JP6723656B2 - 避難先警告表示システム - Google Patents
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Description
通常なら内水は下水道の雨水管やポンプ施設によって河川へと排水されるが、施設の能力が雨量に追い付かなかったり、外水の水位が上昇して排水できなかったりすると、内水の水はけが悪くなって建物や土地、道路などが水につかってしまう。近年、ゲリラ豪雨のような局地的豪雨の多発や都市化の進展に伴い、内水氾濫の被害リスクが増大している。
また、情報表示装置に替えて、構造体の出入口が示されているマップからなる案内板を設け、該案内板のマップ上において出入口の周辺外部の水位を検出するよう設置された第1の子機に対応する位置に第2の子機を設置して、水位情報の水位が規定水位を超えた際に、当該第1の子機にリンクする第2の子機に警告情報を送信して、第2の子機の警告表示部に警告情報に応じた警告表示が行われる。これにより、案内板を見ることで、外に冠水が発生している出入口があった場合は、出口としてはふさわしくなく、かつここにとどまっていると、当該出入口から冠水した水が流入してくる危険性がある事に気づくことが可能となる。従って、案内板を見ることで多くの人数に一度に情報を提供することができ、案内板に設置された第2の子機の警告表示部を見ることで安全性を確保することができる避難先を選定して避難することができるようになる。
ハザードマップシステム1の説明をするに当たり、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
図1に示すハザードマップシステム1は、端末群10と情報提供部12と複数の閉域通信網14a,14b,・・・,14mとを備えており、各部の間は通信網で接続されている。すなわち、情報提供部12と端末群10とは不特定多数の利用者によって共有して利用される拠点間を結ぶ公衆通信網やインターネット通信網からなる通信網11で接続され、閉域通信網14a〜14mと情報提供部12とは、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網13で接続される。
閉域通信網14a〜14mは、ハザードマップシステム1が作成しようとするハザードマップの地域をm分割して、m分割した地域毎に設置されている。すなわち、作成しようとするハザードマップの全地域をカバーする閉域通信網14a〜14mが設置される。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
子機20は図11に示すように、マイクロコントローラ21、センサー22、位置測位装置23、警告表示器24、閉域通信網通信I/F25とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置26を備えている。マイクロコントローラ21は、子機20の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ21は、センサー22で検出した水位のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、子機20が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、子機20の位置情報は、子機20における位置測位装置23がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した子機20の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置26から電源が投入された際には、子機20を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該子機20の位置情報に、当該子機20に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F25から親機a1へ送信する。また、マイクロコントローラ21が、センサー22から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ21は、そのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加して閉域通信網通信I/F25を介して所定時間毎に親機a1へ送信すると共に、規定水位を超えたと云う警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行う。これにより、子機20を観察することで、当該子機の地点の水位が規定水位を超えたことが分かるようになる。警告表示器24は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置26は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
親機30は図12に示すように、マイクロコントローラ31、広域通信網通信I/F32、閉域通信網通信I/F33とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置34を備えている。マイクロコントローラ31は、前述した図13に示す構成と同様とされ、CPU41、ROM42、RAM43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されているが、ROM42には親機30用の制御プログラムが記憶されている。マイクロコントローラ31では、ROM42に記憶されている親機30用の制御プログラムをCPU41が実行することにより、親機30の動作を統括制御している。すなわち、マイクロコントローラ31におけるCPU41は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位情報を受信してRAM43の領域に設定したテンポラリメモリに書き込む。そして、CPU41は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報を、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12へ送信する。なお、電源装置34は、商用電源を所定電圧の直流電圧に降圧する電源装置とされている。また、電源装置34は、商用電源に替えて使用電力容量に合わせた大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成するようにしてもよい。
図14(a)に示す構成の情報提供部12では、親機a1〜親機m1から広域通信網13を介して送られてきたデータが広域通信網通信I/F12dを介して受信されて、データ処理サーバー12bに渡される。データ処理サーバー12bは、受信したデータが子機ID付きの位置情報であった場合は、その位置情報を子機IDと関連付けてデータベース部12cのセンサー座標DB(DB:データベース)51に書き込む。この位置情報は、地図上の座標を示している。また、子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)の場合は、現在時刻と共に子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)を子機IDおよび取得時刻と関連付けてデータベース部12cのセンサー情報DB52に書き込む。これにより、親機a1〜親機m1から送出された子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報(センサー情報+時刻情報)が、子機IDと関連付けられてセンサー情報DB52に時々刻々と書き込まれていくようになる。
情報配信サーバー12a内に設けられているデータ処理装置50は、閲覧要求を情報配信サーバー12aが受け付けた際に、閲覧要求された地点を含む所定のエリアのリアルタイムの本発明にかかるハザードマップを作成する。このハザードマップは、例えば第1レイヤーの表示情報と、第1にレイヤーに重ねられる第2レイヤーの表示情報とから構成される。第1レイヤーの表示情報として、所定のエリアの地図情報が地図情報DB54から読み出されて設定され、第2レイヤーの表示情報として、少なくとも、子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報の水位を示すアイコンが、水位情報を取得した地点の座標に配置されている表示情報が設定される。この第2レイヤーの表示情報に、避難所やアンダーパスの地点の座標に配置されている避難所やアンダーパスのアイコン、冠水した地点の座標に配置されている冠水したことを示すアイコンを含ませることができる。
以下の説明においては、子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkを総称して示すとき、あるいは、いずれかを示すときには子機20として説明するものとする。また、同様に、親機a1〜親機m1を総称して示すとき、あるいは、いずれかを示すときには親機30として説明するものとする。
また、データ処理装置50は、閲覧要求された現在の時刻のリアルタイムのハザードマップを含む、直近の過去から現在の時刻までのいくつかのハザードマップが作成されており、閲覧者は、閲覧者がいる位置情報あるいは閲覧者が指定した位置情報に応じたエリアの時々刻々と推移するリアルタイムのハザードマップを閲覧できる。
図2に示すマップは、ハザードマップではなく、子機が現実に設置された位置を示す地図であり、エリアAには、海抜が低い区域や従来から冠水が発生している冠水が予見される区域である区域aが存在する場合の子機の設置例が図2に示されている。図2に示すように、エリアAを管轄する親機30がエリアAの中央のブロックA−5に設置されており、16台の子機20−1〜20−16がブロック間の道路および区域aを取り囲むように設置されている。区域aは冠水が予見される区域であることから、区域aの周囲に8台の子機20−7,20−8,20−10〜20−12,20−14〜20−16が重点的に設置される。
上記したように、水位を示すアイコンは、エリアA内に設置された子機20の内の規定水位を超えた有意な水位を検出した子機20が設置された地点の座標位置に表示されている。そして、規定水位を超えた水位を検出した子機20においては、規定水位を超えたことを警告する警告表示を警告表示器24を点灯させることにより行う。この警告表示器24が警告表示を行っている子機20のアイコンを警告表示を行っている態様のアイコンに変更して図4に示す。
なお、子機20は視線誘導標に限らず、上記した道路付属物のいずれでも実現することができる。
本発明の第1実施例にかかる避難先警告表示システムは複数の出入口が設置されている構造体である地下やビルディングなどの建物に適用することができる。この避難先警告表示システムを図7に示す地下街Sに適用した場合の避難先警告表示システムに用いられる閉域通信網14Tの構成を図6に、閉域通信網14Tを構成する親機Tと3台の子機P,Q,Rとの設置位置の例を図7に示す。図7では、エリアAの地下街Sに第1実施例にかかる避難先警告表示システムが適用された場合を示している。
親機Tは、上述した親機30と同様の構成とされ、同じ動作に加えて異なる動作を行っている。すなわち、親機Tには、子機P,Q,Rと情報表示装置8が属しており、子機P,Q,RからIDと位置情報を受信すると、データ処理サーバー12bおよび情報表示装置8に子機P,Q,RのIDと位置情報を送信する。また、子機P,Q,Rのいずれかにおいて規定水位を超えた水位を検出した場合は、当該子機から送信された水位情報をデータ処理サーバー12bおよび情報表示装置8に送信する。
図9に示すように、ディスプレイ83に表示されたマップ上において閾値を超えたことを検出した子機Pのアイコンが警告表示を行っている態様のアイコンに変更されると共に、子機Pの設置位置である第1出入口S1を示すアイコンを点滅されたり表示色等が変更された警告表示の態様とされると共に、「1」の文字の表示色が変更されたり反転表示されたりしている。また、子機Q,Rの表示態様は変更されず、第2出入口S2,第3出入口S3の表示態様も変更されない。出入口S1の階段を降りた地下の位置である現在地Dがディスプレイ83に表示された地下街Sに相当するマップ上に表示されており、ディスプレイ83には、現在地D、冠水場所、他の出入口等の情報が表示されている。
地下街Sの現在地Dにいるユーザが情報表示装置8を見ると、現在地Dと、第1出入口S1の外が冠水していること、第2出入口S2および第3出入口S3の外は冠水していないことを把握することができる。すなわち、このディスプレイ83の表示内容を見た現在地Dにいるユーザは、現在地Dから最寄りの第1出入口S1の外は冠水が発生しているため、出口としてはふさわしくなく、かつここにとどまっていると、第1出入口S1から冠水した水が流入してくる危険性がある事に気づくことが可能となる。
すなわち、情報表示装置8の表示を見ることで多くの人数に一度に情報を提供することができ、出入口に対応する警告表示を見ることで安全性を確保することができる避難先を選定して避難することができるようになる。
なお、子機処理は子機20の電源装置26がオンされている限り実行されており、電源装置26がオフされた際に子機処理は終了する。
情報表示装置8が所定の場所に設置されて、電源装置84がオンされると図18に示す情報表示処理をマイクロコントローラ81が開始する。情報表示処理が開始されると、ステップS36にてマイクロコントローラ81は、親機Tから閉域通信網14Tに属している子機P,Q,Rから送信された子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報を閉域通信網通信I/F82を介して受信されたか否かを判断する。ここで、子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報が受信されていない場合(NO)は、受信されるまで待機し、子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報が受信されたと判断した場合(YES)はステップS37に進む。ステップS37にてマイクロコントローラ81は、ディスプレイ83に地下街Sの第1の出入口S1ないし第3出入口S3が表示されている地下街Sに相当する図7に示すエリアAの地上のマップを表示させると共に、子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報に基づいて、表示されたマップ上の子機P,Q,Rが設置された位置に子機のアイコンを表示する。次いで、ステップS38にてマイクロコントローラ81は、子機P,Q,Rのいずれかから閾値を超えたID付きの水位情報が受信されたか否かを判断する。ここで、子機P,Q,Rのいずれかから閾値を超えたID付きの水位情報が受信されていない場合(NO)は、受信されるまで待機し、子機P,Q,Rのいずれかから閾値を超えたID付きの水位情報が受信されたと判断した場合(YES)はステップS39に進む。ステップS39にてマイクロコントローラ81は、ディスプレイ83に表示されたエリアAのマップ上に表示されている子機のアイコンであって、当該水位情報のIDに基づいて閾値を超えたデータを送信した子機のアイコンを警告表示の態様に変更する。ステップS39の処理が終了すると、ステップS38に戻りステップS38,S39の処理が繰り返し行われるようになる。情報表示処理は、電源装置84がオフされた際に終了する。
図19に示すDB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS40でCPU71は、親機30からデータを受信する。受信できない場合は、受信できるまで待機する。受信するデータは、IDを付加した子機20の位置情報、あるいは、子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報である。次いで、ステップS41でCPU71は、受信したデータが、IDを付加した子機20の位置情報の場合は、I/O74を介してセンサー座標DB51にそのIDに関連つけて位置情報を書き込み、子機20が取得したセンサー情報の場合は、I/O74を介してセンサー情報DB52に取得時刻と水位情報を取得した子機20のIDに関連して書き込む。ステップS41の処理が終了するとステップS40にリターンして、ステップS40,S41の処理が繰り返し実行される。DB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源がオフされた際に終了する。
メッセージ配信処理が起動されるとステップS50で、CPU61は前回配信した時から所定時間(例えば、1分)が経過したか否かを判断する。ここで、所定時間経過していないとCPU61が判断した場合(NO)は所定時間経過するまでステップS50で待機される。ステップS50で所定時間経過したとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS51に進み警告メッセージあるいは警告解除メッセージをCPU61が作成する。この場合、センサー情報DB52から子機20が検出した最新の時刻の水位情報を読み出して、冠水の危険が迫っているエリアがあるとCPU61が判断した場合に警告メッセージが作成され、冠水の危険が去ったエリアがあるとCPU61が判断した場合に警告解除メッセージが作成される。次いで、ステップS52でCPU61は、危険が迫っているエリアである警告領域が登録者情報DB55に登録されている登録者を抽出する。そして、ステップS53でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS54に分岐してステップS52で抽出した登録者に作成したメッセージを配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS54の処理が終了した場合は、ステップS50にリターンしてステップS50ないしステップS54の処理が繰り返し実行される。このように、所定時間、例えば1分毎に警告/警告解除メッセージが作成されて、その領域にいる登録者にメッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っている/危険が去ったことを理解することができる。
メッセージ配信処理が起動されるとステップS60でCPU61は、センサー情報DB52から子機20が検出した同じ時刻とされる水位情報を読み出して、警告あるいは警告解除に相当する程度だけ、取得した子機20のセンサー情報の水位が変化したか否かを判断する。ここで、水位が変化していないとCPU61が判断した場合(NO)は、水位が変化するまでステップS60で待機される。また、ステップS60で水位が変化したとCPU61が判断した場合(YES)はステップS61に進み、警告メッセージあるいは警告解除メッセージをCPU61が作成する。この場合、冠水の危険が迫っている程度の水位が変化したとCPU61が判断した場合に警告メッセージが作成され、冠水の危険が去った程度の水位が変化したとCPU61が判断した場合に警告解除メッセージが作成される。次いで、ステップS62でCPU61は、危険が迫っているエリアとされる警告領域内の携帯電話基地局を指定する。そして、ステップS63でCPU61は、作成したメッセージは配信済みか否かを判断する。ここで、配信済みでないとCPU61が判断した場合(NO)は、ステップS64に分岐してステップS62で指定した携帯電話基地局から作成したメッセージを登録者情報DB55に登録されている登録者に配信する。また、配信済みとCPU61が判断した場合(YES)と、ステップS64の処理が終了した場合は、ステップS60にリターンしてステップS60ないしステップS64の処理が繰り返し実行される。このように、冠水の危険が迫っている程度の水位が変化した際に警告メッセージが作成されて、その領域にいる登録者に警告メッセージが配信されることから、登録者は遅滞なく危険が迫っていることを理解することができる。
閲覧要求処理が起動されるとステップS70で、CPU61はハザードマップの閲覧要求があったか否かを判断する。ここで、閲覧要求がないとCPU61が判断した場合(NO)は、閲覧要求があるまでステップS70で待機される。閲覧者が自身の携帯電話10aあるいはPC10bから閲覧要求を行い、ステップS70で閲覧要求があったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS71に進みハザードマップをCPU61が作成する。次いで、ステップS72でCPU61は、作成したハザードマップを閲覧要求した閲覧者に配信する。ステップS72の処理が終了するとステップS70にリターンして、ステップS70ないしステップS72の処理が繰り返し実行されることから、閲覧要求がある毎にハザードマップが作成されて、閲覧要求した閲覧者に配信されるようになる。閲覧要求処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
閲覧要求処理のステップS71の処理が開始されると、ハザードマップを作成処理が開始され、ステップS80で、閲覧者のいる地点、あるいは、閲覧者が指定した地点の座標と閲覧要求の現在の時刻とをCPU71が検出する。そして、ステップS81でCPU71は、検出した座標の地点を含む所定範囲のエリアを設定し、当該エリアの地図を地図情報DB54から取得して該地図をハザードマップの第1レイヤーの表示情報として設定する。次いで、ステップS82でCPU71は、センサー情報DB52から、設定したエリアの各子機20の取得時刻が同時刻の水位情報を取得する。この場合、センサー情報DB52から読み出される同時刻の水位情報は、閲覧要求された現在の時刻と、その時刻より過去の直近のいくつかの過去の時刻との水位情報とされ、読み出された水位情報は時刻毎にまとめられる。そして、ステップS83でCPU71は、センサー座標DB51から、設定したエリアの各子機20の座標を取得し、各子機20の座標位置に、取得した時刻毎にまとめられた各子機20の水位を表すアイコンを配置し、時刻毎の第2レイヤーの表示情報として設定する。この場合、例えば、現在の時刻が10:03の場合は、時刻が10:00,10:01,10:02,10:03の時刻毎の第2レイヤーの表示情報が設定される。次いで、ステップS84でCPU71は、避難情報DB53から、設定したエリアの避難所、アンダーパスの座標を取得し、各座標位置に避難所、アンダーパスのアイコンを配置し、第2レイヤーの表示情報として設定する。次に、ステップS85でCPU71は、取得した時刻毎にまとめられた各子機20の水位に応じて冠水している領域を割り出し、該領域にある道路やアンダーパスに冠水注意のアイコンを配置して、時刻毎の第2レイヤーの表示情報として設定する。この場合、CPU71が、取得した各子機20の水位に応じて冠水した領域を割り出し、割り出した冠水領域に避難所がある場合には、避難所のアイコンの表示態様を点滅あるいは点灯表示もしくは色調を変更する。さらに、ステップS86でCPU71は、第1レイヤーの表示情報に、第2レイヤーの表示情報および時刻毎の第2レイヤーの表示情報を重ねた画像データを時刻毎に分けて作成し、設定したエリアの時刻毎のハザードマップを作成する。ステップS86の処理が終了すると、ハザードマップ作成処理は終了し、閲覧請求処理のステップS72にリターンする。
本発明の第2実施例にかかる避難先警告表示システムは複数の出入口が設置されている構造体とされる地下やビルディングなどの建物に適用することができる。第2実施例の避難先警告表示システムを図26に示す地下街Sに適用した場合の避難先警告表示システムに用いられる閉域通信網14Tの構成を図24に、閉域通信網14Tを構成するリンク子機220の構成を示す機能ブロック図を図25に示す。
図28(a)(b)に示すように、リンク子機220は直方体状のケースを備え、このケースの上面から閉域通信網用のアンテナ225aが突出して設けられており、ケースの前面には警告表示部224の表示面が臨んでいる。また、ケースの内部には警告表示部224、閉域通信網通信I/F225、マイクロコントローラ221、電源装置226とされる二次電池226aが収納されており、背面から貼着する面が臨むように磁石227がケース内に収納されている。上記した案内板5は強磁性体の板が表示面とされており、リンク子機220を案内板5の表示面の任意の位置に磁石227により固定することができる。また、磁石227に替えて両面テープや接着剤により貼着面をケースの背面に設けて、この貼着面を案内板5の表示面に貼着することにより、リンク子機220を案内板5に固定するようにしてもよい。
図27に示すように、案内板5に描かれている地上のマップ上において3つの出入口S1,S2,S3に3台のリンク子機Pa、Qa、Raが固定されている。すなわち、子機Pにリンクしているリンク子機Paが第1出入口S1の横に磁石227により固定され、子機Qにリンクしているリンク子機Qaが第2出入口S2の横に磁石227により固定され、子機Rにリンクしているリンク子機Raが第3出入口S3の横に磁石227により固定されている。そして、子機Pのセンサーで検出された水位が規定水位より高い閾値を超えたと親機Tが判断した場合、親機Tは子機Pにリンクしているリンク子機Paに警告表示部224の点灯指示を送信する。これにより、図27に示すようにリンク子機Paにおいては警告表示部224を点灯して警告表示を行うようになる。
地下街Sにいるユーザが案内板5を見ると、現在地と、第1出入口S1の外が冠水していること、第2出入口S2および第3出入口S3の外は冠水していないことを把握することができる。すなわち、この案内板5の案内内容を見たユーザは、現在地に第1出入口S1が最寄りであったとしてもその外は冠水が発生しているため、出口としてはふさわしくなく、かつここにとどまっていると、第1出入口S1から冠水した水が流入してくる危険性がある事に気づくことが可能となる。
すなわち、案内板5の案内を見ることで多くの人数に一度に情報を提供することができ、出入口に対応する警告表示を見ることで安全性を確保することができる避難先を選定して避難することができるようになる。
リンク子機220が案内板5の所定位置に固定されて、電源装置226がオンされると図29に示すリンク子機処理をマイクロコントローラ221が開始する。リンク子機処理が開始されると、ステップS100にてマイクロコントローラ221は、リンク子機220にリンクする子機が設置されている位置情報がユーザにより設定されたか否かを判断する。ここで、位置情報が設定されていない場合(NO)は設定されるまで待機し、位置情報が設定されたとマイクロコントローラ221が判断した場合(YES)はステップS101に進む。ステップS101でマイクロコントローラ221は、設定された位置情報に当該リンク子機220に割り当てられているIDを付加して、当該リンク子機220が属する親機Tに閉域通信網を介して送信する。次いで、ステップS102にてマイクロコントローラ221は、閉域通信網通信I/F225により当該リンク子機220が属する親機Tから警告表示変更指示を受信したか否かを判断する。ここで、マイクロコントローラ221が警告表示変更指示を受信したと判断した場合(YES)は、ステップS103に進んでマイクロコントローラ221は、警告表示変更指示に応じた警告表示の点灯あるいは消灯を警告表示部224で行う。また、ステップS102でマイクロコントローラ221が警告表示変更指示を受信していないと判断した場合(NO)は、警告表示変更指示を受信するまで待機する。これにより、リンク子機220の警告表示部224は当該リンク子機220が属する親機Tから送信された警告表示変更指示に応じた警告表示を行うようになる。
なお、リンク子機処理はリンク子機220の電源装置226がオンされている限り実行されており、電源装置226がオフされた際にリンク子機処理は終了する。
親機Tが所定の場所に設置されて、電源装置34がオンされると図30に示す親機処理(その3)をマイクロコントローラ31が開始する。なお、親機Tに属している子機は子機P,Q,Rとリンク子機Pa、Qa、Raとされる。親機処理(その3)が開始されると、ステップS111にてマイクロコントローラ31は、当該親機Tに属している子機P,Q,Rから送信された子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報を閉域通信網通信I/F33を介して受信して、テンポラリメモリに記憶し、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12に子機P,Q,RのそれぞれのIDおよび位置情報を送信する。次いで、ステップS112にてマイクロコントローラ31は、子機P,Q,RのIDと子機P,Q,Rリンクされて対になるリンク子機Pa、Qa、RaのIDとを関連付ける。そして、ステップS113に進みマイクロコントローラ31は、子機P,Q,RからID付きの水位情報を受信すると、マイクロコントローラ31は、受信したID付きの水位情報を情報提供部12に送信する。この親機Tから情報提供部12への送信は、子機P,Q,Rからのデータを受信する毎に行われる。
図31に示す端末装置300は、マイクロコントローラ301、センサー302、位置測位装置303、警告表示器304、閉域通信網通信I/F305、広域通信網通信I/F306とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置308を備えている。マイクロコントローラ301は、端末装置300の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ301は、マイクロコントローラ301に記憶されている端末装置300用の制御プログラムを実行することにより、子機20および親機30の機能を備える端末装置300として動作する。すなわち、センサー302で検出した水位のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、端末装置300が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、端末装置300の位置情報は、位置測位装置303がGPS等を使用して測位した位置情報、あるいは、直接入力した端末装置300の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置308から電源が投入された際には、端末装置300を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該端末装置300の位置情報に、当該端末装置300に割り当てられている一意の子機IDを付加する。
なお、端末装置300の警告表示器304を観察することで、当該端末装置300が設置された地点の水位が規定水位を超えたことが分かるようになる。警告表示器304は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置308は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
これらの図に示すように、本発明の実施例にかかる避難先警告表示システムの子機P,Q,Rおよび本発明の実施例にかかる避難先警告表示システムを備えるハザードマップシステム1における子機20として使用される視線誘導標100は、円筒状の縦に細長い樹脂製の円筒状ケース110と、円筒状ケース110の下端に装着される樹脂製あるいは金属製の基部113とから構成され、円筒状ケース110と基部113からなるケース内に後述する端末装置001と一体化されている。視線誘導標100は、道路付属物とされる視線誘導標として機能し、基部113は、接着やボルトによって道路等に固定することができる。また、基部113の内部に水や砂をつめて設置することもでき、この場合は、視線誘導標100を道路上等に置くだけで子機20として利用することができる。また、親機30としても利用することができる。これにより、視線誘導標100は必要な時だけ(例えば、大雨警報時)設置して、その後は撤去する等柔軟に対応できるようになる。視線誘導標100の縦方向の長さL1は約300mm〜1200mmとされ、基部113の外径R1は約200mmとされる。
さらに図34に示すように、基部113の底面に嵌め込まれる厚さの薄い円盤状の基部底板113bの上面には、マイクロコントローラ118a、位置測位装置118b、広域通信網通信I/F118c、閉域通信網通信I/F118d、二次電池118eからなる回路部118が接着やネジ止め等で固定されている。回路部118の各部間はバスで接続されている。なお、広域通信網用アンテナ部115aと広域通信網通信I/F118cとが通線117aで接続され、閉域通信網用アンテナ部115bと閉域通信網通信I/F118dとが通線117bで接続され、GPSアンテナ112と位置測位装置118bとが通線で接続されている。なお、広域通信網通信I/F118cは、インターネット通信や公衆通信に対応しており、閉域通信網通信I/F118dは、無線LANなどのワイヤレスの閉域通信網に対応している。
また、設置環境に合わせるよう太陽光パネル111に替えて振動発電機等を適宜選択することができる。また、開口部110aを設けることに替えて、円筒状ケース110を光が透過するようにしてもよい。なお、太陽光パネル111、GPSアンテナ112と位置測位装置118b、アンテナ部115と閉域通信網通信I/F118dおよび広域通信網通信I/F118c、マイクロコントローラ118aと二次電池118e、警告表示部114からなる端末装置001は視線誘導標100の機能を阻害しないように、視線誘導標100に内蔵される構造となっている。視線誘導標100は自立可能とされ、閉域通信網をワイヤレスとすると、外部電源が確保できない道路以外の地面などに直接おいて設置可能となり、公園や避難所、広場、田んぼの中や畦、住宅の庭、河川敷内などの地面にも設置可能となる。
図35(a)に示す視線誘導標201は、例えば端末装置300が一体化されており、円筒状の縦に細長いポール部201aと、ポール部201aの下端に固着された円形や矩形の板状の基部201bとから構成されている。路側や道路に基部201bが固定されることにより、視線誘導標201が設置される。ポール部201aの外周面の上部に3段のリング状発光部からなる警告表示部211が設けられている。警告表示部211は、3段のリング状発光部の発光する発光色の色調、発光する段数および発光する段の組み合わせのパターンなどにより、規定水位を超えたことを報知する。
また、図35(b)に示す視線誘導標202は、例えば端末装置300が一体化されており、円筒状の縦に細長いポール部202aと、ポール部202aの下端に固着された円形や矩形の板状の基部202bとから構成されている。路側や道路に基部202bが固定されることにより、視線誘導標202が設置される。ポール部202aの外周面の上部に3段のリング状発光部からなる警告表示部212が設けられている。警告表示部212では、3段のリング状発光部で矢印の図形を表示させる発光が行われ、その矢印の方向で冠水している方向が報知される。
さらに、図35(d)に示す視線誘導標204は、例えば端末装置300が一体化されており、円筒状の縦に細長いポール部204aと、ポール部204aの下端に固着された円形や矩形の板状の基部204bとから構成されている。路側や道路に基部204bが固定されることにより、視線誘導標204が設置される。ポール部204aの外周面の上部に円筒状の発光部からなる警告表示部214が設けられている。警告表示部214では、円筒状の発光部に「浸水」や「冠水」の文字を表示する発光を行うことにより、規定水位を超えたことを報知する。
本発明の実施例にかかる避難先警告表示システムにおける子機を、視線誘導標で実現することを説明したが、視線誘導標に限らず、境界ブロック、縁石、支持柱、防護柵、壁構造物、標識、デリニエータ、道路鋲などの道路付属物で実現することができる。この場合、子機を実現する道路付属物に、子機の機能を備える端末装置が一体化あるいは装着されることにより、道路付属物が子機として機能するようになる。
また、以上説明した本発明の実施例にかかる避難先警告表示システムの位置測位装置を備える子機においては、GPSに限らず、設置された位置の座標を位置測位装置が、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを使用して測位するようにしてもよい。
また、地下や建物の地上出入口や道路等に、図1における携帯電話10aやPC10bを表示装置として設置し、本発明にかかる避難先警告表示システムにおける情報表示装置あるいは案内板と組み合わせて情報提供を行うことも可能である。
Claims (5)
- 水位センサーと警告表示部とを少なくとも有し、構造体の出入口の周辺外部の水位を検出可能な場所に設置され、設置された地点の座標情報を送出すると共に、前記水位センサーで検出した水位が有意な水位となった時に、取得された水位と取得された時刻とを含む水位情報を送出すると共に、前記警告表示部において取得された水位に応じた警告表示を行う複数の子機と、
通信部と、前記出入口が少なくとも示されているマップが表示される表示手段とを有し、前記構造体の前記出入口の周辺に設置される情報表示装置と、
所定の地域内に設置された前記複数の子機が属する親機とを備え、
前記親機は、該親機に属する前記複数の子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信して、受信した前記座標情報および前記水位情報を前記情報表示装置に送信し、
前記情報表示装置は、前記親機から送信された前記座標情報および前記水位情報を前記通信部で受信し、受信された前記水位情報の前記水位に応じた警告表示を、当該水位情報を取得した前記子機が設置された前記座標情報に対応する前記マップ上の位置に表示することを特徴とする避難先警告表示システム。 - 前記情報表示装置においては、前記マップ上の前記出入口の位置に出入口のアイコンが表示されると共に、前記マップ上に前記複数の子機のアイコンが、当該子機が設置された前記座標情報に応じた位置に表示され、前記水位情報の前記水位に応じた警告表示が、前記子機のアイコンの表示態様を警告状態に変更させることにより行われることを特徴とする請求項1に記載の避難先警告表示システム。
- 前記親機は、受信した前記座標情報および前記水位情報を、ハザードマップ作成部に送出し、
前記ハザードマップ作成部は、前記水位情報を受け取って前記座標情報に対応するマップの位置に、前記取得された水位を示すアイコンが表示されるハザードマップを作成し、該ハザードマップをウェブ上において閲覧可能とすることを特徴とする請求項1または2に記載の避難先警告表示システム。 - 水位センサーと警告表示部とを少なくとも有し、構造体の出入口の周辺外部の水位を検出可能な場所に設置され、設置された地点の座標情報を送出すると共に、前記水位センサーで検出した水位が有意な水位となった時に、取得された水位と取得された時刻とを含む水位情報を送出すると共に、前記警告表示部において取得された水位に応じた警告表示を行う複数の第1の子機と、
前記構造体の前記出入口が少なくとも示されているマップからなり、前記出入口の周辺に設置される案内板と、
前記案内板の前記マップ上の前記複数の第1の子機が設置された前記座標情報に対応する所定位置に設置され、警告表示部を有すると共に、自機の識別情報を送出可能な前記複数の第1の子機にそれぞれリンクしている複数の第2の子機と、
所定の地域内に設置された複数の前記第1の子機および前記第2の子機とが属する親機とを備え、
前記親機は、前記複数の第1の子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信すると共に、前記複数の第2の子機から送出された前記識別情報を受信し、受信した前記座標情報および前記識別情報により当該第1の子機とリンクするいずれかの前記第2の子機とを関連付け、前記第1の子機から受信した前記水位情報の水位が規定水位を超えた際に、当該第1の子機にリンクする前記第2の子機に警告情報を送信し、
前記第2の子機は、前記親機から送信された前記警告情報に応じた警告表示を、前記警告表示部で行うようにしたことを特徴とする避難先警告表示システム。 - 前記親機は、該親機に属する複数の前記第1の子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信して、ハザードマップ作成部に送出し、
前記ハザードマップ作成部は、前記水位情報を受け取って前記座標情報に対応するマップの位置に、前記取得された水位を示すアイコンが表示されるハザードマップを作成し、該ハザードマップをウェブ上において閲覧可能とすることを特徴とする請求項4に記載の避難先警告表示システム。
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