JP6802062B2 - リチウム二次電池電極用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、活物質の分散性、集電体への密着性に優れるとともに、高容量のリチウム二次電池を作製することが可能なリチウム二次電池電極用組成物に関する。
近年、携帯型ビデオカメラや携帯型パソコン等の携帯型電子機器の普及に伴い、移動用電源としての二次電池の需要が急増している。また、このような二次電池に対する小型化、軽量化、高エネルギー密度化の要求は非常に高い。
このように、繰り返し充放電が可能な二次電池としては、従来、鉛電池、ニッケル−カドミウム電池等の水溶系電池が主流であるが、これらの水溶系電池は、充放電特性は優れているが、電池重量やエネルギー密度の点では、携帯型電子機器の移動用電源として充分満足できる特性を有しているとはいえない。
そこで、二次電池として、リチウム又はリチウム合金を負極電極に用いたリチウム二次電池の研究開発が盛んに行われている。このリチウム二次電池は、高エネルギー密度を有し、自己放電も少なく、軽量であるという優れた特徴を有している。
リチウム二次電池の電極は、通常、活物質とバインダーを溶媒と共に混練し、活物質を分散させてスラリーとした後、このスラリーをドクターブレード法等によって集電体上に塗布し乾燥して薄膜化することにより形成されている。
現在、特に、リチウム二次電池の電極用のバインダーとして最も広範に用いられているのが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に代表されるフッ素系樹脂である。
しかしながら、フッ素系樹脂をバインダーとして用いた場合、可撓性を有する薄膜を作製可能な一方で、集電体と活物質の結着性が劣るため、電池製造工程時に活物質の一部又は全部が集電体から剥離、脱落する恐れがあった。また、電池の充放電が行われる際、活物質内ではリチウムイオンの挿入、放出が繰り返され、それに伴い、集電体から活物質の剥離、脱落の問題が起こり得るという問題もあった。
このような問題を解決するため、PVDF以外のバインダーを使用することも試みられている。しかしながら、従来の樹脂を用いた場合、電極に電圧を負荷した際に、樹脂の分解や劣化が生じてしまうという問題が新たに生じていた。このような樹脂の劣化が生じた場合は、充放電容量が低下したり、電極の剥離が発生したりするという問題が生じていた。
これに対して、特許文献1には、鹸化度75モル%以上のポリビニルアルコールをバインダー樹脂として使用した蓄電装置用導電性塗工液が開示されている。
しかしながら、このような樹脂を用いた場合、電極の柔軟性が低いものとなり、ひび割れや、集電体からの剥がれが発生するため、電池耐久性の低下を招くという問題があった。
特開2013−48043号公報
本発明は、活物質の分散性、集電体への密着性に優れるとともに、高容量のリチウム二次電池を作製することが可能なリチウム二次電池電極用組成物を提供することを目的とする。
本発明は、活物質、バインダー及び有機溶媒を含有するリチウム二次電池電極用組成物であって、前記バインダーは、ポリビニルアセタール樹脂を含有し、前記バインダーに含まれるNaイオンが100ppm以下であるリチウム二次電池電極用組成物である。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、リチウム二次電池電極形成用のバインダーとして、ポリビニルアセタール樹脂を用いることで、活物質の分散性、集電体への密着性を改善できることを見出した。
一方で、ポリビニルアセタール樹脂を使用した場合、リチウム二次電池の電池容量が低下するという問題が新たに生じていた。
本発明者らは、このような問題がアセタール化反応の中和剤に含まれるNaイオンに起因するものであることを見出し、バインダーのNaイオンの含有量を所定量以下とすることで、活物質の分散性、集電体への密着性に優れるとともに、高容量のリチウム二次電池を作製できることを見出した。更に、ポリビニルアセタール樹脂をリチウム二次電池電極形成用のバインダーとして使用した場合、経時粘度安定性に非常に優れていることから、長期保管することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、活物質を含有する。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、正極、負極のいずれの電極に使用してもよく、また、正極および負極の両方に使用してもよい。従って、活物質としては、正極活物質、負極活物質がある。
上記正極活物質としては、例えば、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムマンガン酸化物等のリチウム含有複合金属酸化物が挙げられる。具体的には例えば、LiNiO、LiCoO、LiMn等が挙げられる。
なお、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記負極活物質としては、例えば、従来からリチウム二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、球状天然黒鉛、天然グラファイト、人造グラファイト、 アモルファス炭素、カーボンブラック、または、これらの成分に異種元素を添加したもの等が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、導電付与剤を含有することが好ましい。
上記導電付与剤としては、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。特に、正極用の導電付与剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラックが好ましく、負極用の導電付与剤としては、アセチレンブラック、鱗片状黒鉛が好ましい。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、ポリビニルアセタール樹脂を含むバインダーを含有する。本発明では、バインダー(結着剤)としてポリビニルアセタール樹脂を用いることで、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基と正極活物質の酸素原子間に引力的相互作用が働き、正極活物質をポリビニルアセタール樹脂が取り囲む構造をとる。また、同一分子内の別の水酸基が導電付与剤とも引力的相互作用を及ぼし、活物質、導電付与剤間距離をある一定範囲にとどめることが出来る。このように活物質と導電付与剤を程よい距離に特徴的な構造をとることで、活物質の分散性が大幅に改善される。また、PVDF等の樹脂を用いる場合と比較して、集電体との接着性を向上させることができる。更に、溶剤溶解性に優れ、溶剤の選択の範囲が広がるという利点が得られる。
上記バインダーに含まれるNaイオンは100ppm以下である。
バインダーがNaイオンを含有する場合、リチウム二次電池の電極に使用すると、電解液中のLiイオンの移動が阻害され、電池容量が低下するという問題が生じるが、本発明では、上記バインダーに含まれるNaイオンを規定することで、Liイオンの移動が促進され、高容量のリチウム二次電池とすることが可能となる。
上記バインダーに含まれるNaイオン含有量の好ましい下限は0.0001ppm、好ましい上限は80ppmである。
なお、上記Naイオン含有量は、例えば、原子吸光測定法により測定することができる。
上記バインダーに含まれるNaイオンの存在形態については、−ONaの状態で存在していることが好ましい。Naイオンが、このような形態で存在することで、リチウム二次電池に使用した場合にNaイオンの影響が少なくなりLiイオンの移動が阻害されなくなるため、放電容量を向上させることができる。
また、上記バインダーにNaイオンが−ONaの状態で存在する場合、ポリビニルアセタール樹脂の水酸基に対する基の−ONaの比率(−ONa存在比率)は、0.01〜35%であることが好ましい。上記−ONa存在比率を上述の範囲内とすることで、Liイオンの移動が促進され、高容量のリチウム二次電池とすることが可能となる。より好ましい範囲は0.01〜10%である。
なお、上記−ONa存在比率は、ポリビニルアセタール樹脂をFT−IRにて測定し、3400〜3500cm−1付近に検出される−OH基のピークにおける透過率(−OH基透過率)と、1600〜1700cm−1付近に検出される−ONa基のピークの透過率(−ONa基透過率)を使用して、下記式により算出することができる。
−ONa存在比率=(100−[−ONa基透過率])/(100−[−OH基透過率])×100
上記ポリビニルアセタール樹脂は、通常、下記式(1)で表される水酸基を有する構成単位、下記式(2)で表されるアセタール基を有する構成単位を有するものである。
Figure 0006802062
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(1)で表される水酸基を有する構成単位の含有量(水酸基量)の好ましい下限は32モル%、好ましい上限は55モル%である。上記水酸基量を32モル%以上とすることで、電解液への耐性を向上させて、電解液中への樹脂の溶出を防止することができ、55モル%以下とすることで、樹脂の柔軟性を向上させて、集電体への接着力を十分なものとすることができる。
上記水酸基量のより好ましい下限は35モル%であり、より好ましい上限は53モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(2)で表されるアセタール基を有する構成単位の含有量(アセタール化度)は20〜70モル%であることが好ましい。上記アセタール化度を20モル%以上とすることで、溶媒への溶解性に優れるものとなるため組成物に好適に使用することができる。上記アセタール化度を70モル%以下とすることで、電解液に対する耐性が充分なものとなり、電極を電解液中に浸漬した際、樹脂成分が電解液中に溶出することを防止することができる。より好ましくは25〜65モル%である。
なお、本明細書において、アセタール化度とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、ブチルアルデヒドでアセタール化された水酸基数の割合のことであり、アセタール化度の計算方法としては、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール化度のモル%を算出する。
上記式(2)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基又はアリル基であるが、特に、炭素数1のアルキル基、炭素数3のアルキル基であることが好ましい。
上記Rが、炭素数1のアルキル基、炭素数3のアルキル基であるポリビニルアセタール樹脂は、アセトアルデヒド及びブチルアルデヒドでアセタール化することで得られる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アセトアルデヒドでアセタール化された部分とブチルアルデヒドでアセタール化された部分との割合が0/100〜50/50であることが好ましい。これにより、ポリビニルアセタール樹脂が柔軟になり、集電体への接着力が良好になる。より好ましくは、アセトアルデヒドでアセタール化された部分とブチルアルデヒドでアセタール化された部分の割合が0/100〜20/80である。
上記式(2)で表されるアセタール基を有する構成単位は、アルデヒドを用いてアセタール化することで得られる。
上記アルデヒドの炭素数の好ましい下限は1、好ましい上限は11である。炭素数を上記範囲内とすることで、樹脂の疎水性が低くなるため、精製効率が向上しNaイオンの含有量を減らすことができる。
上記アルデヒドとしては、具体的には例えば、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン等のビニル基を有するアルデヒド(ビニルアルデヒド)等が挙げられる。
また、上記式(2)で表されるアセタール基は、ブチラール基、ベンズアセタール基、アセトアセタール基、プロピオンアセタール基及びビニルアセタール基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、下記式(3)で表されるアセチル基を有する構成単位を有することが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂における下記式(3)で表されるアセチル基を有する構成単位の含有量(アセチル基量)の好ましい下限は1モル%、好ましい上限は20モル%である。上記アセチル基量を1モル%以上とすることで、樹脂の柔軟性が向上して、集電体への接着力が充分なものとなり、上記アセチル基量を20モル%以下とすることで、電解液への耐性が著しく向上し、電解液へ溶出することによる短絡を防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は3モル%、より好ましい上限は10モル%である。
Figure 0006802062
上記ポリビニルアセタール樹脂は、アニオン性基を有する構成単位を含むことが好ましい。
上記アニオン性基を有することで、ポリビニルアセタール樹脂が活物質の表面に付着しやすくなり、活物質の分散性を高めることができる。
上記アニオン性基としては、例えば、スルホニル基、カルボキシ基、硫酸基、ホスホン酸基、ニトリル基、リン酸エステル基等が挙げられる。なかでも、スルホニル基が好ましい。
上記スルホニル基を有する構成単位を有することで、高電圧下においても樹脂の分解や劣化を抑制でき、高容量を維持することができるという利点がある。電子吸引基であるスルホニル基を有することで、電子の放出を防ぐことができ、併せて電子の放出により起こる樹脂の酸化分解を抑制することが可能である。また、数ある電子吸引基の中でもスルホニル基は四面体構造を取るために立体障害が大きく、樹脂の導電付与剤への吸着を阻害するため、抵抗値を下げることなく高容量を維持することができる。
なお、上記スルホニル基には、スルホニル基の塩も含む。
上記スルホニル基を有する構成単位は、下記式(4)で表されるスルホニル基を有する構成単位であることが好ましい。
Figure 0006802062
式(4)中、Rは、単結合又は炭素数1〜10の飽和或いは不飽和の炭化水素を表し、Xは水素、ナトリウム又はカリウムを表す。
上記式(4)で表されるスルホニル基を有する構成単位が、飽和或いは不飽和の炭化水素を介して、スルホニル基が主鎖に結合した構造を有する場合は、スルホニル基含有モノマーと酢酸ビニルとの反応性が高くなるため、分子中のスルホニル変性基量を高くすることが可能となる。また、飽和或いは不飽和の炭化水素を介することにより主鎖の影響を受けづらい。なお、Rは、炭素数1〜10の飽和或いは不飽和の炭化水素であることが好ましい。
上記Rは、炭素数1〜10の飽和或いは不飽和の炭化水素である。上記Rとしては、例えば、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、アリーレン基等が挙げられる。
上記アルキレン基としては、直鎖状アルキレン基が好ましく、炭素数が1〜6のアルキレン基が好ましい。なかでも、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が好ましい。
また、上記Xとしては、水素又はナトリウムが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記式(4)で表されるスルホニル基を有する構成単位の含有量の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は8モル%である。上記含有量を0.1モル%以上とすることで、高電圧下において樹脂が酸化され、樹脂分解・劣化することを防止することができ、上記含有量を8モル%以下とすることで、親水性が上がるため樹脂中に水分を多く含み、電解液の分解を促進させることがある。上記含有量のより好ましい下限は0.1モル%、より好ましい上限は5モル%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の重合度の好ましい下限は250、好ましい上限は4000である。上記重合度を250以上とすることで、工業的に入手することが容易となる。上記重合度を4000以下とすることで、溶液粘度が適度なものなり、活物質を充分に分散させることができる。上記重合度のより好ましい下限は280、より好ましい上限は1700である。
上記ポリビニルアセタール樹脂の平均分子量の好ましい下限は1.5×10、好ましい上限は28.0×10である。上記平均分子量を1.5×10以上とすることで、工業的に入手することが容易となる。上記平均分子量を28.0×10以下とすることで、溶液粘度が適度なものとなり、活物質を充分に分散させることができる。上記平均分子量のより好ましい下限は1.7×10、より好ましい上限は11.0×10である。
なお、上記平均分子量は数平均分子量を意味し、粘度法によって測定することができる。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物中の上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.2重量%、好ましい上限は5重量%である。上記ポリビニルアセタール樹脂の含有量を0.2重量%以上とすることで、集電体への接着力を充分なものとすることができ、5重量%以下とすることで、リチウム二次電池の放電容量を向上させることができる。より好ましくは、0.5〜3重量%である。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化してなるものである。
特に、上記アニオン性基を有するポリビニルアセタール樹脂を製造する方法としては、上記アニオン性基を有する構成単位を予め有するポリビニルアルコールを用意し、その後アセタール化する方法、上記アニオン性基を有する構成単位を有しないポリビニルアルコールをアセタール化した後、上記アニオン性基を有する構成単位となる部分を付加する方法等が挙げられる。
上記アニオン性基を有する構成単位を有するポリビニルアルコールを作製する方法としては、例えば、スルホニル基を有する構成単位を有するポリビニルアルコールを作製する場合、アリルスルホン酸と、酢酸ビニル等のビニルエステルとを共重合した後、得られた共重合体のアルコール溶液に酸またはアルカリを添加してケン化する方法等が挙げられる。
また、上記アニオン性基を有する構成単位に相当する部分を付加する方法としては、例えば、上記アニオン性基を有する構成単位を有しないポリビニルアルコール(以下、単にポリビニルアルコールともいう)にアリルスルホン酸、アリルスルホン酸ナトリウム等を反応させる方法等が挙げられる。
上記ポリビニルアルコールは、例えば、ビニルエステルとエチレンの共重合体をケン化することにより得ることができる。上記ビニルエステルとしては、例えば、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル等が挙げられる。なかでも、経済性の観点から酢酸ビニルが好適である。
上記ポリビニルアルコールは、本発明の効果を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体を共重合したものであってもよい。上記エチレン性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸、アクリロニトリルメタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、及びそのナトリウム塩、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とエチレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記ポリビニルアルコールは、上記ビニルエステルとα−オレフィンとを共重合した共重合体をケン化したものであってもよい。また、更に上記エチレン性不飽和単量体を共重合させ、エチレン性不飽和単量体に由来する成分を含有するポリビニルアルコールとしてもよい。また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とα−オレフィンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端ポリビニルアルコールも用いることができる。上記α−オレフィンとしては特に限定されず、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、ペンチレン、へキシレン、シクロヘキシレン、シクロヘキシルエチレン、シクロヘキシルプロピレン等が挙げられる。
本発明において、上記バインダーに含まれるNaイオンの含有量を100ppm以下とする方法としては、原料であるポリビニルアルコール中に含まれるNaイオンを100ppm以下とする方法、アセタール化反応時に使用する溶媒として、通常の軟水ではなく蒸留水やイオン交換樹脂、逆浸透膜等を用いて精製した純水を使用する方法、アセタール反応後に中和剤を添加した中和工程を行わない方法、アセタール化反応後に得られるポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダーの平均粒子径を200μm以下の小粒径とする方法等が挙げられる。
特に、アセタール反応後に中和剤を添加した中和反応を行わない方法が好ましい。
なお、通常のアセタール化反応において、中和工程を行わない場合、触媒として用いた酸が最終的に樹脂中に残留してしまい、このような酸により電解液中でポリビニルアセタール樹脂が分解しやすくなってしまう。これに対して、アセタール化反応後に得られるポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダーの平均粒子径を200μm以下の小粒径とする方法を併用した場合は、触媒として用いた酸を洗浄のみで洗い流すことが可能となり、中和工程を行わなくても得られる樹脂のpHを中性にすることができる。
本発明において、ポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダーの形態としては特に限定されないが、粒子状であることが好ましい。粒子状であることにより、ペースト状で使用する際に固形分濃度を任意に変更することができるとともに、樹脂中の含有水分も低減することが可能となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダーが粒子状である場合、ポリビニルアセタール樹脂を含有するバインダーの平均粒子径の好ましい下限は10μm、好ましい上限は200μmであり、より好ましい下限は25μm、より好ましい上限は160μmである。上述の範囲内とすることで、触媒として用いた酸を洗浄のみで洗い流すことが可能となり、中和工程を行わなくても得られる樹脂のpHを中性にすることができる。その結果、バインダーに含まれるNaイオンの含有量を低減させることが可能となる。
なお、上記平均粒子径は、例えば、レーザ回折式粒子径分布測定装置(島津製作所社製、SALD−3100)等により測定することができる。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、上記ポリビニルアセタール樹脂に加えて、ポリフッ化ビニリデン樹脂を含有していてもよい。
上記ポリフッ化ビニリデン樹脂を併用することで、電解液への耐性が更に向上し、放電容量を向上させることが出来る。
上記ポリフッ化ビニリデン樹脂を含有する場合、上記ポリビニルアセタール樹脂とポリフッ化ビニリデン樹脂との重量比は、0.5:9.5〜7:3であることが好ましい。
このような範囲内とすることで、ポリフッ化ビニリデンに著しく不足している集電体への接着力を有しながら、電解液への耐性を付与することが出来る。
より好ましい上記ポリビニルアセタール樹脂とポリフッ化ビニリデン樹脂との重量比は1:9〜4:6である。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、活物質100重量部に対して好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限は20重量部である。上記バインダーの含有量を0.01重量部以上とすることで、集電体への接着力を充分なものとすることができ、20重量部以下とすることで、リチウム二次電池の放電容量の低下を防止することができる。
また、本発明のリチウム二次電池電極用組成物中のバインダー全体の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は30重量%である。上記バインダーの含有量を1重量%以上とすることで、集電体への接着力を充分なものとすることができ、30重量%以下とすることで、リチウム二次電池の放電容量が低下することを防止できる。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、有機溶媒を含有する。
上記有機溶媒としては、上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解させることができるものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロピルアルコール、N−メチルピロリドン、エタノール、蒸留水等が挙げられる。なかでも、N−メチルピロリドンが好ましい。
上記有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物中の有機溶媒の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は20重量%、好ましい上限は50重量%である。上記有機溶媒の含有量を20重量%以上とすることで、粘度を適度なものとして、ペーストの塗工を容易に行うことができ、50重量%以下とすることで、溶剤乾燥時にムラができることを防止できる。より好ましい下限は25重量%、より好ましい上限は40重量%である。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物には、上述した活物質、ポリビニルアセタール樹脂、溶媒以外にも、必要に応じて、難燃助剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤のような添加剤を添加してもよい。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物を製造する方法としては、特に限定されず、例えば、上記活物質、ポリビニルアセタール樹脂、溶媒及び必要に応じて添加する各種添加剤をボールミル、ブレンダーミル、3本ロール等の各種混合機を用いて混合する方法が挙げられる。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物は、例えば、導電性基体上に塗布し、乾燥する工程を経ることで、電極が形成される。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物を用いてなるリチウム二次電池もまた本発明の一つである。
本発明のリチウム二次電池電極用組成物を導電性基体に塗布する際の塗布方法としては、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
本発明によれば、活物質の分散性、集電体への密着性に優れるとともに、高容量のリチウム二次電池を作製することが可能なリチウム二次電池電極用組成物を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(ポリビニルアセタール樹脂Aの合成)
ポリビニルアルコール(数平均分子量1.5×10、ケン化度99モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn−ブチルアルデヒド155重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、中和剤を投入せずに水洗による中和、乾燥工程を経て、ポリビニルアセタール樹脂の白色粉末(平均粒子径168μm)を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂をDMSO−d(ジメチルスルホキサシド)に溶解し、13C−NMR(核磁気共鳴スペクトル)を用いて上記式(1)で表される構成単位の含有量[水酸基量]、上記式(2)で表される構成単位の含有量[アセタール化度]、上記式(3)で表される構成単位の含有量[アセチル基量]、を測定したところ、水酸基量は37モル%、アセタール化度(ブチラール化度)は62モル%、アセチル基量は1モル%であった。
また、得られたポリビニルアセタール樹脂中に残存しているNaイオン含有量を原子吸光測定法により測定したところNaイオン含有量は5ppmであった。
更に、得られたポリビニルアセタール樹脂をFT−IR(島津製作所社製、IRAffinity−1S)にて測定し、3400〜3500cm−1付近に検出される−OH基のピークにおける透過率(−OH基透過率)と、1600〜1700cm−1付近に検出される−ONa基のピークの透過率(−ONa基透過率)を用いて、−ONa存在比率を測定したところ、0.04%であった。
(ポリビニルアセタール樹脂B〜Fの合成)
表1に示す数平均分子量、ケン化度を有するポリビニルアルコールを使用し、表1に示す量のn−ブチルアルデヒドを添加した以外は、ポリビニルアセタール樹脂Aと同様にしてポリビニルアセタール樹脂B〜Fを作製した。
また、得られたポリビニルアセタール樹脂B〜Fの水酸基量、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル基量、Naイオン含有量、−ONa存在比率、平均粒子径を表1に示した。
(ポリビニルアセタール樹脂Gの合成)
ポリビニルアルコール(数平均分子量7.0×10、ケン化度99モル%)を用い、n−ブチルアルデヒドを146重量部添加し、中和剤として水酸化ナトリウムを3重量部添加し中和、水洗した以外は、(ポリビニルアセタール樹脂Aの合成)と同様にしてポリビニルアセタール樹脂Gを作製した。
(ポリビニルアセタール樹脂Hの合成)
ポリビニルアルコール(数平均分子量9.0×10、ケン化度99モル%)を用い、n−ブチルアルデヒドを168重量部添加し、水酸化ナトリウムを3重量部添加し中和、水洗した以外は、(ポリビニルアセタール樹脂Aの合成)と同様にしてポリビニルアセタール樹脂Hを合成した。
(ポリビニルアセタール樹脂I〜Oの合成)
表1に示す数平均分子量、ケン化度を有するポリビニルアルコールを使用し、表1に示す量のn−ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ビニルアルデヒドを添加した以外は、ポリビニルアセタール樹脂Aと同様にしてポリビニルアセタール樹脂I〜Oを作製した。
また、得られたポリビニルアセタール樹脂I〜Oの水酸基量、アセタール化度(ブチラール化度)、アセチル基量、Naイオン含有量、−ONa存在比率、平均粒子径を表1に示した。
Figure 0006802062
(実施例1)
(リチウム二次電池電極用組成物の調製)
得られたポリビニルアセタール樹脂Aを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部、NMP:17.5重量部)に、活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業社製、セルシードC−5H)50重量部、導電付与剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)を5重量部、N−メチルピロリドン25重量部を加えてシンキー社製泡取練太郎にて混合し、リチウム二次電池電極用組成物を得た。
(実施例2)
得られたポリビニルアセタール樹脂Aを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:0.005重量部、NMP:20重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(実施例3)
得られたポリビニルアセタール樹脂Aを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:10重量部、NMP:10重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(実施例4〜6、、参考例7
得られたポリビニルアセタール樹脂B〜Fを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部、NMP:17.5重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(実施例9、11、12、15、参考例10、13、14
得られたポリビニルアセタール樹脂I〜Oを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部、NMP:17.5重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(比較例1)
PVDF(アルケマ社製:カイナーK720)を含有する樹脂溶液20重量部(PVDF:2.5重量部、NMP:17.5重量部)を用いた以外は、実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(比較例2)
得られたポリビニルアセタール樹脂Gを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部、NMP:17.5重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
(比較例3)
得られたポリビニルアセタール樹脂Hを含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部、NMP:17.5重量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてリチウム二次電池電極用組成物を得た。
<評価>
実施例、参考例及び比較例で得られたリチウム二次電池電極用組成物について以下の評価を行った。結果を表2に示した。
(1)接着性
実施例、参考例、比較例で得られたリチウム二次電池電極用組成物については、アルミ箔に対する接着性を評価した。
アルミ箔(厚み20μm)の上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電極用組成物を塗工、乾燥し、アルミ箔上に電極がシート状に形成された試験片を得た。
このサンプルを縦1cm、横2cmに切り出し、AUTOGRAPH(島津製作所社製、「AGS−J」)を用い、試験片を固定しながら電極シートを引き上げ、アルミ箔から完全に電極シートが剥離するまでに要する剥離力(N)を計測した後、以下の基準で判定した。
○:剥離力が8.0Nを超える
△:剥離力が5.0〜8.0N
×:剥離力が5.0N未満
(2)分散性
上記「(1)接着性」で得られた試験片について、JIS B 0601(1994)に基づいて表面粗さRaを測定し、電極の表面粗さを以下の基準で評価した。なお、一般的には、活物質の分散性が高いほど、表面粗さは小さくなるとされている。
◎:Raが2μm未満
○:Raが2μm以上、5μm未満
△:Raが5μm以上、8μm未満
×:Raが8μm以上
(3)溶媒溶解性
(電極シートの作製)
離型処理されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように実施例、参考例及び比較例で得られたリチウム二次電池電極用組成物を塗工、乾燥して電極シートを作製した。
その電極シートを2cm角に切り出し、電極シート試験片を作製した。
(溶出評価)
得られた試験片の重量を正確に計量し、シートに含まれる成分重量比から試験片に含まれる樹脂の重量を算出した。その後、試験片を袋状のメッシュに入れ、メッシュ袋と試験片の合計重量を正確に計測した。
次いで、試験片の入っているメッシュ袋を電解液であるジエチルカーボネートに浸し、室温にて1晩放置した。放置後メッシュ袋を取り出し、150℃、8時間の条件で乾燥させ、完全に溶剤を乾燥させた。
乾燥機から取り出した後、室温にて1時間放置し、重量を計測した。試験前後の重量変化から樹脂の溶出量を算出し、その溶出量とあらかじめ算出しておいた樹脂の重量の比から樹脂の溶出率を算出した。なお、溶出率の値が高いほど、電解液中へ樹脂が溶出しやすいことを意味する。
(4)経時粘度安定性
実施例、参考例及び比較例で得られたリチウム二次電池電極用組成物のペースト粘度をB型粘度計にて測定した。粘度測定はペースト作製当日と一週間後に行い、経時粘度変化率([一週間後の粘度−作製当日の粘度]×100/作製当日の粘度)を以下の基準により評価した。なお、一般的には、粘度安定性が高いほど、経時粘度変化率は小さくなるとされている。
◎:経時粘度変化率が30%以下
〇:経時粘度変化率が30%を超えて〜50%以下
△:経時粘度変化率が50%を超えて100%未満
×:経時粘度変化率が100%以上
(5)電池性能評価
(a)コイン電池の作製
実施例、参考例及び比較例で得られたリチウム二次電池正極用組成物をアルミ箔に塗布、乾燥し、厚さ0.2mmとし、これをφ12mmに打ち抜いて正極層を得た。
また、リチウム二次電池負極用組成物として宝泉株式会社製負極シート(片面A100)をφ12mmに打ち抜いて負極層を得た。
電解液としてLiPF(1M)を含有するエチレンカーボネートとの混合溶媒を用い、該電解液を正極層に含浸させた後、この正極層を正極集電体上に置き、さらにその上に電解液を含浸させた厚さ25mmの多孔質PP膜(セパレータ)を置いた。
更に、この上に参照極となるリチウム金属板を置き、この上に絶縁パッキンで被覆された負極集電体を重ね合わせた。この積層体を、かしめ機により圧力を加え、密閉型のコイン電池を得た。
(b)放電容量評価、及び、充放電サイクル評価
得られたコイン電池について、(宝泉社製、充放電試験装置)を用いて放電容量評価、及び、充放電サイクル評価を行った。
この放電容量評価、充放電サイクル評価は電圧範囲3.0〜4.5V、評価温度は20℃で行った。
Figure 0006802062
本発明によれば、活物質の分散性、集電体への密着性に優れるとともに、高容量のリチウム二次電池を作製することが可能なリチウム二次電池電極用組成物を提供できる。

Claims (6)

  1. 活物質、バインダー及び有機溶媒を含有するリチウム二次電池電極用組成物であって、
    前記バインダーは、ポリビニルアセタール樹脂を含有し、
    前記バインダーに含まれるNaイオンが100ppm以下であり、
    前記バインダーは粒子状であり、平均粒子径が101〜200μmである
    ことを特徴とするリチウム二次電池電極用組成物。
  2. ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール化度が20〜70モル%であることを特徴とする請求項1記載のリチウム二次電池電極用組成物。
  3. ポリビニルアセタール樹脂は、平均分子量が1.5×10〜28.0×10であることを特徴する請求項1又は2記載のリチウム二次電池電極用組成物。
  4. ポリビニルアセタール樹脂を活物質100重量部に対して、0.01〜20重量部含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載のリチウム二次電池電極用組成物。
  5. ポリビニルアセタール樹脂は、ブチラール基、ベンズアセタール基、アセトアセタール基、プロピオンアセタール基及びビニルアセタール基からなる群より選択される少なくとも1種を有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載のリチウム二次電池電極用組成物。
  6. 請求項1、2、3又は4記載のリチウム二次電池電極用組成物を用いてなることを特徴とするリチウム二次電池。
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