JP6786165B2 - 氾濫予測システム - Google Patents

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Description

本発明は、氾濫の予測を行い氾濫するおそれの範囲を示す氾濫予報マップを作成して、閲覧者に配信するようにした氾濫予測システムに関する。
川の水が堤防などの外へとあふれ出る水害の氾濫には、外水氾濫と内水氾濫の2種類がある。河川そのものの水位が上昇して起こる外水氾濫に対し、内水氾濫は市街地に降った雨量が都市の処理能力を超えると発生する。
通常なら内水は下水道の雨水管やポンプ施設によって河川へと排水されるが、施設の能力が雨量に追い付かなかったり、外水の水位が上昇して排水できなかったりすると、内水の水はけが悪くなって建物や土地、道路などが水につかってしまう。近年、ゲリラ豪雨のような局地的豪雨の多発や都市化の進展に伴い、内水氾濫の被害リスクが増大している。
従来、災害が発生した場合の避難場所を、予め地域の地図上に明示したり、インターネットを介して検索できるようにすることが知られている。例えば、携帯端末から予め指定された位置または現在位置をセンタで受信し、この位置の近辺となる避難場所を検索して避難場所と安全区域のデータを示す地図情報を携帯端末に送信する防災情報提供システムが知られている。また、災害が発生したときに、個々の利用者に応じて相応しい避難先を選定する避難情報提供システムが特許文献1に提示されている。さらに、被災場所を通過しない避難ルートを生成する避難ルート出力装置が特許文献2に提示されている。
特開2013−239828号公報 特開2013−195095号公報
従来の防災情報提供システムや避難情報提供システムでは、利用者がいる場所やその周辺において冠水や氾濫が生じるおそれがある範囲を予測する手段を備えておらず、冠水や氾濫が生じてからその起きた地域が報知されるようになっていた。これでは、降雨があった際に冠水や氾濫が生じるおそれのある地域を知ることができず、災害を未然に防ぐことができないという問題点があった。
そこで、本発明は、利用者がいる場所やその周辺において冠水や氾濫が生じるおそれがある範囲を予測する手段を備える氾濫予測システムを提供することを目的としている。
本発明の氾濫予測システムは、水位と降水量を検出するセンサーと警告表示部とを少なくとも有し、所定エリア内の地点に設置され、設置された地点の位置情報と、前記センサーで検出した水位と降水量とのセンサー情報とを送出する複数の子機と、前記子機から送出された前記位置情報および前記センサー情報を受け取って情報提供部へ送出する親機と、該親機から受け取った前記位置情報および前記センサー情報を第1のデータベースに格納し、該第1のデータベースに格納された前記センサー情報の降水量から単位時間当たりの降雨量を算出して第2のデータベースへ格納し、前記子機の設置地点において冠水が発生したことを前記センサー情報の水位から検出した時に、当該設置地点における冠水時の降雨量と冠水位とを当該設置地点に関連付けて第3のデータベースに格納し、前記第2のデータベースに格納された降雨量が前記第3のデータベースに格納された冠水時の降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲を特定し、該冠水予測範囲に設置されている前記子機に、冠水の事前警告を行わせる警告表示変更指示を送信する情報提供部とを備え、前記警告表示変更指示を受信した前記子機においては、当該子機の前記警告表示部で冠水の事前警告表示が行われることを最も主要な特徴としている。
本発明の氾濫予測システムは、第2のデータベースに格納された降雨量が第3のデータベースに格納された冠水時の降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲を特定し、該冠水予測範囲に設置されている前記子機に、冠水の事前警告を行わせる警告表示変更指示を送信する。そして、警告表示変更指示を受信した子機においては、当該子機の警告表示部で冠水の事前警告表示が行われる。これにより、利用者がいる場所やその周辺において冠水や氾濫が生じるおそれがある範囲において事前警告表示が子機で行われることから、冠水や氾濫が生じるおそれのある地域を事前に知ることができ、災害を未然に防ぐことができるようになる。
本発明の実施例にかかる氾濫予測システムの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおいて、親機と子機との設置位置の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムで作成される氾濫予報マップを示す図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおいて、警告表示が行われる子機の位置を示す図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機の警告表示の表示態様の例を示す図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける親機の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおけるマイクロコントローラの構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報提供部の構成、情報配信サーバー、データ処理サーバー、データベース部の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機で実行される子機処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける親機で実行される親機処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報提供部で実行されるDB書込処理理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおけるデータ処理装置で実行されるデータ処理装置処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおけるデータ処理装置で実行されるデータ処理装置処理の冠水予測処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報配信サーバーで実行される情報配信サーバーのフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報提供部で実行されるメッセージ配信処理(その1)のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報提供部で実行されるメッセージ配信処理(その2)のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける情報提供部で実行される閲覧要求処理のフローチャートである。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機と親機の機能を備える端末装置の構成を示す機能ブロック図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機の一例の標識の構成を示す斜視図である。 本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機の一例の標識の他の構成を示す斜視図である。
本発明の実施例にかかる氾濫予測システム1の構成を図1に示す。この本発明にかかる氾濫予測システム1では、冠水が過去に発生した実績のデータと、降雨情報とを比較することにより冠水するおそれのある地域を予測し、予測した地域を地図上に表示する氾濫予報マップを作成することが可能となる。また、予測した地域において氾濫予測システム1を構成する子機に警告表示を冠水前に行わせることができ、これにより、災害を未然に防止することができる。
氾濫予測システム1の説明をするに当たり、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
図1に示す氾濫予測システム1は、端末群10と情報提供部12と複数の閉域通信網14a,14b,・・・,14mとを備えており、各部の間は通信網で接続されている。すなわち、情報提供部12と端末群10とは不特定多数の利用者によって共有して利用される拠点間を結ぶ公衆通信網やインターネット通信網からなる通信網11で接続され、閉域通信網14a〜14mと情報提供部12とは、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網13で接続される。
閉域通信網14a〜14mは、本発明にかかる氾濫予測システム1の対象地域(例えば、日本全国)をm分割して、m分割した地域毎に設置されている。すなわち、作成しようとする氾濫予報マップの全地域をカバーする閉域通信網14a〜14mが設置される。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
第1の閉域通信網14aは親機a1を備えており、複数台の子機a2,a3,・・・,aiが第1の閉域通信網14aに属している。親機a1は、閉域通信網14aに割り当てられた地域内のそれぞれ所定の地点に設置された(i−1)台の子機a2〜aiと、有線あるいは無線の閉域通信で接続されている。子機a2〜aiは同じ構成とされ、設置された地点の水位と降水量とを検出するセンサーをそれぞれが備えている。降水量の単位はmmとされる。子機a2〜aiが所定の地点にそれぞれ設置され、初めて電源が投入された際に、子機a2〜aiのそれぞれは一意の個体識別番号である子機IDと設置された地点の位置情報とを親機a1に送信して、相互の間の通信を確立する。そして、子機a2〜aiは、備えられたセンサーが規定水位を超えた有意な水位を検出した時に、水位センサーが検出した水位と降水量とのセンサー情報と、当該子機が水位を取得した時刻情報とを含む水位情報に子機IDを付加して親機a1へ送出する。子機a2〜aiが、有意な水位を検出した以後においては、所定時刻毎に子機ID付きの水位情報が親機a1へ送出される。
第2の閉域通信網14b〜第mの閉域通信網14mは、第1の閉域通信網14aと同様に動作する。すなわち、第2の閉域通信網14b〜第mの閉域通信網14mは親機b1〜m1をそれぞれ備えており、複数台の子機b2,b3,・・・,bj〜子機m2〜mkが第2の閉域通信網14b〜第mの閉域通信網14mにそれぞれ属している。親機b1〜m1は、第2の閉域通信網14b〜第mの閉域通信網14mのそれぞれに割り当てられた地域内のそれぞれ所定の地点に設置された(j−1)台の子機b2〜biないし(k−1)台の子機m2〜mkと、有線あるいは無線の閉域通信で接続されている。子機b2〜bjないし子機m2〜mkは子機a2〜aiと同じ構成とされ、設置された地点の水位と降水量とを検出するセンサーをそれぞれが備えている。子機b2〜biないし子機m2〜mkが所定の地点にそれぞれ設置され、初めて電源が投入された際に、子機b2〜bjないし子機m2〜mkのそれぞれは一意の個体識別番号である子機IDと設置された地点の位置情報とをそれぞれの親機b1〜m1に送信して、相互の間の通信を確立する。そして、子機b2〜bjないし子機m2〜mkは、備えられたセンサーが規定水位を超えた有意な水位を検出した時に、センサーが検出した水位と降水量とのセンサー情報と、当該子機が水位を取得した時刻情報とを含む水位情報に子機IDを付加してそれぞれの親機b1〜m1へ送出する。子機b2〜bjないし子機m2〜mkが、有意な水位を検出した以後においては、所定時刻毎に子機ID付きの水位情報が親機b1〜m1へ送出される。
ここで、子機a2〜ai、子機b2〜biないし子機m2〜mkの構成を説明するが、これらの子機は同じ構成とされていることから、子機a2〜ai、子機b2〜biないし子機m2〜mkを子機20として表し、子機20の構成を示す機能ブロック図を図6に示す。
図6に示すように子機20は、マイクロコントローラ21、水位と降水量を検出するセンサー22、位置測位装置23、警告表示器24、閉域通信網通信I/F25とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置26を備えている。マイクロコントローラ21は、子機20の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ21は、センサー22で検出した水位と降水量のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、子機20が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、子機20の位置情報は、子機20における位置測位装置23がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した子機20の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置26から電源が投入された際には、子機20を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該子機20の位置情報に、当該子機20に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F25から親機a1へ送信する。また、マイクロコントローラ21が、センサー22から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ21は、水位と降水量とのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加して閉域通信網通信I/F25を介して所定時間毎に親機a1へ送信する。また、後述するように本発明にかかる氾濫予測システム1が、冠水するおそれのある地域を予測した際に、親機a1〜m1の内の子機20が属している親機から送信された警告表示変更指示に応じて冠水するおそれがあるという警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行う。これにより、設置された地点において冠水するおそれがあると云う事前警告を子機20により行えることになる。警告表示器24は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置26は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
マイクロコントローラ21の構成について説明すると、図8にマイクロコントローラ21の構成を示す機能ブロック図を示す。図8に示すようにマイクロコントローラ21は、CPU(Central Processing Unit)41、ROM(Read Only Memory)42、RAM(Random Access Memory)43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されている。CPU41は、ROM42に記憶された制御プログラムを実行することにより、マイクロコントローラ21が上記したように動作する。この場合、テンポラリメモリはRAM43の領域に設定される。また、電源投入時には、CPU41がROM42に格納されている初期設定プログラムを実行し、マイクロコントローラ21が上記したように動作する。マイクロコントローラ21は、I/O44を介して子機20のバスに接続されている。
次に、親機a1〜m1の構成を説明するが、これらの親機は同じ構成とされていることから、親機a1〜m1を親機30として表し、親機30の構成を示す機能ブロック図を図7に示す。
図7に示すように親機30は、マイクロコントローラ31、広域通信網通信I/F32、閉域通信網通信I/F33、記憶装置35とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置34を備えている。マイクロコントローラ31は、前述した図8に示す構成と同様とされ、CPU41、ROM42、RAM43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されているが、ROM42には親機30用の制御プログラムが記憶されている。マイクロコントローラ31では、ROM42に記憶されている親機30用の制御プログラムをCPU41が実行することにより、親機30の動作を統括制御している。すなわち、マイクロコントローラ31におけるCPU41は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位情報を受信してRAM43の領域に設定したテンポラリメモリに書き込む。そして、CPU41は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報を、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12へ送信する。なお、電源装置34は、商用電源を所定電圧の直流電圧に降圧する電源装置とされている。また、電源装置34は、商用電源に替えて使用電力容量に合わせた大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成するようにしてもよい。
さらに、本発明にかかる氾濫予測システム1が後述するように、冠水するおそれのある地域を予測した時に、情報提供部12から送信された警告表示変更指示を受信した親機30は、警告表示変更指示に含まれている子機IDに該当する子機20に受信した警告表示変更指示を送信する。これにより、子機20の設置位置において冠水するおそれがあることの事前警告が行われるようになる。なお、記憶装置35では、情報提供部12からの警告表示変更指示などの配信データを子機20に送信したか否かを一時記憶している。
上述したように、第1の閉域通信網14a〜第mの閉域通信網14mにおいて、親機a1〜親機m1がその閉域通信網に属する子機20から送出された子機ID付きの設置された地点の位置情報、子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)を受信すると、親機a1〜親機m1のそれぞれは、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網13を介して情報提供部12に、受信した子機ID付きの設置された地点の位置情報および子機ID付きの水位情報を送る。情報提供部12は、情報配信サーバー12aとデータ処理サーバー12bとデータベース部12cとを備えており、情報提供部12の構成を図9(a)に示す。
図9(a)に示す構成の情報提供部12では、親機a1〜親機m1から広域通信網13を介して送られてきたデータが広域通信網通信I/F12dを介して受信されて、データ処理サーバー12bに渡される。データ処理サーバー12bは、受信したデータが子機ID付きの位置情報であった場合は、その位置情報を子機IDと関連付けてデータベース部12cのセンサー座標DB(DB:データベース)51に書き込む。この位置情報は、地図上の座標を示している。また、子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)の場合は、現在時刻と共に子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)を子機IDおよび取得時刻と関連付けてデータベース部12cのセンサー情報DB52に書き込む。これにより、親機a1〜親機m1から送出された子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報(センサー情報+時刻情報)が、子機IDと関連付けられてセンサー情報DB52に時々刻々と書き込まれていくようになる。
データベース部12cは、各子機20の位置情報を子機IDと関連付けて記憶するセンサー座標DB51、水位情報を子機IDおよび取得時刻と関連付けて記憶するセンサー情報DB52、例えば日本全国とされる氾濫予報マップを作成する広域の地形・道路・河川の他、座標データを地図情報として保有している地図情報DB54、冠水が予測されることを報知する地域毎の登録者の情報が記憶されている登録者情報DB55、過去に冠水した地点あるいは地域における降雨量と冠水した際の水位などの実績データを冠水が起きる毎に蓄積する降雨量−冠水位−地点DB56を備えている。ここで、「降雨量」とは単位時間あたりの降水量[mm]を云うものとし、降雨量の単位を[mm/h]で表すものとする。また、センサー情報DB52に記憶されている水位情報の降水量から算出された単位時間あたりの降雨量と、降雨量−冠水位−地点DB56に蓄積されている単位時間あたりの降雨量と冠水位との実績データとを比較することにより特定された冠水が予測される冠水予測範囲と予測される予測冠水位とからなる冠水予測情報が格納される降雨情報DB53を備えている。さらに、所定間隔(例えば、1分)毎にセンサー情報DB52に記憶されている各子機20毎の水位情報から、各子機20毎の設置地点の降雨量が算出されて更新され、更新された各子機20毎の最新の降雨量が降雨情報DB53に格納されている。なお、有意な水位を検出した子機20においてだけ降雨量の算出を行って降雨量を更新するのが好適である。
情報配信サーバー12a内に設けられているデータ処理装置50は、降雨情報DB53に蓄積されている降雨量が冠水実績値を上回ったことを検出した時に、冠水予測処理を行う。冠水予測処理では、降雨情報DB53に格納されている最新の降雨量と、降雨量−冠水位−地点DB56に蓄積されている降雨量と冠水位との実績データとを比較することにより特定された、冠水が予測される冠水予測範囲と予測される予測冠水位とからなる冠水予測情報を降雨情報DB53に格納する。冠水予測範囲には、冠水が予測される地域の位置情報(座標)が含まれており、この地域に設置されている子機20に事前警告表示を行わせるための警告表示変更指示を作成する。作成された警告表示変更指示には、事前警告表示を行わせる子機20の子機IDと冠水予測された冠水位である冠水位情報とが含まれており、情報配信サーバー12aから事前警告の対象となる子機20が属する親機30へ送信される。これにより、警告表示変更指示が送られた子機20の警告表示器24において冠水するおそれのあることが事前警告される。また、ユーザから閲覧要求を情報配信サーバー12aが受け付けた際に、閲覧要求された地点を含む所定のエリアの最新の氾濫予報マップを作成する。この氾濫予報マップは、例えば第1レイヤーの表示情報と、第1にレイヤーに重ねられる第2レイヤーの表示情報とから構成される。第1レイヤーの表示情報として、閲覧要求された地点を含む所定のエリアの地図情報が地図情報DB54から読み出されて設定され、第2レイヤーの表示情報として、降雨情報DB53から読み出された閲覧要求された地点を含む所定のエリア内の冠水予測情報が設定される。
また、データ処理装置50は、降雨情報DB53に蓄積されている降雨量が冠水実績値を上回ったことを検出した地点を含む所定の地域範囲を決定して、登録者情報DB55から、所定の地域範囲内に位置登録されている登録者情報を検索し、検索された対象とする登録者に対応する端末群10の携帯電話10aあるいはPC10bに対し、冠水するおそれがあることのメッセージを電子メール等で報知する。この場合、登録者にショートメッセージサービス(SMS)で送ることができる場合は、SMSを用いて冠水危険が迫っていることを報知する。報知を受けた登録者が、自身の携帯電話10aあるいはPC10bから情報提供部12に氾濫予報マップの閲覧要求を行うと、その登録者に登録されている携帯電話10aあるいはPC10bに、上記したようにデータ処理装置50で作成された閲覧要求した登録者のいる地点、あるいは登録者が指定した地点を含む所定の地域の氾濫予報マップが、情報配信サーバー12aから配信される。登録者の携帯電話10aあるいはPC10bのディスプレイには、配信された氾濫予報マップが表示されて閲覧できる。すなわち、登録者が閲覧者となる。なお、携帯電話10aあるいはPC10bはGPS等を利用して現在の位置情報を検出し、閲覧要求に位置情報を付加して送出することができる。
なお、登録者に冠水のおそれがあることを電子メール等で報知する場合に、登録者は“定めた地点(自宅等)において冠水するおそれがある場合は、指定した携帯電話10aあるいはPC10bに電子メール送信をする”という内容を、登録者情報DB55に登録しておけばよい。上記内容は、携帯電話10aあるいはPC10bが、情報配信サーバー12aを介して登録者情報DB55に登録することができる。また、情報配信サーバー12aのデータ処理装置50で特定された冠水予測範囲に対応するエリアに存在する登録者の携帯電話10aに対して、冠水するおそれがあることを電子メール等で報知してもよい。この場合には、当該エリアをカバーする携帯電話基地局に在圏している携帯電話に同報配信を行えばよく、登録者情報DB55は使用しない。
情報配信サーバー12aの構成を図9(b)に示す。図9(b)に示す情報配信サーバー12aは、CPU61、ROM62、RAM63、I/O64、データ処理装置50を備え、これらをバス65で接続して構成されている。CPU61は、情報配信サーバー12aの動作を統括制御する制御手段であり、ROM62に記憶された制御プログラムをCPU61が実行することにより、登録者に冠水するおそれがあることを電子メール等で報知したり、閲覧要求があった際に、データ処理装置50に閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に対応するエリアの氾濫予報マップを作成して配信したりする上記した動作が行われる。
また、データ処理サーバー12bおよびデータ処理装置50は図9(c)に示す構成とすることができる。図9(c)に示すデータ処理装置50(データ処理サーバー12b)は、CPU71、ROM72、RAM73、I/O74を備え、これらをバス75で接続して構成されている。データ処理装置50の場合は、ROM72にデータ処理装置50の動作を統括制御する制御プログラムが記憶されており、この制御プログラムをCPU71が実行することにより、閲覧要求があった際に、閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に対応する地域の氾濫予報マップを作成する。作成された氾濫予報マップは、閲覧要求をした閲覧者に配信される。また、データ処理サーバー12bの場合は、ROM72にデータ処理サーバー12bの動作を統括制御する制御プログラムが記憶されており、この制御プログラムをCPU71が実行することにより、子機20の位置情報を子機IDと関連付けてセンサー座標DB51に書き込むと共に、子機20で検出された水位情報(センサー情報+時刻情報)が、子機IDと関連付けられてセンサー情報DB52に時々刻々と書き込まれていくようになる。
ここで、本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおいて、親機30と子機20との設置位置の例を図2に示す。
図2では、所定のエリアであるエリアAに1台の親機30と、この親機30に属している24台の子機20−1〜20−24とが設置されており、エリアAは閉域通信網14a〜14mの内の1つの閉域通信網に相当している。エリアAは、ブロックA−1〜A−9の9ブロックに分割され、各ブロックA−1〜A−9のほぼ中央や各ブロック間の道路に子機20−1〜20−24が設置されている。また、ブロックA−6,ブロックA−8,ブロックA−9にまたがるほぼ円形で示される区域aは、過去に発生した冠水の区域であり、例えば1時間20mmの降水量が1時間継続したときに冠水が発生した地域を示している。
図2に示すように、例えば24台の子機20−1〜20−24および1台の親機30が設置されているエリアAにおいて、閲覧者がエリアA内から閲覧要求をした際に配信される本発明にかかる氾濫予報マップの一例を図3に示す。
図3に示すエリアAの氾濫予報マップでは、紙面の上方が北を示しており、上述した第1レイヤーおよび第2レイヤーの表示情報からなり、閲覧者の携帯電話10aあるいはPC10bのブラウザで第1レイヤーに第2レイヤーが重ねられて表示されるが、図3では第1レイヤーの地図を省略して示している。また、図3に示す氾濫予報マップが示されるエリアは、閲覧者が位置するエリアAとされ、最新の氾濫予報マップとされている。図2に示す氾濫予報マップでは、データ処理装置50で特定された冠水予測範囲が区域aとして表示されている。区域aは、ブロックA−6,ブロックA−8,ブロックA−9にまたがるハッチングされたほぼ円形で示される区域とされており、例えば、20[mm/h]の降雨量が1時間継続したときに、降雨量−冠水位−地点DB56に格納されている過去の冠水の実績データの平均から見て、冠水する可能性が高い冠水予測範囲を示している。また、区域aに進入する道路等に、ハッチングを施した進入注意の範囲を表示する事も可能である。
本発明にかかる氾濫予測システム1において、冠水するおそれの事前警告表示が行われる子機の位置を図4に示す。
図4では、親機30が警告表示変更指示を送った子機20において警告表示器24が冠水するおそれの事前警告表示を行っている。すなわち、ブロックA−2,A−3,A−5,A−6のほぼ中央の交差する道路に設置された子機20−9、ブロックA−5とブロックA−6の間の道路に設置された子機20−13、ブロックA−4,A−5,A−7,A−8のほぼ中央の交差する道路に設置された子機20−16、ブロックA−5とブロックA−8の間の道路に設置された子機20−17、ブロックA−5,A−6,A−8,A−9のほぼ中央の交差する道路に設置された子機20−18、ブロックA−6とブロックA−9の間の道路に設置された子機20−19、ブロックA−8とブロックA−9の間の道路に設置された子機20−23、ブロックA−9のほぼ中央に設置された子機20−24における警告表示器24が図4に示すように警告表示を行っている。この警告表示は、設置場所において冠水のおそれがある事前の警告表示とされる。エリアAにいる閲覧者はこの事前の警告表示を見ることでエリアAにおける冠水のおそれがある区域を事前に知ることができる。事前の警告表示を行う子機20は、冠水する可能性が高い冠水予測範囲である区域aおよび冠水予測範囲に進入する進入注意範囲内の子機20とされる。区域aは、例えば、20[mm/h]の降雨量が1時間継続したときに、降雨量−冠水位−地点DB56に格納されている過去の冠水の実績データの平均から見て、冠水する可能性が高い冠水予測範囲を示している。
ところで、本発明の実施例にかかる氾濫予測システム1における子機20を、道路付属物で実現することができる。この道路付属物は、視線誘導標、境界ブロック、縁石、支持柱、防護柵、壁構造物、標識、デリニエータ、道路鋲などとされる。これらの道路付属物に、子機20を一体化あるいは装着することにより、道路付属物が子機20として機能するようになる。この場合、子機20の電源装置26を電池もしくは2次電池または大容量キャパシタと充電用の太陽光パネルとから構成すると共に、閉域通信網をワイヤレスとすると、外部電源が確保できない道路以外の地面などに直接おいて設置可能となり、公園や避難所、広場、田んぼの中や畦、住宅の庭、河川敷内などの地面にも子機20として機能する道路付属物を設置可能となる。
子機20を視線誘導標で実現した場合の警告表示部における警告表示の態様を図5に示す。なお、視線誘導標は、路側や道路に設置される道路付属物であるが、設置する理由は次の通りである。自動車のドライバーは、区画線や防護柵などを走行する際の目印として運転をしているが、夜間や霧、降雨、降雪時にはその視認性が著しく低下することが知られている。そこで、視線誘導標により、視程不良時にも自動車のヘッドライトを反射し、路側や道路線形の視認性を高め、ドライバーの視線を正しく誘導するようにしている。
図5に示すように、視線誘導標からなる子機20は、円筒状のポール部20aと円盤状の基部20bとを備え、基部20bの作用により自立可能とされている。ポール部20aには反射ガラスや反射シート反射部が設けられており、この反射部のポール部20aの内部に警告表示器24が設けられている。警告表示器24は発光部が縦方向に4段重ねられて設けられており、警告表示は4段の発光部の発光パターンで行われ、発光パターンにより冠水予測された予測冠水位が示される。この場合、情報配信サーバー12aから子機20へ送信される警告表示変更指示には、事前警告表示を行わせる子機20の子機IDと冠水予測された冠水位である冠水位情報とが含まれており、警告表示変更指示を受信した子機20は、冠水位情報に応じた冠水位の事前警告を行う。すなわち、予測冠水位が規定水位未満の時は4段の発光部は全段が消灯され、予測冠水位が規定水位以上50mm未満の時は最下段の発光部のみ点灯されて、上から3段の発光部は消灯される。また、予測冠水位が50mm以上100mm未満の時は最下段とその上の発光部が点灯されて、上から2段の発光部は消灯される。さらに、予測冠水位が100mm以上200mm未満の時は最下段とその上の2段の合計3段の発光部が点灯されて、最上段の発光部は消灯される。さらに、予測冠水位が200mm以上400mm未満の時は4段の発光部の全段が点灯される。
なお、子機20は視線誘導標に限らず、上記した道路付属物のいずれでも実現することができる。
次に、子機20において実行される子機処理のフローチャートを図10に示す。子機20が所定の地点に設置されて、電源装置26がオンされると図10に示す子機処理をマイクロコントローラ21が開始する。子機処理は、実際には、マイクロコントローラ21内のCPU41が実行するのであるが、説明の都合上マイクロコントローラ21が実行するものとして説明する。子機処理が開始されると、ステップS10にてマイクロコントローラ21は、位置測位装置23が現在位置、すなわち、子機20が設置された地点の座標である位置情報が、GPS等の測位部から取得されたか否かを判断する。ここで、位置情報が取得されない場合(NO)は取得されるまで待機し、位置情報が取得されたとマイクロコントローラ21が判断した場合(YES)はステップS11に進む。ステップS11でマイクロコントローラ21は、取得された位置情報に当該子機20に割り当てられている子機IDを付加して、当該子機20が属する親機30に閉域通信網を介して送信する。次いで、ステップS12にてマイクロコントローラ21は、親機30から警告表示変更指示を受信したか否かを判断する。ここで、警告表示変更指示が受信されない場合(NO)はステップS14へ進むが、警告表示変更指示を受信した場合(YES)はステップS13へ分岐する。ステップS13にてマイクロコントローラ21は、受信した警告表示変更指示に含まれている子機IDが自機の子機IDであった場合は、受信した警告表示変更指示に応じて警告表示器24の点灯/消灯を行う。この警告表示は冠水予測の事前警告表示となる。また、自機の子機IDでない場合は何も行わずステップS14へ進む。ステップS14にてマイクロコントローラ21は、センサー22で検出されている水位と、その取得時刻を検出する。次いで、ステップS15にてマイクロコントローラ21は検出された水位が、予め定められた規定水位を超えたか否かを判断する。ここで、規定水位を超えたとマイクロコントローラ21が判断した場合(YES)は、ステップS16に進んでマイクロコントローラ21は、警告表示器24を点灯して警告表示を行う。この警告表示は冠水が発生していることの警告表示であり、事前警告表示と警告表示の態様(色調や発光パターン)を変更して何の警告表示か識別できるようにしている。次いで、ステップS17にてマイクロコントローラ21は、センサー22から取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報を閉域通信網を介して属する親機30に送信する。次いで、ステップS18に進んでマイクロコントローラ21は、例えば1分とされる短期間待機して、短期間の待機時間が終了するとステップS12にリターンし、上記したステップS12ないしステップS18の処理を繰り返し行う。これにより、ステップS15で規定水位を超えたとマイクロコントローラ21が判断した状態が継続している限りにおいて、マイクロコントローラ21は、短期間(例えば、1分)ごとにセンサー22から取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報を親機30に送信することになる。
また、ステップS15で検出された水位が、規定水位を超えていないとマイクロコントローラ21が判断した場合(NO)は、ステップS19に分岐してマイクロコントローラ21は、警告表示器24の警告表示が点灯している場合は、その警告表示を消灯する。ただし、警告表示器24において警告表示変更指示に基づいて事前警告表示を行っている場合は消灯しない。次いで、ステップS20にてマイクロコントローラ21は、前回の親機30への送信から例えば12時間の長期間の時間が経過したか否かを判断する。ここで、マイクロコントローラ21が長期間の時間が経過したと判断した場合(YES)は、ステップS21に進んでセンサー22から取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報を親機30に送信して、ステップS22に進む。また、ステップS20でマイクロコントローラ21が長期間の時間が経過していないと判断した場合(NO)は、ステップS22に分岐する。ステップS22でマイクロコントローラ21は、例えば10分とされる中期間待機してステップS12にリターンして、上記したステップS12以降の処理を繰り返し行う。これにより、ステップS15で規定水位を超えていないとマイクロコントローラ21が判断した状態が継続している限りにおいて、マイクロコントローラ21は、長期間(例えば、12時間)ごとにセンサー22から取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報を親機30に送信し、中期間(例えば、10分)毎にステップS12以降の処理を繰り返し行うことになる。
なお、子機処理は子機20の電源装置26がオンされている限り実行されており、電源装置26がオフされた際に子機処理は終了する。
次に、親機30にて実行される親機処理のフローチャートを図11に示す。親機30が所定の場所に設置されて、電源装置34がオンされると図11に示す親機処理をマイクロコントローラ31が開始する。親機処理は、実際には、マイクロコントローラ31内のCPU41が実行するのであるが、説明の都合上マイクロコントローラ31が実行するものとして説明する。親機処理が開始されると、ステップS30にてマイクロコントローラ31は、当該親機30に属している子機20から送信されたデータを受信したか否かを判断する。ここで、子機20からデータを受信していない場合(NO)はステップS32へ進み、子機20からデータを受信した場合(YES)はステップS31に分岐する。子機20から受信するデータは、子機IDを付加した子機20の位置情報、あるいは、子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報である。ステップS31にてマイクロコントローラ31は、広域通信網13を介して情報提供部12のデータ処理サーバー12bに子機20から送られたデータを送信し、ステップS32へ進む。親機30からデータ処理サーバー12bへの送信は、子機20からのデータを受信する毎に行われる。ステップS32にてマイクロコントローラ31は、情報配信サーバー12aから警告表示変更指示を受信したか否かを判断する。ここで、情報配信サーバー12aから警告表示変更指示を受信していない場合(NO)はステップS30へ戻り、情報配信サーバー12aから警告表示変更指示を受信した場合(YES)はステップS33へ進む。情報配信サーバー12aから警告表示変更指示には、冠水が予測される地域の範囲に設置されている子機20に事前警告表示を行わせるための子機IDと冠水予測された冠水位である冠水位情報とが含まれている。ステップS33にてマイクロコントローラ31は、受信した警告表示変更指示を配信済みか否かを記憶装置35を参照して判断し、配信済みと判断した場合(YES)はステップS30へ戻り、配信していないと判断した場合(YES)はステップS34へ進む。ステップS34にてマイクロコントローラ31は、受信した警告表示変更指示を含まれている子機IDに該当する子機20へ送信する。ステップS34の処理が終了するとステップS30に戻り、ステップS30ないしステップS34の処理が繰り返し行われる。親機処理は、電源装置34がオフされた際に終了する。
情報提供部12は、親機30から送信された子機IDを付加した子機20の位置情報、あるいは、子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報を、広域通信網通信I/F12dを介して受信し、データ処理サーバー12bがセンサー座標DB51あるいはセンサー情報DB52に格納する。データ処理サーバー12bが実行するDB書込処理(1)のフローチャートを図12(a)に示す。
図12(a)に示すDB書込処理(1)は、データ処理サーバー12bの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS40でCPU71は、親機30からデータを受信する。受信できない場合は、受信できるまで待機する。受信するデータは、子機IDを付加した子機20の位置情報、あるいは、子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報である。次いで、ステップS41でCPU71は、受信したデータが、子機IDを付加した子機20の位置情報の場合は、I/O74を介してセンサー座標DB51にその子機IDに関連つけて位置情報を書き込み、子機20が取得したセンサー情報の場合は、I/O74を介してセンサー情報DB52に取得時刻とセンサー情報とを取得した子機20の子機IDに関連して書き込む。さらに、センサー情報の内の降水量のデータから単位時間あたりの降雨量を算出して、降雨情報DB53に子機IDに関連付けた降雨量を最新の降雨量に更新する。次いで、ステップS42でCPU71は、子機20からのセンサー情報における水位が予め定めた水位を超えていることを検出することで、いずれかの子機20の設置地点において冠水が発生したか否かを判断する。ここで、いずれかの子機20の設置地点において冠水が発生しているとCPU71が判断した場合(YES)は、当該子機20の子機IDから設置地点の位置情報(座標)をセンサー座標DB51から読み出すと共に、当該子機20の子機IDから最新の降雨量を降雨情報DB53から読み出し、読み出した当該子機20の位置情報と降雨量に、当該子機20のセンサー情報の水位を冠水位として関連付けて、降雨量−冠水位−地点DB56に書き込む。これにより、冠水地に降雨量と冠水位とを関連させた実績データが逐次に降雨量−冠水位−地点DB56に蓄積されていくようになる。また、ステップS42で冠水が発生していないとCPU71が判断した場合、および、ステップS43の処理が終了した場合はステップS40に戻り、ステップS40ないしステップS43の処理が繰り返し実行される。DB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源がオフされた際に終了する。
次に、情報配信サーバー12aのデータ処理装置50で実行されるデータ処理装置処理のフローチャートを図13に示す。図13に示すデータ処理装置処理は、情報配信サーバー12aの電源が投入された時に起動する。
データ処理装置処理が起動されるとステップS50でCPU71は、降雨量が冠水実績値を上回ったか否かを判断する。具体的には、冠水実績値は、降雨量−冠水位−地点DB56に格納されている各地点の過去において冠水が生じた降雨量の平均値とされ、各地点の冠水実績値と、同地点の降雨情報DB53に格納されている現時点において最新の降雨量とを比較して、降雨量が冠水実績値を上回ったか否かをCPU71が判断する。なお、降雨情報DB53に格納されている降雨量の地点は、降雨量のデータに関連している子機IDが割り当てられている子機20の設置位置となる。ここで、降雨量が冠水実績値を上回ったとCPU71が判断した場合(YES)は、ステップS51へ進む。ステップS51にてCPU71は、後述する冠水予測処理を実行することにより特定された冠水が予測される冠水予測範囲と予測される予測冠水位とからなる冠水予測情報を降雨情報DB53に格納する。次いで、ステップS52にてCPU71は、現在の状況を表すフラグを[警告]状態とする。また、ステップS50で降雨量が冠水実績値を上回っていないとCPU71が判断した場合(NO)は、ステップS53へ分岐する。ステップS53でCPU71は、現在の状況を表すフラグを[正常]状態とする。ステップS52あるいはステップS53の処理が終了するとステップS54に進み、CPU71はフラグを参照して現在の状況が以前の状況から変化したか否かを判断する。ここで、CPU71が以前の状況から変化したと判断した場合(YES)は、ステップS55に進みCPU71は、変化した現在の状況が[警告]の場合は警告点灯指示の警告表示変更指示を、変化した現在の状態が[正常]の場合は警告消灯指示の警告表示変更指示を作成する。また、ステップS54でCPU71が以前の状況から変化していないと判断した場合(NO)あるいはステップS55の処理が終了した場合は、ステップS50に戻り、ステップS50ないしステップS55の処理が繰り返し行われるようになる。データ処理装置処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
データ処理装置処理のステップS51で実行される冠水予測処理のフローチャートを図13に示す。図13に示す冠水予測処理は、情報配信サーバー12aのデータ処理装置50で実行される。
ステップS51の冠水予測処理が開始されると、ステップS57にてCPU71は、冠水実績値を上回った降雨量の地点を検出する。ここで、冠水実績値は、降雨量−冠水位−地点DB56に格納されている各地点の過去において冠水が生じた降雨量の平均値とされ、降雨量の地点は、降雨量のデータに関連している子機IDが割り当てられている子機20の設置位置となる。そして、ステップS58にてCPU71は、検出した地点の降雨量(降雨情報DB53に格納されている現時点において最新の降雨量)が同地点においてあった際に、同地点において冠水が予測されるかを、降雨量−冠水位−地点DB56における同地点における冠水の実績を参照して判断する。この判断は、検出した地点とその地点の周囲の各地点毎に行う。そして、冠水が予測される地点が含まれる所定の区域を冠水予測範囲と特定する。さらに、冠水予測範囲において予測される冠水位(予測冠水位)を、冠水予測範囲の各地点の降雨量から降雨量−冠水位−地点DB56を参照して特定する。そして、ステップS59にてCPU71は冠水予測範囲と予測冠水位とからなる冠水予測情報を降雨情報DB53に格納する。冠水予測範囲が、図3に示す区域aのエリアとなる。ステップS59の処理が終了すると、冠水予測処理は終了し、データ処理装置処理のステップS52にリターンする。
次に、情報配信サーバー12aで実行される情報配信サーバー処理のフローチャートを図15に示す。図15に示す情報配信サーバー処理は、情報配信サーバー12aの電源が投入された時に起動する。
情報配信サーバー処理が起動されるとステップS60でCPU61は、データ処理装置50で親機30を介して子機20に送る警告点灯指示あるいは警告消灯指示の警告表示変更指示が作成されたか否かを判断する。ここで、警告表示変更指示が作成されていない場合(NO)は作成されるまで待機し、警告表示変更指示が作成されたとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS61に進みCPU61は、親機30へ、データ処理装置処理のステップS55で作成されたデータである警告表示変更指示を送信する。ステップS61の処理が終了するとステップS60に戻り、ステップS60およびステップS61の処理が繰り返し実行される。情報配信サーバー処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
次に、情報配信サーバー12aで実行されるメッセージ配信処理(1)のフローチャートを図16に示す。図16に示すメッセージ配信処理(1)は、情報配信サーバー12aの電源が投入された時に起動する。情報配信サーバー12aは、上記したように図9(b)の構成とされている。
メッセージ配信処理(1)が起動されるとステップS70でCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回ったか否かを判断する。この処理は、データ処理装置処理のステップS50と同じ処理とされることから、その説明は省略する。ここで、降雨量が冠水実績値を上回ったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS71へ進む。ステップS71にてCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回った場合は冠水が予測されることから、警告メッセージを作成する。また、ステップS70で降雨量が冠水実績値を上回っていないとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS72へ分岐する。ステップS72にてCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回っていない場合は冠水のおそれがなくなったあるいはないことから警告解除メッセージを作成する。次いで、ステップS73でCPU61は、冠水が予測されるエリアである警告領域が登録者情報DB55に登録されている登録者を抽出する。そして、ステップS74でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS75に分岐してステップS52で抽出した登録者に作成したメッセージを配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS75の処理が終了した場合は、ステップS70にリターンしてステップS70ないしステップS75の処理が繰り返し実行される。このように、冠水が予測される場合は、警告メッセージが作成されて、冠水が予測されるエリアにいる登録者にメッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っていることを理解することができる。
次に、情報配信サーバー12aで実行される別のメッセージ配信処理(2)のフローチャートを図17に示す。図17に示すメッセージ配信処理(2)は、情報配信サーバー12aの電源が投入された時に起動する。情報配信サーバー12aは、上記したように図9(b)の構成とされている。
メッセージ配信処理が起動されるとステップS80でCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回ったか否かを判断する。この処理は、データ処理装置処理のステップS50と同じ処理とされることから、その説明は省略する。ここで、降雨量が冠水実績値を上回ったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS81へ進む。ステップS81にてCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回った場合は冠水が予測されることから、警告メッセージを作成する。また、ステップS80で降雨量が冠水実績値を上回っていないとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS82へ分岐する。ステップS82にてCPU61は、降雨量が冠水実績値を上回っていない場合は冠水のおそれがなくなったあるいはないことから警告解除メッセージを作成する。次いで、ステップS83でCPU61は、冠水が予測されるエリアとされる警告領域内の携帯電話基地局を指定する。そして、ステップS84でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS85に分岐してステップS83で指定した携帯電話基地局から作成したメッセージを登録者情報DB55に登録されている登録者に配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS85の処理が終了した場合は、ステップS80にリターンしてステップS80ないしステップS85の処理が繰り返し実行される。このように、冠水が予測される場合は、警告メッセージが作成されて、冠水が予測されるエリアにいる登録者に警告メッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っていることを理解することができる。
次に、情報配信サーバー12aで実行される閲覧要求処理のフローチャートを図18に示す。図18に示す閲覧要求処理は、情報配信サーバー12aの電源が投入された時に起動する。情報配信サーバー12aは、上記したように図9(b)の構成とされている。
閲覧要求処理が起動されるとステップS90で、CPU61は氾濫予報マップの閲覧要求があったか否かを判断する。ここで、閲覧要求がないとCPU61が判断した場合(NO)は、閲覧要求があるまでステップS90で待機される。閲覧者が自身の携帯電話10aあるいはPC10bから閲覧要求を行い、ステップS90で閲覧要求があったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS91ないしステップS93で氾濫予報マップをCPU61が作成する。すなわち、ステップS91で、閲覧者のいる地点、あるいは、閲覧者が指定した地点の座標と閲覧要求の現在の時刻とをCPU71が検出する。そして、ステップS92でCPU71は、検出した座標の地点を含む所定範囲のエリアを設定し、当該エリアの地図を地図情報DB54から取得して該地図を氾濫予報マップの第1レイヤーの表示情報として設定する。次いで、ステップS93でCPU71は、降雨情報DB53から、所定範囲のエリアにおける冠水予測情報を読み出して、冠水予測情報における当該エリア内の冠水予測範囲の情報を第2レイヤーの表示情報として設定して、第1レイヤーの表示情報に第2レイヤーの表示情報を重ねた画像データとして氾濫予報マップを作成する。次いで、ステップS94でCPU61は、作成した氾濫予報マップを閲覧要求した閲覧者に配信する。ステップS94の処理が終了するとステップS90にリターンして、ステップS90ないしステップS94の処理が繰り返し実行されることから、閲覧要求がある毎に氾濫予報マップが作成されて、閲覧要求した閲覧者に配信されるようになる。閲覧要求処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
なお、閲覧者が情報提供部12に氾濫予報マップの閲覧要求を行うのは、自身の携帯電話10aあるいはPC10bにおけるブラウザから行い、情報提供部12の情報配信サーバー12aから配信されてきた氾濫予報マップの画像データは、ブラウザで表示されるようになる。
本発明の実施例にかかる氾濫予測システム1における子機20は、上述したように道路付属物に端末装置が一体化あるいは装着されることにより実現することができる。この端末装置の構成は、子機20の図6に示す構成と同様とされる。また、端末装置として子機20の機能を備える親機30とすることもできる。端末装置を子機20の機能を備える親機30とした場合の端末装置300の構成を図19に示す。
図31に示す端末装置300は、マイクロコントローラ301、水位と降水量を検出するセンサー302、位置測位装置303、警告表示器304、閉域通信網通信I/F305、広域通信網通信I/F306とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置308を備えている。マイクロコントローラ301は、端末装置300の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ301は、マイクロコントローラ301に記憶されている端末装置300用の制御プログラムを実行することにより、子機20および親機30の機能を備える端末装置300として動作する。すなわち、センサー302で検出した水位と降水量のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、端末装置300が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、端末装置300の位置情報は、位置測位装置303がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した端末装置300の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置308から電源が投入された際には、端末装置300を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該端末装置300の位置情報に、当該端末装置300に割り当てられている一意の子機IDを付加する。
また、マイクロコントローラ301が、センサー302から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ301は、そのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加してテンポラリメモリに書き込む。そして、規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ301は、閉域通信網通信I/F305を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位と降水量との水位情報を受信してテンポラリメモリに書き込む。そして、マイクロコントローラ301は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位と降水量との水位情報と、端末装置300が取得した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位と降水量との水位情報とを、広域通信網通信I/F306を介して情報提供部12へ送信する。
なお、既に説明したように本発明にかかる氾濫予測システム1が、冠水するおそれのある地域を予測した際に、情報提供部から送信された警告表示変更指示に応じて冠水するおそれがあるという警告表示が警告表示器304を点灯させることにより行われる。これにより、設置された地点において冠水するおそれがあると云う事前警告を端末装置300により行えることができる。警告表示器304は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置308は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
上述したように、子機20を道路付属物で実現することができる。道路付属物の一つである標識100により子機20を実現する場合の標識100の詳細な構成を図20および図21に示す。図20は標識100の構成を示す裏面側の斜視図であり、図21は標識100の構成を裏面側の斜視図であり、端末装置001の構成が示されている。端末装置001は、子機20と親機30の機能を備える端末装置300とされている。
これらの図に示すように、本発明の実施例にかかる氾濫予測システム1における子機20として使用される標識100は、標識100は、道路利用者に対して、地理の案内や道路の警告、規制などの情報を知らせる案内標識および警戒標識とされる道路標識である。図20および図21に示す端末装置001が装着された標識100は、地理の案内や道路の警告、規制などの情報が表示されている金属製や樹脂製などの矩形の平板状の標識板111と、標識板111を支持する支柱110とから構成されている。標識板111の裏面には図示するように端末装置001を構成するケース120aが固定されている。端末装置001が装着された標識100は、上述した端末装置300として利用することができる。
端末装置001は、図に示すように縦に細長い四角柱の形状とされ、一面が開口されている金属製や樹脂製とされた細長い四角柱状のケース120aと、ケース120aの開口を塞ぐようにケース120aに嵌め込まれる金属製や樹脂製の細長い矩形板とされた蓋板とを備えている。図21では蓋板が開けられたケース120aの状態が示されている。ケース120aの内部の空間が収納空間とされ、収納空間に端末装置001を構成する電源装置308である二次電池、広域通信網通信I/F306および閉域通信網通信I/F305、マイクロコントローラ301などが内蔵されている。また、二次電池を充電する太陽光パネル121が上側に設けられている。ケース120aには降水量を検出する雨量検出器112が設けられている。雨量検出器112は、ケース120a内に配置された回転センサー112cと、ケース120aの側面から外部へ突出している回転センサー112cの回転軸112bと、回転軸112bの先端に固着された上面が開口された転倒ます112aから構成されている。転倒ます112aは、底面の一側が斜面となっており、降水(雨や雪など)を転倒ます112aで受け、所定の降水量に相当する雨水が転倒ます112aに貯まると、転倒ます112aのバランスが崩れて転倒して水を下に排出します。転倒時には回転軸112bが回転することから転倒数を回転センサー112cで計測することによって「降水量」を検出する。なお、転倒ます112aは転倒した後は元の状態に復帰する。また、水位センサーは図示していないが支柱110の下部に設けられている。
また、設置環境に合わせるよう太陽光パネル121に替えて振動発電機等を適宜選択することができる。なお、端末装置001を構成する各部のほとんどはケース120aに内蔵される構造となっている。標識100は自立可能とされ、閉域通信網をワイヤレスとすると、外部電源が確保できない道路以外の地面などに直接おいて設置可能となり、公園や避難所、広場、田んぼの中や畦、住宅の庭、河川敷内などの地面にも設置可能となる。
以上説明したように、本発明にかかる氾濫予測システムにおいては、センサー情報DB52に記憶されている水位情報の降水量は、子機20で検出された水位情報の降水量であり、センサー情報DB52に記憶されている各子機20毎の水位情報から、各子機20毎の設置地点の降雨量が算出されて更新され、更新された各子機20毎の最新の降雨量が降雨情報DB53に格納されている。この場合、降雨量は子機20が設置された地点の降雨量しか得られない。そこで、本発明の別の実施例にかかる氾濫予測システムでは、公開されている雨量情報などの気象情報を参照して、各地域の降雨量を取得し、取得した単位時間当たりの最新の降雨量を当該地域に関連させて降雨情報DB53に格納する。そして、降雨情報DB53に格納された単位時間あたりの降雨量と、降雨量−冠水位−地点DB56に蓄積されている単位時間あたりの降雨量と冠水位との実績データとを比較することにより、冠水が予測される冠水予測範囲と予測される予測冠水位とからなる冠水予測情報を特定する。特定された冠水予測情報は、冠水が予測される地域毎の冠水予測情報となり、降雨情報DB53に格納される。なお、降雨量などの気象情報は、アメダス(AMeDAS:Automated Meteorological Data Acquisition System)やXRAIN(登録商標)から5分あるいは1〜2分間隔で配信されている。アメダスは、「地域気象観測システム」と呼ばれ、 降水量、風向・風速、気温、日照時間の観測を自動的におこなっている。また、XRAIN(eXtended RAdar Information Network)は、雨量観測に特化した気象レーダ(レーダ雨量計)を用いたリアルタイム降雨観測システムである。そこで、地域毎の降雨量をアメダスやXRAINから取得することができる。
この冠水予測情報に基づいて、氾濫予報マップが作成されて、閲覧要求した閲覧者に配信されること、および、冠水予測情報に基づいて、該当する地域に設置されている子機20に事前警告表示を行わせることは上記した通りである。
本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機を、視線誘導標や標識で実現することを説明したが、これに限らず、境界ブロック、縁石、支持柱、防護柵、壁構造物、デリニエータ、道路鋲などの道路付属物で実現することができる。この場合、子機を実現する道路付属物に、子機の機能を備える端末装置が一体化あるいは装着されることにより、道路付属物が子機として機能するようになる。
また、以上説明した本発明の実施例にかかる氾濫予測システムの位置測位装置を備える子機においては、GPSに限らず、設置された位置の座標を位置測位装置が、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを使用して測位するようにしてもよい。
なお、本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける子機処理のステップS16およびステップS19では、センサーで検出した水位が規定水位を超えた時に警告表示器を点灯し、センサーで検出した水位が規定水位を超えなくなった時に警告表示器を消灯している。このように子機では、水位が規定水位を超えたこと(冠水が生じたこと)を表示する警告表示と冠水が予測される事前警告表示との警告表示を行うようにしている。この場合には、警告表示器における警告表示態様や色調や発光パターンなどを変えて2つの警告表示が識別できるように警告表示を行うのが好適である。また、警告表示器に文字を表示できる警告表示器として、冠水が生じた時には「冠水」の文字を表示して警告表示し、冠水が予測される時は「冠水注意」の文字を表示して事前警告表示を行うようにしてもよい。ただし、表示される文字はこれに限らず警告内容が伝達できる文字であれば任意の文字とすることができる。さらに、ステップS16およびステップS19の処理を省略して冠水が予測される事前警告表示のみを行うようにしてもよい。
また、本発明の実施例にかかる氾濫予測システムにおける降雨情報DBには、子機が検出した水位情報の降水量に基づく設置位置毎の単位時間当たりの降雨量と、公開された気象情報から取得した地域毎の単位時間当たりの降雨量との両方、あるいは、いずれか一方の降雨量を格納するようにしている。さらに、降雨量−冠水位−地点DB56に蓄積されている単位時間あたりの降雨量と冠水位との実績データは、過去に冠水が発生した地点や地域における降雨量と冠水位との実績データを手入力等で格納しておくことができる。
001 端末装置、1 氾濫予測システム、10 端末群、10a 携帯電話、10b PC、11 通信網、12 情報提供部、12a 情報配信サーバー、12b データ処理サーバー、12c データベース部、12d 広域通信網通信I/F、13 広域通信網、14a〜14m 閉域通信網、20 子機、20a ポール部、20b 基部、21 マイクロコントローラ、22 センサー、23 位置測位装置、24 警告表示器、25 閉域通信網通信I/F、26 電源装置、30 親機、31 マイクロコントローラ、32 広域通信網通信I/F、33 閉域通信網通信I/F、34 電源装置、35 記憶装置、41 CPU、42 ROM、43 RAM、44 I/O、45 バス、50 データ処理装置、51 センサー座標DB、52 センサー情報DB、53 降雨情報DB、54 地図情報DB、55 登録者情報DB、56 降雨量−冠水位−地点DB、61 CPU、62 ROM、63 RAM、64 I/O、65 バス、71 CPU、72 ROM、73 RAM、74 I/O、75 バス、100 標識、110 支柱、111 標識板、112 雨量検出器、112a 転倒ます、112b 回転軸、112c 回転センサー、120a ケース、121 太陽光パネル、300 端末装置、301 マイクロコントローラ、302 センサー、303 位置測位装置、304 警告表示器、305 閉域通信網通信I/F、306 広域通信網通信I/F、308 電源装置、a1〜m1 親機、a2〜ai 子機、b2〜bj 子機、m2〜mk 子機

Claims (6)

  1. 水位と降水量を検出するセンサーと警告表示部とを少なくとも有し、所定エリア内の地点に設置され、設置された地点の位置情報と、前記センサーで検出した水位と降水量とのセンサー情報とを送出する複数の子機と、
    前記子機から送出された前記位置情報および前記センサー情報を受け取って情報提供部へ送出する親機と、
    該親機から受け取った前記位置情報および前記センサー情報を第1のデータベースに格納し、該第1のデータベースに格納された前記センサー情報の降水量から単位時間当たりの降雨量を算出して第2のデータベースへ格納し、前記子機の設置地点において冠水が発生したことを前記センサー情報の水位から検出した時に、当該設置地点における冠水時の降雨量と冠水位とを当該設置地点に関連付けて第3のデータベースに格納し、前記第2のデータベースに格納された降雨量が前記第3のデータベースに格納された冠水時の降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲を特定し、該冠水予測範囲に設置されている前記子機に、冠水の事前警告を行わせる警告表示変更指示を送信する情報提供部とを備え、
    前記警告表示変更指示を受信した前記子機においては、当該子機の前記警告表示部で冠水の事前警告表示が行われることを特徴とする冠水予測システム。
  2. 水位を検出するセンサーと警告表示部とを少なくとも有し、所定エリア内の地点に設置され、設置された地点の位置情報と、前記センサーで検出した水位のセンサー情報とを送出する複数の子機と、
    前記子機から送出された前記位置情報および前記センサー情報を受け取って情報提供部へ送出する親機と、
    該親機から受け取った前記位置情報および前記センサー情報を第1のデータベースに格納し、外部から取得した単位時間当たりの地域毎の降雨量を第2のデータベースへ格納し、冠水が発生した時の降雨量と冠水位とを冠水が発生した地点に関連付けて第3のデータベースに格納し、前記第2のデータベースに格納された降雨量が前記第3のデータベースに格納された冠水時の降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲を特定し、該冠水予測範囲に設置されている前記子機に、冠水の事前警告を行わせる警告表示変更指示を送信する情報提供部とを備え、
    前記警告表示変更指示を受信した前記子機においては、当該子機の前記警告表示部で冠水の事前警告表示が行われることを特徴とする冠水予測システム。
  3. さらに、前記センサーは降水量を検出しており、前記センサー情報は前記水位と前記降水量とされて、前記第2のデータベースに、前記第1のデータベースに格納された前記センサー情報の降水量から算出された単位時間当たりの降雨量も格納されていることを特徴とする請求項2に記載の冠水予測システム。
  4. 前記情報提供部では、前記第2のデータベースに格納された降雨量が前記第3のデータベースに格納された冠水時の前記降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲と予測される冠水位である予測冠水位とを特定し、
    前記警告表示変更指示を受信した前記子機においては、当該子機の前記警告表示部で冠水の事前警告表示が前記予測冠水位に応じて行われることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冠水予測システム。
  5. 前記情報提供部では、前記第2のデータベースに格納された降雨量が前記第3のデータベースに格納された冠水時の前記降雨量を上回った時に、冠水が予測される冠水予測範囲を特定すると共に、冠水が予測されることの警告メッセージを作成し、前記情報提供部に登録されている前記冠水予測範囲内の登録者の端末へ前記警告メッセージを配信することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の冠水予測システム。
  6. 前記情報提供部が前記登録者より、警告メッセージに対応して冠水予報マップの閲覧要求を受け取った際に、前記登録者のいる地点のエリアの地図を設定した第1レイヤーの表示情報に、前記冠水予測範囲を第2レイヤーの表示情報を重ねた画像データの冠水予報マップを作成して、前記登録者に配信するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の冠水予測システム
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