JP6796244B2 - 車両の衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の衝撃吸収部材に関し、詳しくは、荷重を木材の変形を利用して吸収する衝撃吸収部材に関する。
この種の車両の衝撃吸収部材として、特許文献1又は2に開示された衝撃吸収部材が公知である。特許文献1の衝撃吸収部材は、概ね直方体状とされた樹脂又は紙製の芯部を有しており、この芯部の長手方向における端面から荷重が入力される。また特許文献2の衝撃吸収部材は、概ね直方体状とされた木製の支柱(木材)で構成されており、この木材の長手方向における端面から荷重が入力される。そして車両が衝突した際においては、車両が受けた衝撃荷重(以下、単に荷重と呼ぶ)を、上述の各衝撃吸収部材が潰れるように変形することで吸収することが可能である。そしてこの種の車両の分野では、良好な衝撃吸収性能を有する木材製の衝撃吸収部材が採用されることが多く、この木材は、年輪の軸心方向が荷重の入力方向となっている場合により良好な衝撃吸収性能を発揮する。
例えば特許文献2の衝撃吸収部材は、木材の年輪の軸心方向が荷重の入力方向を向いた状態とされて、車両前部を構成するフロントメンバとサイドメンバの間に取付けられている。ここでフロントメンバは、車両前端で車幅方向(車両の左右方向)に延びる角筒状の部材であり、その後壁には、衝撃吸収部材の前部を挿入可能な貫通孔が設けられている。またサイドメンバは、フロントメンバの後方で車両の前後方向に延びる角筒状の部材であり、その前端には、衝撃吸収部材の後部を挿入可能な貫通孔が設けられている。そこで特許文献2の技術では、木材の年輪の軸心方向を車両の前後方向に向けた状態として、衝撃吸収部材を、フロントメンバとサイドメンバの間に介装して取付ける。このとき衝撃吸収部材の前部を、フロントメンバの貫通孔に挿入したのち、フロントメンバの上面と下面と衝撃吸収部材の前部に設けられている孔部にボルトを挿入して締結する。また衝撃吸収部材の後部を、サイドメンバの貫通孔に挿入したのち、サイドメンバの上面と下面と衝撃吸収部材の後部に設けられている孔部にボルトを挿入して締結する。この状態の衝撃吸収部材は、フロントメンバとサイドメンバに完全に覆われているわけではなく、車両の前後方向に延びている上下面と左右面が外部に露出した状態となっている。そしてフロントメンバが衝撃を受けた際には、このフロントメンバに入力された荷重を、衝撃吸収部材が前後方向に潰れるように変形することで吸収する。
特開2017−7598号公報 特開2013−44339号公報
ところでこの種の木材製の衝撃吸収部材では、荷重入力時において木材に亀裂が生じた場合においても、効率的な衝撃吸収性能を有していることが望まれる。しかしながら高荷重の入力時や荷重の入力速度が速い時などに、木材の年輪の軸心方向(車両の前後方向)等に沿って亀裂が入った場合、この亀裂を基点に木材が割裂するなどして荷重吸収量が低下するおそれがある。そこで木材の寸法を大きくしたり、木材の外面全体を硬い部材などで覆ったりすることも考えられるが、そうすると荷重入力時において木材がスムーズに変形しにくくなるおそれがある。本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することにある。
上記課題を解決するための手段として、第1発明の衝撃吸収部材は、木材と、木材よりも硬い一対の拘束部材と、一対の拘束部材同士を連結し且つ各拘束部材を木材に取付けている連結部とを備えている。木材は、年輪の軸心方向が荷重の入力方向に沿うように配置されるとともに、荷重入力側に位置する入力端部と、入力端部の反対に位置する基端部とを有している。そして本発明の衝撃吸収部材では、車両に入力された荷重を木材の変形を利用して吸収するのであるが、このとき木材が極力割裂等しないように一対の拘束部材で木材を拘束しておく。この種の構成では、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することが望ましい。
そこで本発明の一対の拘束部材は、衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に木材を挟み付けるように対向して配置されているとともに、それぞれ入力端部と基端部の間の木材部分を覆うように配置されている。そして衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に、一対の拘束部材の間に橋渡されて配置されている連結部として、入力端部寄りの部分に配置している一対の入力端側連結部と、一対の入力端側連結部よりも木材の入力端部から離れた位置に配置している一対の基端側連結部とが設けられているとともに、一対の入力端側連結部同士は、連結部の橋渡し方向に対して直交する方向に離間して配置され、一対の基端側連結部同士は、連結部の橋渡し方向に対して直交する方向に離間して配置されている。本発明では、木材を挟み付けるように一対の拘束部材を対向配置し、これら一対の拘束部材を、連結部によって連結し且つ木材に取付けている。そして対向配置されている各拘束部材を、入力端部と基端部の間の木材部分に配置しておくことで、木材に亀裂が生じた場合においても、木材が極力割裂しないように拘束しておくことができる。さらに連結部に、一対の入力端側連結部と一対の基端側連結部を設け、一対の各連結部同士を、それぞれ適宜の向きに離間して配置しておく。こうして一対の拘束部材を各連結部で部分的に連結しておくことにより、これら各拘束部材によって、木材がスムーズに変形できるように適度に拘束しておくことができる。
第2発明の衝撃吸収部材は、第1発明の衝撃吸収部材において、一対の入力端側連結部同士の離間寸法は、一対の基端側連結部同士の離間寸法よりも大きい。本発明では、一対の入力端側連結部を相対的に大きく離間させておくことにより、木材の入力端部に対するスムーズな荷重の入力が可能となる。
第3発明の衝撃吸収部材は、第1発明又は第2発明の衝撃吸収部材において、衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に、一対の入力端側連結部の間に、一対の基端側連結部の少なくとも一方が配置されている。本発明では、一対の入力端側連結部の間の木材部分に荷重が入力された際に、当該木材部分の基端部側を基端側連結部で支えることが可能となり、木材をより適切に変形させることが可能となる。
第4発明の衝撃吸収部材は、第1発明〜第3発明のいずれかの衝撃吸収部材において、一対の入力端側連結部と一対の基端側連結部とは、各々、木材を貫通した状態で一対の拘束部材の間に橋渡されて配置されている。本発明では、木材を貫通した各連結部にて一対の拘束部材を連結しておくことにより、木材をより適切に拘束しておくことができる。
第5発明の衝撃吸収部材は、第1発明〜第4発明のいずれかの衝撃吸収部材において、衝撃吸収部材を車両に取付けている状態において、木材は、基端部の少なくとも一部で車両のボディに接している。本発明では、木材の基端部を車両のボディで支持することで、木材をより確実に適切な状態で変形させることができる。
第6発明の衝撃吸収部材は、第1発明〜第5発明のいずれかの衝撃吸収部材において、一対の拘束部材はいずれも金属製である。本発明では、相対的に強度に優れる金属製の各拘束部材によって木材をより確実に拘束しておくことができる。
本発明に係る第1発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することができる。また第2発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時によりスムーズに変形させることができる。また第3発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時に更に適切に変形させることができる。また第4発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、より適切に拘束することができる。また第5発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、より確実に適切な状態で変形させることができる。そして第6発明によれば、衝撃吸収部材の木材を、更に適切に拘束することができる。
車両と衝撃吸収部材の概略上面図である。 衝撃吸収部材の斜視図である。 図2のIII−III線断面に相当する衝撃吸収部材の断面図である。 衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た正面図である。 荷重入力時の衝撃吸収部材の断面図である。 変形例1の衝撃吸収部材の斜視図である。 変形例2の衝撃吸収部材の斜視図である。 試験装置と衝撃吸収部材の概略図である。 実施例の衝撃吸収部材の落錘衝撃試験結果を示すグラフである。 比較例の衝撃吸収部材の落錘衝撃試験結果を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を、図1〜図10を参照して説明する。図1には、車両の前後方向と左右方向を示す矢印を図示する。また図2〜図7では、衝撃吸収部材が図1に示す車両に取付けられている状態を基準として、衝撃吸収部材の前後方向と左右方向と上下方向を示す矢線を適宜図示する。そして各図には、木材の年輪の軸心方向を示す矢印Aと衝撃荷重(荷重F)の入力方向を示す矢線を適宜図示することがある。
[衝撃吸収部材]
本実施形態の衝撃吸収部材4は、図1〜図5を参照して、木材6と、一対の拘束部材10,12と、複数の連結部材21,22,31,32とを有している(各部材の詳細は後述。この衝撃吸収部材4は、後述する図1の車両2に配設されており、車両衝突時の衝撃荷重(以下、単に荷重Fと呼ぶことがある)を木材6の変形を利用して吸収することが可能である。この種の衝撃吸収部材4では、効率的な荷重吸収性能を維持する観点などから、荷重入力時に木材6が割裂等するといった事態は極力回避すべきである。このため後述するように一対の拘束部材10,12で木材6を拘束するのであるが、このとき木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することが望ましい。そこで本実施形態では、後述する構成によって、衝撃吸収部材4の木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することとした。以下、各構成について詳述する。
[車両に対する衝撃吸収部材の配設位置]
ここで図1の車両2に対する衝撃吸収部材4の配設位置は、荷重の入力が想定される車両2の適宜の位置に設定できる。例えば車両2は、車両の前後方向に対向している前部2a及び後部2bと、車幅方向である左右方向に対向している右側部2c及び左側部2dとを有している。そして衝撃吸収部材4は、車両2の各部2a〜2dの適宜の位置に配設することが可能であり、必要に応じて車両2の内部に配設することもできる。例えば本実施形態では、車両側突時の荷重を衝撃吸収部材4で吸収する場合を想定し、衝撃吸収部材4を車両2の右側部2cに配設しておく。そして車両2の右側部2cには、車両ボディの一部をなす金属製のボディ3が配置されており、このボディ3の右面は車両2の前後方向に延びている。ここで車両2に対する衝撃吸収部材4の取付け手法は特に限定しない。例えば衝撃吸収部材4の前端側と後端側とにそれぞれ図示しないボルト材を挿設するとともに、これらボルト材を介して衝撃吸収部材4を車両2に締結して取付けることができる。
[木材]
木材6は、図2〜図4を参照して、衝撃吸収部材4の芯部となる部材であり、車両側突時の荷重Fによって変形することができる。この木材6は、図1の車両2に配設された状態において、図2及び図3に示すように年輪の軸心方向Aが荷重Fの入力方向(各図の左右方向)とほぼ一致するように配置されている。このため衝撃吸収部材4では、車両側突時の荷重Fを、図5に示すように木材6が年輪の軸心方向Aに圧縮しつつ潰れる(変形する)ことで良好に吸収することが可能となっている。なお木材6は、スギやヒノキやマツなどの針葉樹、ケヤキやブナなどの広葉樹から採取することが可能であり、特に相対的に年輪がはっきりしている針葉樹から採取することが望ましい。
そして木材6は、図1〜図4に示すように板状に成形されており、上方視で前後方向に長尺な略長方形状をなし且つ適度な上下寸法(厚み)を有している。この木材6は、左右方向に対向配置する右面8a及び左面8bと、上下方向に対向配置する上面8c及び下面8dと、前後方向に対向配置する前面8e及び後面8fとを有している。右面8aは、木材6の中で最も車両2の外側(各図の右側)に配置する平坦な端面であるとともに、車両側突時の荷重Fが入力される木材6の入力端部となっている。また左面8bは、木材6の中で最も車両2の内側(各図の左側)に配置する平坦な端面であるとともに、入力端部の反対に位置する木材6の基端部となっている。この基端部としての左面8bは、図3に示すように車両2のボディ3に接触しており、本実施形態では、左面8bの概ね全面をボディ3の右面に面接触させることができる。そして木材6の右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)の前後の長さは、木材6の前後の寸法を規定するとともに、他の面8c〜8fに比して長尺とされている。これにより木材6が、相対的に長尺とされた右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)とによって、幅広い範囲で荷重Fを受け止めることが可能となっている。
また上面8cは、木材6の中で最も車両2の上側に配置する部分であり、下面8dは、木材6の中で最も車両2の下側に配置する部分である。また前面8eは、木材6の中で最も車両2の前側に配置する部分であり、後面8fは、木材6の中で最も車両2の後側に配置する部分である。そして木材6の上記各面8c〜8fの左右の長さは、木材6の左右の寸法を規定し、前面8eと後面8fの上下の長さは、木材6の厚み寸法を規定する。これら上記各面8c〜8fの各長さは、木材6に求められる荷重吸収性能に応じて適宜設定可能である。さらに木材6には、図3を参照して、後述する連結部材(21等)を取付けるための貫通孔6Hが複数形成されており、各貫通孔6Hは、それぞれ木材6を上下に貫通して上面8cと下面8dとに開口している。
[一対の拘束部材]
一対の拘束部材(上側拘束部材10,下側拘束部材12)は、図2〜図4を参照して、それぞれ木材6を拘束するための部材であり、木材6よりも硬い素材で形成されている。この種の各拘束部材10,12の素材として、アルミニウムや鉄や鋼やステンレスなどの各種金属(合金を含む)や、グラスファイバなどの繊維強化プラスチックを例示できる。本実施形態では、各拘束部材10,12の素材として強度に優れる金属を用いることができ、特に相対的に軽量なアルミニウムを素材として用いることが望ましい。そして上側拘束部材10と下側拘束部材12は、いずれも略矩形状の板材(同形同寸)で構成されている。上側拘束部材10の外形は、木材6の上面8cの外形に概ね一致し、下側拘束部材12の外形は、木材6の下面8dの外形に概ね一致している。さらに上側拘束部材10には、図3を参照して、後述する連結部材(21等)を取付けるための貫通孔10Hが複数形成されており、各貫通孔10Hは、それぞれ上側拘束部材10を上下に貫通して上側と下側とに開口している。また下側拘束部材12にも、複数の貫通孔12Hが設けられており、これら各貫通孔12Hは、上側拘束部材10の対応する貫通孔10Hと対面状に配置されている。
そして一対の拘束部材10,12は、図2〜図4に示すように木材6をその上下方向から挟み付けるように対向して配置されている。この状態の上側拘束部材10は、木材6の右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)との間の木材部分である上面8cの略全面を覆っている。さらに上側拘束部材10は、木材6の年輪の軸心方向Aに沿って配置されているとともに、木材6の年輪に概ね対向して配置されている。そして図3を参照して、上側拘束部材10の右端10aは、左右方向において右面8a(入力端部)に概ね一致して配置され、上側拘束部材10の左端10bは、左面8b(基端部)に概ね一致して配置される。また下側拘束部材12は、木材6の右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)との間の木材部分である下面8dの略全面を覆っている。この下側拘束部材12も、木材6の年輪の軸心方向Aに沿って配置されているとともに、木材6の年輪に概ね対向して配置されている。そして下側拘束部材12の右端12aも、左右方向において右面8a(入力端部)に概ね一致して配置され、下側拘束部材12の左端12bも、左面8b(基端部)に概ね一致して配置される。
[連結部材(連結部)]
図2〜図4を参照して、複数の連結部材(一対の入力端側連結部材21,22,一対の基端側連結部材31,32)は、各々、一対の拘束部材10,12同士を連結し、更に各拘束部材10,12を木材6に取付けている部材である。本実施形態では、一対の入力端側連結部材21,22が、本発明の一対の入力端側連結部に相当し、一対の基端側連結部材31,32が、本発明の一対の基端側連結部に相当する。そして各連結部材21,22,31,32は、いずれも上下方向に長尺な軸状の部材(略同形同寸)であり、上側の端部には相対的に径大とされた頭部HMが設けられており、下側の端部にはナットNTを螺合できる。なお各連結部材21,22,31,32の素材は、適度な強度を有している限り特に限定しないが、典型的には拘束部材で例示の素材を用いることができる。
そして各連結部材21,22,31,32は、図4を参照して、衝撃吸収部材4を木材6の入力端部である右面8a側から見た場合に、上下方向に木材6を貫通した状態で一対の拘束部材10,12の間に橋渡されて配置される。本実施形態では、衝撃吸収部材4の上下方向が、本発明の「衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合における連結部材の橋渡し方向」に相当する。そして各連結部材の配設手法は略同一であるため、以下に、前側の入力端側連結部材21を一例にその詳細を説明する。ここで図3を参照して、一対の拘束部材10,12を、木材6を挟み付けるように対向配置した場合、これら部材の対応する貫通孔6H,10H,12Hが概ね同軸上に配置される。そこで前側の入力端側連結部材21の軸部分を、上側拘束部材10の貫通孔10Hから挿入し、さらに木材6の貫通孔6Hを通じて下側拘束部材12の貫通孔12Hに挿通する。つぎに上側拘束部材10の貫通孔10Hの周縁に頭部HMを掛止した状態で、下側拘束部材12から突出している前側の入力端側連結部材21にナットNTを螺合する。こうして配設された前側の入力端側連結部材21が、木材6を貫通した状態で一対の拘束部材10,12同士を連結し、さらに各拘束部材10,12を木材6に取付けることとなる。また同様の手法にて、後側の入力端側連結部材22と、前側の基端側連結部材31と、後側の基端側連結部材32とを、木材6と各拘束部材10,12に配設することができる(各連結部材同士の配置関係は後述)。こうして本実施形態では、木材6を貫通した各連結部材21,22,31,32にて一対の拘束部材10,12を連結しておくことにより、各拘束部材10,12にて木材6をより適切に拘束しておくことができる。
[一対の入力端側連結部材(入力端側連結部)]
前側の入力端側連結部材21と後側の入力端側連結部材22とは、図2〜図4を参照して、それぞれ木材6の入力端部をなす右面8aに相対的に近接して配置されている。これら一対の入力端側連結部材21,22は、入力端部をなす右面8aに沿うように前後方向に並列しているとともに、図4に示すように前後方向に間隔(離間寸法L1)をあけて配置されている。本実施形態では、衝撃吸収部材4の前後方向が、本発明の「衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合における連結部材の橋渡し方向に対して直交する方向」に相当する。ここで両入力端側連結部材21,22の前後の離間寸法L1は、車両2への衝突が想定される衝突物Xの寸法を考慮して設定できる(図4では、衝突物の一例として上下に延びる円筒状の部材を想定し、この衝突物Xの一部を二点破線で図示している)。例えば両入力端側連結部材21,22の前後の離間寸法L1を衝突物Xの前後の寸法以上に設定する。こうすることで一対の入力端側連結部材21,22の間の木材部分で衝突物Xからの荷重をより確実に受け止めることができる。さらに一対の入力端側連結部材21,22の間の木材部分は、各入力端側連結部材21,22からの干渉を極力受けることなく、荷重Fを吸収するためにスムーズに変形することが可能となる。
[一対の基端側連結部材(基端側連結部)]
前側の基端側連結部材31と後側の基端側連結部材32とは、図2〜図4を参照して、それぞれ各入力端側連結部材21,22よりも入力端部をなす右面8aから左側に離間して配置されている。これら一対の基端側連結部材31,32は、木材6の基端部をなす左面8bに沿うように前後方向に並列しているとともに、前後方向に適宜の間隔(離間寸法L2)をあけて配置されている。ここで両基端側連結部材31,32の前後の離間寸法L2は、両入力端側連結部材21,22の前後の離間寸法L1を考慮して設定でき、典型的に両入力端側連結部材21,22の前後の離間寸法L1以下に設定できる。そして両基端側連結部材31,32の前後の離間寸法L2を、両入力端側連結部材21,22の前後の離間寸法L1よりも小さくなるように設定することで、木材6の基端部をなす左面8b側を相対的に強く拘束しておくことができる。
[入力端側連結部材と基端側連結部材の配置関係]
そして図4を参照して、各入力端側連結部材21,22と各基端側連結部材31,32との前後の位置関係は特に限定しないが、例えば木材6の変形態様を考慮して設定することが好ましい。すなわち衝撃吸収部材4を木材6の入力端部である右面8a側から見た場合に、一対の入力端側連結部材21,22の間に、各基端側連結部材31,32の少なくとも一方を配置することが好ましい。こうすることで一対の入力端側連結部材21,22の間の木材部分に荷重Fが入力された際に、当該木材部分の基端部側を基端側連結部材31(32)で支えることが可能となり、木材6をより適切に変形させることが可能となる。そして本実施形態では、一対の入力端側連結部材21,22の間に、一対の基端側連結部材31,32の双方が配置されている。なお各入力端側連結部材21,22と、各基端側連結部材31,32とを前後に完全にずらした状態(オフセットした状態)とすることもできる。このように各連結部材21,22(31,32)を前後にオフセットしてばらして配置することで、各拘束部材10,12同士を前後の幅広い範囲で連結しておくことができる。
[衝撃吸収部材の作用態様]
本実施形態では、図3及び図5を参照して、車両2の側突時において、車両2に衝突物X(例えば電柱などの円筒状の物体)が衝突した場合を想定する。そして本実施形態の衝撃吸収部材4では、衝突物Xと車両2との衝突の際の荷重Fを、木材6が年輪の軸心方向Aにむけて圧縮しつつ潰れることで吸収する。この種の衝撃吸収部材4では、効率的な荷重吸収性能を維持する観点から、荷重Fの入力時に木材6が割裂等するといった事態は極力回避すべきである。このため一対の拘束部材10,12で木材6を拘束するのであるが、この種の構成では、衝撃吸収部材4の木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することが望ましい。
そして本実施形態の衝撃吸収部材4では、図2〜図4を参照して、荷重Fが入力される入力端部としての右面8aが最も右側に配置し、さらに基端部としての左面8bが車両2のボディ3に接触した状態となっている。そこで上側拘束部材10と下側拘束部材12とが、上下から木材6を挟み付けるように対向配置され、さらに各連結部材21,22,31,32で連結されている。上側拘束部材10は、木材6の右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)との間の木材部分である上面8cを覆うように配置され、下側拘束部材12は、木材6の右面8a(入力端部)と左面8b(基端部)との間の木材部分である下面8dを覆うように配置されている。また両拘束部材10,12を連結している各連結部材21,22,31,32は、木材6を上下に貫通した状態で一対の拘束部材10,12の間に橋渡されて配置されている。そして一対の入力端側連結部材21,22は、木材6の右面8a(入力端部)寄りで前後に適宜の間隔をあけて設けられている。また一対の基端側連結部材31,32は、木材6の左面8b(基端部)寄りで前後に適宜の間隔をあけて設けられている。
そして図5に示すように、衝撃吸収部材4では、衝突物Xの荷重Fを木材6が年輪の軸心方向Aに変形することで吸収する。このとき木材6の年輪の軸心方向Aに沿って亀裂が入った場合、この亀裂を基点として木材6が上下に裂けるように割裂しようとする。このとき本実施形態では、木材6を上下から挟み付けている一対の拘束部材10,12によって、木材6が極力割裂しないように拘束しておくことができる。さらに一対の拘束部材10,12を図4に示す各連結部材21,22,31,32で部分的に連結しておくことにより、これら各拘束部材10,12によって、木材6がスムーズに変形できるように適度に拘束しておくことができる。なお金属製の各拘束部材10,12は、木材6の変形に伴って、図5に示すように各連結部材(21等)を基点に波状に変形する。この場合においても、各拘束部材10,12は、各連結部材(21等)でしっかり連結されて木材6からの離間が好適に阻止されているため、木材6を拘束した状態を適切に維持している。そして衝撃吸収部材4では、木材6の変形を利用して荷重Fを吸収するため、金属のみで構成された衝撃吸収部材に比べて荷重吸収の立ち上がりが早く、相対的に大荷重を受けることができ、効率的な衝撃吸収性能を発揮できる。さらに衝撃吸収部材4では、木材6を大寸とする必要がないため、比較的コンパクトに設計することが可能であり、車両2の軽量化に貢献することが可能である。
さらに本実施形態では、図2及び図4を参照して、一対の入力端側連結部材21,22が相対的に大きく前後に離間して配置されている。このため前側の入力端側連結部材21と後側の入力端側連結部材22の間の木材部分にて荷重Fを受け止めやすくなっている。そして当該木材部分は、各入力端側連結部材21,22からの干渉を極力受けることなく、荷重Fを受け止めてスムーズに変形することが可能となっている。また本実施形態では、一対の入力端側連結部材21,22の間に、一対の基端側連結部材31,32の双方が配置されている。このため一対の入力端側連結部材21,22の間の木材部分に荷重Fが入力された際に、当該木材部分の基端部側を各基端側連結部材31,32で支えることが可能となり、木材6をより適切に変形させることが可能となる。そして本実施形態の木材6は、図5に示すように基端部となる左面8bで車両2のボディ3に接している。このように木材6の基端部となる左面8bを車両2のボディ3で支持することで、木材6の上下のガタつき等が起こりにくくなり、より確実に適切な状態で変形させることができる。さらに衝撃吸収部材4では、木材6を車両2のボディ3で支持することで、比較的無理なく大荷重を受けることが可能となる。
以上説明した通り本実施形態では、木材6を挟み付けるように一対の拘束部材10,12を対向配置し、これら一対の拘束部材10,12を、各連結部材21,22,31,32によって連結し且つ木材6に取付けている。そして対向配置されている各拘束部材10,12を、入力端部(8a)と基端部(8b)の間の木材部分8c,8dに配置しておくことで、木材6に亀裂が生じた場合においても、木材6が極力割裂しないように拘束しておくことができる。さらに連結部材として、一対の入力端側連結部(21,22)と一対の基端側連結部(31,32)を設け、一対の各連結部同士(21,22同士、31,32同士)を、それぞれ適宜の向きに離間して配置しておく。こうして一対の拘束部材10,12を各連結部(21,22,31,32)で部分的に連結しておくことにより、これら各拘束部材10,12によって、木材6がスムーズに変形できるように適度に拘束しておくことができる。また本実施形態では、一対の入力端側連結部(21,22)を相対的に大きく離間させておくことにより、木材6の入力端部(8a)に対するスムーズな荷重Fの入力が可能となる。また本実施形態では、一対の入力端側連結部(21,22)の間の木材部分に荷重Fが入力された際に、当該木材部分の基端部(8b)側を基端側連結部(31,32)で支えることが可能となり、木材6をより適切に変形させることが可能となる。また本実施形態では、木材6を貫通した各連結部(21,22,31,32)にて一対の拘束部材10,12を連結しておくことにより、木材6をより適切に拘束しておくことができる。また本実施形態では、木材6の基端部(8b)を車両2のボディ3で支持することで、木材6をより確実に適切な状態で変形させることができる。そして本実施形態では、相対的に強度に優れる金属製の各拘束部材10,12によって木材6をより確実に拘束しておくことができる。このため本実施形態によれば、衝撃吸収部材の木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することができる。
[変形例1]
ここで衝撃吸収部材の構成は、上述の構成のほか各種の構成を取り得る。例えば図6に示す変形例1の衝撃吸収部材4Aは、木材6(実施形態と同一構成)と、一対の拘束部材10,12(実施形態と同一構成)と、一対の入力端側連結部材21A,22Aと、一対の基端側連結部材31A,32Aとを有している。一対の入力端側連結部材21A,22Aは、本発明の一対の入力端側連結部に相当し、一対の基端側連結部材31A,32Aは、本発明の一対の基端側連結部に相当する。そして本変形例では、各連結部材21A,22A,31A,32Aが、板状の部材で構成され且つ木材6を貫通していない点が実施形態の衝撃吸収部材と異なっている。
すなわち一対の入力端側連結部材21A,22Aは、実施形態の対応する部材と同様に、木材6の入力端部となる右面8a側で前後に適宜の間隔をあけて配置されている。そして前側の入力端側連結部材21Aは、木材6の右面8aと各拘束部材10,12をその右方で上下に横断している(橋渡しされている)矩形の板材であり、上下一対の屈曲端部21a,21bを有している。上側の屈曲端部21aは、前側の入力端側連結部材21Aの上縁が左方に屈曲している部分であり、上側拘束部材10の上面に沿った状態で溶接等の手法で固定されている。また下側の屈曲端部21bは、前側の入力端側連結部材21Aの下縁が左方に屈曲している部分であり、下側拘束部材12の下面に沿った状態で固定されている。そして前側の入力端側連結部材21Aでは、上下一対の屈曲端部21a,21bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けることで連結している。また同様に後側の入力端側連結部材22Aにも上下一対の屈曲端部22a,22bが設けられ、上下一対の屈曲端部22a,22bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けることで連結している。
また基端側連結部材31A,32Aも、実施形態の対応する部材と同様に、木材6の基端部となる左面8b側で前後に適宜の間隔をあけて配置されている。そして前側の基端側連結部材31Aは、木材6の左面8bと各拘束部材10,12をその左方で上下に横断している(橋渡しされている)矩形の板材であり、上下一対の屈曲端部31a,31bを有している。上側の屈曲端部31aは、前側の基端側連結部材31Aの上縁が右方に屈曲している部分であり、上側拘束部材10の上面に沿った状態で固定されている。また下側の屈曲端部31bは、前側の基端側連結部材31Aの下縁が右方に屈曲している部分であり、下側拘束部材12の下面に沿った状態で固定されている。そして前側の基端側連結部材31Aでは、上下一対の屈曲端部31a,31bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けることで連結している。また同様に後側の基端側連結部材32Aにも上下一対の屈曲端部32a,32bが設けられ、上下一対の屈曲端部32a,32bによって、一対の拘束部材10,12を外方から挟み付けることで連結している。
そして本変形例においても、木材6を挟み付けるように一対の拘束部材10,12を対向配置し、これら一対の拘束部材10,12を、各連結部材21A,22A,31A,32Aによって連結し且つ木材6に取付けている。このため本変形例においても、実施形態と同様に、衝撃吸収部材4Aの木材6を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束することができる。特に本変形例では、木材6に貫通孔を設ける必要がないため、木材6の剛性を適切に維持できるとともに、各連結部材21A,22A,31A,32Aの配設作業を簡便に行うことができる。
[変形例2]
また図7に示す変形例2の衝撃吸収部材4Bは、図6に示す変形例1の衝撃吸収部材4Aと概ね同一の基本構成を有している。そして変形例2の衝撃吸収部材4Bでは、前後一対の連結部材21B,22Bが設けられ、さらに各連結部材21B,22Bが、衝撃吸収部材4Bの上下左右を囲むように配置されている点が変形例1の衝撃吸収部材と異なっている。そして前側の連結部材21Bは、図6に示す前側の入力端側連結部材21Aと前側の基端側連結部材31Aとを連結した部材であり、両連結部材21A,31Aを連結する上下一対の橋渡し部40a,40bを有している。すなわち前側の連結部材21Bでは、図6に示す上側の屈曲端部21a,31a同士が上側の橋渡し部40aで連結され、下側の屈曲端部21b,31b同士が下側の橋渡し部40bで連結されている。
また後側の連結部材22Bは、図6に示す後側の入力端側連結部材22Aと後側の基端側連結部材32Aとを連結した部材であり、両連結部材22A,32Aを連結する上下一対の橋渡し部40c,40dを有している。そして後側の連結部材22Bにおいても、図6に示す上側の屈曲端部22a,32a同士が上側の橋渡し部40cで連結され、下側の屈曲端部22b,32b同士が下側の橋渡し部40dで連結されている。そして本変形例では、前側の連結部材21Bが、前側の入力端側連結部と前側の基端側連結部を一体で有している。また後側の連結部材22Bが、後側の入力端側連結部と後側の基端側連結部を一体で有している。このため一対の連結部材21B,22Bを衝撃吸収部材4Bに配設することで、この衝撃吸収部材4Bに、各入力端側連結部と各基端側連結部を設けることができ、衝撃吸収部材の製造時の作業性向上に資する構成となっている。
[試験例]
以下、本実施形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されない。そして図9のグラフに、実施例の衝撃吸収部材の落錘衝撃試験の結果を示し、図10のグラフに、比較例の衝撃吸収部材の落錘衝撃試験の結果を示す。ここで図9及び図10の縦軸と横軸のスケールは同一であるとともに、縦軸は、各衝撃吸収部材が受けた荷重量を示し、横軸は、各衝撃吸収部材の変位量(潰れ変形量)を示す。
[実施例]
実施例では、図8に示す衝撃吸収部材4を作成するに際して、木材6としてスギ集成材(厚み寸法:40mm)を用いた。また各拘束部材10,12として、アルミA5052の金属板(厚み寸法:3.0mm)を用いた。また各連結部材21,22,31,32としてそれぞれM10ボルトを使用した。そして一対の入力端側連結部材21,22の離間寸法L1を300mmに設定した。さらに一対の基端側連結部材31,32の離間寸法L2を200mmに設定し、さらに両基端側連結部材31,32を、一対の入力端側連結部材21,22の間に配置した。
[比較例]
また比較例の衝撃吸収部材は、連結部材を省略した以外は、実施例と同様の構成とした。なお図示しない冶具を比較例の衝撃吸収部材(紙面左右の下端)にセットして、木材と各拘束部材の位置関係を維持しておいた。
[落錘衝撃試験]
本落錘衝撃試験では、図8を参照して、実施例の衝撃吸収部材4を、木材6の入力端部(8a)を上に向けた状態として試験台60上に設置した。また半円状の重量物50(ポール形状のデバイス)を実施例の衝撃吸収部材の上方に配置した。そして重量物50を、一対の入力端側連結部材21,22の間の木材部分(入力端部となる符号8a側)に向けて落下させた。このとき衝撃吸収部材4が受けた荷重を試験台60側で測定すると同時に衝撃吸収部材4の変位量を測定した。また同様の手順で比較例の衝撃吸収部材の荷重入力試験を行った。
[試験結果及び考察]
比較例の衝撃吸収部材では、木材の圧縮直後に各拘束部材が膨らむように変形し、さらに木材が割裂破壊されていた。そして比較例の衝撃吸収部材では、図10に示すように十分な荷重を吸収することができなかった。これとは異なり実施例の衝撃吸収部材では、木材の圧縮時に、部分的に連結された各拘束部材によって木材の割裂を防ぐことができた。そして実施例の衝撃吸収部材によると、図9に示すように荷重を効率よく吸収できることがわかった。この実施例の結果は、木材を挟み付けるように一対の拘束部材を対向配置し、これら一対の拘束部材を、各連結部材(各連結部)によって部分的に連結したためと考えられる。このため本実施例によれば、衝撃吸収部材の木材を、荷重入力時におけるスムーズな変形をより確実に確保しつつ拘束できることがわかった。
本実施形態の衝撃吸収部材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。例えば本実施形態及び各変形例では、各連結部(21,22,31,32等)の構成(形状,寸法,配置位置など)を例示したが、各連結部の構成を限定する趣旨ではない。例えば連結部としての連結部材は、ボルト状の軸部材や板状の部材のほか、クリップ状の部材(貫通孔の周縁に係止可能な係止部を有する軸状の部材)で構成されていてもよく、各連結部材の両端を対応する拘束部材に溶接などの手法で固定することもできる。また連結部を、拘束部材の一部に一体的に設けておくこともできる。例えば一方の拘束部材の内面に軸状の連結部を立設しておき、この連結部を、他方の拘束部材に締結などの手法で固定することができる。また一対の入力端側連結部同士の離間寸法は、一対の基端側連結部同士の離間寸法よりも小さくされていてもよい。また衝撃吸収部材は、少なくとも一対の入力端側連結部と、少なくとも一対の基端側連結部とを有しておればよく、これらのほかに別の連結部を設けることもできる。また各変形例に示す一対の連結部材は、例えば前後に延びる橋渡し部で連結されていてもよい。そして実施形態の衝撃吸収部材の構成と、各変形例の衝撃吸収部材の構成は、適宜組み合わせて用いることができる。
また本実施形態では、木材6と各拘束部材10,12の構成(形状,寸法,配置関係など)を例示したが、各部材の構成を限定する趣旨ではない。例えば木材は、板状のほか、立方体や直方体などの各種立体形状を取り得るとともに、荷重の入力方向に応じてその配置位置を設定することができる。また各拘束部材も、木材の適宜の位置に配置することができ、例えば本実施形態の衝撃吸収部材では、木材の上面と下面と前面と後面の適宜の位置に配置することができる。そして衝撃吸収部材は、衝突物に直接衝突する構成としてもよく、衝突物と間接的に衝突する構成としてもよい。例えば衝撃吸収部材を、フロントメンバとサイドメンバの間に介装して固定することで、衝突物に間接的に衝突する構成とすることができる。また本実施形態の車両の構成も適宜変更可能であり、ボディの構成も車両に合わせて適宜変更可能である。そして車両側の構成に応じて、衝撃吸収部材の取付け手法を選択でき、木材の基端部の少なくとも一部をボディに接した状態としてもよく、ボディに非接触状態としておくことも可能である。
2 車両
2a 車両の前部
2b 車両の後部
2c 車両の右側部
2d 車両の左側部
3 車両のボディ
4 衝撃吸収部材
6 木材
6H 木材の貫通孔
8a 木材の右面(本発明の入力端部)
8b 木材の左面(本発明の基端部)
8c 木材の上面(本発明の入力端部と基端部の間の木材部分)
8d 木材の下面(本発明の入力端部と基端部の間の木材部分)
8e 木材の前面
8f 木材の後面
10 上側拘束部材
10H 上側拘束部材の貫通孔
10a 上側拘束部材の右端
10b 上側拘束部材の左端
12 下側拘束部材
12H 下側拘束部材の貫通孔
12a 下側拘束部材の右端
12b 下側拘束部材の左端
21 前側の入力端側連結部材(本発明の入力端側連結部)
22 後側の入力端側連結部材(本発明の入力端側連結部)
31 前側の基端側連結部材(本発明の基端側連結部)
32 後側の基端側連結部材(本発明の基端側連結部)
HM 頭部
NT ナット
50 重量物
60 試験台
A 木材の年輪の軸心方向
F 荷重
X 衝突物

Claims (6)

  1. 木材と、前記木材よりも硬い一対の拘束部材と、前記一対の拘束部材同士を連結し且つ各拘束部材を前記木材に取付けている連結部とを備え、前記木材は、年輪の軸心方向が荷重の入力方向に沿うように配置されるとともに、荷重入力側に位置する入力端部と、前記入力端部の反対に位置する基端部とを有し、車両に入力された荷重を前記木材の変形を利用して吸収する車両の衝撃吸収部材において、
    前記一対の拘束部材は、前記衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に前記木材を挟み付けるように対向して配置されているとともに、それぞれ前記入力端部と前記基端部の間の木材部分を覆うように配置されており、
    前記衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に、前記一対の拘束部材の間に橋渡されて配置されている前記連結部として、前記入力端部寄りの部分に配置している一対の入力端側連結部と、前記一対の入力端側連結部よりも前記木材の入力端部から離れた位置に配置している一対の基端側連結部とが設けられているとともに、前記一対の入力端側連結部同士は、前記連結部の橋渡し方向に対して直交する方向に離間して配置され、前記一対の基端側連結部同士は、前記連結部の橋渡し方向に対して直交する方向に離間して配置されている車両の衝撃吸収部材。
  2. 前記一対の入力端側連結部同士の離間寸法は、前記一対の基端側連結部同士の離間寸法よりも大きい請求項1に記載の車両の衝撃吸収部材。
  3. 前記衝撃吸収部材を木材の入力端部側から見た場合に、前記一対の入力端側連結部の間に、前記一対の基端側連結部の少なくとも一方が配置されている請求項1又は2に記載の車両の衝撃吸収部材。
  4. 前記一対の入力端側連結部と前記一対の基端側連結部とは、各々、前記木材を貫通した状態で前記一対の拘束部材の間に橋渡されて配置されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収部材。
  5. 前記衝撃吸収部材を前記車両に取付けている状態において、前記木材は、前記基端部の少なくとも一部で前記車両のボディに接している請求項1〜4のいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収部材。
  6. 前記一対の拘束部材はいずれも金属製である請求項1〜5のいずれか一項に記載の車両の衝撃吸収部材。
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