JP6758767B2 - 車両警報システム - Google Patents
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Description
この従来のリアルタイム動的氾濫シミュレーションシステムでは、河川情報データベースと、氾濫原データベースと、流出解析手段と、河道水位予測手段と、破堤点流入量計算手段と、氾濫解析手段と、フィードバック補正手段と、シミュレーション表示手段と、地図情報、住所・ランドマーク情報、雨に関する河川情報及び洪水ハザードマップ関連情報を配信サーバより自動的に発信させるデータ配信手段とを組み合わせて、インターネット、パソコン通信、ネットワークが利用できるプラットフォームから自動的に配信するようにしている。
本発明の車両警報システム1の説明をするに当たり、住宅などが水に浸かることを「浸水」、田畑や道路などが水に浸ることを「冠水」と一般的に云われているが、本明細書においては、「浸水」と「冠水」とを住宅などや田畑や道路などが水に浸ることを意味する同義語として扱い、以下の説明においては特に断らない限り「冠水」というものとする。
図1に示す車両警報システム1は、車両10と情報提供部12と道路交通情報提供センター15とセンシング部2とを備えており、各部の間は通信網で接続されている。すなわち、情報提供部12と車両10と道路交通情報提供センター15は不特定多数の利用者によって共有して利用される拠点間を結ぶ公衆通信網やインターネット通信網からなる通信網11で接続され、センシング部2と情報提供部12とは、インターネット通信網や公衆通信網からなる広域通信網13で接続される。
センシング部2は、複数の閉域通信網14a,14b,・・・,14mを備えており、を備えており、閉域通信網14a〜14mは、地域をm分割した地域毎に設置されている。すなわち、全地域をカバーする閉域通信網14a〜14mが設置される。閉域通信網は、専用の通信回線を利用する通信網であり、データを途中で傍受されたり改ざんされるおそれを防止できる通信網である。
図6に示すように子機20は、マイクロコントローラ21、センサー22、位置測位装置23、警告表示器24、閉域通信網通信I/F25とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置26を備えている。マイクロコントローラ21は、子機20の動作を統括制御する制御手段であり、時計機能を有している。具体的には、マイクロコントローラ21は、センサー22で検出した水位のセンサー情報を取得すると共に、取得した時刻情報を取り込んで、時刻情報を付したセンサー情報を内部のテンポラリメモリに書き込む。また、子機20が設置された地点の位置情報をテンポラリメモリに書き込む。この場合、子機20の位置情報は、子機20における位置測位装置23がGPS等を使用して測位し、センサー情報から取得した位置情報、あるいは、直接入力した子機20の位置情報とされる。また、図示しないスイッチがオンされて電源装置26から電源が投入された際には、子機20を初期化する。そして、位置情報の取得が終了した際に、テンポラリメモリに書き込まれている当該子機20の位置情報に、当該子機20に割り当てられている一意の子機IDを付加して、閉域通信網通信I/F25から親機a1へ送信する。また、マイクロコントローラ21が、センサー22から取得した水位が規定水位を超えたと判断した場合は、マイクロコントローラ21は、そのセンサー情報と取得した時刻情報からなる水位情報に子機IDを付加して閉域通信網通信I/F25を介して所定時間毎に親機a1へ送信すると共に、規定水位を超えたことを報知する警告表示器24を点灯させる。これにより、子機20を観察することで、当該子機の地点の水位が規定水位を超えたことが分かるようになる。警告表示器24は、発光ダイオード(LED)などの発光デバイスによって構成できる。なお、電源装置26は大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成することができる。
なお、第1の閉域通信網14a〜第mの閉域通信網14mにおける子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkは、各閉域通信網に割り当てられた区域内の地点に設置されているが、過去の水害情報や海抜高度を考慮して、冠水が発生しやすい地点に重点的に設置するのが好ましい。
図7に示すように親機30は、マイクロコントローラ31、広域通信網通信I/F32、閉域通信網通信I/F33とを備え、これらをバスにより接続している。また、各部へ電源を供給する電源装置34を備えている。マイクロコントローラ31は、前述した図8に示す構成と同様とされ、CPU41、ROM42、RAM43、I/O44を備え、これらをバス45で接続して構成されているが、ROM42には親機30用の制御プログラムが記憶されている。マイクロコントローラ31では、ROM42に記憶されている親機30用の制御プログラムをCPU41が実行することにより、親機30の動作を統括制御している。すなわち、マイクロコントローラ31におけるCPU41は、閉域通信網通信I/F33を介して子機20から送信された子機ID付きの位置情報、子機ID付きの水位情報を受信してRAM43の領域に設定したテンポラリメモリに書き込む。そして、CPU41は、子機20から受信した子機ID付きの位置情報および子機ID付きの水位情報を、広域通信網通信I/F32を介して情報提供部12へ送信する。なお、電源装置34は、商用電源を所定電圧の直流電圧に降圧する電源装置とされている。また、電源装置34は、商用電源に替えて使用電力量に合わせた大容量キャパシタあるいは2次電池と、充電用の太陽光パネルとから構成するようにしてもよい。
図9(a)に示す構成の情報提供部12では、親機a1〜親機m1から広域通信網13を介して送られてきたデータが広域通信網通信I/F12dを介して受信されて、データ処理サーバー12bに渡される。データ処理サーバー12bは、受信したデータが子機ID付きの位置情報であった場合は、その位置情報を子機IDと関連付けてデータベース部12cのセンサー座標DB(DB:データベース)51に書き込む。この位置情報は、地図上の座標を示している。また、子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)の場合は、現在時刻と共に子機ID付きの水位情報(センサー情報+時刻情報)を子機IDおよび取得時刻と関連付けてデータベース部12cのセンサー情報DB52に書き込む。これにより、親機a1〜親機m1から送出された子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkで検出された水位情報(センサー情報+時刻情報)が、子機IDと関連付けられてセンサー情報DB52に時々刻々と書き込まれていくようになる。
情報配信サーバー12a内に設けられているデータ処理装置50は、冠水状況の取得要求を情報配信サーバー12aが受け付けた際に、センサー情報DB52に格納されている各子機20の水位情報から冠水が現時点において発生しているかを検知して、発生している場合は冠水しているエリアにおける冠水状況の表示情報を作成する。この場合、冠水しているエリアが複数ある場合は、エリア毎に冠水状況の表示情報が作成される。冠水状況の取得要求は、道路交通情報提供センター15が所定時間間隔で行い、作成された冠水状況の表示情報は情報配信サーバー12aから道路交通情報提供センター15に配信される。この冠水状況の表示情報では、子機a2〜ai、子機b2〜bj、子機m2〜mkの各子機20で検出された水位情報の水位を示すアイコンが、水位情報を取得した各子機20の設置位置の座標に配置された表示情報が設定される。この表示情報に、避難所やアンダーパスのアイコン、冠水したことを示すアイコンを含ませることができる。
図2は、子機20が現実に設置された位置を示す地図であり、少なくともエリアAの範囲を管轄する親機30がエリアAの中央のブロックA−5に設置されており、エリアAのブロックA−1〜A−9に16台の子機20−1〜20−16が設置されている。この場合、冠水が予見される区域に重点的に子機20を配置するようにしてもよい。すなわち、ブロックA−1〜A−9におけるブロック間の道路に子機20−1〜子機20−7、子機20−9〜子機20−13,子機20−15が配置され、ブロックA−6に子機20−8が、ブロックA−8に子機20−14が、ブロックA−9に子機20−16が配置されている。
子機20を視線誘導標で実現した場合の警告表示部における警告表示の態様を図5に示す。なお、視線誘導標は、路側や道路に設置される道路付属物であるが、設置する理由は次の通りである。自動車のドライバーは、区画線や防護柵などを走行する際の目印として運転をしているが、夜間や霧、降雨、降雪時にはその視認性が著しく低下することが知られている。そこで、視線誘導標により、視程不良時にも自動車のヘッドライトを反射し、路側や道路線形の視認性を高め、ドライバーの視線を正しく誘導するようにしている。
なお、子機20は視線誘導標に限らず、上記した道路付属物のいずれでも実現することができる。
なお、子機処理は子機20の電源装置26がオンされている限り実行されており、電源装置26がオフされた際に子機処理は終了する。
図12に示すDB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源が投入されたときに起動する。起動されるとステップS40でCPU71は、親機30からデータを受信する。受信できない場合は、受信できるまで待機する。受信するデータは、IDを付加した子機20の位置情報、あるいは、子機20が取得したセンサー情報とその取得時刻からなる水位情報である。次いで、ステップS41でCPU71は、受信したデータが、IDを付加した子機20の位置情報の場合は、I/O74を介してセンサー座標DB51にそのIDに関連つけて位置情報を書き込み、子機20が取得したセンサー情報の場合は、I/O74を介してセンサー情報DB52に取得時刻と水位情報を取得した子機20のIDに関連して書き込む。ステップS41の処理が終了するとステップS40にリターンして、ステップS40,S41の処理が繰り返し実行される。DB書込処理は、データ処理サーバー12bの電源がオフされた際に終了する。
冠水状況要求処理が起動されるとステップS70で、CPU61は道路交通情報提供センター15から冠水状況の取得要求があったか否かを判断する。ここで、道路交通情報提供センター15から冠水状況の取得要求がない(NO)場合は、取得要求があるまでステップS70で待機される。ステップS70で道路交通情報提供センター15から冠水状況の取得要求があったとCPU61が判断した場合(YES)は、ステップS71に進みCPU61は冠水が発生しているか否かを判断する。ここで、CPU61は、センサー情報DB52に格納されている各子機20の水位情報を参照して、水位情報におけるセンサー情報の水位が予め定めた水位を超えていることを検出することで、いずれかの子機20の設置地点において冠水が発生しているか否かを判断する。そして、CPU61が冠水が発生していると判断した場合(YES)はステップS72に進んで、CPU61は冠水状況の表示情報をデータ処理装置50に作成させる。そして、ステップS73でCPU61は、作成された冠水状況の表示情報を要求元である道路交通情報提供センター15に配信する。また、ステップS71でCPU61が冠水していないと判断した場合(NO)は、ステップS74に分岐して冠水が発生していない旨のメッセージを道路交通情報提供センター15に配信する。ステップS73あるいはステップS74の処理が終了するとステップS70に戻り、ステップS70ないしステップS74の処理が繰り返し行われる。冠水状況要求処理は、情報配信サーバー12aの電源がオフされた際に終了する。
冠水状況要求処理のステップS72の処理が開始されると、冠水状況要求処理が開始され、ステップS80で、冠水している所定エリアあるいは要求元から指定された所定エリアを決定し,その所定エリアの座標と取得要求の現在の時刻とをCPU71が検出する。そして、ステップS81でCPU71は、センサー情報DB52から、決定された所定範囲のエリア内に設置されている各子機20の取得時刻が現在時刻に直近の水位情報を取得する。そして、ステップS82でCPU71は、センサー座標DB51から、検出したエリアの各子機20の座標を取得し、各子機20の座標位置に、取得した各子機20の水位を高さで表すアイコンを配置し、表示情報として設定する。次いで、ステップS83でCPU71は、データベース部12cが備えている図示しない避難情報DBから、検出したエリアの避難所、アンダーパスの座標を取得し、各座標位置に避難所、アンダーパスのアイコンを配置した表示情報を設定する。次に、ステップS84でCPU71は、設定した表示情報から冠水状況の表示情報を作成する。ステップS84の処理が終了すると、冠水状況作成処理は終了し、冠水状況要求処理のステップS73にリターンする。
なお、道路交通情報提供センター15が情報提供部12に冠水状況の取得要求を行うのは、所定時間間隔、例えば1分毎に行うのが好適である。また、冠水しているエリアが複数ある場合は、エリア毎に冠水状況の表示情報が作成される。すなわち、ある1つの所定エリアを越えて冠水が発生している地点(子機20の設置位置)が複数ある場合は、その冠水が発生している地点を含む新たな所定エリアが決定されて、上記した冠水状況の表示情報が新たに当該所定エリアの冠水状況の表示情報として作成されるようになる。
交通情報配信処理が起動されると、ステップS50で処理装置は情報提供部12から冠水状況の表示情報が配信されたか否かを判断する。ここで、冠水状況の表示情報が配信されていない場合(NO)は待機され、冠水状況の表示情報が配信されたと判断された場合(YES)はステップS51に進む。ステップS51で処理装置は配信された冠水状況の表示情報のエリアを検出する。次いで、ステップS52で処理装置は冠水状況の表示情報を含む交通情報を、当該エリアにおいてだけ送信する。ステップS52の処理が終了するとステップS50に戻り、ステップS50ないしステップS52の処理が繰り返し行われる。この場合、冠水状況の表示情報はエリア毎に作成されていることから、エリア毎の複数の冠水状況の表示情報がある場合は、エリア毎に対応する冠水状況の表示情報が当該エリア内だけに送信される。なお、交通情報には、通行止、速度規制、斜線規制などの交通規制情報、および、事故、故障車、路上障害物、工事、作業などの交通障害情報が含まれている。これらの交通情報の取得は、交通情報配信処理のフローチャートでは割愛している。この交通規制情報は、FM多重放送やビーコンを使ってリアルタイムに道路上の車両に向けて送信され、車両に搭載されたカーナビゲーションシステム10bが備える道路交通情報受信機10aで受信される。なお、道路交通情報受信機10aはVICS受信機とすることができる。
交通情報表示処理が起動されると、ステップS60で処理装置は道路交通情報受信機10aで交通情報を受信したか否かを判断する。ここで、交通情報を受信していない場合(NO)は待機され、交通情報を受信されたと判断された場合(YES)はステップS61に進む。ステップS61で処理装置は受信された冠水状況の表示情報を含む交通情報を、カーナビゲーションシステム10bのディスプレイに表示されている車両が走行している地図上に重ねて表示する。ステップS61の処理が終了するとステップS60に戻り、ステップS60ないしステップS61の処理が繰り返し行われる。なお、あるエリア内において車両に搭載された道路交通情報受信機10aが交通情報を受信した際に、カーナビゲーションシステム10bのディスプレイに表示されている車両の走行位置が示されている地図のエリアは、受信した交通情報に含まれる冠水状況の表示情報のエリアに該当することになる。これにより、冠水状況の表示情報における水位を高さで示すアイコンが、カーナビゲーションシステム10bのディスプレイに表示されている地図の座標位置に重ねて表示されるようになる。
これにより、車両のドライバーはカーナビゲーションシステムのディスプレを見ることで事前に周囲の道路の路面状況や冠水場所を把握することができ、水没やハイドロプレーニング現象を防ぐ事が出来る。
なお、車両が走行している地図を、カーナビゲーションシステム10bのディスプレイに表示する処理は、交通情報表示処理のフローチャートでは割愛している。
また、以上説明した本発明の実施例にかかる車両警報システムにおける位置測位装置を備える子機においては、GPSに限らず、設置された位置の座標を位置測位装置が、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを使用して測位するようにしてもよい。
さらに、水位を示すアイコンは第2レイヤーの表示情報とされており、形状が円筒状とされて、円筒状のアイコンの高さで水位を示しているが、アイコンの図形は水位を示す図形であればどのような図形でもよい。また、冠水した道路および冠水地点に隣接する道路が冠水により通行が危険となるおそれがある場合は、冠水した道路および冠水地点に隣接する道路に重なるアイコンを表示して、そのアイコンの表示色や図形などにより冠水により通行が危険であることを表示しても良い。
Claims (4)
- 水位センサーを少なくとも有し、設置された地点の座標情報を送出すると共に、前記水位センサーで検出した水位が有意な水位となった時に、取得された水位と取得された時刻とを含む水位情報を送出する複数の子機と、
所定の範囲の通信エリアを有し、該通信エリア内に設置された前記複数の子機から送出された前記座標情報および前記水位情報を受信して、情報提供部に送信する複数の親機と、
前記複数の親機から送信された前記座標情報および前記水位情報を受信して、前記座標情報の位置に、前記水位情報に応じた水位を示すアイコンが表示される冠水状況の表示情報を作成する情報提供部と、
道路交通情報を車両のカーナビゲーションシステムに提供する道路交通情報提供センターとを備え、
前記道路交通情報提供センターが前記情報提供部に前記冠水状況の表示情報を要求し、前記情報提供部から配信された前記冠水状況の表示情報を、道路交通情報と共に車両のカーナビゲーションシステムに送信するようにしたことを特徴とする車両警報システム。 - 前記冠水状況の表示情報は、所定のエリアに対応する冠水状況の表示情報とされており、前記道路交通情報提供センターは前記所定のエリアにおいて対応する前記冠水状況の表示情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の車両警告システム。
- 前記道路交通情報提供センターから送信された前記冠水状況の表示情報が、前記所定のエリア内の車両のカーナビゲーションシステムにおいて、道路交通情報と共に受信された際に、前記カーナビゲーションシステムのディスプレイに表示されている地図上に、前記冠水状況の表示情報における前記水位を示すアイコンが重ねて表示され、該アイコンは対応する水位が取得された前記子機の設置された地点の座標位置に表示されることを特徴とする請求項2に記載の車両警告システム。
- 前記子機は警告表示器を備えており、前記子機の内の検出した水位が規定水位を超えた子機において、前記警告表示器により冠水した水位を示す警告表示を行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両警報システム。
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