JP2021011071A - 液体を吐出する装置、及び液体を吐出する装置の不吐出ノズルの検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液体の消費量を低減可能な、液体を吐出する装置を提供する。【解決手段】液体を吐出する装置は、第1のノズル面を有し、前記第1のノズル面に設けられた第1のノズルから第1の液体を吐出する、第1の液体吐出ヘッドと、前記第1のノズル面に前記第1の液体と異なる第2の液体を塗布する液体塗布装置と、を備える。前記第1の液体吐出ヘッドは、前記第2の液体を前記第1のノズルから吐出することでパターンを印刷する。【選択図】図8
Description
本発明は、液体を吐出する装置、及び液体を吐出する装置の不吐出ノズルの検知方法に関する。
従来より、インクジェット記録装置のような、液体を吐出する装置が知られている。液体を吐出する装置は、ノズルからインクを吐出することでテストパターンを印刷し、印刷された当該テストパターンに基づいて不吐出ノズルを検知することができる。
一例として、特許文献1には、テストパターンを印刷し、当該テストパターンの画像データと基準データとを用いて不吐出ノズルを検知するインクジェット記録装置の技術が開示されている。当該インクジェット記録装置は、処理液ノズルから吐出された処理液により印刷したテストパターンと、インクノズルから吐出されたインクにより印刷したテストパターンと、について、画像読取装置から得られた画像データに基づき判断を行う。
しかしながら、インクや処理液のような画像の印刷に用いられる液体がテストパターンの印刷にも用いられる。このため、不吐出ノズルを検知するために液体の消費量が増大してしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液体の消費量を低減可能な、液体を吐出する装置、及び液体を吐出する装置の不吐出ノズルの検知方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一つの実施形態に係る液体を吐出する装置は、第1のノズル面を有し、前記第1のノズル面に設けられた第1のノズルから第1の液体を吐出する、第1の液体吐出ヘッドと、前記第1のノズル面に前記第1の液体と異なる第2の液体を塗布する液体塗布装置と、を備え、前記第1の液体吐出ヘッドは、前記第2の液体を前記第1のノズルから吐出することでパターンを印刷する、ことを特徴とする。
本発明によれば、液体を吐出する装置における第1の液体の消費量を低減することが可能となるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、液体を吐出する装置、及び液体を吐出する装置の不吐出ノズルの検知方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の複数の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。
以下の各実施形態における「液体を吐出する装置」は、液体を吐出するヘッドを備え、当該ヘッドを駆動させて液体を吐出させる装置である。「液体を吐出する装置」は、被吐出物に対して液体を吐出することが可能な装置のみならず、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含む。例えば、「液体を吐出する装置」は、画像形成装置、立体造形装置、処理液塗布装置、及び噴射造粒装置を含む。以下、「液体を吐出する装置」の一例として、画像形成装置の一種であるインクジェット記録装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態におけるインクジェット記録装置1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400を有する。
図1は、第1の実施形態におけるインクジェット記録装置1の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、インクジェット記録装置1は、給紙部100、画像形成部200、乾燥部300、排紙部400を有する。
インクジェット記録装置1は、画像形成部200において、給紙部100から供給される用紙Pにインクを吐出することで、用紙Pに画像を形成する。用紙Pは、記録媒体(記録材)としてのシート材である。インクは、画像形成に用いられる液体である。インクジェット記録装置1は、用紙P上に付着したインクを乾燥部300で乾燥させた後、排紙部400から用紙Pを排紙する。
給紙部100は、給紙トレイ110と、給送装置120と、レジストローラ対130とを有する。給紙トレイ110に、複数の用紙Pが積載される。給送装置120は、給紙トレイ110から用紙Pを一枚ずつ分離して送り出す。レジストローラ対130は、用紙Pを画像形成部200へ送り込む。
給送装置120として、ローラやコロを用いた装置や、エア吸引を利用した装置のような、種々の給送装置が用いられ得る。用紙Pは、給送装置120により給紙トレイ110から送り出される。用紙Pの先端がレジストローラ対130に到達し、レジストローラ対130が所定のタイミングで駆動することにより、給送装置120は用紙Pを画像形成部200へ供給する。
給紙部100の構成は、上述の例に限られない。給紙部100は、画像形成部200へ用紙Pを送り出すものであれば、上述の構成と異なる構成を有しても良い。
画像形成部200は、受取胴201と、用紙搬送ドラム(搬送部材)210と、インク吐出部220と、受渡胴202とを有する。受取胴201は、給紙部100から供給された用紙Pを受け取る。用紙搬送ドラム210は、円筒状に形成され、受取胴201によって搬送された用紙Pを外周面に担持して搬送する。インク吐出部220は、用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pに向けてインクを吐出する。受渡胴202は、用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pを乾燥部300へ受け渡す。
給紙部100から画像形成部200へ搬送された用紙Pは、受取胴201の表面に設けられた用紙グリッパ210aによって先端が把持される。用紙Pは、受取胴201の表面移動に伴って搬送される。受取胴201により搬送された用紙Pは、用紙搬送ドラム210と対向する位置で、用紙搬送ドラム210へ受け渡される。用紙グリッパ210aとしては、用紙Pの先端を把持可能な種々の装置又は部材が用いられ得る。
用紙搬送ドラム210の表面にも用紙グリッパ210aが設けられている。用紙Pの先端が、用紙グリッパ210aによって把持される。また、用紙搬送ドラム210の表面に、複数の吸引孔が分散して設けられている。各吸引孔には、吸引装置211によって、用紙搬送ドラム210の内側へ向かう吸い込み気流が発生する。
受取胴201から用紙搬送ドラム210へ受け渡された用紙Pは、用紙グリッパ210aによって先端が把持されるとともに、吸い込み気流によって用紙搬送ドラム210の表面に吸着させられる。これにより、用紙Pは、用紙搬送ドラム210の表面移動に伴って搬送される。
本実施形態のインク吐出部220は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の四色のインクを吐出して画像を形成する。インク吐出部220は、各インクに対応するラインヘッド220C,220M,220Y,220Kを有する。
ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kは、液体を吐出するものであれば良い。ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kの構成は、限定されず、種々の構成が適用され得る。
インク吐出部220が吐出する液体は、上述の四色のインクに限定されない。例えば、インク吐出部220は、透明、白色、金色、又は銀色のようなインクを吐出する液体吐出ヘッドを有しても良いし、表面コート液のような画像を構成しない液体を吐出する液体吐出ヘッドを有しても良い。
図2は、第1の実施形態における画像形成部200の一部を概略的に示す平面図である。図2に示すように、ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kはそれぞれ、複数の液体吐出ヘッド221を有する。第1の実施形態において、液体吐出ヘッド221は、第1の液体吐出ヘッドの一例である。画像情報に応じた駆動信号により、液体吐出ヘッド221のそれぞれの吐出動作が制御される。
用紙搬送ドラム210によって搬送された用紙Pが、インク吐出部220と対向する領域を通過する際に、各液体吐出ヘッド221から各色インクが吐出され、画像情報に応じた画像が用紙Pに形成される。液体吐出ヘッド221は、液体を吐出させる部品であり、種々の構成が適用され得る。
複数の液体吐出ヘッド221は、用紙幅方向Dwに並べられる。用紙幅方向Dwは、用紙Pの搬送方向Dcと直交する方向である。図2では、説明のため、搬送方向Dcが平面的な方向として示される。
本実施形態において、ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kはそれぞれ、八つの液体吐出ヘッド221a〜221hを有する。このように、以下、液体吐出ヘッド221を、液体吐出ヘッド221a〜221hと個別に称する場合がある。なお、液体吐出ヘッド221a〜221hに共通する説明は、液体吐出ヘッド221についての説明として記載される。本実施形態において、八つの液体吐出ヘッド221が千鳥状に並べられている。しかし、液体吐出ヘッド221の数及び配置はこの例に限られない。
図3は、第1の実施形態における画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図3に示すように、各液体吐出ヘッド221は、用紙搬送ドラム210、及び当該用紙搬送ドラム210に担持された用紙Pに向く下面(ノズル面)222を有する。第1の実施形態において、ノズル面222は、第1のノズル面の一例である。さらに、各液体吐出ヘッド221に、複数のノズル223が設けられる。第1の実施形態において、ノズル223は、第1のノズルの一例である。複数のノズル223は、用紙幅方向Dwに並べられ、ノズル列を形成する。
ノズル223は、ノズル面222に開く孔である。ノズル223は、例えば、液体吐出ヘッド221に設けられた流路や、配管を介して、インクLinを収容するインクタンク224に接続される。第1の実施形態において、インクLinは、第1の液体の一例である。インクタンク224は、ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kに対応する色のインクLinを収容している。
液体吐出ヘッド221は、インクタンク224により供給されたインクLinを、ノズル223から吐出する。各ノズル223による吐出動作は、上述の駆動信号により個別に制御される。
画像形成部200及び液体吐出ヘッド221の構成は、上述の例に限られない。画像形成部200は、用紙P上に液体を付着させて画像を形成するものであれば良い。また、液体吐出ヘッド221は、液体を吐出させる部品であれば良い。
図1に示すように、乾燥部300は、乾燥機構301と、搬送機構302とを有する。乾燥機構301は、画像形成部200で用紙P上に付着したインクを乾燥させる。搬送機構302は、画像形成部200から搬送された用紙Pを搬送する。
搬送機構302は、画像形成部200から搬送された用紙Pを受け取る。搬送機構302は、用紙Pを、乾燥機構301を通過するように搬送し、排紙部400へ受け渡す。用紙Pが乾燥機構301を通過する際、用紙P上のインクに乾燥処理が施される。これにより、インク中の水分等の液分が蒸発し、用紙P上にインクが固着するとともに、用紙Pのカールが抑制される。
排紙部400は、複数の用紙Pが積載される排紙トレイ410を有する。乾燥部300から搬送された用紙Pは、排紙トレイ410上に順次積み重ねられて保持される。排紙部400は、この例に限られない。排紙部400は、用紙Pを排紙するものであれば良い。
インクジェット記録装置1は、他の機能部をさらに有しても良い。例えば、インクジェット記録装置1は、給紙部100と画像形成部200との間で画像形成の前処理を行う前処理部を有しても良いし、乾燥部300と排紙部400との間で画像形成の後処理を行う後処理部を有しても良い。
前処理部として、例えば、インクと反応して滲みを抑制するための処理液を用紙Pに塗布する処理液塗布処理を行うものが適用され得る。なお、前処理はこの例に限られず、他の処理であっても良い。
後処理部として、例えば、画像形成部200で画像が形成された用紙Pを反転させて再び画像形成部200へ送って用紙Pの両面に画像を形成するための用紙反転搬送処理や、画像が形成された複数枚の用紙Pを綴じる処理を行うものが適用され得る。なお、後処理はこの例に限られず、他の処理であっても良い。
本実施形態では、上述のように、「液体を吐出する装置」の一例であるインクジェット記録装置1について説明される。しかし、「液体を吐出する装置」は、シート材の被乾燥面に向けて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備え、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、「液体を吐出する装置」は、それ自体意味を持たないパターン等を形成するものを含む。
シート材は、材質を限定されるものではなく、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど、液体が一時的でも付着可能なものであれば良い。シート材は、例えば、フィルム製品、衣料用等の布製品、壁紙や床材等の建材、皮革製品などに使用されるものであっても良い。本実施形態においては、液体が一時的でも付着可能なものが「媒体」又は「記録媒体」と称され得る。
また、「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、及び/若しくは排紙に係わる手段、前処理装置、後処理装置、及び/又は他の手段若しくは装置を含むことができる。
また、「液体」は、液体吐出ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであれば良い。例えば、「液体」として、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものが適用され得る。
具体的に、「液体」は、例えば、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどである。これらの「液体」は、例えば、インクジェット用インク、表面処理液等の用途で用いることができる。なお、「液体」は以上の例に限られない。
また、本実施形態において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドとシート材とが相対的に移動する装置であるが、これに限定するものではない。「液体を吐出する装置」は、例えば、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などを含む。
また、「液体吐出ヘッド」とは、吐出孔(ノズル)から液体を吐出(噴射)する機能部品である。液体を吐出するエネルギー発生源として、圧電アクチュエータ(積層型圧電素子及び薄膜型圧電素子)、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いるサーマルアクチュエータ、振動板と対向電極からなる静電アクチュエータなどの吐出エネルギー発生手段を使用することができる。なお、「液体吐出ヘッド」が使用する吐出エネルギー発生手段は、この例に限定されない。
本実施形態では、複数の液体吐出ヘッド221が用紙幅方向Dwに並べられる。これにより、当該複数の液体吐出ヘッド221を有する長尺な液体吐出ヘッド(ラインヘッド220C,220M,220Y,220K)が形成される。
また、以下の説明において、「払拭」とは、清掃、回復、洗浄、メンテナンス、ワイピング、クリーニング、等の意味を含む。以下、特筆しない場合は、これらの言葉は同義語として扱われる。
以下、払拭ユニット700について説明する。図2に示すように、各ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kの用紙幅方向Dwの外側に、払拭機構70が配置されている。本実施形態において、払拭機構70は、液体塗布装置の一例である。
払拭機構70は、複数の払拭ユニット700と、移動装置780と、レール部材790とを有する。以下、払拭ユニット700は、払拭ユニット700C,700M,700Y,700Kと個別に称されることがある。払拭ユニット700C,700M,700Y,700Kは、ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kに対応する。なお、払拭ユニット700C,700M,700Y,700Kに共通する説明は、払拭ユニット700についての説明として記載される。
図3に示すように、払拭ユニット700は、ウェブのような払拭部材701を有する。払拭ユニット700は、複数の液体吐出ヘッド221の配列方向(用紙幅方向Dw)に移動し、払拭部材701を液体吐出ヘッド221に接触させる。これにより、払拭ユニット700は、液体吐出ヘッド221のノズル面222の汚れを払拭する。
図2に示すように、払拭ユニット700は、レール部材790の端部に配置される。移動装置780は、レール部材790を用紙幅方向Dwに移動させる。これにより、レール部材790とともに払拭ユニット700が移動し、払拭ユニット700の払拭部材701がノズル面222の汚れを払拭する。
上述のように、液体吐出ヘッド221は千鳥状に配置される。このため、ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kに、液体吐出ヘッド221a〜221dの列と、液体吐出ヘッド221e〜221dの列とが設けられる。本実施形態では、各列に対応するように複数の払拭ユニット700が設けられる。例えば、液体吐出ヘッド221の二つの列に対応する二つの払拭ユニット700が設けられている。なお、払拭ユニット700は、この例に限られない。例えば、一つの払拭ユニット700が二列の液体吐出ヘッド221をまとめて払拭しても良い。
図3に示すように、払拭ユニット700はそれぞれ、上述の払拭部材701と、押圧部材703と、搬送装置704とを有する。搬送装置704は、巻取ローラ705,707と、ローラ711,713と、供給装置717とを有する。
払拭部材701は、複数の液体吐出ヘッド221の各々のノズル面222を払拭するシート状の部材であり、例えばウェブ等のシートである。押圧部材703は、払拭部材701をノズル面222に押圧する。押圧部材703は、例えばバネの弾性力により、払拭部材701を上方へ付勢する。押圧部材703は、払拭部材701を液体吐出ヘッド221のノズル面222に向けて押圧する。
巻取ローラ705に、払拭部材701が巻きつけられる。また、払拭部材701の端部が巻取ローラ707に巻きつけられる。払拭部材701は、ローラ711、押圧部材703、及びローラ713に架け渡される。巻取ローラ707は、例えばモータにより回転させられることで、払拭部材701を巻き取るように搬送することができる。これにより、払拭部材701は搬送方向Daに搬送される。
搬送装置704は払拭部材701を搬送可能な構成を有すれば良く、搬送装置704の構成は上述の構成に限定されない。例えば、搬送装置704に含まれるローラの数や配置が異なっていても良いし、モータ以外の駆動源によって搬送が可能であっても良い。
供給装置717は、払拭部材701の搬送方向Daにおいて、押圧部材703よりも上流に位置する。供給装置717は、例えば、流路や配管を介して、洗浄液Lwを収容するタンク719に接続される。第1の実施形態において、洗浄液Lwは、第2の液体の一例である。
洗浄液Lwは、インクLinとは異なる液体である。なお、洗浄液Lwは、インクLinに含まれる成分を含んでも良い。例えば、洗浄液Lwは、インクLinに含まれる溶媒を含んでも良い。しかし、洗浄液LwとインクLinとは、例えば、色、粘度、成分の比率、及び蛍光の有無のような種々の特徴のうち少なくとも一つにおいて互いに異なる。
供給装置717は、払拭部材701に洗浄液Lwを供給する。供給装置717は、例えば、モータ又はポンプによって動作させられ、洗浄液Lwを払拭部材701に供給する。供給装置717の構成は、限定されず、種々の構成が適用され得る。
洗浄液Lwは、払拭による洗浄力を大きくするための液体である。洗浄液Lwとして、例えば、ジエチレンモノブチルエーテルを主成分とする液体が用いられる。なお、洗浄液Lwはこの例に限られない。
以下、図4を用いてインクジェット記録装置1の制御部500について説明する。図4は、第1の実施形態における制御部500を示すブロック図である。制御部500は、主制御部500Aを備える。主制御部500Aは、CPU501と、ROM502と、RAM503とを有する。CPU501は、インクジェット記録装置1の全体の制御を司る。ROM502は、CPU501が実行するプログラムを含む各種プログラムなどの固定データを格納する。RAM503は、画像データ等を一時格納する。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性メモリ(NVRAM)604を有する。さらに、制御部500は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他の制御するための入出力信号を処理するASIC505を有する。
制御部500は、印刷制御部508と、ヘッドドライバ509とを有する。印刷制御部508は、インク吐出部220の各液体吐出ヘッド221を駆動制御するためのデータ転送手段、駆動信号発生手段、バイアス電圧出力手段を含む。ヘッドドライバ509は、各液体吐出ヘッド221を駆動するための駆動ICである。
制御部500は、モータ駆動部510を有する。モータ駆動部510は、用紙搬送モータ521と、ラインヘッド昇降モータ522とを駆動制御する。用紙搬送モータ521が駆動されることで、用紙搬送ドラム210が回転し、用紙Pを搬送する。ラインヘッド昇降モータ522が駆動されることで、各ラインヘッド220C,220M,220Y,220Kが上下方向に移動する。
制御部500は、供給系駆動部512を有する。供給系駆動部512は、送液ポンプ580を駆動制御する。送液ポンプ580は、例えばカートリッジのようなインクタンク(インク収容容器)224に収容されたインクLinを、液体吐出ヘッド221へと送液する時に駆動する。
制御部500は、払拭機構70の各部位を動作させるための払拭機構駆動部515を有する。払拭機構駆動部515は、移動モータ523、供給モータ524、及び搬送モータ525を駆動制御する。
移動モータ523が駆動されることで、移動装置780がレール部材790及び払拭ユニット700を用紙幅方向Dwへ移動させる。供給モータ524が駆動されることで、供給装置717が払拭部材701に洗浄液Lwを供給する。なお、供給モータ524の代わりに、ポンプが用いられても良い。搬送モータ525が駆動されることで、搬送装置704の巻取ローラ707が回転し、払拭部材701を搬送する。
制御部500は、撮像制御部517を有する。撮像制御部517は、例えば、イメージセンサ590を制御するためのデータ転送手段を含む。イメージセンサ590は、CCD又はMOSセンサのような撮像素子であり、カメラのような撮像装置に搭載される。撮像制御部517は、イメージセンサ590により、用紙Pに形成された画像を読み取ることができる。撮像制御部517は、読み取った画像をデジタルデータに変換し、測定画像データを生成する。
制御部500は、I/O部513を有している。I/O部513は、様々のセンサ情報を処理することができ、各種のセンサ群570からの情報を取得する。I/O部513は、インクジェット記録装置1の制御に必要な情報を抽出し、印刷制御部508、モータ駆動部510、供給系駆動部512、払拭機構駆動部515、及び撮像制御部517による制御などに使用する。
制御部500に、インクジェット記録装置1に関する情報の入力及び表示を行うための操作パネル514が接続されている。なお、情報を入力するための装置と、情報の表示を行うための装置とが、個別に制御部500に接続されても良い。
以上の制御部500の構成は一例であり、適宜変更可能である。例えばCPU501、印刷制御部508、及び払拭機構駆動部515で制御部を構成することもできるし、印刷制御部508及び払拭機構駆動部515だけでも制御部とみなすことができる。例えば外部のコンピュータから制御信号を出力する場合に、印刷制御部508及び払拭機構駆動部515のみが制御部とみなされ得る。
図5は、第1の実施形態における制御部500を機能的に示すブロック図である。図5に示すように、制御部500は、クリーニング制御部51と、空吐出制御部52と、テスト印刷部53と、データ取得部54と、判断部55と、記憶部56と、印刷制御部57と、設定受付部58とを備え得る。
クリーニング制御部51、空吐出制御部52、テスト印刷部53、データ取得部54、判断部55、印刷制御部57、及び設定受付部58の一部又は全ては、例えば、CPU501等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現しても良いし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現しても良いし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現しても良い。クリーニング制御部51、空吐出制御部52、テスト印刷部53、データ取得部54、判断部55、印刷制御部57、及び設定受付部58の一部又は全ては、CPU501により提供されるが、主制御部500Aにより提供されるとみなされても良い。また、例えば、NVRAM604が記憶部56として機能する。
クリーニング制御部51は、払拭機構70に払拭動作を実行させる。すなわち、クリーニング制御部51は、供給装置717により洗浄液Lwを払拭部材701に供給させ、搬送モータ525により払拭部材701を搬送させる。さらに、クリーニング制御部51は、移動装置780により払拭ユニット700を移動させることで、洗浄液Lwを供給された払拭部材701によりノズル面222の汚れを払拭させる。また、クリーニング制御部51は、ラインヘッド昇降モータ522によりラインヘッド220C,220M,220Y,220Kの位置を調整しても良い。
空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221に空吐出動作を実行させる。本実施形態において「空吐出」とは、用紙Pのような印刷媒体とは異なる目標に向かって、液体吐出ヘッド221がノズル223から液体を吐出する動作である。具体的には、空吐出動作において、液体吐出ヘッド221は、例えば、廃液トレイに向かってノズル223から液体を吐出する。廃液トレイに吐出された液体は、廃液タンクに回収される。なお、「空吐出」はこの例に限られない。
テスト印刷部53は、液体吐出ヘッド221にテストパターンの印刷動作を実行させる。本実施形態において「テストパターン」とは、パターンの一例であり、複数のノズル223のうち吐出を行わないノズル223(不吐出ノズル)を検知するために印刷されるパターン(画像)である。テストパターンとしては、種々のパターンが適用され得る。
データ取得部54は、イメージセンサ590により用紙Pに形成されたテストパターンの測定画像データを取得する。さらに、データ取得部54は、テスト印刷部53がテストパターンの印刷動作で用いたテストパターンの印刷画像データを、例えば記憶部56から取得する。印刷画像データは、例えば、テストパターンに対応するデジタルデータである。なお、印刷画像データは、テストパターンを印刷するためのインクLinの吐出タイミングを示すデータのような、他のデータであっても良い。
判断部55は、データ取得部54が取得したテストパターンの測定画像データと、テストパターンの印刷画像データとを比較することで、不吐出ノズルの有無を判定する。判断部55は、印刷画像データを保持していても良い。
記憶部56は、判断部55の判断結果を記憶する。例えば、操作パネル514が、記憶部56に記憶された判断結果を表示することができる。さらに、記憶部56は、テストパターンの印刷画像データや、インクジェット記録装置1に係る種々のデータを記憶している。
印刷制御部57は、画像情報に基づき、液体吐出ヘッド221に画像を印刷させる。画像情報は、例えば、外部のコンピュータや情報記憶媒体から制御部500に入力され、又は記憶部56に予め記憶されている。
設定受付部58は、操作パネル514から、インクジェット記録装置1に関する設定操作を受け付ける。設定受付部58が受け付けた設定に関する情報は、例えば、記憶部56に記憶される。
以下、ノズル223の払拭及び不吐出ノズルの検知を含む画像印刷処理について説明する。なお、インクジェット記録装置1は、以下に説明される工程と異なる工程によって、画像印刷処理を行っても良い。
図6は、第1の実施形態における不吐出ノズルの検知処理の一例を示すフローチャートである。図6に示すように、まず、クリーニング制御部51が、払拭機構70により払拭動作(ヘッドクリーニング)を行う(S11)。
図7は、第1の実施形態におけるヘッドクリーニングを行う画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図7に示すように、供給装置717が洗浄液Lwを払拭部材701に供給する。搬送装置704が払拭部材701を搬送することで、払拭部材701のうち洗浄液Lwが供給された部分が、押圧部材703上に配置される。
図7において二点鎖線で示すように、移動装置780が払拭ユニット700を移動させることで、払拭部材701が液体吐出ヘッド221に接触する。払拭ユニット700は、洗浄液Lwが供給された払拭部材701により、液体吐出ヘッド221のノズル面222の汚れを払拭する。
払拭部材701がノズル面222を払拭することで、ノズル223と、ノズル面222のうち少なくとも当該ノズル223の近傍の一部とに、洗浄液Lwが塗布される。このように、払拭機構70は、ノズル面222に洗浄液Lwを塗布することにより、ノズル面222を洗浄する。
洗浄液Lwは、例えば蒸発するまで、ノズル223の近傍におけるノズル面222の一部に残留する。さらに、洗浄液Lwは、ノズル223に入り得る。このように、払拭機構70は、液体吐出ヘッド221の外部からノズル223に洗浄液Lwを供給する。
図6に戻り、次に、空吐出制御部52は、テストパターンの印刷が行われるか否かを判定する(S12)。テストパターンの印刷が行われるか否かの設定は、例えば、記憶部56に記憶されている。空吐出制御部52は、記憶部56から設定を読み出すことで、テストパターンの印刷が行われるか否かを判定する。
テストパターンの印刷が行われる場合(S12:Yes)、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221に空吐出(テスト前空吐出)を行わせる(S13)。例えば、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体をn回(nは自然数)吐出させる。n回は、第1の回数の一例である。
上述のように、ヘッドクリーニングにおいて、ノズル面222に洗浄液Lwが塗布されている。このため、液体吐出ヘッド221は、ノズル面222に塗布された洗浄液Lwをノズル223から吐出する。上記テスト前空吐出(S13)において液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、塗布された洗浄液Lwが当該テスト前空吐出の後も残るように設定される。
次に、テスト印刷部53が、液体吐出ヘッド221にテストパターンを印刷させる(S14)。テスト印刷部53は、テストパターンの印刷画像データに基づき、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体を吐出させ、テストパターンを印刷する。
図8は、第1の実施形態におけるテストパターンの印刷を行う画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図8に示すように、上記テスト前空吐出(S13)の後、ノズル223と、ノズル面222のうち少なくとも当該ノズル223の近傍の部分とに、洗浄液Lwが残っている。このため、液体吐出ヘッド221は、払拭機構70によりノズル面222に塗布された洗浄液Lwをノズル223から吐出することで、テストパターンTを印刷する。
本実施形態において、洗浄液Lwは、例えば、黒、青、又は褐色のような、有色の液体である。すなわち、洗浄液Lwは、透明ではなく、可視光を反射する。なお、黒い洗浄液Lwであっても、現実には僅かに可視光を反射する。洗浄液Lwは、例えば、透明な洗浄液に、着色剤を混合することで生成される、着色された液体である。また、洗浄液Lwは、例えばY(イエロー)のインクLinよりも可視性が高い。なお、第1の実施形態では、ラインヘッド220Yの液体吐出ヘッド221のみならず、ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221も、Y(イエロー)のインクLinよりも可視性が高い洗浄液Lwを吐出する。
「可視性」とは、対象物の存在の認識しやすさであり、視認性と同義語として扱われる。具体的に、「可視性」は、例えば、対象物と背景(記録媒体)とのコントラスト差(明度差)に関連する。本実施形態では、黒、青、又は褐色の洗浄液Lwは、Y(イエロー)のインクLinよりも、白色の用紙Pのような記録媒体とのコントラスト差が大きい。このため、洗浄液Lwは、例えばY(イエロー)のインクLinよりも可視性が高い。洗浄液Lwの色は、記録媒体の色に応じて設定される。
上記テストパターンの印刷(S14)において液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、塗布された洗浄液Lwが当該テストパターンの印刷の後もノズル面222に残るように設定される。例えば、テスト印刷部53は、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体を3n回吐出させることで、テストパターンTを印刷させる。なお、液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、この例に限られない。
図6に戻り、次に、データ取得部54が、記憶部56からテストパターンの印刷画像データを取得する(S15)。さらに、データ取得部54が、イメージセンサ590により、用紙Pに形成されたテストパターンTの測定画像データを取得する(S16)。
次に、判断部55は、データ取得部54が取得したテストパターンTの測定画像データと、テストパターンの印刷画像データとを比較することで、不吐出ノズルが存在するか否かを判定する(S17)。例えば、判断部55は、印刷画像データと比較して、測定画像データにおけるテストパターンTのドットに欠落があるか否かを判定する。判断部55による判定には、例えば、種々の画像認識技術が適用され得る。
テストパターンTは、Y(イエロー)のインクLinよりも可視性が高い洗浄液Lwによって印刷される。このため、判断部55は、テストパターンTがY(イエロー)のインクで印刷された場合に比べ、テストパターンTを容易に認識することができる。従って、判断部55による判定に誤りが生じることが抑制される。
測定画像データにおけるテストパターンTのドットに欠落が無い場合、判断部55は、不吐出ノズルは無いと判定する(S17:No)。不吐出ノズルが無い場合、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221に空吐出(印刷前空吐出)を行わせる(S18)。例えば、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体をn回吐出させる。なお、液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、この例に限られない。
上記印刷前空吐出(S18)において液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、塗布された洗浄液Lwが、当該印刷前空吐出の後にノズル面222及びノズル223に残らないように設定される。当該印刷前空吐出において、液体吐出ヘッド221は、洗浄液Lwを吐出した後、インクLinを吐出しても良い。
次に、印刷制御部57が、画像情報に基づいて液体吐出ヘッド221に画像を印刷させ(S19)、画像印刷処理が終了する。上記印刷前空吐出(S18)において、塗布された洗浄液Lwが残っていないため、液体吐出ヘッド221は、ノズル223からインクLinを吐出することで画像を印刷する。これにより、画像を形成するインクLinの色に洗浄液Lwの色が混じることが抑制される。
上記の不吐出ノズルの判定(S17)において、印刷画像データと比較して、測定画像データにおけるテストパターンTのドットに欠落がある場合、判断部55は、不吐出ノズルが存在すると判定する(S17:Yes)。この場合、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221に空吐出(クリーニング前空吐出)を行わせる(S20)。例えば、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体をn回吐出させる。なお、液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、この例に限られない。クリーニング前空吐出(S20)の後、ヘッドクリーニング(S11)に戻り、クリーニング制御部51が、払拭機構70によりヘッドクリーニングを行う。
また、上記のテストパターンの印刷の判定(S12)において、テストパターンの印刷が行われない場合(S12:No)、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221に空吐出(印刷前空吐出)を行わせる(S21)。例えば、空吐出制御部52は、液体吐出ヘッド221にノズル223から液体を5n回吐出させる。5n回は、第2の回数の一例である。なお、液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、この例に限られない。
上記印刷前空吐出(S21)において液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、塗布された洗浄液Lwが当該空吐出の後にノズル面222及びノズル223に残らないように設定される。当該印刷前空吐出において、液体吐出ヘッド221は、洗浄液Lwを吐出した後、インクLinを吐出しても良い。
次に、印刷制御部57が、画像情報に基づき、液体吐出ヘッド221に画像を印刷させ(S19)、画像印刷処理が終了する。上記印刷前空吐出(S21)において、塗布された洗浄液Lwが残っていないため、液体吐出ヘッド221は、ノズル223からインクLinを吐出することで画像を印刷する。これにより、画像を形成するインクLinの色に洗浄液Lwの色が混じることが抑制される。
以上のように、液体吐出ヘッド221は、テストパターンTを印刷する場合に当該テストパターンTの印刷前にn回の空吐出を行い、テストパターンTと異なる画像を印刷する場合に当該画像の印刷前に5n回の空吐出を行う。すなわち、印刷前空吐出(S21)における空吐出の回数は、テスト前空吐出(S13)における空吐出の回数よりも多い。
テストパターンの印刷を行うか否かの設定は、例えば、ユーザが操作パネル514により設定する。なお、この例に限らず、例えば、印刷枚数が所定の値に達した場合や、前回の画像印刷から所定の時間が経過した場合に、テストパターンの印刷が自動で行われるように設定されても良い。
また、制御部500は、画像を印刷するときに、ノズル面222の払拭及び不吐出ノズルの検知を省略しても良い。ノズル面222の払拭及び不吐出ノズルの検知が行われるタイミング(トリガー)は、制御部500により管理される。制御部500は、開始タイミングに到達した場合、上述のようにノズル面222の払拭及び不吐出ノズルを検知するための制御を行う。開始タイミングは任意に設定可能である。例えば、印刷枚数が所定の値に達した場合や、前回の画像印刷から所定の時間が経過した場合に、ノズル面222の払拭及び不吐出ノズルの検知が行われても良い。また、ユーザが操作パネル514等を操作することで、ノズル面222の払拭及び不吐出ノズルの検知が行われても良い。
以上説明された第1の実施形態のインクジェット記録装置1によれば、液体吐出ヘッド221は、ノズル223からインクLinを吐出する。払拭機構70は、ノズル面222に洗浄液Lwを塗布する。液体吐出ヘッド221は、洗浄液Lwをノズル223から吐出することでテストパターンTを印刷する。これにより、テストパターンTの印刷にインクLinが使用されることが抑制され、又はテストパターンTの印刷に使用されるインクLinの量が低減されるため、インクジェット記録装置1におけるインクLinの消費量を低減することが可能となる。
払拭機構70は、ノズル面222に洗浄液Lwを塗布することによりノズル面222を洗浄する。すなわち、液体吐出ヘッド221は、テストパターンTの印刷だけのための液体を用いることなく、ノズル面222の洗浄に用いられた洗浄液Lwをノズル223から吐出することでテストパターンTを印刷する。従って、インクジェット記録装置1のランニングコスト(消耗品の費用)が増大することが抑制される。
洗浄液Lwは、可視光を反射する。これにより、例えば、ノズル223が透明なインクLinを吐出する場合であっても、テストパターンTが洗浄液Lwにより印刷されるため、テストパターンTを容易に確認することが可能となる。
洗浄液Lwは、インクLinよりも可視性が高い。これにより、例えば、ノズル223が透明、白、又はY(イエロー)のような可視性が低いインクLinを吐出する場合であっても、テストパターンTが洗浄液Lwにより印刷されるため、テストパターンTを容易に確認することが可能となる。
液体吐出ヘッド221は、テストパターンTを印刷する場合に当該テストパターンTの印刷前にn回の空吐出を行い、テストパターンTと異なる画像を印刷する場合に当該画像の印刷前にn回よりも多い5n回の空吐出を行う。これにより、画像の印刷前に、ノズル223から洗浄液Lwを排出し、ノズル面222から洗浄液Lwを除去することが可能となる。従って、洗浄液Lwが混合したインクLinにより画像が印刷されることが抑制され、インクジェット記録装置1による印刷品質が低下することが抑制される。
(第2の実施の形態)
図9は、第2の実施形態における制御部500を示すブロック図である。図9に示すように、第2の実施形態の制御部500は、照射制御部519をさらに有する。照射制御部519は、光源800によって、用紙Pに形成されたテストパターンTに紫外線又は赤外線を照射する。光源800は、例えば、紫外線ランプ、又は赤外線ランプである。なお、インクジェット記録装置1は、この例に限らず、紫外線又は赤外線を発生させる他の装置を有しても良い。
図9は、第2の実施形態における制御部500を示すブロック図である。図9に示すように、第2の実施形態の制御部500は、照射制御部519をさらに有する。照射制御部519は、光源800によって、用紙Pに形成されたテストパターンTに紫外線又は赤外線を照射する。光源800は、例えば、紫外線ランプ、又は赤外線ランプである。なお、インクジェット記録装置1は、この例に限らず、紫外線又は赤外線を発生させる他の装置を有しても良い。
光源800は、例えば、イメージセンサ590が読取可能な範囲において、用紙Pに紫外線又は赤外線を照射することができる。このため、イメージセンサ590は、光源800により紫外線又は赤外線を照射された用紙PのテストパターンTを読み取ることができる。
第2の実施形態において、洗浄液Lwは、紫外線又は赤外線を照射されることで蛍光発光する。例えば、紫外線を照射されることで発光する洗浄液Lwは、洗浄液に、SrB4O7F:Eu2 +又はBaSi2O5:Pb+を混合することで生成される。また、赤外線を照射されることで発光する洗浄液Lwは、洗浄液に、ZnS:Pb、SrSe:Tl、CaS:Eu、Sr(S,Se):Ce、又はSmを混合することで生成される。なお、洗浄液Lwはこの例に限られない。洗浄液Lwは、透明であっても良いし、有色であっても良い。
第2の実施形態では、データ取得部54が、イメージセンサ590によりテストパターンTの測定画像データを取得する(S16)際に、照射制御部519が光源800によりテストパターンTに紫外線又は赤外線を照射させる。これにより、テストパターンTを形成する洗浄液Lwが発光するため、データ取得部54は、発光するテストパターンTの測定画像データを取得する。
イメージセンサ590は、例えば、暗所においてテストパターンTの測定画像データを取得する。これにより、イメージセンサ590は、より明確なテストパターンTの測定画像データを取得することができる。なお、イメージセンサ590はこの例に限らず、洗浄液Lwが発する光の波長に対応したフィルタを備えても良い。これにより、フィルタが洗浄液Lwが発する光を通過させ、他の波長の光を遮断するため、イメージセンサ590は、より明確なテストパターンTの測定画像データを取得することができる。
以上説明された第2の実施形態のインクジェット記録装置1によれば、洗浄液Lwは、紫外線又は赤外線を照射されることで発光する。これにより、例えば用紙Pの色によらず、洗浄液Lwにより印刷されたテストパターンTを容易に確認することが可能となる。なお、洗浄液Lwは、紫外線及び赤外線のどちらを照射された場合にも発光する液体であっても良い。
(第3の実施の形態)
図10は、第3の実施形態におけるヘッドクリーニングを行う画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図10に示すように、第3の実施形態では、払拭ユニット700C,700M,700Kのタンク719に、洗浄液Lwnが収容されている。洗浄液Lwnは、第1の実施形態の洗浄液Lwと異なる液体であり、第4の液体の一例である。
図10は、第3の実施形態におけるヘッドクリーニングを行う画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図10に示すように、第3の実施形態では、払拭ユニット700C,700M,700Kのタンク719に、洗浄液Lwnが収容されている。洗浄液Lwnは、第1の実施形態の洗浄液Lwと異なる液体であり、第4の液体の一例である。
洗浄液Lwnは、着色されていない透明な液体である。このため、洗浄液Lwnは、洗浄液Lwよりも可視性が低い。なお、洗浄液Lwnは、この例に限られず、有色の液体であっても良い。
第3の実施形態のヘッドクリーニング(S11)において、払拭ユニット700C,700M,700Kは、ラインヘッド220C,220M,220Kのノズル面222に洗浄液Lwnを塗布することにより、当該ノズル面222を洗浄する。ラインヘッド220C,220M,220Kのノズル面222は、第2のノズル面の一例である。
テスト前空吐出(S13)において、ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221がノズル223から液体を吐出する回数は、第1の実施形態よりも多い。ラインヘッド220C,220M,220Kのノズル223は、第2のノズルの一例である。上記テスト前空吐出(S13)において液体吐出ヘッド221が液体を吐出する回数は、塗布された洗浄液Lwが、当該テスト前空吐出の後にノズル面222及びノズル223に残らないように設定される。
図11は、第3の実施形態におけるテストパターンの印刷を行う画像形成部200の一部を概略的に示す正面図である。図11に示すように、テストパターンの印刷(S14)において、ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221は、対応するインクLC,LM,LKをノズル223から吐出することで、テストパターンTを印刷する。ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221は、第2の液体吐出ヘッドの一例である。インクLC,LM,LKは、第3の液体の一例である。
インクLCは、C(シアン)のインクLinである。インクLMは、M(マゼンタ)のインクLinである。インクLKは、K(ブラック)のインクLinである。インクLC,LM,LKはそれぞれ、Y(イエロー)のインクLinよりも可視性が高い。第3の実施形態において、Y(イエロー)のインクLinは、第1の液体の一例である。また、洗浄液Lwnは、インクLC,LM,LKよりも可視性が低い。
一方、第3の実施形態において、払拭ユニット700Yは、ラインヘッド220Yのノズル面222に、第1の実施形態と同じ洗浄液Lwを塗布する。また、ラインヘッド220Yの液体吐出ヘッド221は、払拭ユニット700Yによりノズル面222に塗布された洗浄液Lwをノズル223から吐出することで、テストパターンTを印刷する。
第3の実施形態は、以上説明した点が第1の実施形態と異なる。第3の実施形態におけるインクジェット記録装置1の各要素や画像印刷処理は、以上説明した点を除き、第1の実施形態と同じである。
以上説明された第3の実施形態のインクジェット記録装置1によれば、ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221は、ノズル223から、Y(イエロー)のインクLinよりも可視性が高いインクLC,LM,LKを吐出する。ラインヘッド220C,220M,220Kの液体吐出ヘッド221は、インクLC,LM,LKをノズル223から吐出することでテストパターンTを印刷する。払拭機構70の払拭ユニット700C,700M,700Kは、ノズル223にインクLC,LM,LKよりも可視性が低い洗浄液Lwnを塗布することによりノズル面222を洗浄する。すなわち、可視性が高いインクLC,LM,LKを吐出するノズル223のノズル面222の洗浄に、テストパターンTの印刷に用いられる着色された洗浄液Lwではなく、可視性の低い洗浄液Lwnが用いられる。従って、有色の洗浄液Lwの消費量を低減することが可能となる。
以上の各実施形態のインクジェット記録装置1で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、各実施形態のインクジェット記録装置1で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の画像処理装置12で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。
また、各実施形態のプログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
各実施形態のインクジェット記録装置1で実行されるプログラムは、上述した各部(クリーニング制御部51、空吐出制御部52、テスト印刷部53、データ取得部54、判断部55、印刷制御部57、及び設定受付部58)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、クリーニング制御部51、空吐出制御部52、テスト印刷部53、データ取得部54、判断部55、印刷制御部57、及び設定受付部58が主記憶装置上に生成されるようになっている。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、上述の実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。さらに、異なる実施形態及び変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
1 インクジェット記録装置
70 払拭機構
220C,220M,220Y,220K ラインヘッド
221 液体吐出ヘッド
222 ノズル面
223 ノズル
700,700C,700M,700Y,700K 払拭ユニット
Lin,LC,LM,LK インク
Lw,Lwn 洗浄液
T テストパターン
70 払拭機構
220C,220M,220Y,220K ラインヘッド
221 液体吐出ヘッド
222 ノズル面
223 ノズル
700,700C,700M,700Y,700K 払拭ユニット
Lin,LC,LM,LK インク
Lw,Lwn 洗浄液
T テストパターン
Claims (9)
- 第1のノズル面を有し、前記第1のノズル面に設けられた第1のノズルから第1の液体を吐出する、第1の液体吐出ヘッドと、
前記第1のノズル面に前記第1の液体と異なる第2の液体を塗布する液体塗布装置と、
を備え、
前記第1の液体吐出ヘッドは、前記第2の液体を前記第1のノズルから吐出することでパターンを印刷する、
ことを特徴とする液体を吐出する装置。 - 前記液体塗布装置は、前記第1のノズル面に前記第2の液体を塗布することにより前記第1のノズル面を洗浄する、ことを特徴とする請求項1の液体を吐出する装置。
- 前記第2の液体が可視光を反射する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体を吐出する装置。
- 前記第2の液体は、前記第1の液体よりも可視性が高い、ことを特徴とする請求項3の液体を吐出する装置。
- 前記第2の液体は、紫外線を照射されることで発光する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体を吐出する装置。
- 前記第2の液体は、赤外線を照射されることで発光する、ことを特徴とする請求項1又は請求項2の液体を吐出する装置。
- 前記第1の液体吐出ヘッドは、前記パターンを印刷する場合に当該パターンの印刷前に第1の回数の空吐出を行い、前記パターンと異なる画像を印刷する場合に当該画像の印刷前に前記第1の回数よりも多い第2の回数の空吐出を行う、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つの液体を吐出する装置。
- 第2のノズル面を有し、前記第2のノズル面に設けられた第2のノズルから、前記第1の液体よりも可視性が高い第3の液体を吐出する、第2の液体吐出ヘッド、
をさらに備え、
前記液体塗布装置は、前記第2のノズル面に前記第3の液体よりも可視性が低い第4の液体を塗布することにより前記第2のノズル面を洗浄し、
前記第2の液体吐出ヘッドは、前記第3の液体を前記第2のノズルから吐出することで前記パターンを印刷する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一つの液体を吐出する装置。 - ノズル面に設けられたノズルから第1の液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記ノズル面に前記第1の液体と異なる第2の液体を塗布する液体塗布装置と、
を備える液体を吐出する装置の不吐出ノズルの検知方法であって、
前記液体塗布装置により前記ノズル面に前記第2の液体を塗布する工程と、
前記第2の液体を前記ノズルから吐出することでパターンを印刷する工程と、
を含むことを特徴とする検知方法。
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- 2019-07-05 JP JP2019126405A patent/JP2021011071A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2023013448A1 (ja) * | 2021-08-03 | 2023-02-09 | 株式会社ダイセル | インクジェットヘッド洗浄液 |
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