる。
図2に示される実施形態では、2つのカバー202及びカバー210が示されている。しかしながら、任意の好適な数のカバーを使用して、任意の好適な数のケーブルを覆うことができる。例えば、カバー202及びカバー210はそれぞれ、単一のケーブル若しくは複数のケーブルを覆うことができる。他の実施形態では、1つのカバーのみが使用されるか、又は3つ以上のカバーが使用される。一部の実施形態では、カバー202及びカバー210の一方のみが、ケーブル(1つ以上)を覆い、カバー202及びカバー210の他方は、いずれのケーブルも覆わない。一部の実施形態では、カバー202及びカバー210は、下に存在するケーブルよりも幅広である。一部の実施形態では、単一のカバーが、マンドレル204の可視表面全体にわたって広がることにより、マンドレル204の表面を覆う連続的カバーが、ユーザに提示される。
図3A及び図3Bは、一部の実施形態による、ヒンジ式電子デバイス300の断面図を示す。図3Aは、閉鎖状態での電子デバイス300の断面図を示し、図3Bは、開放状態での電子デバイス300の断面図を示す。電子デバイス300は、第2部分304に結合された第1部分302を含む。第1部分302は、蓋部分(又は、上側筐体部分)に相当し得るものであり、第2部分304は、電子デバイス300の基体部分(又は、下側筐体部分)に相当し得る。第1部分302及び第2部分304は、枢動線に対する共通の回転軸、又は枢動軸306を共有し得る。第1部分302及び第2部分304は、好適なヒンジ機構を介して、互いに枢動可能に結合することができる。例えば、ヒンジ機構は、ユーザによって加えられる開放力及び閉鎖力に対して、所定の抵抗を提供する、1つ以上のクラッチ機構を含み得る。厳密なヒンジ機構は、設計要件に応じて変化し得る。しかしながら、この枢動軸306の周りの普遍的領域を、電子デバイス300のヒンジ領域301と称することが可能である。
電子デバイス300は、第1部分302と第2部分304との間に電気通信を提供する、ケーブル310を含む。例えば、ケーブル310は、第1部分302の電子構成要素311と、第2部分304の電子構成要素312との間に、電気的接続を提供することができる。電子構成要素311は、第1筐体331上に取り付けられているディスプレイアセンブリ330と、電気的に通信することができる。ディスプレイアセンブリ330は、液晶ディスプレイ(liquid crystal display;LCD)及び/又は有機発光ダイオード(organic light-emitting diode;OLED)スクリーンなどの、電子デバイス300内で使用するための任意の好適なタイプのディスプレイを含み得る。電子構成要素312は、集積回路及び/又はプリント回路板を含み得るものであり、また、ディスプレイアセンブリ330を駆動するように構成された、タイミング制御機構を含み得る。電子構成要素312は、第2筐体305によって画定された空洞部308内部に収容されている。一部の実施形態では、ケーブル310は、第2筐体305内部のバッテリ(図示せず)から、ディスプレイアセンブリ330に、電力を提供する。ケーブル310は、フレックスケーブル、フレキシブルプリント回路板を含めた、任意の好適なタイプのケーブル、又は、部分302と部分304との間で電気信号を伝送するための、任意の好適な機構とすることができる。一部の実施形態では、ケーブル310は、単層フレックスケーブルであるが、しかしながら、多層フレックスケーブルを使用することもできる。単層フレックスケーブル310は、一部の場合には、ケーブル310のスタック高さを低減するために使用することができる。電子デバイス300は、任意の好適な数のケーブル310を含み得る。特定の実施形態では、電子デバイス300は、2つのケーブル310を含む。
ケーブル310は、クラッチ機構を通過することなく、第1部分302と第2部分304との間で、直接ルーティングすることも可能である点に留意されたい。それゆえ、第1部分302が第2部分304に対して枢動される際に、ケーブル310の移動を案内するための、いくつかの機構を使用することができる。例えば、ヒンジ領域301は、第1部分302の円筒様部分の形態とすることが可能な、マンドレル318を含み得る。図示のように、電子デバイス300が、図3Aの閉鎖状態から図3Bの開放状態に移動される際に、ケーブル310が、マンドレル318の湾曲面の上で引き回されることにより、ケーブル310の座屈又は褶曲が防がれる。すなわち、電子デバイス300が、図3Bに示される開放構成に回転される際に、ケーブル310の一部分は、マンドレル318の湾曲面に従って、湾曲形状を呈し得る。このマンドレル318の湾曲面は、枢動軸306に対して定義された半径Rを有するものであり、この半径Rは、ケーブル310がマンドレル318の上で引き回される場所で、一定のものとすることができる。あるいは、マンドレル318の表面は、ケーブル310が引き回される場所で、変化する半径を有し得る。一部の実施形態では、マンドレル318の表面は、フレックスケーブル310の諸区画に対応するように、区分化されている。一部の実施形態では、マンドレル318は、電子デバイス300の全幅に沿って延びている。一部の実施形態では、マンドレル318は、連続湾曲面を有するものであるが、他の実施形態では、マンドレル318は、実質的に平坦な区分を含み、この平坦な区分は、ケーブル310の対応する区画で、ケーブル310を実質的に平坦な構成に維持する。
図3Bを参照すると、ケーブル310は、マンドレル318の上に引き回されているため、ケーブル310は、電子デバイス300が開放状態にある場合、ヒンジ領域301で、ユーザに対して露出されることになる。それゆえ、通常であればユーザに対して露出されるであろう、ヒンジ領域301のケーブル310の側を、カバー322を使用して、覆い、かつ保護することができる。カバー322は、可撓性とすることができ、それゆえ、ケーブル310と同様に、電子デバイス300が、図3Bに示される開放構成に回転される際に、マンドレル318の湾曲面に従って、湾曲形状を呈し得る。
一部の実施形態では、マンドレル318の表面の半径又は湾曲状の性質は、電子デバイス300が開放構成と閉鎖構成との間で回転される間に、フレックスケーブル310に対して、利益を付与することができる。このマンドレル318の半径/湾曲面の設計は、フレックスケーブル310の一方向屈曲を推進するものであり、このことにより、フレックスケーブル310のサイクル寿命の最大化を助長し、フレックスケーブル310に課される屈曲応力を最小限に抑えることができる。フレックスケーブル310は、常に1つの方向で屈曲し、逆向きに反転することがない(すなわち、フレックスケーブル310は、マンドレル318の湾曲面が、ヒンジ領域301での最小屈曲半径を規定する助けとなることで、コイル状構成で巻き上がり、巻き広げられる)。一部の実施形態では、一方向屈曲は、双方向屈曲又は逆方向の周期性屈曲とは対照的に、フレックスケーブル310のサイクル寿命に関して最適な構成であり得る。同様の原理は、ねじりバネの効率的な設計にも見出され、その場合、バネの巻きは、常に単一方向でのみ屈曲する。更には、マンドレル318の湾曲面の設計は、コードのサービスループの動きを、容積効率的なスペース内に集約することを助長し得る。したがって、マンドレル318の湾曲面は、フレックスケーブル310を歪ませることを回避しつつ、又は、空洞部308内でループされる際にフレックスケーブル310に付与される屈曲応力を最小限に抑えつつ、第2部分304の空洞部308内に集約されるフレックスケーブル310に対して作用させることができる。
一部の実施形態では、電子デバイス300が、開放状態(図3Bを参照)と閉鎖状態(図3Aを参照)との間で回転される際、フレックスケーブル310を、単一方向にのみ屈曲するようにさせることができる。対照的に、複数の方向で屈曲するように設計され、容積効率的なスペース(例えば、空洞部308)内に集約されるフレックスケーブル310は、そのフレックスケーブル310の巻き上げ区画に対して、より多大な量の応力を課す恐れがある。一方向屈曲は、フレックスケーブル310に対する応力の量を著しく低減し、より優れたサイクル寿命及びパッケージングを助長するものである。
一部の実施形態では、フレックスケーブル310は、単一方向に沿って屈曲するものとして説明される。一部の実施形態では、方向とは、1つの箇所の、別の箇所に対する相対位置を指すものとすることができる。一部の実施形態では、方向とは、フレックスケーブル310の一箇所(又は、一区画)が、3次元空間内で、x座標、y座標、及びz座標に従って位置を変化させる場合の、並進運動を指すものとすることができる。一部の実施形態では、電子デバイスが、開放状態(図3Bを参照)から閉鎖状態(図3Aを参照)に移行する間、フレックスケーブル310の一箇所又は一区画は、同様の方向又は同様のベクトルにそって、湾曲面から更に遠く離れる方向に配置される場合がある。
一部の実施形態では、湾曲とは、フレックスケーブルの一箇所(又は、一区画)が、平坦又は直線状の線から逸脱する量を指すものとすることができる。例えば、電子デバイスが開放状態から閉鎖状態に移行する間、フレックスケーブル310の巻き上げ区画に沿って形成される湾曲の量は、その湾曲が平坦又は直線状の線から更に逸脱するように、(図3Aに示されるように)増大し得る。同様に、電子デバイスが閉鎖状態から開放状態に移行する間、フレックスケーブル310の巻き上げ区画に沿って形成される湾曲の量は、(図3Bに示されるように)減少し得る。
一部の実施形態では、フレックスケーブル310が屈曲する量は、第1部分302と第2部分304との間の現在角度と反比例し得る。一部の実施例では、マンドレル318の湾曲面は、第1部分302と第2部分304との間の角度が、90°を超えて枢動している場合とは対照的に、第1部分302が、第2部分304に対して90°未満の角度で枢動している場合に、より多大な量の(単一方向での)屈曲を、フレックスケーブル310に対して及ぼし得る。換言すれば、第1部分302と第2部分304との間の角度が減少して、電子デバイス300が、閉鎖構成を有するとして特徴付けられることに徐々に近づくにつれて、フレックスケーブル310の巻き上げ区画での屈曲の量は、増大し得る。
一部の実施形態では、第1部分302及び第2部分304は、約0°〜約300°の角度に従って、互いに対して枢動し得る。
一部の実施形態では、フレックスケーブル310の一区画は、第2部分304によって機械的に捕捉されている。一部の実施形態では、フレックスケーブル310の一区画は、第1部分302によって機械的に捕捉されている。機械的に捕捉されるという用語は、第1部分302又は第2部分304のいずれかの、エンクロージャ、張力付与機構、フック、若しくはキャスタレーションのうちの少なくとも1つによって、フレックスケーブル310のその一区画を取り囲むか、又は収容することを指すものとすることができる。
一部の実施形態では、電子デバイスが開放状態から閉鎖状態に移行する際に、第2部分304によって機械的に捕捉されているフレックスケーブル310の巻き上げ区画は、より一層、コイル状構成へと巻き上がることができる。一部の実施形態では、第1部分302によって機械的に捕捉されているフレックスケーブル310の一区画に対して及ぼされる屈曲の量は、第2部分304によって機械的に捕捉されているフレックスケーブル310の一区画に対して及ぼされる屈曲の量とは、無関係とすることができる。
一部の実施形態では、第1部分302によって機械的に捕捉されているフレックスケーブル310の一区画を、マンドレル318の湾曲面の上に引き回すことができる。図3Aに示されるように、第1部分302によって機械的に捕捉されているフレックスケーブル310の一区画は、概して直線状の形状を有し得る。一部の実施形態では、電子デバイス300が、閉鎖構成(図3Aを参照)から開放構成(図3Bを参照)に回転した後に、マンドレル318の湾曲面は、フレックスケーブル310がマンドレル318の湾曲面の上で引き回される際、フレックスケーブル310のこの区画上に形成される湾曲又は屈曲の量が増大するように、フレックスケーブル310に対して張力を及ぼすことができる。フレックスケーブル310の湾曲又は屈曲が、湾曲面の湾曲に対応するように、フレックスケーブル310を、単一方向で屈曲するようにさせることができる。マンドレル318の湾曲面は、枢動軸306に対して定義された、半径Rを有する。一部の実施形態では、マンドレル318の湾曲面は、フレックスケーブル310の最小屈曲半径を規定し得る。例えば、マンドレル318は、枢動軸306から10ミリメートルの半径を有する、湾曲面を有し得る。したがって、マンドレル318の湾曲面は、電子デバイス300が開放構成にある間、フレックスケーブル310が、少なくとも10ミリメートル以上の最小屈曲半径を有することを規定し得る。
図3Bを参照すると、フレックスケーブル310の巻き上げ区画は、第2部分304によって機械的に捕捉することができる。電子デバイス300が閉鎖構成から開放構成に移行するにつれて、第2部分304内部でフレックスケーブル310の巻き上げ区画が屈曲する量が減少し得ることにより、フレックスケーブルが徐々に巻き広げられる。開放構成では、マンドレル318の湾曲面と構造部材314とが協働して、より多大な量の張力をフレックスケーブル310に対して及ぼし得ることにより、屈曲の量が減少する。例えば、開放構成では、フレックスケーブル310の一方の側を、構造部材314の湾曲面に対して作用させることができる。このことは、構造部材314の湾曲面とは接触していないフレックスケーブル310の巻き上げ区画を有する、閉鎖構成(図3Aを参照)とは対照的である。一部の実施形態では、支持部材314の湾曲面は、フレックスケーブル310に対して及ぼされる(それら2つの構成要素が互いに接触する際の)摩耗の量を低減することができる。
更には、図3Bは、マンドレル318の湾曲面の設計が、フレックスサービスループの動きを、空洞部308内に集約することを助長し得ることを示す。したがって、マンドレル318の湾曲面は、フレックスケーブル310を歪ませることを回避しつつ、又は、空洞部308内にループされる際にフレックスケーブル310に付与される屈曲応力を最小限に抑えつつ、第2部分304の空洞部308内に集約されるフレックスケーブル310に対して作用させることができる。
一部の実施形態では、マンドレル318の湾曲面によってフレックスケーブル310に対して与えられる利益は、ヒンジ領域310でケーブル310の一方の側を覆い、かつ保護する、カバー322に対しても、同様に与えることができる。
カバー322の第1の端部322aは、電子デバイス300の第1部分302内部に配置することができ、カバー322の第2の端部322bは、電子デバイスの第2部分304内部に配置することができる。カバー322は、露出し得るものであるため、カバー322は、ユーザに対する直接的な露出に伴い得る損耗及び断裂に耐えるために、十分な耐久性がある材料で作製するべきである。例えば、カバー322は、ヒンジ領域301内部に挿入されるか又は落下する物体に、遭遇する場合がある。カバー322はまた、電子デバイス300が開放状態と閉鎖状態との間で移行する際に、ケーブル310と共に屈曲するように、十分に可撓性でもあるべきである。カバー322及びマンドレル318は、図2を参照して上述されたように、同じ色又は異なる色を有するなどの、特定の審美的魅力を有するように設計することができる。
カバー322用の材料を選択する際の別の考慮事項は、カバー322が、電子デバイス300の開放及び閉鎖の間に、どのように移動するかという点である。例えば、カバー322は、電子デバイス300が閉鎖(図3A)位置から開放(図3B)位置に移動する場合に、マンドレル318の上でカバー322が屈曲する際の抵抗力を生じさせる、固有の剛性及び弾性を有し得る。この抵抗力により、カバー322は、電子デバイス300が閉鎖(図3A)位置に戻される際に、その元の形状に戻ることができる。この方式で、カバー322は、ヒンジ領域301で皺又は座屈が生じることがない。すなわち、カバー322が、十分に剛性ではない材料で作製されている場合には、ヒンジ領域301で皺又は折れ目が生じる恐れがある。
このカバー322の剛性はまた、少なくとも部分的に、ケーブル310の移動も規定し得る。例えば、ユーザに対して露出されるカバー322の側を、第1の端部322a付近で、保持リブ307によって拘束し、第2の端部322b付近で、アンカー309によって拘束することができる。保持リブ307及びアンカー309は、電子デバイス300が閉鎖(図3A)位置と開放(図3B)位置との間で回転する際に、カバー322が不適当な位置に移動することを防ぎ、カバー322をケーブル310の上に保つ、保持機構としての役割を果たす。一部の実施形態では、アンカー309は、金属材料(例えば、ステンレス鋼)などの剛性材料で作製される。第1の端部322aは、例えば、接着剤、及び/又は1つ以上のネジなどの締結具を使用して、アンカー309に結合することができる。一部の実施形態では、保持リブ307は、電子デバイス300の開放及び閉鎖の間に、保持リブ307に沿ってカバー322が自由に滑動することを可能にする、フルオロポリマー材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標))などの、低摩擦材料を含む。すなわち、第2の端部322bは、繋ぎ止められておらず、ケーブル310及び保持リブ307に対して、自由に移動することができる。保持リブ307は、空洞部308の内側表面のリップ部328と協働して、空洞部308内部に、第2の端部322bを保持することができる。リップ部328は、第2筐体305の一体形成部分とすることができ、又は、空洞部308の内側表面に結合された、別個の部品とすることもできる。
家庭用電子デバイスに関する共通の問題点は、液体のこぼれなどの、ユーザによる偶発事故から、筐体内部の要素を保護することである。それゆえ、一部の実施形態では、シール326(図3Bに示す)を、空洞部308の開口部の内側表面に配置することができる。シール326は、空洞部308に、埃、塵などのゴミ、及び液体が入り込むことを、防止することができる。シール326は、カバー322と接触するか、又は近接して存在し得る。シール326は、空洞部308に液体が入り込むことを防ぐための低い表面張力、並びに、カバー322がシール326に対して自由に移動することができるような低摩擦性を有する材料で、作製することができる。シール326に好適な材料としては、フルオロポリマー材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン)などの材料を挙げることができる。一部の実施形態では、シール326は、リップ部328に結合することができるが、他の実施形態では、シール326が、リップ部328としての役割を果たす。一部の実施形態では、シール326は、ゴム、又は、低摩擦層を有する他の好適な材料である。
電子構成要素312に対するケーブル310の移動もまた、重要であり得る。例えば、第2部分304に対する第1部分302の回転の間、電子構成要素312への接続点313での、ケーブル310の移動は、ケーブル310の疲労を防ぐために、最小限に抑えられるべきである。これは、ケーブル310の過度の屈曲及び疲労により、ケーブル310が故障する恐れがあり、接続点313は、そのような疲労を特に被りやすい恐れがあるためである。それゆえ、隔離機構を使用して、接続点313に近接するケーブル310の諸部分を隔離することができる。そのような隔離機構は、ケーブル310を支持することが可能な、支持部材314を含み得る。一部の場合には、支持部材314は、電子構成要素312の一部である板、又は電子構成要素312に近接する板に取り付けられる。ケーブル310を、支持部材314の周りにルーティングすることができ、クリップ316を使用することにより、支持部材314にケーブル310を固定して、クリップ316と接続点313との間のケーブルの長さを、移動から隔離することができる。支持部材314は、ケーブル310が空洞部308の外に引き出される際に、ケーブル310を案内する、湾曲面を有し得る。
クリップ316と保持リブ307との間の、ケーブル310の非隔離区画は、第1部分302が第2部分304に対して回転される際に、自由に移動することができる。しかしながら、ケーブル310は、支持部材314の周りにルーティングされているため、ケーブル310は、凹状の湾曲を維持しており、このことは、ケーブル310が凹状湾曲と凸状湾曲との間で屈曲することを防ぎ、また、ケーブル310が所定の半径を下回って屈曲することを防ぐことにより、ケーブル310の疲労が低減される。この巻き付け構成により、電子デバイス300の回転の間の、比較的長い、ケーブル310の取り込みの長さが可能になると共に、ケーブル310に作用する応力を低減することができる。すなわち、ケーブル310は、空洞部308内で自由に「浮動する」ことができる。この巻き付け構成の別の利点は、ケーブル310を収容するために必要とされる、保持リブ307と第2筐体305の壁334との間の距離もまた、低減される点である。
一部の実施形態では、電子デバイス300は、空洞部308に空気流を出入りさせ、電子構成要素312、及び空洞部308内部に収容された他の構成要素を冷却するために好適な、通風間隙324を有する。通風間隙324は、ヒンジ領域301付近の、電子デバイス300の第1部分302と第2部分304との間に配置されている。冷却要件に応じて、通風間隙324は、特に電子デバイス300が閉鎖位置(図3A)にある場合に、ケーブル310を含めた、空洞部308内部の構成要素へのアクセスが可能となるほど、十分に大きいものとなる場合がある。それゆえ、空洞部308へのアクセスを制限するために、阻止部材320を使用することができる。阻止部材320は、第2筐体305の一体部分とすることができ、又は、第2筐体305に結合された、別個の部品とすることもできる。一部の実施形態では、阻止部材320は、通風間隙324に近接して、空洞部308内部の内側表面に結合されている。阻止部材320は、空洞部308の更なる通風を可能にするための、穴などの設備を有し得る。図示のように、ケーブル310は、ケーブル310が第2筐体部分304から出る際に、阻止部材320と保持リブ307との間にルーティングすることができる。
上述のように、カバー322は、電子デバイス300の開放の間、ケーブル310及びマンドレル318の上でカバー322が屈曲することを可能にするために、十分に可撓性の材料で作製されるべきである。しかしながら、カバー322はまた、電子デバイス300が再び閉鎖される際に、カバー322がその元の構成に戻るような、その屈曲に対する抵抗力を提供するために、十分に剛性かつ弾性でもあるべきである。例えば、枢動軸306と保持リブ307との間の、カバー322の区画は、電子デバイス300が閉鎖状態(図3A)に戻される際に、実質的に平坦に戻ることができる。カバー322はまた、カバー322に対して、横方向で対向する力が作用する場合の皺に抵抗するためにも、十分に剛性であるべきである。更には、カバー322は、電子デバイス300の外側表面を形成し得るため、カバー322は、切断力及び摩耗力に対して耐性であるべきである。一部の実施形態では、カバー322は、カバー322が、電子デバイス300の内部構成要素と電気的に干渉することを防ぐために、非導電性である。一部の実施形態では、カバー322は、複合繊維材料などの、単一の材料シートで作製される。例えば、カバー322は、ポリウレタンなどのポリマー内に埋め込まれるか、若しくはそのようなポリマーが注入される、ガラス繊維材料及び/又は炭素繊維材料の単一シートで作製することができる。一部の実施形態では、カバー322は、異なる材料の層を含む、積層シートである。
図4は、一部の実施形態による、積層カバー400の断面図を示す。カバー400は、耐摩耗層402及び構造層404を含み、これらの層の両側には、任意選択的な外側層406及び外側層408が隣接している。層402、層404、層406、及び層408は、互いに直接隣接させることができ、あるいは、接着剤層410、接着剤層412、及び接着剤層414などの、1つ以上の接着剤層を使用して、層402、層404、層406、及び層408を一体に結合することもできる。カバー400は、外側層406が、下に存在するケーブルを覆い、外側層408が、ユーザに視認可能となるように、電子デバイス内部に配置構成することができる。
耐摩耗層402は、ユーザに対する直接的な露出によってカバー400が遭遇する可能性がある、切断力、穿刺力、及び抉出力に抵抗するように構成することができる。耐摩耗層402はまた、上述のように、元の構成に戻るために必要な戻り力を作り出すための、十分な構造的剛性及び構造的弾性も有し得る。一部の実施形態では、耐摩耗層402は、基材内部に織り込まれた耐摩耗材料を含む。耐摩耗材料を基材に織り込むことにより、カバー400のz高さを低減することができる。一部の実施形態では、耐摩耗層402は、ケブラー(登録商標)などのパラアラミド合成繊維を含む。
構造層404は、耐摩耗層402の剛性が十分ではない場合に、カバー400に追加的な剛性を提供するために使用することができる。構造層404を、耐摩耗層402と併せて使用することにより、カバー400のz高さを低減することができる。構造層404は、カバー400に構造的剛性を付与する、任意の好適な材料で作製することができる。例えば、耐摩耗材料は、ポリウレタンなどのポリマー基材内部に埋め込まれた、ガラス繊維材料及び/又は炭素繊維材料とすることができる。一部の実施形態では、カバー400は、いくつかの構造的剛性層404を含む。
一部の実施形態では、耐摩耗層402もまた、カバー400に構造的剛性を付与するために、十分に剛性なものとすることができる。そのような場合には、カバー400は、構造的剛性を十分に提供する耐摩耗層402のみを、カバー400として含み得る。そのような場合には、耐摩耗層402の両表面が、カバー400に関する上側層及び下側層として機能する。耐摩耗層402が別の層(例えば、構造層404)と組み合わされる、一部の実施形態では、耐摩耗層402は、カバー400の可視部分に相当する外側(上側)層として機能し得る。一部の実施形態では、耐摩耗層402は、カバー400の不可視部分に相当する外側(底部)層として機能し得る。
一部の実施形態では、構造層404もまた、ポリマー基材内部に埋め込まれた、ガラス繊維材料及び/又は炭素繊維材料などの、耐摩耗材料で作製することができる。一部の実施形態では、カバー400は、フレックスケーブル(図3の310を参照)に、異質粒子からの耐穿刺性を付与する、構造層404のみを含み得る。そのような場合には、構造層404の両表面が、カバー400に関する上側層及び下側層として機能する。構造層404が別の層(例えば、耐摩耗層402)と組み合わされる、一部の実施形態では、この構造層は、カバー400の可視部分に相当する外側(上側)層として機能し得る。一部の実施形態では、構造層404は、カバー400の不可視部分に相当する外側(底部)層として機能し得る。
一部の実施形態では、耐摩耗層402及び構造層404は、カバー400を形成する単一層へと組み合わせることができる。例えば、このカバー400の単一層は、ポリマー基材内部に埋め込まれた、ガラス繊維材料及び/又は炭素繊維材料で構成され、カバー400を補強するための、パラアラミド合成繊維などの耐摩耗性基材を含むものとすることができる。
一部の実施形態では、カバー400は、外側層406及び外側層408を含む。外側層408は、カバー400の可視部分に相当し得るものであり、それゆえ、装飾層とすることができる。一部の実施形態では、外側層408は、対応するマンドレル表面の色と調和する色、又は対比する色を有することにより、そのマンドレル/カバーアセンブリに、審美的に好ましい仕上げが付与される。外側層408はまた、特定の平滑度、粗度、又は光沢度などの、所定のテクスチャも有し得る。外側層406は、構造層404を封止及び保護するために使用することができる。外側層406及び外側層408は、対応する構造層404及び/又は耐摩耗層402と、一体形成することができる。あるいは、外側層406及び外側層408は、それぞれ、接着剤層410及び接着剤層414を使用して、構造層404及び/又は耐摩耗層402に接着することもできる。一部の実施形態では、カバー400は、外側層406を含み、外側層408を含まないが、他の実施形態では、カバー400は、外側層408を含み、外側層406を含まないことに留意されたい。特定の実施形態では、外側層406及び外側層408は、ポリウレタンなどのポリマー材料で作製される。
張力付与機構を使用して、カバーの戻り力を置き換えるか、又は補うことができる。この張力付与機構によって提供される張力は、一定のものとすることができ、又は、カバーの移動と共に変化させることもできる。この張力付与機構を使用して、特定の(1つ以上の)方向で、カバーを引き寄せることができる。これらの実施形態のうちの一部が、図5A〜図5Cで示される。簡略性のために、図5A〜図5Cの断面図は、カバーによって覆われているケーブルを含まないものとする。しかしながら、図3A、図3Bを参照して上述されたように、そのようなケーブルを含めることができる点を理解されたい。
図5Aは、カバー502が、張力付与機構としての役割を果たす弾性区画504を有する、電子デバイス501の断面図を示す。弾性区画504は、カバー502が、マンドレル508の湾曲面506の上で屈曲される際に、カバー502に対して戻り力が及ぼされるように、第2筐体516と結合することができる。この戻り力は、ディスプレイ筐体507が開放位置から閉鎖位置に回転される際に、空洞部510に向けてカバー502を引き寄せる。
図5Bは、カバー502が渦巻ねじりバネ512に結合されている、電子デバイス503の断面図を示す。渦巻ねじりバネ512は、1つ以上の締結具又は接着剤を使用して、第2筐体516に結合することができる。渦巻ねじりバネ512は、その渦巻ねじりバネ512からカバー502が離れる距離に比例して、カバー502に対して戻り力を及ぼすことができる。
図5Cは、カバー502がコイルバネ514に結合されている、電子デバイス505の断面図を示す。コイルバネ514は、カバー502がマンドレル508の湾曲面506の上で屈曲される際に、カバー502に対して戻り力が及ぼされ、ディスプレイ筐体507が開放位置から閉鎖位置に回転される際に、空洞部510に向けてカバー502を戻すように、第2筐体516に結合することができる。
図5Dは、閉鎖位置での電子デバイス505の断面図を示すものであり、この場合、電子デバイス505は、板バネ518に結合されたカバー502を含む。板バネ518は、カバー502がマンドレル508の湾曲面506の上で屈曲される際に、カバー502に対して戻り力が及ぼされ、ディスプレイ筐体507が開放位置から閉鎖位置に回転される際に、空洞部510に向けてカバー502を戻すように、第2筐体516に結合することができる。
板バネ518は、図5Eに示されるような、実質的に片持ち式の梁を有する、バネ構造体を指すものとすることができる。図5Eは、カバー502が図5Dの板バネ518に結合されている、電子デバイス505の斜視図を示す。図5Eは、カバー502の各端部が、板バネ518に結合されていることを示す。板バネ518は、板バネ腕520及び固定点522を含み得る。固定点522は、板バネ腕520の長さに沿って中間の長さに、配置することができる。板バネ腕520は、2重板バネ腕を指すものとすることができる。図5Eに示されるように、2重板バネ腕520は、腕520の両端部に対する荷重によって、バランスが保たれている。2重板バネ腕520は、ディスプレイ筐体507が開放位置から閉鎖位置に回転される場合に、カバー502が空洞部510に向けて戻される際の、カバー502に対する一定量の引張力(TF)を提供することができる。これに反して、板バネ腕520は、引張力(TF)の方向に対向する、電子デバイス505に対する反作用力(RF)を提供することができる。電子デバイス内に、板バネ張力付与機構を実装することにより、その電子デバイスの構造体に対して、よりバランスの取れた荷重を付与することができる。更には、板バネ張力付与機構は、電子デバイスの構造体に対して付与されるであろうモーメント荷重/回転荷重を、ほぼ全く付与しないことが可能である。
図5Eは、板バネ腕520が、2つの端部を含む、単一の直線状金属ストリップ腕を含み得ることを示す。腕520の各端部は、カバー502の端部に取り付けられている。一部の実施形態では、板バネ腕520は、板バネ腕520を形成するように一体に取り付けられるか又はクランプ固定された、直線状若しくは若干曲線状の金属ストリップの、複数のストリップを含み得る。
板バネ518の腕は、一部の実施形態によれば、バネ鋼から製造することができる。バネ鋼とは、高い降伏強度を有する、鋼又は合金鋼を指す。バネ鋼が、そのバネ鋼を元の形状から逸脱させる、ねじり力又は偏向力を受ける場合、この高い降伏強度は、バネ鋼に、その元の形状に実質的に戻る能力を付与する。したがって、このバネ鋼は、ディスプレイ筐体507が開放位置から閉鎖位置に回転される場合に、カバー502が空洞部510に向けて戻される際の、カバー502対する戻り力を付与することができる。一部の実施例では、このバネ鋼は、約60ksi〜約150ksiの降伏強度を有し得る。KSIとは、任意の材料の最大抗張力を指す。1KSIとは、1000ポンド毎平方インチを指すものとすることができる。一部の実施形態では、このバネ鋼は、高いバネ定数を有し得る。
図5Eは、板バネ腕520が、実質的に直線状の構成を有し得ることを示すものであるが、一部の実施形態では、板バネ518の腕は、実質的に楕円形の構成を有し得る。
図5A〜図5Eの張力付与機構は、いくつかの利益をもたらし得る。例えば、張力付与機構は、カバー502を、マンドレル508の上で実質的に平坦に保つことにより、電子デバイス501の枢動移動の間の、カバー502の制御された移動を提供することができる。更には、張力付与機構は、電子デバイス300の枢動移動の間の、汚染材料(例えば、粒子、流体など)によるカバー502の詰まりを、防止又は軽減することができる。更には、張力付与機構は、カバー502がアンカー509の近位で横断する段差チャネル内部に、カバー502を保持することによって、カバー502に関する保持機構としての役割を果たし得る。図5A〜図5Eに示される張力付与機構の構成は、例示的なものであり、カバー502に戻り力を及ぼすための、任意の好適な機構、又は張力付与機構の任意の好適な組み合わせを使用することができる点に留意されたい。例えば、1つ以上の引張バネ、ねじりバネ、定荷重バネ、金属バネ若しくは金属屈曲部、弾性材料(例えば、織物材料又は一体材料)、及び/又は磁気機構を使用することができる。
図6は、一部の実施形態による、電子デバイスのヒンジ結合部分間にルーティングされたケーブルを保護するためのプロセスを示す、フローチャート600を示す。602で、ケーブルは、電子デバイスのヒンジ領域を通過して、第1部分と第2部分との間にルーティングされる。第1部分は、ディスプレイを有する蓋部分に相当し得るものであり、第2部分は、ラップトップコンピュータの基体部分に相当し得る。このケーブルは、第1部分内部の電子構成要素と、第2部分内部の電子構成要素とを、電気的に結合することができる。ヒンジ領域は、湾曲面を有するマンドレルを含み得る。このケーブルは、電子デバイスが閉鎖状態から開放状態に回転する際、マンドレルの表面の上でケーブルが引き回されるように、配置することができる。ケーブルの一方の表面は、電子デバイスが開放状態にある場合、その電子デバイスのヒンジ領域で露出し得る。このケーブルは、1つ以上のフレックスケーブルを含み得る。
604で、ケーブルの露出表面が、カバーで覆われる。このカバーは、電子デバイスが閉鎖状態から開放状態に回転される際、ケーブル及びマンドレルの上でカバーが引き回されるように、ケーブルの上に配置することができる。このカバーは、電子デバイスが閉鎖位置から開放位置に回転される際に、マンドレルの上でケーブルと共に屈曲するための、十分な可撓性と、電子デバイスが閉鎖位置に回転されて戻る際に、そのカバーを元の構成に戻す復元力を提供するための、十分な剛性とを有するものとして、特徴付けることができる。このカバーは、電子デバイスが開放状態にある場合に、通常であれば露出されるであろうケーブルの側を、覆うことができる。この方式で、このカバーは、電子デバイスのユーザに対して可視となり、切断力及び摩耗力などの外力に晒されるものとなり得る。それゆえ、このカバーはまた、切断及び/又は摩耗に対して耐性のある、耐久性材料で作製することもできる。一部の実施形態では、このカバーは、これらの機能性及び他の所望の機能性を実現するために、複数の材料層を有する。一部の実施形態では、このカバーは、そのカバーの可視部分に相当し、かつ、所定の色及び/又はテクスチャなどの、所望の審美的特性を有する、装飾層を含む。
マンドレルカバー
図7〜図9は、ケーブルばかりではなく、通常であればユーザに対して露出されるであろうマンドレルの諸部分も隠すように設計された、別のカバーの実施形態を示す。図7は、下に存在するケーブル(例えば、フレックス回路)及びマンドレルを、電子デバイス700のユーザの視界から隠すカバー702を有する、電子デバイス700のヒンジ部分の斜視図を示す。電子デバイス700は、電子デバイス700の第2部分708に枢動可能に結合された、第1部分706を含む。カバーは、下に存在するケーブルの上で引き回される、ケーブルカバー区画702aと、残余のマンドレル部分の上で引き回される、マンドレルカバー区画702bとを含む。すなわち、マンドレルカバー区画702bは、電子デバイス700が開放状態にある場合に、マンドレルが露出されることを防ぐ。この方式で、ケーブルカバー区画702a及びマンドレルカバー区画702bは、下に存在するマンドレル及びケーブルの、実質的に全ての部分を覆うことにより、整然として一貫性のある、魅力的な外観をもたらすことができる。一部の実施形態では、マンドレルカバー区画702bは、マンドレルに結合されており、電子デバイス700の枢動開閉動作の間、マンドレルに対して移動しない。
図8A及び図8Bは、一部の実施形態による、電子デバイス700内に組み付ける前の、カバー702の平面図を示す。図8Aは、接着剤802を塗布する前の、カバー702を示し、図8Bは、接着剤802が上に塗布されている、カバー702を示す。図示のように、カバー702は、ケーブルカバー区画702aが、マンドレルカバー区画702bから外に延出する、単一の材料片を含み得る。マンドレルカバー区画702bは、マンドレルの周りに、完全に又は部分的に巻き付き、その一方で、ケーブルカバー区画702aは、電子デバイス700の第2部分708内部に延出する。接着剤802を使用して、マンドレルカバー区画702bを、マンドレルに接着することができる。カバー702内部に、スリット800が切断されることにより、電子デバイス700の第2部分708に対する第1部分706の枢動移動の間、ケーブルカバー区画702aは、マンドレルカバー区画702bに対して自由に移動することが可能となる。
上述のように、カバー702は、電子デバイスの第2部分708に対する第1部分706の枢動の間に、皺又は折れ目が生じる恐れの少ない、可撓性材料(又は、材料の層)で作製することができる。更には、カバー702は、電子デバイス700のユーザに対する直接的な露出に伴い得る、損耗及び断裂に耐えるために、十分な耐久性がある材料で作製することができる。カバー702が、ケーブルカバー区画702a及びマンドレルカバー区画702bを含み、材料(又は、材料の層)の連続シートで作製されていることの利点の1つは、ケーブルカバー区画702a及びカバー702が、別個の材料片で作製された場合と比較して、何らかの位置合わせの誤差が生じる可能性を、低減することができる点である。一部の実施形態では、レーザを使用してスリット800を切断することにより、ケーブルカバー区画702aが、マンドレルカバー区画702bに緊密に隣接したまま維持され、ケーブルカバー区画702aとマンドレルカバー区画702bとの間に形成されるいずれの間隙も、ユーザに対して不可視となることを、確実にすることができる。更には、このレーザ切断の精細度により、カバー702の材料が、スリット800の縁部に沿ってほつれないことを、確実にすることができる。
図8A及び図8Bは、ケーブルカバー区画702aが、材料の2つの延出部分を含む実施形態を示すものである。しかしながら、他の実施形態では、ケーブルカバー区画702aは、設計要件に従って、1つの延出部分、又は3つ以上の縁出部分を含み得ることに留意されたい。更には、他の実施形態では、ケーブルカバー区画702aは、マンドレルカバー区画702bから完全に分離される。
図9は、一部の実施形態による、カバー702が中に組み付けられている、閉鎖状態での電子デバイス700の一部分の断面図を示す。電子デバイス700の第1部分706は、ヒンジ領域904の枢動軸902の周りで、電子デバイス700の第2部分708に対して枢動するように構成されている。カバー702は、ケーブル910の上に配置されて、ケーブル910を隠し、このケーブル910は、第2部分708の空洞部901内に入り込む。ケーブル910は、第1部分706と第2部分708との間に、電気通信を提供することができる。カバー702のケーブルカバー区画702aは、ケーブル910を覆い、その一方で、マンドレルカバー区画702b(点線)は、開放位置にある場合に、電子デバイス700のユーザに対してマンドレル908が不可視となるように、マンドレル908を覆う。マンドレルカバー区画702bは、例えば接着剤802を使用して、マンドレル908に結合することができる。
フレックスケーブルカバーに関する張力付与機構
図5A〜図5Eを参照して上述されたように、ディスプレイ筐体が開放位置から閉鎖位置に回転される際に、バネなどの張力付与機構が、カバーに戻り力を及ぼすことにより、カバーの移動を制御することができる。一部の実施形態では、このバネは、張力付与機構1004を形成するシャフトと組み合わせることができる。図10は、回転式張力付与機構1004に係合されたカバー1002を有する、電子デバイス1001の断面図を示す。張力付与機構1004は、引き込みバネに結合された円筒形シャフトを含み得る。この円筒形シャフトは、カバー1002を、その円筒形シャフトの外側表面の上で引き回すことができるように、カバー1002に対して垂直に配置することができる。引き込みバネは、シャフトに対して回転トルクを及ぼすように設計されることにより、その円筒形シャフトの表面の上でカバー1002を引き回して、カバー1002に張力を提供することができる。一部の実施形態では、この引き込みバネは、円筒形シャフトに対して、またそれゆえカバー1002に対して、実質的に一定の回転力を及ぼす、定荷重バネとすることができる。このバネは、コイルバネ、すなわち、予め応力が与えられている平坦なバネ材料のストリップとすることができ、このストリップは、それ自体の周りで、又はドラム上で、ほぼ一定の半径のコイルへと形成されている。ディスプレイ筐体1010が、開放位置から閉鎖位置に回転される際、張力付与機構1004は、カバー1002を、張力付与機構1004の湾曲外側表面の上で引き回すことにより、コンパクトかつ隔離された張力付与機構1004が可能となり得る。
カバー1002は、カバー1002の端部に配置された係合機構1014によって、張力付与機構1004に結合することができる。係合機構1014は、張力付与機構1004の外側表面の周り全体で、カバー1002を引き回すことができるように、張力付与機構1004内に埋め込むことができる。一部の実施形態では、係合機構1014は、カバー1002の拡張区画を含み得る。このカバー1002の拡張区画により、張力付与機構1004内のスロット内部に、カバー1002を保持することができる。
張力付与機構アセンブリ
図11A、図11Bは、張力付与機構アセンブリ1120を有する、電子デバイス1100の斜視図を示す。図11Aは、張力付与機構アセンブリ1120を、カバー1102の端部に機械的に結合することができることを示す。カバー1102は、マンドレル1108の湾曲面1106の上で引き回すことができる。張力付与機構アセンブリ1120は、フレーム1124、シャフト1128、バネ1130、及び大径ブッシング1126を含み得る。大径ブッシング1126により、シャフト1128及びバネ1130を、フレーム1124内部の一定の位置に捕捉することができる。
一部の実施形態では、バネ1130は、コイルバネ、すなわち、予め応力が与えられている平坦なバネ材料のストリップを指すものとすることができ、このストリップは、それ自体の周りで、又はドラム上で、ほぼ一定の半径のコイルへと形成されている。一部の実施形態では、バネ1130は、個別に接合された2つのバネコイルを指すものとすることができ、それらのバネコイルは、それらの対応する端部で、互いに結合されている。張力付与機構アセンブリ1120内部のバネ1130として実装することが可能な、コイルバネの1つの例は、渦巻ねじりバネ512(図5Bを参照)である。
図11Bは、組み立てられる前の、張力付与機構アセンブリ1120の個別構成要素(例えば、1124、1126、1128、1130、1132)の斜視図を示す。図11Bは、張力付与機構アセンブリ1120を、カバー1102の端部に機械的に結合することができることを示す。カバー1102は、マンドレル1108の湾曲面1106の上で引き回すことができる。図11Bは、張力付与機構アセンブリ1120が、c字切り欠き部1132を有するフレーム1124を含み得ることを示す。c字切り欠き部1132は、フレーム1124から機械加工することができる。張力付与機構アセンブリ1120は、バネ1130及びシャフト1128を更に含み得る。更には、張力付与機構アセンブリ1120は、大径ブッシング1126を含み得る。シャフト1128は、c字切り欠き部1132の開口部の寸法内に嵌め込むために十分な、小さい直径(あるいは、形状及びサイズ)を有し得る。シャフト1128を、c字切り欠き部1132の開口部内に嵌め込んだ後、シャフト1128のキャップを外して、大径ブッシング1126で固定することができる。したがって、図11Bは、張力付与機構アセンブリ1120の構成要素を、電子デバイスの空洞部の外側で組み立てることができることを示す。その後に、張力付与機構アセンブリ1120を、電子デバイス1100の空洞部(図5の510を参照)内に装着することができる。大径ブッシング1126により、シャフト1128及びバネ1130を、フレーム1124のc字切り欠き部1132内部で、定位置に捕捉(又は、係止)することができる。したがって、シャフト1128もまた、適所に捕捉(又は、係止)されることになる。一部の実施形態では、大径ブッシング1126は、バネ縁部、スナップ、軽い締り嵌め、又は他の保持機構を使用することによって、シャフト1128の定位置に捕捉することができる。
張力付与機構アセンブリ1120の様々な構成要素を含むように、構造フレーム1124を使用することによって、張力付与機構アセンブリ1120は、電子デバイスとは独立して組み立てることができる。張力付与機構アセンブリ1120の様々な構成要素(例えば、1124、1126、1128、1130、1132)のうちの少なくとも1つ以上は、小さく、かつ複雑なものであり得るため、アセンブリ内に組み付けることは、電子デバイス1100内部に嵌め込む前の、張力付与機構アセンブリ1120の試験を可能にし得る。この方式で、張力付与機構アセンブリ1120に関するあらゆる欠陥又は混乱を、隔離環境で検出することができる。
図11Cは、張力付与機構アセンブリ1120の断面図を示す。図11Cは、張力付与機構アセンブリ1120の様々な構成要素(例えば、1124、1126、1128、1130、1132)が組み立てられた後、大径ブッシング1126が、電子デバイス1100の構造体の外側に移動することができないように、大径ブッシング1126を、フレーム1124内部に捕捉することができることを示す。
図11Dは、一部の実施形態による、ねじりバネ張力調整器具1130を有する、張力付与機構アセンブリ1120の斜視図を示す。ねじりバネ張力調整器具1130は、2重ねじりバネを指すものとすることができる。従来技術では、接続されていない2つの個々のバネは、それらに荷重が加えられると、それらのコイル軸に対して垂直に回転し得る。しかしながら、そのような構成は、内部のシャフトの摩擦を誘発し、個々のバネに対する応力を誘発する恐れがある。図11Dは、2重ねじりバネが、互いに結合することが可能な、2つの逆向き巻回バネ1140、1150を指すことを示すものである。バネ1140の端部をバネ1150の端部に接続することによって、個々のバネに対する応力、及び内部のシャフトの摩擦が、最小限に抑えられるか若しくは排除されることにより、このバネ機構は、よりバランスの取れた、より安定したものになる。
フレックスケーブルカバーに関する張力付与機構
図12A〜図12Cは、カバーの例示的な保持機構の斜視図を示す。図12Aは、張力付与機構1204と係合するように構成された保持機構1202を有する、カバー1201を示す。保持機構1202は、張力付与機構1204のスロット1206に通過させて保持機構1202を引き抜くことができないような、十分な厚さ「t」を有する部分を含む。一部の実施形態では、保持機構1202の形成の前に、カバー1201を、張力付与機構1204内のスロット1206に通過させる。スロット1206からカバー1201を引き戻すことができないように、厚さ「t」を有する保持機構1202を、カバー1201の一部分上に形成する。カバー1201及び保持機構1202を、スロット1206内に引き戻すことにより、保持機構1202とスロット1206とを係合させることができる。
保持機構1202は、カバー1201の残余区画1212の上に折り重ねられて固定されることにより、ヘムを形成する、第1区画1210を含み得る。このヘムが作り出す増大した厚さ「t」は、張力付与機構1204内のスロット1206から、カバー1201が係合解除されることを防ぐ。一部の実施形態では、第1区画1210は、接着剤を使用して、残余区画1212に固定することができる。この接着剤は、ヘムを形成するカバー材料の積み重ね層、すなわち保持機構1202の積み重ね層の間に配置された、熱活性化接着剤とすることができる。この熱活性化接着剤を、カバー材料上に配置することができ、カバーの組み立ての間に、その折り重ね区画に熱を加えることができる。一部の実施形態では、第1区画1210は、保持機構1202を形成するカバー材料の積み重ね層を貫通して縫い付けられる、縫い目1214を通じて、残余区画1212に固定される。縫い目1214は、特に、接着剤のために利用可能な表面積が最小限度である場合に、接着剤よりも向上した剪断強度を提供することができる。更なる実施形態では、縫い目1214及び接着剤の双方を使用して、それらカバー材料の層を固定することができる。
更には、スロット1206は、カバー1201がスロット1206を通って引き戻される際に、保持機構1202に対して圧縮力を発生させる、くさび形区域1217を含み得る。この圧縮力により、接着されたカバー材料の層間の剪断強度を向上させることができ、保持機構1202が分離する可能性を低下させることができる。スロット1206の幅は、保持機構1202を有さないカバー1201が、スロット1206を通過することが可能となるように、選択することができる。一部の実施形態では、スロット1206の幅は、カバー1201の厚さよりも大きくすることができる。保持機構1202の厚さ「t」は、保持機構1202が、スロット1206を通過することができないように、選択することができる。保持機構1202の所望の厚さ「t」は、スロット1206を保持機構1202が通過することを防ぐと同時に、保持機構1202が、くさび1216内に埋め込まれた状態で位置することが可能となるように、選択することができる。
図12Bは、保持機構1218の厚さ「t」を増大させる、カバー材料の複数の折り畳み区画を有する、カバー1203を示す。2つの折り畳みが示されているが、任意数の折り畳みを使用して、保持機構1218の所望の厚さ「t」を達成することができる。複数の折り畳み区画によってもたらされる、この厚さの増大により、張力付与機構内のスロット内部での、保持機構1218の潜動又は滑りを減少させることができる。折り畳み層は、縫い目又は接着剤、若しくはそれら2つの組み合わせを使用して、固定することができる。
図12Cは、一部の実施形態による、保持機構1220を有するカバー1205を示す。保持機構1220は、ピンなどの、着脱可能な拡張要素1222を含み得る。ピン1222は、カバー1205の組み立てプロセスの間に、対向するカバー1205の取り付け場所などの基準面に対する、保持機構1220の場所を設定するために配置することができる。ピン1222の周りにヘムを形成することにより、保持機構1220を形成することができる。このヘムは、接着剤、縫い目、又は任意の同様の固定方法を使用して、固定することができる。着脱可能な拡張要素1222を使用することにより、カバー1205及び張力付与機構の組み立てとは異なる別個のプロセスで、保持機構1220を形成することが可能となる。
ピン1222は、張力付与機構にカバー1205を組み付ける間、取り外すことができる。張力付与機構内のスロットは、ピン1222を有さない保持機構1220が通過することを可能とするように、サイズ設定することができる。次いで、ピン1222を保持機構1220内に装着して、保持機構1220を拡張することができ、それにより、保持機構1220は、スロットを通過して戻ることが不可能となるため、張力付与機構に保持機構1220が係止される。
図13は、張力付与機構の反対側で、カバー1304を固定するために使用される、例示的なアンカー1302の斜視図を示す。アンカー1302は、カバー1304を、電子デバイスの蓋部分に固定することができ、カバー1304の反対側に配置された張力付与機構に関するアンカーを提供することができる。カバー1304は、接着剤、フック、キャスタレーション、又は他の機械的インターロックを介して、アンカー1302に固定することができる。一部の実施形態では、アンカー1302は、フック1306を含む。フック1306は、カバー1304内のスリット1308を貫通して、フック1306が突出することにより、カバー1304とアンカー1302との間に機械的インターロックが形成されるように、アンカー1302上に配置することができる。接着剤を、フック1306と組み合わせて使用して、カバー1304がアンカー1302の表面に接触する場所に配置することができる。アンカー1302の周りにカバー1304を巻き付けることにより、アンカー1302にカバー1304を結合する、接着剤のために利用可能な表面積を増大させることができる。カバー1304に関して、高抗張力材料を使用する場合、このカバー1304とアンカー1302との間の機械的インターロックにより、装着後にカバー1304が潜動又は滑ることを防ぐために十分な強度を提供することができる。一部の実施形態では、フック1306の幾何学形態は、張力下での屈曲に抵抗するように、かつ、カバー1304の装着の容易性と、フック1306からカバー1304が引き外されることに対する抵抗性とのバランスを取るように、選択することができる。フック1306は、キャスタレーションを形成する、スリット1308を含み得る。キャスタレーションは、装着の間、カバー1304を捕捉することにより、カバー1304がフック1306から引き外されることに、抵抗することができる。フック1306のネック1310とフック1306の幅1313との関係として定義される、フック比率は、フック1306の屈曲強度、布装着の容易性、及びフック1306からカバーが引き外されることに対する抵抗性のバランスを取るように、選択することができる。更には、キャスタレーションの高さ、すなわち、キャスタレーションの布厚開口部は、カバー1304の厚さの変動に適応するように、選択することができる。
マンドレルの異質粒子処理構成要素
図14〜図17は、様々な実施形態による、ヒンジ式電子デバイスの異質粒子処理構成要素を参照するものである。
図3A、図3Bを参照して上述されたように、ヒンジ式電子デバイスは、開放位置から閉鎖位置に回転することができる。図14A、図14Bは、それぞれ、一部の実施形態による、ヒンジ式電子デバイス1400の断面図、及びヒンジ式電子デバイス1400のマンドレルの一部分の代替断面図を示す。
図14Aは、閉鎖構成でのヒンジ式電子デバイス1400を示す。このヒンジ式電子デバイスは、第1部分1402及び第2部分1404を含む。ケーブル1410は、電子デバイス1400が、開放構成から閉鎖構成に回転される際に、マンドレル1418の湾曲面に従って、湾曲形状を呈し得る。ケーブル1410は、第1部分1402の電気構成要素1411と、第2部分1404の電子構成要素1412との間に、電気的接続を提供することができる。
電子デバイス1400が、(図3Bに示されるような)開放構成にある場合、異質粒子1442が、カバー1422の底面とマンドレル1418の表面1420との間に堆積する恐れがあり、それにより、粒子1442が閉じ込められるか、又は詰まることになる。一部の実施例では、粒子1442は、ケーブル1410とマンドレル1418の上側表面との間に堆積する場合がある。一部の実施例では、異質粒子1442は、通風間隙1424、又はヒンジ式電子デバイス1400の隙間によって導入される場合がある。粒子1442の例としては、砂、砂糖、塩、ゴミ、及び、電子デバイス1400の通常の使用中に遭遇する、他の同様の粒子を挙げることができる。一部の場合には、粒子1442は、硬く鋭利な表面を有し、一般には、変形可能性が高いものではない。一部の場合には、粒子1442は、約10マイクロメートル〜1ミリメートルのサイズの範囲とすることができる。カバー1422とケーブル1410及び/又はマンドレル1418との間に堆積した粒子1412を有することは、粒子1442が、カバー1422及びケーブル1410を貫通若しくは抉出することによって、ヒンジ式電子デバイス1400に対する損傷を引き起こす恐れがあるという点で、望ましくないものであり得る。一部の実施例では、ヒンジ式電子デバイスが閉鎖構成から開放構成に移行する際に、ケーブル1410又はカバー1422は、マンドレル1418の表面の周りに巻き付きながら、張力を受けることができる。したがって、カバー1422とケーブル1410及び/又はマンドレル1418の表面との間に詰まっている粒子1442の、硬く鋭利な表面が、これらの構成要素に擦り付けられることにより、カバー1422及び/又はケーブル1410の、早期の故障及びほつれを引き起こすことになる。更には、一部の実施例では、ヒンジ式電子デバイスの第1部分1402と第2部分1404との間の回転が、頻繁に繰り返されることにより、カバー1422及びケーブル1410に対する(これらの構成要素に対して粒子1442が突出する場合の)損傷が、更に悪化する恐れがある。
異質粒子1442の処理に取り組むものとして、図14Bは、電子デバイス1400が、一部の実施形態によれば、マンドレル1418(図14Bを参照)の外側表面1420に沿って配置されたチャネル又は経路又はトラフ1440を含み得る、マンドレル1418を含むことを示す。チャネル1440の開口部又は入口1436は、様々なサイズの異質粒子に適応するように、十分に大きいものとすることができる。一部の実施例では、入口1436の平均幅は、約2mmの幅とすることができる。他の実施例では、入口1436の平均幅は、1ミリメートル〜2ミリメートルとすることができる。他の実施例では、入口1436の平均幅は、約2ミリメートル〜約3ミリメートルとすることができる。
一部の実施形態では、マンドレル1418の表面1420は、帯電防止コーティング又は帯電防止剤を含み得る。この帯電防止剤により、マンドレル1418上での静電気の蓄積を、低減又は排除することができる。マンドレル1418の表面1420上に帯電防止剤を適用することによって、表面1420に沿った塵又は埃の粒子の低減もまた、促進することができる。
ヒンジ式電子デバイス1400の外部表面と通風間隙1424との間の距離は、マンドレル1418の寸法値にわたる、距離「d」によって表される。
図14Bは、一部の実施形態による、ケーブル1410及びフレックスカバー1422に隣接する、マンドレル1418の代替断面図を示す。図14Bに示されるように、ケーブル1410は、マンドレルの外側表面1420の一部分に対して引き回されている。チャネル1440に入口1436を設けるために、外側表面1420の諸部分を切り取ることができる。一部の実施形態では、ケーブル1410の下側表面は、チャネル1440の入り口1436を覆い隠すことも、又は封鎖することもない。したがって、粒子1442は、より容易に入口1436を通過することができる。他の実施形態では、表面1420に対するケーブル1410の移動又は摩擦運動によって、粒子1442を、入口1436内に押し込むことができる。一部の実施例では、ケーブル1410とマンドレル1418の外側表面1420との間に、粒子1442が詰まっている場合、ケーブル1410とマンドレル1418との間で摩擦運動を繰り返すことにより、粒子1442を、マンドレル1418の表面1420に沿って、入口1436に向けて押圧するか又は突き動かすことができる。したがって、開放構成と閉鎖構成との間で、このヒンジ式電子デバイスを繰り返し移行させることにより、入口1436に向けて粒子1442を駆動することを、促進することができる。一部の実施形態では、入口1436に向けて粒子1442を駆動することは、意図的な移動とすることができる。他の実施形態では、この駆動機序は、無作為のものとすることができる。その後、粒子1442は、重力を介して経路1440を通過することができる。
図14Bに示されるように、一部の実施形態によれば、間隙「G」(又は、分割部)により、ケーブル1410の基底表面と、マンドレル1418の外側表面1420とを隔てることができる。間隙「G」は、粒子1442が、ケーブル1410と外側表面1420との間に詰まることが不可能となるように、十分に小さくすることができるが、間隙「G」はまた、ケーブル1410が、マンドレル1418の表面1420を摩耗させるか、又はマンドレル1418の表面1420に擦り付けられることを防ぐために、十分に大きくすることも可能である。一部の実施形態では、ケーブル1410とマンドレル1418の外側表面1420との間の間隙「G」は、ヒンジ式電子デバイス1400が開放構成と閉鎖構成との間で移行する間の、ケーブル1410の緩みの量又は張力の量に応じて、拡張することもできる。一部の実施形態では、ヒンジ式電子デバイス1400が、開放構成に向けて徐々に方向付けられるにつれて、ケーブル1410とマンドレル1418の外側表面1420との間の間隙「G」は、ケーブル1410の張力の量が増大することにより、徐々に減少し得る。
図14Bに示されるように、チャネル1440は、一部の実施形態によれば、表面1420に沿って、均等に離隔配置されている。他の実施形態では、チャネル1440は、表面1420に沿って、不規則に、又は不均等な方式で、間隔を置くことができる。チャネル1440によって粒子が捕捉されると、粒子1442は、入口1436から、表面1420の別の部分上に配置されている出口1426に到達するまで、チャネル1440の長さに沿って通過することができる。一部の実施形態では、出口1426は、粒子1442が通風間隙1424を通って落下することができるように、通風間隙1424に隣接して配置することができる。他の実施形態では、粒子1442が、マンドレル1418のチャネル1440を通過して送り込まれるように、そのデバイスに搭載のファン、又は空気圧縮機によって、粒子1442を支援することができる。すなわち、粒子1442が、出口1426を介してチャネル1440から外に吐出されるように、チャネル1440を、強制空気供給源に接続することができる。
図15A、図15Bは、ヒンジ式電子デバイス1500内に堆積した異質粒子を処理するための構成要素の、別の実施形態を示す。図15A、図15Bは、それぞれ、一部の実施形態による、ヒンジ式電子デバイス1500の斜視図及び断面図を示す。図15Aは、閉鎖構成でのヒンジ式電子デバイス1500を示す。ヒンジ式電子デバイス1500は、第1部分1502及び第2部分1504を含み得る。ヒンジ式電子デバイス1500は、第1部分1502と第2部分1504との間に電気通信を提供することが可能な、ケーブル1510を含み得る。図15Aに示されるように、この電子デバイスが閉鎖構成にある場合、ケーブル1510が座屈又は褶曲することを防ぐために、マンドレル1518の湾曲面の上で、ケーブル1510を引き回すことができる。それゆえ、ケーブル1510の一部分は、マンドレル1518の湾曲面に従って、湾曲形状を呈し得る。マンドレル1518は、通風間隙1524に隣接して配置することができる。
マンドレル1518は一部の実施形態によれば、高い圧縮度を有し、かつ反発力を有する、軟質材料から製造することができる。マンドレル1518が、応力又は歪みエネルギーに晒される場合、マンドレル1518の材料は、その応力源が取り除かれると、その元の形状又は幾何学形態に、実質的に戻ることが可能である。このマンドレル1518の組成により、粒子がケーブル1510に接触して、ケーブル1510に損傷又は早期の故障を引き起こすことを、防ぐことができる。軟質マンドレル1518は、マンドレル1518に対して加えられた、粒子1542の圧縮力又は圧力を、均等に分散させることができる。一部の実施形態では、マンドレル1518の材料は、粒子1542が、マンドレル1518の表面1520に対して押圧される場合、高度の圧縮力を呈し得る。一部の実施例では、マンドレル1518の外側表面1520と、ケーブル1510の基底表面との間に、粒子1542が、詰まるか又は閉じ込められる場合がある。粒子1542が、マンドレル1518の表面1520に対して押圧されるか、又は突き動かされるにつれて、粒子1542の表面は、実質的に、マンドレル1518の表面1520と、より面一となることにより、マンドレル1518の表面1520に対して突出する粒子1542の部分は、実質的に最小限に抑えられるか又は全く存在しない。したがって、ケーブル1510がマンドレル1518の湾曲外側表面1520の上で引き回される際、詰まっている粒子は、マンドレル1518の外側表面1520に対して圧迫されることにより、それら詰まっている粒子1542は、ケーブル1510の基底表面に対して、もはや突出することも又は貫通することもない。
一部の実施例では、マンドレル1518の軟質材料は、ゴム硬度に関する20のショアA硬度を有し得る。このショアA硬度は、材料の硬度、又は恒久的な圧痕に対する抵抗性の、1つの尺度である。デュロメータを使用して、ショア硬度を測定することができる。一実施例では、デュロメータは、材料に対して加えられた所定量の力又は圧力によって作り出される、材料内の圧痕の深さを測定することができる。一般的には、ショアA硬度は、0〜100の範囲とすることができ、0のショアA値は、その材料が一般に極度に軟質であるとして説明可能であることを、示すものである。対照的に、100のショアA値は、その材料が一般に極度に硬質であるとして説明可能であることを、示すものである。例として、マンドレル1518の材料は、シリコーンゴム、ポリウレタン、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴムなどを含めた、1種以上のエラストマー様化合物で構成することができる。一部の実施形態によれば、このマンドレルは、圧縮成形することができる。
マンドレル1518に対して加えられている圧力源(例えば、粒子1542)が取り除かれると、マンドレル1518は、加えられた圧力に対して、「反発する」か又は「押し返す」ことが可能であり得るため、経時的に、このマンドレルは、実質的に、その元の成形形状及び/又は成形形態に戻ることになる。他の実施形態では、マンドレル1518は、粒子1542を徐々に通風間隙1524に向けて押し出すことが可能な材料で、作製することができる。
図15Bは、一部の実施形態による、マンドレル1518の断面図を示す。図15Bは、マンドレル1518の外側表面1520に沿って堆積した、粒子1542を示す。この粒子が、マンドレル1518の外側表面1520に対して押圧されると、マンドレル1518が圧迫される場合がある。図15Bに示されるように、粒子1542は、マンドレル1518の外側表面1520に沿った、実質的にあらゆる部分にわたって堆積し得る。マンドレル1518の材料は、粒子1542によって加えられた力/圧力を、マンドレル1518の表面全体にわたって、等しい量で分散させることができる。図15Bに示されるように、一部の実施形態によれば、間隙「G」により、ケーブル1510の基底表面と、マンドレル1518の外側表面1520とを隔てることができる。間隙「G」は、一部の実施形態では、粒子1542が、ケーブル1510と外側表面1520との間に詰まることが不可能となるように、十分に小さくすることができる。他の実施形態では、ケーブル1510と外側表面1520との間の間隙「G」は、粒子1542に適応することができる。ヒンジ式電子デバイス1500が閉鎖構成から開放構成に移行する際に、ケーブル1510は、マンドレル1518の湾曲面の周りに、徐々に巻き付くことができる。ヒンジ式電子デバイス1500が、開放構成に向けて徐々に方向付けられるにつれて、ケーブル1510とマンドレル1518の外側表面1520との間の間隙「G」は、ケーブル1510の張力の量が増大することにより、徐々に減少し得る。間隙「G」が減少するにつれて、間隙「G」内に詰まっているあらゆる異質粒子1542を、ケーブル1510によって、マンドレル1518の表面1520に対して駆動するか、又は突き動かすことができる。粒子1542を、外側表面1520内部に圧迫して、軟質マンドレル1518の材料によって取り囲むことができる。したがって、ケーブル1510の基底表面とマンドレル1518とが繰り返し擦り付けられても、ケーブル1510に対する粒子の貫通又は抉出が引き起こされることはない。一定期間の後、マンドレルの軟質材料は、一部の実施形態によれば、マンドレル1518の外側表面1520が、その元の成形形状を回復し得るように、「反発する」か、又は粒子1542を押し出すことができる。
図16A、図16Bは、ヒンジ式電子デバイス1600内に堆積した粒子を処理するための構成要素の、別の実施形態を示す。図16A、図16Bは、それぞれ、一部の実施形態による、ヒンジ式電子デバイス1600の斜視図及び断面図を示す。図16Aは、閉鎖構成でのヒンジ式電子デバイス1600を示す。電子デバイス1600は、第1部分1602と第2部分1604との間に電気通信を提供する、ケーブル1610を含む。例えば、ケーブル1610は、第1部分1602の電子構成要素1611と、第2部分1604の電子構成要素1612との間に、電気的接続を提供することができる。ケーブル1610は、ケーブル、フレキシブルプリント回路板を含めた、任意の好適なタイプのケーブル、又は、部分1602と部分1604との間で電気信号を伝送するための、任意の好適な機構とすることができる。ケーブル1610は、一体部品構成を形成するように、織物ラミネート層1660に接合することができる。一部の実施形態では、織物ラミネート層1660の上側表面は、織物ラミネート層1660及びケーブル1610の双方が並行して移動するように、ケーブル1610の選択部分に沿って、ケーブル1610の基底表面に接合することができる。一部の実施例では、この並行移動は、ヒンジ式電子デバイス1600が、ヒンジ1606の周りで、閉鎖構成から開放構成に回転される際に見られるものであり、それにより、織物ラミネート層1660は、ケーブル1610と並行して移動することができる。一部の実施形態では、織物ラミネート層1660もまた、第2部分1604の保持リブ1607、及び第1部分1602のアンカー1609に繋ぎ止められるように、織物ラミネート層1660は、ケーブルの長さで延在し得る。他の実施形態では、織物ラミネート層1660は、マンドレル1618に接触し得る可能性が高いケーブル1610の部分にのみ(すなわち、マンドレルの湾曲面に沿って)、接合することができる。
ケーブル1610に接合される織物ラミネート層1660の寸法は、一部の実施形態によれば、ケーブル1610の寸法を反映し得る。一部の実施例では、織物ラミネート層1660の幅及び長さは、ケーブル1610の基底表面全体に関する物理的障壁を提供するために、十分に広く、かつ十分に長いものである。織物ラミネート層1660は、ヒンジ式電子デバイス1600に開放構成がもたらされる際に、マンドレル1618の上で引き回され、結果として屈曲し得る。一部の実施形態では、一体部品構成を形成するように、ケーブル1610に織物ラミネート層1660を接合することにより、増大した剛性、及びほつれに対する抵抗性を、ケーブル1610に付与することができる。
織物ラミネート層1660は、電子デバイス1600が閉鎖構成から開放構成に移動される場合に、織物ラミネート層1660がマンドレル1618の上で屈曲される際の抵抗力を生じさせる、固有の剛性及び弾性を有し得る。一部の実施形態では、織物ラミネート層1660は、ケーブル1610に接合又は結合されているため、織物ラミネート層1660もまた、例えば閉鎖構成から開放構成に移行する間に、張力を受けて、座屈又は褶曲することが防がれる。
織物ラミネート層1660は、第1の端部1650a付近で、接続点1613によって電子構成要素1612に拘束することができ、第2の端部1650b付近で、アンカー1609によって拘束することができる。接続点1613及びアンカー1609は、電子デバイス1600が閉鎖構成と開放構成との間で回転する際に、織物ラミネート層1660が不適当な位置に移動することを防ぎ、ケーブル1610に対して織物ラミネート層を固定された向きに保つ、保持機構としての役割を果たす。第2の端部1650bは、例えば、接着剤、及び/又は1つ以上のネジなどの締結具を使用して、アンカー1609に結合することができる。一部の実施形態では、アンカー1609は、電子デバイス1600の開放及び閉鎖の間に、アンカー1609に沿って織物ラミネート層1660が自由に滑動することを可能にする、フルオロポリマー材料(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標))などの、低摩擦材料から製造することができる。電子構成要素1612に対する織物ラミネート層1660の移動もまた、設計上の考慮事項に関して重要であり得る。例えば、第2部分1604に対する第1部分1602の回転の間、織物ラミネート層1660の疲労を防ぐために、第1の端部1650a及び第2の端部1650bが、アンカー1609及び接続点1613に結合されている場所での、織物ラミネート層1660の移動を、最小限に抑えることができる。
織物ラミネート層1660は、織物ラミネート層1660と接触し得るマンドレルの表面、外部粒子、又は電子デバイスの任意の他の構成要素に対する、直接的な露出に伴い得る、損耗及び断裂に耐えるために、十分な耐久性があるように、耐摩耗性とするべきである。織物ラミネート層1660は、実質的に耐穿刺性又は実質的に耐断裂性の材料から、製造することができる。一部の実施例では、織物ラミネート層1660は、ポリテトラフルオロエチレン、テフロン(登録商標)、ガラス、ガラス繊維、アミド繊維、パラアラミド合成繊維(ケブラー(登録商標))、炭素繊維、リップストップ織製ナイロン、ポリウレタン注入ガラス繊維、ポリウレタン注入アラミド繊維、リップストップ織製ポリエステル、リップストップポリプロピレン、リップストップ綿、リップストップ絹などの材料で構成することができる。一部の実施形態では、織物ラミネート層1660は、織物ラミネート層1660が、電子デバイス1600の内部構成要素と電気的に干渉することを防ぐために、非導電性材料から作製する(又は、非導電性コーティングでコーティングする)ことができる。
一部の実施例では、織物ラミネート層1660は、厚さ約12マイクロメートルとすることができる。他の実施例では、織物ラミネート層は、厚さ約2マイクロメートル〜約20マイクロメートルとすることができる。他の実施例では、織物ラミネート層は、厚さ約5マイクロメートル〜約15マイクロメートルとすることができる。ある程度まで、織物ラミネート層の厚さは制限される。例えば、織物ラミネート層1660が、ケーブル1610と比べて過度に厚い場合には、その織物ラミネート層1660は、ケーブル1610の銅線に応力を加える恐れがある。更には、ケーブル1610の厚さと比べて、織物ラミネート層1660を過度に厚く作製することは、ケーブル1610の中立軸に影響を及ぼす恐れがある。
一部の実施形態では、保持リブ1607と接続点1613との間の、織物ラミネート層1660の非隔離区画は、第1部分1602が第2部分1604に対して回転される際に、自由に移動することができる。一部の実施形態では、織物ラミネート層1660は、支持部材1614の周りにルーティングされているため、織物ラミネート層1660は、凹状の湾曲を維持することができ、このことは、織物ラミネート層1660が凹状湾曲と凸状湾曲との間で屈曲することを防ぎ、また、織物ラミネート層1660が所定の半径を下回って屈曲することを防ぐことにより、織物ラミネート層1660の疲労が低減される。この巻き付け構成により、電子デバイス1600の回転の間の、比較的長い、織物ラミネート層1660の取り込みの長さが可能になると共に、織物ラミネート層1660に作用する応力を低減することができる。すなわち、織物ラミネート層1660は、空洞部1608内部で自由に「浮動する」ことができる。更には、クリップ1616を提供することにより、織物ラミネート層1660及びフレックスケーブル1610に対する支持を追加することができる。
図16Bは、一部の実施形態による、ケーブル1610の基底表面に結合された(例えば、接着接合された)織物ラミネート層1660の断面図を示す。図16Bに示されるように、織物ラミネート層1660の厚さは、一部の実施形態によれば、織物ラミネート層1660が、マンドレル1618の外側表面1620に対して擦り付けられることも、又は接触することもないように、調節することができる。図16Bは、織物ラミネート層1660の基底表面とマンドレル1618の外側表面1620との間の、間隙「G」を示す。一部の実施形態では、この織物ラミネート層1660の基底表面とマンドレル1618の外側表面1620との間の間隙「G」は、マンドレル1618の外側表面1620に対して、粒子を押し込むことも、又は閉じ込めることもできないように、調節することができる。しかしながら、そのような実施形態では、最小限の間隙「G」により、織物ラミネート層1660が、マンドレル1618の表面を摩耗させる恐れがある。他の実施形態では、間隙「G」は、織物ラミネート層1660とマンドレル1618の外側表面1620との間に、粒子1642が嵌まり込むことを可能にするために、十分に大きいものとすることができる。粒子1642は、鋭利で硬い表面又は縁部を有し得るが、織物ラミネート層1660は、粒子がケーブル1610を貫通して抉出することを防ぐための、障害物としての役割を果たし得る。
図17は、ヒンジ式電子デバイス1700内に堆積した粒子を処理するための構成要素の、別の実施形態を示す。図17は、一部の実施形態による、障壁1760を有するヒンジ式電子デバイス1700を示す。図17は、通風間隙(図3の324を参照)の定位置に、障壁1760が配置されている、閉鎖構成でのヒンジ式電子デバイス1700を示すものであり、図17に示されるように、障壁1760は、マンドレル1718及び阻止部材1720と接触し得る。一部の実施形態では、障壁1760の表面は、障壁1760とマンドレル1718又は阻止部材1720との間に、間隙が存在しないように、マンドレル1718の表面及び阻止部材1720に対して、面一に位置合わせされるように配置することができる。
図17は、障壁1760が、一部の実施形態では、通風間隙1724の定位置に配置されることを示すものである。他の実施形態では、障壁1760はまた、一部の実施形態によれば、種々の構成要素間に間隙が存在する、ヒンジ式電子デバイス1700の他の領域に配置することもできる。他の実施形態では、障壁1760は、通風間隙1724を補うことができる。他の実施形態では、ヒンジ式電子デバイス1700の全体にわたって、複数の障壁1760を配置することができる。
障壁1760は、一部の実施形態によれば、異質粒子1742がケーブル1710と接触することを防止又は低減するための、物理的障壁としての役割を果たし得る。他の実施形態では、障壁1760は、空洞部1708に異質粒子が入り込むことを防止又は低減するための、物理的障壁としての役割を果たし得る。一部の実施形態では、障壁1760は、マンドレル1718と阻止部材1720との間のスペースを充填することにより、あらゆる粒子、ゴミ、液体が、ヒンジ式電子デバイス1700の内部筐体に入り込むことを、防止又は低減することができる。
一部の実施形態では、障壁1760は、粒子1742を、障壁1760の開口部1726に通過させて送り込むことを促進するために、搭載ファン又は空気圧縮装置と共に機能することができる。
一部の実施形態では、1つ以上の経路を、障壁1760内部に成形することができる。一部の実施形態では、この経路は、異質粒子1742がヒンジ式電子デバイス1700の内側から外側に移動することを可能にすると同時に、異質粒子が障壁1760を介してヒンジ式電子デバイス1700に入り込むこともまた防ぐような、「一方向」経路とすることができる。一部の実施形態では、障壁1760は、阻止部材1720とマンドレル1718との間にシールを提供することが可能な、ガスケットの形態とすることができ、異質粒子1742が開口部1726を介して空洞部1708内に移動すること、及び/又は空洞部1708から外に移動することの双方を防ぐように、設計することができる。障壁1760は、任意の好適な材料で作製することができる。例えば、障壁1760は、ポリマー材料などの、エラストマー材料で作製することができる。一部の実施形態では、このガスケットは、エラストマー材料と、発泡体、剛毛、ブラシ、及び/又はフェルトとの組み合わせである。例えば、障壁1760は、遠位端が発泡体、剛毛、ブラシ、又はフェルトを有する、エラストマーガスケットの形態とすることができる。一部の実施形態では、障壁1760は、液体をはじき、空洞部1708に液体が入り込むことを防ぐように、低い表面張力を有する材料で作製される。この低摩擦材料はまた、障壁1760が、マンドレル1718に対して自由に移動することも可能にし得る。一部の実施形態では、障壁1760は、帯電防止コーティング又は帯電防止剤を含み得る。この帯電防止剤により、マンドレル1718及び/又はケーブル1710上での静電気の蓄積を、低減若しくは排除することができる。障壁1760の内側経路、内側表面、又は開口部1726のうちの少なくとも1つに対して、帯電防止剤を適用することによって、それらの様々な表面に沿った塵又は埃の粒子を、低減することができる。
一部の実施形態では、障壁1760は、マンドレル1718と阻止部材1720との間の適所に固定される。このことにより、ヒンジ式電子デバイス1700が閉鎖構成と開放構成との間で移行する際に、障壁1760が移動することを防ぐことができる。
図14〜図17は、様々な実施形態によるヒンジ式電子デバイスを示すものであるが、これらの図示された種々の実施形態のうちの2つ以上を、単一のヒンジ式電子デバイス筐体設計へと組み合わせることができる。例えば、図17に示される実施形態の物理的障壁を、図16に示される実施形態のフレックス織物ラミネート層と組み合わせることにより、構成要素に対する損傷を防止する程度を向上させることができる。別の実施例では、図16に示される実施形態のフレックス織物ラミネート層を、図15に示される実施形態の軟質マンドレルと組み合わせることができる。別の実施例では、図16に示される実施形態のフレックス織物ラミネート層を、図14に示される実施形態のチャネルを含むマンドレルと組み合わせることができる。図14〜図17に示される種々の実施形態を組み合わせることにより、開示される単一の実施形態のみを使用することと比べて、異質粒子によって損傷を受けることからフレックスケーブルを保護するレベルが向上する、利点をもたらすことができる。更には、図14〜図17に提示される様々な実施形態の任意の好適な組み合わせを、本説明の他の部分で開示される他の実施形態のうちのいずれかと、好適に組み合わせることができる。
オーバーモールド成形アンカー
図13を参照して上述されたように、ヒンジ式電子デバイスは、フレックスカバーを保持するための、アンカーを含み得る。図18A、図18Bは、一部の実施形態による、張力付与機構の反対側の、カバー(図13の1304を参照)を固定するための例示的なアンカー1800の斜視図及び断面図を示す。アンカー1800は、カバーの反対側に配置された張力付与機構に、カバーを係留することによって、電子デバイスの蓋部分に、カバーを固定することができる。図18は、アンカー1800が、一部の実施形態によれば、それぞれがほぼ等しい長さの、2つのアンカー部分(1880、1882)を含み得ることを示す。他の実施形態では、2つのアンカー部分(1880、1882)は、等しくない長さのものとすることができる。図18Aに示されるように、それら2つのアンカー部分(1880、1882)の上に、オーバーモールド成形アセンブリ1872を形成することができる。蓋部分(図3の302を参照)のラッチに結合するために、アンカー部分1880、1882の長さに沿って、ループ部1884を配置することができる。図18Bに示されるように、アンカー部分1880、1882のフック1874a、1874bの上に、オーバーモールド成形アセンブリ1872を形成することができる。例として、オーバーモールド成形アセンブリ1872は、概して可撓性の、弾性材料から作製することができる。このオーバーモールド成形アセンブリに関する材料の例としては、エラストマー、ゴム、シリコーンなどが挙げられる。一部の実施形態では、接着剤又は結合剤を使用して、フック1874a、1874bとオーバーモールド成形アセンブリ1872との間に、より堅固な保持をもたらすことができる。一部の実施形態では、フック1874a、1874bの一部分の上にのみ、結合剤をコーティングすることができる。他の実施形態では、フック1874a又はフック1874bの全ての部分の上に、結合剤を完全にコーティングすることができる。したがって、アンカー部分1880のフック1874b及びアンカー部分1882のフック1874aを、オーバーモールド部に結合することによって、アンカー部分1880、1882は、オーバーモールド成形アセンブリ1872と共に移動することができる。
図18Aに示されるように、第1アンカー部分1880は、第2アンカー部分1882の端部に隣接するが、直接には接触していない、端部を含む。間隙又は分裂部「G」が、2つのアンカー部分1880、1882、及びそれらの対応する別個のフック1874a、1874bを、分離若しくは分割するものとして示されている。オーバーモールド成形アセンブリ1872は、アンカー部分1880、1882の双方の全長に沿って延在するものとして示されているが、アンカー部分1880、1882のそれぞれは、別個のフック1874a、1874bを含む。一部の実施形態では、オーバーモールド成形アセンブリ1872は、アンカー部分1880、1882の双方の全長に沿って延在し得る。他の実施形態では、オーバーモールド成形アセンブリ1872は、アンカー部分1880、1882の双方の一部分のみに沿って延在し得る。ポリウレタン材料が、アンカー部分の小さい部分(すなわち、アンカー部分の端部が対面する場所)の上にのみ適用されている場合には、そのオーバーモールド成形アセンブリ1872のエラストマー材料は、間隙「G」での、そのプラスチックの望ましくない「ネッキング」又は伸長を防ぐためには十分ではない恐れがある。オーバーモールド成形アセンブリ1872は、アンカー部分1880、1882の長さに沿って延在するレール(図示せず)と位置合わせすることができる。オーバーモールド成形アセンブリ1872は、オーバーモールド成形アセンブリ1872が、外見上、単一の一体化アンカー部分に類似するように、2つのアンカー部分1880、1882間の間隙又は分裂部「G」を隠すことができる。換言すれば、このオーバーモールド部は、2つのアンカー部分1880、1882を接合することにより、従前には不可能であった可撓性及び伸長の程度をもたらすことができる。
一部の実施例では、水平軸でのアンカー1800の屈曲「A」は、両方向に約1ミリメートルとすることができる。他の実施例では、屈曲「A」は、約0.001ミリメートル〜約2ミリメートルとすることができる。一部の実施例では、このオーバーモールド部は、ゴム、エラストマー、ポリウレタンなどで構成することができる。一部の実施例では、このオーバーモールド成形アセンブリは、アンカー1800が、間隙「G」で長手方向に伸長するように、垂直軸「S」で屈曲することができる。一部の実施例では、このオーバーモールド成形アセンブリは、アンカー1800の長さを、0.001mm〜2.0mmの長さで延長させるように、(分裂部で)伸長することができる。
図18Bに示されるように、アンカー1800は、面取りされた、又は丸みを帯びた上面1878を含み得る。一部の実施形態では、この面取り上面1878は、カバー(図13の1304を参照)を、その面取り上面1878の周りに巻き付けることを容易にし得る。したがって、アンカー1800の面取り上面1878は、カバーに関する係留機構又は張力付与機構を提供することを促進し得る。フック1874a、1874bを、オーバーモールド成形材料によって取り囲むことができる。他の実施形態では、面取り上面1878は、その面取り上面上に、キャスタレーションを有する1つ以上のフック(図13の1306を参照)を更に含み得る。それらのフック(図13の1306を参照)は、係留機構又は張力付与機構を提供するための、より一層堅固なカバーの「保持」をもたらすことを促進し得る。一部の実施形態では、それらのキャスタレーションは、フレックスカバー内の対応するスリット又は切り込みに引っ掛かることにより、そのカバーの「保持」又は「把持」を促進し得る。
アンカー1800は、構成要素の公差限界に関する、より大きい変動又は偏差を可能にするために、累積公差分析を適用することができる。例えば、アンカー1800は、蓋部分(図3の302を参照)の構成要素の製造における偏差を、過剰補償することができる。アンカー1800を使用することにより、製造における偏差(製造の公差限界を超えるもの)が存在する場合であっても、2つの構成要素間の間隙継ぎ目を密閉する組み立てが可能となり得る。間隙「G」で浮動し得る2つのアンカー部分1880、1882を有することにより、それらのアンカー部分は、カバー(図13の1304を参照)が、十分な張力付与機構を提供するために、アンカー部分に係留又は引っ掛かることが、依然として可能であることを確実にし得る。換言すれば、このオーバーモールド成形アセンブリは、短い公差ループを提供することができる。分裂部又は間隙で屈曲することが可能な、2つのアンカー部分を有することによって、製造プロセスは、アンカー1800のエラストマーが、通常可能であるものよりも大きい適用範囲を(屈曲又は伸張を介して)提供することを可能にすることによって、その公差ループの格差を埋めることができる。
図18は、例示的なアンカー1800が、張力付与機構の反対側でカバーを固定する際に使用するための、2つのアンカー部分(1880、1882)を含み得ることを示すものであるが、この示されている実施形態はまた、構成要素の公差限界に関する、より大きい変動又は偏差を可能にするために、電子デバイスの他の構成要素に対しても適用することができる。例えば、例示的なアンカー1800を使用して、マンドレルカバー702を、電子デバイスの第1部分及び/又は第2部分に固定することができる。別の実施例では、例示的なアンカー1800は、張力付与機構を有する電子デバイスの端部に、カバーを固定するために使用することができる。
図19の電子デバイス10などの、電子デバイスは、ヒンジ軸の周りで互いに対して移動する筐体構造体などの、構造体を有し得る。それら筐体構造体内の間隙を、完全に又は部分的に、ヒンジ間隙カバーで覆うことができる。ヒンジ間隙カバーは、バネ仕掛けシャフト(例えば、枢動部の内部で回転するシャフトであって、そのシャフトに結合されているバネによって付勢されるもの)から形成されたバネ、ヒンジ間隙カバーを直接付勢するバネ(例えば、ヒンジ間隙カバーが開閉するように、枢動構造体の内部で枢動するシャフトにカバーが取り付けられている構成で、そのヒンジ間隙カバーを押し付けるバネ)、又は、筐体構造体がヒンジ軸の周りで移動される際に、ヒンジ間隙カバーが開閉することを可能にする、他の付勢構造体を使用して、配備することができる。
デバイス10は、セルラー電話機、メディアプレーヤ、ゲーミングデバイス、又は他のデバイスなどの、ハンドヘルド型電子デバイスとすることができ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、又は他のポータブルコンピュータとすることができ、デスクトップコンピュータとすることができ、コンピュータディスプレイとすることができ、組み込み型コンピュータを含むディスプレイとすることができ、テレビ又はセットトップボックスとすることができ、又は他の電子装置とすることができる。デバイス10が、ヒンジ軸の周りで互いに対して回転する筐体の蓋及び基体などの、筐体構造体を有する構成が、例として本明細書で説明される場合がある。しかしながら、これは単なる例示に過ぎない。デバイス10は、任意の好適な電子装置とすることができる。
図19の実施例に示されるように、デバイス10は、筐体12などの筐体を有し得る。筐体12は、プラスチック、金属(例えば、アルミニウム)、炭素繊維などの繊維複合材料、ガラス、セラミック、他の材料、及びこれらの材料の組み合わせから形成することができる。筐体12、又は筐体12の諸部分は、筐体構造体が一体化された材料片から形成される、一体型構成を使用して形成することができる。筐体12、又は筐体12の諸部分が、締結具、接着剤、及び他の取り付け機構を使用して互いに取り付けられた、フレーム構造体、筐体壁、並びに他の構成要素から形成される、複数部品筐体構成もまた、使用することができる。
図19に示されるように、デバイス10は、トラックパッド18及びキーボード16などの、入出力デバイスを有し得る。デバイス10はまた、カメラ、マイクロフォン、スピーカ、ボタン、取り外し可能記憶ドライブ、状態インジケータライト、ブザー、センサ、及び他の入出力デバイスなどの構成要素も有し得る。これらのデバイスは、デバイス10に対する入力を収集するために使用することができ、デバイス10のユーザに出力を供給するために使用することができる。デバイス10内のポートは、嵌合コネクタ(例えば、オーディオプラグ;ユニバーサルシリアルバスケーブルなどのデータケーブル、デバイス10をコンピュータディスプレイ、テレビ、若しくは他のモニタに接続するケーブルなどの、ビデオ及びオーディオデータに対応するデータケーブルに関連付けられた、コネクタなど)を受容することができる。
デバイス10は、ディスプレイ14などのディスプレイを含み得る。ディスプレイ14は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、又は他のディスプレイ技術を使用して実装されるディスプレイとすることができる。ディスプレイ14内に、タッチセンサを組み込むことができ(すなわち、ディスプレイ14は、タッチスクリーンディスプレイとすることができ)、又は、ディスプレイ14は、タッチを感知しないものとすることもできる。ディスプレイ14用のタッチセンサは、抵抗式タッチセンサ、静電容量式タッチセンサ、音響タッチセンサ、光に基づくタッチセンサ、力センサ、又は他のタッチ技術を使用して実装されるタッチセンサとすることができる。
デバイス10は、互いに対して移動する、筐体部分を有し得る。図19に示されるように、例えば、電子デバイス10は、下側筐体部分12Bなどの下側筐体部分に対して移動する、上側筐体12Aなどの上側筐体部分を含む、2部分筐体を有する、ポータブルコンピュータなどのデバイス又は他のデバイスとすることができる。上側筐体12Aは、ディスプレイ14を含み得るものであり、ディスプレイ筐体又は蓋と称される場合があり得る。下側筐体12Bは、基体筐体又は主筐体と称される場合があり得る。
筐体12A及び筐体12Bは、下側筐体12Bの上側縁部と、対向する上側筐体12Aの下側縁部との接合部に沿って配置された、ヒンジ構造体を使用して、互いに接続することができる。例えば、筐体12A及び筐体12Bは、ヒンジ26によって結合することができる。ヒンジ26は、ヒンジ軸22に沿って、筐体12の対向する左側縁部及び右側縁部に配置することができ、あるいは、筐体部分12Aと筐体12Bとの間の、ヒンジ軸22に沿った他の場所に配置することもできる。上側筐体12Aと下側筐体12Bとの間に、間隙30などのスロット形状の開口部を形成することができ、その開口部は、両端部がヒンジ26に隣接し得る。
間隙30は、ヒンジ軸22に沿って延び、それゆえ、ヒンジ間隙と称される場合もあり得る。ヒンジ26は、上側筐体12Aが、下側筐体12Bに対して、軸22の周りを方向24で回転することを可能にし得る。蓋(上側筐体)12Aの平面、及び下側筐体12Bの平面は、蓋が閉鎖された場合の0°と、蓋が完全に解放された場合の90°、140°以上との間で変化する角度で、離れることができる。
上側筐体12Aと下側筐体12Bとの間に、信号経路が延在し得る。これらの信号経路は、フレキシブルプリント回路(例えば、ポリイミドの可撓性層、又は他の可撓性ポリマー基板材料のシートから形成された、フレキシブルプリント回路)上の金属トレース、同軸ケーブル、ワイヤ、又は他の信号経路構造体によって形成することができる。例えば、1つ以上のフレキシブルプリント回路28から形成された信号経路は、図19に示されるように、間隙30から形成されたスロットを2等分することができ、又は、(例として)間隙30の長さに沿った1つ以上の他の場所で、間隙30を横断することもできる。
筐体12内部に、スピーカを配置することができる。筐体12は、デバイス10の内部から音が放出されることを可能にするために、円形の穴などの穿孔を有し得るものであり、又は、間隙30の諸部分若しくは他のスピーカ開口部を使用することもできる。筐体12内の開口部及び/又は間隙30はまた、デバイス10の内部から加熱空気を排気するために使用することもでき、また、無線通信中にアンテナ信号が通過する、アンテナ開口としての機能も果たし得る。
間隙30は、デバイス10の前面に露出される部分(すなわち、図19で可視である、間隙30の部分)、及びデバイス10の背面に露出される部分を有し得る。ヒンジ間隙30の背面部分、及び、必要に応じて間隙30の前面部分は、部分的若しくは完全に、ヒンジ間隙カバー構造体で覆うことができる。ヒンジ間隙カバーは、間隙30を覆うために役立ち得る、薄い材料のシートから形成することができる。間隙30が覆われている場合、見苦しくなりかねない内部構成要素を、視界から隠すことができる。ヒンジ間隙カバーはまた、デバイス10の内部に、塵及び水分などの汚染物質が侵入することを防ぐためにも役立ち得る。ヒンジ間隙カバーは、(例として)デバイス10が閉鎖されている場合に間隙30を覆い、デバイス10が開放されている場合には間隙30を覆わない、可動構造体とすることができる。
デバイス10が開放位置にある場合(すなわち、筐体部分12Aが開放している場合)の、間隙30を横断する、デバイス10の一部分の側断面図が、図20に示される。図20に示されるように、デバイス10は、内部領域32などの内部領域を有し得る。内部領域32内に、構成要素34を取り付けることができる。構成要素34としては、センサ、集積回路、無線送受信機及び他の無線回路機構、アンテナ構造体(例えば、インピーダンス整合回路、アンテナ共振素子用の誘電性支持構造体、給電構造体、同調回路、増幅器など)、バッテリ、入出力デバイス、ポートコネクタ、プリント回路、並びに他の電気構成要素を挙げることができる。例として、図20の構成要素34は、間隙30(例えば、デバイス10の前面に沿った、間隙30の部分、及び/又は、デバイス10の背面に沿った、間隙30の部分)を通じてアンテナ信号を発信及び受信する、アンテナ若しくはアンテナの一部とすることができる。
ヒンジ間隙カバー36を使用して、間隙30を覆うことができる。ヒンジ間隙カバー36は、例えば、上側筐体部分12Aが閉鎖されている場合、間隙30を覆うことができ、筐体12Bが開放位置にある場合、図20に示されるように、間隙30から引き離すことができる。デバイス10が開放している場合は、筐体12Aと筐体12Bとの間のスペースのサイズが低減されることにより、間隙30は、より小さくなり得るものであり、ディスプレイ14を見るためにデバイス10の前に位置しているユーザに対しては、不可視となり得る。閉鎖されている場合は、筐体12Aと筐体12Bとの間の間隔が増大することにより、間隙30は、より大きくなり得るものであり、ユーザに対して(例えば、デバイス10が、上下逆にしてテーブル上に配置される場合)、より可視となり得る。ヒンジ間隙カバー36を使用することによって、デバイス10が、その閉鎖位置にある場合に、デバイス10の内部へのユーザの視界を、完全に、又は少なくとも部分的に遮ることができる。
図20の例示的構成では、ヒンジ間隙カバー36は、バネ38を使用して、上側筐体12Aに取り付けられている。バネ38は、例えば、ねじりバネとするか、又は、上側筐体12Aが閉鎖位置にある場合に、カバー36の縁部を筐体12Bに押し付ける、他の可撓性結合部材とすることができる。ヒンジ間隙カバー36は、筐体12Aに、(例えば、筐体12Aに取り付けられた枢動構造体内部で回転するシャフトに、ヒンジ間隙カバー36を取り付けることによって、又は、筐体12Aに取り付けられているシャフトを受容する枢動構造体に、ヒンジ間隙カバー36を取り付けることによって)回転可能に取り付けることができる。これらのタイプの配置では、バネ38は、可撓性シート金属バネ、又は、ヒンジ間隙カバー36を直接付勢する他のバネを含む、バネ構造体とすることができる(例えば、バネ38は、筐体12Aが閉鎖されている場合に、ヒンジ間隙カバー36を、その閉鎖位置へと押圧することができる)。必要に応じて、バネ38は、バネで付勢されているシャフトを有する、バネ構造体とすることができる(すなわち、バネ38は、バネ仕掛けシャフトとするか、又は、枢動構造体を使用して筐体12Aに取り付けられており、シャフトに荷重を加えるねじりバネ若しくは他のバネによって回転される、他の回転可能構造体とすることができる)。バネ仕掛けシャフト構成では、カバー36は、溶接、接着剤、又は他の締結構造体で、バネ仕掛けシャフトに取り付けることができ、筐体12Aに取り付けられた枢動構造体内に、そのシャフトを取り付けることによって、筐体12Aに回転可能に取り付けることができる。このバネによるシャフトの回転は、カバー36を、筐体12Bに対して回転させることができる(例えば、カバー36が筐体12Bに対して付勢されることにより、間隙30を有効に密閉して、汚染物質の侵入を防ぎ、デバイス10の内部部分を視界から遮るように、ねじりバネ要素又は他のバネ構造体によって、バネ38のシャフトに荷重を加えることができる)。必要に応じて、他のタイプの取り付け配置を使用することができる。例えば、カバー36は、下側筐体12Bに取り付けられる場合があり、上側筐体12A及び下側筐体12B上にそれぞれ取り付けられる部分を有する場合もあり、バネ38に加えて、又はバネ38の代わりに、溶接、締結具、接着剤、若しくは他の取り付け機構を使用して、筐体12に取り付けられる場合などもある。ヒンジ間隙カバー36が、バネ38を使用して上側筐体12Aに取り付けられる、図20の配置は、単なる例示に過ぎない。
図21は、上側筐体12Aが閉鎖位置へと回転されている構成での、デバイス10の側断面図である。閉鎖の直前に、ヒンジ間隙カバーは、位置36’にあることが可能であり、下側筐体12Bと接触を開始することができる。筐体12Aが、その最終閉鎖位置へと回転される際、バネ38は、ヒンジ間隙カバー36がバネ38の軸の周りで回転することを可能にし、それにより、ヒンジ間隙カバー36の外側縁部40が、筐体部分12Bの下側壁の内側表面42に接触することになる。バネ38の可撓性により、ヒンジ間隙カバー36が、この接触から過度に応力を受けることを防ぐことができる(すなわち、バネ38は、カバー36が、筐体12Aからカバー36が分離することを防ぐために、必要に応じて「撓む」ことを可能にする)。必要に応じて、ヒンジ間隙カバー36もまた、可撓性とすることができ、下側筐体12Bに接触する際に、若干偏向することができる。
ヒンジ間隙カバー36は、金属、プラスチック、ガラス、セラミック、炭素繊維複合材料、ガラス繊維、及び他の繊維系複合材料、他の材料、若しくはこれらの材料の組み合わせから形成することができる。1つの好適な配置では、ヒンジ間隙カバー36は、無線透過性のガラス繊維又はプラスチックなどの、薄い材料のシート(例えば、4mm未満、2mm未満、1mm未満、又は0.5mm未満の厚さを有する材料)から形成される。無線透過性の材料(例えば、導体ではなく誘電体である材料)を使用することによって、アンテナ信号は、間隙30がカバー36で覆われている場合であっても、間隙30を通過することができる。例えば、構成要素34(例えば、アンテナ)は、カバー36を通過する高周波信号を送受信することができる。ヒンジ間隙カバー36、又はヒンジ間隙カバー36の諸部分が、薄い金属シート(例えば、4mm、2mm未満、1mm未満、又は0.5mm未満の厚さを有する、ステンレス鋼若しくは他の金属など)から形成される構成もまた、使用することができる。
図22に示されるように、ディスプレイ筐体構成要素44などの、上側筐体12A内の構成要素は、フレキシブルプリント回路28などの1つ以上のフレキシブルプリント回路、又は他の可撓性信号経路によって、基体筐体構成要素46などの、下側筐体12B内の構成要素に結合することができる。ディスプレイ筐体構成要素44としては、カメラ、ディスプレイ14、タッチセンサ(例えば、ディスプレイ14内に組み込まれたタッチセンサ)、周辺光センサ、発光ダイオード、若しくは状態インジケータとしての機能を果たす他のデバイス、及び他の電気構成要素などの、構成要素を挙げることができる。基体筐体構成要素46としては、プロセッサ回路、メモリ回路、及び他の制御回路、通信ポート、センサ、入出力デバイス、トラックパッド18、キーボード16などを挙げることができる。デバイス10の動作の間、上側筐体12A及び下側筐体12Bは、ヒンジ軸22の周りで互いに対して回転することにより、フレキシブルプリント回路28を屈曲させることができる。フレキシブルプリント回路28上の金属トレースが、過度の応力を経験しないことを確実にするために、フレキシブルプリント回路28が前後に移動して、デバイス10の開閉に適応することを可能にするループ部分を、フレキシブルプリント回路28に設けることができる。
フレキシブルプリント回路28から形成された信号経路が、ヒンジ軸22(及び、間隙30)を橋渡しする、図22に示されるタイプの構成では、ヒンジ間隙カバー36を、フレキシブルプリント回路28に重なり合う位置に取り付けることにより、フレキシブルプリント回路28を視界から遮ることが望ましい場合がある。図23でのデバイス10の背面斜視図に示されるように、例えば、ヒンジ間隙カバー36は、ヒンジ間隙カバー36がフレキシブルプリント回路28に重なり合い、そのフレキシブルプリント回路28を覆うように、デバイス10内に取り付けることができる。図23の例示的配置では、ヒンジ間隙カバー36は、間隙30の一部分のみに重なり合うことにより、ヒンジ間隙カバー36によって覆われていない、間隙30の端部部分は、デバイス10に関する(例えば、デバイス10の内部とデバイス10の外部との間で空気が流れることを可能にするための)ポートとしての機能を果たし得る。
ヒンジ間隙カバー36は、ヒンジ軸22と平行に、デバイス10の後縁部に沿って延在する、細長い矩形形状を有し得る。バネ38を、ヒンジ間隙カバー36の両端部に配置することができ、又は、カバー36の長さに沿った他の場所に取り付けることもできる。図23の実施例では、1つのヒンジ間隙カバー36が存在する。必要に応じて、デバイス10内には、それぞれが間隙30の対応部分を覆う、複数のヒンジ間隙カバー36が存在し得る。図23の構成では、ヒンジ間隙カバー36は、間隙30の長さに沿って中央に位置しているが、カバー36は、間隙30の一方の端部に、他方の端部よりも近接させて配置することができる。筐体12Bは、延長部分12B’を有し得る。部分12B’によって、ヒンジ26(図1)を覆うことができ、間隙30は、部分12B’の間に延在し得る。必要に応じて、筐体12Bは、フレキシブルプリント回路28を覆う、中央に配置された延長部分を有し得るか、又は、他の延長筐体部分を有し得る。
ヒンジ間隙カバー36は、図24に示されるような、細長い矩形形状を有し得る。このタイプの構成では、カバー36の端部は、図23に示されるように、ヒンジ26及び延長筐体部分12B’から後退させることができる。必要に応じて、カバー36は、図25の開口部50などの、開口部を有し得る。開口部50は、カバー36の長さに沿って延びるものとすることができる(すなわち、カバー36は、ヒンジ軸22と平行に延びる長手方向軸を有し得るものであり、開口部50は、その長手方向軸に沿って延在する、一連の矩形開口部又は他の形状の開口部50を含み得る)。図25のカバー36が、デバイス10内部に装着される場合、開口部50は、空気が開口部50を通過して流れることができるように、間隙30に重なり合うことができる。図26の例示的構成で示されるように、ヒンジ間隙カバー36は、凹部(切り込み)52などの開口部を有し得る。凹部52は、カバー36の長さに沿って分散し得るものであり、間隙30に重なり合うことにより、デバイス10の内部とデバイス10の外部との間の、空気通路を提供することができる。図24、図25、及び図26のヒンジ間隙カバー36に関する例示的構成は、単なる例示に過ぎない。カバー36は、他の形状の外形を有し得るものであり、かつ/又は、他の形状の開口部を有し得る。
図27のデバイス10の例示的背面図で示されるように、筐体12Bは、デバイス10の左側縁部及び右側縁部の延長部分12B’と、それら左右の延長部分12B’の間の、筐体12Bの後縁部に沿って中央に配置された、中央延長部分12B’とを有し得る。間隙30は、覆われていない部分を有し得るものであり、又は、図27に示されるように、ヒンジ間隙カバー36で覆うこともできる。
ヒンジ間隙カバー36は、フレキシブルプリント回路28に損傷を与えることなく、フレキシブルプリント回路28に適応するために役立つ、湾曲プロファイルを有し得る。ヒンジ間隙カバー36が湾曲(屈曲)形状を有する例示的構成での、デバイス10の側断面図が、図28に示される。図28に示されるように、内部構成要素34を、デバイス10の内部で、フレキシブルプリント回路28に結合することができる。フレキシブルプリント回路28は、屈曲部58及び屈曲部60などの、屈曲部を有し得る。下側筐体12Bに対する上側筐体12Aの移動の間、フレキシブルプリント回路28は、屈曲部58及び屈曲部60で屈曲し得る。ヒンジ間隙カバー36の内側表面56は、凸状湾曲表面を有し得る。この配置では、ヒンジ間隙カバー36は、フレキシブルプリント回路28に向けて、内向きに湾曲している。表面56の湾曲形状は、フレキシブルプリント回路28が、図29に示されるように、ヒンジ間隙カバー36の凸状湾曲表面56に当接する場合に(すなわち、フレキシブルプリント回路28が、ヒンジ間隙カバー36に隣接して静置されるように、筐体12Aが開放されている場合に)、フレキシブルプリント回路28の損耗及び鋭い屈曲を低減するために役立ち得る。必要に応じて、ヒンジ間隙カバー36は、他の形状(例えば、平面形状、デバイス10の内部に向けて間隙30から離れる方向で内向きに湾曲するのではなく、間隙30に向けて外向きに湾曲する形状など)を有し得る。ヒンジ間隙カバー36が内向きに湾曲して、フレキシブルプリント回路28などの隣接する構造体に凸状湾曲表面を提示する、図28及び図29の構成は、単なる例示に過ぎない。
図30、図31、図32、図33、図34、及び図35は、様々な異なるヒンジ間隙カバー構成での、デバイス10の筐体の側断面図である。
図30の側断面図は、筐体12Bが、間隙30のサイズを低減するために役立つ延長部分12B’を、どのような方式で有し得るかを示すものである。図30の構成では、デバイス10は、その閉鎖位置にあり、ヒンジ間隙カバー36が、間隙30を覆っている。カバー36は、デバイス10をその開放位置(図31)に配置するために、上側筐体12Aが回転された場合、フレキシブルプリント回路28が過度の損耗に晒されないように、内向きに湾曲し得る。
筐体12Aは、デバイス10が、その開放位置に配置される際に、ヒンジ間隙カバー36に接触する、停止機構を有し得る。図30に示されるように、例えば、筐体12Aの部分74が、停止面70を形成し得る。筐体12Aが閉鎖されている場合、停止面70は、ヒンジ間隙カバー36の表面72と接触(又は、嵌合)していない。筐体12Aが開放されると、停止面70は、表面72と接触することになり、ヒンジ間隙カバー36を、下側筐体12Bから離れる方向に持ち上げることになる(すなわち、カバー36は、図31に示されるように、筐体12Bの延長部分12B’から離れる方向に上昇することになる)。
図32の側断面図は、図30及び図31の背面筐体延長部分12B’が存在しない構成で、どのような方式で間隙30を幾分広くすることができるかを示すものである。図32の構成では、デバイス10は、その閉鎖位置にあり、ヒンジ間隙カバー36が、間隙30を覆っている。この閉鎖位置では、停止面70は、ヒンジ間隙カバー36の表面72(すなわち、バネ38に隣接する、カバー36の部分)と接触していない。図30及び図31のカバー36と同様に、図32でのデバイス10のカバー36は、デバイス10をその開放位置(図33)に配置するために、上側筐体12Aが回転された場合、フレキシブルプリント回路28が過度の損耗に晒されないように、内向きに湾曲し得る。筐体12Aが開放されると、筐体12Aの停止面70は、図33に示されるように、ヒンジ間隙カバー36の表面72に接触することができ、ヒンジ間隙カバー36を、筐体12Bから離れる方向に持ち上げることができる。
図34の例示的デバイス10の側断面図は、下側筐体12Bに、部材又は構造体76などの内部壁部材が設けられる場合、どのような方式で間隙30のサイズを低減することができるかを示すものである。部材76を使用することは、視界から内部構成要素34を隠すために役立ち得る。部材76は、間隙30内部で露出される、表面78などの表面を有し得る。表面78は、表面78の視認性を低減する助けとなるように、筐体12Bの隣接表面に対して後退させることができる。図34の構成では、デバイス10は、その閉鎖位置にあり、ヒンジ間隙カバー36が、間隙30を覆っている。停止面70は、ヒンジ間隙カバー36の接触表面72と接触していない。カバー36は、図35に示されるように、停止面70をカバー36の表面72に接触させて、カバー36を下側筐体12Bから離れる方向に移動させる(またそれゆえ、間隙30を露出させる)ために、上側筐体12Aがその開放位置(図35)へと回転された場合、フレキシブルプリント回路28が過度の損耗に晒されないように、内向きに湾曲し得る。
間隙30を部分的に覆うために役立つ、図34及び図35の構造体76などの内部構造体は、金属(例えば、下側筐体12Bの形成に使用されているものと同じ金属、又は異なる金属)から形成することができ、又は、誘電材料から形成することもできる。例として、構造体76は、間隙30を通じた視界から、内部構成要素を隠すために役立つと共に、デバイス10内のアンテナ(例えば、構成要素34)に関連付けられたアンテナ信号が通過することを可能にする、プラスチック部材とすることができる。導電性アンテナ構造体は、必要に応じて、構造体76などの内部壁構造体、又は間隙30に隣接する他の内部構造体によって支持することができる。
一部の実施形態によれば、ポータブルコンピューティングデバイスは、第1部分に取り付けられた第1の電気構成要素と、第2部分に取り付けられた第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成された、フレックス回路と、湾曲面を有するヒンジ機構であって、フレックス回路が、この湾曲面の上で屈曲するように構成されている、ヒンジ機構と、フレックス回路の表面と少なくとも部分的に接触する、フレックス回路カバーであって、第1部分に固定された第1の端部を有することにより、第1部分及び第2部分が、ヒンジ機構に関連付けられた枢動軸の周りで互いに対して回転する際に、このフレックス回路カバーが、第2部分に対して自由に移動する、フレックス回路カバーとを含む。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのフレックス回路カバーは、第1部分及び第2部分が互いに対して回転する際に、フレックス回路を視界から隠す。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのフレックス回路カバーは、ガラス、ポリウレタン、ガラス繊維、アラミド繊維、及び複合繊維からなる群から選択される材料で構成される。
一部の実施形態によれば、このフレックス回路カバーは、外側層と耐摩耗層との間に接合された、構造層を含む。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのヒンジ機構は、第1部分及び第2部分が、ヒンジ機構に関連付けられた枢動軸の周りで回転する際に、所定量の抵抗を提供するための、1つ以上のクラッチ機構を含む。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのフレックス回路カバーは、第1部分及び第2部分が互いに対して回転される際に、ヒンジ機構の湾曲面の一部分を隠す。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのフレックス回路カバーは、第2部分の張力付与機構に結合されており、この張力付与機構は、フレックス回路カバーに対して戻り力を及ぼすように構成されている。
一部の実施形態によれば、電子デバイスの第1部分と第2部分との間にルーティングされたケーブルを覆う方法であって、第1部分が、ヒンジ機構で、第2部分と枢動可能に結合されており、この方法は、第1部分と第2部分とをケーブルで電気的に結合することであって、このケーブルが、その電子デバイスが閉鎖状態から開放状態に回転される際に、ヒンジ機構の湾曲面の上で引き回されることと、そのケーブルの露出表面を、カバーで覆うことであって、このカバーが、その電子デバイスが閉鎖状態から開放状態に回転される際に、ケーブル及びヒンジ機構の湾曲面の上で引き回されることとを含む。
一部の実施形態によれば、このカバーは、第2部分によって機械的に捕捉されている。
一部の実施形態によれば、このカバーは、電子デバイスが開放状態にある場合に、ケーブルを視界から隠す。
一部の実施形態によれば、このカバーは、ガラス、ポリウレタン、ガラス繊維、アラミド繊維、又は複合繊維のうちの少なくとも1つで構成される。
一部の実施形態によれば、このカバーは、外側層と耐摩耗層との間に接合された、構造層を含む。
一部の実施形態によれば、このカバーは、閉鎖状態に比べて開放状態の間に、ヒンジ機構のより大きい量の湾曲面の上で引き回されている。
一部の実施形態によれば、張力付与機構は、カバーが第1部分と第2部分の張力付与機構とに結合されている場合に、そのカバーに対して戻り力を及ぼすように構成されている。
一部の実施形態によれば、ヒンジ機構を介して第2部分に枢動可能に結合された第1部分を有する電子デバイス用の、ヒンジカバーであって、このヒンジカバーは、ケーブルに近接して配置される、第1の側であって、このケーブルが、第1部分を第2部分に電気的に接続するものであり、このケーブルが、ヒンジ機構の湾曲面の上で屈曲するように構成されている、第1の側と、第1の側の反対側の第2の側であって、電子デバイスが開放状態にある場合に、ヒンジ機構で露出される、第2の側とを含む。
一部の実施形態によれば、この電子デバイスのヒンジカバーは、第1部分が第2部分に対して枢動される際に、ヒンジ機構の湾曲面及びケーブルを、ユーザに対して露出されることから隠すように構成されている。
一部の実施形態によれば、この電子デバイスのヒンジカバーは、可撓性材料で構成される。
一部の実施形態によれば、1つ以上のスリットが、この電子デバイスのヒンジカバーに沿って設けられることにより、ヒンジカバーの第1区画は、ヒンジカバーの第2区画とは独立して屈曲する。
一部の実施形態によれば、ヒンジカバーの第1区画は、電子デバイスのヒンジ機構の湾曲面からは自由に屈曲するように構成され、その一方で、第2区画は、ヒンジ機構の湾曲面に接着されている。
一部の実施形態によれば、このヒンジカバーは、積層材料又は織物材料の単一層から製造される。
一部の実施形態によれば、ヒンジ機構は、電子デバイスを開放状態から閉鎖状態に移行させる間に、所定量の抵抗を提供するための、1つ以上のクラッチ機構を含む。
一部の実施形態によれば、このヒンジカバーは、ヒンジ機構の湾曲面全体を実質的に隠す。
一部の実施形態によれば、このヒンジカバーは、積層材料又は織物材料から製造された、複数の接合層から製造される。
一部の実施形態によれば、このヒンジカバーの一区分は、電子デバイスが開放状態と閉鎖状態との間で移行する間、ヒンジ機構の湾曲面に静的に固定されたまま維持される。
一部の実施形態によれば、電子デバイス用の筐体は、ヒンジ機構を介して第2部分に枢動可能に結合された第1部分であって、このヒンジ機構が湾曲面を含む、第1部分と、第1部分と第2部分の張力付与機構とに結合されたフレックスカバーであって、この張力付与機構が、電子デバイスが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、フレックスカバーに対して戻り力を及ぼすように構成されている、フレックスカバーとを含む。
一部の実施形態によれば、この筐体のフレックス回路は、ヒンジ機構の湾曲面の上で屈曲し、第1部分の第1の電気構成要素と、第2部分の第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成されている。
一部の実施形態によれば、この筐体の張力付与機構は、弾性区画、渦巻ねじりバネ、コイルバネ、又は板バネのうちの1つである。
一部の実施形態によれば、この筐体の張力付与機構は、第2部分の内部空洞部内に提供される前に、完全に組み立てられるように構成されている、一体型張力機構アセンブリである。
一部の実施形態によれば、この筐体の一体型張力機構アセンブリは、バネ及びシャフトを受容するためのサイズ並びに形状を有する、複数の切り欠きを有する、フレームを含む。
一部の実施形態によれば、この筐体のバネは、互いに結合されている2つの独立したバネコイルを含む。
一部の実施形態によれば、この筐体の張力付与機構は、引き込みバネに結合された円筒形シャフトを含み、この引き込みバネは、フレックスカバーに対して垂直に配置されている。
一部の実施形態によれば、この張力付与機構の引き込みバネは、フレックスカバーに対して張力を提供するために、円筒形シャフトに対して回転トルクを及ぼすように構成されている。
一部の実施形態によれば、この筐体の張力付与機構は、湾曲外側表面を含み、電子デバイスが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、その湾曲外側表面の上でフレックスカバーを引き回すように構成されている。
一部の実施形態によれば、この筐体のフレックスカバーは、張力付与機構の凹部の内部に嵌まり込むように構成された、係合機構を含む。
一部の実施形態によれば、この筐体のフレックスカバーは、保持機構を含み、この保持機構は、張力付与機構の凹部の内部にフレックスカバーが嵌め込まれている場合に、張力付与機構の凹部の内部から、そのフレックスカバーの保持機構を引き抜くことができないような、第1の厚さによって特徴付けられる。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーの保持機構は、フレックスカバーの第2区画の上に折り重ねられて固定された、フレックスカバーの第1区画を含むことにより、この保持機構は、第1の厚さを上回る第2の厚さによって特徴付けられる。
一部の実施形態によれば、この筐体のフレックスカバーの第1区画は、接着剤又は縫い目の少なくとも一方を介して、フレックスカバーの第2区画に固定される。
一部の実施形態によれば、この筐体の張力付与機構の凹部は、ヒンジ機構に向けてフレックスカバーが方向付けられる場合に、保持機構に対して圧縮力を発生させるように構成された、くさび形区域を有するものとして特徴付けられる。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーの保持機構は、着脱可能な拡張要素を含むことにより、この保持機構は、第1の厚さを上回る第2の厚さによって特徴付けられる。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーは、第2部分の張力付与機構の反対側にある、筐体の第1部分のアンカーに結合されている。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーは、接着剤、フック、キャスタレーション、又は機械的インターロックのうちの少なくとも1つを介して、アンカーに結合されている。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーは、筐体の第1部分のアンカーの周りに巻き付けられるように構成されている。
一部の実施形態によれば、ポータブルコンピューティングデバイスは、第1の電気構成要素を有する第1部分と、第2の電気構成要素を有する第2部分と、それら第1部分と第2部分とを枢動可能に結合する、湾曲面を有するヒンジ機構であって、フレックスケーブルが、その湾曲面の上で屈曲して、第1の電気構成要素と第2の電気構成要素とを電気的に結合するように構成されている、ヒンジ機構とを含む。
一部の実施形態によれば、このポータブルコンピューティングデバイスのヒンジ機構の湾曲面は、1つ以上の異質粒子を受容するための形状及びサイズを有する、1つ以上の経路を含む。
一部の実施形態によれば、それらヒンジ機構の湾曲面の1つ以上の経路は、ポータブルコンピューティングデバイスの内部空洞部から、ポータブルコンピューティングデバイスの外側に、1つ以上の異質粒子を通過させるように構成された、入口及び出口を含む。
一部の実施形態によれば、ポータブルコンピューティングデバイスのヒンジ機構の一部分は、エラストマー材料で構成される。
一部の実施形態によれば、織物ラミネート層が、ポータブルコンピューティングデバイスのヒンジ機構のフレックスケーブルの基底表面に接合されており、その基底表面を、異質粒子による損傷から保護するように構成されている。
一部の実施形態によれば、障壁が、ポータブルコンピューティングデバイスのヒンジ機構の第1部分と第2部分との間に配設されている、通風間隙に配置されることにより、その障壁は、ポータブルコンピューティングデバイスの内部空洞部に異質粒子が入り込むことを防ぐように構成されている。
一部の実施形態によれば、電子デバイス用の筐体は、筐体の第1部分と筐体の第2部分との間を枢動可能に結合する、湾曲面を有するヒンジ機構であって、第1部分又は第2部分の少なくとも一方が、間隙によって隔てられている複数の構成要素を含む、ヒンジ機構と、その間隙の内部に嵌まり込むサイズ及び形状を有する、アンカーアセンブリであって、第2アンカー部分に枢動可能に結合されている第1アンカー部分を含む、アンカーアセンブリとを含む。
一部の実施形態によれば、このアンカーアセンブリは、第1アンカー部分が第2アンカー部分から分離している場所に対応する分割部で、屈曲するように構成された、可撓性成形部を含む。
一部の実施形態によれば、第1部分及び第2部分を有する、ポータブルコンピューティングデバイス用のエンクロージャは、第1部分と第2部分とを枢動可能に結合する、湾曲面を有するヒンジ機構であって、第1部分と第2部分とが、第2部分の内部空洞部へのアクセスを提供する間隙によって隔てられている、ヒンジ機構と、第1部分に枢動可能に結合された、ヒンジ間隙カバーであって、このエンクロージャが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、その間隙のサイズを低減するように構成されている、ヒンジ間隙カバーとを含む。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャのヒンジ間隙カバーは、無線透過性材料から形成される。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャのヒンジ間隙カバーは、ヒンジ機構に関連付けられた軸の周りで回転するように構成されている。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャの第2部分は、第2部分に向けたヒンジ間隙カバーの回転を抑制するために、ヒンジ間隙カバーの合わせ面に対して接触するように構成されている、停止面を含む。
一部の実施形態によれば、この第2部分の停止面は、エンクロージャが閉鎖構成にある場合に、合わせ面とは接触していない。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャのヒンジ間隙カバーは、実質的に凸状の形状であり、エンクロージャの内部空洞部に向けて、内向きに湾曲している。
一部の実施形態によれば、フレックス回路は、第1部分に取り付けられた第1の電気構成要素と、第2部分に取り付けられた第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成され、ヒンジ間隙カバーは、湾曲プロファイルを有するものとして特徴付けられ、このヒンジ間隙カバーの湾曲プロファイルは、フレックス回路の屈曲を反映する。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャの第1部分は、間隙のサイズを低減するように構成された、複数の突出延長部を備える。
一部の実施形態によれば、1つ以上の凹部が、ヒンジ間隙カバーの長さに沿って設けられており、エンクロージャの内部空洞部とエンクロージャの外側との間に、空気を送り込むように構成されている。
一部の実施形態によれば、ヒンジ間隙カバーを第2部分に向けて付勢するために、ヒンジ間隙カバーにバネが結合されている。
一部の実施形態によれば、電子デバイスのフレックスカバーに対して張力を及ぼすための方法であって、この電子デバイスは、ヒンジ機構を介して第2部分に枢動可能に結合された第1部分を有し、この第1部分を第2部分にフレックスカバーで結合することであって、フレックスカバーが、ヒンジ機構の湾曲面の上に引き回され、フレックスカバーが、そのフレックスカバーに対して戻り力を及ぼすように構成された、第2部分の張力付与機構に結合されていることを含む。
一部の実施形態によれば、この方法は、第1部分と第2部分とをケーブルで電気的に結合することであって、このケーブルが、湾曲面の上に引き回されることを更に含む。
一部の実施形態によれば、張力付与機構は、弾性区画、渦巻ねじりバネ、コイルバネ、又は板バネのうちの1つである。
一部の実施形態によれば、張力付与機構は、第2部分の内部空洞部内に提供される前に、完全に組み立てられるように構成されている、一体型張力機構アセンブリである。
一部の実施形態によれば、このフレックスカバーは、第2部分の張力付与機構の反対側にある、第1部分のアンカーに結合されている。
一部の実施形態によれば、ポータブルコンピューティングデバイスエンクロージャの第1部分と第2部分との間の、内部空洞部へのアクセスを提供する間隙を覆うための方法であって、第1部分は、ヒンジ機構を介して第2部分に枢動可能に結合されており、このヒンジ機構に、回転可能なヒンジ間隙カバーを結合することであって、このヒンジ機構が湾曲面を含み、ヒンジ間隙カバーが、エンクロージャが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、その間隙のサイズを低減するために、第2部分に向けて回転するように構成されていることを含む。
一部の実施形態によれば、この方法は、第1部分を第2部分にフレックス回路で電気的に結合することであって、このフレックス回路が、ヒンジ機構の湾曲面の上に引き回されることを更に含む。
一部の実施形態によれば、ヒンジ間隙カバーは、実質的に凸状の形状であり、エンクロージャの内部空洞部に向けて、内向きに湾曲している。
一部の実施形態によれば、ヒンジ間隙カバーは、湾曲プロファイルを有するものとして特徴付けられ、このヒンジ間隙カバーの湾曲プロファイルは、フレックス回路の屈曲を反映する。
一部の実施形態によれば、第1部分は、間隙のサイズを低減するように構成された、複数の突出延長部を備える。
一部の実施形態によれば、ポータブルコンピューティングデバイス用のエンクロージャは、第1の電気構成要素を有する第1エンクロージャ部分と、第2の電気構成要素を有する第2エンクロージャ部分であって、これら第1部分と第2部分とが、その第2部分の内部空洞部へのアクセスを提供する通風間隙によって隔てられている、第2エンクロージャ部分と、第1部分に取り付けられた第1の電気構成要素と第2部分に取り付けられた第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成された、フレックス回路と、湾曲面を有するヒンジ機構であって、第1部分が、そのヒンジ機構を介して第2部分に対して枢動するように構成され、フレックス回路が、湾曲面の上で引き回されるように構成されている、ヒンジ機構と、第1部分に枢動可能に結合されたヒンジ間隙カバーであって、エンクロージャが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、通風間隙のサイズを低減するように構成されている、ヒンジ間隙カバーと、フレックス回路の上に引き回されるように構成され、第1部分と第2部分の張力付与機構との間に結合されている、フレックス回路カバーであって、この張力付与機構が、内部空洞部内に配置され、エンクロージャが開放構成から閉鎖構成に移行する際に、フレックス回路カバーに対して戻り力を及ぼすように構成されている、フレックス回路カバーとを備える。
一部の実施形態によれば、このエンクロージャのヒンジ間隙カバーは、第1区画を第2区画から分離する、1つ以上のスリットを含むことにより、ヒンジ間隙カバーの第1区画は、ヒンジ間隙カバーの第2区画とは独立して屈曲する。
一部の実施形態によれば、フレックス回路は、第1部分に取り付けられた第1の電気構成要素と、第2部分に取り付けられた第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成され、ヒンジ間隙カバーは、湾曲プロファイルを有するものとして特徴付けられ、このヒンジ間隙カバーの湾曲プロファイルは、フレックス回路の屈曲を反映する。
一部の実施形態によれば、織物ラミネート層が、フレックス回路の基底表面に接合されており、そのフレックス回路を、異質粒子による損傷から保護するように構成されている。
一部の実施形態によれば、第2部分に向けたヒンジ間隙カバーの回転を抑制するために、ヒンジ間隙カバーの合わせ面に対して接触するように構成されている停止面が、第2部分上に設けられている。
一部の実施形態によれば、電子デバイス用の筐体は、第1の電気構成要素を有する第1筐体部分と、第2の電気構成要素を有する第2筐体部分であって、第1部分が第2部分に対して枢動するように構成されている、第2筐体部分と、湾曲面を有し、第1筐体部分及び第2筐体部分に関する枢動軸を提供する、ヒンジ機構であって、このヒンジ機構の湾曲面が、エラストマー材料で構成されている、ヒンジ機構と、ヒンジ機構に近接して配設され、第1筐体部分と第2筐体部分との間に配置された、通風間隙であって、第2部分の内部空洞部へのアクセスを提供する、通風間隙と、通風間隙内部に配置され、通風間隙の開口部を縮小するサイズ及び形状を有する、障壁と、第1部分の第1の電気構成要素と第2部分の第2の電気構成要素とを電気的に結合するように構成された、フレックス回路ケーブルであって、このフレックス回路ケーブルが、湾曲面の上で引き回されるように構成され、このフレックス回路が、その湾曲面に関連付けられた屈曲部を有するものとして特徴付けられる、フレックス回路ケーブルと、フレックス回路ケーブルの基底表面に接合された織物ラミネート層であって、そのフレックス回路ケーブルを異質粒子から保護するように構成されている、織物ラミネート層と、第1部分に枢動可能に結合され、ヒンジ機構に関連付けられた枢動軸の周りで回転するように構成されている、湾曲プロファイルを有するヒンジ間隙カバーであって、筐体が開放構成から閉鎖構成に移行する際に、通風間隙のサイズを低減するように構成されている、ヒンジ間隙カバーと、第2部分に向けたヒンジ間隙カバーの回転を抑制するために、ヒンジ間隙カバーの合わせ面に接触するように構成されている、第2部分上に設けられた停止面と、フレックス回路の上に引き回されるように構成され、第1部分のアンカー部分と第2部分のバネに基づく張力付与機構との間に結合されている、フレックス回路カバーであって、アンカー部分が、第2アンカー部分に枢動可能に結合された成形第1アンカー部分を含む、オーバーモールド成形アンカーアセンブリであり、バネに基づく張力付与機構が、内部空洞部内に配置されており、筐体が開放構成から閉鎖構成に移行する際に、フレックス回路カバーに対して戻り力を及ぼすように構成されている、フレックス回路カバーと、第1部分が第2部分に対して枢動される際に、ヒンジ機構の湾曲面及びフレックス回路ケーブルを、ユーザに対して露出されることから隠すように構成された、ヒンジ機構カバーとを備える。
一部の実施形態によれば、この筐体のバネに基づく張力付与機構は、第2部分の内部空洞部内に提供される前に、完全に組み立てられるように構成されている、張力機構アセンブリの一部である。
一部の実施形態によれば、この筐体のフレックス回路カバーは、接着剤、フック、キャスタレーション、又は機械的インターロックのうちの少なくとも1つを介して、アンカー部分に結合されている。
一部の実施形態によれば、ヒンジ間隙カバーを第2部分に向けて付勢するために、筐体のヒンジ間隙カバーにバネが結合されている。
一部の実施形態によれば、この筐体のヒンジ間隙カバーは、第1区画を第2区画から分離する、1つ以上のスリットを含むことにより、ヒンジ間隙カバーの第1区画は、ヒンジ間隙カバーの第2区画とは独立して屈曲する。
一部の実施形態によれば、電子デバイス用の筐体は、第1部分に取り付けられた第1の電気構成要素と、第2部分に取り付けられた第2の電気構成要素とを、電気的に結合するように構成された、フレックス回路と、筐体の第1部分と第2部分との間を枢動可能に結合する、湾曲面を有するヒンジ機構であって、この湾曲面の上で引き回されるフレックス回路の一区画が、その湾曲面に関連付けられた屈曲部を有するものとして特徴付けられる、ヒンジ機構とを含む。
一部の実施形態によれば、湾曲面の半径は、フレックス回路の最小屈曲半径を規定する。
一部の実施形態によれば、この湾曲面は、そのフレックス回路の一区画を、第1の方向で屈曲させるが、第1の方向とは反対の第2の方向で屈曲することを抑制するように構成されている。
一部の実施形態によれば、この湾曲面は、筐体が開放構成から閉鎖構成に移行した後に、そのフレックス回路の一区画を、第1の方向に沿って更に屈曲させるように構成されている。
一部の実施形態によれば、この湾曲面により、フレックス回路は、屈曲する間に最小限の応力を受ける。
前述の説明では、説明される実施形態の完全な理解をもたらすために、説明を目的として、特定の専門用語を使用するものとした。しかしながら、それら特定の詳細は、説明される実施形態を実践するためには、必須のものではないことが、当業者には明らかとなるであろう。それゆえ、本明細書で説明される特定の実施形態の前述の説明は、例示及び説明を目的として提示されるものである。それらの説明は、網羅的であることも、又は、それらの実施形態を開示される厳密な形態に限定することも意図するものではない。上記の教示を考慮すれば、多くの修正形態及び変形形態が可能であることが、当業者には明らかとなるであろう。