JP7271240B2 - 二次電池電極用組成物 - Google Patents
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Description
このように、繰り返し充放電が可能な二次電池としては、従来、鉛電池、ニッケル-カドミウム電池等の水溶系電池が主流であるが、これらの水溶系電池は、充放電特性は優れているが、電池重量やエネルギー密度の点では、携帯型電子機器の移動用電源として充分満足できる特性を有しているとはいえない。
リチウム二次電池の電極は、通常、活物質とバインダーを溶媒と共に混練し、活物質を分散させてスラリーとした後、このスラリーをドクターブレード法等によって集電体上に塗布し乾燥して薄膜化することにより形成されている。
しかしながら、フッ素系樹脂をバインダーとして用いた場合、可撓性を有する薄膜を作製可能な一方で、集電体と活物質の結着性が劣るため、電池製造工程時に活物質の一部又は全部が集電体から剥離、脱落する恐れがあった。また、電池の充放電が行われる際、活物質内ではリチウムイオンの挿入、放出が繰り返され、それに伴い、集電体から活物質の剥離、脱落の問題が起こり得るという問題もあった。
しかしながら、このようなバインダーを使用する場合、活物質の分散性が低くなり、電極用組成物の粘度が高くなることから、ペースト濾過に時間を要し工程時間が長くなるとともに、塗工時に塗工むらが発生しやすいものとなっていた。また、電極中の活物質密度が低下することから、得られる電池の容量が不充分なものとなっていた。
更に、このような樹脂を用いた場合、電極の柔軟性が低いものとなり、ひび割れや、集電体からの剥がれが発生しるため、電池耐久性の低下を招くという問題があった。
しかしながら、このような組成物を用いた場合でも、活物質の分散性が低くなり、電極用組成物の粘度が高くなることから、ペースト濾過に時間を要し工程時間が長くなるとともに、塗工時に塗工むらが発生しやすいものとなっていた。また、含水率が高い状態で電極用組成物を調製すると、水分の影響で電池内部から酸性ガスが発生し、電池の膨張や発火、爆発を誘発する恐れがある。
更に、電極中の活物質密度が低下することから、得られる電池の容量が不充分なものとなっていた。
以下に本発明を詳述する。
また、このような二次電池電極用組成物を、例えば、電極バインダーやセパレータ保護膜や電解質等の材料に使用した場合、イオン輸率を高めることが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の二次電池電極用組成物は、正極、負極のいずれの電極に使用してもよく、また、正極および負極の両方に使用してもよい。従って、活物質としては、正極活物質、負極活物質がある。
なお、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記導電付与剤としては、例えば、黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、気相成長炭素繊維などの炭素材料が挙げられる。特に、正極用の導電付与剤としては、アセチレンブラック、カーボンブラックが好ましく、負極用の導電付与剤としては、アセチレンブラック、鱗片状黒鉛が好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、このような構成単位を有することで、優れた電解液への耐性、集電体との接着性、またイオン伝導性を有することができ、バインダーの添加量を減らした場合でも高容量の二次電池を製造できるという利点がある。
また、このようなポリビニルアセタール樹脂を含有する二次電池電極用組成物を、例えば、セパレータ保護膜や電解質等の材料に使用した場合、イオン輸率を高めることが可能となるという利点を有する。
上記アルキレンオキサイド基を有する構成単位としては、下記式(1)で表される構成単位であることが好ましい。
下記式(1)で表される構成単位を有することで、アルキレンオキサイド基に存在する酸素原子が、リチウムイオンと配位し固体中でも伝導パスを有するのに対して、対イオンは輸送しないため、イオン輸率を高めることができるという利点がある。
上記式(1)で表される構成単位としては、例えば、ポリエチレングリコール等の複数のエチレンオキサイド基を構成単位内に有するもの、またエチレングリコール単位を単独で構成単位内に有するもの、また非連続的に複数個のエチレングリコール単位やポリエチレングリコール単位に有するもの等が挙げられる。
上記式(1)で表される構成単位は、下記式(2)で表されるアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド基)を有する構成単位であることが好ましい。
上記R2としては、例えば、メチレン基、エチレン基、カルボニル基、エーテル基等が挙げられる。また、上記R2は単結合であってもよい。
上記R3は、C及びOからなる群より選択される少なくとも1種を有する連結基又は単結合である。上記R3は炭素数が1~10のエチレン基、もしくはカルボニル基が好ましい。上記R3としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、カルボニル基、エーテル基等が挙げられる。また、上記R3は単結合であってもよい。
更に、アルキレンオキサイドの繰り返し数である整数nは特に限定されないが、2~50が好ましく、5~20がより好ましい。アルキレンオキサイドの繰り返し数が上記範囲内であることで、リチウムイオンのみを効率的に輸送することが可能となる。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記アセタール基を有する構成単位の含有量(アセタール基量)は20~70モル%であることが好ましい。上記アセタール基量を20モル%以上とすることで、溶媒への溶解性が向上し、組成物として好適に使用することができる。上記アセタール基量を70モル%以下とすることで、電解液に対する耐性が充分なものとなり、電極を電解液中に浸漬した際、樹脂成分が電解液中に溶出することを防止できる。より好ましくは30~55モル%である。更に好ましくは30~50モル%である。
なお、本明細書において、アセタール基量とは、ポリビニルアルコールの水酸基数のうち、ブチルアルデヒドでアセタール化された水酸基数の割合のことである。また、アセタール基量の計算方法は、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が2個の水酸基からアセタール化されて形成されていることから、アセタール化された2個の水酸基を数える方法を採用してアセタール基量のモル%を算出する。
なお、本明細書において、アセタール基量は、ポリビニルアセタール樹脂全体に対するアセタール基を有する構成単位の含有量を意味する。
上記アルデヒドの炭素数(アルデヒド基を除く炭素数)の好ましい下限は1、好ましい上限は11である。炭素数を上記範囲内とすることで、樹脂の疎水性が低くなるため、精製効率が向上しNaイオンの含有量を減らすことができる。
上記アルデヒドとしては、具体的には例えば、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、プロピオンアルデヒド、アクロレイン等のビニル基を有するアルデヒド(ビニルアルデヒド)等が挙げられる。
また、上記アセタール基は、ブチラール基、ベンズアセタール基、アセトアセタール基、プロピオンアセタール基及びビニルアセタール基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記ポリビニルアセタール樹脂における上記水酸基を有する構成単位の含有量(水酸基量)の下限は30モル%、上限は70モル%である。上記水酸基量を30モル%以上とすることで、電解液への耐性が向上し、電解液中に樹脂が溶出することを防止でき、70モル%以下とすることで、樹脂の柔軟性が向上し、集電体への接着力が充分なものとなる。
上記水酸基量の好ましい下限は40モル%であり、好ましい上限は60モル%である。
より好ましい下限は45モル%、より好ましい上限は55モル%である。なお、本明細書において、水酸基量は、ポリビニルアセタール樹脂全体に対する水酸基を有する構成単位の含有量を意味する。
上記ポリビニルアセタール樹脂におけるアセチル基を有する構成単位の含有量(アセチル基量)の好ましい下限は0.1モル%、好ましい上限は15モル%である。上記アセチル基量を0.1モル%以上とすることで、樹脂の柔軟性が向上し、集電体への接着力を充分なものすることができ、上記アセチル基量を15モル%以下とすることで、電解液への耐性が向上し、電解液へ溶出して短絡することを防止することができる。上記アセチル基量のより好ましい下限は1モル%、より好ましい上限は10モル%である。
なお、本明細書において、アセチル基量は、ポリビニルアセタール樹脂全体に対するアセチル基を有する構成単位の含有量を意味する。
より好ましくは、0.001~0.4である。
なお、上記塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
なお、上記親水性ユニットとは上記水酸基を有する構成単位、アミノ基を有する構成単位であり、疎水性ユニットとは上記アセタール基を有する構成単位、アセチル基を有する構成単位及びアルキレンオキサイド基を有する構成単位である。
なお、上記アルキレンオキサイド基又はアミノ基を有する構成単位の含有量は、ポリビニルアセタール樹脂の重合度、各構成単位の含有量(水酸基量、アセタール化度、アセチル基量、アルキレンオキサイド基又はアミノ基を有する構成単位の含有量)、二次電池電極用組成物中のポリビニルアセタール樹脂の含有量に基づいて算出することができる。
特に、上記ポリビニルアセタール樹脂を製造する方法としては、上記アルキレンオキサイド基又はアミノ基を有する構成単位を予め有するポリビニルアルコールを用意し、その後アセタール化する方法等が挙げられる。また、上記アルキレンオキサイド基又はアミノ基を有する構成単位を有しないポリビニルアルコールをアセタール化した後、上記アルキレンオキサイド基又はアミノ基を有する構成単位となる部分を付加する方法等が挙げられる。
また、上記式(1)で表される構成単位のR2に相当する部分を付加する方法としては、例えば、上記アルキルビニルエーテルの種類を変更する方法等が挙げられる。
また、上記アルキレン性不飽和単量体としては、例えば、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N-ビニルピロリドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロアルキレン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
また、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸等のチオール化合物の存在下で、酢酸ビニル等のビニルエステル系単量体とアルキレンを共重合し、それをケン化することによって得られる末端変性ポリビニルアルコールも用いることができる。
上記ポリフッ化ビニリデン樹脂を併用することで、電解液への耐性が更に向上し、放電容量を向上させることが出来る。
このような範囲内とすることで、ポリフッ化ビニリデンに著しく不足している集電体への接着力を有しながら、電解液への耐性を付与することが出来る。
より好ましい上記ポリビニルアセタール樹脂とポリフッ化ビニリデン樹脂との重量比は1:9~4:6である。
また、本発明の二次電池電極用組成物におけるポリビニルアセタール樹脂の含有量は、導電助剤100重量部に対して、好ましい下限が0.01重量部、好ましい上限は200重量部である。
更に、本発明の二次電池電極用組成物中のバインダー全体の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は1重量%、好ましい上限は30重量%である。上記バインダーの含有量を1重量%以上とすることで、集電体への接着力を向上させることができ、30重量%以下とすることで、二次電池の放電容量を向上させることが可能となる。
上記有機溶媒としては、上記ポリビニルアセタール樹脂を溶解させることができるものであれば特に限定されず、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、トルエン、イソプロピルアルコール、N-メチルピロリドン、エタノール、蒸留水等が挙げられる。なかでも、N-メチルピロリドンが好ましい。
上記有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の二次電池電極用組成物を用いてなる二次電池もまた本発明の一つである。
上記二次電池としては、例えば、ニッカド電池、ニッケル水素電池、リチウム二次電池、全固体電池、燃料電池等が挙げられる。なかでも、リチウム二次電池が好ましい。
本発明の二次電池電極用組成物を導電性基体上に塗布する際の塗布方法としては、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドクターブレード、アプリケーターなどをはじめ、各種の塗布方法を採用することができる。
下記式(2)で表されるアルキレンオキサイド基(エチレンオキサイド基)を有する構成単位を有するアルキレンオキサイド基含有ポリビニルアルコールA350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。なお、アルキレンオキサイド基含有ポリビニルアルコールAは、重合度250、ケン化度98.2モル%、下記式(2)で表されるアルキレンオキサイド基を有する構成単位の含有量[アルキレンオキサイド基含有量]0.1モル%、式(2)中のn=10、R2=単結合、R3=単結合である。
この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn-ブチルアルデヒド73.1重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂A1の白色粉末を得た。
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂A2~A22を合成した。
下記式(3)で表されるアミノ基を有する構成単位を有するアミノ基含有ポリビニルアルコールB(重合度250、ケン化度98.2モル%、アミノ基を有する構成単位の含有量[アミノ基含有量]0.1モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn-ブチルアルデヒド53.1重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂B1の白色粉末を得た。
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂B1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂B2~B22を合成した。
スルホン酸基を有する構成単位を有するスルホン酸基含有ポリビニルアルコールC(重合度1000、ケン化度98.2モル%、スルホン酸基を有する構成単位の含有量[スルホン酸基含有量]1モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn-ブチルアルデヒド32.2重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂C1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂C1の水酸基量、アセタール基量、アセチル基量、スルホン酸基含有量を表1に示す。
カルボン酸基を有する構成単位を有するカルボン酸基含有ポリビニルアルコールD(重合度1500、ケン化度97.5モル%、カルボン酸基を有する構成単位の含有量[カルボン酸基含有量]10モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn-ブチルアルデヒド62.5重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂D1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂D1の水酸基量、アセタール基量、アセチル基量、カルボン酸基含有量を表1に示す。
未変性ポリビニルアルコールE(重合度500、ケン化度98.0モル%)350重量部を純水3000重量部に加え、90℃の温度で約2時間攪拌し溶解させた。この溶液を40℃に冷却し、これに濃度35重量%の塩酸230重量部を添加した後、液温を5℃に下げてn-ブチルアルデヒド53.0重量部を添加しこの温度を保持してアセタール化反応を行い、反応生成物を析出させた。その後、液温を30℃、3時間保持して反応を完了させ、常法により中和、水洗及び乾燥を経て、ポリビニルアセタール樹脂E1の白色粉末を得た。
得られたポリビニルアセタール樹脂E1の水酸基量、アセタール基量、アセチル基量を表1に示す。
表1に示すポリビニルアルコール(種類)、アルデヒド(添加量)とした以外は、ポリビニルアセタール樹脂A1と同様にして、ポリビニルアセタール樹脂A23及びAB1を合成した。
(二次電池電極用組成物の調製)
得られたポリビニルアセタール樹脂A1を含有する樹脂溶液20重量部(ポリビニルアセタール樹脂:2.5重量部)に、活物質としてコバルト酸リチウム(日本化学工業社製、セルシードC-5H)50重量部、導電付与剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製、デンカブラック)を5重量部、N-メチルピロリドン26重量部を加えた。その後、シンキー社製泡取練太郎にて混合し、二次電池電極用組成物を得た。
表2に示すポリビニルアセタール樹脂(樹脂種、添加量)とした以外は、参考例1と同様にして、二次電池電極用組成物を得た。
実施例、参考例及び比較例で得られた二次電池電極用組成物について以下の評価を行った。結果を表2に示した。
実施例、参考例、比較例で得られた二次電池電極用組成物5gを水/エタノール/メチルイソブチルケトン混合溶液(重量比1:1:1)95gに投入し、室温で60分間攪拌して混合した。
60分間攪拌後の溶液の状態を確認し、以下の基準で評価した。
〇:溶液が透明である
△:溶液が白濁している
×:樹脂粉が残っている
実施例、参考例、比較例で得られた二次電池電極用組成物については、アルミ箔に対する接着性を評価した。
アルミ箔(厚み20μm)の上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように電極用組成物を塗工、乾燥し、アルミ箔上に電極がシート状に形成された試験片を得た。
このサンプルを縦1cm、横2cmに切り出し、AUTOGRAPH(島津製作所社製、「AGS-J」)を用い、試験片を固定しながら電極シートを引き上げ、アルミ箔から完全に電極シートが剥離するまでに要する剥離力(N)を計測した後、以下の基準で判定した。
○:剥離力が5.0N以上
×:剥離力が5.0N未満
上記「(2)接着性」で得られた試験片について、JIS B 0601(1994)に基づいて表面粗さRaを測定し、電極の表面粗さを以下の基準で評価した。なお、一般的には、活物質の分散性が高いほど、表面粗さは小さくなるとされている。
○:Raが5μm未満
△:Raが5μm以上、9μm以下
×:Raが9μmを超える
実施例、参考例、比較例で得られた二次電池電極用組成物50gをビーカー(容量100ml、内径50mm×高さ77mm)に入れ、ビーカー底部の圧力(初期圧力)を圧力センサー(JHGS社製、HYSTAPマルチ)を用いて測定した。更に、3日間静置した後、再度底部の圧力(3日間静置後の圧力)を測定し、圧力比(3日間静置後の圧力/初期圧力)を算出し、以下の基準で評価した。
〇:圧力比が0.9以上1.1以下
△:圧力比が0.5以上0.9未満、又は、1.1超1.5未満
×:圧力比が0.5未満、又は、1.5以上
(電極シートの作製)
離型処理されたポリアルキレンテレフタレート(PET)フィルム上に、乾燥後の膜厚が20μmとなるように実施例、参考例及び比較例で得られた二次電池電極用組成物を塗工、乾燥して電極シートを作製した。
その電極シートを2cm角に切り出し、電極シート試験片を作製した。
得られた試験片の重量を正確に計量し、シートに含まれる成分重量比から試験片に含まれる樹脂の重量を算出した。その後、試験片を袋状のメッシュに入れ、メッシュ袋と試験片の合計重量を正確に計測した。
次いで、試験片の入っているメッシュ袋を電解液溶剤であるジエチルカーボネート:アルキレンカーボネート=1:1混合溶剤に浸し、60℃にて5Hr放置した。放置後メッシュ袋を取り出し、150℃、8時間の条件で乾燥させ、完全に溶剤を乾燥させた。
乾燥機から取り出した後、室温にて1時間放置し、重量を計測した。試験前後の重量変化から樹脂の溶出量を算出し、その溶出量とあらかじめ算出しておいた樹脂の重量の比から樹脂の溶出率を算出し、以下の基準で評価した。
○:溶出率が1%未満
△:溶出率が1%以上2%以下
×:溶出率が2%を超える
上記「(5)耐電解液耐性」で得られた試験片の重量を正確に計測した。
その後、試験片を相対湿度95%、30℃で24時間放置した。取り出したのち試験片の重量を正確に計量した。試験前後の重量変化から含水率を算出し、以下の基準で評価した。
○:含水率が5%未満
△:含水率が5%以上10%以下
×:含水率が10%を超える
上記「(5)耐電解液耐性」で得られた試験片を厚さ100μmの金属リチウム箔を圧着した一対のニッケル板(ノンブロッキング電極)で挟み、直流分極法によりリチウムイオン輸率を測定し、以下の基準で評価した。なお、測定温度はいずれも60℃とした。
○:リチウムイオン輸率が70%を超える
△:リチウムイオン輸率が50%以上70%以下
×:リチウムイオン輸率が50%未満
上記「(2)接着性」で得られた電極シートについて、電極抵抗測定器(日置電機株式会社製)を用いて電極抵抗値を測定し、以下の基準で評価した。
○:電極抵抗値が1000Ω/sq未満
×:電極抵抗値が1000Ω/sq以上
Claims (6)
- ポリビニルアセタール樹脂は、アセタール基量が20~70モル%であることを特徴とする請求項1記載の二次電池電極用組成物。
- ポリビニルアセタール樹脂は、アセチル基量が15モル%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の二次電池電極用組成物。
- ポリビニルアセタール樹脂を活物質100重量部に対して、0.01~20重量部含有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の二次電池電極用組成物。
- 更に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の二次電池電極用組成物。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の二次電池電極用組成物を用いてなることを特徴とする二次電池。
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