JP6805638B2 - 液体を吐出する装置 - Google Patents

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本発明は液体を吐出する装置に関する。
液体を吐出する液体吐出ヘッドにあっては、ノズルの状態を維持回復するため、ノズル
面をキャッピングするキャップ、ノズル面を払拭する払拭部材などを含む維持回復機構を
備える。
特許文献1には、払拭部材による払拭前に、ノズル面に洗浄液を塗布してから払拭を行う技術が開示されている。
しかしながら、従来の方法では洗浄液を塗布する機構がインク等でよごれてしまい、塗布を繰り返すうちに洗浄能力が低下するという問題があった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、ノズル面の洗浄力を向上させることを目的とする。
上述した課題を解決するため、本願の液体を吐出する装置は、液体が吐出されるノズル孔を有するノズル面を払拭する払拭部材と、前記払拭部材に洗浄液を供給する供給部材と、前記払拭部材のうち前記洗浄液が供給された領域を示す供給領域を前記ノズル面に押圧する第一押圧部と、前記払拭部材のうち前記洗浄液が供給されない領域を示す非供給領域を前記ノズル面に押圧する第二押圧部と、前記払拭部材による前記ノズル面の払拭が行われる前に、前記払拭部材のうち前記ノズル面を払拭していない未使用領域を、前記第一押圧部及び前記第二押圧部に対向する位置にそれぞれ搬送する搬送部材と、を備え、前記払拭部材がノズル面を払拭する方向に向かって、前記第一押圧部は前記第二押圧部よりも前方に配置され、前記第一押圧部が前記供給領域を押圧する押圧力は、前記第二押圧部が前記非供給領域を押圧する押圧力より小さいことを特徴とする。
本発明によれば、ノズル面の洗浄力が向上する。
図1は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の機構部の平面図である。 図2は、同実施形態における要部側面図である。 図3は、同実施形態におけるヘッド構成の平面図である。 図4は、同実施形態における制御部のブロック図である。 図5は、同実施形態におけるクリーニング動作のフロー図である。 図6は、同実施形態における払拭機構の周辺の平面図である。 図7は、同実施形態における払拭機構の平面図、正面図、及び側面図である。 図8は、同実施形態における供給機構の要部拡大図である。 図9は、同実施形態における払拭動作の流れを表す説明図である。 図10は、同実施形態における払拭シートの搬送の流れを表す説明図である。 図11は、同実施形態における払拭動作全体の流れを表すフロー図である。 図12は、同実施形態の変形例2に係る払拭シートの搬送の流れを表す説明図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る液体を吐出する装置の詳細を説明する。
(第1の実施形態)
まず、本実施形態に係る液体を吐出する装置の液体吐出ヘッドとキャリッジ周辺の構成について説明する。本実施形態において「液体を吐出する装置」は、液体を吐出するヘッドを備え、該ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。「液体を吐出する装置」には、被吐出物に対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。例えば、画像形成装置、立体造形装置、処理液塗布装置、噴射造粒装置などが該当する。以下では、「液体を吐出する装置」の一例として、画像形成装置の一つのインクジェット記録装置への適用例を示す。以下のインクジェット記録装置の説明では、記録液の一例である「インク(インク滴)」を上記「液体」の一例とし、記録媒体の一例である「シートP(用紙)」を上記「被吐出物」の一例として示す。
図1は本実施形態のインクジェット記録装置1000の平面説明図、図2は同じく要部側面説明図、図3は同じくヘッド構成の平面説明図である。なお、図3は記録ヘッドを上方から透過した状態で示している。
図1に示すように、インクジェット記録装置1000(以下、本装置または装置本体と呼ぶ。)は主ガイド部材1と、キャリッジ3と、主走査モータ127と、駆動プーリ6と、従動プーリ7と、タイミングベルト8を備える。主ガイド部材1は、装置本体の左右の側板に架け渡され、キャリッジ3を主走査方向に移動可能に保持している。タイミングベルト8は駆動プーリ6と従動プーリ7間に架け渡されており、一部がキャリッジ3に固定もしくは接触している。そして、主走査モータ127が駆動することで、キャリッジ3が主走査方向(即ちキャリッジ移動方向)に往復移動する。
また、キャリッジ3は、液体吐出ヘッドの一例であるヘッド4a、4bと、ヘッドタンク5a、5bを備える。ヘッドタンク5a、5bは、ヘッド4a、4bに液体を供給する。(以後区別しない時は、それぞれヘッド4、ヘッドタンク5と呼ぶ。)
液体吐出ヘッドとしては、例えば、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
図2に示すように、ヘッド4の下部はキャリッジ3から露出して、後述する搬送ベルト12に対向するように配置されている。
また図3に示すように、ヘッド4aは、ノズル4nを複数配列したノズル列44a、45aを備える。また、ヘッド4のうちノズル4nが配列される面をノズル面41と呼ぶ。
同様に、ヘッド4bは、ノズル列44bとノズル列45bを備える。ノズル列44a及び45aは、ノズル配列方向に位置をずらした千鳥状配置としている。ノズル列44b及び45bも同様の配置としている。
そして、ノズル列44aはブラック(K)の液体を、ノズル列45aはシアン(C)の液体を、ノズル列44bはマゼンタ(M)の液体を、ノズル列45bはイエロー(Y)の液体を、それぞれ吐出する。もちろん、各色の液体の順番は任意に変更可能である。
そして、図1に示すように、装置本体側は液体収容装置であるメインタンク50、カートリッジホルダ51、送液ポンプ部52、液体供給経路である供給チューブ56を備える。カートリッジホルダ51は、各色の液体を収容したメインタンク50(50y、50m、50c、50k)が交換可能に装着される。送液ポンプ部52はメインタンク50から各色の供給チューブ56を介して各色のヘッドタンク5a、5bに液体を供給する。
また、装置本体にはキャリッジ3の主走査方向に沿ってエンコーダスケール123が設けられ、キャリッジ3にはエンコーダセンサ124が設けられている。エンコーダスケール123にはパターンが形成されており、透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ124によってパターンを検出できる。即ち、エンコーダスケール123とエンコーダセンサ124が、キャリッジ3の移動量と位置を検知するリニアエンコーダとなる。
次に、シート材Pの搬送方法について説明する。
図1および図2に示すように、装置本体は搬送ベルト12と、搬送ローラ13と、テンションローラ14を備えている。搬送ベルト12は、シート材Pを吸着してヘッド4に対向する位置で搬送する搬送手段である。この搬送ベルト12は無端状ベルトであり、搬送ローラ13とテンションローラ14との間に掛け渡されている。
そして、副走査モータ16がタイミングベルト17及びタイミングプーリ18を介して搬送ローラ13を回転駆動する。搬送ローラ13の回転駆動により、搬送ベルト12が副走査方向に周回移動し、搬送ベルト12上のシートPが搬送される。(以後、シートPの搬送方向を副走査方向と呼ぶ。)
ここでシートPの搬送を安定化させるため、例えば帯電ローラをシートPに接触する位置に配置し、シートPを帯電させることで、シートPを搬送ベルト12に吸着させてもよい。あるいは搬送ベルト12に孔を設け、孔の下部にブロワ等の吸引手段を設けることで、シートPを搬送ベルト12に吸着させてもよい。
さらに、搬送ローラ13の軸にはコードホイール125が設けられている。コードホイール125にはパターンが形成されており、透過型フォトセンサからなるエンコーダセンサ126によってパターンを検出できる。即ち、コードホイール125とエンコーダセンサ126が、搬送ベルト12の移動量と位置を検知するロータリーエンコーダとなる。
以上で説明した液体の吐出方法と、キャリッジ3の主走査方向の移動と、シートPの副走査方向の移動を組み合わせることで、シート材Pに画像を形成することができる。より具体的には、キャリッジ3を主走査方向に移動させながらヘッド4を駆動することにより、停止しているシート材Pに液体を吐出して1行分の画像を記録する。次に、シート材Pを所定量移動させた後、次の行の記録を行う。これを繰り返すことにより、シートP上に画像を形成する。
また装置本体は、払拭機構100と維持回復機構20を備える。払拭機構100は、ノズル面41を払拭してノズル面41に付着した汚れやインクを洗浄する機構である。維持回復機構20は、インクの保湿や吸引といった維持回復動作を行う機構である。払拭機構100及び維持回復機構20の詳細については後述する。
次に、本装置の制御部の概要について図4を参照して説明する。図4は同制御部のブロック説明図である。
制御手段の一例としての制御部500は、CPU501と、ROM502及びRAM503を備える。CPU501は、本装置全体の制御を行う。ROM502は、CPU501が実行するプログラムなどの固定データを格納する。RAM503は、画像データ等を一時格納する。本実施例では、CPU501と、ROM502及びRAM503をあわせて主制御部500Aとしている。
また、制御部500は、不揮発性メモリ(NVRAMと呼ぶ)504と、ASIC505を備える。NVRAM504は、本装置の電源が遮断されている間もデータを保持する。ASIC505は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他本装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、制御部500は、印刷制御部508と、ヘッドドライバ(ドライバIC)509を備える。印刷制御部508は、ヘッド4を駆動するためのデータをヘッドドライバ509へ転送する。ヘッドドライバ509は、キャリッジ3側に設けたヘッド4を駆動し、ヘッド4から液体を吐出させる。
また、制御部500は、モータ駆動部510を備えている。モータ駆動部510は、キャリッジ3を移動走査する主走査モータ127と、搬送ベルト12を周回移動させる副走査モータ16と、後述する維持回復機構20のキャップ21、22の移動を行なう維持回復モータ556を備える。
また、制御部500は、供給系駆動部512を備えている。装置本体には、メインタンク50からヘッド4側への送液などを行う送液ポンプ部52が備えられており、供給系駆動部512は、送液ポンプ部52に備えられる送液ポンプ54を駆動する。
また、制御部500は、払拭機構駆動部515と、供給機構駆動部519を備える。払拭機構駆動部515は、後述する払拭機構100の各部を駆動する。払拭機構100は往復移動モータ291と搬送ローラ駆動モータ292を備え、制御部500がそれぞれのモータの回転を制御する。
供給機構駆動部519は、後述する供給機構300の各部を駆動する。供給機構300は送液ポンプ304と供給パイプ駆動モータ315を備え、制御部500がそれぞれの駆動を制御する。
また、制御部500は、I/O部513と、操作パネル514を備えている。I/O部513は、センサ群570からの情報を取得し、装置本体の各部の制御に必要な情報を抽出する。センサ群570の例としては、温度センサや、エンコーダセンサなどが挙げられる。操作パネル514では、本装置に必要な情報の入力及び表示を行う。
また、制御部500は、ホストI/F506を備える。ホストI/F506は、ホスト590側とのデータ、信号の送受を行う。より具体的には、PC等の情報処理装置、画像読み取り装置、撮像装置などのホスト590のプリンタドライバ591側から、ケーブル或いはネットワークを介して信号の送受を行う。
そして、制御部500のCPU501は、ホストI/F506に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。そしてASIC505にて必要な画像処理、データの並び替え処理等を行い、この画像データを印刷制御部508からヘッドドライバ509に転送する。
印刷制御部508は、上述した画像データをシリアルデータで転送するとともに、この
画像データの転送に必要な転送クロックやラッチ信号、制御信号などをヘッドドライバ509に出力する。
ヘッドドライバ509は、シリアルに入力されるヘッド4の1行分に相当する画像デー
タに基づいて、印刷制御部508から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択してヘッド4の圧力発生手段に対して与える。これにより、ヘッド4を駆動し、液体を吐出する。このとき、駆動波形を構成するパルスの一部又は全部、或いはパルスを形成する波形用要素の全部又は一部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴など、大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
なお本実施形態のモータやヘッドドライバ等は制御部500からの信号により駆動するが、以降の文章では、特筆しないかぎり省略して説明する。また、「制御」とは、記憶装置等に記憶された値を参照してモータ等の駆動装置に信号として送ることと、演算装置等が演算した値をモータ等の駆動装置に信号として送ること等を意味する。また制御部500の構成は一例であり、制御部500とは別体の制御機能を設けて各部位を動作させても良い。
次に、本実施形態の維持回復動作の全体的な流れについて説明する。図5は、本装置の全体のクリーニング動作を表すフロー図である。なお、より詳細な説明のために、多くの動作を制御部500の制御にあわせて記載しているが、制御部500の制御を必須とするものではない。
図5に示すように、まず制御部500は、クリーニング動作の開始指示を受け付ける(S1)。ユーザーは先述した操作パネル514を操作して、クリーニング動作の開始指示を入力することができる。この入力方法は任意であり、例えば操作パネル514に表示された表示部品(例えば、クリーニング動作の開始を指示するためのアイコン等の仮想ボタン)を押下する形態であってもよいし、クリーニング動作の開始を指示するためのボタン(ハードウェア)を押下する形態であってもよい。
制御部500がクリーニング動作の開始指示を受け付けた後、本装置はクリーニング動作を開始する。そしてキャリッジ3が吸引キャップ上へ移動するよう制御部500が往復移動モータ291を制御し(S2)、維持回復機構20がインク吸引動作を行うよう制御部500が維持回復モータ556等を制御する(S3)。
その後、キャリッジ3が後述する払拭位置900に移動するよう制御部500が主走査モータ127を制御し(S4)、後述する払拭機構100がノズル面41を払拭するよう制御部500が往復移動モータ291を制御する(S5)。
その後、キャリッジ3が図1の空吐出受け81上に移動するよう制御部500が主走査モータ127を制御し(S6)、空吐出を行うよう制御部500がヘッドドライバ509等を制御する(S7)。その後、本装置が印字を開始するよう制御部500が各駆動装置を制御する(S8)。
なおこのクリーニング動作手順は一例であり、順序や動作トリガー等は必要に応じて適宜変更可能である。
次に、図6を用いて本実施形態における払拭機構100の周辺要素の詳細について説明する。
図6(a)は、図1に示した払拭機構100及びレール190の要部拡大図である。図6(b)は、キャリッジ3が払拭位置900上に位置するときの払拭機構100及びレール190の要部拡大図である。
装置本体は、払拭機構100と、レール190を備える。払拭機構100は、払拭シート150と、第一押圧部110と、第二押圧部120と、搬送ローラ101とを有し、レール190に沿って移動可能に構成されている。払拭シート150と、第一押圧部110と、第二押圧部120と、搬送ローラ101の詳細については後述する。
レール190は移動機構の一例であり、払拭シート150に形成された供給領域700および非供給領域701の各々がノズル面41に接触するよう、ノズル面41に対して払拭機構100を相対的に移動させる。レール190は副走査方向を長手方向として設けられている。そして払拭機構100(もしくはレール190側に)に設けられた往復移動モータ291の駆動を制御部500が制御することよって、払拭機構100が図6(a)に示す矢印A方向に移動する(以後この方向を払拭方向と呼ぶ)。本実施形態では、レール190と往復移動モータ291により移動機構を構成している。
また、主走査方向における払拭機構100の隣には、維持回復機構20が設けられている。
図6(a)に示す初期位置901は、レール190上にある払拭機構100の定位置であり、レール190の端部近傍に設けられている。装置本体の停止時、洗浄液310の塗布時、払拭動作完了後等には、払拭機構100は初期位置901に位置する。
払拭位置900はキャリッジ3の主走査方向の移動の範囲上にあり、キャリッジ3の位置を意味する。払拭位置900は、キャリッジ3の主走査方向と払拭機構100の払拭方向が交差する位置にある。
図6(b)に示すように、キャリッジ3が払拭位置900に位置しているとき(即ち、ノズル面41が払拭位置900に位置しているとき)に、払拭機構100を初期位置901から払拭方向へ移動させ、払拭機構100の一部(払拭シート150)をノズル面41に接触させることで、ノズル面41に付着した汚れやインクを払拭する。これらの動作が、図5で説明したキャリッジ3の移動(S4)と払拭動作(S5)に相当する。
次に、図7を用いて払拭機構100の各部詳細について述べる。図7(a)は払拭機構100の平面図、図7(b)は払拭機構100の正面図、図7(c)は払拭機構100の側面図を表す。
払拭機構100は、ベース140と、払拭シート150と、搬送ローラ101、102と、中間ローラ103と、第一押圧部110と、第二押圧部120とを備える。ベース140は、払拭機構100中の各種部品を取り付けるための土台である。
払拭シート150は払拭部材の一例であり、液体が吐出されるノズル4nを有するノズル面41を払拭する。また払拭部材はシート状(布形状とも呼ぶ)の部材であり、本実施形態では巻取りが可能な程度に薄く、柔らかいものとしている。
また払拭シート150はウェブとも呼ばれ、汚れの払拭性能を考慮すると、繊維状の材質にすることが好ましい。本実施形態では材質をコットンリンター(セルロース系の繊維)としている。
そして払拭シート150は、搬送部材の一例である搬送ローラ101、102及び中間ローラ103に架け渡されるようにして配置される。
搬送部材の一例である搬送ローラ101は、ノズル面41を払拭する前に、払拭シート150のうちノズル面41を払拭していない未使用領域を、第一押圧部110及び第二押圧部120に対向する位置にそれぞれ搬送する。より具体的には、制御部500は、ノズル面41の払拭が行われる前に、払拭シート150の未使用領域が第一押圧部110及び第二押圧部120の各々の押圧位置に位置するように、搬送ローラ101による払拭シート150の搬送量を制御する。詳細については後述する。
搬送ローラ101は先述した搬送ローラ駆動モータ292と接続されており、搬送ローラ駆動モータ292が回転することで払拭シート150を図7の矢印B方向に搬送することができる。本実施形態では、搬送ローラ駆動モータ292を搬送ローラ101側に設けているが、搬送ローラ102側に設けてもよいし、両方に設けてもよい。即ち、搬送部材は搬送ローラ102でも良い。また、搬送方向は矢印B方向と反対方向でも構わない。
第一押圧部110は、払拭シート150のうち洗浄液310が供給された領域を示す供給領域700をノズル面41に押圧する。そして、第一押圧部110に押圧された供給領域700がノズル面41を払拭する。洗浄液310、供給領域700及び払拭方法については後述する。
第二押圧部120は、払拭シート150のうち洗浄液310が供給されていない領域を示す非供給領域701をノズル面41に押圧する。そして、第二押圧部120に押圧された非供給領域701がノズル面41を払拭する。つまり、第二押圧部120は、洗浄液310の塗布および払拭が施されたノズル面41(洗浄液310で水拭きされた後のノズル面41)を、非供給領域701で乾拭きするのに用いられる部材であると考えることもできる。非供給領域701及び払拭方法については後述する。
また、第一押圧部110及び第二押圧部120は、それぞれの下部にバネ112とバネ122を備える。そして、バネ112が第一押圧部110を上方(即ち、ノズル面41方向)へ押し上げる。同様に、バネ122が第二押圧部120を上方へ押し上げる。ここでは、バネ112とバネ122の押圧力は同程度としている。
そして、第一押圧部110と第二押圧部120が、搬送ローラ101、102に架け渡された払拭シート150を下方から上方へ押し上げるようにして配置されている。このとき、押し上げられた払拭シート150の最上部が、少なくともノズル面41より高い位置にくるようにしている。
さらに、第一押圧部110と第二押圧部120の間には中間ローラ103を設けている。中間ローラ103は、第一押圧部110及び第二押圧部120によって上方へ押し上げられた払拭シート150の一部を、下部に押さえつけるような位置に配置されている。このようにして、搬送ローラ101、102と、中間ローラ103と、第一押圧部110と、第二押圧部120とで、払拭シート150を張るようにして保持している。
このとき、払拭シート150のうち、第一押圧部110および第二押圧部120に接している部分がノズル面41に接触する部分となる。
なお、各実施形態における払拭シート150は、先述したシート材Pとは異なる部材である点に留意されたい。また同様に、以下の説明における搬送ローラ101、102は、先述した搬送ローラ13とは異なる部材である。搬送部材としての搬送ローラ101、102は、払拭シート150を搬送するための部材である。
次に、供給機構300の詳細について図7及び図8を用いて述べる。図8は供給機構300の要部拡大図であり、図8(a)は供給OFF時の様子を表し、図8(b)は供給ON時の様子を表す。
供給機構300は払拭機構100の上方に設けられており、払拭シート150に洗浄液310を供給する。洗浄液310は、ノズル面41に固着した汚れを払拭しやすくする液体である。払拭においては、洗浄液310のHSP(ハンセン溶解度パラメータ:物質の溶解度を示すパラメータ)が、固着しているインクのHSPと同程度であることが好ましい。具体的には、洗浄液310がグリコールエーテル系の溶剤を含んでいると、一般的なインクのHSPと同程度になるため好ましい。
図8に示すように、供給部材の一例である供給機構300は、洗浄液タンク302と、送液ポンプ304と、供給パイプ306と、孔308を備える。供給機構300は、払拭シート150に洗浄液310を供給する。洗浄液タンク302は、ノズル面41の洗浄に使う洗浄液310を貯蓄する。洗浄液ポンプ304は、洗浄液タンク302中の洗浄液310を供給パイプ306の方向へと供給する。供給パイプ306は、内部に洗浄液310が流動可能な中空形状となっており、孔308によって供給パイプ306の内部がパイプ外部と連通している。
さらに、供給パイプ306は軸方向を中心として回転可能に構成されており、回転によって孔308の位置を変え、内部にある洗浄液310を外部へと排出することができる。このとき、洗浄液ポンプ304で排出方向に加圧しても良い。
ここで図7にも示したように、供給パイプ306は払拭シート150の上方に、払拭方向に直交する方向の全域にわたって配置されている。そのため、供給パイプ306の外部へ排出された洗浄液310は、払拭シート150上に付着する。即ち、洗浄液310が払拭シート150に供給される。以後、このような「洗浄液310を供給可能な状態」を供給ONと呼び、「洗浄液310の供給を停止している状態」を供給OFFと呼ぶ。
また、この供給に伴う各部位の動作は、先述した制御部500が先述した送液ポンプ304及び供給パイプ駆動モータ315を制御することで行い、制御部500は供給機構300の供給ONと供給OFFを切り替えることが出来る。
次に、図9を用いて払拭動作の流れについて説明する。図9の各図は、払拭機構100が初期位置901から払拭方向へ移動していく過程を示す図である。
図9(a)では、払拭機構100は初期位置901に位置している。そして払拭機構100が初期位置901に位置しているとき、供給パイプ306は第一押圧部110の上方に位置するよう配置されている。この初期位置901において、制御部500は、供給パイプ306を回転させるように供給パイプ駆動モータ315を制御し、供給ON状態とする。
次に図9(b)のように、供給ONの状態のまま、払拭機構100を払拭方向へ微小移動させるように制御部500が往復移動モータ291を制御する。これにより、第一押圧部110の上部に、洗浄液310が供給された領域である供給領域700を形成することができる。
また初期位置901において、供給パイプ306の位置を第一押圧部110よりも払拭方向において後方としてしまうと、第一押圧部110の最上部に洗浄液310を供給することができない。そして払拭動作時に、洗浄液310が供給されていない第一押圧部110でノズル面41を払拭してしまうおそれがある。
また、供給パイプ306の位置を第一押圧部110の真上としてしまうと、各部材のあそびやがたつきによって供給領域700の位置がずれてしまったときに、ノズル面41を供給領域700で払拭できないおそれがある。従って本実施形態では供給パイプ306の位置を第一押圧部110よりも払拭方向においてやや前方とし、払拭方向において第一押圧部110の前後をカバーする範囲に洗浄液310を供給できる構成としている。
次に図9(c)のように、供給パイプ306を回転させるように制御部500が供給パイプ駆動モータ315を制御して供給OFF状態とする。このとき、払拭シート150のうち、第一押圧部110の上部に位置する部分は洗浄液310が供給されている供給領域700であり、第二押圧部120の上部に位置する部分は洗浄液310が供給されていない非供給領域701である。
次に図9(d)のように、払拭機構100が払拭方向へと移動するように制御部500が往復移動モータ291を制御する。
このとき図9(e)のように、払拭シート150上の供給領域700がノズル面41の表面に接触しながら払拭方向へと移動する。より具体的には、供給領域700がノズル面41に付着したインクを払拭しつつ、洗浄液310をノズル面41に塗布する。ここでは、ノズル面41のうち洗浄液310が塗布された部分を塗布部分801と呼ぶ。
そして図9(f)のように、供給領域700がノズル面41を払拭した後に、非供給領域701がノズル面41を払拭する。本実施形態では、払拭方向に向かって第一押圧部110は第二押圧部120よりも前方に配置されているため、払拭動作においてノズル面41に先に触れるのは第一押圧部110の上方にある供給領域700となる。
つまり第一押圧部110は、払拭シート150のうち洗浄液310が供給された領域を示す供給領域700をノズル面41に押圧する。そして、ノズル面41に付着した汚れ等を供給領域700で払拭しつつ、洗浄液310をノズル面41に塗布する。そして第二押圧部120は、払拭シート150のうち洗浄液310が供給されていない領域を示す非供給領域701をノズル面41に押圧し、洗浄液310が塗布されたノズル面41を非供給領域701で払拭する。
より具体的には、まず払拭シート150の洗浄液310がついた領域(即ち供給領域700)でノズル面41を払拭した後に、払拭シート150の洗浄液310がついていない領域(即ち非供給領域701)でノズル面41を払拭する。更に言い換えれば、払拭シート150はノズル面41に対して、いわゆる水拭きをした後に、乾拭きをする。
そして図9(g)のように、供給領域700及び非供給領域701がノズル面41を払拭した後は、払拭シート150のうちノズル面41と接触した面(即ち、払拭シート150のうち各押圧部の上部に位置する部分)に、インクや汚れた洗浄液310によってできた汚れDが付着する。
その後、払拭機構100が初期位置901にもどるように制御部500が往復移動モータ291を制御する。このとき汚れDがノズル面41に再付着することを防ぐため、払拭機構100が初期位置901に戻るときは、キャリッジ3は払拭位置900から退避した位置にあることが望ましい。
ここで、払拭シート150を搬送しないまま次回の払拭動作を行った場合、汚れDが付着した領域(以後、使用領域と呼ぶ)でノズル面41を払拭することになり、払拭回数を重ねるうちに洗浄能力が低下するおそれがある。
そこで本実施形態では、払拭シート150によるノズル面41の払拭が行われる前に、搬送ローラ101は、払拭シート150のうちノズル面41を払拭していない未使用領域を、第一押圧部110及び第二押圧部120の各々に対向する位置にそれぞれ搬送する。
より具体的には、払拭シート150が搬送される経路における第一押圧部110と第二押圧部120との間の距離をL、Lよりも小さい距離をLf、Lfの距離で払拭シート150を搬送した回数をnとしたとき、搬送ローラ101は、Lf×(n+1)≦LとなったときにはLfだけ払拭シート150を搬送し、Lf×(n+1)≧LとなったときにはLより大きい距離だけ払拭シート150を搬送する。以下で詳細について説明する。
図10を用いて搬送ローラ101の動作について説明する。図10は、払拭機構100の側面図と、搬送ローラ101に掛け渡されていない状態の払拭シート150の平面図を表す。払拭シート150の概要図では、払拭シート150のうち第一押圧部110に押圧されてノズル面41に接触する部分P1及び、第二押圧部120に押圧されてノズル面41に接触する部分P2をそれぞれ実線で示し、P1とP2の距離をLとしている。言い換えれば、P1及びP2は、払拭動作を行ったときに汚れDが付着する部分である。
なお、距離Lは払拭機構100を上面から見たときのP1とP2の直線距離ではなく、払拭シート150の搬送ルート上におけるP1とP2の距離である点に留意されたい。
まず図10(a)に示すように、払拭シート150のうち第一押圧部110の上部に位置する領域に洗浄液310を供給して供給領域700を形成する。供給手順については先述しているため省略する。このとき、図10(a)に示すように、払拭シート150のP1近傍には洗浄液310が供給され、供給領域700が形成されている。また、供給領域700以外の領域(即ち、洗浄液310が供給されていない領域)を非供給領域701とする。
そして払拭機構100がノズル面41の払拭を行うと、図10(b)に示すように、P1およびP2の一部には汚れD1が付着する。なお、本実施形態ではヘッド4の数を合計で2つとしているため、P1とP2にそれぞれ2つずつ汚れD1が付着しており、ヘッド数やノズル間隔などによって汚れD1の数は異なる。
その後図10(c)に示すように、搬送ローラ101を回転させるように制御部500が搬送ローラ駆動モータ292を制御し、搬送ローラ101が払拭シート150を矢印B方向に距離Lfだけ搬送する。これにより、汚れD1がP1及びP2上から移動することができ、次回の払拭時には汚れD1がノズル面41に接触しないようになる。また、このときLf<Lとしている。
そして図10(d)に示すように、次の払拭動作が開始されるときに、図10(a)と同様の手順で供給領域700を形成する。その後、図10(b)と同様の手順で払拭動作を行い、P1及びP2上には汚れD2が付着する。本実施形態ではこのようにして、洗浄液310の供給、払拭動作、払拭シート150をLfだけ搬送、という工程を繰り返す。
そして、払拭動作をn−1回行ったときの様子を図10(e)に示す。なお、n回目の払拭動作のときに付着した汚れを汚れDnとしている。このとき、次の払拭動作に備えて汚れDnをP1及びP2から移動させると、一回目の払拭動作時についた汚れD1がP1に重なってしまい、次の払拭動作時には汚れD1が付着した状態の払拭シート150でノズル面41を払拭することになる。
そのため図10(f)に示すように、Lf×(n+1)≧Lとなったときには、搬送ローラ101は払拭シート150の搬送量がLより大きくなるように搬送する。これにより、P1上に汚れD1が重なることはなく、払拭シート150のうち未使用領域がP1上に配置される。
その後図10(g)に示すように、図10(a)と同様の手順で供給領域700を形成して、払拭動作を行う。
次に、図11のフロー図を用いて払拭動作全体のフローを説明する。なお、各ステップの詳細な説明は先述した通りであるため省略する。また、各ステップにおける動作は制御部500による制御を必須とするものではなく、各部位が最終的に図11に示す動作をしていれば良い。
まず、制御部500が払拭動作開始を受け付ける(S110)。ユーザーが先述した操作パネル514を操作して、払拭動作開始の指示を入力する場合や、一定の期間ごとに払拭動作開始の指示が入力されるよう制御部500を制御してもよい。その後、n=n+1としてカウントをする(S120)。その後、制御部500は、n=0であるか否かを判断する(ステップS130)。ステップS130の結果が肯定の場合(S130:Yes)、処理はステップS150へ移行する。S130の結果が否定の場合(S130:No)、制御部500は、Lf×(n+1)≧Lを満たすか否かを判定する(ステップS141)。S141の結果が否定の場合(S141:No)、制御部500は、払拭シート150をLfだけ搬送する制御を行う(S142)。一方、S141の結果が肯定の場合(ステップS141:Yes)、制御部500は、払拭シート150をLより大きい距離で搬送する制御を行う(S143)。そして、制御部500は、カウント値nを0(初期値)に戻す(S144)。
その後、制御部500は、供給ON状態となるように供給機構300を制御する(S150)。次に、制御部500は、払拭機構100をノズル面4側へ微小移動させた後(S160)、液供給OFF状態となるように供給機構300を制御する(S170)。そして、制御部500は、払拭機構100にノズル面41を払拭させる制御を行う(S180)。つまり、制御部500は、払拭機構100が払拭方向へ移動するように往復移動モータ291を制御する。払拭動作が完了すると(払拭機構100が、払拭動作完了に対応する位置まで移動すると)、制御部500は、キャリッジ3をレール190上から退避させる制御を行い(S190)、払拭機構100を初期位置901に移動させる制御を行う(S200)。
また、本装置の出荷時や、払拭シート150を新品に交換したときは、払拭シート150の全域が未使用領域であることは明らかである。従ってそのようなときには、nの値をリセットしてn=−1として、Lf×(n+1)≧Lの判断ステップをスキップするようにしている。
以上に説明したように、搬送ローラ101は、払拭シート150によるノズル面41の払拭が行われる前に、払拭シート150のうちノズル面41を払拭していない未使用領域を、第一押圧部110及び第二押圧部120に対向する位置にそれぞれ搬送する。これにより、払拭シート150のうち汚れDが付着していない未使用領域でノズル面41の払拭を行うことができ、払拭回数を重ねても洗浄能力が低下しにくい。
また従来の技術では、洗浄液塗布用の機構と払拭用の機構が別体で設けられ、それぞれが駆動部を有する構成だった。対して本実施形態では、払拭機構100が、洗浄液塗布用の機構と払拭用の機構を兼ねているため、従来と比較して簡易な構成で払拭機構100を構成できる。
また、本実施形態に係る液体を吐出する装置のレール190(即ち移動機構)は、ノズル面41の払拭を行うとき、供給領域700および非接触領域501の各々がノズル面41に接触するよう、ノズル面41に対して払拭機構100を相対的に移動させる制御を行う。これにより図9(c)で説明したような払拭機構150の微小移動で供給領域700を形成できるため、スプレーのような複雑な供給機構を用いずとも供給領域700を形成できる。
なお、払拭機構100の位置を固定して、ノズル面41を相対的に移動させることで払拭を行うことも可能である。その場合は、供給機構300を例えばスプレーのような構成として第一押圧部110上に配置し、ノズル面41と干渉しないように退避できる構成とするのが望ましい。
また、払拭方向をキャリッジ3の主走査方向と直角方向とした場合は、ノズル4nの配列方向に沿って払拭シート150がノズル面41を払拭できるため、吐き出す液体色の異なるノズル列同士の混色を防ぐことができる。
また、本実施形態に係る液体を吐出する装置の第一押圧部110は、払拭シート150がノズル面41を払拭する方向に向かって、第二押圧部120よりも前方に配置される。
これにより、例えばノズル面41に固着したインクを洗浄するときは、一旦洗浄液310を浸透させてから再度払拭できるため、固着したインクがふやけて洗浄しやすくなる。さらに、最後に乾いた状態の払拭シート150でノズル面41を払拭しているため、洗浄液310をノズル面41の表面に残留させることがない。
また本実施形態の搬送ローラ101は、払拭シートが搬送される経路における第一押圧部110と第二押圧部120との間の距離をL、Lよりも小さい距離をLf、Lfの距離で払拭シート150を搬送した回数をnとしたとき、Lf×(n+1)≦Lとなったときには搬送量をLfで払拭シート150を搬送し、Lf×(n+1)≧LとなったときにはLより大きい搬送量で払拭シート150を搬送する。
これにより、一回目の払拭動作時についた汚れD1がP1に重なることがなく、次の払拭動作時には汚れD1が付着していない未使用領域でノズル面41を払拭することができる。
また、一回目の払拭動作時についた汚れD1がP1に重なることを防ぎたい場合、単純に払拭シート150の搬送量をL以上にする方法もあるが、その場合は払拭シート150に付着する汚れDの間隔が大きくなり、払拭シート150の大部分が無駄になってしまう。対して本実施形態は、先述したように、Lf×(n+1)≦Lの場合は搬送量をLf(<L)として払拭シート150を搬送するので、常に搬送量をL以上とする構成に比べて、払拭シート150上に付着する複数の汚れDの間隔を小さくすることができる。したがって、払拭シート150の広い範囲を払拭に使用することができて経済的である。
なお、払拭シート150の搬送量は適宜変更可能である。搬送量を大きくすれば、汚れDが各押圧部からみてより遠くに位置することなり、次回以降の払拭動作における汚れDの影響をより小さくすることができる。搬送量を小さくすれば、汚れDの間隔が小さくなるため、払拭シート150のうち多くの領域を使用することができ、コスト改善効果がある。いずれの場合でも、払拭動作後(もしくは払拭動作開始前)に払拭シート150を所定量搬送していれば、払拭回数増加に伴う洗浄能力の低下を防ぐことが可能である。
また、キャリッジ3の払拭位置900を、払拭動作ごとに主走査方向にずらした場合、払拭シート150のうち更に多くの領域を使用することができる。つまり、払拭シート150を1回の払拭動作毎に搬送せず、2、3回の払拭動作毎に搬送することができる。
(変形例1)
次に、第1の実施形態の変形例1について説明する。
払拭シート150の非供給領域701をノズル面41に押圧して払拭するときは、押圧力が大きい方が多くの汚れを払拭できる。従って、第二押圧部120に対応して配置されるバネ122の弾性係数は、できる限り大きくすることが望ましい。
しかしながら、払拭シート150の供給領域700をノズル面41に押圧して払拭するときは、払拭シート150がノズル面41に触れたときに払拭シート150を大きく変形させてしまう。これによって払拭シート150に含まれる洗浄液310が溢れでてしまい、洗浄液310をうまくノズル面41に塗布することができず、洗浄能力を低下させるおそれがある。即ち上述の実施形態と同様に、第一押圧部110の押圧力が第二押圧部120の押圧力と同程度の場合は、洗浄能力を低下させるおそれがある。
そこで本変形例では、第一押圧部110がノズル面41を押圧する押圧力は、第二押圧部120がノズル面41を押圧する押圧力より小さくしている。より具体的には、第一押圧部110の下部に配置されるバネ112の弾性係数は、第二押圧部120の下部に配置されるバネ122の弾性係数より小さい。
このように本変形例では、第一押圧部110の押圧力が小さいため、払拭シート150がノズル面41に触れたときの払拭シート150の変形量は小さい。これによって払拭シート150に含まれる洗浄液310が溢れでてしまうのを防ぎ、洗浄液310をうまくノズル面41に塗布することができ、洗浄能力を低下させることがない。
そしてその後、大きな押圧力をもつ第二押圧部120によって未使用領域をノズル面41へ押圧し、洗浄液310が塗布されたノズル面41を大きな力で払拭できる。
押圧力(払拭シート150をノズル面方向に押し付ける力)は適宜変更可能であるが、供給領域700で払拭するとき(水拭き)の押圧力は1[N]程度が望ましい。先述したように、洗浄液310が払拭シート150から溢れ出ることを考慮すると、このときの押圧力は大きすぎないほうが望ましい。しかしながら、押圧力がこれ以上小さい場合は、洗浄液310が払拭シート150から溢れ出ずに、かえって洗浄液310がノズル面41に塗布されない可能性があるため、1[N]程度が望ましい。
また、非供給領域701で払拭するとき(乾拭き)の押圧力は3〜5[N]が望ましい。押圧力がこれ以上小さい場合は、汚れや洗浄液310を払拭しきれない可能性があるためである。
(変形例2)
次に、第1の実施形態の変形例2について説明する。本変形例では、払拭シート150が搬送される経路における第一押圧部110と第二押圧部120との間の距離をL、搬送ローラ101による払拭シート150の一回あたりの搬送量をLf、搬送ローラ101が払拭シート150を搬送した回数をnとしたとき、L≠Lf×nとなるようにしている。以下でその詳細について説明する。
図10(e)でも説明したように、払拭回数が重なると、一回目の払拭動作時に払拭シート150に付着した汚れD1がP1近傍まで搬送されてしまう。そこで図12に示すように、L≠Lf×nとなるようにした。これにより、払拭シート150のうち汚れD1と汚れD2の間にある未使用領域をP1上に位置させることができる。そして、払拭シート150のうち汚れDが付着していない未使用領域でノズル面41の払拭を行うことができ、払拭回数を重ねても洗浄能力が低下しにくい。
この変形例では制御部500がnをカウントして搬送量の選択をする必要なく、L≠Lf×nを満たすよう予め設定されていれば、上述した効果を奏することができる。
また、「液体吐出ヘッド」は使用する圧力発生手段が限定されるものではない。例えば、上記実施形態で説明したような圧電アクチュエータ(積層型圧電素子を使用するものでもよい。)以外にも、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどを使用するものでもよい。
また、「シート材」とは材質を紙に限定するものではなく、OHP、布、ガラス、基板などを含み、インク滴、その他の液体などが付着可能なものの意味である。被記録媒体、記録媒体、記録紙、記録用紙などと称されるものを含む。
また、「インク」とは、特に限定しない限り、インクと称されるものに限らず、記録液、定着処理液、液体などと称されるものなど、画像形成を行うことができるすべての液体の総称として用いる。例えば、DNA試料、レジスト、パターン材料、樹脂なども含まれる。
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどが挙げられ、液体が一時的でも付着可能であればよい。
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、三次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液をノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
3 キャリッジ
4 ヘッド
4n ノズル
20 維持回復機構
21,22 キャップ
41 ノズル面
81 空吐出受け
100 払拭機構
101 搬送ローラ(搬送部材)
102 搬送ローラ(搬送部材)
103 中間ローラ
110 第一押圧部
112 バネ
120 第二押圧部
122 バネ
140 ベース
150 払拭シート(払拭部材)
190 レール(移動機構)
300 供給機構(供給部材)
302 洗浄液タンク
304 送液ポンプ
306 供給パイプ
308 孔
310 洗浄液
500 制御部
700 供給領域
701 非供給領域
801 塗布部分
900 払拭位置
901 初期位置
1000 インクジェット記録装置
特開2010−82856号公報

Claims (4)

  1. 液体が吐出されるノズル孔を有するノズル面を払拭する払拭部材と、
    前記払拭部材に洗浄液を供給する供給部材と、
    前記払拭部材のうち前記洗浄液が供給された領域を示す供給領域を前記ノズル面に押圧する第一押圧部と、
    前記払拭部材のうち前記洗浄液が供給されない領域を示す非供給領域を前記ノズル面に押圧する第二押圧部と、
    前記払拭部材による前記ノズル面の払拭が行われる前に、前記払拭部材のうち前記ノズル面を払拭していない未使用領域を、前記第一押圧部及び前記第二押圧部に対向する位置にそれぞれ搬送する搬送部材と、を備え、
    前記払拭部材がノズル面を払拭する方向に向かって、前記第一押圧部は前記第二押圧部よりも前方に配置され、
    前記第一押圧部が前記供給領域を押圧する押圧力は、前記第二押圧部が前記非供給領域を押圧する押圧力より小さい
    ことを特徴とする液体を吐出する装置。
  2. 前記払拭部材と、前記第一押圧部と、前記第二押圧部と、前記搬送部材とを有する払拭機構と、
    前記払拭部材に形成された前記供給領域および前記非供給領域の各々が前記ノズル面に接触するよう、前記ノズル面に対して前記払拭機構を相対的に移動させる移動機構と、を備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
  3. 前記払拭部材が搬送される経路における前記第一押圧部と前記第二押圧部との間の距離をL、
    前記Lよりも小さい距離をLf、
    前記Lfの距離で前記払拭部材を搬送した回数をnとしたとき、
    前記搬送部材は、
    Lf×(n+1)Lとなったときには搬送量をLfとして前記払拭部材を搬送し、
    Lf×(n+1)≧Lとなったときには搬送量をLより大きくして前記払拭部材を搬送することを特徴とする請求項1または2に記載の液体を吐出する装置。
  4. 前記払拭部材が搬送される経路における前記第一押圧部と前記第二押圧部との間の距離をL、
    前記搬送部材による前記払拭部材の一回あたりの搬送量をLf、
    前記搬送部材が前記払拭部材を搬送した回数をnとしたとき、
    L≠Lf×nとなる
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の液体を吐出する装置。
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