JP7377674B2 - 衝撃吸収機構 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための衝撃吸収機構に関する。
特許文献1には、車両の側面衝突時の衝撃吸収機構として、木材を一対の拘束部材で挟み付けたものが記載されている。この衝撃吸収機構は、車両の側面衝突時に木材が圧縮されて潰れることにより衝撃を吸収するが、この際拘束部材で木材を拘束しておくことにより、衝突時の木材の割裂等を防止して木材による衝撃吸収効果を確保する。
特開2019-89484号公報
特許文献1では、木材を拘束部材により拘束しつつ衝突時の木材のスムーズな変形を可能とするために、木材を貫通して拘束部材同士を連結するボルトなどの連結部を所定の位置関係で設けている。しかしながら、特許文献1の構成では、連結部の部品やその組付けにコストがかかるという課題があった。
本発明は前述した問題点に鑑みてなされたものであり、低コストで好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構等を提供することを目的とする。
前述した目的を達成するための第1の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、木材からなる衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、を具備し、前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され、前記衝撃吸収部は柱状であり、長手方向が荷重入力方向と直交するように配置され、前記衝撃吸収部の長手方向と直交する断面は長方形状であり、前記連結部は、最も広い面の前記被覆部同士を連結することを特徴とする衝撃吸収機構である。
第2の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、木材からなる衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、を具備し、前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され、前記連結部の幅dが、前記被覆部の厚さtに対しd≧tとなることを特徴とする衝撃吸収機構である。
第3の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、木材からなる衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、を具備し、前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され、前記連結部は、前記衝撃吸収機構の荷重入力端側の端面から軸心までの距離aが、前記衝撃吸収機構の荷重入力方向の長さwに対しa≧w/2となる第1の連結部と、前記端面から軸心までの距離bが、前記距離aに対しb=a/2となる第2の連結部と、を含むことを特徴とする衝撃吸収機構である。
第4の発明は、車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、木材からなる衝撃吸収部と、前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、を具備し、前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され、前記連結部は、荷重入力方向に間隔を空けて配置された第1の連結部と第2の連結部を含み、前記第2の連結部は、前記第1の連結部よりも前記衝撃吸収機構の荷重入力端側に位置し、前記第1、2の連結部は、荷重入力方向と直交する方向に間隔を空けて複数設けられ、前記第1、2の連結部の荷重入力方向と直交する方向の間隔cが、前記衝撃吸収機構の荷重入力端側の端面から前記第2の連結部の軸心までの距離bに対し、c<bとなることを特徴とする衝撃吸収機構である。
本発明では、木材によって構成された衝撃吸収部の全外面を剛な被覆部で被覆し、且つ、衝突時の荷重入力方向と直交する方向に衝撃吸収部を貫通する連結部により、衝撃吸収部を挟んだ位置にある被覆部同士を連結する。これにより、被覆部によって衝撃吸収部の木材を拘束するほか、衝突時に被覆部自体も好適に座屈することで高い衝撃吸収効果が得られる。加えて、被覆部および連結部を一体成形することにより、連結部の部品やその組付けにコストがかかることもなくなる。
前記被覆部および前記連結部が、同じ樹脂材料により一体成形されることが望ましい。
これにより衝撃吸収機構を容易に形成でき、また衝撃吸収機構自体も軽量化できる。
また第1の発明では、最も広い面の被覆部が好適に座屈することとなり、高い衝撃吸収効果が得られる。
第2の発明では、連結部の幅を被覆部の厚さ以上として連結部の引張強度を確保することで、衝突時に連結部が破断し、被覆部によって衝撃吸収部の木材を拘束できなくなるのを防ぐことができる。
また第3の発明では、連結部で連結された被覆部の面全体を有効に活用し、これを好適に座屈させて意図した衝撃吸収を実現することができる。
また第4の発明により、荷重入力方向と直交する方向において被覆部がより剛となり、荷重入力方向の被覆部の座屈を促進することができる。また第4の発明では、荷重入力方向と直交する方向の連結部の間隔が比較的小さく密に設けられるので、衝突物の衝突位置や衝突物の大小等に関わらず、被覆部の座屈による衝撃吸収効果が得られるという利点もある。
本発明によれば、低コストで好適に衝撃吸収を行うことのできる衝撃吸収機構等を提供できる。
衝撃吸収機構5の配置を示す概略図。 衝撃吸収機構5を示す図。 衝撃吸収機構5を示す図。 衝撃吸収部7の木材を示す図。 衝撃吸収機構5による衝撃吸収について説明する図。 連結部11の無い衝撃吸収機構による衝撃吸収について説明する図。 衝撃吸収機構5a、5bを示す図。
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態に係る車両1の衝撃吸収機構5の配置を示す概略図である。衝撃吸収機構5は車両1の衝突時に車両1に加わる衝撃を吸収して衝突荷重を軽減するためのものである。車両1の種類は特に限定されない。
衝撃吸収機構5は、車両1の側部の金属製のボディ3に沿って車両前後方向に配置される。車両前後方向は図1の上下方向に対応する。図1の左右方向は車両幅方向であり、車両前後方向と平面において直交する。
図2、3は衝撃吸収機構5を示す図である。図2は衝撃吸収機構5の斜視断面図であり、図3は衝撃吸収機構5の断面図である。図3(a)は衝撃吸収機構5の水平方向の断面を示したものであり、図3(b)は図3(a)の線B-Bによる鉛直方向の断面を示したものである。
図2、3に示すように、衝撃吸収機構5は、衝撃吸収部7、被覆部9、連結部11等を有する略直方体状の部材であり、長手方向を車両前後方向(図2の奥行方向、図3(a)の上下方向、図3(b)の紙面法線方向に対応する)として車両1のボディ3に面接触するように固定される。固定手法は特に限定されない。例えば、衝撃吸収機構5の前後のそれぞれに図示しない取付板を設け、この取付板をボルトによりボディ3に締結することができる。
本実施形態では、車両1の側面衝突時、車両1の側方から車両1に向かって図2、3の矢印に示すように衝突荷重Aが入力されるものとし、以下この方向を荷重入力方向という。車両1の側面衝突時には、この荷重入力方向に衝撃吸収機構5が潰れることで衝撃が吸収される。衝撃吸収機構5は、前記のように長手方向を車両前後方向としてボディ3に固定することで、衝撃吸収機構5の長手方向の広い範囲で荷重Aを受け止めることが可能となる。以下、衝撃吸収機構5について、衝突荷重Aが入力される側(図2、3の右側に対応する)を荷重入力端側、ボディ3側(図2、3の左側に対応する)を固定端側ということがある。
衝撃吸収部7は略直方体の形状を有する柱状部材であり、木材により構成される。衝撃吸収部7は長手方向を車両前後方向として配置され、当該長手方向は荷重入力方向と直交する。衝撃吸収部7の長手方向と直交する断面は長方形状であり、当該断面のサイズは求められる衝撃吸収性能に応じて適宜設定されるが、図2、3の例では高さよりも荷重入力方向の長さ(以下、幅という)の方が大きい。
なお、衝撃吸収部7の木材の年輪の軸心方向(木材の繊維方向)は、荷重入力方向に対応することが望ましい。これにより、衝突時に木材が年輪の軸心方向に圧縮しつつ潰れることで、その衝撃を良好に吸収することができる。ただし、木材の配置はこれに限らない。
被覆部9は、衝撃吸収部7の全外面を被覆する。被覆部9は、衝撃吸収部7の木材を外界から保護し劣化を防ぐほか、本実施形態では木材を拘束しその割裂を防いで木材による衝撃吸収効果を確保しつつ、また衝突時に自ら座屈することにより更なる衝撃吸収効果を得る機能を有する。なお、ここでいう「(衝撃吸収部7の)外面」は、衝撃吸収部7の内部に形成される面を含まないものである。すなわち、後述するように衝撃吸収部7の木材には貫通孔13(図4参照)が形成されているが、その貫通孔13の内面はここでいう「(衝撃吸収部7の)外面」には含まない。後述するように、この内面には被覆部9でなく連結部11が設けられる。
被覆部9は例えば繊維強化樹脂などの樹脂を用いて等厚に形成し、本実施形態では被覆部9を剛なものとする。すなわち、被覆部9を構成する材料を衝撃吸収部7を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対し剛なものとするか、または、部材形状を含んだ観点として、被覆部9を衝撃吸収部7よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛とする。前者の比較については、例えばJIS K7181(プラスチック―圧縮特性の求め方)やJIS Z2101(木材の試験方法)に規定された圧縮試験により弾性係数(ヤング係数)を求め、これらを用いて比較を行えばよい。後者の比較については、例えば被覆部9と衝撃吸収部7のそれぞれについて、インストロン万能試験機を用いた全断面に対する同一の圧縮試験を別々に行い、圧縮力と歪みの関係から弾性域における剛性を得てこれらを比較に用いればよい。
連結部11は、衝撃吸収部7を挟む位置にある被覆部9同士を連結する円柱状の部材である。連結部11は、衝撃吸収部7を鉛直方向、すなわち荷重入力方向および衝撃吸収部7の長手方向と直交する方向に貫通し、衝撃吸収部7の上面と下面の被覆部9を連結する。前記したように、衝撃吸収部7の長手方向と直交する断面は長方形状であり高さよりも幅が大きいため、衝撃吸収部7の上面と下面は、衝撃吸収部7の外面のうち最も面積の大きな面となる。
連結部11は、被覆部9と同じ材料を用いて被覆部9と一体成形され、被覆部9と境界無く連続する。そのため、被覆部9と連結部11の間には連結部品や接着部等が存在しない。
連結部11は、荷重入力方向と直交する方向である衝撃吸収部7の長手方向に間隔を空けて複数設けられ、且つこれら複数の連結部11を一列として、複数列(図3の例では2列)の連結部11が荷重入力方向に間隔を空けて配置される。図3の例では、固定端側の連結部11(第1の連結部)と、当該連結部11よりも荷重入力端側に位置する連結部11(第2の連結部)とが、荷重入力方向から見たときに重なる位置に配置される。
ここで、衝撃吸収機構5の荷重入力端側の端面から固定端側の連結部11の軸心までの距離aは、衝撃吸収機構5の幅wに対し、a≧w/2(距離aが幅wの1/2以上)となるように定め、固定端側の連結部11を車両1のボディ3に近い位置とする。また、上記端面から荷重入力端側の連結部11の軸心までの距離bは、上記距離aに対し、b=a/2(距離bが距離aの1/2)となるように定める。
さらに、衝撃吸収部7の長手方向に隣り合う連結部11の軸心同士の間隔cは、荷重入力端側および固定端側の連結部11のそれぞれで、上記距離bに対し、c<b(間隔cが距離bよりも小さい)となるように定める。また、連結部11の幅dは、被覆部9の厚さtに対し、d≧t(幅dが厚さt以上)となるように定める。
前記したように、連結部11は被覆部9と同じ材料で一体成形される。この際、図4に示すように連結部11に対応する位置に貫通孔13を形成した木材を、例えば特開2018-89775公報に記載されているように射出成型機(不図示)のキャビティ内に浮かせて配置し、当該キャビティ内に成型材料である樹脂を射出する。樹脂は木材の全外面を被覆して被覆部9を形成するとともに、木材の貫通孔13内に流動して連結部11を形成する。
図5(a)は、衝突物2による衝突荷重Aが加わった状態の衝撃吸収機構5を図3(b)と同様の断面で示す図である。本実施形態では、図5(a)の矢印に示すように衝突荷重Aが衝撃吸収機構5に加わると、衝撃吸収部7の木材が被覆部9によって拘束されつつ荷重入力方向に圧縮されて潰れる。
衝撃吸収部7の上面と下面の被覆部9は連結部11によって連結されているため、連結部11の位置において木材から剥がれることがない。また衝突時には、荷重入力端側の連結部11によって荷重入力端側の節12の形成が誘導され、固定端側の連結部11によって固定端側の節12の形成が誘導されて被覆部9が図に示すように座屈する。
図5(b)は、衝撃吸収機構5の衝突過程における変位と荷重の関係を、縦軸を荷重、横軸を衝撃吸収機構5の変位として模式的に示した図である。荷重は衝撃吸収機構5が衝突時に受ける荷重であり、衝撃吸収機構5が潰れることで吸収される荷重である。衝撃吸収機構5の変位は、衝撃吸収部7の木材の圧縮による荷重入力方向の縮み量である。
図5(b)において、衝撃吸収機構5の衝撃吸収効果は変位による荷重の積分値で表される。衝撃吸収機構5の衝撃吸収効果は大きく衝撃吸収部7の木材の圧縮によるもの、被覆部9の面外変形によるもの、被覆部9の座屈によるものに分けることができ、図中の符号15、17、19はそれぞれの現象による衝撃吸収効果を示したものである。
本実施形態の衝撃吸収機構5を用いた場合、衝突初期には、衝撃吸収部7の木材の圧縮による大きな衝撃吸収効果15が得られる。なお、衝突初期には被覆部9の面外曲げによっても衝撃が吸収されるが、その衝撃吸収効果17は小さい。その後、衝突過程が進むにつれて木材の圧縮による衝撃吸収効果15は徐々に低下する一方、前記した被覆部9の座屈が生じることにより大きな衝撃吸収効果19が得られる。
一方、図6(a)に示すように仮に連結部11が無い場合、衝突荷重Aが加わった時に被覆部9が木材から大きく剥がれて面外曲げが優越し、被覆部9が大きく割れたり裂けたりする場合もある。これに対し、前記の衝撃吸収機構5では連結部11があることで被覆部9の面外曲げや割れ裂けが部分的なものに抑制され、被覆部9を座屈へと好適に誘導できる。
図6(b)は、図6(a)で示した連結部11の無い衝撃吸収機構について、図5(b)と同様に衝突過程における変位と荷重の関係を示したものである。
この場合も、衝突初期には前記と同様、衝撃吸収部7の木材の圧縮による衝撃吸収効果15と被覆部9の面外曲げによる衝撃吸収効果17が生じ、衝突過程が進むにつれて前者の衝撃吸収効果15は徐々に低下する。ただしこの例では、連結部11が無いので被覆部9は専ら面外曲げによって木材の外側に剥がれてゆき、衝突過程が進んでも前記したような被覆部9の座屈による大きな衝撃吸収効果19が得られない。結果、全体としての衝撃吸収効果は連結部11を有する衝撃吸収機構5に比べて低下する。
このように、本実施形態によれば、木材によって構成された衝撃吸収部7の全外面を剛な被覆部9で被覆し、且つ、衝突時の荷重入力方向と直交する方向に衝撃吸収部7を貫通する連結部11により、衝撃吸収部7を挟んだ位置にある被覆部9同士を連結する。これにより、被覆部9によって衝撃吸収部7の木材を拘束するほか、衝突時に被覆部9自身も好適に座屈することで高い衝撃吸収効果が得られる。加えて、被覆部9と連結部11を一体成形することにより、連結部の部品や組付けにコストがかかることもなくなる。
また本実施形態では被覆部9と連結部11が同じ樹脂材料により一体成形されており、これにより衝撃吸収機構5を容易に形成でき、また衝撃吸収機構5自体も軽量化できる。
さらに本実施形態では、衝撃吸収部7の最も広い外面である上面と下面の被覆部9が連結部11で連結され、衝突時には当該上面と下面の被覆部9が好適に座屈することとなり、高い衝撃吸収効果が得られる。
また、本実施形態では連結部11の幅dを被覆部の厚さt以上として連結部11の引張強度を確保することで、衝突時に連結部11が破断し、被覆部9によって衝撃吸収部7の木材を拘束できなくなるのを防ぐことができる。連結部11の幅dを被覆部の厚さt以上とすることは、一体成形時の貫通孔13(図4参照)内への樹脂の流動性を確保できる点で、衝撃吸収機構5の製造面でも好ましい。
また、本実施形態では、固定端側の連結部11の位置について、衝撃吸収機構5の荷重入力端側の端面から軸心までの距離aが衝撃吸収機構5の幅wに対しa≧w/2となり、荷重入力端側の連結部11の位置について、上記端面から軸心までの距離bが距離aに対しb=a/2となっていることで、連結部11で連結された上面および下面の被覆部9について、その面全体を有効に活用し、これを好適に座屈させて意図した衝撃吸収を実現することができる。
また、荷重入力方向と直交する衝撃吸収部7の長手方向の連結部11の間隔cが、上記の距離bに対しc<bとなっていることで、当該長手方向において被覆部9がより剛となり、当該長手方向と直交する荷重入力方向の座屈を促進することができる。また上記の場合、連結部11の間隔cが比較的小さく密に設けられるので、衝突物2の衝突位置や衝突物2の大小に関わらず、被覆部9の座屈による衝撃吸収効果が得られるという利点もある。
しかしながら、本発明は以上の実施形態に限らない。例えば衝撃吸収部7の形状、連結部11の配置や数などは図3(a)等で示したものに限らず目的に応じて様々に定めることができる。例えば図7(a)の衝撃吸収機構5aに示すように、荷重入力端側の連結部11と固定端側の連結部11を千鳥状に配置し、荷重入力方向から見たときに重ならないようにしてもよい。また場合によっては、図7(b)の衝撃吸収機構5bに示すように連結部11を一列のみ配置することも可能である。
さらに、被覆部9に用いる樹脂は特に限定されず、また被覆部9および連結部11を樹脂でなく金属等で一体成形することも可能である。
加えて、衝撃吸収機構5の配置は図1等で説明したものに限らず、衝突荷重の入力が想定される車両1の各部において適切な配置で取付けることが可能であり、車両1の内部に設けることも可能である。例えば衝突荷重が車両前後方向に入力されることを想定する場合、車両1の前部や後部に衝撃吸収機構5を固定することができ、衝撃吸収機構5は例えば長手方向を車両幅方向として配置することができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1:車両
3:ボディ
5、5a、5b:衝撃吸収機構
7:衝撃吸収部
9:被覆部
11:連結部

Claims (5)

  1. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、
    木材からなる衝撃吸収部と、
    前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、
    前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、
    を具備し、
    前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、
    前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され
    前記衝撃吸収部は柱状であり、長手方向が荷重入力方向と直交するように配置され、
    前記衝撃吸収部の長手方向と直交する断面は長方形状であり、
    前記連結部は、最も広い面の前記被覆部同士を連結することを特徴とする衝撃吸収機構。
  2. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、
    木材からなる衝撃吸収部と、
    前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、
    前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、
    を具備し、
    前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、
    前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され
    前記連結部の幅dが、前記被覆部の厚さtに対しd≧tとなることを特徴とする衝撃吸収機構。
  3. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、
    木材からなる衝撃吸収部と、
    前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、
    前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、
    を具備し、
    前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、
    前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され
    前記連結部は、
    前記衝撃吸収機構の荷重入力端側の端面から軸心までの距離aが、前記衝撃吸収機構の荷重入力方向の長さwに対しa≧w/2となる第1の連結部と、
    前記端面から軸心までの距離bが、前記距離aに対しb=a/2となる第2の連結部と、
    を含むことを特徴とする衝撃吸収機構。
  4. 車両に加わる衝突荷重を軽減するための車両の衝撃吸収機構であって、
    木材からなる衝撃吸収部と、
    前記衝撃吸収部の全外面を被覆する被覆部と、
    前記衝撃吸収部を前記衝突荷重が加わる荷重入力方向と直交する方向に貫通し、前記衝撃吸収部を挟んだ位置にある前記被覆部同士を連結する連結部と、
    を具備し、
    前記被覆部が前記衝撃吸収部よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であるか、または前記被覆部を構成する材料が前記衝撃吸収部を構成する木材よりも荷重入力方向の圧縮に対して剛であり、
    前記被覆部および前記連結部が、前記連結部が前記被覆部と境界無く連続するように一体成形され
    前記連結部は、荷重入力方向に間隔を空けて配置された第1の連結部と第2の連結部を含み、
    前記第2の連結部は、前記第1の連結部よりも前記衝撃吸収機構の荷重入力端側に位置し、
    前記第1、2の連結部は、荷重入力方向と直交する方向に間隔を空けて複数設けられ、
    前記第1、2の連結部の荷重入力方向と直交する方向の間隔cが、前記衝撃吸収機構の荷重入力端側の端面から前記第2の連結部の軸心までの距離bに対し、c<bとなることを特徴とする衝撃吸収機構。
  5. 前記被覆部および前記連結部が、同じ樹脂材料により一体成形されたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の衝撃吸収機構。
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